JP4265928B2 - 光電式エンコーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密測定に使用される光電式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から直線変位や角度変位などの精密な測定に光電式エンコーダ(以下、「エンコーダ」という場合もある。)が利用されている。エンコーダは三次元測定機や画像測定機などに搭載される。エンコーダは、光源と、光学格子を含むスケールと、複数の受光素子を含むと共に光源と一緒にスケールに対して相対移動可能に配置され各々が互いに位相の異なるインデックス格子を受光面に備えた受光部と、を備えている。
【0003】
具体的には、A、B、AA、BBの各相の検出用の受光素子(PD)を上下左右に近接配置し、これら各受光素子の受光面上に空間位相をそれぞれ90°ずつ異ならせたインデックス格子を配置する。また、受光素子自体を細く分割して格子状に配列させることにより、受光素子自体でインデックス格子を兼用させて、小型化と低コスト化とを図った光電式エンコーダも知られている(例えば特許文献1)。この光電式エンコーダの場合、同相信号を検出する受光素子を空間的に分散させることにより、バーストノイズの影響を少なくすることが出来るという利点がある。更に、両者の中間形態として、数本分のインデックス格子に共通の受光素子を割り当て、同相信号を検出する受光素子同士を分散させるように配置させた光電式エンコーダも知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−190808号公報(段落[0003]、[0004]、[0010]、[0011]、図1、図2、図5、図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、受光素子からの各相の信号を取り出すために、フォトダイオード(PD)等の受光素子の上にAl等の金属配線層が形成され、この金属配線層と受光素子とをコンタクトホール等により接続することがなされている。通常は、受光素子の受光面を金属配線層が覆うことがないように、金属配線層を受光面となる拡散領域の端部に配置し、拡散領域の端部と金属配線層とをコンタクトホールで接続する。しかし、この場合、金属配線層と接続された側の端部とは反対側の端部から取り出される信号は、抵抗値が高い拡散領域を経由して取り出されることになるので、信号伝搬の遅延が問題となる。そこで、特許文献1に開示されているように、受光素子の1つの拡散領域と次の拡散領域との間のスペースに金属配線層を配置して、受光素子の長手方向の複数箇所で受光素子と金属配線層とのコンタクトをとることにより、受光素子の内部での信号伝搬遅延による影響が少なくなるようにしたものも知られている。
【0006】
しかし、この場合、受光素子の拡散領域と拡散領域との間に金属配線層が形成されているので、受光素子である基板(例えばP型Si基板)とAl配線層との間に寄生容量Csubが発生し、これがエンコーダの高速応答性を妨げる要因となるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、受光面の有効受光面積を大きくすること及び配線により生じる容量を低減することが可能な光電式エンコーダを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光電式エンコーダは、光源と、光源からの光が照射されて測定軸に沿った光の明暗パターンを生成する第1光学格子を含むスケールと、このスケールに対して光源と共に相対移動可能に配置されて第1光学格子により生成された測定軸に沿う明暗パターンが入射される受光面を有する受光素子と、受光素子の受光面上に配置され第1光学格子による明暗パターンの周期に対応させて周期的に光透過部と導電性遮光部とが交互に配置されてなる第2光学格子と、導電性遮光部とこの遮光部の直下の受光面とを電気的に接続するコンタクト部と、導電性遮光部と接続された配線とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光電式エンコーダによれば、第2光学格子の導電性遮光部が受光素子に接続される配線を兼ねるようにし、かつ導電性遮光部とこの遮光部の直下の受光面とを電気的に接続するコンタクト部を設けている。このため、受光面の有効受光面積を大きくすることができる。また、導電性遮光部と受光素子とがコンタクト部により接続されるので、これらの間で容量が形成されるのを防止できる。したがって、配線により生じる容量を低減することができる。
【0010】
本発明に係る光電式エンコーダにおいて、各導電性遮光部は、測定軸と直交する方向に延び、この導電性遮光部の延びる方向の複数箇所でコンタクト部を介して受光素子の受光面と接続されている、ようにすることができる。これによれば、コンタクト部と受光面とのコンタクト抵抗を下げることができるので、光電式エンコーダの応答速度を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る光電式エンコーダにおいて、第2光学格子は、複数の導電性遮光部からなるグループを複数備え、導電性遮光部は、グループ間で互いに異なる空間位相をもって配置されている、ようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る光電式エンコーダの第1〜第3実施形態を説明する。なお、第2および第3実施形態を説明する図において、既に説明した実施形態の符号で示すものと同一のものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る光電式エンコーダ1の概略構成を示す図である。第1実施形態は受光部に含まれる受光チップの構造を主な特徴としているが、この理解の前提として光電式エンコーダ1について説明する。まず、エンコーダ1の構成を説明する。エンコーダ1は、発光ダイオード(LED)3と、これに近い順に沿って配置されたスケール5と、受光部7とにより構成される。
【0014】
発光ダイオード3は光源の一例であり、ダイオード3からの光Lがスケール5に照射される。スケール5はガラスなどの透明材料から構成される長尺状の透明基板9を含み、図1にはその一部が表れている。透明基板9の発光ダイオード3側に向く面と反対側の面上に第1光学格子11が形成されている。第1光学格子11は複数の遮光部13が所定のピッチを設けてリニヤ状に、かつ各遮光部13が図面の奥行き方向に延びるように、配置されたものである。遮光部13は金属(例えばクロム)などから構成される。
【0015】
受光部7は、スケール5とギャップを設けて配置されている。受光部7はスケール5側に位置する受光チップ15およびこれが搭載される回路基板17を含む。受光チップ15には、図示しない複数のフォトダイオード(以下、「フォトダイオード」をPDという場合がある。)が形成されている。これらのPDの各受光面が第1光学格子11側を向いている。PDは受光素子の一例である。受光素子として、PDの替わりにフォトトランジスタを用いることもできる。回路基板17には、演算用のICチップ19が搭載されており、受光チップ15の複数のPDで検出された光信号を基にして、ICチップ19で変位量の演算が実行される。
【0016】
受光部7は、発光ダイオード3と共にホルダ21に取り付けられており、ホルダ21は図中のXで示すスケール5の長手方向に移動可能にされている。つまり、光電式エンコーダ1は、固定されたスケール5に対して、ホルダ21を移動させることにより、変位量を測定する。よって、X方向が測定軸となる(以下、X方向を「測定軸X」とする。)。なお、発光ダイオード3と受光部7を固定し、スケール5を移動させて変位量を測定するタイプにも、本発明を適用することができる。したがって、本発明のスケールは、受光部および光源に対して、相対移動可能に配置されている。
【0017】
次に、光電式エンコーダ1の測定動作について、簡単に説明する。発光ダイオード3から光Lをスケール5の第1光学格子11に照射すると、第1光学格子11により明暗パターンが生じる。そして、ホルダ21を測定軸Xに沿って移動させることにより生じる明暗パターンの変化(正弦波状の光信号)を、受光チップ15に形成された各フォトダイオード(PD)で検出する。つまり、A相(0度)の光信号、A相より90度だけ位相がずれたB相(90度)の光信号、A相より180度だけ位相がずれたAA相(180度)の光信号およびA相より270度だけ位相がずれたBB相(270度)の光信号が、それぞれに対応するPDで検出する。
【0018】
各光信号により発生した電気信号がICチップ19に送られる。ICチップ19では、A相およびB相に所定の処理(直流成分の除去等)をした後に、処理されたA相およびB相を基にして変位量が演算される。この結果を図示しない表示部に出力する。以上が光電式エンコーダ1の動作である。
【0019】
さて、第1実施形態の主な特徴は受光チップ15であり、これについて詳細に説明する。まず、受光チップ15の平面構造から説明する。図2は、図1の第1光学格子11側から見た受光チップ15の全体を模式的に表した平面図である。四つのフォトダイオード23,25,27,29の各受光面31および各受光面31を覆うように形成された第2光学格子33が、第1光学格子と向かい合うxy面に2行2列で配置されている。なお、x軸は図1で説明した測定軸Xと向きが一致している。PD23,25の組、PD27,29の組がそれぞれ測定軸Xに沿って並んでいる。
【0020】
第2光学格子33は、受光面31上に間隔を設けて配置されたy方向(測定軸Xと直交する方向)に延びる5本の導電性遮光部35を有する。言い換えれば、第2光学格子33は、受光面31上に配置され、第1光学格子11による明暗パターンの周期に対応させて周期的に光透過部と導電性遮光部とが交互に配置されてなる。これにより、受光面31上に位相差が形成される。受光面31は5本の遮光部35により、同じ位相の光を受光する六つの領域に分けられる。なお、第2光学格子33を構成する遮光部35の数は5本に限定されない。
【0021】
PD27,29の導電性遮光部35のピッチは、PD23,25の導電性遮光部35のピッチに対して、λ/4ずらして配置されている。ここで、λは光信号の波長である。つまり、第2光学格子33は、複数の導電性遮光部からなるグループを複数備え、導電性遮光部は、グループ間で互いに異なる空間位相をもって配置されている。
【0022】
図1の光源3から第1光学格子11に照射された光を基にして生成された位相の異なる四つ(A相、B相、AA相、BB相)の光信号が、上記四つのフォトダイオードの対応する受光面31に入射する。
【0023】
詳しくは、測定軸Xに沿って並べられたPD23,25のうち、PD23の受光面31にA相(0度)の光信号が入射し、PD25の受光面31にA相より180度だけ位相がずれたAA相(180度)の光信号が入射する。同じく測定軸Xに沿って並べられたPD27,29のうち、PD27の受光面31にA相より90度だけ位相がずれたB相(90度)の光信号が入射し、PD29の受光面31にA相より270度だけ位相がずれたBB相(270度)の光信号が入射する。以上により、PD23でA相、PD25でAA相、PD27でB相、PD29でBB相の光信号が検出される。
【0024】
各受光面31に配置された導電性遮光部35のうち、中央の導電性遮光部35-1は配線37と接続されている。配線37と導電性遮光部35とは、同時にパターンニングして形成されたものである。導電性遮光部35-1の下にはこれと接続された複数のコンタクト部39が配置されている。これにより、導電性遮光部35-1は、これの延びる方向の複数箇所でコンタクト部39を介して受光面31と接続されている。各受光面31上に配置されるコンタクト部39の数は、複数に限らず、1つでもよい。
【0025】
次に、受光チップ15の断面構造を説明する。図3は図2の受光チップ15をIII(a)-III(b)断面から見た模式図である。受光チップ15は、n型の半導体基板41を備える。この基板41の一方の面には、p型の拡散領域43が形成されている。半導体基板41と拡散領域43との接合部がフォトダイオード23となる。半導体基板41の一方の面のうち、p型の拡散領域43が形成されている領域が受光面31となる。
【0026】
半導体基板41の一方の面は、拡散領域43を覆うようにシリコン酸化膜のような絶縁膜45で覆われている。絶縁膜45上には、複数の導電性遮光部35が間隔を設けて形成されている。遮光部35の材料は例えば、クロムやアルミニウムのような金属である。
【0027】
導電性遮光部35-1と受光面31との間の絶縁膜45には、コンタクトホール47が形成されている。コンタクトホール47には、導電プラグ(例えばアルミニウム)からなるコンタクト部39が形成されている。コンタクト部39は、導電性遮光部35-1とこの遮光部の直下の受光面31とを電気的に接続する。
【0028】
なお、第1実施形態では、導電プラグをコンタクト部39としているが、遮光部35となる膜を絶縁層45上に形成する際に、コンタクトホール47にこの膜を埋め込んで、これをコンタクト部にしてもよい。
【0029】
導電遮光部35を覆うように、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜のような保護膜49が形成されている。半導体基板41の他方の面の全面にはPD23,25,27,29の共通電極(例えばAu電極)51が形成されている。
【0030】
第1実施形態に係る光電式エンコーダ1の主な効果を説明する。
【0031】
▲1▼第1実施形態によれば、受光面31の有効受光面積を大きくできる。これを比較例と対比して説明する。図4は、比較例に係る光電式エンコーダに備えられる一組の第2光学格子33と受光面31との配置関係を模式的に示す平面図である。
【0032】
比較例では、受光面31上の導電性遮光部35同士の間に配線37を配置している。配線37下のコンタクト部39が受光面31とコンタクトしている。配線39の一部が受光面31上に位置するので、受光面31の有効受光面積が減少することになる。これに対して、第1実施形態では、図2に示すように、第2光学格子33の導電性遮光部35-1がPD23に接続される配線37を兼ねるようにし、かつ導電性遮光部35-1の下に受光面31とコンタクトしているコンタクト部39を設けている。このため、受光面31の有効受光面積を大きくできるので、高精度なエンコーダにすることができる。
【0033】
▲2▼第1実施形態では、図3に示すように、導電性遮光部35-1とp型の拡散領域43との間はコンタクト部39で接続されている。したがって、この間には容量が形成されない。これにより、光電式エンコーダの応答速度を上げることができる。
【0034】
▲3▼第1実施形態では、図2に示すように、複数(ここでは三つ)のコンタクト部39が各受光面31にコンタクトしている。複数のコンタクト部39は導電性遮光部35-1下に配置されているので、コンタクト部39を増やしても受光面31の有効受光面積が小さくなることはない。そして、受光面31が複数のコンタクト部39とコンタクトしているため、コンタクト部39と受光面31とのコンタクト面積(コンタクト面積とは、コンタクト部が一つの場合、受光面とコンタクト部とがコンタクトしている領域の面積のことであり、コンタクト部が複数の場合、上記領域の面積の合計のことである。)を大きくできる。したがって、コンタクト部39と受光面31とのコンタクト抵抗を下げることができるので、光電式エンコーダ1の応答速度を向上させることができる。
【0035】
[第2実施形態]
第2実施形態については、第1実施形態との相違を中心に説明する。図5は、第2実施形態の光電式エンコーダに備えられる受光チップ15の全体を第1光学格子側から見た場合について、模式的に表した平面図である。図6は、図5のVIで示す領域を拡大した図である。図7は図6をVII(a)-VII(b)断面から見た模式図である。
【0036】
図5〜図7(特に図5)に示すように、測定軸Xに沿って並べられたA相用のPD61、B相用のPD63、AA相用のPD65、BB相用のPD67のセットが二つある。これらのセットが測定軸Xに沿って配置されている。受光チップ15には、測定軸Xに沿って四本の配線69(A相用、B相用、AA相用、BB相用の配線)が設けられている。各配線69は、対応する位相の信号が流れる配線37と接続されている。
【0037】
図7のp型の拡散領域43どうしの間の半導体基板41には、n+型の拡散領域71が形成されている。これにより、p型の拡散領域43が隣の拡散領域43と分離、つまり、各フォトダイオードが素子分離される。
【0038】
第2実施形態は、第1実施形態に比べて平均化効果を向上させている。以下に説明する。位相の異なる複数の光信号に対応した数のフォトダイオードがあれば、原理的に測定が可能である。したがって、位相の異なる四つの光信号の場合、第1実施形態のようにフォトダイオードが四つあればよい。ところで、光源の光強度分布やスケール面の汚れ等が原因で、光量にバラツキが生じることがある。第1実施形態によれば、各位相の光信号はそれぞれ一箇所で検出されるので、光量のバラツキの影響を受けやすい。例えば、図2に示すA相用のPD23の配置場所が他のPD25,27,29の配置場所に比べて照射される光の強度が弱い場合、A相の出力が弱くなるため、測定精度が低下する。
【0039】
そこで、第2実施形態では、A相用のPD61、B相用のPD63、AA相用のPD65、BB相用のPD67を一つのセットとし、測定軸X方向に沿って、複数のセットを配置したのである。これよれば、各位相の光信号をそれぞれ複数の箇所で検出できるため、光量のバラツキの影響を小さくできる(これを「平均化効果」という。)。
【0040】
以上のような構成の第2実施形態に係る光電式エンコーダも第1実施形態と同様の効果が生じる。
【0041】
[第3実施形態]
第3実施形態については、第2実施形態との相違を中心として図8〜図10を用いて説明する。図8は、第3実施形態の光電式エンコーダに備えられる受光チップ15の全体を第1光学格子側から見た場合について模式的に表した平面図であり図5と対応する。図9は、図8のIXで示す領域を拡大した図であり、図6と対応する。図10は図9をX(a)-X(b)断面から見た模式図であり、図7と対応する。
【0042】
図8〜図10に示すように、第3実施形態では、第2光学格子33を構成する複数の導電性遮光部35のうち、コンタクト部39と接続されていない導電性遮光部35-2(他の導電性遮光部の一例)も配線37に接続されている。これにより、導電性遮光部35-2の電位を固定することができるので、導電性遮光部35-2が原因となる浮遊容量の発生を防止できる。
【0043】
なお、第3実施形態では、中央部の導電性遮光部35-1以外の導電性遮光部35もコンタクト部39と接続されている。したがって、コンタクト部39の数を増やすことができるので、コンタクト抵抗をさらに下げることができる。
【0044】
第1〜第3実施形態では、四つの位相の異なる光信号(A相、B相、AA相、BB相の光信号)を用いて変位量を測定しているが、本発明に係る光電式エンコーダはこれに限定されない。例えば、三つの位相の異なる光信号(0度の位相の光信号、0度より120度だけ位相がずれた光信号、0度より240度だけ位相がずれた光信号)についても、本発明に係る光電式エンコーダに適用できる。
【0045】
また、A相やB相の信号以外にこれらを反転させた、AA相やBB相の信号を生成しているのは、A相やB相の信号に含まれる直流成分の除去、並びに、信号の信頼性及び高速追従性の確保のためである。また、A相およびB相を変位量の測定に利用するのは、ホルダ21(受光部7、発光ダイオード3)の移動方向の判断のためであるので、原理的には、A相のみで変位量の測定が可能である。したがって、本発明は、A相およびB相の信号を利用しかつAA相およびBB相の信号を利用しない光電子エンコーダやA相の信号のみを利用する光電式エンコーダにも、適用することができる。
【0046】
また、図1に示すように、第1〜第3実施形態に係る光電式エンコーダ1は、スケール5の第1光学格子11を透過した発光ダイオード3からの光Lを用いて変位量の測定をする、いわゆる透過型のタイプである。しかしながら、反射型のタイプ、つまり、スケール5の第1光学格子11で反射された発光ダイオード3からの光Lを用いて変位量を測定する場合にも、本発明を適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る光電式エンコーダによれば、受光素子の受光面の有効受光面積を大きくできるので、高精度なエンコーダを実現することができる。また、配線により生じる容量を低減することができるので、エンコーダの応答速度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る光電式エンコーダの概略構成を示す図である。
【図2】 図1の第1光学格子側から見た受光チップの全体を模式的に表した平面図である。
【図3】 図2の受光チップをIII(a)-III(b)断面から見た模式図である。
【図4】 比較例に係る光電式エンコーダに備えられる第2光学格子と受光面との配置関係を模式的に示す平面図である。
【図5】 第2実施形態の光電式エンコーダに備えられる受光チップの全体を第1光学格子側から見た平面図である。
【図6】 図5のVIで示す領域を拡大した図である。
【図7】 図6をVII(a)-VII(b)断面から見た模式図である。
【図8】 第3実施形態の光電式エンコーダに備えられる受光チップの全体を第1光学格子側から見た平面図である。
【図9】 図8のIXで示す領域を拡大した図である。
【図10】 図9をX(a)-X(b)断面から見た模式図である。
【符号の説明】
1・・・光電式エンコーダ、3・・・発光ダイオード、5・・・スケール、7・・・受光部、9・・・透明基板、11・・・第1光学格子、13・・・遮光部、15・・・受光チップ、17・・・回路基板、19・・・ICチップ、21・・・ホルダ、23,25,27,29・・・フォトダイオード(PD)、31・・・受光面、33・・・第2光学格子、35・・・導電性遮光部、37・・・配線、39・・・コンタクト部、41・・・n型半導体基板、43・・・p型拡散領域、45・・・絶縁膜、47・・・コンタクトホール、49・・・保護膜、51・・・共通電極、61,63,65,67・・・フォトダイオード(PD)、69・・・配線、71・・・n+型拡散領域
Claims (3)
- 光源と、
前記光源からの光が照射されて測定軸に沿った光の明暗パターンを生成する第1光学格子を含むスケールと、
このスケールに対して前記光源と共に相対移動可能に配置されて前記第1光学格子により生成された測定軸に沿う明暗パターンが入射される受光面を有する受光素子と、
前記受光素子の受光面上に配置され前記第1光学格子による明暗パターンの周期に対応させて周期的に光透過部と導電性遮光部とが交互に配置されてなる第2光学格子と、
前記導電性遮光部とこの遮光部の直下の前記受光面とを電気的に接続するコンタクト部と、
前記導電性遮光部と接続された配線と
を備えたことを特徴とする光電式エンコーダ。 - 前記各導電性遮光部は、前記測定軸と直交する方向に延び、この導電性遮光部の延びる方向の複数箇所で前記コンタクト部を介して前記受光素子の受光面と接続されている
ことを特徴とする請求項1記載の光電式エンコーダ。 - 前記第2光学格子は、複数の導電性遮光部からなるグループを複数備え、
前記導電性遮光部は、グループ間で互いに異なる空間位相をもって配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の光電式エンコーダ。
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