JP4270672B2 - 化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、壁等の建築物内装材、扉等の建具や家具等の表面材等として用いられる化粧材にするための化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記のような用途に供される化粧材にするための化粧シートには、原紙の表面に隠蔽層を介してトップコート樹脂層を形成した積層シートや、原紙の表面に、隠蔽層、絵柄層、及びトップコート樹脂層を順次形成した積層シート等からなる所謂コート紙、或いは着色隠蔽原紙に絵柄層を設けた後に、これに含浸用樹脂を含浸、硬化させて得られる所謂メラミン樹脂含浸紙等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記した所謂コート紙からなる化粧シートは、該化粧シートをなす積層構成中に原紙自体の層をそのまま具備しているために、機械的な物性が不十分である。又所謂メラミン樹脂含浸紙からなる化粧シートは、含浸用樹脂が原紙に含浸されているので化粧シートの機械的物性自体は高いものの、シート表面の保護のためにオーバーレイ紙を積層しなければならなく煩雑であるだけでなく、曲げ加工等の後加工適性がよくない。
【0004】
これに対して本発明は、従来の印刷によって表現していたものと同様の意匠性を呈し、かつ従来のコート紙からなる化粧シートと同様に曲げ加工等の後加工適性を有し、しかも少量の含浸用樹脂の適用によって、意匠性を呈する着色層の耐摩耗性及び機械的物性に優れた性質を備えた化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、下記の構成による本発明の化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法によって解決することができる。
【0006】
すなわち本発明は、浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層と、該原紙の裏面のみに形成した隠蔽層とを具備すると共に少なくとも前記原紙の上面には絵柄層が存在しない化粧シートからなる。
【0007】
前記構成による本発明の化粧シートにおいては、隠蔽層が原紙の裏面に形成した絵柄層を介して設けられていることが好ましい。
【0008】
又、本発明は、浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層と、該原紙の裏面のみに形成した絵柄層と同じく裏面のみに形成した隠蔽層とを順に具備する化粧シートからなる。また、前記構成による本発明の化粧シートにおいては、前記合成樹脂液が電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。
【0009】
又、前記構成における本発明の化粧シートにおいては、透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層の上面にトップコート樹脂層を設けてあることが好ましい。更に、前記構成による本発明の化粧シートにおいては、隠蔽層が接着性樹脂層であるか、或いは隠蔽層の下面に接着性樹脂層を設けてあることが好ましい。
【0010】
次に本発明の化粧材は、前記の各構成を具備する化粧シートの隠蔽層側を化粧材用基材に貼着してなるものである。
【0011】
更に本発明の化粧シートの製造方法は、浸透性を有する原紙に合成樹脂液を含浸し、固化することによってこの原紙を透明〜半透明化して透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を得る工程と、該原紙の裏面のみに絵柄層と同じく裏面のみに隠蔽層とを順に形成する工程とを具備する方法からなる。
【0012】
前記構成の本発明の化粧シートの製造方法においては、前記合成樹脂液が電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。
【0013】
又、前記構成の本発明の化粧シートの製造方法においては、浸透性を有する原紙に合成樹脂液を適用して含浸させた後、原紙の上面にトップコート樹脂層を設けることが好ましい。
【0014】
更に、前記構成の本発明の化粧シートの製造方法においては、隠蔽層を接着性樹脂によって形成するか、或いは隠蔽層を形成した後に該隠蔽層の下面に接着性樹脂層を設けることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記構成による本発明の化粧シートは、透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を通して隠蔽層を外部から目視し、これを認識し得るようにして使用する、すなわち隠蔽層側を化粧材用基材に貼着して使用するものである。
【0016】
本発明の化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法において、浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層は、合成樹脂液を原紙に含浸、固化させることによって透明〜半透明になった原紙と、該原紙に含浸、固化されている合成樹脂とが一体化した複合体である。
【0017】
浸透性を有する原紙には、該原紙を透明〜半透明化するために適用する合成樹脂液の浸透性の良好な紙、例えば無サイズ紙又は低サイズ紙を使用する。
【0018】
低サイズ紙の場合には、ロジンを利用したエンジンサイズ紙であっても、あるいは膠,澱粉,CMC, ポリビニルアルコール,アルキルケテンダイマー等による表面サイジング紙であってもよい。特に原紙に絵柄層を設けるような場合には、表面サイジング紙が好ましい。なお、サイズ剤の含有量が多くなると、合成樹脂液の含浸、固化による原紙の透明〜半透明化の程度が悪化するので、サイズ紙を原紙として使用するときには、サイズ剤の添加量のできるだけ少ない原紙を利用することが好ましい。
【0019】
原紙を透明〜半透明化するために適用する合成樹脂液は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び電離放射線硬化性樹脂のいずれの樹脂によるものでもよい。
【0020】
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリビニルアルコール,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル,ポリアクリル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体,三酢酸セルロース,ポリカーボネート等を使用し得る。
【0021】
又熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,グアナミン樹脂,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂等を利用し得る。特にメラミン樹脂やジアリルフタレート樹脂を利用した場合に、意匠性の高い化粧シートにすることができる。
【0022】
更に電離放射線硬化性樹脂としては、例えば不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮重合物からなる不飽和ポリエステル類等の分子中に重合性不飽和結合やエポキシ基を具備するプレポリマーあるいはオリゴマー及び/又は反応性の単量体(例えば、スチレン系単量体,アクリル系単量体、さらには、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物等)を利用することができ、通常は前記プレポリマーあるいはオリゴマー5〜95重量%と、反応性単量体95〜5重量%との混合樹脂を利用することができる。
【0023】
なお硬化性樹脂には、該樹脂の硬化手段に応じて、例えば重合開始剤,重合促進剤,光重合開始剤,光重合促進剤,重合禁止剤等を適宜添加することは勿論であり、紫外線の照射によって硬化する場合には、例えばアセトフェノン類,ベンゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,α・アミロキシムエステル,テトラメチルメウラムモノサルファイド,チオキサントン類等による光重合開始剤と、必要に応じて光増感剤、例えばn−ブチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホスフィン等による光増感剤とが添加される。
【0024】
原紙を透明〜半透明化するために該原紙に合成樹脂液を適用する手段としては、例えばロールコート,カーテンフローコート,ワイヤーバーコート,リバースコート,グラビアコート,グラビアリバースコート,エアナイフコート,キスコート,ブレードコート,スムーズコート,コンマコート等による塗工手段を利用することができる。
【0025】
原紙に適用した樹脂液の固化は乾燥によって行なえるが、硬化性樹脂の硬化は、適用する樹脂液が熱硬化性樹脂の場合には加熱を施すことにより、紫外線硬化性樹脂の場合には、例えば超高圧水銀灯,高圧水銀灯,低圧水銀灯,カーボンアーク,ブラックライトランプ,メタルハライドランプ等による光源の紫外線照射を施すことにより、電子線硬化性樹脂の場合には、コックロフトワルトン型,ハンデグラフ型,共振変圧器型,絶縁コア変圧器型,直線型,ダイナミトロン型,高周波型等の各種の電子線加速器による100〜1000KeV、好ましくは、100〜300KeVのエネルギーの電子線照射を施すことによって行なえる。
【0026】
原紙の裏面の隠蔽層は、隠蔽性能を有する樹脂層であっても、或いは別製の隠蔽性を有するシートを接着したものであってもよい。
【0027】
又、原紙の裏面に設ける絵柄層は、通常の化粧シートにおける絵柄層であって、例えばグラビア印刷,オフセット印刷,シルクスクリーン印刷等によって容易に形成することができる。
【0028】
更に透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層の上面に設けるトップコート樹脂層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び電離放射線硬化性樹脂のいずれの樹脂層でもよく、原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用する合成樹脂液について先の説明したのと同様の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂を用いて形成することができる。
【0029】
接着性樹脂層からなる隠蔽層は、隠蔽性能を有する着色剤を含有する熱溶着性樹脂や電離放射線硬化性樹脂によって形成することができる。
【0030】
更に、隠蔽層の下面に形成する接着性樹脂層は、前記熱溶着性樹脂や電離放射線硬化性樹脂によるもの、或いは粘着付与剤を含有する粘着剤層等である。
【0031】
前記構成からなる本発明の化粧シートを化粧材用基材に貼着してなる化粧材にするときの化粧材用基材には、この種の化粧材の基材として利用されている通常の化粧材用基材、例えば坪量20〜200g/m2 程度の紙質シート、パルプボード、板紙、石膏ボード、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル等の合成樹脂シート、各種の木材や合板、鉄,アルミニウム,銅等の金属シート等を使用することができる。
【0032】
化粧シートを化粧材用基材に貼着してなる化粧材は、板状の化粧材用基材の一面に化粧シートを貼着した所謂積層体や、各種の形状の化粧材用基材の周面に化粧シートを貼着した所謂ラッピング加工体等からなる。
【0033】
裏面が接着性能を具備する化粧シート、具体的には隠蔽層が接着性樹脂層からなる化粧シートや、隠蔽層の下面に接着性樹脂層を設けてある化粧シートの場合には、これらの化粧シートに備えられている接着性能を利用して、該化粧シートを化粧材用基材に貼着する積層加工やラッピング加工を施すことによって化粧材にすることができる。一方、接着性能を有さない化粧シートの場合には、別途接着剤を利用することによって、化粧シートを化粧材用基材に貼着してなる化粧材にする。
【0034】
本発明の化粧シートの製造方法は、浸透性を有する原紙に合成樹脂液を含浸し、固化することによってこの原紙を透明〜半透明化して透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を得る工程と、原紙の裏面に隠蔽層を形成する工程とを具備するものであって、透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を得る工程と、隠蔽層を形成する工程との順序は、いずれが先であってもよく、限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法の具体的な構成を、製造実施例に基づいて説明する。
実施例1−1
[図1]において、坪量20g/m2 の無サイズ紙からなる原紙1の表面2に、コーティング法によってメラミン樹脂を10g/m2 の割り合いに適用し、これを含浸させた後、170℃、1分間の加熱によって硬化させ、透明化原紙−含浸樹脂層3を形成した。
【0036】
次いで、この透明化原紙−含浸樹脂層3の原紙1の裏面4にグラビア印刷による絵柄層5を形成し、更にアクリル樹脂とニトロセルロースとを主体とする着色インキによるグラビア印刷によってベタ刷りの着色隠蔽層6を形成することにより、符号7で示される化粧シート(a−1)を得た。
【0037】
実施例1−2
[図2]において、坪量20g/m2 の無サイズ紙からなる原紙11の表面12に、コーティング法によってアクリル樹脂を15g/m2 の割り合いに適用し、これを含浸させた後、更に前記原紙11の表面に、電子線硬化性樹脂を5g/m2 にコーティングし、続いて175Kv,5Mradの電子線照射によって電子線硬化性樹脂を硬化させてトップコート樹脂層18を形成することにより、トップコート樹脂層18を具備する透明化原紙−含浸樹脂層13を形成した。
【0038】
次いで、このトップコート樹脂層18を具備する透明化原紙−含浸樹脂層13の原紙11の裏面14にグラビア印刷による絵柄層15を形成し、更にその上にアクリル樹脂とニトロセルロースとを主体とする着色インキによるグラビア印刷によってベタ刷りの着色隠蔽層16を形成することにより、符号17で示される化粧シート(b−1)を得た。
【0039】
実施例1−3
坪量30g/m2 の無サイズ紙からなる原紙の表面に、常温にてタックフリーになる電子線硬化性樹脂40g/m2 を適用し、含浸、固化させることにより、透明化原紙−含浸樹脂層を形成した。
【0040】
次いで、前記透明化原紙−含浸樹脂層の原紙の裏面にグラビア印刷による絵柄層を形成し、続いてアクリル樹脂とニトロセルロースとを主体とする着色インキによるグラビア印刷によってベタ刷りの着色隠蔽層を形成することにより、化粧シート(c−1)を得た。
【0041】
実施例2−1
厚さ18mmの中密度ファイバーボードからなる化粧材用基材の表面に、尿素系接着剤を5g(dry)/m2 に塗工した後、この接着剤の塗工面と、前記実施例1−1による化粧シート(a−1)の着色隠蔽層面とを当接し、続いて150℃のロールプレス法にて積層することにより、化粧材(A)を得た。
【0042】
実施例2−2
中密度ファイバーボードによる直径30mmの棒材からなる化粧材用基材の周面に、二液ウレタン接着剤を15g(dry)/m2 に塗工した後、この接着剤の塗工面と、前記実施例1−2による化粧シート(b−1)の着色隠蔽層面とを当接して貼着するラッピング加工を行なうことにより、化粧材(B)を得た。
【0043】
実施例2−3
厚さ18mmのパーティクルボードからなる化粧材用基材の表面に、電子線硬化性接着剤を15g(dry)/m2 に塗工した後、この接着剤の塗工面と前記実施例1−3による化粧シート(c−1)の着色隠蔽層面とをロールラミネート法にて当接し、続いて200Kv,8Mradの電子線照射によって原紙に含浸させてある硬化性樹脂と接着剤とを硬化させ、化粧材(C)を得た。
【0044】
比較例1
坪量20g/m2 の無サイズ紙からなる原紙の表面に、アクリル樹脂とニトロセルロースとを主体とする着色インキによるグラビア印刷によってベタ刷りの着色隠蔽層を形成した後、この着色隠蔽層の上にグラビア印刷による絵柄層を形成し、更にこの絵柄層の印刷面にコーティング法によってメラミン樹脂10g/m2 を適用した後、170℃、1分間の加熱によって硬化させることにより、比較のための化粧シート(a−2)を得た。
【0045】
比較例2
坪量20g/m2 の無サイズ紙からなる原紙の表面に、コーティング法によってアクリル樹脂15g/m2 を適用し、含浸させた後、更に前記原紙の表面にグラビア印刷による絵柄層を形成し、次いでその上に電子線硬化性樹脂を5g/m2 にコーティングし、続いて175Kv,5Mradの電子線照射によって電子線硬化性樹脂を硬化させることにより、比較のための化粧シート(b−2)を得た。
【0046】
比較例3
坪量30g/m2 の無サイズ紙からなる原紙の表面に、グラビア印刷による絵柄層を形成した後、該絵柄層の形成面に常温にてタックフリーになる電子線硬化性樹脂40g/m2 を適用して含浸させ、続いて200Kv,8Mradの電子線照射によって電子線硬化性樹脂を硬化させ、比較のための化粧シート(c−2)を得た。
【0047】
実験
実施例1−1〜実施例1−3による化粧シート(a−1)、(b−1)、(c−1)と、比較例1〜比較例3による化粧シート(a−2)、(b−2)、(c−2)の表面の耐摩耗性試験を、JIS K 6902に基づいて行なった。各化粧シートの表面の摩耗によって化粧シートの絵柄層が取れ始めるのに要した摩擦機の回転子の回転数を[表1]に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上記の実施例1−1の化粧シートと比較例1の化粧シートとの比較、実施例1−2の化粧シートと比較例2の化粧シートとの比較、及び実施例1−3の化粧シートと比較例3の化粧シートとの比較において分かるように、本発明の実施例品の化粧シートは、同量の含浸樹脂を適用した比較例品の化粧シートに比べて、化粧シートに付してある絵柄層の耐摩耗性が遥かに優れたものになっている。
【0050】
【発明の効果】
本発明の化粧シートは、浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層と、該原紙の裏面に形成した隠蔽層とを具備するものであり、原紙の裏面に形成した隠蔽層側を化粧材用基材に貼着して化粧材にするものである。
【0051】
つまり本発明の化粧シートは、原紙の裏面に形成してある隠蔽層や絵柄層が具備する意匠効果を、浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を通して目視し、認識するようにして使用するものであるので、従来の印刷によって表現していたものと同様の意匠性特性を有する。
【0052】
又本発明の化粧シートは、積層構成中の原紙が樹脂含浸紙になっているので機械的な物性に優れており、しかも隠蔽層や絵柄層からなる着色層が所謂裏刷りになっているので、これらの隠蔽層や絵柄層からなる着色層が優れた耐摩耗性を具備するものになる。
【0053】
更に本発明の化粧シートは、従来のコート紙からなる化粧シートと同様に曲げ加工等の後加工適性を有しているので、化粧材用基材にラッピング加工を施して化粧材にするときの化粧シートとしても適用できる。
【0054】
本発明の化粧材は、前記構成による本発明の化粧シートを化粧材用基材に貼着してなるもので、化粧シート自体が具備する優れた機械的物性や優れた耐摩耗性をそのまま有するものになる。
【0055】
又、本発明の化粧シートの製造方法は、浸透性を有する原紙に合成樹脂液を含浸し、固化することによってこの原紙を透明〜半透明化して透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を得る工程と、原紙の裏面に隠蔽層を形成する工程とを基本とするものであるから、従来のコート紙からなる化粧シートの製法方法と同様に煩雑な工程を必要とすることなく、効率の良い生産性を維持しつつ上記の特性を有する化粧シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施例品を示す模型断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの他の実施例品を示す模型断面図である。
【符号の説明】
1、11・・・・原紙
2、12・・・・原紙の表面
3、13・・・・透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層
4、14・・・・原紙の裏面
5、15・・・・絵柄層
6、16・・・・隠蔽層
7、17・・・・化粧シート
18・・・・・・・・トップコート樹脂層
Claims (13)
- 浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層と、該原紙の裏面のみに形成した隠蔽層とを具備すると共に少なくとも前記原紙の上面には絵柄層が存在しないことを特徴とする化粧シート。
- 隠蔽層が原紙の裏面に形成した絵柄層を介して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 浸透性を有する原紙を透明〜半透明化するために該原紙に適用した合成樹脂液を原紙に含浸、固化させてなる透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層と、該原紙の裏面のみに形成した絵柄層と同じく裏面のみに形成した隠蔽層とを順に具備すること特徴とする化粧シート。
- 前記合成樹脂液が電離放射線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層の上面にトップコート樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1〜4にいずれかに記載の化粧シート。
- 隠蔽層が接着性能を有する樹脂層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
- 隠蔽層の下面に接着性能を有する樹脂層を設けてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜請求項7のうちのいずれかの1項に記載の化粧シートの隠蔽層側を化粧材用基材に貼着してなることを特徴とする化粧材。
- 浸透性を有する原紙に合成樹脂液を含浸し、固化することによってこの原紙を透明〜半透明化して透明〜半透明化原紙−含浸樹脂層を得る工程と、該原紙の裏面のみに絵柄層と同じく裏面のみに隠蔽層とを順に形成する工程とを具備することを特徴とする化粧シートの製造方法。
- 前記合成樹脂液が電離放射線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の化粧シートの製造方法。
- 浸透性を有する原紙に合成樹脂液を適用して含浸させた後、原紙の上面にトップコート樹脂層を設けることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の化粧シートの製造方法。
- 隠蔽層を接着性樹脂によって形成することを特徴とする請求項9、請求項10、又は請求項11に記載の化粧シートの製造方法。
- 隠蔽層を形成した後、該隠蔽層の下面に接着性樹脂層を設けることを特徴とする請求項9、請求項10、又は請求項11に記載の化粧シートの製造方法。
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