JP4266095B2 - ガラスセラミックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスセラミックスに関するものであり、特に、情報記憶装置に用いられる基板の中でも、接触記録方式に好適なスティクションフリーな基板表面を有し、ドライブ構成部材に合致する熱膨張特性と高記憶密度化に好適な表面特性を兼ね備えた、情報記憶媒体用ガラスセラミックス基板およびこの情報記憶媒体用基板に成膜プロセスを施し形成される情報記憶媒体として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータのマルチメディア化やデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の普及によって、動画や音声等のデータが扱われるようになり、高記憶密度化の情報記憶装置の需要が大きく伸びてきている。そのため情報記憶媒体は、記録密度を大きくするために、ビットおよびトラック密度を増加させ、ビットセルのサイズを縮小化する必要がある。そしてヘッドは、ビットセルの縮小化に伴って、情報記憶媒体表面により近接した状態で作動するようになる。最近では、このような情報記憶媒体の面記録密度の向上が著しく向上(年率100%前後)するに伴い、ヘッドの浮上高さが0.025μm以下と非常に低下しており、ニアコンタクトレコーディング方式あるいは完全に接触するコンタクトレコーディング方式の方向に進みつつある。このうちコンタクトレコーディングに対応するためにはヘッドとディスクのスティクションを防止することは必須である。これに対応するために基板上にテクスチャーとなる凹凸が必要となる。この凹凸に関しては、大き過ぎれば、磁気ヘッドが当該凹凸へクラッシュしやすくなり、これにより磁気ヘッドまたは磁気媒体の破損を生じやすくなる。逆に、小さ過ぎる場合は、磁気ヘッドと磁気媒体表面の吸着現象(スティクション)を生じやすくなり、これにより磁気ヘッドまたは磁気媒体の破損を生じ易くなる。これを回避するためには、磁気ヘッドが低浮上高さで安定して浮上し続けることと同時に、磁気ヘッドと磁気媒体表面の吸着現象(スティクション)を生じにくくするために、磁気ヘッドと磁気媒体表面の接触面積をできるだけ少なくする事が必要になる。しかし、磁気ヘッドの低浮上化を実現するためには、磁気媒体表面の平滑度を良好にする、すなわち表面粗度を低減しなければならないため、基板表面も同様に良好な平滑性=表面粗度の低減が求められるが、その一方で、磁気ヘッドと磁気媒体表面の吸着現象(スティクション)を生じにくくしようとすれば、できるだけ磁気媒体表面の平滑度を悪化させる、すなわち表面粗度を大きくしなければならないため、基板表面も同様に平滑性の悪い=大きい表面粗度が求められる事になり、このように求められる表面状態は、相反するものとなっている。このため、従来はこれらの条件における妥協点を見いだして使用しており、高密度記録への対応という点において、自ずとその限界を生じていた。
【0003】
また、情報容量の増大化に伴い、さらなる磁性膜の微細化、高精度化、薄膜化が進み、基板材から溶出するアルカリ成分(Li,Na,K)についてもより低溶出量であることを要求されている。これは基板中に移動可能なアルカリ成分が入ると、時間の経過に伴って、磁性膜中にアルカリ成分が拡散し、これが原因となって磁性体の結晶粒子の粗大化や磁性膜表面へのアルカリ成分の析出等を生じ、磁性膜の磁気特性や表面特性を低下させる原因となるためである。
【0004】
更にこれらの情報記憶媒体については、モバイル用(APSカメラ、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カードドライブ)、デスクトップPC用(ハードディスクドライブ)、サーバー用(ハードディスクドライブ)、新規高記録密度媒体用(垂直磁気記憶媒体、アイランド型(Island type)磁気記憶媒体、半導体メモリー用記憶媒体)等の用途展開も始まりつつあり、これらの新規用途への展開も含めて、基板に求められる物理的,化学的,電気的特性はより高度になっている。
【0005】
従来、磁気ディスク基板材には、アルミニウム合金が使用されているが、アルミニウム合金基板では、種々の材料欠陥の影響により、研磨工程における基板表面の突起またはスポット状の凹凸を生じ、平滑性の点で前記の高密度記憶媒体用基板として十分でない。またアルミニウム合金は軟かい材料で、ヤング率,表面硬度が低いため、ドライブの高速回転において振動が激しく変形が生じやすいということや、薄形化に対応することが難しいという欠点を有している。更にヘッドの接触による変形傷を生じ易く、磁性膜を損傷させたり高速回転時の変形等、今日の高密度記録化の要求に十分対応し得るものではない。
【0006】
また、アルミニウム合金基板の問題点を解消する材料として化学強化ガラスのアルミノシリケートガラス(SiO2−Al2O3−Na2O)などが知られているが、この場合、
(1)研磨は化学強化後に行なわれ、ディスクの薄板化における強化層の不安定要素が高い。
(2)ガラス中にLi2O,Na2O,K2O成分を必須成分として含有するため、成膜特性が悪化し、Li2O,Na2O,K2O溶出防止のためのエッチング処理や全面バリアコート処理が必要となり、基板の微少うねり等の問題等、製品の低コスト安定生産性が難しい欠点がある。
【0007】
そして、前記化学強化したガラス基板の欠点を克服する材料として、結晶化ガラスが挙げられる。特開平6−329440号公報に記載のSiO2−Li2O−MgO−P2O5系結晶化ガラスは、主結晶相として二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)およびα−クォーツ(α−SiO2)を有し、α−クォーツ(α−SiO2)の球状粒子サイズをコントロールする事で、従来のメカニカルテクスチャ、ケミカルテクスチャを不要とし、研磨して成る表面粗度Ra(算術平均粗さ)を15〜50Åの範囲で制御を可能とした、基板表面全面テクスチャ材として非常に優れた材料である。しかしながら、この基板は、析出粒子の頂上部の形状については何ら制御されたものではなく、また析出結晶の面密度についても1×106/mm2を大きく越えるものであり、すなわちこれはCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式へ対応した従来の基板であるため、常に基板とヘッドがほぼ接触または接触状態となる記録方式には適合しない。つまり、この特許における表面粗度では、粗さがあまりにも大きすぎ且つ滑らかではないので、磁気ヘッドの浮上量が低減されず、高密度記録の実現が困難であり、更に接触記録を行った際に基板、ヘッドの損傷、が生じてしまう。また、主結晶相は二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であり、化学強化ガラスよりも少量ではあるが、今日求められつつある更なるアルカリ成分の溶出量低減問題に関して何ら議論されていない。
【0008】
特開平10−45426号公報に記載のSiO2−Li2O−K2O−MgO−ZnO−P2O5−Al2O3系または、SiO2−Li2O−K2O−MgO−ZnO−P2O5−Al2O3−ZrO2系結晶化ガラスは、主結晶相が二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),二珪酸リチウム及びα−クォーツ(α−SiO2)の混晶、または二珪酸リチウム及びα−クリストバライト(α−SiO2)の混晶の少なくとも一種以上であることを特徴とした、レーザーテクスチャー用ガラスセラミックスが開示されている。しかし、今日目標とするコンタクトレコーディングまたはニアコンタクトレコーディング方式に用いようとすると、2次粒子構造を持たない表面特性のため、基板とヘッドの吸着現象(スティクション)が発生し易く、また磁気ヘッドの浮上が非常に不安定となるため、安定した磁気信号の入出力を行うことが困難となり易い。更に主結晶相は二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であるため、今日求められつつある更なるアルカリ成分の溶出量低減問題に関して何ら議論されていない。
【0009】
その他にも、特開平11−16143号公報,特開2000−119042,特開2000−302481,特開2000−233941にも、主結晶相が二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),二珪酸リチウム及びα−クォーツ(α−SiO2)の混晶、または二珪酸リチウム及びα−クリストバライト(α−SiO2)の混晶の少なくとも一種以上であることを特徴とした情報磁気記憶媒体用ガラスセラミックス基板が開示されているが、この基板も前記ガラスセラミックスと同様に、2次粒子構造を持たない表面特性により、表面粗度(Ra)が著しく低く、このため基板とヘッドの吸着現象が発生し易く、また磁気ヘッドの浮上が非常に不安定となるため、コンタクトレコーディングまたはニアコンタクトレコーディングにおいて、安定した磁気信号の入出力を行うことが困難となり易い。更に主結晶相は二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であるため、今日求められつつある、より高度なアルカリ成分の溶出量低減問題に関して何ら議論されていない。
【0010】
特開平9−35234号公報には、SiO2−Al2O3−Li2O系ガラスにおいて、主結晶相が二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)とβ−スポジューメン(Li2O・Al2O3・4SiO2)からなる磁気ディスク用基板が記載されているが、この結晶化ガラスの主結晶相は、負の熱膨張特性(結果として基板は低膨張特性となる)を有するβ−スポジューメン(Li2O・Al2O3・4SiO2)であり、α−石英(α−SiO2)やα−クリストバライト(α−SiO2)結晶等SiO2系の正の熱膨張特性(結果として基板は高膨張特性となる)を有する結晶の析出を規制したものである。この結晶化ガラスは、磁気ディスクとしての研磨して成る表面粗度Ra(算術平均粗さ)は、20Å以下(実施例で開示される表面粗度Ra(算術平均粗さ)は12〜17Å)と、上記要求に対してはまだ粗く、スティクションフリー基板材としては用いることが出来ない、また、記憶容量向上に伴う磁気ヘッドの低浮上化に十分対応することができない。また、主結晶として負の熱膨張特性を有する結晶を析出させた材料は、情報記憶媒体装置の構成部品との平均線膨張係数の差に関して悪影響を与える事は明白である。加えて結晶化熱処理温度に関しても820〜920℃と高温を必要とし、低コスト、量産性を妨げるものであると同時に、主結晶相は二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であり、今日求められつつある更なるアルカリ成分の溶出量低減問題に関して何ら議論されていない。
【0011】
国際公開番号WO97/01164には、上記特開平9−35234号公報を含み、新たに上記組成系の結晶化熱処理を低温化(680〜770℃)した、磁気ディスク用結晶化ガラスが開示されているが、その改善効果は不十分であり、実施例中で開示されるすべての結晶化ガラスの結晶相は、やはり負の熱膨張特性を有する、β−ユークリプタイト(Li2O・Al2O3・2SiO2)を析出させるものであり、情報記憶媒体装置の構成部品との平均線膨張係数の差に関して悪影響を与えてしまう。また、主結晶相は二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であり、今日求められつつある更なるアルカリ成分の溶出量低減問題に関して何ら議論されていない。
【0012】
特開平11−343143号公報には、SiO2−Al2O3−MgO−Y2O3−TiO2−Li2O系ガラスにおいて、主結晶相が石英固溶体(MgO−Al2O3−SiO2系からなる石英固溶体)にエンスタタイト(MgAl2O3)を含む情報記録媒体用基板が開示されているが、この結晶化ガラスの主結晶相は、負の熱膨張特性(結果として基板は低膨張特性となる)を有するβ−石英固溶体結晶を含む物であるため、本発明のα−石英系(クオーツ、クリストバライト)とは熱的性質である熱膨張特性の観点から全く異なる基板であり、したがって本願において述べている所望の平均線膨張係数を得ることは難しいものである。
【0013】
欧州特許公開公報1125901号公報には、本願と同様な主結晶相を含有するガラスセラミックスが開示されているが、これに開示されている実施例のガラスセラミックスも析出結晶を微細且つ均一に析出させたもので、その研磨後の表面粗度(Ra)は2.2以下と非常に平滑度が高い。このため、今日目標とするコンタクトレコーディングまたはニアコンタクトレコーディング方式に用いようとすると、2次粒子構造を持たない表面特性により、基板とヘッドの吸着現象(スティクション)が発生し易く、また磁気ヘッドの浮上が非常に不安定となるため、安定した磁気信号の入出力を行うことが困難となり易い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、情報記憶媒体の記憶容量の増大に合わせ、磁気ヘッドの接触記録における安定した低浮上とスティクションを生じることのない好適な表面を有し、高精度化される磁性膜に対するアルカリ成分問題を回避した、情報記憶媒体用ガラスセラミックス基板に好適なガラスセラミックス、ならびにこのガラスセラミックス基板上に磁気媒体の被膜を形成してなる磁気情報記憶媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解消するための手段】
本願発明者はこれに関する試験研究を鋭意行った結果、SiO2−Li2O−K2O−(MgO,ZnO,SrO,BaO,CaOの中から選ばれる少なくとも1種以上)−(Y2O3,WO3,La2O3,Bi2O3の中から選ばれる少なくとも1種以上)−P2O5−Al2O3−ZrO2系のガラスを特定の熱処理条件により処理して得られたガラスセラミックスは、その主結晶相がα−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クオーツ,α−クオーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上の主結晶相を含み、低熱膨張または負熱膨張の特性を有する結晶相を実質的に含まず、更に、研磨加工時にピットを形成しやすくなる二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)結晶相を実質的に含まないため、今日求められつつある更なるアルカリ成分の溶出量低減問題に対応し得ると同時に、このガラスセラミックスは結晶化処理において適宜1次粒子が凝集した2次粒子を析出させることができ、これにより従来とは異なる表面状態に制御することが可能となり、これにより表面状態が前述のような相反する条件を両方とも満足することができる表面状態が可能となった。更に詳述すれば、ガラスセラミックスの析出結晶相を、従来のように微細且つ均一に析出させるのではなく、微細な析出結晶を凝集させて大きな凝集2次粒子とすることにより、この凝集2次粒子が表面に露出することによりできる大きな凹凸の上部を、凝集2次粒子直径よりも大きい曲率を有する形状として、その凹凸の高さを低減させる、すなわち、緩やかな凹凸を有する表面磁気ヘッドと磁気媒体表面の接触面積を低減する事により、磁気媒体表面とヘッドのスティクションを抑えながらも、磁気ヘッドの安定した低浮上化を実現し得るという、従来にない基板表面を有する事のできるガラスセラミックスを得るに至ったものである。更にドライブ構成部品に合致する熱膨張特性に制御することが可能なものでもある。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の発明は、主結晶相にα−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クォーツ,α−クォーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上を含有し、
質量百分率(酸化物基準)で、
SiO 2 65〜72.5%
Li 2 O 4〜7%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15%
P 2 O 5 1.0〜2.5%
ZrO 2 0.5〜7%
Al 2 O 3 5%以上10%未満
の範囲の各成分を含有し、
二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),珪酸リチウム(Li2O・SiO2),β−スポジューメン,β−ユークリプタイト,β−石英,エンスタタイト,ディオプサイト,ペタライト,マイカ,キータイト,α−トリジマイト,フルオロリヒテライト(fluorrichterite)およびこれらの固溶体を実質的に含有せず、更にB成分,Cr成分およびMn成分を実質的に含まず、−50〜+70℃における平均線膨張係数が+65×10-7℃-1〜+140×10-7℃-1の範囲であり、前記主結晶相は一次粒子が凝集した凝集2次粒子構造であり、前記主結晶相の一次結晶粒子直径(平均)は0.10μm未満,凝集2次粒子直径(平均)は0.3〜2.0μmであること特徴とするガラスセラミックスであり、請求項2に記載の発明は、前記ガラスセラミックス中の凝集2次粒子の単位面積あたりの個数は、1×105〜1×106ヶ/mm2である請求項1に記載のガラスセラミックスであり、請求項3に記載の発明は、−50+70℃における平均線膨張係数が+67×10-7℃-1〜+130×10-7℃-1の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスセラミックスであり、請求項4に記載の発明は、表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2.3〜14.0Å、Rmax(最大高さ)が100〜150Åであり、且つ、前記凝集2次粒子の基板表面上に露出した凸部の頂上部の曲率半径(平均)が2.5〜8μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガラスセラミックスであり、請求項5に記載の発明は、PbO成分を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラスセラミックスであり、請求項6に記載の発明は、ガラスセラミックスの組成は質量百分率(酸化物基準)で、
SiO2 65〜72.5%%
Li2O 4〜7%
K2O 0〜3%
MgO 0〜2.5%
CaO 0〜2.5%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15%
Y2O3+WO3+La2O3+Bi2O3 0〜3%
SnO2 0〜3%
P2O5 1.0〜2.5%
ZrO2 0.5〜7%
TiO2 0〜5%
Al2O3 5%以上10%未満
Sb2O3+As2O3 0〜1%
の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラスセラミックスであり、請求項7に記載の発明は、ガラスセラミックスの組成は質量百分率(酸化物基準)で、
SiO2 65〜70%
Li2O 6〜7%
K2O 1〜3%
MgO 0.5〜2%
CaO 0〜2.5%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 4〜10%
Y2O3+WO3+La2O3+Bi2O3 0〜3%
SnO2 0〜3%
P2O5 1.5〜2.5%
ZrO2 0.5〜5%
TiO2 0〜4%
Al2O3 7〜9%
Sb2O3+As2O3 0〜0.5%
の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガラスセラミックスであり、請求項8に記載の発明は、
質量百分率(酸化物基準)で、
SiO 2 65〜72.5%
Li 2 O 4〜7%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15%
P 2 O 5 1.0〜2.5%
ZrO 2 0.5〜7%
Al 2 O 3 5%以上10%未満
の範囲の各成分を含有する
原ガラスを400℃〜600℃で1〜7時間熱処理して核形成した後、650℃〜750℃で1〜7時間熱処理して結晶成長させ、研磨した後の表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2.3〜14Åであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガラスセラミックスの製造方法であり、請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のガラスセラミックス基板上に、磁性膜および必要に応じてNi−Pメッキ、または下地層、保護層、潤滑膜等を形成してなる情報記憶媒体ディスクである。
【0017】
本発明のガラスセラミックスの主結晶相とその結晶粒子径(平均),平均線膨張係数,表面特性,組成,熱処理条件等を限定した理由を以下に述べる。尚、組成は原ガラスと同様酸化物基準の質量%で表示する。尚、本明細書において主結晶相とは、析出比が比較的大きい結晶相全てを指す。すなわち、X線回折におけるX線チャート(縦軸はX線回折強度,横軸は回折角度)において、もっとも析出割合の多い結晶相のメインピーク(もっとも高いピーク)のX線回折強度を100とした場合、各析出結晶相のメインピーク(各結晶相におけるもっとも高いピーク)のX線回折強度の比(以下、X線強度比という。)が30以上あるもの全てを主結晶相という。
【0018】
本明細書中「二珪酸リチウム………を実質的に含まず」とは、当該結晶相の含有量がガラスセラミックスの物理的化学的な特性に影響を及ぼさない程度、すなわちX線強度比が10未満、好ましくは5未満、もっとも好ましくは1未満であり、もしくは不純物程度のレベルであることを意味する。
【0019】
また、本明細書中「B成分,Cr成分………を実質的に含まず」とは、当該成分の含有量がガラスセラミックスの物理的化学的な特性に影響を与えない程度、すなわち意識的に添加するものではないということであり、他の原料の不純物として混入するレベルは含まれることを意味する。具体的には、多くとも0.5%未満であり、好ましくは0.1%未満,より好ましくは0.05%未満、もっとも好ましくは0.01%未満である。
【0020】
まず、主結晶相についてであるが、所望の平均線膨張係数を得るためには主結晶相に比較的大きい正の膨張係数を有する、α−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クォーツ,α−クォーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上を含むものが好ましい。特に、前記の主結晶相を選ぶことによって、化学的耐久性、物理的特性にも優れるものを容易に得ることができる。また、所望の凝集2次粒子を形成するにおいても制御し易い、好適な析出結晶相である。尚、前記主結晶相以外の結晶のX線強度比は20未満が好ましく、更に好ましくは10未満、もっとも好ましくは5未満である。
【0021】
そして、主結晶相に二珪酸リチウムおよびこの固溶体を含有させないことで、研磨加工時のメカノケミカル的な影響による、基板表面の微細な穴(ピット)を低減化する事が可能となるので実質的に含まないことが好ましい。また、本発明のガラスセラミックスの主結晶相には、負の熱膨張特性を有するβ−スポジューメン,β−ユークリプタイト,β−石英(β−SiO2),キータイトおよびこれらの固溶体や、低い平均線膨張係数を有するディオプサイト,エンスタタイト,ペタライト,マイカ,フルオロリヒテライト(fluorrichiterite)およびこれらの固溶体等も、所望の平均線膨張係数を得るという点から、実質的に含まないことが好ましい。そして、二珪酸リチウムと同様な理由により珪酸リチウム(Li2O・SiO2)およびこれらの固溶体、比較的低温域(150℃以下)において急激な異常膨張を示すα−トリディマイトおよびこれらの固溶体も実質的に含まないことが望ましい。尚、本願ガラスセラミックスの主結晶相中には上記の結晶相の他にも、α−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クォーツ,α−クォーツ固溶体より平均線膨張係数の低い析出結晶相を含まないことが望ましい。
【0022】
次に主結晶相の結晶粒子直径と基板の表面特性についてであるが、具体的には、前記析出結晶の一次粒子直径(平均)を0.10μm未満に制御し、且つこの一次粒子の凝集体である凝集2次粒子直径(平均)を0.3〜2.0μmに制御することが、前記要求を満足するのに好適である。またこの時、凝集2次粒子の分布状態は、面密度(平均)において1×105〜1×106ヶ/mm2であることが好ましい。そして、研磨加工後のガラスセラミックス表面に露出した凝集2次粒子の凸部の頂上部の曲率半径(平均)を2.5〜8μmとなるようにするのが好ましい。そしてこの結果、研磨加工後の表面粗度Raで2.3〜14Å、Rmaxで100〜150Åの範囲となるように表面性状制御することが好ましい。尚、研磨加工後のガラスセラミックス表面に露出した凝集2次粒子の凸部の頂上部の面を、より滑らかにできるという点において、一次粒子直径(平均)は0.05μm未満がより好ましく、0.02μm未満がもっとも好ましい。また、磁気ヘッドの浮上量を更に低く安定させるためのより緩やかな凹凸と磁気ヘッドと磁気媒体の接触面積をより適切な範囲とするには、凝集2次粒子の分布状態が面密度(平均)において1×105〜6×105ヶ/mm2であることが好ましく、1×105〜3×105ヶ/mm2であることがもっとも好ましい。更に、研磨加工後のガラスセラミックス表面に露出した凝集2次粒子の凸部の頂上部の曲率半径(平均)は2.7〜7.8μmがより好ましく、2.9〜7.6μmがもっとも好ましい。そして、研磨加工後の表面粗度Raでは2.5〜12Å、Rmaxでは102〜148Åの範囲となるように表面性状制御することが、更に好ましく、Raでは2.9〜10Å、Rmaxでは104〜146Åとすることがもっとも好ましい。
【0023】
次に情報記憶媒体用ガラスセラミックスに適した平均線膨張係数について詳述する。記録密度の向上に伴って、磁気ヘッドと媒体のポジショニングに高精度を要するため、媒体基板やディスクの各構成部品には高い寸法精度が要求される。そのためこれら構成部品に対する平均線膨張係数の差の影響も無視できなくなるので、これらの平均線膨張係数の差を極力少なくしなければならない。さらに厳密には、これら構成部品の平均線膨張係数よりも媒体基板の平均線膨張係数は極くわずかに大きいことが好ましい場合がある。特に小型の磁気情報記憶媒体に使用される構成部品の熱膨脹係数は、+90×10-7℃-1〜+100×10-7℃-1程度のものが良く用いられており、基板もこの程度の熱膨脹係数が必要とされるが、ドライブメーカーによってはこの範囲からはずれた熱膨脹係数(+60前後×10-7℃-1〜+150前後×10-7℃-1)を有する材料を構成部品に用いる場合がある。以上のような理由により、本発明の結晶系で強度との兼ね合いを図りながら、用いる構成部品の材質に広く対応しうるよう、平均線膨張係数範囲を決めなければならず、その範囲は−50〜+70℃の範囲において、+65×10-7℃-1〜+140×10-7℃-1であることが好ましい。さらには、平均線膨張係数は+67×10-7℃-1以上または130×10-7℃-1がより好ましく、+72×10-7℃-1以上または+110×10-7℃-1以下がもっとも好ましい。
【0024】
次に原ガラスの組成範囲を前記の様に限定した理由について以下に述べる。まず、Cr成分およびMn成分は結晶粒径の粗大化を生じ易く、更に2次凝集粒子を著しく粗大化させ、所望の凝集2次粒子直径を得難くなり易いため、実質的に含まない方が好ましい。またB成分(一例としてB2O3成分)はガラスセラミックスの化学的耐久性を低下させる傾向があるため、これも実質的に含まない方が好ましい。更に、PbO成分は環境上好ましくない成分のため、極力含まないことが好ましい。
【0025】
SiO2成分は、原ガラスの熱処理により、主結晶相として析出するα−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クオーツ,α−クオーツ固溶体を生成するきわめて重要な成分であるが、その含有量が65%未満では、得られたガラスセラミックスの析出結晶が不安定で組織が粗大化し易く、また75%を超えると原ガラスの溶融・成形性が困難になる。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、その含有量は65%以上、または72.5%以下とするとより好ましく、更に、66%以上、または70%以下とするともっとも好ましい。
【0026】
Li2O成分は、現ガラスの溶融性を向上させる重要な成分であるが、その含有量が4%未満では、上記効果が得られず原ガラスの溶融が困難となり、また、7%を超えるとLiイオン溶出の問題を生じ、二珪酸リチウム結晶の生成が増加する。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、その含有量は5%以上とするとより好ましく、更に6%以上とするともっとも好ましい。
【0027】
K2O、Na2O成分は、Li2O成分と混合することでガラスマトリックス中からのアルカリイオン溶出を更に抑制する効果を有する成分である。これはこれらアルカリ成分を混合共存させることによって、電気的性質(体積抵抗率)を改善することによるものであり、Li2O成分を単独で含むガラスにK2O,Na2O成分を混合共存させて体積抵抗率を向上させ、ガラス中のアルカリイオンの移動度を抑制し、最終的にはアルカリイオン溶出を更に抑制させる効果が得られるというものである。尚、これら成分の含有量については、K2O成分は3%以内、Na2O成分は3%以内で十分であり、これ以上含有するとかえってアルカリ溶出量を増加させる傾向となってしまう。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、K2O成分含有量は1.5%以上とするのがより好ましく、更に2.0%以上とするのがもっとも好ましい。尚、上記アルカリイオン溶出を更に抑制する効果において、Na2O成分はK2O成分よりもその効果が低く、場合によっては、かえってアルカリイオン抑制効果を阻害する場合もあるためその添加には十分注意を払うべきであり、Na2O成分は含まない方が確実にアルカリイオン溶出効果を得ることができる場合が多いことから、これらのリスクを考慮すると、含まない方がより好ましい。
【0028】
MgO,CaO成分は、ガラスの溶融性を向上させると同時に析出結晶の粗大化を防止し、2次粒子成長を促進するために不可欠な成分であるが、その成分含有量が各々2.5%を超えると、かえって2次粒子の成長が不安定になる。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、MgO成分含有量は0.1%以上とするとより好ましく、更に0.5%以上、または2.0%以下とするともっとも好ましい。またCaO成分については、MgO成分とほぼ同様の効果を有するため、MgO成分を補助するものとして使用することが可能である。もし、CaO成分をMgO成分の補助として添加しようとする場合は、その含有量は0.1%以上、または3.0%以下とするのが好ましい。尚、0.3%以上、または2.5%以下とするのがより好ましく、更に0.4%以上、または2.2%以下とするともっとも好ましい。またMgO成分およびCaO成分の両方を用いる場合の好ましい範囲は、両成分の合計含有量で、1.0%以上、または4.0%以下、更により好ましい範囲は、1.5%以上、または3.5%以下である。
【0029】
ZnO、SrO、BaO成分もMgO、CaO成分と同様にガラスの溶融性を向上させると同時に析出結晶の粗大化を防止する成分であるため、MgO、CaO成分と同様に添加しうるが、これら5成分の合計含有量は2%以上であることが好ましく、また15%を超えると、得られる結晶が不安定で組織が粗大化しやすくなる。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、これら5成分の合計含有量を4%以上、または13%以下とするとより好ましく、5%以上、または10%以下とするともっとも好ましい。また各成分の含有量については、ZnO成分を1.0%以上、または11%以下、SrO成分を5%以下、またはBaO成分を5%以下とするとより好ましく、更に、ZnO成分を2%以上、または8%以下、SrO成分を1.5%以下、またはBaO成分を2.0%以下とするともっとも好ましい。
【0030】
P2O5成分は本発明において、ガラスの結晶核形成剤として不可欠であるが、結晶核形成を促進して析出結晶相の粗大化を防ぐためには、その量は1.0%以上が好ましく、また原ガラスの乳白失透を防ぎ、量産安定性を保つためには2.5%以下が好ましい。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、1.2%以上とするとより好ましく、更に1.5%以上とするともっとも好ましい。
【0031】
ZrO2成分はP2O5成分と同様にガラスの結晶核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化と材料の機械的強度向上および化学的耐久性の向上に顕著な効果を有することが見出された極めて重要な成分である。その量は0.5%以上が好ましい。しかし、過剰に加えると原ガラスの溶融が困難となると同時にZrSiO4等の溶け残りが発生し易くなるために、ZrO2成分量は7%以下が好ましい。尚、前記効果をより容易且つ効率良く得ようとするならば、この成分含有量を5.5%以下とするとより好ましく、更に4.0%以下とするともっとも好ましい。
【0032】
TiO2成分は溶融性を向上すると同時に、材料の化学的耐久性の向上に寄与し、更に、ガラスの結晶核形成剤としての効果も持ち合わせているため、所望の特性を得る際の調整的補助剤として添加することが可能である。そして、上記効果を得るには、その含有量範囲の下限が0.1%とするのか好ましく、上限は5%とするのが好ましい。これ以上添加するとガラスの安定性に影響を及ぼし、更に結晶化の際に、析出結晶相の粗大化,異質結晶の析出(例えば、β−スポジューメン等)を引き起こしやすくなる。より好ましくはが0.5%以上、または4%以下である。但し、この成分がなくても、ZrO2成分やその他の成分を色々調整することにより、本願の所望のガラスセラミックスを得ることも可能であるため、析出結晶相の粗大化,異質結晶の析出というリスクを徹底的に排除したい場合は、TiO2成分を用なくても良い。
【0033】
SnO2成分はZrO2成分と同様にガラスの結晶核形成剤として機能する成分であり、結晶核形成をより活性化させようとするのであれば、その量は3%以内で充分である。尚、通常の場合においては、ZrO2成分が添加されていれば、SnO2成分を添加しなくてもその他の成分を調整することにより、前記所望の特性を得ることができる場合があり、この場合はかえって添加しない方が好ましい。
【0034】
Al2O3成分は、ガラスセラミックスの化学的耐久性および機械的強度、特に硬度を向上させる成分であり、その量は5%以上であることが好ましが、過剰に含有すると、溶融性,耐失透性が悪化し、更に析出結晶相が低膨張結晶のβ−スポジューメン(Li2O・Al2O3・4SiO2)となってしてしまう。β−スポジューメン(Li2O・Al2O3・4SiO2)の析出は材料の平均線膨張係数を著しく低下させるため、この結晶の析出は避ける必要がある。したがって、Al2O3成分は10%未満であることが好ましい。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、この成分の含有量は5.5%以上、または9.5%以下とするのがより好ましく、更に6.0%以上、または9.0%以下とするともっとも好ましい。
【0035】
Y2O3、WO3、La2O3、Bi2O3の各成分は、Li2O成分低含有組成において、低下した溶融性を改善すると共に、ガラスの高ヤング率化をもたらす成分であるが、その合計量は3%以下で充分であり、3%を超えると安定した結晶の析出が困難となる。尚、前記効果をより高く、より容易に得ようとするならば、これら4成分の合計量は2.5%を上限とするのがより好ましく、また2.0%以下とするのがもっとも好ましい。また各成分の含有量の上限については、Y2O3成分は2.5%以下、WO3成分は1.0%以下、La2O3成分は1.0%以下、またはBi2O3成分は1.0%以下とするとより好ましく、更にY2O3成分は2.0%以下、WO3成分は0.5%以下、La2O3成分は0.5%以下、またはBi2O3成分は0.5%以下とするともっとも好ましい。
【0036】
Sb2O3およびAs2O3成分はガラス溶融の際の清澄剤として添加しうるが、それらの成分の和は1%以下で充分である。
【0037】
また、各諸特性の微調整または改善や着色を目的として、前記の諸特性を損なわぬ範囲で、それぞれ最高5%までのGa2O3,GeO2,Cr2O3,CuO,Fe2O3,MnO2,CoO,Nb2O5,Ta2O5,TiO2,V2O5,CeO2,Gd2O3,B2O3成分を任意で含有させることができる。もし、微調整の目的でこれら成分を添加する必要がある場合は、その合計量を5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましい。
【0038】
次に、本発明にかかる磁気情報記憶媒体用ガラスセラミックス基板を製造するには、まず上記の組成を有するガラスを通常用いられている方法により溶解し、均質化等の工程を経た後、この溶融ガラスの熱間成形および/または冷間加工を行う。前記工程内においてアニール処理を必要に応じて行っても良い。このようにして得られた原ガラスはいずれも軟化点が700℃未満であった。次いで、400〜600℃の範囲の温度で約1〜7時間熱処理して結晶核を形成し、続いて650〜750℃の範囲の温度で約1〜7時間熱処理して結晶化を行う。尚、500〜600℃の範囲の温度で約3〜6時間熱処理して結晶核を形成し、続いて660〜730℃の範囲の温度で約2〜5時間熱処理して結晶化を行うと、より好ましい特性を得ることが容易となる。
【0039】
こうして熱処理により結晶化されたガラスセラミックスの主結晶相はα−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クォーツ,α−クォーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上を含有し、二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),珪酸リチウム(Li2O・SiO2),β−スポジューメン,β−ユークリプタイト,β−石英,エンスタタイト,ディオプサイト,ペタライト,マイカ,キータイト,α−トリジマイト,フルオロリヒテライト(fluorrichterite)およびこれらの固溶体を実質的に含有せず、その構造は凝集した2次粒子(平均粒径0.3〜2.0μm粒子)が適度(面密度による分布状態(平均)で1×105〜6×105ヶ/mm2)に分散したものであった。
【0040】
次にこの熱処理結晶化したガラスセラミックスを通常用いられている方法によりラッピングした後ポリシングすることにより、表面粗度Ra(算術平均粗さ)が3.0Å以上、10.0Å以下、Rmaxが105〜145Åの範囲内の情報記憶媒体用ディスク基板が得られた。また、このディスク基板上に磁性膜および必要に応じてNi−Pメッキ、または下地層、保護層、潤滑膜等を形成して、情報磁気記憶媒体ディスクが得られた。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施例について説明する。表1〜4は本発明の情報記憶媒体用ディスク用ガラスセラミックス基板の実施組成例(No.1〜10)および比較組成例として従来のLi2O−SiO2系ガラスセラミックス2種(比較例1:特開昭62−72547号公報記載のもの、比較例2:特開平9−35234号公報記載のもの)を、これらガラスセラミックスの核形成温度・時間,結晶化温度・時間,結晶相,結晶粒子直径(平均),平均線膨張係数(温度範囲は−50〜+70℃),比重,研磨して成る表面粗度Ra(算術平均粗さ)の値を共に示す。尚、表中の結晶相についてはα−クリストバライト固溶体を「α−クリストバライトSS」、α−クォーツ固溶体を「α−クォーツSS」と表記した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
本発明の上記実施例のガラスは、いずれも酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、これを通常の溶解装置を用いて約1350〜1500℃の温度で溶解し攪拌均質化した後、ディスク状に成形・冷却しガラス成形体を得た。その後これを400〜600℃で約1〜7時間熱処理して結晶核形成後、650〜750℃で約1〜7時間熱処理結晶化して、所望のガラスセラミックスを得た。ついで上記ガラスセラミックスを800#〜2000#のダイヤモンドペレットにて約5〜30分ラッピングし、その後粒子直径(平均)0.02〜3μmの研磨剤酸化セリュームにて約30〜60分間研磨し仕上げた。
【0047】
各結晶相の1次および凝集2次結晶粒子直径(平均)については透過型電子顕微鏡(TEM)により求めた。各結晶相の結晶種はX線回折(XRD)装置により同定した。表面粗度Ra(算術平均粗さ:JIS B0601-1994)、Rmax(最大高さ:JIS B0601-1982)については、原子間力顕微鏡(AFM)により求めた。また、2次粒子個数については三次元像よりカウントし、曲率半径についても同様にAFMより算出した。比重についてはJOGIS(日本光学硝子工業会規格)05−1975:光学ガラスの比重の測定方法により、平均線膨張係数についてはJOGIS(日本光学硝子工業会規格)16−1976:光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法により測定した。
【0048】
Liイオン溶出量の測定はイオンクロマトグラフィーにより行った。測定の測定条件は、フィルムパックに超純水80ml(室温)とディスク(直径:65mm×厚さ:0.635mm,中央の穴径:20mm)をパックし、その後約30℃に保温された乾燥機内に3時間保持した後、ディスクを取り出しイオンクロマト測定を行った。
【0049】
表1〜3に示されるとおり、本発明と従来のLi2O−SiO2系ガラスセラミックスの比較例とでは、結晶相が異なり、本発明のガラスセラミックス基板は、二珪酸リチウム(Li2Si2O5)の析出がなく、いずれもα−クリストバライ,α−クリストバライト固溶体,α−クオーツ,α−クオーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上であった。さらに比較例1のガラスセラミックスは二珪酸リチウムの結晶粒子直径(平均)が1.5μm、比較例2のガラスセラミックスはβ−スポジューメンの結晶粒子直径(平均)が0.2μmと、いずれも比較的大きな針状ないし米粒形状であるが、これはより平滑性を求められる状況において、研磨して成る表面粗度や欠陥に影響するものであり、比較例1、2のガラスセラミックスはいずれも表面粗度Ra(算術平均粗さ)が所望の値より大きい、または、Rmaxが所望の範囲(100〜150Å)に入っていない等、所望の表面特性を得ることが困難であることを示すものである。また、平均線膨張係数(×10-7℃-1)は、48,49と低膨張となっており、磁気情報記憶媒体用基板材として磁気情報記憶媒体用装置に不適合である。
【0050】
また上記の実施例により得られたガラスセラミックス基板に、DCスパッタ法により、Cr中間層(80nm)、Co−Cr磁性層(50nm)、SiC保護膜(10nm)を成膜した。次いでパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(5nm)を塗布して、情報記憶媒体を得た。これによって得られた情報記憶媒体は、その良好な表面粗度により、接触記録方式においても磁気ヘッドの安定した低浮上を実現し、またヘッド破損・媒体破損等の問題を何ら生じることなく使用することができ、確実な磁気信号の入出力を行うことができた。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、高記録密度化に対応したヘッドの接触記録方式に対応するスティクションフリーな表面特性を有しつつも、磁気ヘッドの安定した低浮上を実現し、且つガラス中のアルカリ成分を極力低減させるのと同時にアルカリ溶出・研磨加工時の表面欠陥(ピット)を起こす二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)結晶や低膨張性性結晶相等の析出を抑制した、情報記憶媒体用基板に好適なガラスセラミックスおよびその製造方法、ならびにこのガラスセラミックス基板上に磁気媒体の被膜を形成してなる磁気情報記憶媒体を提供することができる。
【0052】
また、このガラスセラミックスは、研磨された表面に各種の膜を形成することにより、光フィルターとしても用いることができる。特にその良好な機械的または物理的強度(微細な形状に加工する際のチッピングやカケの発生が少なくなる)と、必要にして十分に大きい平均線膨張係数(誘電体膜に必要十分な圧縮応力を与えることにより、使用温度の変動に対する膜の屈折率変動が抑制され、フィルタを透過する光の中心波長の温度安定性が著しく向上する)から、WDM用またはDWDM用のバンドパスフィルターやGain−Flatteningフィルタ等の基板にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガラスセラミックスにおける、ガラスマトリックスと析出結晶相の状態を表す模式図
【図2】本願のガラスセラミックスにおける、ガラスマトリックスと析出結晶相の状態を表す模式図
【符号の説明】
1 ガラスマトリックス
2 析出結晶:1次粒子:α−クォーツ,α−クリストバライト,前記結晶の固溶体の中から選ばれる一種以上
3 析出結晶:2次凝集粒子:α−クォーツ,α−クリストバライト,前記結晶の固溶体の中から選ばれる一種以上
Claims (9)
- 主結晶相にα−クリストバライト,α−クリストバライト固溶体,α−クォーツ,α−クォーツ固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上を含有し、
質量百分率(酸化物基準)で、
SiO 2 65〜72.5%
Li 2 O 4〜7%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15%
P 2 O 5 1.0〜2.5%
ZrO 2 0.5〜7%
Al 2 O 3 5%以上10%未満
の範囲の各成分を含有し、
二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),珪酸リチウム(Li2O・SiO2),β−スポジューメン,β−ユークリプタイト,β−石英,エンスタタイト,ディオプサイト,ペタライト,マイカ,キータイト,α−トリジマイト,フルオロリヒテライト(fluorrichterite)およびこれらの固溶体を実質的に含有せず、更にB成分,Cr成分およびMn成分を実質的に含まず、−50〜+70℃における平均線膨張係数が+65×10−7℃−1〜+140×10−7℃−1の範囲であり、前記主結晶相は一次粒子が凝集した凝集2次粒子構造であり、前記主結晶相の一次結晶粒子直径(平均)は0.10μm未満,凝集2次粒子直径(平均)は0.3〜2.0μmであること特徴とするガラスセラミックス。 - 前記ガラスセラミックス中の凝集2次粒子の単位面積あたりの個数は、1×105〜1×106ヶ/mm2である請求項1に記載のガラスセラミックス。
- −50+70℃における平均線膨張係数が+67×10-7℃-1〜+130×10-7℃-1の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスセラミックス。
- 表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2.3〜14.0Å、Rmax(最大高さ)が100〜150Åであり、且つ、前記凝集2次粒子の基板表面上に露出した凸部の頂上部の曲率半径(平均)が2.5〜8μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガラスセラミックス。
- PbO成分を実質的に含有しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラスセラミックス。
- ガラスセラミックスの組成は質量百分率(酸化物基準)で、 SiO2 65〜72.5% Li2O 4〜7% K2O 0〜3% MgO 0〜2.5% CaO 0〜2.5% MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15% Y2O3+WO3+La2O3+Bi2O3 0〜3% SnO2 0〜3% P2O5 1.0〜2.5% ZrO2 0.5〜7% TiO2 0〜5% Al2O3 5%以上10%未満、Sb2O3+As2O3 0〜1%の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のガラスセラミックス。
- ガラスセラミックスの組成は質量百分率(酸化物基準)で、 SiO2 65〜70% Li2O 6〜7% K2O 1〜3% MgO 0.5〜2% CaO 0〜2.5% MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 4〜10% Y2O3+WO3+La2O3+Bi2O3 0〜3% SnO2 0〜3% P2O5 1.5〜2.5% ZrO2 0.5〜5% TiO2 0〜4% Al2O3 7〜9% Sb2O3+As2O3 0〜0.5%の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガラスセラミックス。
- 質量百分率(酸化物基準)で、
SiO 2 65〜72.5%
Li 2 O 4〜7%
MgO+ZnO+SrO+BaO+CaO 2〜15%
P 2 O 5 1.0〜2.5%
ZrO 2 0.5〜7%
Al 2 O 3 5%以上10%未満
の範囲の各成分を含有する
原ガラスを400℃〜600℃で1〜7時間熱処理して核形成した後、650℃〜750℃で1〜7時間熱処理して結晶成長させ、研磨した後の表面粗度Ra(算術平均粗さ)が2.3〜14Åであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のガラスセラミックスの製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のガラスセラミックス基板上に、少なくとも磁性膜を形成してなる情報記憶媒体ディスク。
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