JP4323598B2 - 情報記録ディスク用結晶化ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク基板や各種電子部品用基板に適した結晶化ガラス及びこの結晶化ガラスを用いたガラス基板に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高いヤング率、優れた機械強度、表面平坦性及び耐熱性を有し、かつ研磨加工することにより優れた表面平滑性を有するガラス基板を提供できる結晶化ガラス及びこの結晶化ガラスを用いた優れた表面平滑性を有するガラス基板に関する。
さらに本発明は、上記ガラス基板を用いた情報記録媒体及び磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューターなどの磁気記憶装置の主要構成要素は、磁気記録媒体と磁気記録再生用の磁気ヘッドである。磁気記録媒体としてはフレキシブルディスクとハードディスクとが知られている。このうちハードディスク用の基板材料としては主としてアルミニウム合金が使用されてきている。最近、ノートパソコン用ハードディスクドライブの小型化や磁気記録の高密度化にともなって磁気ヘッドの浮上量が顕著に減少してきている。これに伴い、磁気ディスク基板の表面平滑性について、きわめて高い精度が要求されてきている。しかし、アルミニウム合金の場合には、硬度が低いことから高精度の研磨材及び工作機器を使用して研磨加工を行っても、この研磨面が塑性変形するので、ある程度以上高精度の平坦面を製造することは困難である。また、ハードディスクドライブの小型化・薄型化に伴い、磁気ディスク用基板の厚みを小さくすることも要求されている。しかし、アルミニウム合金は、強度、剛性が低いので、ハードディスクドライブの仕様から要求される所定の強度を保持しつつ、ディスクを薄くすることは困難である。
【0003】
そこで、アルミニウム合金基板に代わって、高強度、高剛性、高耐衝撃性、高表面平滑性を必要される磁気ディスク用ガラス基板が登場してきた。このうち、基板表面をイオン交換法で強化した化学強化ガラス基板(例えば、特開平1−239036号公報参照)や、結晶化処理を施した結晶化基板(例えば、米国特許5391522公報、米国特許5476821公報参照)などがよく知られている。
特開平1−239036号公報に記載のイオン交換強化ガラス基板は、重量%表示で、SiO2:50−65%、Al2O3:0.5−14%、R2O(ただしRはアルカリ金属イオン):10−32、ZnO:1−15%、B2O3:1.1−14%を含むガラス基板の表面に、アルカリイオンによるイオン交換法によって圧縮応力層形成し強化された磁気ディスク用ガラス基板である。
また、米国特許5391522公報に記載の結晶化ガラスは、重量%表示で、SiO2:65−83%、Li2O:8−13%、K2O:0−7%、MgO:0.5−5.5%、ZnO:0−5%、PbO:0−5%(ただしMgO+ZnO+ PbO:0.5−5%)P2O5:1−4%、Al2O3:0−7%、As2O3+Sb2O3:0−2%を含み、主結晶として微細なLi2O・2SiO2結晶粒子を含む磁気ディスク用結晶化ガラスである。米国特許5476821公報には、重量%表示でSiO2:35-60%、Al2O3:20-35%、MgO:0-25%、ZnO:0-25%、但し、MgO+ZnO>10%、TiO2:0-20%、ZrO2:0-10%、Li2O:0-2%、NiO:0-8%、但しTiO2+ZrO2+NiO>5%などの酸化物成分を含み、主結晶としてスピネル結晶粒子を含むディスク用結晶化ガラスが開示されいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近のハードディスクの小型化、薄型化、記録の高密度化に伴って、磁気ヘッドの低浮上化及びディスク回転の高速化が急速に進み、そのため、ディスク基板材料の強度やヤング率、表面平滑性などが一層厳しく要求されてきている。特に最近パソコン及びサーバー用3.5インチハードディスク情報記録の高密度化によって基板材料の表面平滑性及び表面平坦性が厳しく要求され、またデータ処理の高速化に対応してディスクの回転数を10000rpm以上にする必要があるため、基板材料の剛性度に対する要求が一層厳しくなってきており、従来のアルミ基板の限界がすでにはっきりとなっている。今後、ハードディスクの高容量化、高速回転化の需要が必然であるかぎり、磁気記録媒体用基板材料としては高ヤング率、高強度、優れた表面平坦性、耐衝撃性などが強く要求されつつあるに間違いない。
【0005】
そのため、特開平1−239036号公報に開示されているような化学強化ガラスでは、ヤング率が約80Gpa程度で今後のハードディスクの厳しい要求に対応できなくなるのは明らかである。また、イオン交換による化学強化を施したガラスには多量のアルカリ成分含まれるため、高温、多湿環境下において長時間使用すると磁気膜のピンホール部または磁気膜の周辺部など磁気膜が薄い部分またはガラスが露出した部分からアルカリイオンが析出し、これが引き金となって磁気膜が腐食或いは変質するなどの欠点が見出されている。また、これまでのイオン交換強化基板ガラスはイオン交換のため多量のアルカリイオンをガラスに導入しており、そのためほとんどの強化ガラスのヤング率が低く(100Gpa)、剛性度も低いので、3.5インチのハイエンドディスク基板や薄型化ディスク基板に対応できないという欠点がある。さらに磁気記録媒体の製造過程においては、ガラス基板上に磁気層を設けた後に、磁気層の保磁力などの特性を向上させるために所定の熱処理を施する場合があるが、上記従来のイオン交換強化ガラスではガラスの転移温度もせいぜい500℃程度で耐熱性に乏しいので、高保磁力が得られないという問題がある。
【0006】
また、米国特許5391522公報に開示されているような従来の結晶化ガラスは、ヤング率や耐熱性の点では、上記の化学強化ガラス基板より少々優れている。しかるに、表面粗さは10オングストロームより大きく表面平滑性が乏しいので、磁気ヘッドの低浮上化に限界があるため、磁気記録の高密度化に対応できないという問題がある。さらに、ヤング率もせいぜい90-100Gpa程度で3.5インチハイエンドディスク基板や薄型化ディスク基板に対応することができないという欠点もある。
また、米国特許5476821公報に開示されている磁気ディスク用結晶化ガラスは140Gpa程度の高いヤング率をもつものの、スピネルを主結晶となるので溶解温度や液相温度が高い上、硬度の高いスピネル結晶と母体ガラスとの硬度差が大きすぎて研磨し難いという欠点がある。このような高ヤング率結晶化ガラスを安価的に製造するのは難しく、採算性も悪いので、大量製造に相応しくない。
【0007】
そこで本発明の目的は、磁気ディスク等の情報記録用ディスクに用いることができる高いヤング率を有する結晶化ガラスであって、強度、耐熱性が高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつ安価に製造できる結晶化ガラスを提供することにある。
さらに本発明の目的は、高いヤング率を有し、強度、耐熱性が高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつ安価に製造できる結晶化ガラスからなる、磁気ディスク等の情報記録用ディスクに用いることができるガラス基板を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記結晶化ガラス基板を用いた情報記録媒体及び磁気ディスクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の高ヤング率結晶化ガラスは、エンスタタイト及びβ−石英固溶体結晶の一方又は両方の結晶を含むことを特徴とする。
最近、HDDの小型化、高容量化、高速化に伴って、将来の磁気記録媒体用基板の厚みは、恐らく現在3.5インチの0.8mmから0.635mmへと、2.5インチの0.635mmから0.43mmさらに0.38mmへと薄くなり、基板の回転速度も現在の最高速度の10000rpmから15000rpmへと高速回転化すると予測されている。このような磁気記録媒体用基板は薄くなればなるほど、基板のたわみやうねりや反りが生じしやくなり、また高速回転すればするほど基板の受ける応力(回転によって生じる風圧に基づくディスクに働く力)が大きくなることが予想できる。力学の理論に基づけば、円板が高速回転するときのたわみは以下の式で表される。
【0009】
【式1】
【0010】
ここで、rpmは円盤の回転速度、aは円盤の外円半径、hは円盤の厚み、Eは円盤材料のヤング率、Ωは円盤材料のダンピングファクターである。この式から、高速回転化基板のたわみを押さえるためにはヤング率Eの高い基板材料が必要となることが分かる。基板材料のヤング率Eが高ければ高いほど基板の剛性度が高くなるだけでなく、基板の耐衝撃性も強度もともに大きくなる。そのため、高い比弾性率及び大きなヤング率を持つガラス材料がHDDの市場から強く要求されている。しかしながら、現在のところ、100Gpa以上のヤング率を持ち、高い耐熱性及び優れた表面平滑性(表面粗さ<5オングストローム)を有し、かつ安価に大量製造できる酸化物ガラスは市場ではまだ見当たらない。
【0011】
これまで市販の高ヤング率酸化物ガラスとしてよく知られているSiO2-Al2O3-MgO系S-ガラスでもせいぜい80−90Gpa程度のヤング率しか持たない。そこで、本発明者らは140Gpa以上のヤング率をもつ結晶化ガラス材料の提供を目的とし、鋭意研究を重ねた。その結果、MgO-SiO2系ガラスにおいて、Y2O3、TiO2、ZrO2、Al2O3を必須成分として含有させた原ガラスを適当な温度範囲で熱処理することによりβ−石英固溶体やエンスタタイトなどの微細な結晶粒子を析出させた結晶化ガラスが140−200Gpaの高いヤング率をもち、優れた機械強度、表面平滑性、表面平坦性、耐熱性を有し、容易に成形することができること、さらには得られた結晶化ガラス基板は容易に研磨加工することができ、かつ磁気ディスク基板としての化学的物性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明は、SiO2:35−55モル%、Al2O3:0モル%以上、5モル%未満、但し、SiO2+Al2O3≧40モル%、MgO:25−45モル%、Y2O3:0.5−8モル%、ZrO2:0−10モル%、TiO2:0−12モル%但し、ZrO2+TiO2:4.5−18モル%を含有し、Li2O:0−5モル%、Na2O:0−5モル%及びK2O:0−5モル%をさらに含有し、かつLi2O+Na2O+K2O≦5モル%であり、CaO:0−10モル%、SrO:0−10モル%、BaO:0−10モル%、ZnO:0−10モル%、NiO:0−10モル%をさらに含有し、かつCaO+SrO+BaO+ZnO+NiO≦10モル%であり、主結晶相がエンスタタイト及び/又はβ−石英固溶体であり、前記β−石英固溶体が、2MgO・2Al 2 O 3 ・5SiO 2 、MgO・Al 2 O 3 ・3SiO 2 、及びMgO・Al 2 O 3 ・4SiO 2 からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定な石英固溶体であることを特徴とする情報記録ディスク用結晶化ガラスに関する。さらに本発明は、上記結晶化ガラスからなる情報記録ディスク用基板並びにこの基板を用いた情報記録媒体及び磁気ディスクに関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の結晶化ガラスの組成は、原ガラスと同様に酸化物基準で表示する。以下に原ガラスの組成範囲を上記のように限定した理由について以下に述べる。尚、本明細書中、「%」は特に断らない限り「モル%」である。
SiO2はガラスの網目構造の形成物であり、主な析出結晶であるエンスタタイトやβ−石英固溶体の構成成分でもある。SiO2の含有量が35%未満では溶解したガラスが非常に不安定なので、高温成形ができなくなる傾向があるうえ、上記のような結晶も析出し難しくなる。また、SiO2の含有量が35%より少なくなると、残存ガラスマトリックス相の化学耐久性が悪化したり、耐熱性も悪化する場合もある。一方、SiO2の含有量が55%を超えると、ガラスのヤング率が急激に小さくなる傾向がある。そこで、析出結晶種及びその析出量、化学耐久性、耐熱性及び成形・生産性を考慮すると、SiO2の含有量の下限は35%であり、上限は55%である。SiO2の含有量の下限は、好ましくは37%であり、より好ましくは40%である。また、SiO2の含有量の上限は、好ましくは54%であり、より好ましくは53%である。
【0014】
Al2O3はガラスの中間酸化物であり、主な結晶種のβ−石英固溶体の構成成分でもある。Al2O3の導入は準安定なβ−石英固溶体結晶の析出を促進し、ガラス表面硬度の向上に寄与する。しかし、Al2O3の含有量が 5%以上であると、溶融温度や液相温度が高くなってガラスが溶けにくくなるうえ、成形しにくくなる。そこで、Al2O3の含有量は5%未満とする。
ガラスの溶解性、高温度成形性、析出結晶種などのことを考慮すると、Al2O3の含有量の下限は、好ましくは0%であり、より好ましくは1%である。Al2O3の含有量の上限は、好ましくは4.5%であり、より好ましくは4%である。
尚、上記のようにAl2O3は必ずしも含有されなくても良いが、ガラスに十分な化学耐久性、量産可能な熱的安定性を付与するという観点から、SiO2とAl2O3との合計含有量(SiO2+Al2O3)は40モル%以上とする。そのため、Al2O3が含有されない場合、SiO2の含有量は40モル%以上とする。また、SiO2とAl2O3との合計含有量は、好ましくは42モル%以上である。
【0015】
MgOはSiO2成分とともに原ガラスの熱処理によりエンスタタイト結晶を生成し、硬度や耐熱性を向上しつつ透明性を維持させる効果を有する成分である。MgOの含有量が 25%未満では上記のような効果は得られない。そこで、MgOの含有量は25%以上とする。一方、MgOの含有量が45モル%を超えると、ガラスの高温粘性が急激に低くなって熱的に不安定となり、生産性や加工性も悪化する傾向がある。そこで、MgOの含有量は45%以下とする。MgOの含有量は、ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性及び強度などのことを考慮すると、下限は25%であり、上限は45%である。下限は、好ましくは28%、より好ましくは32%であり、上限は好ましくは43%、より好ましくは42%である。
【0016】
本発明の結晶化ガラスは、Y2O3を含有する。少なくとも0.5%のY2O3を導入することによって結晶化ガラスのヤング率を5Gpa程度増大させ、かつ液相温度を50℃程度低減することができる。さらに、少なくとも0.5%のY2O3を導入することによってガラスの熱的な安定性を向上させることもできる。このように、少量のY2O3を導入することによってガラスの特性や生産性を格段に向上させることができる。しかし、Y2O3は上記のガラス主結晶の核生成を抑制する作用も有するので、Y2O3の導入量が多くなり過ぎると、ガラスは熱処理中に表面結晶化を起こし、目標とする表面平滑性を有する結晶化ガラスが得難くなる傾向がある。そこで、Y2O3の含有量を8%以下とする。Y2O3の含有量の下限は、好ましくは0.5%であり、より好ましくは1%である。Y2O3の含有量の上限は、好ましくは5%であり、より好ましくは3%である。
【0017】
TiO2とZrO2は結晶核の生成剤としてβ−石英固溶体やエンスタタイトなどの結晶粒子の析出に欠かせない成分であり、また、SiO2の含有量が少ない時、ガラスの熱的な安定性を持たせる成分でもある。TiO2とZrO2の合計含有量が4.5%未満では、主結晶の核生成剤として十分に作用しないため、ガラスが表面結晶化を起こし、均質な結晶化ガラスの作製が困難となる。そこで、TiO2とZrO2の合計含有量は4.5%以上とする。しかし、TiO2とZrO2の合計含有量が18%を超えると、ガラスの高温粘性が低くなりすぎて分相したり、失透したりするので、ガラスの生産性は極端に悪化してしまう傾向がある。そこで、TiO2とZrO2の合計含有量は18%以下にする。ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性、結晶核生成などのことを考慮すると、TiO2とZrO2の合計含有量の下限は4.5%であり、上限は18%である。TiO2とZrO2の合計含有量の下限は、好ましくは5%であり、上限は、好ましくは15%である。但し、ガラスの高温溶融性や熱的な安定性を考慮すると、ZrO2の含有量は0〜10モル%の範囲とし、TiO2の含有量は0〜12モル%の範囲とすることが適当である。
【0018】
本発明の結晶化ガラスは、主結晶相としてβ−石英固溶体及びエンスタタイトの一方または両方を含有する。β−石英固溶体の結晶相は、2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定なクオーツ(石英固溶体)である。また、エンスタタイトの結晶相は、Mg2Si2O6の組成を有するクリノエンスタタイト結晶相である。
【0019】
さらに、本発明の結晶化ガラスに含まれる上記結晶の結晶粒子サイズは、本発明の結晶化ガラスを表面粗さRaが0.1−1.0nmの範囲となるように研磨表面を形成できる程度であることが好ましく、より好ましくは結晶相の結晶粒子サイズが、表面粗さRaが0.1−0.5nmの範囲となるように研磨表面を形成できる程度である。結晶化ガラスに含まれる結晶相の結晶粒子サイズが上記範囲となることで、優れた表面平滑性を有する情報記録ディスクを提供することができる。
【0020】
Li2O、Na2O、K2Oなどのアルカリ金属酸化物はガラスの液相温度を下げ、結晶粒子をより細かく析出させるために添加される成分である。例えば約2%程度のLi2OをMgO−Al2O3−SiO2−TiO2ガラスに導入すると、ガラスのヤング率がほとんど変わらないのに対し、結晶粒子の大きさはLi2Oを添加しないガラスと比べ約半分以下となる。また、Li2O、Na2O、K2Oはガラスの液相温度を下げる役割も大きく、2%程度のアルカリ金属酸化物の導入でガラスの液相温度を約50℃程度下げることができる。しかし、Li2Oなどのアルカリ成分の含有量が多過ぎると、ガラスのヤング率は下がり、失透傾向が大きくるなど、ガラスの生産性を著しく悪化させる傾向がある。そのため、Li2O、Na2O及びK2Oの合計導入量は5%以下とする。Li2O、Na2O及びK2Oの合計導入量は、より好ましくは4%以下である。
【0021】
CaO、SrO、BaO、ZnO、NiOなどの酸化物成分は、主にガラス高温粘性を調整し、失透傾向を抑え、結晶粒子を均質化することができる成分である。これらの成分の少なくとも1つをガラスに添加することで、ガラスのヤング率は多少小さくなるが、ガラスの生産性が向上し、結晶化粒子のサイズが均質化するなど、ガラスの他の特性を改善することができる。ガラスのヤング率、生産性、結晶化ガラスの表面平滑性、強度などの特性を考慮するとCaOの含有量は0−10%の範囲、SrOの含有量は0−10%の範囲、BaOの含有量は0−10%の範囲、ZnOの含有量は0−10%の範囲、NiOの含有量は0−10%の範囲であり、かつCaO+SrO+BaO+ZnO+NiOの含有量は10モル%以下であることが好ましい。さらに、CaO、SrO、BaO、ZnO、NiO及びCaO+SrO+BaO+ZnO+NiOの含有量は、いずれも好ましくは8%以下である。
【0022】
本発明の結晶化ガラスは、上記の成分の他に、所望の特性を損なわない範囲でB2O3、P2O5、Nb2O5、Ta2O5、及びLa2O3等の希土類金属酸化物成分を含有することができる。しかし、これらの成分は著しくガラスのヤング率を低下させる。そこで、B2O3の含有量は0−5%の範囲、P2O5の含有量は0−5%の範囲、R2O3の含有量は0−5%の範囲(但し、Rは希土類金属イオン(例えば、Nd3+、Pr3+、Pm3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+)である)、CeO2の含有量は0−5%の範囲、N2O5の含有量は0−5%の範囲(但し、NはNbまたはTaである)とし、かつB2O3+P2O5+R2O3+CeO2+N2O5≦5モル%であることが好ましい。さらに、ガラスの生産性を考慮すると、上記各成分の含有量及び合計の含有量は4%以下にすることがさらに好ましい。
【0023】
As2O3とSb2O3は、結晶化ガラスの原料となるガラスの均質化を図るために脱泡剤として添加される成分である。各ガラスの高温粘性に応じて適当量のAs2O3及びSb2O3の一方又は両方をガラスに添加することで、より均質なガラスが得られる。しかし、これら脱泡剤の添加量が多くなり過ぎると、ガラスの比重が上昇してヤング率を低下させる傾向があり、また溶解用白金るつぼと反応してるつぼにダメージを与える恐れもある。そこで、As2O3の含有量は0−2%の範囲、Sb2O3の含有量は0−2%の範囲とし、かつAs2O3+Sb2O3≦2モル%とすることが好ましい。特に、As2O3、Sb2O3及びAs2O3+Sb2O3の含有量は、いずれも1.5%以下であることが好ましい。
【0024】
本発明の結晶化ガラスの製造方法は、特に限定されず、各種ガラス製造方法を用いて得られたガラスを熱処理することで結晶化ガラスを得ることができる。例えば、高温溶融法、即ち所定の割合のガラス原料を空気中または不活性ガス雰囲気で溶解し、バブリングや脱泡剤の添加や撹拌などによってガラスの均質化を行い、周知のプレス法、フロート法やダウンドーロ成形などの方法により板ガラスに成形され、その後、研削、研磨などの加工を施し、所望のサイズ、形状のガラス成形品とすることができる。得られたガラス成形品の熱処理方法には、特に制限はなく、結晶化促進剤の含有量やガラスの転移温度、結晶化ピーク温度などに応じて選択することができる。但し、始めに比較的に低い温度で熱処理して多数の結晶核を発生させた後、温度を上げて結晶を成長させることが、微細な結晶を得るうえで好ましい。適当な条件での熱処理により結晶粒子のサイズが10-1000nm範囲にあるβ石英固溶体やエンスタタイトの一方または両方を含む結晶化ガラスが得られる。
【0025】
熱処理を終えた成形品は常法を用いて表面を研磨することができる。研磨方法については特に制限がなく、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素などの合成砥粒や、天然ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、公知の方法により研磨することができる。例えば、通常の研磨方法および装置でラッピングおよび酸化セリウムにてポリシング加工することによって、表面粗さ(Ra)を0.1−1.0nmの範囲にした結晶化ガラス基板を得ることができる。
【0026】
このようにして得られる本発明の結晶化ガラスは、情報記録ディスク用として好適である。本発明の結晶化ガラスを用いた磁気ディスク基板は、磁気ディスク基板として必要な表面平滑性、平坦性、強度、硬度、化学耐久性、耐熱性などをすべて満足する。また、従来の結晶化ガラス(Li2O−SiO2結晶化ガラス)に比べ、1.5倍以上の高いヤング率をもつので、ディスクの高速回転化によるたわみをより小さく抑えることができ、高TPIハードディスクの実現のため基板材料として好適である。
【0027】
本発明の結晶化ガラスを製造するに際して、熱処理のスケジュールやガラス組成を適宜変えることにより、析出結晶サイズや結晶量を制御することができ、必要に応じて結晶化ガラスの特性を大幅に調整することができる。
【0028】
本発明の結晶化ガラスを製造するに際して、熱処理のスケジュールやガラス組成を適宜変えることにより、析出結晶サイズや結晶量を制御することができ、必要に応じて結晶化ガラスの特性を大幅に調整することができる。
【0029】
次に、本発明の情報記録媒体について説明する。
本発明の情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体用ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された記録層とを有することを特徴とする。ここで、「ガラス基板上に形成された記録層」とは、ガラス基板表面に直接または所望の層を介して形成された単層構造または複数層構造の記録層を意味し、当該記録層の材料及び層構造は、目的とする情報記録媒体の種類に応じて、磁気記録層、光記録層、光磁気記録層等として機能するよう適宜選択される。
【0030】
次に、本発明の磁気ディスクについて説明する。
本発明の磁気ディスクは、本発明のガラス基板と、このガラス基板上に形成された磁気記録層とを有することを特徴とする。
上述した本発明のガラスからなる基板の主表面に、少なくとも磁性層を形成した磁気ディスク(ハードディスク)ものについて以下に説明する。
磁性層以外の層としては、機能面から、下地層、保護層、潤滑層、凹凸制御層などが挙げられ、必要に応じて形成される。これらの各層の形成には各種薄膜形成技術が利用される。
磁性層の材料は特に制限されない。磁性層としては、例えば、Co系の他、フェライト系、鉄−希土類系などが挙げられる。磁性層は、水平磁気記録、垂直磁気記録のいずれの磁性層でもよい。
磁性層としては、具体的には、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCrやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiO などの磁性薄膜が挙げられる。また、磁性層を非磁性層で分割してノイズ低減を図った多層構成としてもよい。
【0031】
磁性層における下地層は、磁性層に応じて選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料、又はそれらの金属の酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。例えば、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/Cr等の多層下地層等が挙げられる。
【0032】
また、基板と磁性層の間又は磁性層の上部に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することを防止するための凹凸制御層を基板表面の一部又は全部に設けてもよい。この凹凸制御層を設けることによって、磁気ディスクの表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することがなくなり、信頼性の高い磁気ディスクが得られる。凹凸制御層の材料及び形成方法は多種知られており、特に制限されない。例えば、凹凸制御層の材料としては、Al、Ag、Ti、Nb、Ta、Bi、Si、Zr、Cr、Cu、Au、Sn、Pd、Sb、Ge、Mgなどから選ばれる少なくとも一種以上の金属、又はそれらの合金、あるいは、それらの酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。形成が容易であるという観点からは、Al単体やAl合金、酸化Al、窒化AlといったAlを主成分とする金属であることが望ましい。
【0033】
また、ヘッドスティクションを考慮すると、凹凸形成層の表面粗さは、Rmax=50〜300オングストロームであることが好ましい。より好ましい範囲は、Rmax=100〜200オングストロームである。Rmaxが50オングストローム未満の場合、磁気ディスク表面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや磁気ディスクが傷ついてしまったり、吸着によるヘッドクラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが300オングストロームを超える場合、グライド高さ(グライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので好ましくない。
尚、凹凸制御層を設けずに、ガラス基板表面に、エッチング処理やレーザー光の照射等の手段で凹凸を付け、テクスチャリング処理を施してもよい。
【0034】
保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金膜、炭素膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げられる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにインライン型スパッタ装置等で連続して形成できる。また、これらの保護膜は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護膜に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を形成してもよい。この場合、保護膜と凹凸制御層の両方の機能を果たす。
【0035】
潤滑層としては多種多様な提案がなされているが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成する。
【0036】
【発明の効果】
本発明の結晶化ガラスは、容易に成形することができ、140GPa以上大きなヤング率及び800℃以上の高い耐熱性を有し、かつ硬度や強度も大きい。さらに、本発明の結晶化ガラスを用いて、優れた表面平滑性(表面粗さRa<1.0nm)を有する基材等を得ることもでき、基板材料や電子部品用材料として好適である。
また、本発明の結晶化ガラスは耐熱性に優れるため、これを用いた磁気ディスクは、磁気膜の特性向上に必要な熱処理を基板の変形無しに施すことができる。さらに、本発明の結晶化ガラスを用いた磁気ディスクは、平坦性が優れるため、磁気ヘッドの低浮上化、即ち高密度記録化に最適であり、かつヤング率や強度が大きいので、磁気ディスクの薄型化及び高速回転化を達成できると共に磁気ディスクの破損も避けられる。
さらにガラスとしても比較的安定に得ることができ、工業的規模での生産が容易であるため、安価な次世代磁気記録媒体用基板ガラスとして大きく期待できる。
また、本発明の情報記録媒体は、高いヤング率を有し、強度、耐熱性が高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつ安価に製造できる結晶化ガラス基板を用いるので、基板の高回転時においても振動を少なくすることができ、特にサーバー等の高性能のハードディスクドライブに好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1には実施例のガラス組成をモル%で示した。これらのガラスを溶解する際の出発原料としては、SiO2、Al2O3、Al(OH)3、MgO、CaCO3、Y2O3、TiO2、ZrO2、Li2CO3などを用いて表1に示した所定の割合に250〜300g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白金るつぼに入れ、1550℃で攪拌しながら空気中4ー5時間ガラスの溶解を行った。熔融後、ガラス融液をサイズ180×15×25mmのカーボンの金型に流し、ガラスの転移点温度まで 放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニールして炉内で室温まで放冷した。得られたガラスは顕微鏡で観察できる結晶が析出しなかった。
【0038】
180×15×25mmサイズのガラスを100×10×10mm、10×10×20mm、10×1×20mmに研磨した後、熱処理炉に入れ、表1に示した第一次熱処理温度(核形成温度)まで3〜10℃/分の昇温速度で昇温し、当該温度で2〜15時間程度保温し第一次熱処理を行い、第一次熱処理を終えた後直ちに第一次熱処理温度から表1に示した第二次熱処理温度(結晶化温度)までに3〜10℃/分の昇温速度で昇温し、1〜5時間程度保温した後、炉内で室温まで冷却することによって結晶化ガラスを作製した。得られた結晶化ガラスをさらに長さを95mmに研磨してヤング率、比重の測定サンプルとした。ヤング率の測定に用いたサンプルをさらに切断し、25mm×2mm×15mmのサイズに精密研磨して表面粗さ測定用サンプルとした。ヤング率の測定は95×10×10mmのサンプルを用いて超音波法で行った。測定で得られたデータをガラスの組成と共に表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
表面粗さの測定は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面観察を行った。サンプル表面中3〜5個所あたり5×5μmの視野中の算数平均粗さを算出した。勿論表面粗さは研磨条件や熱処理条件によって違うが、図1には、表1に示した熱処理条件で熱処理した実施例4の結晶化ガラスを光学ガラスの研磨工程で研磨した後のAFM写真を示す。実施例4の表面粗さは約0.5nmと小さく次世代磁気ディスクの表面平滑性に対する要求に十分に対応できる。さらに熱処理条件や研磨条件を最適化すれば表面平滑性のもっと優れた結晶化ガラスの作製が可能である。
【0041】
なお、比較のため、特開平1−239036号に開示されたイオン交換ガラス基板と米国特許第2516553号に記載されたガラス基板とをそれぞれ比較例1、2として、表2に組成と特性を記載する。
【0042】
【表2】
【0043】
表1から明らかなように、本発明の実施例ガラス基板はヤング率(140-200Gpaの範囲)が大きいことから、磁気記録媒体用基板として使用した場合、このガラス基板が高速回転しても、基板に反りやブレが生じにくく、より基板の薄型化にも対応できることが分かる。さらに、これらの結晶化ガラスは、表面粗度(Ra)を0.5nm以下に研磨することができるので、ガラス基板とした場合、平坦性に優れ、磁気ヘッドの低浮上化を図り得る磁気記録媒体用ガラス基板として有用である。
これに対し、比較例1の化学強化ガラス基板は、表面平滑性及び平坦性に優れているものの、耐熱性及びヤング率などの強度特性で本発明のガラス基板に比べかなり劣る。従って、磁気記録媒体を製造する際、高い保磁力を得るために行う磁気層に対する熱処理が十分できず、高保磁力を有する磁気記録媒体が得られないし、また、比較例1のガラスには多量のアルカリを含有するため、磁気膜と基板とのコロージョンが生じやすく、磁気膜にダメージを与えるおそれがある。
また、比較例2の結晶化ガラス基板は、ヤング率や比弾性率及び平滑性の点で本発明のガラスに比べ劣る。特に基板の平滑性が大きな結晶粒子の存在によって損なわれるので、高密度記録化を図ることが難しい。
【0044】
本発明の結晶化ガラスは、高ヤング率を有し、かつ優れた表面平滑性も有することから、磁気記録媒体等の情報記録媒体用の基板として非常に有用であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱処理した実施例4の結晶化ガラスを光学ガラスの研磨工程で研磨した後の状態を示す図面に変わるAFM写真。
Claims (5)
- SiO2:35−55モル%、Al2O3:0モル%以上、5モル%未満、但し、SiO2+Al2O3≧40モル%、MgO:25−45モル%、Y2O3:0.5−8モル%、ZrO2:0−10モル%、TiO2:0−12モル%但し、ZrO2+TiO2:4.5−18モル%を含有し、Li2O:0−5モル%、Na2O:0−5モル%及びK2O:0−5モル%をさらに含有し、かつLi2O+Na2O+K2O≦5モル%であり、CaO:0−10モル%、SrO:0−10モル%、BaO:0−10モル%、ZnO:0−10モル%、NiO:0−10モル%をさらに含有し、かつCaO+SrO+BaO+ZnO+NiO≦10モル%であり、主結晶相がエンスタタイト及び/又はβ−石英固溶体であり、前記β−石英固溶体が、2MgO・2Al 2 O 3 ・5SiO 2 、MgO・Al 2 O 3 ・3SiO 2 、及びMgO・Al 2 O 3 ・4SiO 2 からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定な石英固溶体であることを特徴とする情報記録ディスク用結晶化ガラス。
- As2O3:0−2モル%、Sb2O3:0−2モル%をさらに含有し、かつAs2O3+Sb2O3≦2モル%である請求項1に記載のガラス。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載のガラスからなり、かつ情報記録層を形成するための表面が0.1−1.0nmの範囲の表面粗さRaを有することを特徴とする情報記録ディスク用結晶化ガラス基板。
- 請求項3に記載のガラス基板と、該ガラス基板上に形成された記録層とを有することを特徴とする情報記録媒体。
- 請求項3に記載のガラス基板と、該ガラス基板上に形成された磁気記録層とを有することを特徴とする磁気ディスク。
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