JP4272782B2 - 電子音警報器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子音警報器に関し、特に、盤に取り付けられ、取付後に前面側から音量調節可能な電子音警報器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、制御盤などの盤に取り付けられる電子音警報器が知られている。このような盤に取り付けられるタイプの電子音警報器の中で、電子音の音量調節が可能な電子音警報器が開発されている。図7は、従来の電子音の音量調節が可能な電子音警報器を示した概略図である。
【0003】
図7に示すように、従来の音量調節が可能な電子音警報器50では、その前面に音量調節用の調節孔51が設けられている。その調節孔51の内部には、音量調節用の半固定抵抗(電子部品)(図示せず)が設置されている。音量を調節する場合には、その調節孔51にマイナスドライバーを挿入し、そのマイナスドライバーの先端を半固定抵抗の上面の溝にはめ込んで回すことにより、音量を調節していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の電子音警報器50では、音量調節のために半固定抵抗(電子部品)が必要であるとともに、調節孔51の内部に半固定抵抗を設置するための基板を配置する必要がある。このため、構造が複雑になるという問題点があった。また、半固定抵抗を基板に取り付ける際に半田付け工程やリード線などの線材を加工する工程が必要であるので、組立工数および製造コストが増加するという問題点もあった。
【0005】
また、従来の電子音警報器50では、音量調節を行う際に、マイナスドライバーなどの工具が必要であり、そのため、音量調節作業が煩雑であるという問題点もあった。さらに、従来の電子音警報器50では、音量調節用の半固定抵抗は、工具がアクセス可能なように、調節孔51の内部に露出して設置されているので、調節孔51から水が入り込んだ場合に半固定抵抗に水分が付着する可能性があった。そのため、防水構造を達成するのが困難であった。
【0006】
この発明の一つの目的は、構造が簡単であるとともに、組立工数および製造コストを削減することが可能な電子音警報器を提供することである。
【0007】
この発明のもう一つの目的は、音量調節作業を工具なしで容易に行うことが可能な電子音警報器を提供することである。
【0008】
この発明のさらにもう一つの目的は、音量調節可能な電子音警報器において、防水構造を達成することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、盤に取り付けられ、取付後に前面側から音量調節可能な電子音警報器であって、警報器本体と、前記警報器本体内に設置され、警報音を発生するための電子ブザーと、前記警報器本体の前面側に回転可能に装着され、その回転により前記電子ブザーの音発生部に連通する開口部の開口面積を調整することによって前記警報音の音量を調節するための音量調節つまみと、前記電子ブザーの音発生部を取り囲むように設置され、第1の開口部を有する円筒状の第1の筒体と、前記音量調節つまみに一体的に形成されるとともに、前記第1の筒体に対して回転可能にはめ込まれ、かつ前記第1の開口部に対応する第2の開口部を有する円筒状の第2の筒体とを備え、前記第1の開口部は、円筒状の第1の筒体の半径方向に貫通して形成され、第2の開口部は、円筒状の第2の筒体の半径方向に貫通して形成されており、前記音量調節つまみを回転させることによって、前記第1の開口部と前記第2の開口部との重なり部分の開口面積を調節することにより前記警報音の音量を調節することを特徴とする。
【0010】
このような電子音警報器では、上記のように、その回転によって電子ブザーの音発生部に連通する開口部の開口面積を調節することにより警報音の音量を調節する音量調節つまみを設けることによって、警報音を機械的に調節することができ、それにより、従来のような音量調節用の電子部品(半固定抵抗)が不要となる。これにより、半固定抵抗を設置するための基板も不要となり、その結果、構造が簡単で、かつ、組立工数および製造コストを削減することが可能な電子音警報器を提供することができる。
【0011】
本発明に係る電子音警報器は、上記した構成において、音量調節つまみの前面には、硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝が設けられている。このように構成することにより、たとえば10円玉などの硬貨をその硬貨挿入溝に挿入して回すことによって、音量調節作業を工具なしで容易に行うことができる。
【0012】
本発明に係る電子音警報器は、上記した構成において、前記音量調節つまみの前面には、指で把持可能な一対の指つまみ部が設けられ、この一対の指つまみ部の間に硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝が設けられている。このように構成することにより、音量調節作業を指により行うことができ、その結果、音量調節作業を工具なしで容易に行うことができる。この場合、硬貨挿入溝と指つまみ部とを組み合わせれば、硬貨と指のどちらでも音量調節が可能となり、より容易に音量調節作業を行うことができる。
【0013】
本発明に係る電子音警報器は、上記のいずれかの構成において、電子ブザーの上面上には、防水シートが設置されている。このように電子ブザーの上に防水シートが設置されているとともに、従来のように半固定抵抗が調節孔内に露出した構造ではないので、音量調節可能な電子音警報器において、防水構造を達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による電子音警報器を示した正面図であり、図2は、図1に示した電子音警報器の底面図であり、図3は、図1に示した電子音警報器の右側面図である。また、図4は、図1に示した電子音警報器の100−100線に沿った断面図である。図5は、図1に示した電子音警報器の200−200線に沿った断面図である。図6は、図1に示した一実施形態による音量調節つまみとケース本体との係合状態を説明するための斜視図である。
【0018】
まず、図1〜図5を参照して、本実施の形態による電子音警報器では、ケースカバー1にケース本体2が装着されている。このケースカバー1とケース本体2とが、本発明の警報器本体を構成する。また、ケース本体2の上部外周には、パッキン5、6および7がはめ込まれている。ケースカバー2の上部外周面には、ねじ部2b(図4および図5参照)が形成されており、そのねじ部2bにパッキン5,6および7を締め付けるための締付リング3が取り付けられている。
【0019】
本実施形態による電子音警報器を制御盤などの盤に取り付ける際には、パッキン7を装着したケース本体2の上部を制御盤の取付孔の裏側から挿入した後、制御盤の前面側からパッキン5および6を装着して締付リング3により固定する。
【0020】
また、図4〜図6を参照して、ケース本体2の内部の下方には、電子ブザー10が設置されている。電子ブザー10の音発生部11(図6参照)を取り囲むように、円筒形状を有する第1の筒体2cが設けられている。第1の筒体2cは、図5に示すように、ケース本体2と一体的に形成されている。また、第1の筒体2cには、図6に示すように、第1の開口部2dが形成されている。
【0021】
また、図4および図6に示すように、ケース本体2の内面の係合部2aには、音量調節つまみ4の一対の係合部4cが回転可能に係合されている。また、音量調節つまみ4の下部には、第1の筒体2cの内面に挿入されるとともに、第1の開口部2dに対応する第2の開口部4eを有する円筒形状の第2の筒体4dが設けられている。また、音量調節つまみ4の上面には、硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝4bと、指の腹の形状に対応した湾曲形状を有する一対の指つまみ部4aとが形成されている。
【0022】
また、電子ブザー10の上面と第1の筒体2cとの間には、図4および図5に示すように、防水シート12が設置されている。
【0023】
図6を参照して、音量を調節する際には、指で指つまみ部4aを持つかまたは硬貨を硬貨挿入溝4bに挿入して音量調節つまみ4を回転させる。これにより、第1の開口部2dと第2の開口部4eとの重なり部分の開口面積が変化するので、電子ブザー10の音発生部11からの警報音の音量が機械的に調節される。
【0024】
本実施形態では、上記のように、その回転により第1の開口部2dと第2の開口部4eとの重なり部分の開口面積を調節することにより機械的に警報音の音量を調節することが可能な音量調節つまみ4を設けることによって、従来の半固定抵抗のような電子部品が不要となるとともに、半固定抵抗を設置するための基板も不要となる。その結果、構造が簡単で、かつ、組立工数および製造コストを削減することが可能な電子音警報器を提供することができる。
【0025】
また、本実施形態では、音量調節つまみ4の上面に硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝4bを設けることにより、たとえば10円玉などの硬貨を硬貨挿入溝4bに挿入して回すことによって、音量調節作業を工具なしで容易に行うことができる。さらに、音量調節つまみ4の上面に指の腹の形状に対応した湾曲形状を有する一対の指つまみ部4aを設けることによって、音量調節作業を指により行うことができ、その結果、音量調節作業を工具なしで容易に行うことができる。この場合、硬貨挿入溝4bと指つまみ部4aとの組み合わせにより、硬貨と指のどちらでも音量調節が可能となり、より容易に音量調節作業を行うことができる。
【0026】
また、本実施形態では、電子ブザー10の上面上には、防水シート12が設置されているとともに、従来のように半固定抵抗が調節孔内に露出した構造ではないので、音量調節可能な電子音警報器において、容易に防水構造を達成することができる。
【0027】
また、本実施形態の電子音警報器では、電子音警報器の前面側に、従来のような半固定抵抗を調節するための調節孔を設ける必要がないので、電子音警報器の前面側の外観デザインを損なうことなく音量調節が可能になるという利点もある。
【0028】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0029】
たとえば、上記実施の形態では、第1の開口部2dと第2の開口部4eとの重なり部分の開口面積を調節することにより、電子ブザー10の音量を調節したが、本発明はこれに限らず、開口面積を調節できる方法であれば、上記した実施形態以外の開口面積の調整方法を用いてもよい。たとえば、ケース本体2の外面に開口部を形成して、その開口部の開口面積を音量調節つまみ4を回転させることにより調節することによって音量調節するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、構造が簡単で、かつ、組立工数および製造コストを削減することが可能な電子音警報器を提供することができる。また、音量調節作業を工具なしで容易に行うことができるとともに、音量調節可能な電子音警報器において防水構造を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電子音警報器の全体構成を示した正面図である。
【図2】図1に示した一実施形態による電子音警報器の底面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による電子音警報器の右側面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による電子音警報器の100−100線に沿った断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による電子音警報器の200−200線に沿った断面図である。
【図6】図1に示した一実施形態による音量調節つまみとケース本体との係合状態を説明するための斜視図である。
【図7】従来の電子音警報器を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 ケースカバー
2 ケース本体
2a 係合部
2c 第1の筒体
2d 第1の開口部
4 音量調節つまみ
4a 指つまみ部
4b 硬貨挿入溝
4c 係合部
4d 第2の筒体
4e 第2の開口部
10 電子ブザー
11 音発生部
12 防水カバー
Claims (4)
- 盤に取り付けられ、取付後に前面側から音量調節可能な電子音警報器であって、
警報器本体と、
前記警報器本体内に設置され、警報音を発生するための電子ブザーと、
前記警報器本体の前面側に回転可能に装着され、その回転により前記電子ブザーの音発生部に連通する開口部の開口面積を調整することによって前記警報音の音量を調節するための音量調節つまみと、
前記電子ブザーの音発生部を取り囲むように設置され、第1の開口部を有する円筒状の第1の筒体と、
前記音量調節つまみに一体的に形成されるとともに、前記第1の筒体に対して回転可能にはめ込まれ、かつ前記第1の開口部に対応する第2の開口部を有する円筒状の第2の筒体とを備え、
前記第1の開口部は、円筒状の第1の筒体の半径方向に貫通して形成され、第2の開口部は、円筒状の第2の筒体の半径方向に貫通して形成されており、
前記音量調節つまみを回転させることによって、前記第1の開口部と前記第2の開口部との重なり部分の開口面積を調節することにより前記警報音の音量を調節することを特徴とする電子音警報器。 - 前記音量調節つまみの前面には、硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝が設けられている請求項1に記載の電子音警報器。
- 前記音量調節つまみの前面には、指で把持可能な一対の指つまみ部が設けられ、この一対の指つまみ部の間に硬貨を受け入れ可能な硬貨挿入溝が設けられている請求項1に記載の電子音警報器。
- 前記電子ブザーの上面上には、防水シートが設置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子音警報器。
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