JP4268922B2 - 排水システムにおける浸透管付き取水桝及び排水システム - Google Patents
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図9は下水道による排水システムの1例として、雨水と汚水を共に下水管に流すいわゆる合流式の排水システムを道路に設けた場合の構造を概略的に示した平面図であり、図10は、同排水システムの断面図である。
この合流式の排水システムは、家庭などからの汚水を集める汚水桝10と、道路R面などに降った雨水を集める集水桝12と、地中に配置した汚水管(下水管)20とからなり、汚水桝10と集水桝12はそれぞれ連結管14によって汚水管20に連結されている。ここで、集水桝12は、例えば、道路の歩道際に設けられた側溝15に流入した雨水を集め、取付管14を介して汚水管20に流しこむ。
この分流式の排水システムでは、家庭などからの汚水を集める汚水桝10は汚水管20に接続されており、他方、道路R面などに降った雨水は、集水桝12に集水され地中に配置した排水管22に連結されている。
集水桝12は箱状をなし、その一側壁には取付管14を取り付ける穴14aが、その底に堆積する泥Wが取付管14に流入して詰まらせないように、底から所定の高さで配置されており、かつ、その側方端部は、側溝15の側方端部と例えば連結ボルト18(図14)で連結される構成となっている。
街路樹を成長させかつ頑丈なものとするためには、地下水の涵養が是非必要であり、特に都市部を緑化してヒートアイランド現象を抑制し、生活環境に癒しを与え、快適な生活ができるようにするという観点からも、地下水の涵養は喫緊の課題である。
しかしながら、降雨時における初期の段階では、雨水に路面及び駐車場等の鉛などの重金属や油分等の有害物質が含まれているため、とくに雨水による地下水を上水道に利用している地域等では、雨水をそのまま地下に浸透させることは危険であり、水質保全の観点から降雨による初期流出分の雨水を直接、地中に浸透させない方法を採っている。
図16Aに示すように、この排水システムは、排水路100と、排水路100から分岐した分岐路110と、分岐路110に接続された雨水の一時貯留槽120と、排水路100に接続された浸透施設130とから成っている。
図12Bは、前記排水システムの断面構造を示している。また、X,Yはそれぞれ分岐路110の排水路100からの流入口及び落口の拡大斜視図である。
この排水システムは、車道の側部に設けた側溝桝に集まった排水を、その側壁にごみ除去フィルターFを設置した浸透連結管を連結して分水し、これを歩道に対して垂直に設けた有孔浸透管(たて型)或いは縦管を通してその下端に連結された横方向の有孔浸透管(よこ型)に導き、特殊フィルターで水質保全を行って路床以深の地中に浸透させるものである。
昭和62年6月社団法人 日本道路協会発行、 「道路土工 排水工指針」68頁2−2−7 地下浸透施設 透水性舗装の項及び図2−34(a)、図2−34(b)
請求項2の発明は、請求項1に記載された集水桝を備えたことを特徴とする排水システムである。
本発明は、浸透管を伴い集水桝の底部を貫通して設置し、降雨による重金属や有害物質が含まれた初期流出分を一時貯留させ、かつ、一時貯留した雨水のうち、集水桝中で所定の高さ以上の雨水のみを浸透管中に取り入れることで、地下水の水質を保全する。さらに、集水桝及び浸透施設に炭を混入または吹付けて雨水を浄化して水質を保全する。
また、浸透管による浸透水の浸透領域に方向性を与えることで例えば街路樹等、必要な領域に効率的に雨水を浸透させ、地下水の涵養を図ることができる。
具体的には、(a)有害物質を含んだ初期降雨の雨水を貯留して、その後の雨水を浸透施設で地中に浸透させ地下水の水質保全を図る。(b)雨水を地中に浸透させ、都市型水害を防ぐと共に、地下水涵養により、ヒートアイランド現象を抑制する。(c)浸透施設製品に炭(例えば竹炭、木炭)を混入、または吹き付けて雨水を浄化する。(d)集水桝は雨水の一時貯留と泥を溜める。(e)集水桝の底部に井戸型浸透管を設けることで、雨水を地中に容易に浸透させ、街路樹の緑化を行い、都市部での快適な生活環境を作る。
また、集水桝の底部の浸透管によって雨水の地下浸透が促進されるため、都市型水害及びヒートアイランド現象を抑え、緑地の再生及び保全を行うことができる。
図1は、本発明の排水システムにおける集水桝12の部分を拡大して示した、図14と同様の断面図であり、道路に沿って設けた集水桝12を示している。この集水桝12の部分以外の構成は既に図14について説明した分流式排水システムと同様である。
浸透管30は、図示のように、その上端部は、雨水と一緒に集水桝12に流入するゴミを除去するためのフィルター32aを取り付けた開口32、開口32に続く不透水性構造部分、不透水性構造に続く周縁に多数の孔34を有する地下浸透部分と、閉じた他端部とを有し、集水桝12の底部に設けた開口12aを通して集水桝12中に不透水性構造部分の所定の長さHを残して下部は地中に配置され、集水桝12中の深さHまでのところに溜まった雨水は取り入れないような構造になっている。
Vs=As×0.01
つまり、前記Vsを算出して集水桝12の貯留容量を決めることができる。
なお、雨が断続的に降る場合や、頻繁に降る場合には、集水桝12の底に溜まった初期雨水が蒸発する前に、次の初期雨水が溜まることになるが、降雨間隔が短いときは、通常の状態では、初期雨水中に含まれる有害物質の量はその分少なくなると考えられるため、集水桝12にそれ以前の雨水が溜まっていてもとくに問題となることはない。
即ち、図2Aに示す浸透管30では、地中に埋設される浸透管部分の全周に亘って排水孔34が設けられており、かつ図2Bの浸透管30では、地中に埋設される部分の略半周のみに排水孔34を設けている。なお、浸透管30の埋設部分の排水孔34の配置は、これらに限ることはなく任意であり、適宜方向性を持たせて目的とする区域に排水することができる。
しかしながら、地下水を飲料水として利用する地域などでは、その僅かな量の初期雨量でも地下に浸透させないようにする必要がある。
図6、図7は、それぞれ図1、図4に対応する図であり、図1及び図4との相違は、浸透管30上に降り注ぐ雨水が該浸透管に直接流入するのを防止するため、集水蓋(グレーチング)16の浸透管30直上部を閉鎖して流入防止手段を構成している点である。また、図6に示す集水蓋16の覆いの縁部分には、雨水が覆いの縁から内側に移動してそこから浸透管30上に落下することがないように、水切りのための突条部16cが設けられている。
なお、集水蓋16に設ける水切り部は、図7中に拡大してA及びBで示すように、突条16c以外に、縁の近傍に溝16bを形成したものでも同様の効果がある。
このように雨水流入防止手段を設けることにより、浸透管30には雨が当たらず、従って、初期雨水が浸透管30に流入することがない。
なお、流入防止手段は、要は、浸透管30に降り注ぐ雨水が浸透管30から直接流入することを防止できればよいから、上記の構成に限定するものではなく、浸透管30自体に任意の構成のカバーを被せても同様の効果が得られる。
また、下水道法施行令では、流出側管底下に15cm以上の深さの泥溜めを設置することが規定されているが、本実施形態で浸透管30の開口端の高さHをそれよりも高くすることで、この規定にも適合させることができる。
Claims (2)
- 雨水の流出抑制施設を備えた排水システムで用いる浸透管付き集水桝であって、
複数の開口を設けた集水蓋を上部に備え、
集水用桝の底から所定距離隔てた雨水を取り入れるための開口をその一端部に有すると共に、他端側の前記集水桝の底の下方に配置される部分の周面に、雨水浸透孔を複数備えた浸透管を挿通するための孔を底部に有し、
前記集水蓋は、浸透管上に降り注ぐ雨水が該浸透管に直接流入するのを阻止するために浸透管直上部に覆いを備え、前記覆いの周縁部に水切り手段を備えていることを特徴とする浸透管付き集水桝。 - 請求項1に記載された集水桝を備えたことを特徴とする排水システム。
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