JP4267129B2 - カメラ - Google Patents

カメラ Download PDF

Info

Publication number
JP4267129B2
JP4267129B2 JP14363199A JP14363199A JP4267129B2 JP 4267129 B2 JP4267129 B2 JP 4267129B2 JP 14363199 A JP14363199 A JP 14363199A JP 14363199 A JP14363199 A JP 14363199A JP 4267129 B2 JP4267129 B2 JP 4267129B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
helicoid screw
lens
cam
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14363199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000329988A (ja
Inventor
雅夫 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Optical Co Ltd
Original Assignee
Nitto Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Optical Co Ltd filed Critical Nitto Optical Co Ltd
Priority to JP14363199A priority Critical patent/JP4267129B2/ja
Publication of JP2000329988A publication Critical patent/JP2000329988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4267129B2 publication Critical patent/JP4267129B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の円筒部材とレンズ群を保持するレンズ枠が設けられているカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカメラでレンズを駆動する方法としては、ヘリコイドネジを利用するものと、カム溝を利用するものと2種類ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このうち、カム溝を設けるものは、レンズの移動量を自由に設定できる反面、カム溝に係合するコマ部に荷重が集中し、強度が不足するという問題が生じる可能性があった。
一方、ヘリコイドを使用するものは、充分な強度を有するものの、レンズの移動量が一定の割合でしか設定できず、カム溝タイプに比較すると自由度が低いという点が問題であった。
【0004】
さらに、従来の技術では、カメラの撮影レンズが複数のレンズ群から構成されるズームレンズの場合、各レンズ群の移動量を高い自由度をもって設定するためには、カム溝が形成されたカム筒の長さを長くすることによって、対応していたが、カム筒が長ければその分撮影レンズが大きくなってしまうという点が問題であった。
【0005】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、十分な強度を有し、レンズの移動量を高い自由度で設定することができ、さらに、コンパクトな撮影レンズを有するカメラを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下において、括弧により実施の形態に対応する構成を一例として示す。実施の形態と同一の用語を使用している場合には、符号のみ記す。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
各々円筒状に形成されている複数の円筒部材とレンズ群を保持する複数のレンズ枠(60、70、80)とが設けられ、
前記複数の円筒部材は、少なくとも、
カメラ本体に固定され、内周面に第1のヘリコイドネジ(11)が形成された固定筒(10)と、
前記固定筒の内側に設けられ、外周面に前記第1のヘリコイドネジと螺合する第2のヘリコイドネジ(21)が形成され、回転可能である回転筒(20)と、
前記回転筒の内側に設けられ、内周面に第3のヘリコイドネジ(32)が形成され、前記回転筒の前後方向の移動にともなって直進する直進筒(30)と、
前記直進筒の内側に設けられ、外周面には前記第3のヘリコイドネジと螺合する第4のヘリコイドネジ(42)が形成され、内周面には前記レンズ枠が係合するカム溝(43)が形成され、前記回転筒の回転にともなって同一方向に回転するカム筒(40)とからなり、
前記複数のレンズ枠は前記カム筒が回転すると前記カム筒に対して前後に移動するようになっているカメラ(100)において、
前記カメラ本体の初期状態では、前記第3のヘリコイドネジと第4のヘリコイドネジは螺合しないようになっており、
前記初期状態から前記レンズ群を繰り出すべく前記回転筒が回転することによって前記カム筒が所定角度回転すると、前記第3のヘリコイドネジと前記第4のヘリコイドネジは螺合することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、回転筒が回転すると固定筒に対して第1、第2ヘリコイドネジにより前後に移動するとともに、カム筒が回転し回転筒とともに前後する直進筒に対して第3、第4ヘリコイドネジにより前後に移動し、さらに、カム筒にカム溝を介して係合するレンズ枠がカム筒に対して前後に移動するように構成されている。すなわち、2カ所のヘリコイド構造と1カ所のカム構造により3段鏡胴になっており、ヘリコイド構造とカム構造の双方を組み合わせているので、十分な強度を有しながらもレンズの移動量を高い自由度をもって設定できる。
【0008】
しかも、初期状態から前記カム筒が所定角度回転するまでは、直進筒とカム筒との間のヘリコイドネジは螺合しないことから、この間、直進筒に対してカム筒は移動せず、実質的に2段階鏡胴として機能することから、レンズ群の移動量を小さく設定できる。特に、撮影レンズがズームレンズであって、レンズを最少倍率に設定するような場合、レンズの繰り出すべき量がわずかなためその分微妙に移動量を設定できることが望ましいが、請求項1のカメラによれば、レンズ繰り出しの始めの段階でカム筒の回転角度に比してレンズ群の移動量が小さいので、レンズの移動量を望ましい程度に設定できる。
また、請求項1に記載の発明によれば、レンズの移動量設定の自由度を高くするためカム筒等を長くする必要もなく、撮影レンズをコンパクトにできる。
【0009】
ここで、初期状態とは、たとえばカメラ内に撮影レンズが収納された状態あるいは電源を投入した最初の状態である。
また、前記回転筒を回転させる手段は、特に限定されないが、たとえば、カメラに備えられるモータの回転を、駆動ギアを介して回転筒に伝達させればよい。また、円筒部材としてさらに他の部材を備えていてもよいし、レンズ群は1組でも2組以上設けられていてもよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラにおいて、
前記第3のヘリコイドネジは前記直進筒の内周面の前端部近傍から途中まで形成され、前記第4のヘリコイドネジは前記カム筒の外周面の一部に形成され、
前記直進筒には前記カム筒の回転方向をガイドするガイド孔(31)が設けられ、
前記カム筒には、前記ガイド孔に係合する係合部材(突起軸41)が設けられ、
前記ガイド孔は、前記直進筒後部において前記第3のヘリコイドネジが形成されていない部分に周方向に沿うように形成された第1孔部(後部31a)と、前記第1孔部に連続し前記直進筒の前記前端部近傍まで前記第3のヘリコイドネジに沿うように形成されている第2孔部(前部31b)とからなり、
前記係合部材は、前記第4のヘリコイドネジに対して前後方向においてほぼ同じ位置に設けられており、前記カム筒が前記初期状態から前記所定角度回転する間は前記第1孔部に係合し、その後は前記第2孔部に係合するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、係合部材は前記初期状態から前記カム筒が前記所定角度回転する間は、直進筒の周方向に沿うように形成された第1孔部に係合することから、係合部材は回転方向に対して平行に移動するだけなので、カム筒も回転するだけで直進筒に対して前進することはない。
カム筒が所定角度回転すると、係合部材が第2孔部に係合する。第2孔部は、前記前端部近傍まで前記第3のヘリコイドネジに沿うように形成され、一方、係合部材は前記第4のヘリコイドネジに対して前後方向においてほぼ同じ位置に設けられていることから、係合部材が第2孔部に係合した状態でカム筒が回転すれば、係合部材は第2孔部に沿って直進筒に対して前方に位置を変えていき、第4のヘリコイドネジが第3のヘリコイドネジに対して螺合できるようになり、カム筒は回転しながら直進筒に対して前進するようになる。
以上のように、請求項2によれば請求項1に記載の発明を好適に実現できる。
【0012】
ここで、係合部材が第2孔部に係合するようになったことのみにより、第4のヘリコイドネジが第3のヘリコイドネジに螺合するように構成されていなくてもよく、請求項3に記載の発明のように、前記第3のヘリコイドネジのうち前記第2孔部に隣接する部分が、少なくとも前記第1孔部近傍まで延長されていれば(延長部32a)、この延長されている部分によって、第4のヘリコイドネジがガイドされ、第3のヘリコイドネジに螺合しやすくなるとともに、係合部材に掛かる負荷が小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のカメラの一例としてのカメラ100の断面図であり、図2はカメラ100に備えられる撮影レンズ1の概略構成を示す図である。
なお、図7および図8は、撮影レンズ1のワイド時、テレ時の状態を示しており、図4はワイド時の撮影レンズの一部を拡大した断面図である。図1、図4、図7、図8において、各筒、環、枠の内外周面に設けられた軸等の各部材の周方向の位置は、説明の都合上、適宜変更している。
撮影レンズ1は、ワイド(最少倍率)からテレ(最大倍率)まで倍率が設定可能であるズームレンズで、カメラ100に設けられた操作ボタン(図示略)を操作すると、図示しないモータが駆動され、それにより駆動ギア2が回転し各レンズ群が駆動し所定の倍率に設定できるようになっている。
【0014】
以下、撮影レンズ1の構成を説明する。
撮影レンズ1は、固定筒10、回転筒20、直進筒30、カム筒40、直進キー環50、第1レンズ枠60、第2レンズ枠70、第3レンズ枠80とから構成される。これら各部材は、全て略円筒状であり、各部材の開口のほぼ中心を通る直線(中心線)がほぼ一致するような状態で重ねられている。
【0015】
固定筒10は、撮影レンズ1を構成する各部材の中で最も外側にあり、カメラ100にネジ等により固定されている。
固定筒10の内周面にはヘリコイドネジ(第1のヘリコイドネジ)11が形成され、このヘリコイドネジ11の一部を分断するように、後述する直進筒30の凸部33が嵌合する溝である直進溝13が前後方向に形成されている。
また、矩形状のギア孔12が設けられ、該ギア孔12に前記駆動ギア2が填め込まれている。
【0016】
回転筒20は、固定筒10の内側に、前記中心線を中心として回転可能な状態で設けられていて、その外周面の後方には、前記ヘリコイドネジ11と螺合するヘリコイドネジ(第2のヘリコイドネジ)21が形成されている。このヘリコイドネジ21部分には、前記ギア孔12に填め込まれた状態の駆動ギア2と噛み合うギア部22が、ヘリコイドネジ21に沿うようにらせん状に設けられている。また、回転筒20の内側には、カム筒40の3つの突起軸41のそれぞれが係合する3つの駆動溝23が前後方向に形成されている。
回転筒20の内側後縁部は、図4に示すように、周方向に沿ってわずかに張り出しており、その内側が直進筒30の突条35によって当接される当接面25となっている。
この回転筒20は、駆動ギア2が回転すると、ギア部22を介して回転するとともに、ヘリコイドネジ21がヘリコイドネジ11に螺合していることから、前後に移動するようになっている。
【0017】
直進筒30は、回転筒20の内側に設けられており、その内周面にはヘリコイドネジ(第3のヘリコイドネジ)32が形成されている。
また、直進筒30には、カム筒40の3つの突起軸41のそれぞれが挿通される3つのガイド孔31、31、31が形成されている。
図3には、直進筒30の内周面を平面に展開した状態を示した。図3に示すように、各ガイド孔31は、直進筒30の後方において周方向に沿うように所定長さ形成された後部(第1孔部)31aと、屈曲部31cを経て、ヘリコイドネジ32に沿うように直進筒30の前端部近傍まで形成されている前部(第2孔部)31bとからなる。後部31aは、突起軸41aの直径とほぼ同じ幅に形成され、前部31bは、突起軸41bの直径よりも広い幅に形成されている。
また、図3に示すように、前記ヘリコイドネジ32の3カ所は、カム筒40のヘリコイドネジ42のガイド用に、直進筒30の後端部まで延長され、延長部32aとなっている。
【0018】
なお、直進筒30の外周面の後方には周方向に沿うように突条35が設けられ、回転筒20の当接面25に当接するようになっている。また、図1に示すように、直進筒30の前端部30aは、前記回転筒20の前端部20aの内側に当接するようになっている。
直進筒30は、回転筒20が前進すれば当接面25に押されるようにして前進し、回転筒20が後退すれば前端部20aに押し戻されるようにして後退し、つまり、直進筒30は、回転筒20とともに相対的な位置関係を変えることなく、前後に移動する。
また、図4に示すように、直進筒30の後端には、固定筒10の直進溝13に係合する凸部33が形成されている。直進筒30は、凸部33が直進溝13に係合することによって、前後方向に直線的に移動するよう規制されている。
さらに、直進筒30の内周面には、前後方向に、直進キー環50の直進用係合板51が係合する直進スリット34が形成されている。
【0019】
カム筒40は、直進筒30の内側に設けられており、その外周面の後部には、前記ヘリコイドネジ32と螺合するヘリコイドネジ(第4のヘリコイドネジ)42が、3箇所に分断された状態で形成されている。
また、カム筒40の後部であってヘリコイドネジ42の分断された箇所に、突起軸41が3つ立設されている。これら3つの突起軸41は、図4に示すように、カム筒40の壁面を貫通して、カム筒40の内側および外側に突出している。3つの突起軸41は、カム筒40の外側にあっては、直進筒30の前記ガイド孔31、31、31に填め込まれ、かつ、それらの端部は回転筒20の駆動溝23に係合するようになっている。よって、カム筒40は、回転筒20が回転するとそれにより同じ方向に回転する。
【0020】
このカム筒40が突起軸41を介して回転するときの直進筒30とカム筒40の関係を、図5、図6に示す。図5および図6は、直進筒30の内周面とカム筒40の外周面を重ねて平面的に展開した図である。なお、図5および図6において、直進筒30については図3と全く同様に示されており、カム筒40の外形線を太線で示している。
撮影レンズ1がカメラ100に収納された状態のとき(初期状態)には、図5に示すように、各突起軸41が、ガイド孔31の後部31aに填め込まれ、ヘリコイドネジ32とヘリコイドネジ42が螺合していない。
この状態で、回転筒20が回転すると、突起軸41が図5中の右方向に移動し始め、カム筒40が回転し始める。後部31aは周方向に沿うように形成されていることから、カム筒40は回転するだけで直進筒30に対して前方に移動することはない。
【0021】
カム筒40が所定角度回転し、各突起軸41がガイド孔31の後部31aと前部31bが連続する屈曲部31cに達すると(図6の状態)、各突起軸41が前部31bに沿って前方に移動し始めると同時に、ヘリコイドネジ42が、ヘリコイドネジ32の延長部32aにガイドされながら、ヘリコイドネジ32に螺合するようになり、これにより、カム筒40は、回転しながら、直進筒30に対して前方に移動するようになる。
【0022】
また、各突起軸41は、カム筒40の内側にあっては、図4に示すように、直進キー環50の凹部52に嵌合する。突起軸41が凹部52に嵌合することによって、カム筒40と直進キー環50は、互いに前後方向の相対的な位置関係を変えずに前後に移動するようになっている。
また、カム筒40の内側には、第1〜第3レンズ枠60、70、80の各コマが係合するカム溝43、43…が所定の角度をもって斜めに設けられている。
【0023】
直進キー環50は、カム筒40の内側に設けられており、後部の外周面には、直進用係合板51が径方向に延出しており、直進用係合板51が直進筒30の直進スリット34に係合することによって、直進キー環50は直進するよう規制されている。
また、直進用係合板51の手前には前記突起軸41が嵌合する凹部52が周方向に沿うように設けられている。
また、図2等に示すように、直進キー環50の外周面には、第1レンズ枠60のコマ61が係合する第1キー溝53が前後方向に沿って2カ所設けられ、第2レンズ枠70のコマ71、第3レンズ枠80のコマ81が挿通する第2キー溝54、第3キー溝55がそれぞれ3カ所ずつ前後方向に沿って設けられている。
【0024】
第1レンズ枠60、第2レンズ枠70、第3レンズ枠80は、それぞれ、第1レンズ群62、第2レンズ群72、第3レンズ群82を、これら各レンズ群62、72、82の光軸が前記中心線に一致するように、保持する円筒状の枠体である。
図1等に示すように、第1レンズ枠60は、カム筒40と直進キー環50と間に筒体の部分が配設され、2つのコマ61のそれぞれが、第1レンズ枠60の内側において第1キー溝53に、同じく外側においてカム溝43に係合する。また、第2レンズ枠70と第3レンズ枠80は、第2レンズ枠70が第3レンズ枠80より前方に位置した状態で、直進キー環50内に配設されている。
そして、第2レンズ枠の3つのコマ71のそれぞれは、直進キー環50の第2キー溝54を挿通した状態でカム筒40のカム溝43に係合し、第3レンズ枠80の3つのコマ81のそれぞれは、直進キー環50の第3キー溝55を挿通した状態でカム筒40のカム溝43に係合する。
したがって、第1〜第3レンズ枠60、70、80は第1〜第3キー溝53、54、55に移動方向が直線方向に規制されているので、カム筒40が回転したときに、斜めに形成されたカム溝43に沿いながら、直線的に前後に移動するようになる。
【0025】
上記構成のカメラ100において、図1に示す撮影レンズ1がカメラ100に収納された状態(初期状態)で、所定の倍率に設定すべく前記操作ボタンが操作されると前記モータが駆動されて、駆動ギア2が回転する。
駆動ギア2が回転すると、駆動ギア22と噛み合っているギア部22を介して回転筒20が回転し始め、回転筒20が前に移動する。回転筒20が前進すると、直進筒30も、回転筒20の当接面25によって突条35が押されて、前方に直進する。
【0026】
また、回転筒20が回転することにより、駆動溝23に係合している突起軸41を介してカム筒40も回転し始め、それにより、各コマを介してカム筒40のカム溝43、43…に係合している第1レンズ枠60、第2レンズ枠70、第3レンズ枠80が、直進キー環50の各キー溝53、54、55に沿うように、前方に直進する。
この段階では、第1レンズ枠60、第2レンズ枠70、第3レンズ枠80の移動量は、固定筒10に対する回転筒20の移動量(aとする)に、カム溝43…を介してのレンズ枠自身のカム筒40に対する移動量(bとする)を加えた移動量(cとする)である。
【0027】
次に、カム筒が所定角度回転すると、各突起軸41がガイド孔31の屈曲部31cに達し、カム筒40は直進筒30に対して回転しながら前進するようになる。この段階になると、各レンズ枠の移動量は、前記移動量cに加えて、カム筒40の直進筒30に対する移動量(dとする)を加えた移動量(eとする)となる。
予め設定された時間後、モータが停止すると、撮影レンズ1は所定の倍率に設定される。たとえば、最少倍率であるワイドに設定されれば図7に示す状態になり、最大倍率であるテレであれば図8に示す状態になる。
【0028】
なお、異なる倍率に設定すべく前記操作ボタンが操作された場合、再び駆動ギア2が駆動され、各レンズ枠60、70、80は、レンズ枠同士の間隔を変えながら移動し、ズームの倍率を自動的に変える。
【0029】
以上のカメラ100によれば、回転筒20は固定筒10に対して前後に移動し、カム筒40は直進筒30に対して前後に移動し、各レンズ枠60、70、80はカム筒40が回転するとカム筒40に対して前後に移動するように構成されている。すなわち、2カ所のヘリコイド構造と1カ所のカム構造により3段鏡胴になっており、ヘリコイド構造とカム構造の双方を組み合わせているので、十分な強度を有しながらもレンズの移動量を高い自由度をもって設定できる。
【0030】
また、突起軸41は、カム筒40が初期状態から所定角度回転する間、直進筒30の周方向に沿うように形成された後部31aに係合し回転方向に対して平行に移動するだけなので、カム筒40も回転するだけで直進筒30に対して前進することはない。
カム筒40が前記所定角度回転すると、突起軸41が前部31bに係合するようになり、突起軸41は前部31bに沿って移動するようになる。前部31bはヘリコイドネジ32に沿うように形成され、突起軸41はヘリコイドネジ42に対して前後方向においてほぼ同じ位置に設けられていることから、ヘリコイドネジ42がヘリコイドネジ32に対して螺合するようになり、カム筒40は回転しながら直進筒30に対して前進する。
【0031】
つまり、初期状態からカム筒40が所定角度回転する間、直進筒30に対してカム筒40は移動せず、実質的に2段階鏡胴として機能することから、各レンズ群の移動量を小さく設定できる。
特に、撮影レンズ1をワイド(最少倍率)に設定するような場合、レンズの繰り出すべき量がわずかなため、その分微妙に移動量を設定できることが望ましいが、カメラ100であれば初期状態からカム筒40が所定角度回転する間、カム筒40の回転角度に比してレンズ群の移動量が小さいので、レンズの移動量を望ましい程度に自由に設定できる。
【0032】
しかも、レンズの移動量設定の自由度を高くするためカム筒等を長くする必要もなく、撮影レンズ1をコンパクトなものにできる。
また、撮影レンズ1は、3段鏡胴であることから、ズーム比の高倍率化を実現できる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、2カ所のヘリコイド構造と1カ所のカム構造による3段鏡胴になっており、ヘリコイド構造とカム構造の双方を組み合わせているので、十分な強度を有しながらもレンズの移動量を高い自由度をもって設定できる。
しかも、初期状態からカム筒が所定角度回転するまでは、直進筒とカム筒との間のヘリコイドネジは螺合しないことから、この間、直進筒に対してカム筒は移動せず、実質的に2段階鏡胴として機能することから、レンズ群の移動量を小さく設定できる。特に、撮影レンズがズームレンズであって、レンズを最少倍率に設定するような場合、レンズの繰り出すべき量がわずかなためその分微妙に移動量を設定できることが望ましいが、請求項1のカメラによれば、レンズ繰り出しの始めの段階でカム筒の回転角度に比してレンズ群の移動量が小さいので、レンズの移動量を望ましい程度に設定できる。
また、請求項1に記載の発明によれば、レンズの移動量設定の自由度を高くするためカム筒等を長くする必要もなく、全体をコンパクトにできる。
【0034】
請求項2に記載の発明によれば、前記初期状態からカム筒が前記所定角度回転する間、係合部材は回転方向に対して平行に移動するだけなので、カム筒も回転するだけで直進筒に対して前進することはない。
カム筒が所定角度回転すると、係合部材が第2孔部に係合し第2孔部内を移動するようになり直進筒に対して前方に位置を変えるので、第4のヘリコイドネジが第3のヘリコイドネジに対して螺合できるようになり、カム筒は回転しながら直進筒に対して前進する。
以上のように、請求項2によれば請求項1に記載の発明を好適に実現できる。
【0035】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、第3のヘリコイドネジの延長されている部分によって、第4のヘリコイドネジがガイドされ、第3のヘリコイドネジに螺合しやすくなるとともに、係合部材に掛かる負荷が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラの一例の断面図である。
【図2】図1の撮影レンズの概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2の直進筒の内周面を平面に展開した状態を示す図である。
【図4】図1の撮影レンズの一部を示す断面図である。
【図5】直進筒の内周面とカム筒の外周面を重ねて平面的に展開した図である。
【図6】直進筒の内周面とカム筒の外周面を重ねて平面的に展開した図である。
【図7】図1の撮影レンズのワイド時の断面図である。
【図8】図1の撮影レンズのテレ時の断面図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 駆動ギア
10 固定筒
11 ヘリコイドネジ(第1のヘリコイドネジ)
12 ギア孔
20 回転筒
21 ヘリコイドネジ(第2のヘリコイドネジ)
22 ギア部
30 直進筒
31、31、31 ガイド孔
31a、31a、31a 後部(第1孔部)
31b、31b、31b 前部(第2孔部)
32 ヘリコイドネジ(第3のヘリコイドネジ)
40 カム筒
41、41、41 突起軸(係合部材)
42 ヘリコイドネジ(第4のヘリコイドネジ)
43、43… カム溝
50 直進キー環
60 第1レンズ枠
70 第2レンズ枠
80 第3レンズ枠
100 カメラ

Claims (3)

  1. 各々円筒状に形成されている複数の円筒部材とレンズ群を保持する複数のレンズ枠とが設けられ、
    前記複数の円筒部材は、少なくとも、
    カメラ本体に固定され、内周面に第1のヘリコイドネジが形成された固定筒と、
    前記固定筒の内側に設けられ、外周面に前記第1のヘリコイドネジと螺合する第2のヘ
    リコイドネジが形成され、回転可能である回転筒と、
    前記回転筒の内側に設けられ、内周面に第3のヘリコイドネジが形成され、前記回転筒の前後方向の移動にともなって直進する直進筒と、
    前記直進筒の内側に設けられ、外周面には前記第3のヘリコイドネジと螺合する第4のヘリコイドネジが形成され、内周面には前記レンズ枠が係合するカム溝が形成され、前記回転筒の回転にともなって同一方向に回転するカム筒とからなり、
    前記複数のレンズ枠は前記カム筒が回転すると前記カム筒に対して前後に移動するようになっているカメラにおいて、
    カメラ内に撮影レンズが収納された状態である前記カメラ本体の初期状態では、前記第3のヘリコイドネジと第4のヘリコイドネジは螺合しないようになっており、
    前記初期状態から前記レンズ群を繰り出すべく前記回転筒が回転することによって前記カム筒が所定角度回転すると、前記第3のヘリコイドネジと前記第4のヘリコイドネジは螺合することを特徴とするカメラ。
  2. 前記第3のヘリコイドネジは前記直進筒の内周面の前端部近傍から途中まで形成され、前記第4のヘリコイドネジは前記カム筒の外周面の一部に形成され、
    前記直進筒には前記カム筒の回転方向をガイドするガイド孔が設けられ、
    前記カム筒には、前記ガイド孔に係合する係合部材が設けられ、
    前記ガイド孔は、前記直進筒後部において前記第3のヘリコイドネジが形成されていない部分に周方向に沿うように形成された第1孔部と、前記第1孔部に連続し前記直進筒の前記前端部近傍まで前記第3のヘリコイドネジに沿うように形成されている第2孔部とからなり、
    前記係合部材は、前記第4のヘリコイドネジに対して前後方向においてほぼ同じ位置に設けられており、前記カム筒が前記初期状態から前記所定角度回転する間は前記第1孔部に係合し、その後は前記第2孔部に係合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記第3のヘリコイドネジのうち前記第2孔部に隣接する部分は、少なくとも前記第1孔部近傍まで延長されていることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
JP14363199A 1999-05-24 1999-05-24 カメラ Expired - Fee Related JP4267129B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14363199A JP4267129B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 カメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14363199A JP4267129B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 カメラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000329988A JP2000329988A (ja) 2000-11-30
JP4267129B2 true JP4267129B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=15343258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14363199A Expired - Fee Related JP4267129B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 カメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4267129B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102645720A (zh) * 2011-02-17 2012-08-22 亚洲光学股份有限公司 变焦镜头模块

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002048964A (ja) * 2000-08-01 2002-02-15 Fuji Photo Optical Co Ltd 移動機構
JP2002296483A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Fuji Photo Optical Co Ltd カメラのズーム駆動装置
JP4638665B2 (ja) * 2002-10-11 2011-02-23 Hoya株式会社 レンズ鏡筒
JP4598106B2 (ja) * 2002-10-11 2010-12-15 Hoya株式会社 ズームレンズ鏡筒
JP4628039B2 (ja) 2004-08-13 2011-02-09 Hoya株式会社 レンズ鏡筒
JP2007098546A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Kyocera Mita Corp 穿孔装置
JP4974537B2 (ja) * 2006-02-08 2012-07-11 鎌倉光機株式会社 焦点調節装置及び光学機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102645720A (zh) * 2011-02-17 2012-08-22 亚洲光学股份有限公司 变焦镜头模块

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000329988A (ja) 2000-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004085933A (ja) ズームレンズ鏡筒の繰出カム機構及び繰出カム機構
JP2004085934A (ja) ズームレンズ鏡筒の繰出カム機構及び繰出カム機構
JP2004085932A (ja) ズームレンズ鏡筒の繰出カム機構及び繰出カム機構
JP4267129B2 (ja) カメラ
JPH11211965A (ja) ズームレンズ鏡筒
US6710937B2 (en) Zooming structure in barrel assembly of zoom camera
US6747809B2 (en) Lens barrel
US6989944B2 (en) Camera
JP2004302001A (ja) レンズ鏡筒
US5982566A (en) Zoom lens barrel
JPH1164707A (ja) ズームレンズ鏡筒
JPH10274736A (ja) ズームレンズ鏡胴
JP4455788B2 (ja) ズームレンズ鏡胴
JP2002156572A (ja) レンズ連動機構およびレンズユニット
JP4627877B2 (ja) レンズ駆動構造
JP3914495B2 (ja) レンズ間隔可変機構
JP2000249891A (ja) レンズ鏡筒およびカメラ
JP4434608B2 (ja) レンズ鏡胴
JP3882228B2 (ja) ズームレンズ鏡筒
JPH09105849A (ja) 撮影レンズの駆動装置
JP3881618B2 (ja) レンズ間隔可変機構を有するズームレンズ鏡筒
JP2654788B2 (ja) 可変焦点レンズ鏡胴
JPH09329733A (ja) 多焦点倍率切換鏡胴
JP2001108881A (ja) 光学素子駆動装置および光学機器
JP2001083390A (ja) 光学機器の鏡筒構造及び該鏡筒構造を備えたカメラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4267129

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150227

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees