JP4267533B2 - トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー - Google Patents

トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー Download PDF

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Description

本発明は、電子写真、静電印刷等において静電荷像を現像するために用いられる電子写真用トナーに関する。
従来、トナー用バインダー樹脂としては主に、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂などが用いられている。中でも、ポリエステル系樹脂は、定着性と耐オフセット性のバランスが良いため、広く用いられている。しかし、ポリエステル樹脂は、樹脂骨格中のエステル基に由来する極性により吸水性が高く、高温高湿下における帯電不良が起こりがちであり、環境安定性が不十分であった。その影響の一つとして、ポリエステル系樹脂を用いたトナーにおいては、複写機やプリンターでの連続での印字テスト(ランニング性評価)を実施した際にかぶり等の不具合が出ることがあった。
これを解決する方法として、ポリエステル樹脂にビニル系樹脂を複合化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、ポリエステル樹脂の官能基は樹脂の末端部分にしか存在しないため、これらと反応可能な官能基を持つビニル系樹脂を結合させること自体は可能であるが、ポリエステル樹脂中にビニル系樹脂を均一に分散させることは困難であると考えられる。従って、ワックス分散性の良好なビニル系樹脂が、ポリエステル樹脂中に均一に分散していないことにより、ワックスが細かく分散しないと推測される。従って、上記に示すポリエステル樹脂にワックスを添加した場合、ワックスを添加したことによる効果が少なく、またワックスの使用量を多くすると現像剤の劣化が早いことも確認されていることから、更にワックス分散性の良好なバインダー樹脂が求められている。
特開2000−29247号公報
本発明の課題は、複写機の高速化に伴ってトナーに要望される低温定着性、オフセット防止液を塗布することなくオフセットが防止できる耐オフセット性、保存性、環境安定性、及びランニング性に優れたトナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナーを得ることである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下である。
(1)ポリエステル構造を有する構造単位(A)、水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)、及びポリイソシアネート由来の構造単位(C)を有するポリエステル樹脂(D)を含むトナー用バインダー樹脂であって、
前記ポリエステル樹脂(D)は、ポリエステル系樹脂(A2)、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)、及びポリイソシアネート(C2)を反させて得られるものであり、
前記ポリエステル系樹脂(A2)が要件(i)を満たし、前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)が要件(ii)を満たし、前記ポリエステル系樹脂(A2)と前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の質量比(A2)/(B2)が55/45〜99/1であり、前記ポリエステル系樹脂(A2)と前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の質量の合計100質量部に対して、前記ポリイソシアネート(C2)が0.05〜40質量部であることを特徴とする、トナー用バインダー樹脂。
要件(i)数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり、水酸基価が4〜100mgKOH/gであり、酸価が1〜40mgKOH/gである。
要件(ii)数平均分子量(Mn)が1000〜30000であり、水酸基価が4〜100mgKOH/gである。
(2)上記のトナー用バインダー樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー。

本発明のバインダー樹脂を用いることで、定着性、耐オフセット性、保存性に優れ、且つ、環境安定性、ランニング性に優れたトナーを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては重合と言う語に、共重合の意味が含まれることがあり、重合体と言う語に、共重合体の意味が含まれることがある。
本発明のポリエステル樹脂(D)は、好ましくはポリエステル構造を有する構造単位(A)、水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)、及びポリイソシアネート由来の構造単位(C)からなり、ポリエステル構造を有する構造単位(A)と水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)の質量比は(A)/(B)が55/45〜99/1であり、ポリエステル構造を有する構造単位(A)と水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)との合計100質量部に対してポリイソシアネート由来の構造単位(C)は0.05〜40質量部である。
本発明においてポリエステル構造を有する構造単位(A)は、対応するポリエステル樹脂(A2)に由来する部位である。ポリエステル樹脂(A2)は、一般に、少なくとも一種のジオールと少なくとも一種のジカルボン酸とを主成分として、重縮合反応を行うことによって得られる樹脂である。更に、分子量分布やガラス転移温度(Tg)などの調節などを目的として、数種類のポリエステル樹脂を組み合わせて使用することも出来る。上記の重縮合反応を行う際の温度は、一般に、150〜300℃、好ましくは180℃〜270℃、更に好ましくは180℃〜250℃である。反応温度が150℃未満の場合は反応時間が延び、300℃を超える場合はモノマー、樹脂の分解が起こる場合がある。
ポリエステル樹脂(A2)の原料として使用されるジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらの中でもビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましく、更にはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂(A2)の原料として使用されるジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;前記の各種ジカルボン酸の無水物(例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸など)や炭素数1〜6の低級アルキルエステル(例えばコハク酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フタル酸ジヘキシルエステルなど)などが挙げられる。これらの中でもアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、更にはテレフタル酸、イソフタル酸が好ましく用いられる。
更に、ポリエステル樹脂(A2)の原料として、必要によりグリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビット、ソルビタンなどの3価以上の多価アルコール;オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸;分岐や不飽和基を有する脂肪族モノカルボン酸;オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族モノアルコール;安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸ならびにその酸無水物などを使用することができる。これらの化合物を用いることにより、ポリエステル樹脂(A2)の分子量やTgの調節や、分岐構造の付与などを行うことが出来る。これらの中でもグリセリン、トリメチロールプロパン、ステアリン酸、トリメリット酸、安息香酸が好ましく、更にはトリメチロールプロパン、ステアリン酸、安息香酸が好ましく用いられる。
特に、ポリエステル系樹脂(A2)の原料として、前記した3価以上の多価アルコールを1種以上使用することが、ポリイソシアネート(C2)で高分子量化(以後、ウレタン伸長と記載することがある。)する際に充分高分子量化させるために好ましい。3価以上の多価アルコールの使用量は、ポリエステル系樹脂(A2)の原料である全アルコール成分、即ちジオール及び3価以上の多価アルコールの合計量の0.25〜25モル%の範囲が好ましく、更には0.5〜20モル%の範囲がより好ましい。3価以上の多価アルコールの使用量が0.25モル%未満の場合には、後述するポリイソシアネート(C2)でポリエステル樹脂(A2)をウレタン伸長する際に、一般的に反応性が低く高分子量化し難い為、耐オフセット性や耐久性が不足することとがあり、また25モル%を超えるとポリエステル系樹脂(A2)を製造する際にゲル化しやすくなり、重縮合反応を実施し難くなる問題が生じることがある。
ポリエステル系樹脂(A2)の水酸基価は、4〜100mgKOH/gが好ましく、4〜80mgKOH/gであることが更に好ましい。水酸基価が上記の範囲より小さい場合、後述するポリイソシアネート(C2)でウレタン伸長する際の反応性が一般的に低く高分子化し難いため、十分な耐オフセット性を示さない場合がある。一方、水酸基価が上記の範囲より大きい場合、ポリイソシアネート(C2)でウレタン伸長する際にゲル分が多くなり過ぎ、十分な定着性を示さない場合がある。なお、本発明において水酸基価は樹脂1g中の水酸基をエステル化するのに必要な酸無水物を中和する為に必要な水酸化カリウムのmg数を言う。また、ポリエステル系樹脂(A2)の数平均分子量(Mn)は、1000〜50000が好ましい。より好ましくは1000〜20000である。数平均分子量が上記の範囲より小さい場合、十分な耐オフセット性や耐久性を示さない場合があり、上記の範囲より大きい場合は十分な定着性を示さない場合がある。また、ポリエステル系樹脂(A2)のガラス転移温度(Tg)は、30℃〜80℃が好ましい。更に好ましくは40〜70℃である。Tgが上記の範囲より低い場合、ポリイソシアネート(C2)でウレタン伸長後のウレタン変性ポリエステル樹脂のTgが低くなり、トナーとしたときの保存性(耐ブロッキング性)が悪化する場合がある。逆にTgが上記の範囲より高い場合は、ポリイソシアネート(C2)でウレタン伸長後のウレタン変性ポリエステル樹脂のTgが高くなりすぎて定着性が悪化する場合がある。また、ポリエステル系樹脂(A2)の酸価は1〜40mgKOH/gが好ましく、より好ましくは1〜30mgKOH/gであり、更に好ましくは1〜20mgKOH/gである。酸価が上記の範囲より大きい場合、十分な保存性を示さない場合がある。尚、本発明において、酸価とは樹脂1gを中和する為に必要な水酸化カリウムのmg数を言う。
本発明においてポリエステル樹脂(A2)は2種類以上を併用しても良い。この場合、それぞれの酸価や水酸基価が上記の範囲外であっても、全体のポリエステル樹脂(A2)として酸価や水酸基価が上記の範囲に入っていることが好ましい。特に好ましい例として、水酸基価が、0〜15mgKOH/g、好ましくは0〜13mgKOH/gであり、酸価が、0〜6mgKOH/g、好ましくは0〜5KOH/gであるポリエステル樹脂(A3)50〜85質量%と、水酸基価が、30〜100mgKOH/g、好ましくは30〜90mgKOH/gであり、酸価が、7〜25mgKOH/g好ましくは9〜20mgKOH/gであるポリエステル樹脂(A4)15〜50質量%とからなるポリエステル樹脂(A5)が挙げられる。更に好ましくは、ポリエステル樹脂(A3)が60〜85質量%、ポリエステル樹脂(A4)が40〜15質量%であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂(A5)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるクロマトグラフにおいて分子量1000〜20000、好ましくは分子量1000〜15000に少なくとも1つの極大値またはショルダーを有することが定着性と耐オフセット性のバランスの点で好ましい。
本発明において水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)とは、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)に由来する部位である。水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、通常スチレンと少なくとも1種以上の水酸基含有ビニル化合物との共重合により得られる樹脂である。この際、必要に応じて他の重合性化合物を用いて共重合を行っても良い。本発明の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、その水酸基価が4〜100mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が上記の範囲より大きい場合は、ポリイソシアネート(C2)との反応性が激しすぎることにより、十分な定着性を示さない場合がある。一方、水酸基価が上記の範囲より小さい場合、後述するポリエステル樹脂との反応性が不足し、トナーとして使用する際に十分な粘度を示さない場合がある。
本発明の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、その数平均分子量(Mn)が1000〜30000であることが好ましく、更には3000〜25000であることが好ましい。上記数平均分子量(Mn)が上記の範囲より小さい場合、トナーとして使用する際に粘度が不足し、十分な耐オフセット性を示さない場合がある。一方上記の範囲より大きい場合、ポリエステル系樹脂との相溶性が悪化し、トナーとして使用する際に粘度が不足する場合がある。
本発明の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、スチレン単位が35〜99.5質量%、更には50〜90質量%であることが好ましい。スチレン単位が上記の範囲より小さい場合、トナーとして用いた場合、樹脂の吸水性が高く、前述の環境安定性が不十分となることがある。
本発明の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、水酸基価、数平均分子量、組成が異なる2種類以上の樹脂を併用することもできる。この際、水酸基価、数平均分子量、組成が前記の好ましい範囲外の物であっても、全体として上記の範囲に入っていれば、好ましい水酸基含有スチレン系樹脂(B2)として用いることが出来る。
本発明の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合など公知の方法で製造することが出来る。その中でも、有機溶媒を用いた溶液重合法がその簡便さから好適に用いられる。上記溶液重合では、溶媒の種類に特に制限はないが、原料および得られる樹脂の溶解性や経済性の面からベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、キュメン等の芳香族炭化水素を使用することが好ましい。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて使用することが出来、また、他の溶剤も併用することができる。
上記の重合反応では、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤として特に制限はないが、通常、ラジカル重合開始剤が用いられる。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などのアゾ系開始剤;メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、などのケトンパーオキサイド類;1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、などのパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、などのハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、などのジアルキルパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、などのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、などのパーオキシジカーボネート類;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイドなどのスルホニルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、などのパーオキシエステル類等を例示することができる。これらは単独で用いることも出来るし、2種以上を併用することもできる。その種類、量は反応温度、単量体濃度等により適宜選択して使用でき、使用量は通常、仕込単量体100質量部当たり0.01〜10質量部である。また、反応温度等を適宜選択することによって、重合開始剤を用いなくても、重合を行うことが出来る。
水酸基含有スチレン系重合体(B2)の製造に用いられる水酸基含有ビニル単量体として、好ましくは、水酸基含有メタアクリレートが挙げられる。水酸基含有メタアクリレートとして好ましくは、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
水酸基含有スチレン系重合体(B2)の製造に用いられる他の重合性化合物とは、スチレン(スチレンモノマー)以外の重合性二重結合を有する化合物であり、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸エトキシル、アクリル酸ブトキシル、アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートメタクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のメタクリル酸エステル類;ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル化合物;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸ジアルキルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド等の含窒素重合性化合物;ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート等の2官能重合性化合物;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等の共役ジエン化合物であり、これらのビニル単量体の少なくとも1種または2種以上を用いることが出来る。これらの中で特に好ましい重合性化合物としては、芳香族ビニル単量体類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、フマル酸ジアルキルエステル類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。
水酸基含有スチレン系樹脂(B2)のTgは30℃〜80℃が好ましい。更に好ましくは40〜70℃である。Tgが30℃より低い場合、後述するトナー用バインダー樹脂のTgが低くなり、保存性が悪化する場合があり、80℃より高い場合はウレタン伸長後の樹脂のTgが高くなりすぎ、定着性が悪化する場合がある。
ウレタン結合を有する構造単位(C)は、通常ポリイソシアネート(C2)と前記ポリエステル樹脂(A2)の水酸基や水酸基含有スチレン樹脂(B2)の水酸基等と反応する(ウレタン伸長反応)ことによって形成される。本発明のポリイソシアネート(C2)とは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)などのアラルキル系ジイソシアネートなどによって代表される、1分子中に2個のイソシアネート基を含有するジイソシアネート化合物が挙げられる。また、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)などの1分子中に3個以上のイソシアネート基を含有するポリイソシアネートも用いることが出来る。更に、前記の各種ポリイソシアネート類をビウレット変性、アロファネート変性、イソシアヌレート変性、ウレタン変性などの種々の変性を行った変性ポリイソシアネート類も使用することが可能である。中でも芳香族ジイソシアネートは反応性に富み、また安価であるので、最も好適に使用し得るポリイソシアネートの1つである。
本発明のポリエステル樹脂(D)は、好ましくはポリエステル樹脂(A2)、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)、及びポリイソシアネート(C2)とを混合及び/又は反応させて得られる。本発明では、スチレン系樹脂に水酸基を含有させることで、ポリイソシアネートのイソシアネート基を介して水酸基含有のポリエステル樹脂と水酸基含有のスチレン系樹脂を結合させることで反応を容易に制御でき、ポリエステル樹脂(D)を効率よく製造することが出来る。また、ポリエステル樹脂中へスチレン系樹脂が良好に分散し、ワックスが樹脂内に均一に分散すると考えられる。
上記の反応方法に特に制限はなく、例えば、ポリエステル樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)とポリイソシアネート(C2)とを反応器や押出機中で反応させても良く、ポリエステル樹脂(A2)とポリイソシアネート(C2)とを反応させた後、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)と反応させても良い。ポリエステル樹脂(B2)を製造する重縮合反応をポリイソシアネートおよび/または水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の存在下に行うことも出来る。これらの方法の中で、代表的な2例について詳述する。
第1の例として、ポリエステル系樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)とポリイソシアネート(C2)とを反応させる方法の好適な例としては、例えばポリエステル系樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の両樹脂を二軸混練機に供給して混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にポリイソシアネート(C2)を注入して溶融混練する方法を挙げることが出来る。上記の方法での反応器としては単軸押出機、スタティックミキサーや、通常の攪拌機付きの反応器も用いることができる。
上記の反応温度の好ましい範囲は、100〜200℃、更に好ましくは140℃〜190℃である。100℃以下の場合、ウレタン伸長が不充分となり耐オフセット性が悪化する場合があり、200℃以上の場合、樹脂が熱により分解する場合がある。
上記の方法において、ポリエステル系樹脂(A2)55〜99質量%に対し水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は45〜1質量%の範囲で用いられることが好ましい。ポリエステル系樹脂(A2)は、更には60〜97質量%であることが好ましい。水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、更には3〜40質量%であることが好ましい。
水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の比率が1質量%未満の場合、環境安定性が不充分となる場合があり、また45質量%を超えた場合は、定着性が低下する場合がある。
ポリイソシアネート(C2)の使用量は、好ましくはポリエステル樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)との合計100質量部に対して0.05〜40質量部である。これは、ポリエステル樹脂(A2)の合計水酸基1モル当量当り、ポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基が0.1〜2.5モル当量に相当する。ポリイソシアネート(C2)のイソシアネート基が、上記の範囲より少ない場合、耐オフセット性の面で好ましくない場合があり、上記の範囲より多い場合、得られるウレタン変性ポリエステル樹脂中に未反応のポリイソシアネートが残存する場合がある。
第2の例として、ポリエステル樹脂(A2)とポリイソシアネート(C2)とを反応させた後、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)と反応させる方法も好適である。この方法においては、ポリイソシアネート(C2)の使用量は、好ましくはポリエステル樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)との合計100質量部に対して0.05〜40質量部である。ポリイソシアネート(C2)のイソシアネート基が、上記の範囲より少ない場合、耐オフセット性の面で好ましくなく、上記の範囲より多い場合、得られるウレタン変性ポリエステル樹脂中に未反応のポリイソシアネートが残存する場合がある。
上記のウレタン変性ポリエステル系樹脂55〜99質量%に対し水酸基含有スチレン系樹脂(B2)は、1〜45質量%の範囲で用いられることが好ましい。更には、ウレタン変性ポリエステル系樹脂60〜97質量%に対し、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)3〜40質量%であることが好ましい。
水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の比率が1質量%未満の場合、環境安定性が不充分となる場合があり、また45質量%を超えた場合は、定着性が低下する場合がある。
更に、上記の反応は、後述する帯電調整剤(CCA)、着色剤、離型剤などの存在下に行うことも可能である。
本発明のポリエステル樹脂(D)は、通常テトラヒドロフラン可溶部と、テトラヒドロフラン不溶部とを有する。ポリエステル樹脂(D)中のテトラヒドロフラン不溶部の比率は通常0.5〜50質量%、好ましくは0.5〜35質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。テトラヒドロフラン不溶部が50質量%より多い場合、トナーの定着性が悪化することがある。テトラヒドロフラン不溶部にはウレタン結合に由来する窒素がテトラヒドロフラン可溶部より多く含まれている。
また、ポリエステル樹脂(D)のテトラヒドロフラン可溶部の分子量分布(Mw/Mn)は、5〜60であることが耐オフセット性の面から好ましく、より好ましくは6〜60である。
上記のポリエステル樹脂(D)は、更にワックス由来の構造単位(E)を有するポリエステル樹脂(F)であることも好ましい。
上記のポリエステル樹脂(F)は、好ましくは、ポリエステル構造を有する構造単位(A)、水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)、及びポリイソシアネート由来の構造単位(C)からなり、ポリエステル構造を有する構造単位(A)と水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)の質量比は(A)/(B)が55/45〜99/1であり、ポリエステル構造を有する構造単位(A)と水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)との合計100質量部に対してポリイソシアネート由来の構造単位(C)は0.05〜40質量部であり、ワックス由来の構造単位(E)は1〜13質量部である。
上記のワックス由来の構成単位(E)は、対応するワックス(E2)に由来する構成単位である。ワックス(E2)は、融点が70〜155℃であれば制限はなく、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;セラミックワックス、ライスワックス、シュガーワックス、ウルシロウ、蜜鑞、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス;フィッシャートロプシュワックス及びこれらの変性物が上げられる。ワックス(E2)としてこれらの中から少なくとも1種を用いる。ワックス(E2)の融点が70℃未満の場合、トナーとしたときに十分な保存性を示さない場合があり、155℃以上の場合ではワックスが溶融しにくくなり低温定着性が低下する場合がある。上記のワックス(E2)は、前述の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)を製造する方法の任意の過程で使用することも出来る。
本発明のポリエステル樹脂(F)は、例えば上記のワックス(E2)を前述のポリエステル樹脂(D)を製造する方法の任意の過程で使用することにより得ることが出来る。また、上記のワックス(E2)の使用量はポリエステル系樹脂(A2)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の総量100質量部に対して1〜13質量部、特に、2〜10質量部が好ましい。1質量部未満では、ワックスの効果が発現しない場合があり、13質量部を越えると、ワックスの軟性分の増加が原因と考えられる定着ロールあるいは感光体の汚れが激しくなる事がある。
本発明で用いられるワックス由来の構成単位(E)は、ワックス(E2)が水酸基やカルボキシル基等の反応性を有する基を有する場合、ワックス(E2)は、ポリエステル樹脂(A2)、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)等と反応して上記樹脂と結合していることが考えられる。上記樹脂とワックス(E2)とが結合すると、ポリエステル樹脂(F)におけるワックス成分の分散性が向上し、結果、耐ブロッキング性が更に向上することが考えられる。
本発明のポリエステル樹脂(F)のテトラヒドロフラン不溶部の比率は0.5〜50質量%、好ましくは0.5〜35質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。テトラヒドロフラン不溶部が上記の範囲より多い場合、トナーの定着性が悪化することがある。テトラヒドロフラン不溶部にはウレタン結合に由来する窒素がテトラヒドロフラン可溶部より多く含まれている。
また、ポリエステル樹脂(F)のテトラヒドロフラン可溶部の分子量分布(Mw/Mn)は、5〜60であることが耐オフセット性の面から好ましく、より好ましくは6〜60である。
本発明のポリエステル樹脂(D)、ポリエステル樹脂(F)のガラス転移温度は、40〜70℃が好ましく、更には45〜65℃がより好ましい。上記の範囲より低い場合、十分な保存性を示さないことがあり、上記の範囲を超えると十分な定着性を示さない場合もある。
また、本発明のポリエステル樹脂(D)、ポリエステル樹脂(F)は、各構成単位が全て結合している必要はない。例えば、未反応のポリエステル樹脂(A2)、未反応の水酸基含有スチレン系樹脂(B2)等が残っていても、後述するトナー用バインダー樹脂やトナーとして好ましい性能を有していれば、トナー用バインダー樹脂に使用することが出来る。
本発明のポリエステル樹脂(D)、ポリエステル樹脂(F)の構造、組成は、溶媒分別、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、広幅核磁気共鳴スペクトル(広幅NMR)、赤外分光装置(IR)等の公知の方法を用いて分析することが出来る。該樹脂がゲル成分を有する場合、分析手段が限られる問題がある。しかし、例えば該樹脂を加水分解反応で徹底的に分解し、得られるカルボン酸、アルコール、スチレン樹脂等を液体クロマトグラフィー、IR、NMRなどを用いて分析することにより求めることもできる。
本発明のトナー用バインダー樹脂は、上記のポリエステル樹脂(D)、ポリエステル樹脂(F)それぞれ単独であっても、ポリエステル樹脂(D)とポリエステル樹脂(F)の混合物であっても良い。また、その特性を損なわない範囲でそれらに他の成分を加えた組成物であっても良い。他の成分として具体的にはバインダー樹脂として公知のものであればいずれでもよく、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂等が挙げられる。
上記の中でもスチレン系樹脂(G)が好ましく用いられる。
スチレン系樹脂(G)は水酸基含有スチレン系樹脂(B2)と同様の方法で得られるが、水酸基を持たない樹脂である。
スチレン系樹脂(G)はGPCによって測定されたクロマトグラフにおいて分子量2000〜25000に少なくとも1つの極大値またはショルダーを有することが好ましい。更に好ましくは3000〜20000である。極大値またはショルダーが上記の範囲より低い場合、十分な耐久性を示さない場合があり、上記の範囲よりも大きい場合、十分な定着性を示さない場合がある。また、Mw/Mnで表される分子量分布が5より大きい値であることが耐オフセット性の面から好ましい。
スチレン系樹脂(G)のTgは30℃〜80℃が好ましい。上記の範囲より低い場合、ウレタン伸長後の樹脂のTgが低くなり、十分な保存性を示さない場合があり、上記の範囲より高い場合は十分な定着性を示さない場合がある。更に好ましくは40〜70℃である。
ポリエステル樹脂(D)又はポリエステル樹脂(F)とスチレン系樹脂(G)とは、その質量比が75/25〜99/1の割合で用いられることが好ましい。
スチレン系樹脂(G)を用いる場合、特にポリエステル樹脂(D)として、以下の特徴を有するポリエステル樹脂(A6)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)とイソシアネート(C2)とから得られるポリエステル樹脂(D2)が好ましい。即ちポリエステル樹脂(A6)とは、水酸基価が5〜100mgKOH/g、好ましくは5〜80mgKOH/gであり、酸価が1〜40mgKOH/g、より好ましくは1〜30mgKOH/gであり、更に好ましくは1〜20mgKOH/gである。
他の好ましいポリエステル樹脂(D)としては、前述のポリエステル樹脂(A5)と水酸基含有スチレン系樹脂(B2)とイソシアネート(C2)とから得られるポリエステル樹脂(D3)である。また、ポリエステル樹脂(D2)、ポリエステル樹脂(D3)のいずれもGPCによって測定されたクロマトグラフにおいて分子量1000〜20000、好ましくは分子量1000〜15000に少なくとも1つの極大値またはショルダーを有することが好ましい。
本発明のトナーは、上記のポリエステル樹脂(D)及び/またはポリエステル樹脂(F)を含むトナー用バインダー樹脂を必須成分とし、必要に応じて帯電調整剤(CCA)、着色剤、表面処理剤、ワックス等を含むものである。
本発明のトナ−用バインダー樹脂の量は、トナー中に40〜95質量%であることが好ましい。
以下、トナー用バインダー樹脂以外のものについて詳述する。
本発明のトナーに用いる着色剤としては、従来知られている染料及び顔料を使用することができ、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロー、ニグロシン染料(C.I.No.50415)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoec Blue 3)、クロームイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デユポンオイルレツド(C.I.No.26105)、オリエントオイルレツド#330(C.I.No.60505)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランブブラツク(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、オイルブラツク、アゾオイルブラツク等を使用することができる。その添加量としては、トナー用バインダー樹脂100質量部に対して3〜35質量部、好ましくは3〜20質量部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性を考慮すると12質量部以下の範囲で使用されるのが好ましく、特には3〜9質量部であるのが好適である。
また、帯電調整剤としては、ニグロシン、4級アンモニウム塩や含金属アゾ染料をはじめとする公知の帯電調整剤を適宜選択して使用することができ、その使用量はトナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して、通常0.1〜10質量部である。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては前記のワックス(E)で例示した物が挙げられる。ポリエステル樹脂(F)にはワックスが含まれているが、必要に応じ、特性を損なわない範囲でワックスを用いることができる。
本発明のトナーに用いられる表面処理剤は、トナーに添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に該表面処理剤が存在することになり、現像剤の粉体流動性が向上される。さらに現像剤の寿命をも向上させることが出来る。具体的な例示としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン超微粒子、シリコーンといった微粉末を挙げることが出来、商品名としては、AEROSIL 130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、R972、R972V、R972CF、R974、R976、RX200、R200、R202、R805、R812、R812S、TT600、MOX80、MOX170、COK84、酸化チタンT805、酸化チタンP25(以上、日本アエロジル社、およびテグザ社製)、CAB−O−SIL L90、LM130、LM150、M5、PTG、MS55、H5、HS5、LM150D、M7D、MS75D、TS720、TS610、TS530(以上、CABOT社製)などが挙げられる。更に該表面処理剤の表面積が、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m/g以上、特に50〜400m/gの範囲のものが好ましい。かかる該表面処理剤の添加量は、トナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。
また、本発明のトナーは、その特性を損なわない範囲で他のトナー用バインダー樹脂を含有せしめることができる。含有させる事のできる他のトナー用バインダー樹脂としては、前述したバインダー樹脂として公知のものであればいずれでも使用することが出来る。例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂などが挙げられる。
これらの材料を含む本発明のトナーの製造方法としては、以下の好適な例を挙げることが出来る。即ち、本発明のトナー用バインダー樹脂、着色剤、必要であればその他の添加剤を粉体混合機により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーといった混練機を用いて温度100〜200℃で溶融、混練して各構成成分を充分に混合する。これを冷却後、粉砕、分級を行って、通常8〜20μmの範囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理剤をまぶして電子写真用トナーを得る。
本発明のトナー用バインダー樹脂およびトナーは、吸水性が低く環境安定性がよい。これは、ポリエステル樹脂(D)中に上記の樹脂(D1)が含まれているため、吸水性の低いスチレン系樹脂のポリエステル樹脂(D)中での分散性が良好で、その結果全体の吸水性を低下させているためと推測される。
本発明により得られるトナーは種々の現像プロセスに用いることが出来る。例えばカスケード現像法、磁気ブラシ法、パウダー・クラウド法、タツチダウン現像法、キヤリアとして粉砕法によって製造された磁性トナーを用いる所謂マイクロトーニング法、磁性トナー同士の摩擦帯電によって必要なトナー電荷を得る所謂バイポーラー・マグネチックトナー法などに用いることができるが、これに限定されるものではない。
また,本発明により得られるトナーは種々の定着方法,例えば所謂オイルレスおよびオイル塗布ヒートロール法、フラツシユ法、オーブン法、圧力定着法などに用いることができる。
更に、本発明のトナーは、種々のクリーニング方法、例えば、所謂フアーブラシ法、ブレード法などに用いることができる。
次に実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。実施例、比較例の記載において「部」は特に断わらない限り質量部を意味する。また、各表中のデータの測定法及び判定法は次の通りである。
(ガラス転移温度、融点)
ガラス転移温度(Tg)は示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを−20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブのベースラインと吸熱ピークの傾線の交点よりTgを求めた。樹脂は、測定の前に一旦200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、即座に常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一することが望ましい。また、ワックスの融点も同様にワックス吸熱ピークから求めた。
(水酸基価)
水酸基価の測定方法は、例えば酸無水物による逆滴定により行われる。特に酸無水物として無水フタル酸、触媒としてイミダゾールを使用する方法が好ましく、これら酸無水物、触媒をピリジンに溶解して、反応試薬とした。反応試薬と樹脂を反応させた後にこれらを希釈する溶剤としては、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)等、樹脂の溶解性に優れた溶剤を使用する。
(酸価)
酸価の測定方法は中和滴定により行われるが、溶剤としては樹脂の溶解性に優れた溶剤を用いる。キシレン/ジメチルホルムアミド=1/1(重量比)の混合溶剤が特に好ましい。
(分子量)
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
検出器 ; SHODEX RI-71S
溶剤 ; テトラヒドロフラン(THF)
カラム ; KF-G + KF-807L x 3 + KF800D
流速 ; 1.0ml/分
試料 ; 0.25%THF溶液
なお、測定の信憑性は上記の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン試料(Mw=288000、Mn=137000、Mw/Mn=2.11)のMw/Mnが、2.11±0.10となることにより確認し得る。
(粉砕性)
粉砕性は、以下のように測定した。市販の機械式粉砕機にあらかじめ1mmメッシュパス、600ミクロンメッシュオンで前処理したサンプルを約10g仕込み、粉砕時間30秒間、粉砕強度60Vに設定してサンプルを粉砕した。粉砕されたサンプルをメッシュ目開き600ミクロン、250ミクロン、106ミクロンに供試し、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを4にして、7分間振動を加えた。振動後の106ミクロンメッシュのふるいを通過したサンプルの質量を測定し、通過質量比を求め,粉砕性指数とした。
○ ; 粉砕性指数 ≧ 40%
△ ; 40% > 粉砕性指数 ≧ 20%
× ; 20% > 粉砕性指数
(定着性)
定着性は市販の電子写真複写機を改造した複写機にて未定着画像を作成した後、この未定着画像を市販の複写機の定着部を改造した熱ローラー定着装置を用いて定着させた。熱ロールの定着速度は190mm/secとし、熱ローラーの温度を5℃ずつ変化させてトナーの定着を行った。得られた定着画像を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製)により、1.0kgの荷重をかけ、10回摩擦させ、この摩擦試験前後の画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定した。各温度での画像濃度の変化率が60%以上となった最低の定着温度をもって最低定着温度とした。なお、ここに用いた熱ローラ定着装置はシリコーンオイル供給機構を有しないものである。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ; 最低定着温度 ≦ 165℃
△ ; 185℃ ≧ 最低定着温度 > 165℃
× ; 最低定着温度 > 185℃
(耐オフセット性)
耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱ローラー定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装置の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ; オフセット発生温度 ≧ 240℃
△ ; 240℃ > オフセット発生温度 ≧ 220℃
× ; 220℃ > オフセット発生温度
(環境安定性)
環境安定性は22℃、相対湿度55%に48時間放置したトナー1gとパウダーテック社製キャリア鉄粉(F95−100)49gをターブラーシェイカーミキサーで30分混合攪拌させた後、東芝ケミカル社製ブローオフ帯電測定装置により測定した摩擦帯電量Q1と、35℃、相対湿度85%に48時間放置したトナー1gとパウダーテック社製キャリア鉄粉(F95−100)49gをターブラーシェイカーミキサーで30分混合攪拌させた後、東芝ケミカル社製ブローオフ帯電測定装置により測定した摩擦帯電量Q2の比(Q2/Q1)から評価を行った。
○ ; Q2/Q1 ≧ 0.9
△ ; 0.9 > Q2/Q1 ≧ 0.7
× ; 0.7 > Q2/Q1
(保存性)
保存性は温度40℃、相対湿度60%の環境条件下に24時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後の150メッシュのふるいの上に残った質量を測定し、残存質量比を求めた。
○ ; 20%より小さい
△ ; 20%以上35%以下
× ; 35%より大きい
(ランニング性)
ランニング性は,市販の複写機を改造して(50枚/分のコピースピード)連続複写し、かぶりが発生した時点の枚数で評価した。
○;10000枚以上
△;5000枚以上10000枚未満
×;5000枚未満
(ポリエステル系樹脂(A2)の製造例)
樹脂A−1
5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を取り付け、ポリオールKB300(三井化学株式会社製)22.0mol、エチレングリコール(EG)50.0mol、トリエチレングリコール(TEG)20.0mol、トリメチロールプロパン(TMP)8.0mol,テレフタル酸(TPA)36.0mol、を仕込みフラスコ内に窒素を導入しながら180〜240℃で脱水縮重合し樹脂A−1を得た。反応生成物のTgは33.5℃であり、酸価は2.5mgKOH/g、水酸基価は56.3mgKOH/gであり、数平均分子量は2600であった。
樹脂A−2
ポリオールKB300(三井化学株式会社製)を28.0mol、エチレングリコール(EG)を64.0mol、トリエチレングリコール(TEG)8.0mol,テレフタル酸(TPA)を38.0mol、安息香酸(Benz A)6.0molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂A−2を得た。反応生成物のTgは58℃、酸価は21.9mgKOH/g、水酸基価は2.5mgKOH/gであり、数平均分子量は2700であった。
樹脂A−3
ネオペンチルグリコール(NPG)30.0mol、トリメチロールプロパン(TMP)8.0mol、エチレングリコール(EG)70.0mol、トリエチレングリコール(TEG)10.0mol、テレフタル酸(TPA)33.1molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂A−3を得た。反応生成物のTgは34.4℃、酸価は7.0mgKOH/g、水酸基価は61.7mgKOH/gであり、数平均分子量は2900であった。
樹脂A−4
ネオペンチルグリコール(NPG)30.0mol、エチレングリコール(EG)を70.0mol,テレフタル酸(TPA)を31.5mol、安息香酸(Benz A)6.0molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂A−4を得た。反応生成物のTgは57℃、酸価は31.6mgKOH/g、水酸基価は0.7mgKOH/gであり、数平均分子量は2400であった。
樹脂A−5
樹脂A−1;20質量部、樹脂A−2;80質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂A−5を得た。得られた樹脂のTgは58.0℃であり、Mw/Mn>6であった。
樹脂A−6
樹脂A−3;20質量部、樹脂A−4;80質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.9質量部を供給して更に混練して樹脂A−6を得た。得られた樹脂のTgは58.5℃であり、Mw/Mn>6であった。
(ポリスチレン系樹脂(B2)の製造例)
樹脂B−1
窒素置換したフラスコにキシレン50.0質量部を仕込み、オイルバスにより加熱し還流下(内温138℃)においてスチレン73.0質量部、アクリル酸n−ブチル22.0質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部、及びジ−t−ブチルパーオキサイド0.5質量部を5時間かけて連続滴下し、その後、1時間反応を継続して重合後、内温を130℃に保ち、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5質量部を添加し2時間反応させて重合を終了した。得られた樹脂を190℃、10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤を除去し、樹脂B−1を得た。反応生成物のTgは57℃、水酸基価は、21.8mgKOH/g、数平均分子量は4200、ピーク分子量は50000であった。
樹脂B−2
単量体組成をスチレン95.0質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部とした以外は樹脂B−1と同様の方法で樹脂B−2を得た。反応生成物のTgは67℃、水酸基価は、20.0mgKOH/g、数平均分子量は1500、ピーク分子量は4000であった。
樹脂B−3
単量体組成をスチレン76.0質量部、アクリル酸n−ブチル19.0質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5.0質量部とした以外は樹脂B−1と同様の方法で樹脂B−3を得た。反応生成物のTgは59℃、水酸基価は、20.5mgKOH/g、数平均分子量は4700、ピーク分子量は50000であった。
樹脂C−1
樹脂A−5;99質量部、樹脂B−1;1質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−1を得た。得られた樹脂のTgは57.8℃であり、Mw/Mn=6.1であった。
樹脂C−2
樹脂A−5;90質量部、樹脂B−1;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−2を得た。得られた樹脂のTgは57.6℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−3
樹脂A−5;80質量部、樹脂B−1;20質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−3を得た。得られた樹脂のTgは57.5℃であり、Mw/Mn=6.2であった。
樹脂C−4
樹脂A−5;55質量部、樹脂B−1;45質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−4を得た。得られた樹脂のTgは57.5℃であり、Mw/Mn=6.2であった。
樹脂C−5
樹脂A−5;100質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−5を得た。得られた樹脂のTgは58.0℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−6
樹脂A−5;90質量部、樹脂B−2;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−6を得た。得られた樹脂のTgは58.7℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−7
樹脂A−5;90質量部、樹脂B−3;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−7を得た。得られた樹脂のTgは58.1℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−8
樹脂A−6;90質量部、樹脂B−1;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−8を得た。得られた樹脂のTgは58.3℃であり、Mw/Mn=6.1であった。
樹脂C−9
樹脂A−6;100質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練して樹脂C−9を得た。得られた樹脂のTgは58.4℃であり、Mw/Mn=5.8であった。
樹脂C−10
樹脂A−1;18質量部、A−2;72質量部,樹脂B−1;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.6質量部を供給して更に混練して樹脂C−10を得た。得られた樹脂のTgは58.2℃であり、Mw/Mn=6.1であった。
樹脂C−11
樹脂A−3;18質量部、A−4;72質量部,樹脂B−1;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂C−11を得た。得られた樹脂のTgは58.0℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−12
樹脂A−1;18質量部、A−2;72質量部、樹脂B−2;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.6質量部を供給して更に混練して樹脂C−12を得た。得られた樹脂のTgは62.0℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−13
樹脂A−1;18質量部、A−2;72質量部、樹脂B−3;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.6質量部を供給して更に混練して樹脂C−13を得た。得られた樹脂のTgは60.0℃であり、Mw/Mn=6.2であった。
樹脂C−14
樹脂A−3;18質量部、A−4;72質量部、樹脂B−2;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.7質量部を供給して更に混練して樹脂C−14を得た。得られた樹脂のTgは61.0℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−15
樹脂A−3;18質量部、A−4;72質量部、樹脂B−3;10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.7質量部を供給して更に混練して樹脂C−14を得た。得られた樹脂のTgは61.0℃であり、Mw/Mn=6.2であった。
実施例1
樹脂C−1を100部に対してカーボンブラックREGAL 330R(CABOT社製)6部及びポリプロピレンワックス NP−105(三井化学株式会社製)3部,帯電調整剤(BONTRON E-84;オリエント化学工業社製)1.5部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸混練機 PCM30(池貝鉄工株式会社製)にて150℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。この組成物をハンマーミルにて粗粉砕した後、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製 IDS2型)にて微粉砕し、次いで気流分級して平均粒径8.5μm(5μm以下3質量%、20μm以上2質量%)のトナー粒子を得た。トナーの粉砕性はジェット粉砕機への粗粉の供給速度を一定にした条件での粉砕後の体積平均粒径を測定して判断した。このトナーを市販の複写機を用いて定着性、耐オフセット性、ランニング性を判定して熱ローラの汚染性の程度を調べた。更に、このトナーと疎水性シリカ(エアロジルR972、日本エアロジル社製)0.1%とを混合したものを温度40℃、相対湿度60%の環境に24時間保存した後、保存性、環境安定性を調べた。
実施例2
樹脂C−2を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例3
樹脂C−3を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例4
樹脂C−4を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例1
樹脂C−5を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例5
樹脂C−6を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例6
樹脂C−7を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例7
樹脂C−8を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例2
樹脂C−9を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004267533
以上の結果から水酸基含有スチレン系樹脂(B2)を用いないトナーは環境安定性,ランニング特性に劣っている事が確認された。
実施例8
樹脂C−10を100部に対してカーボンブラックREGAL 330R(CABOT社製)6部及びポリプロピレンワックス NP−105(三井化学株式会社製)3部,帯電調整剤(BONTRON E-84;オリエント化学工業社製)1.5部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸混練機 PCM30(池貝鉄工株式会社製)にて150℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。この組成物をハンマーミルにて粗粉砕した後、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製 IDS2型)にて微粉砕し、次いで気流分級して平均粒径8.5μm(5μm以下3質量%、20μm以上2質量%)のトナー粒子を得た。トナーの粉砕性はジェット粉砕機への粗粉の供給速度を一定にした条件での粉砕後の体積平均粒径を測定して判断した。このトナーを市販の複写機を用いて定着性と耐オフセット性、ランニング性を判定して熱ローラの汚染性の程度を調べた。更に、このトナーと疎水性シリカ(エアロジルR972 日本エアロジル社製)0.1%とを混合したものを温度40℃、相対湿度60%の環境に24時間保存した後、保存性、環境安定性を調べた。それらの結果を表3に示す。
実施例9
樹脂C−11を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
実施例10
樹脂C−12を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
実施例11
樹脂C−13を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
実施例12
樹脂C−14を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
実施例13
樹脂C−15を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
比較例3
樹脂A−5を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。
比較例4
樹脂A−6を用いて実施例8と同様の方法で試験を実施した。

評価結果を表2に示す。
Figure 0004267533
以上の結果から水酸基含有スチレン系樹脂(B2)を用いないトナーは、環境安定性に劣っており、またランニング性が若干低下する事が確認された。

樹脂C−16
樹脂A−1;18質量部、樹脂A−2;72質量部,樹脂B−1;10質量部、ワックスとしてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.0質量部を供給して更に混練して樹脂C−23を得た。得られた樹脂のTgは58.8℃であり、Mw/Mn=6.0であった。
樹脂C−17
樹脂A−1;16質量部、樹脂A−2;64質量部、樹脂B−1;20質量部、ワックスとしてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.9質量部を供給して更に混練して樹脂C−17を得た。得られた樹脂のTgは59.0℃であり、Mw/Mn=6.1であった。
樹脂C−18
樹脂A−3;18質量部、樹脂A−4;72質量部,樹脂B−1;10質量部、ワックスとしてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.0質量部を供給して更に混練して樹脂C−18を得た。得られた樹脂のTgは59.2℃であり、Mw/Mn=6.1であった。
樹脂C−19
樹脂A−1;20質量部、A−2;80質量部,ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂C−19を得た。得られた樹脂のTgは58.2℃であり、Mw/Mn=4.8であった。
実施例14
樹脂C−16を100部に対してカーボンブラックREGAL 330R(CABOT社製)6部,帯電調整剤(BONTRON E-84;オリエント化学工業社製)1.5部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸押出機・PCM−30(池貝鉄工社製)にて120℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。このトナー組成物をハンマーミルにて粗粉砕した。さらに、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製IDS2型)にて微粉砕し、ついで気流分級して平均粒径8.5μm(5μm以下3質量%、20μm以上2質量%)のトナー微粉末を得た。次いで、上記トナ−100部に対して、疎水性シリカ(R−972、アエロジル社製)を0.5部となる割合で外部から添加して、これをヘンシェルミキサーにより混合してトナ−を得た。このトナーを用いて、定着性、耐オフセット性、保存性、ランニング性を調べた。それらの結果を表に示す。
実施例15
樹脂C−17を用いて実施例14と同様の方法で試験を実施した。
実施例16
樹脂C−18を用いて実施例14と同様の方法で試験を実施した。
比較例5
樹脂C−19を用いて実施例14と同様の方法で試験を実施した。
評価結果を表3に示す。
Figure 0004267533
以上の結果から以上の結果から水酸基含有スチレン系樹脂(B2)を用いないトナーは、環境安定性に劣っており、またランニング性が若干低下する事が確認された。

Claims (5)

  1. ポリエステル構造を有する構造単位(A)、水酸基含有スチレン系樹脂由来の構造単位(B)、及びポリイソシアネート由来の構造単位(C)を有するポリエステル樹脂(D)を含むトナー用バインダー樹脂であって、
    前記ポリエステル樹脂(D)は、ポリエステル系樹脂(A2)、水酸基含有スチレン系樹脂(B2)、及びポリイソシアネート(C2)を反させて得られるものであり、
    前記ポリエステル系樹脂(A2)が要件(i)を満たし、前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)が要件(ii)を満たし、前記ポリエステル系樹脂(A2)と前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の質量比(A2)/(B2)が55/45〜99/1であり、前記ポリエステル系樹脂(A2)と前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の質量の合計100質量部に対して、前記ポリイソシアネート(C2)が0.05〜40質量部であることを特徴とする、トナー用バインダー樹脂。
    要件(i)数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり、水酸基価が4〜100mgKOH/gであり、酸価が1〜40mgKOH/gである。
    要件(ii)数平均分子量(Mn)が1000〜30000であり、水酸基価が4〜100mgKOH/gである。
  2. 前記ポリエステル樹脂(D)のガラス転移温度が40〜70℃であり、かつ、前記ポリエステル樹脂(D)のテトラヒドロフラン(THF)可溶部の分子量分布(重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値、すなわちMw/Mn)が5以上60以下である請求項1に記載のトナー用バインダー樹脂。
  3. 前記ポリエステル樹脂(D)が、ワックス由来の構造単位(E)を有するポリエステル樹脂(F)であることを特徴とする請求項1記載のトナー用バインダー樹脂であって、
    前記ポリエステル樹脂(F)は、前記ポリエステル系樹脂(A2)、前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)、及び前記ポリイソシアネート(C2)を、ワックス(E2)の存在下で反応させて得られるものであるトナー用バインダー樹脂。
  4. 前記ポリエステル系樹脂(A2)と前記水酸基含有スチレン系樹脂(B2)の質量の合計100質量部に対して、前記ワックス(E2)が1〜13質量部であることを特徴とする請求項記載のトナー用バインダー樹脂。
  5. 請求項1〜請求項いずれかに記載のトナー用バインダー樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー。
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