JP4266002B2 - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、入力画像データに対して色変換処理を行う技術に関するものであり、特に、色補正処理した画像信号に対して黒生成処理および下色除去処理を行う画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体に関するものである。
近年、オフィスにおけるOA機器のデジタル化が急速に進展し、また、カラー画像出力の需要が増している。この需要増加に対応する形で、電子写真方式のデジタルカラー複写機や、インクジェット方式や熱転写方式のカラープリンタ等の出力機器が、広く一般に普及してきている。
これらの出力機器を用いれば、例えば、デジタルカメラやスキャナ等の入力機器から入力された画像データや、コンピュータ上で作成された画像データが表す画像を出力できる。このような入出力機器では、一般に、入力された画像データに基づき、常に安定した色再現が適用された画像出力を求められる。それゆえ、このような入出力機器において、デジタル画像処理技術に基づいた入力画像データの色変換処理が、重要な役割を果たすことになる。
ここで、色変換処理とは、入力原稿と入力機器の特性とに基づいて実行される、入力画像データの色空間の信号の変換処理を意味する。例えば、例えばR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)などの色空間信号を、プリンタなどの出力機器に適合した出力画像データの色空間の信号、例えばC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)へと変換する処理が、現実に行われている。
このとき、出力機器では、色変換された色空間信号に対応した色材(トナーやインク)を用いて、入力画像データが表す画像を出力する。多くの出力機器では、色材として、CMYに加え、K(ブラック)の色材を用いている。このK色材を使用することによって、CMYの色材のみでは再現できない、暗い色を再現できる。さらに、K色材を使うことによって、CMY色材の使用量を削減したり、グレーの再現性を向上させたりすることができる(例えば、非特許文献1および非特許文献2を参照)。
しかし、色変換の際、最適な黒生成量(K生成量)は、暗くて鮮やかな色を再現する場合と、黒文字などのグレーを再現する場合とにおいて、それぞれ異なるものである。そのため、適切な黒生成量を決定することが難しいという問題があった。この問題を解決するものとして、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
特許文献1に記載の技術では、色補正されたCMY信号のうち、最大値であるMAX信号と最小値であるMIN信号の差分(MAX−MIN)と、MIN信号とに基づき、2次元の黒生成/下色除去用のLUT(Look Up Table:ルックアップテーブル)を用いて黒生成量を制御することによって、グレーの再現性と暗くて鮮やかな色の再現性とを両立させることできる。
特開2003−60929号公報(公開日平成15年2月28日) 日本印刷学会誌、第31巻第4号(1994)、p.290〜297 電子写真学会誌、第36巻第4号(1997)、p.343〜352
しかし、黒文字領域は、無彩色領域であるため、彩度成分は考慮する必要がない。すなわち、黒文字領域には、2次元の黒生成ではなく、1次元の黒生成が適している。したがって、特許文献1に記載の従来装置では、このような領域のために、2次元の黒生成回路とは別に、1次元の黒生成回路を用意する必要がある。そのため、従来の装置には、ハードウェア構成の規模が大きくなり、使用するメモリ量が増大し、さらに、コストが上昇する問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、同一のハードウェアを構成を用いて、1次元および2次元の黒特性量算出処理を選択的に行うことができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および記録媒体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いることによって黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成手段と、上記第1または第2のパラメータを予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択手段と、上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定手段とを備えたことを特徴としている。
本装置は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して、黒生成処理または下色除去処理を行う装置である。これらの処理を行うことによって、本装置は、入力画像データに含まれない黒成分量を新たに生成したり、または入力画像データに含まれる各色成分量から下色量を除去したりする。その際、本装置は、黒特性量を用いることによって、黒生成処理または下色除去処理を行う。ここでいう「黒特性量」とは、黒生成処理を行う際に用いる黒生成量、および下色除去処理を行う際に用いる下色除去量を総称したものである。
ここで、上記の構成によれば、パラメータ生成手段は、画像データに含まれる画素値から、第1および第2のパラメータを生成する。例えば画像データが表す画像に含まれる画素がC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の三種の色成分よりなる場合、パラメータ生成手段は、画像データに含まれるこれらの色成分の量を基に、第1および第2のパラメータを生成する。
上記した通り、本装置が処理する画像データが表す画像は、複数の色成分からなるものである。これらの色成分の濃度比率に応じて、画像データが表す画像の明度、色相、および彩度は変化する。したがってパラメータ生成手段は、これらのパラメータを、それぞれ画像データの無彩色特性および有彩色特性を反映した変数として生成する。すなわちパラメータ生成手段は、画像データが表す画像の色特性に応じて第1および第2のパラメータを生成することになる。
上記「2元関数データ」とは、パラメータ生成手段が生成する第1のパラメータ、第2のパラメータと、黒特性量との関係を予め定めたデータである。すなわちこの関数データは、入力された第1のパラメータと第2のパラメータとに対応した黒特性量を、所定の方法で特定して出力する関数を表すデータである。この関数データは、例えば、1組の第1のパラメータ、第2のパラメータに対して1つの黒特性量を1対1の関係に対応づけて格納した、黒特性量テーブルとすることができる。また、この関数データは、入力した第1のパラメータと第2のパラメータとを基に所定の演算を施すことによって、黒特性量を返す数式データとすることもできる。
ここで、パラメータ選択手段は、第1または第2のパラメータを、予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力する。したがって、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第1のパラメータを選択する場合、算出される黒特性量は、第1のパラメータのみから算出されることになる。したがって、この場合、黒特性量決定手段は、2つの入力データが共に無彩色領域特性を表すとして1次元黒特性量算出処理と同等の結果が得られる2次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、無彩色領域に適した黒特性量を算出するように定める。
一方、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第2のパラメータを選択する場合、黒特性量決定手段は、2つの入力データは無彩色特性と有彩色特性とを表すとして2次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに対する黒特性量を算出する。
これにより本装置は、2次元の黒特性量算出処理を行う構成のみを用いることによって、すなわち、2次元の黒特性量算出処理を行う構成と1次元の黒特性量算出処理を行う構成を別々に設けることなく、2次元の黒特性量算出処理を行う構成だけで、選択パラメータを切り換えることによって、彩度成分(有彩色特性)を考慮に入れた黒特性量の決定と、無彩色領域に適した黒特性量の決定とを行うことができ、メモリリソースの削減と装置構成の簡素化とを図る効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いて黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記黒特性量を生成する画像処理方法であって、上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成ステップと、上記第1または第2のパラメータを選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択ステップと、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定ステップとを含むことを特徴としている。
このように本方法は、本装置が備える各手段に対応した各ステップを備えた構成であるため、本装置と同様の作用および効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いることによって黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成手段と、上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得する第1の黒特性量取得手段と、上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データ、または上記第1の関数データから、予め定められた基準に基づき関数データを選択し、選択した関数データから上記第1のパラメータに基づき第2の黒特性量を取得する第2の黒特性量取得手段と、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことによって、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定手段とを備えたことを特徴としている。
本装置は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して、黒生成処理または下色除去処理を行う装置である。これらの処理を行うことによって、本装置は、入力画像データに含まれない黒成分量を新たに生成したり、または入力画像データに含まれる各色成分量から下色量を除去したりする。その際、本装置は、黒特性量を用いることによって、黒生成処理または下色除去処理を行う。ここでいう「黒特性量」とは、黒生成処理を行う際に用いる黒生成量、および下色除去処理を行う際に用いる下色除去量を総称したものである。
ここで、上記の構成によれば、パラメータ生成手段は、画像データに含まれる画素値から、第1および第2のパラメータを生成する。例えば画像データが表す画像に含まれる画素がC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の三種の色成分よりなる場合、パラメータ生成手段は、画像データに含まれるこれらの色成分の量を基に、第1および第2のパラメータを生成する。
上記した通り、本装置が処理する画像データが表す画像は、複数の色成分からなるものである。これらの色成分の濃度比率に応じて、画像データが表す画像の明度、色相、および彩度は変化する。したがってパラメータ生成手段は、これらのパラメータを、それぞれ画像データの無彩色特性および有彩色特性を反映した変数として生成する。すなわちパラメータ生成手段は、画像データが表す画像の色特性に応じて第1および第2のパラメータを生成することになる。
ここで、上記の構成によれば、第1の黒特性量取得手段は、第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、第1のパラメータに基づき、第1の関数データから無彩色領域に適した1つの第1の黒特性量を取得する。また、第2の黒特性量取得手段は、第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データ、または上記第1の関数データから、予め定められた基準に基づき関数データを選択し、選択した関数データから第1のパラメータに基づき第2の黒特性量を取得する。この「関数データ」とは、パラメータ生成手段が生成する第1のパラメータと、黒特性量との関係を予め定めたデータである。すなわちこの関数データは、入力された第1のパラメータに対応した黒特性量を所定の方法で特定して出力する関数を表すデータである。関数データは、例えば、第1のパラメータと黒特性量とを1対1の関係に対応づけて格納した、黒特性量テーブルとすることができる。また、関数データは、入力した第1のパラメータを基に所定の演算を施すことによって、黒特性量を返す数式データとすることもできる。
上述したように、第2の黒特性量取得手段は、第1の関数データまたは第2の関数データから、第1のパラメータに基づき、第2の黒特性量を取得する。したがって、第1の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、第2の黒特性量取得手段が取得する第2の黒特性量は、第1の黒特性量取得手段が取得する第1の黒特性量と等しくなる。この場合、黒特性量決定手段は、2つの等しい第1の黒特性量から、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことになる。これにより、補間演算により算出される黒特性量は結果的に第1の黒特性量そのものとなる。これは、第1のパラメータに基づいて第1の関数データから取得される黒特性量と一致する。したがって、この場合、黒特性量決定手段は、1次元黒特性量算出処理と同等の結果が得られる2次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、無彩色領域に適した黒特性量を算出することになる。
一方、第2の黒特性量取得手段が、第2の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、黒特性量決定手段は、第1および第2の黒特性量から、2つの異なる第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことになる。このとき取得される複数の黒特性量には、無彩色領域に適した黒特性量および彩度成分を考慮に入れた黒特性量が含まれる。そして、黒特性量決定手段は、これらの黒特性量を用いて、画像データに適した黒特性量を求める。
これにより本装置は、第1および第2の関数データを共用することによって、無彩色領域に適した黒特性量の決定および彩度成分を考慮に入れた黒特性量の決定、すなわち、1次元および2次元の黒特性量算出処理の両方を行うことができる効果を奏する。さらに本装置では、第1のパラメータと黒特性量との関係を予め定めた関数データを用いて彩度成分を考慮に入れた黒特性量を決定できるため、第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を予め定めた、より複雑な関数データを用意する必要が無い。例えば、関数データを黒特性量テーブルで構成する場合、1次元の黒特性量テーブルを用意するだけでよく、2次元の黒特性量テーブルを別途用意する必要が無い。この場合、メモリリソースの削減と黒特性量算出処理を行う装置構成の簡素化とを図る効果が特に大きくなる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いて黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記黒特性量を生成する画像処理方法であって、上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成ステップと、上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得する第1の黒特性量取得ステップと、上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データ、または上記第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき第2の黒特性量を取得する第2の黒特性量取得ステップと、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことによって、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定ステップとを含むことを特徴としている。
このように本方法は、本装置が備える各手段に対応した各ステップを備えた構成であるため、本装置と同様の作用および効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記2元関数データは、上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データと、上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データとからなっており、上記第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得し、かつ、上記第2の関数データから、上記第1のパラメータに基づき彩度成分を考慮に入れた第2の黒特性量を取得する黒特性量取得手段をさらに備えており、上記黒特性量決定手段は、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記パラメータ選択手段により選択された選択パラメータとに基づいた補間演算を行うことにより上記画像データに適用する黒特性量を求めることが好ましい。
上記の構成によれば、黒特性量取得手段は、第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、第1のパラメータに基づき、上記第1の関数データから無彩色領域に適した1つの第1の黒特性量を取得する。さらに、黒特性量取得手段は、第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データから、上記第1のパラメータに基づき彩度成分を考慮に入れた第2の黒特性量を取得する。
ここで、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第1のパラメータを選択する場合、黒特性量決定手段は、第1および第2の黒特性量から、2つの第1のパラメータに基づいた補間演算を行うことになる。このとき、補間演算の際に基づくパラメータが、同一の第1のパラメータであるため、算出される黒特性量は、第1のパラメータに基づいて取得された第1の黒特性量と一致する。したがって、この場合、黒特性量決定手段は、1次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、無彩色領域に適した黒特性量を算出することになる。
一方、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第2のパラメータを選択する場合、黒特性量決定手段は、第1および第2の黒特性量から、2つの異なる第1および第2のパラメータに基づいた補間演算を行うことになる。このとき、2つの第1および第2の黒特性量は、無彩色領域に適した黒特性量および彩度成分を考慮に入れた黒特性量である。そして、黒特性量決定手段は、これらの黒特性量から、第1および第2のパラメータに基づいた補間演算を行うことによって、画像データに適用する黒特性量を求める。すなわち、黒特性量決定手段は、2次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を算出することになる。
これにより本装置は、2次元の黒特性量算出処理を行う構成のみを用いることによって、すなわち、2次元の黒特性量算出処理を行う構成と1次元の黒特性量算出処理を行う構成を別々に設けることなく、2次元の黒特性量算出処理を行う構成だけで、選択パラメータを切り換えることによって、彩度成分(有彩色特性)を考慮に入れた黒特性量の決定と、無彩色領域に適した黒特性量の決定とを行うことができ、メモリリソースの削減と装置構成の簡素化とを図る効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、上記2元関数データは、第1および第2のパラメータにより黒特性量を関連づける2次元ルックアップテーブルであり、上記黒特性量決定手段は、上記第1パラメータと、パラメータ選択手段により選択された選択パラメータとに基づいて、上記2次元ルックアップテーブルから、画像データに適用する黒特性量を求めることが好ましい。
上記の構成では、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第1のパラメータを選択する場合、黒特性量決定手段は、2つの第1のパラメータに基づいて、2次元ルックアップテーブルから、画像データに適用する黒特性量を求める。したがって、この場合、黒特性量決定手段は、1次元の黒特性量算出処理と同等の処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、無彩色領域に適した黒特性量を算出することになる。
一方、パラメータ選択手段が選択パラメータとして第2のパラメータを選択する場合、黒特性量決定手段は、第1および第2のパラメータに基づいて、2次元ルックアップテーブルから、画像データに適用する黒特性量を求める。したがって、この場合、黒特性量決定手段は、2次元の黒特性量算出処理を行い、画像データに適用する黒特性量として、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を算出することになる。
これにより本装置は、2次元の黒特性量算出処理を行う構成のみを用いることによって、すなわち、2次元の黒特性量算出処理を行う構成と1次元の黒特性量算出処理を行う構成を別々に設けることなく、2次元の黒特性量算出処理を行う構成だけで、選択パラメータを切り換えることによって、彩度成分(有彩色特性)を考慮に入れた黒特性量の決定と、無彩色領域に適した黒特性量の決定とを行うことができ、メモリリソースの削減と装置構成の簡素化とを図る効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記パラメータ選択手段は、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1のパラメータまたは上記第2のパラメータのいずれか一方を選択することが好ましい。
ここでいう「画像の特性」には、例えば画像データを基に所定の判定処理を行うことによって決定できる特性や、あるいはユーザが操作パネルを通じて指定する特性などがある。前者の例で言えば、画像中の画素や画素群が属する領域(文字領域、写真領域等)がある。後者の例で言えば、原稿モード(文字原稿モード、写真モード等)がある。いずれにせよ、画像の特性に応じて、画像データに適用する黒特性量を、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を用いることが好ましい場合と、無彩色領域に適した黒特性量とすることが好ましい場合とが生じる。
ここで、上記の構成において、パラメータ選択手段は、画像の特性を表す特性信号に基づき、第1または第2のパラメータを選択する。上述したように、黒特性量決定手段は、パラメータ選択手段が第1のパラメータを選択する場合、1次元の黒特性量算出処理と同等の処理を2次元の黒特性量算出処理を行い、無彩色領域に適した黒特性量を決定する一方、パラメータ選択手段が第2のパラメータを選択する場合、2次元の黒特性量算出処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を決定する。
すなわち、本装置は、画像の特性に基づいて、画像データに適用する黒特性量を、彩度成分を考慮に入れた2次元の黒特性量か、無彩色領域に対応した黒特性量のいずれかに決定する。したがって、本装置は、画像の特性に応じて最適な黒特性量を決定できる効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記第2の黒特性量取得手段は、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1または第2の関数データから、上記第2の黒特性量を取得することが好ましい。
ここでいう「画像の特性」には、例えば画像データを基に所定の判定処理を行うことによって決定できる特性や、あるいはユーザが操作パネルを通じて指定する特性などがある。前者の例で言えば、画像中の画素や画素群が属する領域(文字領域、写真領域等)がある。後者の例で言えば、原稿モード(文字原稿モード、写真モード等)がある。いずれにせよ、画像の特性に応じて、画像データに適用する黒特性量を、無彩色領域に適した黒特性量とすることが好ましい場合と、彩度成分を考慮に入れた黒特性量とすることが好ましい場合とが生じる。
ここで、上記の構成において、第2の黒特性量取得手段は、画像の特性を表す特性信号に基づき、第1または第2の関数データのいずれかから、第2の黒特性量を取得する。上述したように、黒特性量決定手段は、第2の黒特性量取得手段が第1の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、1次元の黒生成処理と同等の結果が得られる2次元の黒特性量算出処理を行い、無彩色領域に適した黒特性量を決定する一方、第2の黒特性量取得手段が第2の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、2次元の黒特性量算出処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を決定する。
すなわち、本装置は、画像の特性に基づいて、画像データに適用する黒特性量を無彩色領域に対応した黒特性量または彩度成分を考慮に入れた黒特性量のいずれかに決定することになる。したがって、本装置は、画像の特性に応じて最適な黒特性量を決定できる効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記2元関数データは、上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成され、上記複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納する関数データ格納部をさらに備えており、上記黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記関数データ格納部において、上記特性信号に対応した2つの上記関数データから上記第1および第2の黒特性量を取得することが好ましい。
上記の構成において、上記2元関数データは、上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成される。そして、関数データ格納部は、これら複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納している。
ここで、黒特性量取得手段は、この関数データ格納部において、2元関数データの中から、特性信号に対応した関数データを指定する。そして、黒特性量決定手段は、黒特性量取得手段が指定した関数データから黒特性量を取得する。すなわち黒特性量決定手段が取得する黒特性量は、画像の特性に対応した黒特性量となる。
したがって、本装置は、画像の特性に対応した黒特性量を基に、画像データに適用する黒特性量を決定するため、黒生成処理または下色除去処理後の画像データが表す画像の画質が最適化される効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記第1および第2の関数データは、それぞれ、上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成され、上記複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納する関数データ格納部をさらに備えており、上記第1の黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記第1の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データから上記第1の黒特性量を取得し、かつ、上記第2の黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記第2の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データ、または上記第1の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データから、上記第2の黒特性量を取得することが好ましい。
上記の構成において、上記第1および第2の関数データは、それぞれ上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成される。そして、関数データ格納部は、これら複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納している。
ここで、第1の黒特性量取得手段および第2の黒特性量取得手段は、この関数データ格納部において、特性信号に対応した関数データから、それぞれ黒特性量を取得する。すなわちこれらの黒特性量は、画像の特性に対応した黒特性量となる。
したがって、本装置は、画像の特性に対応した黒特性量を基に、画像データに適用する黒特性量を決定するため、黒生成処理または下色除去処理後の画像データが表す画像の画質が最適化される効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記特性信号は、上記画像に含まれる各画素あるいは画素群が属する、少なくとも文字領域、色にじみ領域、網点領域、または写真領域のいずれかを含む領域の種別を表す領域識別信号であり、上記パラメータ選択手段は、上記領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、上記第1のパラメータを選択して上記選択パラメータとする一方で、上記領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、上記第2のパラメータを選択して上記選択パラメータとすることが好ましい。
上記の構成において、領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、パラメータ選択手段は、第1のパラメータを選択して選択パラメータとする。上述したように、黒特性量決定手段は、パラメータ選択手段が第1のパラメータを選択する場合、1次元の黒特性量算出処理と同等の処理を行い、無彩色領域に適した黒特性量を決定する。したがって黒特性量決定手段は、無彩色である文字領域や、有彩色と判定されているが本来は無彩色であるはずの色にじみ領域に対して、無彩色領域に適した黒特性量を決定する。これにより、これらの領域におけるグレーの再現性を向上させたり、色材の使用量を減らしたりすることができる効果を奏する。
一方、領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、パラメータ選択手段は、第2のパラメータを選択して選択パラメータとする。上述したように、黒特性量決定手段は、パラメータ選択手段が第2のパラメータを選択する場合、2次元の黒特性量算出処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を決定する。これにより、これらの領域における色の再現性を向上させることができるため、画質を向上させることができる効果を奏する。
また、本発明に係る画像処理装置では、さらに、上記特性信号は、上記画像に含まれる各画素あるいは画素群が属する、少なくとも文字領域、色にじみ領域、網点領域、または写真領域のいずれかを含む領域の種別を表す領域識別信号であり、上記第2の黒特性量取得手段は、上記領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、上記第1の関数データから上記第2の黒特性量を取得する一方で、上記領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、上記第2の関数データから上記第2の黒特性量を取得することが好ましい。
上記の構成において、領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、第2の黒特性量取得手段は、第1の関数データから第2の黒特性量を取得する。上述したように、黒特性量決定手段は、第2の黒特性量取得手段が第2の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、1次元の黒生成処理と同等の効果が得られる2次元の黒特性量算出処理を行い、無彩色領域に適した黒特性量を決定する。したがって黒特性量決定手段は、無彩色である文字領域や、有彩色と判定されているが本来は無彩色であるはずの色にじみ領域に対して、無彩色領域に適した黒特性量を決定する。これにより、これらの領域におけるグレーの再現性を向上させたり、色材の使用量を減らしたりすることができる効果を奏する。
一方、領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、第2の黒特性量取得手段は、第2の関数データから第2の黒特性量を取得する。上述したように、黒特性量決定手段は、第2の黒特性量取得手段が第2の関数データから第2の黒特性量を取得する場合、2次元の黒特性量算出処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を決定する。これにより、これらの領域における色の再現性を向上させることができるため、画質を向上させることができる効果を奏する。
本発明に係る画像形成装置は、上記したいずれかの画像処理装置を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、共通の関数データを使用することによって、無彩色領域に適した黒特性量の決定、および彩度成分を考慮に入れた黒特性量の決定を行うことができるので、メモリリソースの削減と黒特性量算出処理を行う装置構成の簡素化とを図ることができ、品質の良い画像を出力可能な画像形成装置を提供できる効果を奏する。
なお、上述した画像処理装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記画像処理装置をコンピュータにおいて実現させる画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一実施形態について、図1ないし図12に基づき説明する。
まず、本発明が適用されたカラー画像処理装置20を備える画像形成装置の一実施形態として、デジタルカラー複写機1を説明する。図2は、カラー画像処理装置20を適用する画像形成装置の構成を示すブロック図である。この図によると、デジタルカラー複写機1は、カラー画像入力装置10、カラー画像処理装置20、カラー画像出力装置30、および操作パネル40から構成されている。
〔カラー画像入力装置10〕
カラー画像入力装置10は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部より構成される。このカラー画像入力装置10は、入力原稿からの反射光像を、CDDによって、RGB(R:レッド・G:グリーン、B:ブルー)信号として読み取る。そして、カラー画像入力装置10は、読み取った結果に基づき画像データを生成して、カラー画像処理装置20に出力する。
〔カラー画像出力装置30〕
カラー画像出力装置30は、カラー画像処理装置20から入力された画像データが表す画像を、紙等の出力媒体に出力する。このカラー画像出力装置30として、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができる。なお、カラー画像出力装置30の出力方式は特に限定されるものではない。
〔カラー画像処理装置20〕
カラー画像処理装置20は、A/D変換部21、シェーディング補正部22、入力階調補正部23、領域分離処理部24、色補正部25、黒生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、出力階調補正部28、および階調再現処理部29から構成されている。カラー画像入力装置10において読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置20内を、A/D変換部21、シェーディング補正部22、入力階調補正部23、領域分離処理部24、色補正部25、黒生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、出力階調補正部28、および階調再現処理部29の順によって送られ、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)のデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置30へ出力される。
〔A/D変換部21〕
A/D(アナログ/デジタル)変換部21は、アナログRGB信号をデジタルRGB信号に変換する。
〔シェーディング補正部22〕
シェーディング補正部22は、A/D変換部21より送られたデジタルRGB信号に対して、カラー画像入力装置10の照明系・結像系・撮像系で生じる、信号に含まれる各種の歪みを取り除く処理を施す。
〔入力階調補正部23〕
入力階調補正部23は、シェーディング補正部22において各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、信号のカラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置20に採用されている画像処理システムが扱い易い信号に変換する。
〔領域分離処理部24〕
領域分離処理部24は、入力階調補正部23から送られるRGB信号を基に、入力画像中の各画素または画素群を、少なくとも文字領域、網点領域、写真領域、そして色にじみ領域のいずれかに分離する。この領域分離処理の詳細は後述する。なお、領域分離処理部24による領域分離処理は、これに限定されない。例えば、領域分離処理部24は、入力画像中の各画素または画素群を文字領域と網点領域とに、または文字領域と写真領域とに分離してもよい。また、領域分離処理部24は、領域を、文字領域、網点領域、写真領域、色にじみ領域の他に、下地領域に分離してもよい。あるいは、領域分離処理部24は、各画素または画素群ごとに領域分離処理を行うのではなく、複数の画素よりなる矩形領域や任意形状の領域(画素群)ごとに、領域分離処理を行ってもよい。
領域分離処理部24は、領域の分離結果に基づき、各画素または画素群がどのような領域に属しているかを示す領域識別信号SEGを生成する。そして領域分離処理部24は、生成した領域識別信号SEGを、後段の黒生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、および階調再現処理部29へと出力する。さらに、領域分離処理部24は、入力階調補正部23より出力された入力RGB信号を、そのまま後段の色補正部25に出力する。
〔色補正部25〕
色補正部25は、入力画像データが表す画像の色を忠実に再現するために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁り成分を取り除く。このとき、色補正部25は、入力RGB信号と出力CMY信号との対応関係を保持するLUT(Look Up Table:ルックアップテーブル)を使用する方法や、次の式(1)に示す変換行列を用いるカラーマスキング方法などを用いる。
Figure 0004266002
カラーマスキング法を用いる場合、色補正部25は、あるCMY信号をカラー画像出力装置30に与えた場合に出力される色のL*a*b*値(CIE1976L*a*b*信号(CIE:Commission International de l'Eclairage:国際照明委員会。L*:明度、a*、b*:色度))と同一のL*a*b*を有するカラーパッチを、スキャナが読み込んだ際のRGBデータと、画像出力装置に与えるCMYデータとの組に対応して多数、事前に用意する。そして、色補正部25は、それらの組み合わせから、式(1)に示すa11からa33までの変換行列の係数を算出し、算出した係数を用いて、色補正処理を行う。ここで、色補正部25は、色補正の精度をより高める場合、二次以上の高次の項を加える。
〔黒生成下色除去部26〕
黒生成下色除去部26は、黒生成処理および下色除去処理を行う。具体的に説明すると、黒生成下色除去部26は、色補正部25より出力される、色補正後の3色のCMY信号から、黒信号(K信号)を生成する黒生成処理を行う。さらに、黒生成下色除去部26は、元のCMY信号から、下色除去量算出処理で得られる下色除去信号(UCR信号)を差し引いて、新たなCMY信号を生成する下色除去処理を行う。すなわち、黒生成下色除去部26は、3色のCMY信号を4色のCMYK信号へと変換する。この変換の詳細は後述する。なお、黒生成下色除去部26は、色変換後のCMYK信号を空間フィルタ処理部27に出力する。
〔空間フィルタ処理部27、出力階調補正部28、階調再現処理部29〕
空間フィルタ処理部27は、CMYK信号からなる画像データに対して、領域識別信号SEGを基に、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐ。階調再現処理部29は、空間フィルタ処理部27と同様に、領域識別信号SEGを基に、CMYK信号からなる画像データに対して、擬似的に階調を再現する階調再現処理を施す。
例えば、領域分離処理部24によって文字領域に分離された領域に対しては、特に文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部27が、鮮鋭強調処理が施し、高周波数の強調量を大きくする。また、階調再現処理部29が、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理を選択して行う。
また、領域分離処理部24によって網点領域に分離された領域に対しては、まず、空間フィルタ処理部27が、入力網点成分を除去するローパス・フィルタ処理を施す。次に、出力階調補正部28が、濃度信号などの信号を、カラー画像出力装置30の特性値である網点面積率に変換する、出力階調補正処理を施す。最後に、階調再現処理部29が、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるようにする、階調再現処理(中間調生成)を施す。
領域分離処理部24によって写真領域に分離された領域に対しては、階調再現処理部29が、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理を行う。
〔操作パネル40〕
操作パネル40は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示部と設定ボタン等の操作部とが一体化された、タッチパネル等により構成される。操作パネル40で入力された情報に基づき、カラー画像入力装置10、カラー画像処理装置20、およびカラー画像出力装置30の動作が制御される。
上述した各処理が施される画像データは、記憶部(図示せず)にいったん記憶され、所定のタイミングで読み出されて、最終的にカラー画像出力装置30に入力される。なお、以上の処理は、不図示のCPU(Central Processing Unit)により制御される。
〔黒生成下色除去部26の概要〕
黒生成下色除去部26は、複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して、黒生成処理および下色除去処理を行う装置である。これらの処理を行うことによって、入力画像データに含まれない黒成分量を新たに生成したり、または入力画像データに含まれる各色成分量から下色量を除去したりする。その際、黒特性量を用いることによって、黒生成処理または下色除去処理を行う。ここでいう「黒特性量」とは、黒生成処理を行う際に用いる黒生成量K、および下色除去処理を行う際に用いる下色除去量UCRを総称したものである。
ここで、カラー画像処理装置20は、同一の1つのハード構成を用いることによって、1次元および2次元の黒生成処理(下色除去処理)を選択的に行う。このことを、カラー画像処理装置20は、黒生成下色除去部26において実現する。カラー画像処理装置20は、特性信号出力手段としての領域分離処理部24によって出力される、入力画像の領域の種類を表す領域識別信号SEGに基づき、1次元および2次元の黒生成処理のいずれを行うのかを選択する。そこで、以下に、領域分離処理部24および黒生成下色除去部26の構成および処理について、詳細に説明する。
〔領域分離処理部24の構成〕
まず、領域分離処理部24の詳細な構成について、図3を参照して説明する。図3は、領域分離処理部24の構成を示すブロック図である。この図によると、領域分離処理部24は、概略的に、領域分離部31と色にじみ判定部32とを備えた構成である。ここで、色にじみ判定部32は、有彩色判定部33、エッジ抽出処理部34、および近傍画素判定部35を備えた構成である。
上述したように、領域分離処理部24は、各画素を、少なくとも文字領域・網点領域・写真領域・色にじみ領域のいずれかに分離し、その分離結果を示す領域識別信号SEGを出力する。ここで、領域分離処理部24では、まず、領域分離部31が、入力画像データを文字領域、網点領域、または写真領域に分離する。次に、色にじみ判定部32が、文字領域および近傍画素を含む領域が、色にじみを起こしているか判定する。
〔領域分離処理部24による領域分離方法〕
領域分離処理部24は、入力画像データを文字領域、網点領域、または写真領域に分離し、さらに色にじみ領域を判別する領域分離方法として、例えば、特開2001−223915号公報に記載されている方法を用いる。そこで、領域分離処理部24が入力画像データをまず文字領域、網点領域、または写真領域に分離する方法について説明する。領域分離処理部24は、入力画像データに含まれる画素の一つを、まず、注目画素とする。そして、領域分離処理部24は、この注目画素を中心としたM×N(M、Nは自然数)個の画素からなるブロック内で、以下に説明する判定行う。この判定結果を基に、領域分離処理部24は、注目画素が属する領域の種類を決定する。
領域分離処理部24は、まず、ブロック内の中央にある9画素に対して、信号レベルの平均値(Dave)を算出する。次に、領域分離処理部24は、算出したDaveを用いて、ブロック内の各画素を二値化する。同時に、領域分離処理部24は、最大画素信号レベル(Dmax)、最小画素信号レベル(Dmin)を求める。
ここで、領域分離処理部24は、網点領域を識別する際、網点領域では、小領域における画像信号の変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高くなる性質を利用する。具体的に説明すると、領域分離処理部24は、二値化されたデータに対して、主走査および副走査方向において、それぞれ0から1へ変化する変化点数、および1から0へ変化する変化点数を求める。そして、領域分離処理部24は、これらをそれぞれKh、Kvとし、閾値TH、TVと比較して、両者が共に閾値を上回った場合、注目画素が属する領域を、網点領域と判定する。さらに、領域分離処理部24は、Dmax、Dmin、Daveを閾値B1、B2と比較し、背景との誤判定を防ぐ。すなわち、
Dmax−Dave>B1
Dave−Dmin>B2
KH>TH
KV>TV
の各条件が全て満たされると判定した場合、領域分離処理部24は、注目画素が属する領域を網点領域と判断し、満たされないと判定した場合、網点領域以外の領域であると判定する。
〔領域の識別〕
次に、領域分離処理部24は、文字領域の識別を、文字領域では最大信号レベルと最小信号レベルとの差が大きく、色濃度も高い可能性が高いことを利用して判定する。領域分離処理部24は、まず、非網点領域において先に求めていた最大、最小信号レベルと、それらの差分(Dsub)とを、閾値PA、PB、PCとそれぞれ比較する。そして、領域分離処理部24は、下記の条件が満たされると判定した領域を文字領域と判断し、満たされないと判定した領域を写真領域と判断する。すなわち、
Dmax>PA
Dmin<PB
Dsub>PC
の各条件のいずれかが満たされると判定した場合、領域分離処理部24は、注目画素が属する領域を文字領域と判断し、それ以外の場合、写真領域と判断する。
領域分離処理部24は、最後に、色にじみ判定部32において、上記の方法により抽出された文字領域に対して、色にじみが生じているかを判定する。その際、領域分離処理部24は、黒文字のエッジの外側に色にじみが生じることに基づき、文字領域とその近傍画素(例えば数画素程度)とを含めた領域に対して、以下の条件を用いて、色にじみが生じているか否かを判定する。すなわち、注目画素が、有彩色判定部33、エッジ抽出処理部34、および近傍画素判定部35において、
・有彩色である
・エッジである
・周囲の画素のいずれかに黒文字領域の画素がある
の3つの条件を全て満たすと判定されたとき、領域分離処理部24は、この画素を色にじみ領域に属すると判定する。
領域分離処理部24は、以上の処理により求めた領域分離結果(文字領域・網点領域・写真領域・色にじみ領域)を基に、これらの領域の種類を表す信号を領域識別信号SEGとして、後段の各処理部に送る。そして、領域識別信号SEGを受け取った各処理部は、それぞれ、入力された領域識別信号SEGに応じた最適な処理を行う。
〔黒生成下色除去部26の構成〕
次に、黒生成下色除去部26の構成および処理について、図4〜図13に基づいて説明する。図4は、黒生成下色除去部26の構成を示すブロック図である。この図によると、黒生成下色除去部26は、概略的に、最大値・最小値算出部41(パラメータ算出手段)、にじみ処理部42、下色除去量算出部43、黒生成量算出部44、および下色除去処理部45を備えた構成である。
〔最大値・最小値算出部41〕
最大値・最小値算出部41には、色補正部25から出力されるCMY信号が入力される。そして、最大値・最小値算出部41は、入力されたCMY信号のそれぞれを互いに比較し、それらのうちの最大値および最小値を算出する。また、最大値・最小値算出部41は、算出した最大値および最小値を、それぞれ、MIN信号(第1のパラメータ)およびMAX信号(第2のパラメータ)として、にじみ処理部42、下色除去量算出部43、および黒生成量算出部44に出力する。
〔にじみ処理部42〕
にじみ処理部42には、領域識別信号SEG、MAX信号、およびMIN信号が入力される。にじみ処理部42は、図5に示すように、平均値算出部51と、にじみ信号選択部52とを備えた構成である。
〔平均値算出部51〕
平均値算出部51には、MAX信号およびMIN信号が入力される。平均値算出部51は、入力されたMAX信号およびMIN信号の平均値を算出し、算出した平均値をAVE信号として、にじみ信号選択部52に出力する。
〔にじみ信号選択部52〕
にじみ信号選択部52には、CMY信号、AVE信号、および領域識別信号SEGが入力される。にじみ信号選択部52は、入力されるCMY信号およびAVE信号を用いて、C1M1Y1信号を決定する。その際、にじみ信号選択部52は、領域識別信号SEGに基づき、CMY信号およびAVE信号を選択し、異なるC1M1Y1信号を決定する。具体的に説明すると、にじみ信号選択部52は、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、各C1M1Y1信号の値を、いずれもAVE信号の値と同一の値とする。一方、にじみ信号選択部52は、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、入力されたCMY信号を、そのままC1M1Y1信号とする。また、いずれの場合であっても、にじみ信号選択部52は、算出したC1M1Y1信号を、下色除去処理部45に出力する。
このような算出方法に基づく結果、無彩色領域に属する画素では、各CMY信号の大きさが、AVE信号に揃えられることになる。したがって、領域の色信号から彩度成分が取り除かれ、領域の色がグレーに近づくことになる。これにより、文字色の再現性が向上する。
〔下色除去量算出部43〕
下色除去量算出部43には、MIN信号、MAX信号、および領域識別信号SEGが入力される。下色除去量算出部43は、MIN信号およびMAX信号に基づき、下色除去量テーブル(UCRテーブル)等を使用することによって、下色除去量UCRを算出する。その際、下色除去量算出部43は、領域識別信号SEGに基づき、選択する下色除去量テーブルを切り換える。これらの詳細は後述する。なお、下色除去量算出部43は、算出した下色除去量UCRを下色除去処理部45に出力する。
〔黒生成量算出部44〕
黒生成量算出部44には、MIN信号、MAX信号、および領域識別信号SEGが入力される。黒生成量算出部44は、MIN信号およびMAX信号に基づき、テーブル(Kテーブル)等を使用することによって、黒生成量K’を算出する。その際、黒生成量算出部44は、領域識別信号SEGに基づき、選択するテーブルを切り換える。これらの詳細は後述する。なお、黒生成量算出部44は、算出した黒生成量K’を、空間フィルタ処理部27に出力する。
〔下色除去処理部45〕
下色除去処理部45には、C1M1Y1信号および下色除去量UCRが入力される。下色除去量算出部43は、入力されるこれらの信号およびパラメータを用いて、C’M’Y’信号を算出する。その際、下色除去処理部45は、次式に示す算出方法を用いて、下色除去処理を行う。
C’=C1−UCR
M’=M1−UCR
Y’=Y1−UCR
これらの式に示すように、下色除去処理部45は、入力されるC1M1Y1信号のそれぞれから、いずれも下色除去量UCRを除算する下色除去処理を行い、C’M’Y’信号を算出する。なお、下色除去処理部45は、算出したC’M’Y’信号を空間フィルタ処理部27に出力する。
ここで、下色除去量算出部43および黒生成量算出部44は、本質的に同一の処理を行い、出力すべき下色除去量または黒生成量を算出する。これらの処理部における違いは、使用するルックアップテーブルが、UCRテーブルかKテーブルかのみである。そこで、以下では、黒生成量算出部44の構成および処理について詳細に説明し、下色除去量算出部43については説明を省略する。
〔黒生成量算出部44の詳細〕
図1を参照して、黒生成量算出部44の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、黒生成量算出部44の要部構成を示すブロック図である。この図によると、黒生成量算出部44は、概略的に、信号選択部101(パラメータ選択手段)および黒生成部102を備えた構成である。ここで、黒生成部102は、Kテーブルメモリ103(関数データ格納部)、Kテーブルメモリアクセス部104(黒特性量取得手段)、および黒生成量演算部105を備えた構成である。
〔信号選択部101〕
信号選択部101には、MIN信号、MAX信号、および領域識別信号SEGが入力される。信号選択部101は、入力されたMAX信号およびMIN信号のいずれか一方を選択する。その際、信号選択部101は、入力される領域識別信号SEGに基づき、MIN信号またはMAX信号を選択する。具体的に説明すると、信号選択部101は、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、選択信号SIG(選択パラメータ)としてMIN信号を出力する。一方、信号選択部101は、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、選択信号SIGとしてMAX信号を出力する。信号選択部101が、領域識別信号SEGに基づきこのような信号選択を行う理由は後述する。なお、信号選択部101は、選択信号SIGを黒生成量演算部105へ出力する。
〔Kテーブルメモリ103〕
Kテーブルメモリ103は、複数のKテーブルを格納する記憶手段(メモリ)である。具体的に説明すると、図1に示すように、Kテーブルメモリ103は、n個(nは正の整数)のKテーブルT1〜Tnを格納する。これらのKテーブルT1〜Tnは、それぞれ、領域識別信号SEGに対応して最適化されているものである。また、図6に示すように、各KテーブルT1〜Tnは、いずれも、2つの1次元Kテーブル(1次元KテーブルLUT1、1次元KテーブルLUT2)を含んでいる。ここで、1次元KテーブルLUT1およびLUT2は、いずれも、MIN信号と黒生成量とを1対1の関係に対応づけて、複数格納している。
〔Kテーブルメモリアクセス部104〕
Kテーブルメモリアクセス部104には、MIN信号および領域識別信号SEGが入力される。Kテーブルメモリアクセス部104は、Kテーブルメモリ103にアクセスし、Kテーブルを1つ選択する。その際、Kテーブルメモリアクセス部104は、入力される領域識別信号SEGに基づき、領域識別信号SEGに対応して最適化されているKテーブルを選択する。例えば、Kテーブルメモリアクセス部104は、領域識別信号SEGを文字領域を表す信号であると判定した場合、文字領域に対して最適化された黒生成量が格納されたKテーブルを選択する。
上述したように、Kテーブルメモリアクセス部104が選択するKテーブルには、1次元KテーブルLUT1およびLUT2が含まれている。そこで、Kテーブルメモリアクセス部104は、これらのテーブルから、MIN信号に基づいて、それぞれ黒生成量K1および黒生成量K2を読み出す。具体的に説明すると、Kテーブルメモリアクセス部104は、1次元KテーブルLUT1から黒生成量K1を読み出し、1次元KテーブルLUT2から黒生成量K2を読み出す。なお、Kテーブルメモリアクセス部104は、読み出した黒生成量K1および黒生成量K2を、黒生成量演算部105へ出力する。
ここで、1次元KテーブルLUT1は、無彩色領域(グレー領域)に対応した無彩色軸用黒生成量テーブルである。すなわち、1次元KテーブルLUT1は、MIN信号(第1のパラメータ)と、無彩色領域に適した黒生成量とを1対1の関係に対応づけて格納している。一方、1次元KテーブルLUT2は、あるMIN信号に対してMAX信号が最大(255)の場合、すなわちあるMIN信号に対して彩度がもっとも高くなる値の組み合わせに基づく黒生成量テーブル(彩度成分を考慮に入れた黒生成量テーブル。以下、高彩度軸用黒生成量テーブルと記す)である。すなわち、1次元KテーブルLUT2は、MIN信号と、彩度成分を考慮に入れた黒生成量とを、1対1の関係に対応づけて格納している。1つのKテーブルメモリにそれぞれ含まれる2つの1次元Kテーブルのうち、一方は必ず無彩色軸用黒生成量テーブルであり、もう一方は必ず高彩度軸用黒生成量テーブルである。したがって、Kテーブルメモリアクセス部104は、色特性の異なる2つの1次元Kテーブルから、黒生成量をそれぞれ1つずつ読み出すことになる。
なお、本実施の形態では、上記したように、Kテーブルメモリ103には、2つの1次元Kテーブルが対になっているKテーブルが複数、格納されている。しかし、Kテーブルメモリ103には、複数の1次元Kテーブルが、そのまま対にならず独立した形で格納されていてもよい。この場合、Kテーブルメモリアクセス部104は、領域識別信号SEGに基づき、2つの異なる1次元Kテーブルを選択する。そして、Kテーブルメモリアクセス部104は、選択した2つの1次元Kテーブルから、MIN信号に基づき、黒生成量K1および黒生成量K2を読み出す。この場合、Kテーブルメモリアクセス部104は、必ず、1つの無彩色軸用黒生成量テーブル(1次元KテーブルLUT1)と、1つの高彩度軸用黒生成量テーブル(1次元KテーブルLUT2)とを選択して、黒生成量K1および黒生成量K2を読み出す処理を行えばよい。
〔黒生成量演算部105〕
黒生成量演算部105には、黒生成量K1、黒生成量K2、MIN信号、および選択信号SIGが入力される。黒生成量演算部105は、入力されたこれらのパラメータを用いて、補間演算を行い、画像データに対する黒生成量K’を算出する。なお、黒生成量演算部105は、算出した黒生成量K’を空間フィルタ処理部27に出力する。
ここで、領域分離処理部24によって網点領域または写真領域と判定される領域では、上述したように、にじみ処理部42において、入力されるCMY信号がC1M1Y1信号としてそのまま出力される。そのため、黒生成量演算部105は、黒生成量K’を求める際、無彩色領域に対応した1次元KテーブルLUT1(無彩色軸用黒生成量テーブル)から読み出す黒生成量K1と、彩度成分を考慮に入れた1次元KテーブルLUT2(高彩度軸用黒生成量テーブル)から読み出す黒生成量K2とから、MIN信号とMAX信号とに基づいた補間演算を行い、彩度に応じた最適な2次元の黒生成処理を行って、画像データに適用する黒生成量K’を求めることが好ましい。
一方、領域分離処理部24によって文字領域または色にじみ領域と判定される領域は、本来、グレー色(無彩色)の領域である。そして、上述したように、にじみ処理部42は、このような領域に対して、入力CMY信号を、MIN信号およびMAX信号の平均値であるAVE信号に揃えて、C1M1Y1信号とする処理を行う。そのため、黒生成量演算部105は、このような領域に対しては、MIN信号に基づいて1次元KテーブルLUT1から読み出す黒生成量K1を、そのまま黒生成量K’として算出する、彩度に影響されない1次元の黒生成処理を行うことによって、画像データに適用する黒生成量K’を求めることが好ましい。
このような、領域の分離結果に応じて、1次元および2次元の黒生成処理のいずれかを選択的に行うことを、黒生成量演算部105は、以下に示す1つの補間演算を行うことによって実現する。そこで、この補間演算について、図7〜図10を用いて説明する。
〔補間演算について〕
図7および図8は、黒生成量演算部105が、2つの1次元Kテーブルから読み出した2つの黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を行って、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。これらの図に示すように、黒生成量演算部105が行う補間演算は、読み出された2つの黒生成量K1およびK2から、係数α,βの比率を基に黒生成量K’を求める。ここで、α=SIG値−MIN値であり、β=255−SIG値である。
黒生成量演算部105は、図7に示すように、1次元KテーブルLUT1から選択される黒生成量K1と、1次元KテーブルLUT2から選択される黒生成量K2とを、1つのグラフ上にプロットしたときに、黒生成量K1を開始点、黒生成量K2を終止点とする一本の直線を想定する。そして、黒生成量演算部105は、この線分上に、補間演算によって算出される黒生成量K’が含まれると想定する。次に黒生成量演算部105は、上述したαとβとの比率を基に、想定した直線上における、選択信号SIGに対応する黒生成量を、画像データに対する黒生成量K’として算出する。
黒生成量演算部105が行う補間演算について、図8を参照してさらに詳しく説明する。図8に示すグラフ80では、横軸はMIN信号、縦軸は選択信号SIGを表す。また、グラフ80に含まれる直線82は、高彩度軸用黒生成量テーブル(1次元KテーブルLUT2)に対応した、高彩度軸を表す。一方、グラフ80に含まれる直線84は、無彩色軸用黒生成量テーブル(1次元KテーブルLUT1)に対応した、グレー軸を表す。ここで、黒生成量演算部105は、直線82上の黒生成量K2と、直線84上の黒生成量K1との間にある値を、α,βの比率を基に算出する。すなわち、黒生成量演算部105は、グラフ80の縦軸において、K1−K2直線上における、MAX信号に対応する位置の黒生成量を、画像データに適用する黒生成量K’として算出する。
このように、補間演算を行う際、黒生成量演算部105は、α,βを255−MIN信号で割り、それぞれ、重み係数として算出する。そして、黒生成量演算部105は、これらの重み係数α,βを、それぞれ黒生成量K1、黒生成量K2に掛けて加算することによって、黒生成量K’を計算する。すなわち、黒生成量演算部105は、次に示す式(2)を用いて、黒生成量K’を計算することになる。
Figure 0004266002
ここで、上述したように、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、信号選択部101は、選択信号SIGとしてMAX信号を出力する。この場合、黒生成量演算部105は、黒生成量K1および1次元KテーブルLUT2から、MAX信号およびMIN信号に基づき、式(2)に示す補間演算を行い、黒生成量K’を算出する。
この場合、式(2)、図7、および図8に示すように、算出される黒生成量K’には、異なる1次元Kテーブルから読み出された2つの黒生成量K1およびK2の情報が反映されることになる。具体的に説明すると、黒生成量K’には、黒生成量K1の無彩色特性と、黒生成量K2の有彩色特性とが反映されることになる。これにより、算出される黒生成量K’は、MIN信号およびMAX信号と黒生成量とを2対1の関係において予め格納した、2次元の黒生成テーブルから求められる黒生成量と、同等とものとなる。すなわち、黒生成量演算部105は、網点領域または写真領域に対しては、2次元の黒生成処理に匹敵した処理を行うことになる。これにより、網点領域や写真領域において、彩度に応じた適切な黒生成処理が行われるため、画質が向上する。
一方、上述したように、信号選択部101は、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、選択信号SIGとしてMIN信号を出力する。したがって、この場合、黒生成量演算部105は、2つのMIN信号、黒生成量K1、および黒生成量K2とに基づき、式(2)に示す補間演算を行い、黒生成量K’を算出する。ここで、式(2)において、選択信号SIGにMIN信号を代入すると、次に示す式(3)と等しくなる。
Figure 0004266002
すなわち、式(3)では、式(2)における重み係数α,βが消去され、黒生成量K’と黒生成量K1とが等しい値を取る。すなわち、選択信号SIGがMIN信号である場合、黒生成量演算部105は、式(2)に示す補間演算は実質的に行わない。このことを、図9および図10を参照して具体的に説明する。
図9および図10は、MIN信号が選択信号SIGである場合に、黒生成量演算部105が、2つの1次元Kテーブルから読み出した黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を実質的に行わないことによって、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。これらの図に示すように、黒生成量演算部105は、K1−K2直線上において、選択信号SIG=MIN信号となる点を黒生成量K’として算出する。すなわち、黒生成量演算部105は、MIN信号に対応した黒生成量K1値を、黒生成量K’として算出する。したがって、黒生成量演算部105は、1次元KテーブルLUT1から選択した黒生成量K1を、画像データに対する黒生成量K’として、そのまま算出することになる。
換言すると、黒生成量演算部105が式(2)を用いた補間演算を行う場合、MIN信号と選択信号SIGとが等しい場合には、算出される黒生成量K’が黒生成量K1と等しくなる。ここで、黒生成量K1は、1次元KテーブルLUT1(無彩色軸用黒生成量テーブル)から読み出された黒生成量である。したがって、黒生成量演算部105は、文字領域または色にじみ領域に対しては、1次元の黒生成処理を行うことになる。また、この場合、黒生成量演算部105は、グレー領域に適した1次元KテーブルLUT1を用いた、彩度に影響されない黒生成処理を行うことになる。そのため、文字の再現性に優れる効果を奏する。
黒生成量算出部44の作用・効果を以下にまとめて説明する。領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、信号選択部101は、MIN信号を選択して選択信号SIGとする。上述したように、黒生成量算出部44は、信号選択部101がMIN信号を選択する場合、1次元の黒生成処理と同等の処理を行い、無彩色領域に適した黒生成量K’を決定する。したがって黒生成量算出部44は、無彩色である文字領域や、有彩色と判定されているが本来は無彩色であるはずの色にじみ領域に対して、無彩色領域に適した黒生成量K’を決定する。これにより、これらの領域におけるグレーの再現性を向上させたり、色材の使用量を減らしたりすることができる。
一方、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、信号選択部101は、MAX信号を選択して選択信号SIGとする。上述したように、黒生成量算出部44は、信号選択部101がMAX信号を選択する場合、2次元の黒生成処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒生成量を決定する。したがって黒生成量算出部44は、網点領域や写真領域に対して、彩度成分を考慮に入れた黒生成量を決定する。これにより、これらの領域における色の再現性を向上させることができるため、画質を向上させることができる。
すなわち、黒生成量算出部44は、結果的に、領域識別信号SEGに基づき、1次元および2次元の黒生成処理のいずれかを選択的に行うことができる。すなわち、黒生成量算出部44は、領域識別信号SEGに基づき、換言すると、領域の種類(画像の特性)に応じて、1次元および2次元の黒生成処理を切り換えて行うことができる。
このように、黒生成量算出部44は、選択信号SIGの値に従い、1次元または2次元の異なる黒生成処理を選択して行う。ここで、信号選択部101は、領域識別信号SEGに基づき、MIN信号またはMAX信号から選択信号SIGを選択する。したがって、黒生成量算出部44は、領域識別信号SEGに基づき、言い換えると、領域の種類(画像の特性)に応じて、1次元の黒生成処理、または2次元の黒生成処理を行うことになる。
これにより、黒生成量算出部44を備えるカラー画像処理装置20は、同一のハードウェアを用いて、1次元および2次元の黒生成処理の両方を行うことができる。それゆえ、カラー画像処理装置20は、特定次元の黒生成処理を行うための専用ハードウェアを幾つも備える必要がなく、装置の構成を単純にでき、かつ、装置に掛かるコストを削減できる。さらに、カラー画像処理装置20は、1次元Kテーブルを使用するため、Kテーブルを格納するためのメモリ量を、2次元Kテーブルを使用する場合に比べて大幅に低減できる。
なお、黒生成量演算部105が行う補間演算は、式(2)に示す線形補間演算に限定されない。例えば、黒生成量演算部105は、予め変化の様子が式に設定された、黒生成量K1・黒生成量K2を通る曲線上で行う補間演算を行ってもよい。その際、この補間演算式は、選択信号SIGと、第1パラメータであるMIN信号とが等しい場合には、黒生成量K’が黒生成量K1に等しくなる式であればよい。
〔黒生成処理および下色除去処理の流れ〕
以上に説明した、黒生成処理および下色除去処理の流れを、図11〜図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図11は、黒生成量算出部44における処理全体の流れを示すフローチャートである。この図によると、まず、最大値・最小値算出部41が、入力CMY信号の最大値MAX信号および最小値MIN信号を算出する(ステップS10)。次に、算出されたMIN信号およびMAX信号を用いて、にじみ処理部42が、CMY信号のにじみ処理を行う(ステップS11)。次に、黒生成量算出部44が、黒生成量K’を算出する(ステップS12)。次に、下色除去量算出部43が、下色除去量UCRを算出する(ステップS13)。最後に、下色除去処理部45が、にじみ処理後のC1M1Y1信号の値から、ステップS13において算出された下色除去量UCRの値を減算する、下色除去処理を行う(ステップS14)。
図12は、色にじみ処理の流れを示すフローチャートである。この図によると、まず、にじみ信号選択部52が、領域識別信号SEGが文字領域または色にじみ領域を表す信号であるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、ステップS21における判定結果が「真」である場合(YES)、平均値算出部51が、MIN信号とMAX信号との平均値であるAVE信号を計算する(ステップS22)。そして、にじみ信号選択部52が、にじみ処理された後のC1M1Y1信号を、全てAVE信号に置き換え、下色除去処理部45に出力する(ステップS24)。一方、ステップS21における判定結果が「偽」である場合(NO)、にじみ信号選択部52が、入力されたCMY信号をC1M1Y1信号とし、そのまま下色除去処理部45に出力する(ステップS23)。
図13は、黒生成量算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図によると、まず信号選択部101が、領域識別信号SEGが文字領域または色にじみ領域を表す信号であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、ステップS31における判定結果が「真」である場合(YES)、信号選択部101が、選択信号SIGにMIN信号を設定し、これを黒生成量演算部105に出力する(ステップS32)。一方、ステップS31における判定結果が「偽」である場合(NO)、信号選択部101が、選択信号SIGにMAX信号を設定し、これを黒生成量演算部105に出力する(ステップS33)。
次に、Kテーブルメモリアクセス部104が、領域識別信号SEGに応じてKテーブルを1つ選択し(ステップS34)、選択されたKテーブルに含まれる2つの1次元KテーブルLUT1およびLUT2から、MIN信号に基づき、黒生成量K1および黒生成量K2を読み出す(ステップS35)。最後に、黒生成量演算部105が、黒生成量K1、黒生成量K2、MIN信号、および選択信号SIG(すなわち、MIN信号またはMAX信号)を用いて、式(2)に示す補間演算を行い、黒生成量K’を算出する(ステップS36)。
図14は、下色除去量算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図によると、下色除去量演算部が行う下色除去処理は、使用するルックアップテーブルがKテーブルではなくUCRテーブルであることを除き、黒生成処理と同様の処理を行うことによって、下色除去量UCRを算出する処理である。したがって、この処理の流れは図13に示す処理に流れと実質的に同一であるため、S41〜S46の説明をS31〜S36の説明に代えて省略する。
〔黒生成量算出部200〕
なお、本発明の目的は、図15に示すように、MIN信号およびMAX信号を選択せず、そのかわりに使用するKテーブルを選択する構成の黒生成量算出部200によっても達成できる。そこで、以下に、この黒生成量算出部200の構成およびその処理について、詳細に説明する。
図15は、本発明の他の実施形態を示すものであり、黒生成量算出部200の構成を示すブロック図である。この図によると、黒生成量算出部200は、概略的に、Kテーブルメモリアクセス部201(黒特性量取得手段)、Kテーブルメモリ204(関数データ格納部)、および黒生成量演算部205を備えた構成である。ここで、Kテーブルメモリアクセス部201は、第1アクセス部202および第2アクセス部203を備えた構成である。
〔Kテーブルメモリ204〕
Kテーブルメモリ204には、n個(nは正の整数)の1次元KテーブルT1〜Tnが格納されている。これらの1次元KテーブルT1〜Tnには、それぞれ、MIN信号に対応した複数の黒生成量が格納されている。また、これらの1次元KテーブルT1〜Tnは、いずれも、領域識別信号SEGに対応して最適化されているものである。また、1次元KテーブルT1〜Tnは、複数の無彩色軸用黒生成量テーブルと、複数の高彩度軸用黒生成量テーブルとから構成される。
〔Kテーブルメモリアクセス部201〕
Kテーブルメモリアクセス部201には、領域識別信号SEGおよびMIN信号が入力される。Kテーブルメモリアクセス部201は、Kテーブルメモリ204にアクセスして、2つの1次元Kテーブルを選択する。その際、Kテーブルメモリアクセス部201は、領域識別信号SEGに基づき、選択する1次元Kテーブルを決定する。具体的に説明すると、Kテーブルメモリアクセス部201に備えられる第1アクセス部202および第2アクセス部203が、いずれも、領域識別信号SEGに基づき、Kテーブルメモリ204にアクセスして、最適な1次元Kテーブルを、それぞれ1つ選択する。そして、第1アクセス部202および第2アクセス部203は、選択した1次元Kテーブルから、MIN信号に基づき、それぞれ、黒生成量K1およびK2(第1黒生成量)を読み出して、黒生成量演算部205に出力する。
ここで、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、第1アクセス部202および第2アクセス部203は、1次元KテーブルT1〜Tnの中から、それぞれ異なる1次元Kテーブルを選択する。このとき、第1アクセス部202は、無彩色領域(グレー領域)に対応した1次元KテーブルLUT1(無彩色軸用黒生成量テーブル)を選択する。一方、第2アクセス部203は、彩度成分を考慮に入れた1次元KテーブルLUT2(高彩度軸用黒生成量テーブル)を選択する。そして、第1アクセス部202は、選択した1次元KテーブルLUT1から、MIN信号に基づき黒生成量K1を読み出す。また、第2アクセス部203は、選択した1次元KテーブルLUT2から、MIN信号値に基づき黒生成量K2を読み出す。したがって、この場合、黒生成量K1と黒生成量K2とは、それぞれ、特性の異なる1次元Kテーブルから読み出される黒生成量となる。
一方、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、第1アクセス部202および第2アクセス部203は、いずれも、1次元KテーブルT1〜Tnの中から、同一の1次元Kテーブルを選択する。このとき、第1アクセス部202および第2アクセス部203は、いずれも、無彩色領域(グレー領域)に対応した同一の1次元KテーブルLUT1(無彩色軸用黒生成量テーブル)を選択する。そして、第1アクセス部202および第2アクセス部203は、いずれも、選択した同一の1次元KテーブルLUT1から、MIN信号値に基づき、黒生成量K1および黒生成量K2を読み出す。この結果、黒生成量K1と黒生成量K2とは同一の値となる。
〔黒生成量演算部205〕
黒生成量演算部205には、黒生成量K1、黒生成量K2、MIN信号、およびMAX信号が入力される。そして、黒生成量演算部205は、入力された黒生成量K1およびK2から、MIN信号およびMAX信号に基づき、式(4)に示す補間演算を行う。これにより、黒生成量演算部205は、画像データに対する黒生成量K’(第2黒生成量)を算出し、空間フィルタ処理部27に出力する。
Figure 0004266002
この式に示すように、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定される場合、黒生成量演算部205が算出する黒生成量K’には、1次元KテーブルLUT1から読み出された黒生成量K1と、1次元KテーブルLUT2から読み出された黒生成量K2という、2つの特性の異なる黒生成量の情報が反映されることになる。これにより、算出される黒生成量K’は、MIN信号およびMAX信号と、黒生成量との関係を2対1に対応づけて格納した、いわゆる2次元の黒生成テーブルから求められる黒生成量と、実質的に同等となる。したがって、黒生成量演算部205は、網点領域または写真領域と判定される領域に対して、2次元の黒生成処理に匹敵した処理を行うことになる。これにより、網点領域または写真領域であると判定される領域において、彩度に応じた適切な黒生成処理が行われる結果、画質が向上する。
一方、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、黒生成量K1と黒生成量K2とは等しい値となる。したがって、この場合、式(4)は、次に示す式(5)に実質的に等価となる。
Figure 0004266002
このように、黒生成量K1と黒生成量K2とが等しい、すなわち、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、黒生成量K’と黒生成量K1(黒生成量K2)とは等値となる。したがって、黒生成量演算部205は実質的に補間演算を行わないことになる。換言すると、黒生成量演算部205が式(4)に示す補間演算を行う際、Kテーブルメモリアクセス部201が読み出した黒生成量K1およびK2が互いに同一値である場合、黒生成量K’は黒生成量K1と等しくなる。ここで、黒生成量K1は、1次元KテーブルLUT1から読み出された黒生成量である。したがって、黒生成量K’は、1次元KテーブルLUT1から読み出された黒生成量に等しくなる。すなわち、黒生成量演算部205は、文字領域または色にじみ領域と判定される領域に対して、結果的に1次元の黒生成処理を行うことになる。
黒生成量算出部200における作用・効果を以下にまとめる。領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、第2アクセス部203は、1次元KテーブルLUT1から黒生成量K1を読み出す。上述したように、黒生成量演算部205は、第2アクセス部203が1次元KテーブルLUT1から黒生成量K1を読み出す場合、1次元の黒生成処理を行い、無彩色領域に適した黒生成量を決定する。したがって黒生成量演算部205は、無彩色である文字領域や、有彩色と判定されているが本来は無彩色であるはずの色にじみ領域に対して、無彩色領域に適した黒生成量を決定する。これにより、これらの領域におけるグレーの再現性を向上させたり、色材の使用量を減らしたりすることができる。
一方、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、第2アクセス部203は、1次元KテーブルLUT2から黒生成量K2を読み出す。上述したように、黒生成量演算部205は、第2アクセス部203が1次元KテーブルLUT2から黒生成量K2を読み出す場合、2次元の黒生成処理を行い、彩度成分を考慮に入れた黒生成量を決定する。したがって黒生成量演算部205は、網点領域や写真領域に対して、彩度成分を考慮に入れた黒生成量を決定する。これにより、これらの領域における色の再現性を向上させることができるため、画質を向上させることができる。
また、黒生成量算出部200は、結果的に、領域識別信号SEGに基づいた、1次元および2次元の黒生成処理のいずれかを選択的に行う。すなわち、黒生成量算出部200は、領域識別信号SEGに基づき、言い換えると、領域の種類(画像の特性)に応じて、1次元および2次元の黒生成処理のいずれか一方を行うことができる。
これにより、黒生成量算出部200を備えるカラー画像処理装置20は、同一のハードウェアを用いて、1次元および2次元の黒生成処理を行うことができる。それゆえ、カラー画像処理装置20は、特定次元の黒生成処理を行うための専用ハードウェアを幾つも備える必要がなく、装置の構成を単純にでき、かつ、装置に掛かるコストを削減できる。さらに、カラー画像処理装置20は、1次元Kテーブルを使用するため、Kテーブルを格納するためのメモリ量を、2次元Kテーブルを使用する場合に比べて大幅に低減できる。
〔黒生成量算出部300〕
なお、本発明の目的は、図16に示すように、図15の構成による処理と並列して1つの1次元Kテーブルから黒生成量を読み出す処理を行い、これらの処理の結果算出される2つの黒生成量のうち、いずれか一方を選択的に出力する黒生成量算出部300によっても達成するようにしてもよい。
この場合、黒生成量算出部300は、概略的に、2次元黒生成量算出部301、1次元黒生成量算出部302、Kテーブルメモリ307、および出力選択部309により構成される。ここで、2次元黒生成量算出部301を構成する、第1アクセス部304と第2アクセス部305とを備えるKテーブルメモリアクセス部303および黒生成量演算部308、Kテーブルメモリ307は、図15に示した第1アクセス部202・第2アクセス部203とを備えるKテーブルメモリアクセス部201、黒生成量演算部205、Kテーブルメモリ204と同様であるので説明を省略する。なお、図16では黒生成量演算部308の演算結果をK3としている。
〔1次元黒生成量算出部302〕
1次元黒生成量算出部302は、1次元の黒生成処理を行うものであり、第3アクセス部306が、Kテーブルメモリ307にアクセスして、無彩色特性に対応した1次元KテーブルLUT1を選択する。そして、第3アクセス部306は、MIN信号に基づき、1次元KテーブルLUT1から黒生成量K4を読み出して、出力選択部309に出力する。このように、1次元黒生成量算出部302が算出する黒生成量K4は、1次元KテーブルLUT1からMIN信号に基づき読み出される黒生成量であるため、1次元の黒生成処理によって求められるものである。
〔出力選択部309〕
出力選択部309には、黒生成量K3、黒生成量K4、および領域識別信号SEGが入力される。出力選択部309は、入力された黒生成量K3およびK4のうち、領域識別信号SEGに基づいていずれか一方を選択し、これを画像データに対する黒生成量K’として、空間フィルタ処理部27に出力する。
例えば、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、出力選択部309は、黒生成量K4を黒生成量K’として選択し一方、領域識別信号SEGが表す領域が網点領域または写真領域であると判定した場合、出力選択部309は、黒生成量K3を黒生成量K’として選択し出力する。
〔色相判定信号〕
なお、以上に説明した、1次元Kテーブルを使用する黒生成量算出部(下色除去量算出部)では、画像データの色相を表す色相判定信号に基づき、最適な1次元Kテーブルを使用してもよい。この例について、以下に説明する。
この場合、Kテーブルメモリには、1次元Kテーブルとして、グレー領域に対応したグレー軸用1次元Kテーブルを1つと、各色相に対応した高彩度軸用1次元Kテーブルを複数、格納しておく。また、カラー画像処理装置20には、画像データの色相を判定する色相判定部がさらに備えられる。
色相判定部には、各画素のCMY信号が入力される。そして、色相判定部は、入力CMYの大小比較を行い、予め分割された色相に近い色相を2つ、選択する。そして、色相判定部は、選択された色相を表す色相判定信号を出力する。ここで、色相の分割方法として、CMYの中から2つを選択する、3通りに分割する方法と、CMYRGBの中から2つを選択する、6通りに分割する方法がある。
次に、黒生成量算出部が、色相判定信号に基づき、まず、選択した2つの色相の高彩度軸用Kテーブルから読み出す黒生成量と、グレー軸用Kテーブルから読み出す黒生成量と、MIN信号と、MAX信号とを用いて、色相ごとの黒生成量を、何らかの補間演算により求める。そして、黒生成量算出部は、選択した2つの色相と画像データとの位置関係と、補間演算により算出した色相ごとの黒生成量とを用いて、さらに別の補間演算により、画像データに対する黒生成量を求める。
このようにして、各色相の黒生成量を算出する際、色相判定信号に基づき一次元Kテーブルを切り換えることができる。
〔黒生成量算出部400〕
なお、本発明の目的は、図17に示すように、MIN信号およびMAX信号と、黒生成量との関係を2対1に対応づけて格納した、いわゆる2次元の黒生成テーブルを使用する黒生成量算出部400によっても達成できる。そこで、以下に、黒生成量算出部400の構成および処理について、図17〜図19を参照して詳細に説明する。
図17は、本発明の他の実施形態を示すものであり、黒生成量算出部400の構成を示すブロック図である。この図によると、黒生成量算出部400は、信号選択部401(パラメータ選択手段)と、Kテーブルメモリ402(関数データ格納部)と、Kテーブルメモリアクセス部403(黒特性量取得手段)とを備えた構成である。
〔信号選択部401〕
信号選択部401には、MAX信号、MIN信号、および領域識別信号SEGが入力される。ここで、信号選択部401は、入力されたMIN信号(第1パラメータ)およびMAX信号のいずれか一方を選択する。具体的に説明すると、信号選択部401は、領域識別信号SEGに基づき、MAX信号およびMIN信号のいずれか一方を、選択信号SIGとして、Kテーブルメモリアクセス部403へ出力する。例えば、領域識別信号SEGを文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、信号選択部401は、選択信号SIGとしてMIN信号をKテーブルメモリアクセス部403へ出力する。一方、領域識別信号SEGを網点領域または写真領域を表す領域であると判定した場合、信号選択部401は、選択信号SIGとしてMAX信号をKテーブルメモリアクセス部403へ出力する。
〔Kテーブルメモリ402〕
Kテーブルメモリ402には、n(nは正の整数)個の2次元KテーブルD1〜Dnが格納される。これらの2次元KテーブルD1〜Dnは、いずれも、領域識別信号SEGに対応して、予め最適化されたものである。具体的に説明すると、各2次元KテーブルD1〜Dnには、MIN信号と選択信号SIGとを座標とする2次元の格子点に対応して、複数の黒生成量が格納される。また、各2次元KテーブルD1〜Dnでは、MIN信号と選択信号SIGとが等しくなる格子点に、無彩色領域に適した黒生成量が格納されている。
〔Kテーブルメモリアクセス部403〕
Kテーブルメモリアクセス部403には、領域識別信号SEG、MIN信号、および選択信号SIGが入力される。ここで、Kテーブルメモリアクセス部403は、Kテーブルメモリ402にアクセスして、1つの黒生成量を読み出す。具体的に説明すると、Kテーブルメモリアクセス部403は、まず、Kテーブルメモリ402にアクセスし、領域識別信号SEGに基づき、最適な2次元Kテーブルを1つ選択する。
このとき、Kテーブルメモリアクセス部403は、選択信号SIGがMAX信号である場合、図18に示すように、選択した2次元Kテーブルから、MIN信号とMAX信号(SIG)の座標に対応する格子点の位置に格納されている1つの黒生成量K’を読み出し、これを画像データに対する黒生成量として、空間フィルタ処理部27に出力する。ここで、上述したように、領域識別信号SEGが、網点領域または写真領域を表す信号である場合、選択信号SIGはMAX信号となる。この結果、Kテーブルメモリアクセス部403は、網点領域または写真領域に対して、2次元の黒生成処理を行うことになる。したがって黒生成量算出部400は、網点領域や写真領域に対して、彩度成分を考慮に入れた黒生成量を決定する。これにより、これらの領域における色の再現性を向上させることができるため、画質を向上させることができる。
一方、上述したように、領域識別信号SEGが文字領域または色にじみ領域を表す信号である場合、選択信号SIGはMIN信号となる。この結果、Kテーブルメモリアクセス部403は、文字領域または色にじみ領域に対して、1次元の黒生成処理を行うことになる。したがって、黒生成量算出部400は、無彩色である文字領域や、有彩色であるが本来は無彩色であるはずの色にじみ領域に対して、無彩色領域に適した黒生成量を決定する。これにより、これらの領域におけるグレーの再現性を向上させることができる。
以上のように、Kテーブルメモリアクセス部403は、領域識別信号SEGに基づき、2次元Kテーブルを、1次元または2次元Kテーブルとして利用できる。したがって、黒生成量算出部400は、領域識別信号SEGに基づき、換言すると、領域の種類(画像の特性)に応じて、1次元および2次元の黒生成処理を切り換えて行うことができる。これにより、カラー画像処理装置20は、無彩色領域に適した黒生成量の決定および彩度成分を考慮に入れた黒生成量の決定の両方、すなわち、1次元および2次元の黒生成処理の両方を行うことができる。またカラー画像処理装置では、無彩色領域用の1次元Kテーブルと、彩度成分を考慮に入れた2次元Kテーブルとを分けてメモリ等に格納しておく必要が無い。さらにカラー画像処理装置20では、黒生成量算出部400を無彩色領域用および彩度成分を考慮に入れた場合とに分けて設ける必要も無い。したがってカラー画像処理装置は、メモリリソースの削減と装置構成の簡素化とを図ることができるという効果も奏する。
〔特性信号の他の例〕
なお、上述した黒生成量算出部44〜400では、領域識別信号SEGではなく、入力画像の他の特性を表す特性信号に基づいた黒生成処理を行ってもよい。例えば、領域識別信号SEGの代わりに、原稿種別あるいは画像モードを表す特性信号等が、黒生成量算出部44〜400に入力されればよい。この場合、黒生成量算出部44〜400は、入力原稿の種別や、操作パネルから入力される画像モード(文字原稿モード・文字/写真モード等)に応じて、1次元および2次元の黒生成処理を選択的に行うことができる。具体的に説明すると、原稿種別あるいは画像モードに応じて、例えば、信号選択部で選択信号SIGとして選択する信号を切り換えたり、Kテーブルメモリアクセス部104において選択するKテーブルの種類を切り換えたりすることができる。
〔パラメータ生成手段〕
本実施の形態では、パラメータ生成手段として、最大値・最小値算出部41を例に挙げて説明した。しかし、パラメータ生成手段は最大値・最小値算出部41に限定されるものではない。すなわち、パラメータ生成手段は、画像データに含まれる画素値から、第1および第2のパラメータを生成するものであればよい。例えば画像データが表す画像に含まれる画素がC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の三種の色成分よりなる場合、パラメータ生成手段は、画像データに含まれるこれらの色成分の量を基に、第1および第2のパラメータを生成すればよい。
また、上述した通り、カラー画像処理装置が処理する画像データが表す画像は、複数の色成分からなるものである。これらの色成分の濃度比率に応じて、画像データが表す画像の明度、色相、および彩度は変化する。したがってパラメータ生成手段は、単に第1および第2のパラメータを生成するのではなく、これらのパラメータを、それぞれ画像データの無彩色特性および有彩色特性を反映した変数として生成すればよい。すなわちパラメータ生成手段は、画像データが表す画像の色特性に応じて異なる第1および第2のパラメータを生成することになる。例えば、パラメータ生成手段は、入力CMY信号の平均値や中央値を求め、これをMIN信号の代わりに第1のパラメータとして出力してもよい。
〔関数データ〕
また、本実施の形態では、Kテーブルメモリ104〜402にKテーブルが含まれる例を挙げて説明した。しかし、Kテーブルメモリ103には、パラメータ生成手段が生成する第1のパラメータと、黒特性量との関係を予め定めた「関数データ」が格納されていてもよい。この関数データは、入力された第1のパラメータに対応した黒特性量を、何らかの方法で特定して出力する関数を表すデータである。この関数データは、例えば、第1のパラメータと黒特性量とを1対1の関係に対応づけて格納した、黒特性量テーブルとすることができる。また、関数データは、入力した第1のパラメータを基に所定の演算を施すことによって、黒特性量を返す数式データとすることもできる。
さらに、Kテーブルメモリ402には、パラメータ生成手段が生成する第1および第2のパラメータと、彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた「2元関数データ」を格納してもよい。この2元関数データは、入力された第1および第2のパラメータに対応した黒特性量を何らかの方法で特定して出力する関数を表すデータである。また、この2元関数データにおいて、第1のパラメータと第2のパラメータとが等しくなる部分は、第1のパラメータと黒特性量との関係に基づいて無彩色領域に適した黒特性量を予め定めた1元関数データとすればよい。
この2元関数データは、例えば、第1および第2のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量とを2対1の関係に対応づけて格納した、2次元黒特性量テーブルとすることができる。この場合、2元関数データの一部を、第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量とを1対1の関係に対応づけて格納した、1次元黒特性量テーブルとして利用することになる。また、この2元関数データは、第1および第2のパラメータを基に所定の演算を施すことによって、彩度成分を考慮に入れた黒特性量を返す一方、第1および第2のパラメータが等しい場合には、返された値が無彩色領域に適した黒特性量となるような数式データとすることもできる。
〔他の可能な構成〕
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択部と、上記画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)と、上記特性信号に基づいて対応する黒生成量群を選択する黒生成量選択部(Kメモリアクセス部)と、上記選択された複数の黒生成量群から、上記画像データから求められる予め定められたパラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1黒生成量(黒生成量K1・黒生成量K2)と、上記信号選択部により選択されたパラメータ(MAX信号またはMIN信号)と画像データから求められる予め定められたパラメータ(MIN信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2黒生成量(K)を算出する黒生成量計算部を備えることを特徴とする画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、上記特性信号が領域識別信号であり、領域識別信号が文字領域またはにじみ領域の場合には上記信号選択部で画像データから求められるパラメータであるMIN信号を選択し、領域識別信号が網点領域または写真領域の場合には上記信号選択部で画像データから求められるパラメータであるMAX信号を選択することを特徴とするカラー画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択部と、上記画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)と、上記画像データの特性信号と、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つのパラメータ(MIN信号)と、上記信号選択部により選択されたパラメータ(MAX信号またはMIN信号)とを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する黒生成量を求める黒生成量選択部を備えることを特徴とする画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択部と、上記画像データの特性に応じた下色除去量群を格納する下色除去量格納部と、上記特性信号に基づいて対応する下色除去量群を選択する下色除去量選択部と、上記選択された複数の下色除去量群から、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つに基づき読み出される複数の第1下色除去量と、上記信号選択部により選択されたパラメータを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2下色除去量を算出する下色除去量計算部を備えることを特徴とする画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択部と、上記画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する下色除去量格納部と、上記画像データの特性信号と、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つのパラメータと、上記信号選択部により選択されたパラメータとを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する下色除去量を求める下色除去量選択部を備えることを特徴とする画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択工程と、上記画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)より、上記特性信号に基づいて対応する黒生成量群を選択する黒生成量選択工程と、上記選択された複数の黒生成量群から、上記画像データから求められる予め定められたパラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1黒生成量(黒生成量K1・黒生成量K2)と、上記信号選択部により選択されたパラメータ(MAX信号またはMIN信号)と画像データから求められる予め定められたパラメータ(MIN信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2黒生成量(K)を算出する黒生成量計算工程とを有することを特徴とする画像処理方法とすることもできる。
また、本発明の画像処理方法は、上記特性信号が領域識別信号であり、領域識別信号が文字領域またはにじみ領域の場合には上記信号選択部で画像データから求められるパラメータであるMIN信号を選択し、領域識別信号が網点領域または写真領域の場合には上記信号選択部で画像データから求められるパラメータであるMAX信号を選択することが好ましい。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択工程と、上記画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)より、上記画像データの特性信号と、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つのパラメータ(MIN信号)と、上記信号選択工程により選択されたパラメータ(MAX信号またはMIN信号)とを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する黒生成量を求める黒生成量選択工程を含むことを特徴とする画像処理方法としてもよい。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択工程と、上記画像データの特性に応じた下色除去量群を格納する下色除去量格納部より、上記特性信号に基づいて対応する下色除去量群を選択する下色除去量選択工程と、上記選択された複数の下色除去量群から、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つに基づき読み出される複数の第1下色除去量と、上記信号選択部により選択されたパラメータを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2下色除去量を算出する下色除去量計算工程を備えることを特徴とする画像処理方法として構成することもできる。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて、この画像データから求められる複数のパラメータよりいずれか1つのパラメータを選択する信号選択工程と、上記画像データの特性に応じた下色除去量群を格納する下色除去量格納部より、上記画像データの特性信号と、上記画像データから求められる複数のパラメータの中の1つのパラメータと、上記信号選択工程により選択されたパラメータとを用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する下色除去量を求める下色除去量選択工程を備えることを特徴とする画像処理方法として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)と、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて対応する黒生成量群を選択する黒生成量選択部(Kメモリアクセス部)と、上記選択された複数の黒生成量群から、上記画像データから求められる第1パラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1黒生成量(黒生成量K1・黒生成量K2)と、上記画像データから求められる第2パラメータ(MAX信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2黒生成量(K)を算出する黒生成量計算部を備えることを特徴とする画像処理装置として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、上記黒生成量選択部は、特性信号に応じて同じ黒生成量群を選択することを特徴とすることが好ましい。
また、本発明の画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データの特性に応じた下色除去量群を格納する下色除去量格納部(UCRテーブルメモリ)と、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて対応する下色除去量群を選択する下色除去量選択部(UCRメモリアクセス部)と、上記選択された複数の下色除去量群から、上記画像データから求められる第1パラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1下色除去量(UCR1・UCR2)と、上記画像データから求められる第2パラメータ(MAX信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2下色除去量(UCR)を算出する下色除去量計算部を備えることを特徴として構成することもできる。
また、本発明の画像処理装置は、上記下色量選択部は、特性信号に応じて同じ下色除去量群を選択することを特徴とすることが好ましい。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性に応じた黒生成量群を格納する黒生成量格納部(Kテーブルメモリ)より、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて対応する黒生成量群を選択する黒生成量選択工程と、上記選択された複数の黒生成量群から、上記画像データから求められる第1パラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1黒生成量(黒生成量K1・黒生成量K2)と、上記画像データから求められる第2パラメータ(MAX信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2黒生成量(K)を算出する黒生成量計算工程を備えることを特徴とする画像処理方法として構成することもできる。
また、本発明の画像処理方法は、上記黒生成量選択工程は、特性信号に応じて同じ黒生成量群を選択することを特徴とすることが好ましい。
また、本発明の画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データの特性に応じた下色除去量群を格納する下色除去量格納部(UCRテーブルメモリ)より、複数の色成分よりなる画像データの特性を表す特性信号に基づいて対応する下色除去量群を選択する下色除去量選択工程と、上記選択された複数の下色除去量群から、上記画像データから求められる第1パラメータ(MIN信号)に基づき読み出される複数の第1下色除去量(UCR1・UCR2)と、上記画像データから求められる第2パラメータ(MAX信号)を用いて、複数の色成分よりなる画像データに対する第2下色除去量(UCR)を算出する下色除去量計算工程を備えることを特徴とする画像処理方法として構成することもできる。
また、本発明の画像処理方法は、上記下色量選択工程は、特性信号に応じて同じ下色除去量群を選択することを特徴とすることが好ましい。
本発明の画像処理方法は、ソフトウェア(アプリケーションプログラム)として実現できる。この場合、黒生成下色除去処理を実現するソフトウェアを組み込んだ、プリンタ・ドライバをコンピュータに設けることができる。
図20に示すように、本発明に係るコンピュータ100には、プリンタ・ドライバ110、通信ポートドライバ120、通信ポート130が組み込まれている。プリンタ・ドライバ110は、色補正部111、黒生成下色除去部112、階調再現処理部113、プリンタ言語翻訳部114を有している。色補正部111、階調再現処理部113は、図2で示した色補正部25および階調再現処理部29と同様の処理を行うものである。黒生成下色除去部112は、図1、図4〜図14等で説明した黒生成下色除去部と同様の処理を行うものである。
また、コンピュータ100は、プリンタ(画像出力装置)150と接続されており、プリンタ150は、コンピュータ100から出力された画像データに応じて画像出力するようになっている。
コンピュータ100において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データは、色補正部111、黒生成下色除去部112、階調再現処理部113で上述の処理がなされる。上記処理がなされた画像データは、プリンタ言語翻訳部114にてプリンタ言語に変換され、通信ポートドライバ120、通信ポート130(例えばRS232C・LAN等)を介してプリンタ150に入力される。プリンタ150は、プリンタ機能の他に、コピー機能およびファックス機能を有するデジタル複合機であってもよい。
また、本発明は、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、1次元K(UCR)テーブルと、補間演算により黒生成下色除去処理を行う画像処理方法とを記録したものとして提供することもできる。この結果、1次元K(UCR)テーブルと、補間演算により黒生成下色除去処理を行う画像処理方法を行うプログラムとを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供できる。あるいは、記録媒体は、2次元K(UCR)テーブルと、黒生成下色除去処理を行う画像処理方法とを記録したものとしても提供できる。この結果、2次元K(UCR)テーブルと、黒生成下色除去処理を行う画像処理方法とを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供できる。
ここで、プログラム等を記録する記録媒体は、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであればよい。あるいは、記録媒体は、図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であればよい。または、格納されているプログラムは、プログラムを読み出すことにより、読み出されたプログラムが、マイクロコンピュータの図示しないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは、予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記したプログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体である。すなわち、プログラムメディアは、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、この場合、記録媒体は、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成とし、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、ダウンロード用のプログラムは、予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
上記した記録媒体が、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで、上述した画像処理方法が実行される。
なお、上記したコンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスクプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙に出力するプリンタより構成される。さらには、コンピュータシステムには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としての、ネットワークカードやモデムなどが備えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の画像処理装置は、入力画像データに対して、原稿の種別に応じた適切な黒生成処理(下色除去処理)、特に同一のハードウェアやメモリを用いて1次元および2次元の黒生成処理(下色除去処理)のいずれかを選択的に行うことができるため、K(黒)色材を用いた画像出力を行うカラー複写機やカラープリンタ等の用途に適用できる。
本発明の一実施形態を示すものであり、黒生成量算出部の要部構成を示すブロック図である。 カラー画像処理装置を適用する画像形成装置の構成を示すブロック図である。 領域分離処理部の構成を示すブロック図である。 黒生成下色除去部の構成を示すブロック図である。 にじみ処理部の構成の一例を示すブロック図である。 Kテーブルメモリの構成の一例を示す図である。 黒生成量演算部が、2つの1次元Kテーブルから読み出した2つの黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を行って、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。 黒生成量演算部が、2つの1次元Kテーブルから読み出した2つの黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を行って、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。 MIN信号が選択信号SIGである場合に、黒生成量演算部が、2つの1次元Kテーブルから読み出した黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を用いて1次元の黒生成処理と同等の結果を得ることによって、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。 MIN信号が選択信号SIGである場合に、黒生成量演算部が、2つの1次元Kテーブルから読み出した黒生成量から、補間演算による2次元の黒生成処理を用いて1次元の黒生成処理と同等の結果を得ることによって、画像データに対する黒生成量K’を算出する方法の概念を示す図である。 黒生成量算出部における処理全体の流れを示すフローチャートである。 色にじみ処理の流れを示すフローチャートである。 黒生成量算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 下色除去量算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態を示すものであり、黒生成量算出部の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、黒生成量算出部の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、黒生成量算出部の構成を示すブロック図である。 黒生成量算出部において、2次元Kテーブルから黒生成量を算出する方法の概念を表す図である。 黒生成量算出部において、2次元Kテーブルの一部を1次元Kテーブルとして使用する方法の概念を表す図である。 本発明に係るカラー画像処理装置を適用する、図2とは異なる例の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
24 領域分離処理部
31 領域分離部
32 色にじみ判定部
33 有彩色判定部
34 エッジ抽出処理部
35 近傍画素判定部
41 最大値・最小値算出部(パラメータ生成手段)
42 にじみ処理部
43 下色除去量算出部
44 黒生成量算出部(黒特性量決定手段)
45 下色除去処理部
51 平均値算出部
52 にじみ信号選択部
60,82,84 直線
80 グラフ
101 信号選択部(パラメータ選択手段)
102 黒生成部
103 Kテーブルメモリ(関数データ格納部)
104 Kテーブルメモリアクセス部(黒特性量取得手段)
105 黒生成量演算部
201 Kテーブルメモリアクセス部(黒特性量取得手段)
202 第1アクセス部(第1の黒特性量取得手段)
203 第2アクセス部(第2の黒特性量取得手段)
204 Kテーブルメモリ(関数データ格納部)
205 黒生成量演算部
301 2次元黒生成量算出部
302 1次元黒生成量算出部
303 Kテーブルメモリアクセス部(黒特性量取得手段)
304 第1アクセス部
305 第2アクセス部
306 第3アクセス部
307 Kテーブルメモリ(関数データ格納部)
308 黒生成量演算部
309 出力選択部
401 信号選択部(パラメータ選択手段)
402 Kテーブルメモリ(関数データ格納部)
403 Kテーブルメモリアクセス部(黒特性量取得手段)

Claims (13)

  1. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いることによって黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成手段と、
    上記第1または第2のパラメータを予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択手段と、
    上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定手段を備え、
    上記パラメータ選択手段は、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1のパラメータまたは上記第2のパラメータのいずれか一方を選択し、
    上記2元関数データは、上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データと、上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データとからなっており、
    上記第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得し、かつ、上記第2の関数データから、上記第1のパラメータに基づき彩度成分を考慮に入れた第2の黒特性量を取得する黒特性量取得手段をさらに備えており、
    上記黒特性量決定手段は、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと、上記パラメータ選択手段により選択された選択パラメータとに基づいた補間演算を行うことにより上記画像データに適用する黒特性量を求めることを特徴とする画像処理装置。
  2. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いることによって黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成手段と、
    上記第1または第2のパラメータを予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択手段と、
    上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定手段を備え
    上記パラメータ選択手段は、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1のパラメータまたは上記第2のパラメータのいずれか一方を選択し、
    上記2元関数データは、上記第1および第2のパラメータにより黒特性量を関連づける2次元ルックアップテーブルであり、
    上記黒特性量決定手段は、上記第1のパラメータと、上記パラメータ選択手段により選択された選択パラメータとに基づいて、上記2次元ルックアップテーブルから、画像データに適用する黒特性量を求めることを特徴とする画像処理装置。
  3. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いることによって黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成手段と、
    上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得する第1の黒特性量取得手段と、
    上記第1のパラメータと彩度成分を考慮した黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データ、または上記第1の関数データから、予め定められた基準に基づき関数データを選択し、選択した関数データから上記第1のパラメータに基づき第2の黒特性量を取得する第2の黒特性量取得手段と、
    上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことによって、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定手段とを備え
    上記第2の黒特性量取得手段は、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1または第2の関数データから、上記第2の黒特性量を取得することを特徴とする画像処理装置。
  4. 上記2元関数データは、それぞれ、上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成され、
    上記複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納する関数データ格納部と、
    上記黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記関数データ格納部において、上記特性信号に対応した上記2元関数データから上記黒特性量を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 上記第1および第2の関数データは、それぞれ、上記画像の特性に応じた異なる複数の関数データで構成され、上記複数の関数データを、上記特性を表す特性信号と対応づけて格納する関数データ格納部をさらに備えており、
    上記第1の黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記第1の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データから上記第1の黒特性量を取得し、かつ、上記第2の黒特性量取得手段は、上記特性信号に基づき、上記第2の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データ、または上記第1の関数データにおける上記特性信号に対応した関数データから、上記第2の黒特性量を取得することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 上記特性信号は、上記画像に含まれる各画素あるいは画素群が属する、少なくとも文字領域、色にじみ領域、網点領域、または写真領域のいずれかを含む領域の種別を表す領域識別信号であり、
    上記パラメータ選択手段は、
    上記領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、上記第1のパラメータを選択して上記選択パラメータとする一方で、
    上記領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、上記第2のパラメータを選択して上記選択パラメータとすることを特徴とする請求項1、2、または4に記載の画像処理装置。
  7. 上記特性信号は、上記画像に含まれる各画素あるいは画素群が属する、少なくとも文字領域、色にじみ領域、網点領域、または写真領域のいずれかを含む領域の種別を表す領域識別信号であり、
    上記第2の黒特性量取得手段は、
    上記領域識別信号を文字領域または色にじみ領域を表す信号であると判定した場合、上記第1の関数データから上記第2の黒特性量を取得する一方で、
    上記領域識別信号を網点領域または写真領域を表す信号であると判定した場合、上記第2の関数データから上記第2の黒特性量を取得することを特徴とする請求項またはに記載の画像処理装置。
  8. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いて黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記黒特性量を生成する画像処理方法であって、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成ステップと、
    上記第1または第2のパラメータを予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択ステップと、
    上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定ステップとを含み、
    上記パラメータ選択ステップにおいて、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1のパラメータまたは上記第2のパラメータのいずれか一方を選択し、
    上記2元関数データは、上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データと、上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データとからなっており、
    上記第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得し、かつ、上記第2の関数データから、上記第1のパラメータに基づき彩度成分を考慮に入れた第2の黒特性量を取得する黒特性量取得ステップをさらに含んでおり、
    上記黒特性量決定ステップにおいて、上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと、上記パラメータ選択ステップにおいて選択された選択パラメータとに基づいた補間演算を行うことにより上記画像データに適用する黒特性量を求めることを特徴とする画像処理方法。
  9. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いて黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記黒特性量を生成する画像処理方法であって、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成ステップと、
    上記第1または第2のパラメータを予め定められた基準に基づき選択して、選択パラメータとして出力するパラメータ選択ステップと、
    上記第1のパラメータと上記選択パラメータとに基づいて、上記第1および第2のパラメータと黒特性量との関係を定めた2元関数データから、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定ステップとを含み、
    上記パラメータ選択ステップにおいて、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1のパラメータまたは上記第2のパラメータのいずれか一方を選択し、
    上記2元関数データは、第1および第2のパラメータにより黒特性量を関連づける2次元ルックアップテーブルであり、
    上記黒特性量決定ステップにおいて、上記第1のパラメータと、上記パラメータ選択ステップにおいて選択された選択パラメータとに基づいて、上記2次元ルックアップテーブルから、画像データに適用する黒特性量を求めることを特徴とする画像処理方法。
  10. 複数の色成分よりなる画像を表す画像データに対して黒特性量を用いて黒生成処理または下色除去処理を行う画像処理装置において、上記黒特性量を生成する画像処理方法であって、
    上記画像データに含まれる画素値から、上記画像の無彩色特性を反映した第1のパラメータと、上記画像の有彩色特性を反映した第2のパラメータとを生成するパラメータ生成ステップと、
    上記第1のパラメータと無彩色領域に適した黒特性量との関係を予め定めた第1の関数データから、上記第1のパラメータに基づき、無彩色領域に適した第1の黒特性量を取得する第1の黒特性量取得ステップと、
    上記第1のパラメータと彩度成分を考慮に入れた黒特性量との関係を予め定めた第2の関数データ、または上記第1の関数データから、予め定められた基準に基づき関数データを選択し、選択した関数データから上記第1のパラメータに基づき第2の黒特性量を取得する第2の黒特性量取得ステップと、
    上記取得された第1および第2の黒特性量から、上記第1のパラメータと上記第2のパラメータとに基づいた補間演算を行うことによって、上記画像データに適用する黒特性量を求める黒特性量決定ステップとを含み、
    上記第2の黒特性量取得ステップにおいて、上記予め定められた基準に上記画像の特性を用い、この特性を表す特性信号に基づき、上記第1または第2の関数データから、上記第2の黒特性量を取得することを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置を動作させる画像処理プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための画像処理プログラム。
  13. 請求項1に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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