JP4272794B2 - 水中脱出訓練装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機又は自動車等の乗物が事故等により不時着水した状況を想定して搭乗者が乗物室外へ脱出する訓練を行う水中脱出訓練装置に関し、特に、簡単な構造で小型軽量であり、付帯設備を要さず容易に脱出訓練が行える水中脱出訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の水中脱出訓練装置としては、特開平8−305269号公報に記載されたもの等が提案されている。上記水中脱出訓練装置は、貯水部と、基端側が軸支され上記貯水部に対応して設けられたアームと、訓練対象乗物の少なくとも一部を模して構成され上記アームの先端側において左右仮想軸及び前後仮想軸の周りに回動可能に支持されたカプセルと、上記アームを回動させる第1の駆動手段と、上記カプセルをその左右仮想軸の周りに回動させる第2の駆動手段と、上記カプセルをその前後仮想軸の周りに回動させる第3の駆動手段とを具備して構成されていた。
【0003】
そして、上記カプセル内に訓練員が搭乗し、第1の駆動手段でアームを回動させ上記カプセルを下降して貯水部に着水させ、第2の駆動手段で上記カプセルをその左右仮想軸の周りに回動させたり、第3の駆動手段で上記カプセルをその前後仮想軸の周りに回動させたりして、該カプセルが上記貯水部に水没した状態になったところで、内部の訓練員が非常脱出扉を開けて外部に脱出する訓練を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の水中脱出訓練装置においては、長大なアームを必要とし、各駆動手段として油圧シリンダや油圧モータを使用するので、装置が複雑且つ大掛かりであり、重量も大きいものであった。また、上記カプセルと共にアーム及びその周辺部分が貯水部に水没するので、該貯水部の水が上記駆動手段の油脂類で汚染されることがあった。さらに、各種の付帯設備を要すると共に、設置場所が固定されるものであった。さらにまた、装置が複雑且つ大掛かりであることから、整備性が良いとは言えず、またコスト高でもあった。
【0005】
なお、上記以外の従来例として、特開平8−305268号公報に記載されているように、門形のベースフレームで模擬カプセルを下方に懸吊支持し、上記模擬カプセルを上下動し、前後に傾斜動させ、前後軸周りに回動させて貯水部に出入りするようにした水中脱出訓練装置がある。しかし、この従来例においても、上記と同様の問題点を有しているものであった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、簡単な構造で小型軽量であり、付帯設備を要さず容易に脱出訓練を行うことができ、移動も可能な水中脱出訓練装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第一の手段による水中脱出訓練装置は、訓練対象乗物の一部を模して形成され、内部の床板上に訓練員が着座する座席を有し、少なくとも一方の側壁部には脱出用の開口部を有する模擬胴体と、この模擬胴体の床板の下面側に取り付けられる浮力材とを備え、上記模擬胴体の自重と上記浮力材に働く浮力との位置関係により該模擬胴体が訓練水面にて水没する構成としたものである。
【0008】
このような構成により、模擬胴体の内部に訓練員が搭乗した状態で該模擬胴体を訓練水面に移動して置くと、上記模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係から、上記模擬胴体は訓練水面で自然に横転し始め、さらに上下反転状態まで回転しながら水没する。そして、この状態で訓練員は側壁部の脱出用の開口部から脱出する訓練を行う。
【0009】
また、第二の手段による水中脱出訓練装置は、訓練対象乗物の一部を模して形成され、内部の床板上に訓練員が着座する座席を有し、少なくとも一方の側壁部には脱出用の開口部を有する模擬胴体と、上記模擬胴体の床板の下面側に取り付けられる浮力材と、上記模擬胴体の前後方向の上部縁部に設けられ該模擬胴体を吊り下げるためのスリング金具と、上記スリング金具に連結され上記模擬胴体を吊り下げる吊り下げ手段とを備え、上記模擬胴体の自重と上記浮力材に働く浮力との位置関係により該模擬胴体が訓練水面にて水没する構成としたものである。
【0010】
このような構成により、模擬胴体の内部に訓練員が搭乗した状態で、上記模擬胴体の上部縁部に設けられたスリング金具に吊り下げ手段を連結して模擬胴体を吊り下げ、該模擬胴体を訓練水面に移動して置くと、上記模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係から、上記模擬胴体は訓練水面で自然に横転し始め、さらに上下反転状態まで回転しながら水没する。そして、この状態で訓練員は側壁部の脱出用の開口部から脱出する訓練を行う。
【0011】
また、前記浮力材は、模擬胴体の床板の下面側に着脱可能に取り付けられるものとしてもよい。これにより、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体は、浮力材を取り付けたときは訓練水面で自然に横転及び回転し、浮力材を取り外したときは訓練水面で横転せずにそのまま水没する。
【0012】
さらに、前記模擬胴体の床板は、通水可能に多数の孔が形成されたものとしてもよい。これにより、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体がスムーズに水没可能となる。
【0013】
さらにまた、前記模擬胴体の一部に、錘を付設してもよい。これにより、模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心とを積極的に不安定とし、この不安定な位置関係から上記模擬胴体の回転方向を所定方向に規制する。
【0014】
また、前記吊り下げ手段は、模擬胴体の前後方向の長さと略等しい長さのスリングバーを備えたものとしてもよい。これにより、吊り下げ手段で上記模擬胴体を吊り下げるときに、スリング材を模擬胴体の前後長と略等しい間隔で平行に張ることができ、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体がスムーズに横転及び回転可能となる。
【0015】
さらに、上記スリングバーには、その長手方向に模擬胴体の吊り下げ位置を可変とする手段が形成されていてもよい。これにより、吊り下げ手段で上記模擬胴体を吊り下げるときの吊り下げ位置が可変となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による水中脱出訓練装置の実施の形態を示す正面図であり、図2はその側面図であり、図3はその斜視図である。この水中脱出訓練装置は、航空機又は自動車等の乗物が事故等により不時着水した状況を想定して搭乗者が乗物室外へ脱出する訓練を行うもので、模擬胴体1と、浮力材2と、スリング金具3と、吊り下げ手段4とを備えている。
【0017】
図1〜図3において、模擬胴体1は、訓練員が搭乗して水中での脱出訓練を行う本体となるもので、訓練対象乗物、例えばヘリコプターの胴体又は自動車の車体等の一部を模して形成されている。この模擬胴体1は、図4に示すように、例えばアルミニウム製の中空パイプから成るフレーム5,5,…を組み合わせて胴体の骨組を構成し、その外側に、図2及び図3に示すように、例えばアルミニウム製の外板6が張られている。なお、フレーム5及び外板6の材質は、重量を軽くするためにアルミニウムとするのが望ましいが、これに限られず、他の金属又は合成樹脂等としてもよい。また、上記フレーム5を中空パイプとするのは、このフレーム5自体からも浮力を発生させるためであるが、特に浮力を考慮しない場合は中空パイプとしなくてもよい。
【0018】
上記模擬胴体1の前部7及び後部は、上記外板6が張られずに開口されており、また、両方の側壁部には脱出用の開口部8が形成されている。なお、この開口部8は、少なくとも一方の側壁部に形成されていればよい。
【0019】
上記模擬胴体1の内部には、図1及び図3に示すように、床板9が張られており、この床板9の上には訓練員が着座する座席10が例えば2席設けられている。なお、この座席10には、訓練員を固定するショルダー・ハーネス(図示省略)が取り付けられており、全体が移動可能及び着脱可能とされている。上記床板9は、例えばステンレス製であり、通水可能に多数の孔が形成されて金網状とされている。これは、模擬胴体1が訓練水面にてスムーズに水没するようにするためであるが、多数の孔を形成せずに平板状としてもよい。
【0020】
そして、上記模擬胴体1の内部にて座席10の前側には、模擬センターペデスタル11と、模擬計器板12が着脱可能に設けられている。この状態で、模擬胴体1は、特に操縦席又は搭乗員室の部分を模して形成されている。
【0021】
上記模擬胴体1の床板9の下面側には、図1及び図3に示すように、浮力材2が取り付けられている。この浮力材2は、上記模擬胴体1の全体に浮力を作用させるもので、例えば発泡スチロール等の比重の小さいものから成り、床板9の下面側にてフレーム5及び多数の孔が形成された隔板で例えば三つに仕切られたスペースに着脱可能に取り付けられている。具体的には、模擬胴体1の前部及び後部の下部開口部から、3個ずつの浮力材2を挿入して、その前部及び後部から固定用ネットで固定している。そして、上記模擬胴体1の自重と上記浮力材2に働く浮力との不安定な位置関係により、該模擬胴体1が訓練水面で自然に横転し始め、さらに上下反転状態まで回転しながら水没する構成とされている。
【0022】
また、上記模擬胴体1の前後方向の上部縁部には、図2に示すように、スリング金具3が設けられている。このスリング金具3は、上記模擬胴体1を図示外の昇降装置で吊り下げるための部材となるもので、例えばユニバーサル・ジョイント形式に構成されたスリングボルトから成る。
【0023】
さらに、上記スリング金具3には、吊り下げ手段4(図1参照)が連結されている。この吊り下げ手段4は、上記スリング金具3に連結されて上記模擬胴体1を図示外の昇降装置で吊り下げる手段となるもので、図2に示すように、例えば2本のスリング材13,13と、上記模擬胴体1の前後方向の長さと略等しい長さのスリングバー14とから成る。なお、上記2本のスリング材13,13に代えて、各種ロープ又はその相当品としてもよい。或いは、安全のためにスリング材13と各種ロープ又はその相当品との両者を併用してもよい。また、上記スリングバー14は、重量を軽くするために中空パイプとされている。
【0024】
そして、上記2本のスリング材13,13の下端を上記スリング金具3に連結し、該スリング材13,13の上端を上記スリングバー14の両端部に連結して、上記スリング材13,13は模擬胴体1の前後長と略等しい間隔で平行に張られる。
【0025】
なお、上記スリングバー14には、昇降装置のフックを掛ける位置を可変とする複数個の孔15,15,…が所定間隔で開けられている。この孔15,15,…は、スリングバー14の長手方向に模擬胴体1の吊り下げ位置を可変とする手段となるもので、上記模擬胴体1の重量や訓練員の搭乗位置のバランス等の具合から、該模擬胴体1を略水平に吊り下げるように調整するためである。
【0026】
上記模擬胴体1の一部には、図1に示すように、錘16が付設されている。この錘16は、上記模擬胴体1の自重と上記浮力材2に働く浮力との位置関係により該模擬胴体1が訓練水面で横転し、上下反転状態まで回転しながら水没する際に、模擬胴体1の重心位置と浮力材2に働く浮力による浮力中心との位置関係を積極的に不安定とし、上記模擬胴体1の横転又は回転方向を所定方向に規制するもので、例えば天井部の前後方向のフレーム5の間にステンレス製等の棒状の重量物を付けたものである。
【0027】
上記錘16の取り付け位置は、模擬胴体1の上下軸から左側又は右側に偏って設けてもよいし、或いは上下軸の位置に設けてもよい。上下軸から左側又は右側に偏って設けた場合は、回転方向を左回転又は右回転に規制することができるが、上下軸の位置に設けた場合は、左回転又は右回転のどちらかになる。図1に示すように、模擬胴体1の前方から見て上下軸の左側に設けた場合は、図1において反時計回りの方向に回転する。なお、上記錘16は着脱可能としてあり、該錘16を付けなくても、上記模擬胴体1の自重と上記浮力材2に働く浮力との位置関係により該模擬胴体1が訓練水面で横転し、上下反転状態まで回転しながら水没するようになっている。
【0028】
次に、このように構成された水中脱出訓練装置の使用について、図5を参照して説明する。まず、図3の状態で、模擬胴体1を安定な台又は台車等の上面に固定しておく。そして、上記模擬胴体1のスリング金具3にスリング材13及びスリングバー14を連結し、該スリングバー14の中心部の孔15に結合されたリング17に昇降装置のフックを掛けて、該昇降装置をゆっくり上げて上記スリング材13を展張させて停止する。
【0029】
次に、この状態で、訓練員は開口部8から模擬胴体1内に乗り込み、座席10に着座してショルダー・ハーネスを締める。その後、上記昇降装置を上昇させて訓練員が搭乗した模擬胴体1を吊り上げ、これを水平に移動して訓練水面としての例えばプール18(図5参照)の上方に位置させる。そして、上記昇降装置をゆっくりとした一定速度で下降して、図5(a)に示すように、模擬胴体1をプール18の水面に吊り下げて着水させる。
【0030】
その後も、昇降装置はそのままの速度で下降させ、模擬胴体1を矢印Aのように下げて行く。すると、上記模擬胴体1は沈み始めるが、図1に示すように、模擬胴体1の天井部の左側部に錘16が付設されていることと、模擬胴体1の床板9の下面側に浮力材2が取り付けられていることから、上記模擬胴体1の重心位置と浮力材2に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係から、上記模擬胴体1は、図5(a)において矢印B方向に自然に横転し始める。このとき、上記模擬胴体1の矢印A方向の一定の降下速度は、模擬胴体1が矢印B方向に回転するブレーキの役目となる。
【0031】
さらに、そのままスリング材13を矢印Aのように下げて行くと、図5(b)に示すように、模擬胴体1は矢印B方向に90度横転した状態となる。このとき、上記模擬胴体1は、例えばプール18の水面に半分水没した状態となる。さらにその後、そのままスリング材13を矢印Aのように下げて行くと、図5(c)に示すように、模擬胴体1は矢印B方向に180度回転した状態となる。このとき、上記模擬胴体1は、上下反転状態まで回転し、例えばプール18の水面に殆ど全体が水没した状態で停止する。
【0032】
この状態では、訓練員は、呼吸停止の状態にあり、ショルダー・ハーネスを外して座席10から逆さまに離脱し、模擬胴体1の側壁部の脱出用の開口部8から脱出する。このとき、スリング材13は、スリングバー14により模擬胴体1の前後長と略等しい間隔で平行に張られるので、訓練員の脱出動作の邪魔にはならない。なお、この場合、浮力材2は模擬胴体1の自重に対して十分な浮力を有しているので、上記模擬胴体1は、プール18の水面直下に止まり、該プール18の底にぶつかることはない。
【0033】
訓練員が全員無事に脱出したのを確認したら、前記昇降装置を上昇させて、図5(c)に示すスリング材13を矢印Aと反対方向に引き上げる。すると、模擬胴体1は、矢印B方向と反対方向に回転しながら少しずつ浮き上がり、図5(b)に示すように90度横転した状態を経由して、図5(a)に示す正しい上下位置に戻り、プール18の水面から上方に吊り上げられる。
【0034】
その後、さらに昇降装置を上昇させて模擬胴体1を所定の高さまで吊り上げ、これを水平に移動してプール18のサイドの安定な台又は台車等の上面に載置して固定する。これにより、一連の水中脱出訓練が終了する。
【0035】
次に、上記水中脱出訓練装置の他の使用状態について、図6を参照して説明する。図6の使用状態は、図1に示す模擬胴体1の床板9の下面側の浮力材2を取り外して使用するものである。この場合、図6(a)に示すように模擬胴体1をプール18の水面に吊り下げて着水させるところまでは、前記図5(a)に示す状態と全く同様に進んで行く。
【0036】
そして、図6(a)で昇降装置をそのままの速度で下降させ、模擬胴体1を矢印Aのように下げて行くと、模擬胴体1には前述の浮力材2による浮力が働かないので、そのまま自重により下方に沈んで行く。その後、そのまま模擬胴体1を矢印Aのように下げて行くと、図6(b)に示すように、模擬胴体1は正しい上下位置のままプール18の水面に全体が水没した状態で停止する。この状態では、訓練員は、呼吸停止の状態にあり、ショルダー・ハーネスを外して座席10から離脱し、模擬胴体1の側壁部の脱出用の開口部8から脱出する。
【0037】
訓練員が全員無事に脱出したのを確認したら、前記昇降装置を上昇させて、図6(b)に示す模擬胴体1を矢印Aと反対方向に引き上げる。すると、模擬胴体1は、そのままプール18の水面から上方に吊り上げられる。その後、さらに昇降装置を上昇させて模擬胴体1を所定の高さまで吊り上げ、これを水平に移動してプール18のサイドの安定な台又は台車等の上面に載置して固定する。これにより、一連の水中脱出訓練が終了する。
【0038】
なお、図2において、座席10の位置を前方に移動したり、後方に移動したりした場合は、スリングバー14の複数個の孔15を利用してリング17の位置を前後に変え、その変更後のリング17の位置に前記昇降装置のフックを掛けることにより、模擬胴体1を安定して吊り上げることができる。また、以上の説明では、吊り下げ手段4として、2本のスリング材13とスリングバー14とを備えたものとしたが、本発明はこれに限らず、1本又は2本のスリング材13で逆V字型を作り、この逆V字型のスリング材を直接昇降装置のフックに掛けてもよい。
【0039】
また、以上の説明では、模擬胴体1の前後方向の上部縁部にスリング金具3を設け、上記スリング金具3に連結され上記模擬胴体1を吊り下げる吊り下げ手段4を備えたものとしたが、本発明はこれに限らず、上記スリング金具3及び吊り下げ手段4を設けなくてもよい。この場合は、上記模擬胴体1を何らかの手段で持ち上げてプール等の訓練水面に着水させ、模擬胴体1の自重による重心位置と浮力材2に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係により水没させ、訓練員が脱出後に何らかの手段で上記模擬胴体1を回収すればよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る発明によれば、模擬胴体の内部に訓練員が搭乗した状態で該模擬胴体を訓練水面に移動して置くと、上記模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係から、上記模擬胴体は訓練水面で自然に横転し始め、さらに上下反転状態まで回転しながら水没する。そして、この状態で訓練員は側壁部の脱出用の開口部から脱出する訓練を行うことができる。したがって、簡単な構造で小型軽量であり、付帯設備を要さず容易に脱出訓練を行うことができ、移動も可能な水中脱出訓練装置を提供することができる。また、従来のように、訓練水面の水が駆動手段の油脂類で汚染されることはない。さらに、装置の整備性が良く、コスト低下も図ることができる。
【0041】
また、請求項2に係る発明によれば、模擬胴体の内部に訓練員が搭乗した状態で、上記模擬胴体の上部縁部に設けられたスリング金具に吊り下げ手段を連結して模擬胴体を吊り下げ、該模擬胴体を訓練水面に移動して置くと、上記模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心との不安定な位置関係から、上記模擬胴体は訓練水面で自然に横転し始め、さらに上下反転状態まで回転しながら水没する。そして、この状態で訓練員は側壁部の脱出用の開口部から脱出する訓練を行うことができる。
【0042】
さらに、請求項3に係る発明によれば、前記浮力材を模擬胴体の床板の下面側に着脱可能に取り付けるものとしたことにより、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体は、浮力材を取り付けたときは訓練水面で自然に横転及び回転し、浮力材を取り外したときは訓練水面で横転せずにそのまま水没するようにすることができる。したがって、一つの水中脱出訓練装置で2種類のモードの脱出訓練を行うことができる。
【0043】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、前記模擬胴体の床板を通水可能に多数の孔が形成されたものとしたことにより、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体がスムーズに水没可能とすることができる。したがって、訓練時間を短縮化することができる。
【0044】
また、請求項5に係る発明によれば、前記模擬胴体の一部に錘を付設したことにより、模擬胴体の自重による重心位置とその模擬胴体低部の浮力材に働く浮力による浮力中心とを積極的に不安定とし、この不安定な位置関係から上記模擬胴体の回転方向を所定方向に規制することができる。したがって、例えばヘリコプターにおいて、常に副操縦士の座席側に回転させることができる。
【0045】
さらに、請求項6に係る発明によれば、前記吊り下げ手段を、模擬胴体の前後方向の長さと略等しい長さのスリングバーを備えたものとしたことにより、吊り下げ手段で上記模擬胴体を吊り下げるときに、スリング材を模擬胴体の前後長と略等しい間隔で平行に張ることができ、訓練水面に移動して置かれた模擬胴体がスムーズに横転及び回転可能とすることができる。また、訓練員の脱出動作の邪魔にならないようにできる。
【0046】
さらにまた、請求項7に係る発明によれば、上記スリングバーに、その長手方向に模擬胴体の吊り下げ位置を可変とする手段が形成されていることにより、吊り下げ手段で上記模擬胴体を吊り下げるときの吊り下げ位置を可変とすることができる。したがって、座席の位置を前方に移動したり、後方に移動したりした場合に、吊り下げ位置を前後に変えることにより、模擬胴体を安定して吊り上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による水中脱出訓練装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 図1の斜視図である。
【図4】 模擬胴体を構成する骨組を示す斜視図である。
【図5】 本発明の水中脱出訓練装置の使用状態を示す説明図である。
【図6】 本発明の水中脱出訓練装置の他の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…模擬胴体
2…浮力材
3…スリング金具
4…吊り下げ手段
5…フレーム
6…外板
8…開口部
9…床板
10…座席
13…スリング材
14…スリングバー
15…吊り下げ位置可変用の孔
16…錘
18…プール(訓練水面)

Claims (7)

  1. 訓練対象乗物の一部を模して形成され、内部の床板上に訓練員が着座する座席を有し、少なくとも一方の側壁部には脱出用の開口部を有する模擬胴体と、
    この模擬胴体の床板の下面側に取り付けられる浮力材とを備え、
    上記模擬胴体の自重と上記浮力材に働く浮力との位置関係により該模擬胴体が訓練水面にて水没する構成としたことを特徴とする水中脱出訓練装置。
  2. 訓練対象乗物の一部を模して形成され、内部の床板上に訓練員が着座する座席を有し、少なくとも一方の側壁部には脱出用の開口部を有する模擬胴体と、
    上記模擬胴体の床板の下面側に取り付けられる浮力材と、
    上記模擬胴体の前後方向の上部縁部に設けられ該模擬胴体を吊り下げるためのスリング金具と、
    上記スリング金具に連結され上記模擬胴体を吊り下げる吊り下げ手段とを備え、
    上記模擬胴体の自重と上記浮力材に働く浮力との位置関係により該模擬胴体が訓練水面にて水没する構成としたことを特徴とする水中脱出訓練装置。
  3. 上記浮力材は、模擬胴体の床板の下面側に着脱可能に取り付けられるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水中脱出訓練装置。
  4. 上記模擬胴体の床板は、通水可能に多数の孔が形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中脱出訓練装置。
  5. 上記模擬胴体の一部に、錘を付設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中脱出訓練装置。
  6. 上記吊り下げ手段は、上記模擬胴体の前後方向の長さと略等しい長さのスリングバーを備えたものであることを特徴とする請求項に記載の水中脱出訓練装置。
  7. 上記スリングバーには、その長手方向に模擬胴体の吊り下げ位置を可変とする手段が形成されていることを特徴とする請求項6記載の水中脱出訓練装置。
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