JP4265199B2 - 直流変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高効率、小型、低ノイズな直流変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図20に従来のこの種の直流変換装置の回路構成図を示す(非特許文献1、非特許文献2)。図20に示す直流変換装置において、直流電源Vdc1にトランスTの1次巻線5a(巻数n1)を介してMOSFET(以下、FETと称する。)等からなる主スイッチQ1が接続され、1次巻線5aの両端には、抵抗R2及びスナバコンデンサC2からなる並列回路とこの並列回路に直列に接続されたダイオードD3とが接続されている。主スイッチQ1は、制御回路100のPWM制御によりオン/オフするようになっている。
【0003】
また、トランスTの1次巻線5aとトランスTの2次巻線5bとは互いに同相電圧が発生するように巻回されており、トランスTの2次巻線5b(巻数n2)には、ダイオードD1,D2とリアクトルL1とコンデンサC4とからなる整流平滑回路が接続されている。この整流平滑回路は、トランスTの2次巻線5bに誘起された電圧(オン/オフ制御されたパルス電圧)を整流平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
【0004】
制御回路100は、図示しない演算増幅器及びフォトカプラを有し、演算増幅器は、負荷RLの出力電圧と基準電圧とを比較し、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、主スイッチQ1に印加されるパルスのオン幅を狭くするように制御する。すなわち、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、主スイッチQ1のパルスのオン幅を狭くすることで、出力電圧を一定電圧に制御するようになっている。
【0005】
次に、このように構成された直流変換装置の動作を図21に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図21では、主スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、主スイッチQ1に流れる電流Q1i、主スイッチQ1をオン/オフ制御するQ1制御信号を示している。
【0006】
まず、時刻t31において、Q1制御信号により主スイッチQ1がオンし、直流電源Vdc1からトランスTの1次巻線5aを介して主スイッチQ1に電流Q1iが流れる。この電流は、時刻t32まで時間の経過とともに直線的に増大していく。また、1次巻線5aを流れる電流n1iも電流Q1iと同様に時刻t32まで時間の経過とともに直線的に増大していく。
【0007】
なお、時刻t31から時刻t32では、1次巻線5aの主スイッチQ1側が−側になり、且つ1次巻線5aと2次巻線5bとは同相になっているので、ダイオードD1のアノード側が+側になるため、5b→D1→L1→C4→5bと電流が流れる。
【0008】
次に、時刻t32において、主スイッチQ1は、Q1制御信号により、オン状態からオフ状態に変わる。このとき、トランスTの1次巻線5aに誘起された励磁エネルギーの内、リーケージインダクタLg(2次巻線5bと結合していないインダクタンス)の励磁エネルギーは、2次巻線5bに伝送されないため、ダイオードD3を介してスナバコンデンサC2に蓄えられる。
【0009】
また、時刻t32〜時刻t33では、主スイッチQ1がオフであるため、電流Q1i及び1次巻線5aを流れる電流n1iは零になる。なお、時刻t32から時刻t33では、L1→C4→D2→L1で電流が流れて、負荷RLに電力が供給される。
【0010】
このような直流変換装置によれば、スナバ回路(C2,R2)を挿入し、主スイッチQ1の電圧の時間的な変化を緩やかにすることで、スイッチングノイズを低減できると共に、トランスTのリーケージインダクタLgによる主スイッチQ1へのサージ電圧を抑制することができる。
【0011】
【非特許文献1】
原田耕介著「スイッチング電源 ハンドブック」日刊工業新聞社出版、第2章スイッチング電源の基本回路と設計演習 p.27 図2.2
【0012】
【非特許文献2】
清水和男著「高速スイッチングレギュレータ」総合電子出版社、2.2.1他励型コンバータ p30 図2.5
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図20に示す直流変換装置にあっては、スナバコンデンサC2に充電された電荷を抵抗R2によって消費させるため、損失が増大した。この損失は、コンデンサ容量、変換周波数に比例するため、スイッチングノイズの抑制を目的としてコンデンサ容量を増やしたり、あるいは、小型化を目的として変換周波数を上昇させた場合には、損失が増大し、効率が低下する欠点があった。
【0014】
また、トランスTの1次巻線5aに流れるトランス励磁電流は、図23に示すように、主スイッチQ1がオン時には直線的に正の値で増加していき、主スイッチQ1がオフ時には直線的に減少してゼロになる。即ち、トランスTの磁束は、図22に示すように、B−Hカーブの第1象限のみ使用するため、トランスTのコアの利用率が低く、トランスTが大型化していた。また、低出力電圧時、トランスTのフライバック電圧波形が、矩形波とならず、同期整流回路を採用した場合、還流時の導通角が減少し、整流効率が悪く、効率の低下の原因となっていた。
【0015】
本発明は、トランスの小型化とスイッチのゼロ電圧スイッチングを可能とし、小型、高効率、低ノイズ化することができる直流変換装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項の発明は、直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、前記トランスの2次巻線の一端に直列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の他端に接続された第3スイッチ及び該第3スイッチと前記2次巻線との直列回路に並列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の一端に接続された第4スイッチを有する整流回路と、前記第4スイッチに並列に第1リアクトルを介して接続された平滑回路と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路とを有することを特徴とする。
【0018】
請求項の発明は、直流電源の両端に接続され、トランスのコアに巻回された1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、前記コアに前記1次巻線と密結合させて巻回された前記トランスの2次巻線と、前記コアに前記1次巻線と疎結合させて巻回された前記トランスの3次巻線と、前記2次巻線に直列に接続された第1整流素子及び該第1整流素子と前記2次巻線との直列回路に並列に接続された第2整流素子を有する整流回路と、前記第2整流素子に並列に前記3次巻線を介して接続された平滑回路と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路とを有することを特徴とする。
【0019】
請求項の発明は、直流電源の両端に接続され、トランスのコアに巻回された1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、前記コアに前記1次巻線と密結合させて巻回された前記トランスの2次巻線と、前記コアに前記1次巻線と疎結合させて巻回された前記トランスの3次巻線と、前記トランスの2次巻線の一端に直列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の他端に接続された第3スイッチ及び該第3スイッチと前記2次巻線との直列回路に並列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の一端に接続された第4スイッチを有する整流回路と、前記第4スイッチに並列に3次巻線を介して接続された平滑回路と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項の発明では、前記可飽和リアクトルは、前記トランスのコアの飽和特性を用いることを特徴とする。
【0021】
請求項の発明では、前記電力供給源は、前記直流電源の一端と前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの接続点とに接続され、第2リアクトルとダイオードとが直列に接続された第3直列回路からなることを特徴とする。
【0022】
請求項の発明では、前記電力供給源は、前記トランスの1次巻線に直列に接続された第3リアクトルからなることを特徴とする。
【0023】
請求項の発明では、前記第3リアクトルは、前記トランスのリーケージインダクタからなることを特徴とする。
【0024】
請求項の発明は、前記トランスのコアの磁路の一部に断面積の少ない部分を設けたことを特徴とする。
【0025】
請求項の発明では、前記2次巻線の巻数と前記3次巻線の巻数とは同数であり、前記2次巻線は、前記1次巻線に対して逆相に巻回され、前記3次巻線は、前記1次巻線と同相に巻回されていることを特徴とする。
【0026】
請求項1の発明では、前記制御回路は、前記第1スイッチをターンオンするときに、前記第1スイッチの電圧が該第1スイッチと並列に接続された共振用コンデンサと前記可飽和リアクトルの飽和インダクタンスとの共振によりゼロ電圧となった時から所定期間中に前記第1スイッチをオンさせることを特徴とする。
【0027】
請求項1の発明では、前記直流電源は、交流電源と、この交流電源に接続されて交流電圧を整流する入力整流回路とからなり、前記入力整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、入力平滑コンデンサと前記交流電源がオンされたときに前記入力平滑コンデンサの突入電流を軽減する突入電流制限抵抗とが直列に接続された直列回路を有し、前記第1スイッチは、前記入力整流回路の一方の出力端に前記トランスの1次巻線を介して接続されたノーマリオンタイプのスイッチからなり、前記制御回路は、前記交流電源がオンされたときに前記突入電流制限抵抗に発生した電圧により前記第1スイッチをオフさせ、前記入力平滑コンデンサが充電された後、前記第1スイッチをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させることを特徴とする。
【0028】
請求項1の発明では、前記トランスは補助巻線をさらに備え、該トランスの補助巻線に発生する電圧を前記制御回路に供給する通常動作電源部を有することを特徴とする。
【0029】
請求項1の発明は、前記突入電流制限抵抗に並列に接続された半導体スイッチを有し、前記制御回路は、前記第1スイッチのスイッチング動作を開始させた後、前記半導体スイッチをオンさせることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る直流変換装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る直流変換装置は、主スイッチをオンした時にトランスの2次巻線を介して直接に負荷に電力を供給し、主スイッチをオフした時にトランスの1次巻線に蓄えられた励磁エネルギーをスナバコンデンサに蓄え、補助スイッチをオンすることにより、トランスのコアのB−Hカーブの第1、第3象限を使い、かつ、励磁エネルギーの不足分を電力供給源から補うことにより、B−Hカーブの出発点を第3象限の下端にすると共に、トランスの1次巻線に、可飽和リアクトルを並列に接続することにより、補助スイッチのオン期間の終了間際で可飽和リアクトルを飽和させ、電流を増大させることにより、補助スイッチのオフ時の逆電圧の発生を急峻とし、主スイッチをゼロ電圧スイッチ動作させることを特徴とする。
【0032】
図1は第1の実施の形態に係る直流変換装置の回路構成図である。図1に示す直流変換装置において、直流電源Vdc1の両端にはトランスTの1次巻線5a(巻数n1)とFETからなるスイッチQ1(主スイッチ)との直列回路が接続されている。スイッチQ1の両端にはダイオードD3と共振用コンデンサC1とが並列に接続されている。
【0033】
トランスTの1次巻線5aの一端とスイッチQ1の一端との接続点にはFETからなるスイッチQ2(補助スイッチ)の一端が接続され、スイッチQ2の他端はスナバコンデンサC3を介して直流電源Vdc1の正極に接続されている。なお、スイッチQ2の他端はスナバコンデンサC3を介して直流電源Vdc1の負極に接続されていてもよい。
【0034】
スナバコンデンサC3の両端には、スイッチQ1がオン時に電力を蓄えるとともにスイッチQ1がオフ時に蓄えられた電力をスナバコンデンサC3に供給する電流源からなる電力供給源Idc1が接続されている。
【0035】
スイッチQ2の両端にはダイオードD4が並列に接続されている。スイッチQ1,Q2は、共にオフとなる期間(デッドタイム)を有し、制御回路10のPWM制御により交互にオン/オフする。
【0036】
トランスTの1次巻線5aの両端には、可飽和リアクトルSL1が接続されている。この可飽和リアクトルSL1は、トランスTのコアの飽和特性を用いている。可飽和リアクトルSL1には、大きさの等しい交流電流が流れるため、磁束は、図4に示すB−Hカーブ上のゼロを中心にして、第1象限と第3象限とに等しく増減する。
【0037】
しかし、回路には損失を伴うため、磁束は完全に対称とはならず、第1象限が主体となる。また、コンデンサC1を短時間で放電し、電圧をゼロとする必要から、可飽和リアクトルSL1またはトランスTの励磁インダクタンスを低くして、励磁電流を多くしている。
【0038】
また、図4に示すように一定の正磁界Hに対して磁束B(正確にはBは磁束密度であり、磁束φ=B・Sで、Sはコアの断面積であるが、ここではS=1とし、φ=Bとした。)がBmで飽和し、一定の負磁界Hに対して磁束Bが−Bmで飽和するようになっている。磁界Hは電流iの大きさに比例して発生する。この可飽和リアクトルSL1では、B−Hカーブ上を磁束BがBa→Bb→Bc→Bd→Be→Bf→Bgと移動し、磁束の動作範囲が広範囲となっている。B−Hカーブ上のBa−Bb間及びBf−Bg間は飽和状態である。
【0039】
トランスTのコアには、1次巻線5aとこの巻線に対して同相の2次巻線5b(巻数n2)とが巻回されており、2次巻線5bの一端はダイオードD1(本発明の第1整流素子に対応)に接続され、ダイオードD1とリアクトルL1の一端との接続点と2次巻線5bの他端とはダイオードD2(本発明の第2整流素子に対応)に接続されており、ダイオードD1とダイオードD2とで整流回路を構成している。リアクトルL1の他端と2次巻線5bの他端とはコンデンサC4(本発明の平滑回路に対応)に接続されている。このコンデンサC4はリアクトルL1の電圧を平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
【0040】
制御回路10は、スイッチQ1とスイッチQ2とを交互にオン/オフ制御し、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1に印加されるパルスのオン幅を狭くし、スイッチQ2に印加されるパルスのオン幅を広くするように制御する。すなわち、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1のパルスのオン幅を狭くすることで、出力電圧を一定電圧に制御するようになっている。
【0041】
また、制御回路10は、スイッチQ2の電流Q2iが増大した時刻にスイッチQ2をオフさせた後、スイッチQ1をオンさせる。制御回路10は、スイッチQ1をターンオンするときに、スイッチQ1の電圧がスイッチQ1と並列に接続された共振用コンデンサC1と可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとの共振によりゼロ電圧となった時から所定期間中にスイッチQ1をオンさせる。
【0042】
次にこのように構成された第1の実施の形態に係る直流変換装置の動作を図2、図3及び図5に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図2は第1の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。図3は第1の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。図4は第1の実施の形態に係る直流変換装置に設けられたトランスのB−H特性を示す図である。図5は第1の実施の形態に係る直流変換装置に設けられた可飽和リアクトルの電流のタイミングチャートである。
【0043】
なお、図2及び図3では、スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、スイッチQ1に流れる電流Q1i、スイッチQ2の両端間の電圧Q2v、スイッチQ2に流れる電流Q2i、電力供給源Idc1に流れる電流Idc1i、可飽和リアクトルSL1に流れる電流SL1iを示している。
【0044】
まず、時刻t(時刻t11〜t12に対応)において、スイッチQ1をオンさせると、Vdcl→5a→Q1→Vdc1で電流が流れる。また、この時刻に、トランスTの2次巻線5bにも電圧が発生し、5b→D1→L1→C4→5bで電流が流れる。また、スイッチQ1をオンさせた時に、可飽和リアクトルSL1にも電流SL1iが流れて、可飽和リアクトルSL1のインダクタにエネルギーが蓄えられる。
【0045】
この電流SL1iは、図5に示すように、時刻tで電流値a(負値)、時刻tbで電流値b(負値)、時刻t13で電流値c(ゼロ)、時刻tで電流値d(正値)へと変化していく。図4に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Ba→Bb→Bc→Bdへと変化していく。なお、図4に示すBa〜Bgと図5に示すa〜gとは対応している。
【0046】
次に、時刻tにおいて、スイッチQ1をオフさせると、可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーによりコンデンサC1が充電される。このとき、可飽和リアクトルSL1のインダクタンスとコンデンサC1とにより電圧共振が形成されて、スイッチQ1の電圧Q1vが急激に上昇する。また、L1→C4→D2→L1で電流が流れて、コンデンサC4を介して負荷RLに電流を供給する。
【0047】
そして、コンデンサC1の電位がコンデンサC3の電位と同電位となったとき、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出により、ダイオードD4が導通し、ダイオード電流が流れて、コンデンサC3が充電されていく。また、このとき、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。なお、電流SL1iは、時刻tから時刻t20において、電流値d(正値)から電流値e(ゼロ)に変化する。図4に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Bd→Beへと変化する。
【0048】
また、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と同時に、電力供給源Idc1からのエネルギーがコンデンサC3に供給され、コンデンサC3が充電されていく。即ち、コンデンサC3には、電力供給源Idc1からのエネルギーと可飽和リアクトルSL1からのエネルギーとが加え合わせられる。そして、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と電力供給源Idc1からのエネルギーの放出とが終了すると、コンデンサC3の充電は停止する。
【0049】
次に、時刻t20〜時刻tにおいて、コンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、C3→Q2→SL1→C3に流れて、可飽和リアクトルSLlの磁束をリセットする。可飽和リアクトルSLlに並列に接続されたトランスTも同様に磁束が変化する。
【0050】
この場合、時刻t20〜時刻tにおいては、コンデンサC3に蓄えられたエネルギーが可飽和リアクトルSL1に帰還されるので、可飽和リアクトルSL1に流れる電流SL1iは、図5に示すように負値となる。即ち、電流SL1iは、時刻t20〜時刻t2aにおいては、電流値e(ゼロ)から電流値f(負値)に変化する。図4に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Be→Bfへと変化していく。なお、時刻tから時刻t20における面積Sと時刻t20〜時刻t2aにおける面積Sとは等しい。この面積SはコンデンサC3に蓄えられた可飽和リアクトルSL1のエネルギーに相当する。
【0051】
次に、電流SL1iは、時刻t2a〜時刻tにおいては、電流値f(負値)から電流値g(負値)に変化する。図4に示すB−Hカーブ上では、磁束は、Bf→Bgへと変化していく。時刻t2a〜時刻tにおける面積は、コンデンサC3に蓄えられた電力供給源Idc1のエネルギーに相当する。
【0052】
即ち、コンデンサC3に蓄えられたエネルギーは、可飽和リアクトルSL1のエネルギーと電力供給源Idc1のエネルギーとを合わせたものであるため、電流SL1iは、リセット時に電力供給源Idc1から供給されるエネルギー分だけ多くなるので、磁束は第3象限に移動して、飽和領域(Bf−Bg)に達し、電流SL1iが増大し、時刻t(時刻tも同様)で最大となる。電流SL1iは、スイッチQ2のオン期間の終了間際で増大しており、可飽和リアクトルSL1の飽和時の電流である。
【0053】
また、この時刻tには、スイッチQ2の電流Q2iも最大となる。この時刻に、スイッチQ2をオフさせることにより、コンデンサC1の放電は急峻になり、短時間でゼロとなる。このとき、スイッチQ1をオンさせることにより、スイッチQ1はゼロ電圧スイッチを達成できる。
【0054】
(第1実施例)
図6は第1の実施の形態に係る直流変換装置の第1実施例を示す回路構成図である。図6に示す第1実施例では、電力供給源Idc1がリアクトルL2とダイオードD6との直列回路で構成したものである。
【0055】
この第1実施例によれば、スイッチQ1がオンしたときリアクトルL2にエネルギーを蓄え、スイッチQ1がオフしたときにリアクトルL2に蓄えられたエネルギーをコンデンサC3に供給して、コンデンサC3を充電する。なお、図6に示す電力供給源Idc1は、軽負荷時に適している。
【0056】
(第2実施例)
図7は第1の実施の形態に係る直流変換装置の第2実施例を示す回路構成図である。図7に示す第2実施例では、電力供給源Idc1がトランスTの1次巻線5aに直列に接続されたリアクトルL3で構成したものである。
【0057】
この第2実施例によれば、スイッチQ1がオンした時には、電流がリアクトルL3を通して流れ、リアクトルL3にエネルギーを蓄える。スイッチQ1がオフした時には、このエネルギーは、L3→5a(SL1)→D4→C3→L3で放出され、エネルギーの一部は、トランスTの2次巻線5bを介して負荷RLに供給されるとともに、コンデンサC3を充電する。なお、図7に示す電力供給源Idc1は、重負荷時に適している。
【0058】
(第3実施例)
図8は第1の実施の形態に係る直流変換装置の第3実施例を示す回路構成図である。図8に示す第3実施例では、図6に示す電力供給源Idc1であるリアクトルL2とダイオードD6と、図7に示す電力供給源Idc1であるリアクトルL3とを組み合わせたものであるため、軽負荷時や重負荷時に対応可能である。
【0059】
なお、リアクトルL3は、トランスTのリーケージインダクタで代用することができる。また、可飽和リアクトルSL1も、飽和特性の良好なコアをトランスに用いることによるトランスTの励磁インダクタンスで代用することもできる。また、本回路は、スイッチング周波数を固定周波数とし、PWM制御することにより、出力電圧を制御することができ、放送妨害等に簡単に対応できる。
【0060】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る直流変換装置は、トランスの2次側回路に同期整流器を採用したもので、トランスの出力波形が矩形波であるため、同期整流時の導通割合を増大することにより、低出力電圧時の整流器の損失を低減して高効率化することを特徴とする。図9は第2の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【0061】
図9に示す直流変換装置は、図7に示す第1の実施の形態に係る直流変換装置の第2実施例に対して、トランスTの2次側回路の構成が異なるのみでその他の構成は同一構成であるので、同一部分には同一符号を付し、トランスTの2次側回路の構成のみを説明する。
【0062】
トランスTの2次巻線5bの両端にはFETからなるスイッチQ3とFETからなるスイッチQ4とが直列に接続されている。トランスTの2次巻線5bの一端(●側)は、スイッチQ3のゲートに接続され、トランスTの2次巻線5bの他端は、スイッチQ4のゲートに接続されている。スイッチQ3にはダイオードD1が並列に接続され、スイッチQ4にはダイオードD2が並列に接続されている。これらの素子により同期整流回路を構成している。
【0063】
また、スイッチQ4の両端にはリアクトルL1とコンデンサC4とが直列に接続され、平滑回路を構成している。この整流平滑回路は、トランスTの2次巻線5bに誘起された電圧(オン/オフ制御されたパルス電圧)を整流平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
【0064】
制御回路10は、スイッチQ1とスイッチQ2とを交互にオンオフ制御し、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1に印加されるパルスのオン幅を狭くし、スイッチQ2に印加されるパルスのオン幅を広くするように制御する。すなわち、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1のパルスのオン幅を狭くすることで、出力電圧を一定電圧に制御するようになっている。
【0065】
次に、このように構成された第2の実施の形態に係る直流変換装置の動作を図10に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図10において、Q1vはスイッチQ1の両端(ドレイン−ソース)間電圧、Q1iはスイッチQ1に流れる電流(ドレイン電流)、Q2vはスイッチQ2の両端間電圧、Q2iはスイッチQ2に流れる電流、Q3iはスイッチQ3に流れる電流、Q4iはスイッチQ4に流れる電流、SL1iは可飽和リアクトルSL1に流れる電流、VはトランスTの2次巻線5bの両端電圧を示している。
【0066】
まず、期間T1(図2の時刻t〜時刻t、図2の時刻t〜時刻tに対応)では、スイッチQ1がオフで、スイッチQ2がオンである。このため、スイッチQ2に電流が流れ、スイッチQ1には電流は流れない。このとき、トランスTの1次巻線5aには逆起電力(1次巻線5aの●有り側が−で●無し側が+)が発生し、この逆起電力により2次巻線5bにも電圧(2次巻線5bの●有り側が−で●無し側が+)が発生する。このため、スイッチQ4のゲートには+電圧が印加されてオンし、スイッチQ3のゲートには−電圧が印加されてオフする。そして、L1→C4→Q4→L1と電流が流れて、負荷RLにリアクトルL1のエネルギーが供給される。
【0067】
次に、期間T2から期間T4(図2の時刻tに対応)では、スイッチQ2がオン状態からオフ状態に変わり、スイッチQ1がオフ状態からオン状態に変わる。このため、リアクトルL3のインダクタンスと可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとコンデンサC1とにより共振を起こす。この共振によりスイッチQ1の電圧が下降し、スイッチQ2の電圧が上昇する(期間T2)。そして、スイッチQ1の電圧がゼロボルト近傍で(期間T3)スイッチQ1をオンし、スイッチQ1の電流が流れる(期間T4)。
【0068】
次に、期間T5(図2の時刻t〜時刻tに対応)では、スイッチQ1がオンで、スイッチQ2がオフである。このとき、直流電源Vdc1からトランスTの1次巻線5aを介してスイッチQ1に電流が流れて、1次巻線5aにエネルギー(1次巻線5aの●有り側が+で●無し側が−)が蓄積される。このエネルギーにより2次巻線5bにも電圧(2次巻線5bの●有り側が+で●無し側が−)が発生する。このため、スイッチQ3のゲートには+電圧が印加されてオンし、スイッチQ4のゲートには−電圧が印加されてオフする。そして、5b→L1→C4→Q3→5bと電流が流れて、負荷RLに直流電力が供給される。また、スイッチQ1をオンさせた時に、可飽和リアクトルSL1にも電流SL1iが流れて、可飽和リアクトルSL1のインダクタにエネルギーが蓄えられる。
【0069】
次に、期間T6(図2の時刻tに対応)では、スイッチQ1は、オン状態からオフ状態に変わる。この期間T6では、リアクトルL3のインダクタンスと可飽和リアクトルSL1のインダクタンスと共振用コンデンサC1とにより共振を起こし、この共振によりスイッチQ1の電圧が急激に上昇する。
【0070】
次に、期間T7(図2の時刻tに対応)では、ダイオードD4は、スイッチQ1がオフした後にオンしてダイオードD4に電流が流れ、可飽和リアクトルSL1のエネルギー及びリアクトルL3のエネルギーは、ダイオードD4を介してスナバコンデンサC3に蓄えられる。そして、ダイオードD4のオン期間にスイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2はゼロ電圧スイッチとなる。
【0071】
このように、第2の実施の形態に係る直流変換装置によれば、第1の実施の形態の効果が得られるとともに、トランスTの2次側回路に同期整流器を用いているので、トランスの出力波形が矩形波であるため、同期整流素子のゲートに矩形波を印加させることによりほぼ全期間導通させ、並列に接続されたダイオードに電流が流れず損失なく整流できる。このため、5V,3.3Vのような低出力電圧時に効果がある。
【0072】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る直流変換装置は、主スイッチがオン時にトランスの2次側の巻線を介して直接負荷に電力を供給することによりコアの直流励磁を回避し、2次側の巻線のリーケージインダクタにより2次側電流を連続させて、平滑コンデンサのリップル電流を軽減させることを特徴とする。このため、2次側に新たに3次巻線を設け、フリーホイール動作時、2次側電流による直流励磁をキャンセルさせるとともに、1次側から見た2次側のインピーダンスを上昇させ、アクティブスナバ回路によるゼロ電圧スイッチ動作を行わせるように構成したものである。
【0073】
図11は第3の実施の形態に係る直流変換装置の回路構成図である。図11に示す直流変換装置は、図7に示す第1の実施の形態に係る直流変換装置の第2実施例に対して、トランスTaの2次側回路の構成が異なるのみでその他の構成は同一構成であるので、同一部分には同一符号を付す。ここでは、トランスTaの2次側回路の構成のみを説明する。
【0074】
トランスTaのコアには、1次巻線5aと密結合させてトランスTaの2次巻線5b(巻数n2)が巻回されており、また、トランスTaのコアには、1次巻線5aと疎結合させてトランスTaの3次巻線5c(巻数n3)が巻回されている。2次巻線5bの一端と3次巻線5cの一端とはダイオードD1(本発明の第1整流素子に対応)に接続され、ダイオードD1と3次巻線5cの一端との接続点と2次巻線5bの他端とはダイオードD2(本発明の第2整流素子に対応)に接続されており、ダイオードD1とダイオードD2とで整流回路を構成している。3次巻線5cの他端と2次巻線5bの他端とはコンデンサC4(本発明の平滑回路に対応)に接続されている。このコンデンサC4は3次巻線5cの電圧を平滑して直流出力を負荷RLに出力する。
【0075】
また、トランスTaの2次巻線5bの巻数とトランスTaの3次巻線5cの巻数とは同数となっている。トランスTaの2次巻線5bは、トランスTaの1次巻線5aに対して逆相に巻回され、トランスTaの3次巻線5cは、トランスTaの1次巻線5aと同相に巻回されている。
【0076】
制御回路10は、スイッチQ1とスイッチQ2とを交互にオン/オフ制御し、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1に印加されるパルスのオン幅を狭くし、スイッチQ2に印加されるパルスのオン幅を広くするように制御する。すなわち、負荷RLの出力電圧が基準電圧以上となったときに、スイッチQ1のパルスのオン幅を狭くすることで、出力電圧を一定電圧に制御するようになっている。
【0077】
また、制御回路10は、スイッチQ1をターンオンするときに、スイッチQ1の電圧がスイッチQ1と並列に接続された共振用コンデンサC1とリアクトルL3のインダクタンスと可飽和リアクトルSL1の飽和インダクタンスとの共振によりゼロ電圧となった時から所定期間中にスイッチQ1をオンさせる。
【0078】
図12は第3の実施の形態に係る直流変換装置に設けられたトランスの構造図である。図12に示すトランスは、日の字型のコア20を有し、コア20のコア部20aには、1次巻線5aと、1次巻線5aと近接して1次巻線5aと密結合させた2次巻線5bと、1次巻線5aと疎結合させた3次巻線5cとが巻回されている。1次巻線5aと3次巻線5cとを疎結合させるために、2次巻線5bと3次巻線5cとの間には、コア部20aと外周コアとを繋ぐためのパスコア20cが形成されている。また、このパスコア20cにより漏れ磁束が増加するので、3次巻線5cのリーケージインダクタLgを大きくすることができる。
【0079】
また、外周コア上で且つ1次巻線5aと2次巻線5bとの間の部分に対向する位置に、凹部20bが2箇所形成されている。この凹部20bにより、外周コアの磁路の一部の断面積が他の部分よりも狭くなり、その部分のみが飽和する。この飽和する1次巻線5aを、可飽和リアクトルSL1として兼用したときのコア損失を低減できる。
【0080】
なお、第1の実施の形態に係る直流変換装置及び第2の実施の形態に係る直流変換装置では、図12に示すようなトランスに対して、3次巻線5c及びパスコア20cを設けず、1次巻線5aと2次巻線5bと凹部20bとを設けたトランスを用いればよい。
【0081】
次にこのように構成された第3の実施の形態に係る直流変換装置の動作を図13乃至図15に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図13は第3の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。図14は第3の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。図15は第3の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオフ時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。
【0082】
なお、図13乃至図15では、スイッチQ1の両端間の電圧Q1v、スイッチQ1に流れる電流Q1i、スイッチQ2の両端間の電圧Q2v、スイッチQ2に流れる電流Q2i、ダイオードD4に流れる電流D4i、トランスTaの3次巻線5cに流れる電流n3iを示している。
【0083】
まず、時刻t(時刻t11〜t12に対応)において、スイッチQ1をオンさせると、Vdc1→5a→Q1→Vdc1で電流Q1i(1次巻線5aに流れる電流I1に相当)が流れる。また、これと同時に1次巻線5aに疎結合した3次巻線5cにも電圧が発生し、5c→C4→D2→5cで電流n3i(電流I1に対応した電流I1´に相当)が流れるため、負荷RLに電力が供給される。3次巻線5cは、1次巻線5aと疎結合に結合され、大きなリーケージインダクタLgを有する。このとき、等アンペアターンの法則により、I1・n1=I1´・n3が成立し、直流励磁分はキャンセルされる。
【0084】
次に、時刻t(時刻t21〜t22に対応)において、スイッチQ1をオフさせると、リアクトルL3及び可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーによりコンデンサC1が充電される。このとき、リアクトルL3のインダクタンスと可飽和リアクトルSL1のインダクタンスとコンデンサC1とにより電圧共振が形成されて、スイッチQ1の電圧Q1vが急激に上昇する。
【0085】
そして、コンデンサC1の電位がコンデンサC3の電位と同電位となったとき、即ち、時刻t23において、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出により、ダイオードD4が導通して、ダイオード電流D4i(図13に示す。)が流れてコンデンサC3が充電されていく。また、このとき、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。また、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と同時に、リアクトルL3からのエネルギーがコンデンサC3に供給され、コンデンサC3が充電されていく。
【0086】
次に、コンデンサC3への充電が完了し、コンデンサC3へ蓄えられた電荷は、スイッチQ2を介して1次側、即ち、可飽和リアクトルSL1及び1次巻線5aに帰還される。このとき、1次巻線5aの●有り側が−で●無し側が+であるため、2次側でも、2次巻線5bの●有り側が−で●無し側が+となり、3次巻線5cの●有り側が−で●無し側が+となる。また、2次巻線5bと3次巻線5cとに同電圧(巻数が同じ)が発生するため、両巻線5b,5c間の電圧の和はゼロとなる。このため、3次巻線5cのリーケージインダクタLgにより、5b→D1→5c→RL→5bで電流n3iが流れ続ける。このため、負荷RLにはスイッチQ1がオン時でもオフ時でも電流が流れることになり、コンデンサC4のリップル電流を軽減させることができる。
【0087】
また、2次巻線5bと3次巻線5cとは、巻数が同じで極性が逆であることから、両巻線5b,5cの起磁力は打ち消されてゼロとなる。即ち、直流励磁分がキャンセルされる。
【0088】
従って、1次側から見た2次側のインピーダンスは高くなり、時刻t(時刻tと同様)において、スイッチQ2がオフした場合には、スイッチQ2の電流は、ほとんどコンデンサC1を放電する。このため、時刻t12において、スイッチQ1の電位は降下してゼロとなり、ダイオードD3が導通する。このとき、スイッチQ1をオンさせることにより、ゼロ電圧スイッチを達成することができる。
【0089】
このように第3の実施の形態に係る直流変換装置によれば、第1の実施の形態の効果が得られるとともに、トランスTaの2次側に3次巻線5cを設け、1次巻線5aと3次巻線5cとを疎結合させ、1次巻線5aと2次巻線5bとを密結合させ、スイッチQ1がオン時には、動作状態でのトランスTaの直流励磁は、1次巻線5aと3次巻線5cとにおいて同一で逆な起磁力によりキャンセルされ、また、スイッチQ1がオフ時には、動作状態でのトランスTaの直流励磁は、2次巻線5bと3次巻線5cとにおいて同一で逆な起磁力によりキャンセルされる。このため、励磁インダクタンスを高くできるため、励磁電流が少なく損失も低減できる。また、ゼロ電圧スイッチングを可能とし、小型、高効率、低ノイズ化することができる直流変換装置を提供することができる。
【0090】
また、第3の実施の形態に係る直流変換装置では、直流励磁がキャンセルされるので、直流励磁分は略ゼロとなる。また、直流励磁分は略ゼロとなるので、コアのギャップをゼロにすることができる。また、直流励磁分は略ゼロとなるので、磁束の動作範囲が拡大することができる。これにより、トランスを小型化することができる。
【0091】
(第4の実施の形態)
図16は第4の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。図16に示す直流変換装置は、低出力電圧大電流用途で2次側ダイオードをFETからなる同期整流器とした場合の回路例である。FETは、オン抵抗(例えば0.01Ω)が非常に小さいため、損失が非常に小さくなる。このため、FETを整流素子とする同期整流器を用いた。また、図16に示す直流変換装置は、励磁電流やリーケージインダクタンスを増やすことなくゼロ電圧スイッチ動作を行い、高効率としたことを特徴とする。
【0092】
トランスTaの2次巻線5bの両端にはFETからなるスイッチQ3とFETからなるスイッチQ4とが直列に接続されている。トランスTaの2次巻線5bの一端(●側)は、スイッチQ4のゲートに接続され、トランスTaの2次巻線5bの他端は、スイッチQ3のゲートに接続されている。スイッチQ3にはダイオードD1が並列に接続され、スイッチQ4にはダイオードD2が並列に接続されている。これらの素子により同期整流回路を構成している。
【0093】
なお、図16に示すその他の構成は、図11に示す直流変換装置の構成と同一構成であり、同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0094】
次に、このように構成された第4の実施の形態に係る直流変換装置の動作を説明する。第4の実施の形態に係る直流変換装置は、第3の実施の形態(図11に相当)にスイッチQ3,Q4を追加したのみであるから、図13乃至図15に示すタイミングチャートと同じタイミングチャートとなる。
【0095】
まず、時刻t(時刻t11〜t12に対応)において、スイッチQ1をオンさせると、Vdc1→5a→Q1→Vdc1で電流Q1i(1次巻線5aに流れる電流I1に相当)が流れる。また、これと同時に1次巻線5aに疎結合した3次巻線5cにも電圧が発生する。このとき、2次巻線5bにも電圧(2次巻線5bの●有り側が+で●無し側が−)が発生する。このため、スイッチQ4のゲートには+電圧が印加されてオンし、スイッチQ3のゲートには−電圧が印加されてオフする。そして、5c→C4→Q4→5cで電流n3i(電流I1に対応した電流I1´に相当)が流れるため、負荷RLに電力が供給される。
【0096】
次に、時刻t(時刻t21〜t22に対応)において、スイッチQ1をオフさせると、リアクトルL3及び可飽和リアクトルSL1に蓄えられたエネルギーによりコンデンサC1が充電される。このとき、リアクトルL3のインダクタンスと可飽和リアクトルSL1のインダクタンスとコンデンサC1とにより電圧共振が形成されて、スイッチQ1の電圧Q1vが急激に上昇する。
【0097】
そして、コンデンサC1の電位がコンデンサC3の電位と同電位となったとき、即ち、時刻t23において、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出により、ダイオードD4が導通して、ダイオード電流D4i(図13に示す。)が流れてコンデンサC3が充電されていく。また、このとき、スイッチQ2をオンさせることにより、スイッチQ2は、ゼロ電圧スイッチとなる。また、可飽和リアクトルSL1のエネルギーの放出と同時に、リアクトルL3からのエネルギーがコンデンサC3に供給され、コンデンサC3が充電されていく。
【0098】
次に、コンデンサC3への充電が完了し、コンデンサC3へ蓄えられた電荷は、スイッチQ2を介して1次側、即ち、可飽和リアクトルSL1及び1次巻線5aに帰還される。このとき、1次巻線5aの●有り側が−で●無し側が+であるため、2次側でも、2次巻線5bの●有り側が−で●無し側が+となり、3次巻線5cの●有り側が−で●無し側が+となる。また、2次巻線5bと3次巻線5cとに同電圧(巻数が同じ)が発生するため、両巻線5b,5c間の電圧の和はゼロとなる。また、スイッチQ3のゲートには+電圧が印加されてオンし、スイッチQ4のゲートには−電圧が印加されてオフする。このため、3次巻線5cのリーケージインダクタLgにより、5b→5cRLQ3→5bで電流n3iが流れ続ける。このため、負荷RLにはスイッチQ1がオン時でもオフ時でも電流が流れることになり、コンデンサC4のリップル電流を軽減させることができる。
【0099】
また、2次巻線5bと3次巻線5cとは、巻数が同じで極性が逆であることから、両巻線5b,5cの起磁力は打ち消されてゼロとなる。即ち、直流励磁分がキャンセルされる。
【0100】
従って、1次側から見た2次側のインピーダンスは高くなり、時刻t(時刻tと同様)において、スイッチQ2がオフした場合には、スイッチQ2の電流は、ほとんどコンデンサC1を放電する。このため、時刻t12において、スイッチQ1の電位は降下してゼロとなり、ダイオードD3が導通する。このとき、スイッチQ1をオンさせることにより、ゼロ電圧スイッチを達成することができる。
【0101】
このように第4の実施の形態に係る直流変換装置によれば、第1の実施の形態の効果と第2の実施の効果と第3の実施の形態の効果とが得られる。また、スイッチQ1をオンする直前にスイッチQ2がオン状態の時、可飽和リアクトルSL1が飽和すると、1次巻線5aのインピーダンスが低くなり、1次巻線5aの電流を増大させることができる。これにより、スイッチQ2をオフした時にコンデンサC1の電荷を急峻に放電することができ、スイッチQ1,スイッチQ2のデットタイム(両方オフの時間)を短く、又はコンデンサC1の容量が大きくても、ゼロ電圧スイッチが可能となる。
【0102】
また、スイッチQ2の電流を増加させてからスイッチQ2をオフさせるので、逆起電力が大きく、スイッチQ1の電圧を容易にゼロ電圧まで下げることができる。従って、トランスTaの励磁電流やリーケージインダクタを増やすことなくスイッチQ1をゼロ電圧スイッチでき、これによって高効率な直流変換装置を提供することができる。
【0103】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態に係る直流変換装置を説明する。第1乃至第4の実施の形態に係る直流変換装置では、スイッチとして、ノーマリオフタイプのMOS FET等を用いた。このノーマリオフタイプのスイッチは、電源がオフ時にオフ状態となるスイッチである。
【0104】
一方、SIT(static induction transistor、静電誘導トランジスタ)等のノーマリオンタイプのスイッチは、電源がオフ時にオン状態となるスイッチである。このノーマリオンタイプのスイッチは、スイッチングスピードが速く、オン抵抗も低くスイッチング電源等の電力変換装置に使用した場合、理想的な素子であり、スイッチング損失を減少させ高効率が期待できる。
【0105】
しかし、ノーマリオンタイプのスイッチング素子にあっては、電源をオンすると、スイッチがオン状態であるため、スイッチが短絡する。このため、ノーマリオンタイプのスイッチを起動できず、特殊な用途以外には使用できない。
【0106】
そこで、第5の実施の形態に係る直流変換装置は、第1の実施の形態に係る直流変換装置の第1実施例の構成を有すると共に、スイッチQ1にノーマリオンタイプのスイッチを使用するために、交流電源オン時に、入力平滑コンデンサの突入電流を軽減する目的で挿入されている突入電流制限抵抗の電圧降下による電圧を、ノーマリオンタイプのスイッチの逆バイアス電圧に使用し、電源オン時の問題をなくす構成を追加したことを特徴とする。
【0107】
図17は第5の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。図17に示す直流変換装置は、図6に示す第1の実施の形態に係る直流変換装置の第1実施例の構成を有すると共に、交流電源Vac1から入力される交流電圧を全波整流回路B1で整流して、得られた電圧を別の直流電圧に変換して出力するもので、全波整流回路B1の一方の出力端P1と他方の出力端P2との間には、入力平滑コンデンサC5と突入電流制限抵抗R1とからなる直列回路が接続されている。なお、交流電源Vac1及び全波整流回路B1は、図6に示す直流電源Vdc1に対応する。
【0108】
全波整流回路B1の一方の出力端P1には、トランスTの1次巻線5aを介してSIT等のノーマリオンタイプのスイッチQ1nが接続され、スイッチQ1nは、制御回路11のPWM制御によりオン/オフする。なお、スイッチQ1n以外のスイッチQ2は、ノーマリオフタイプのスイッチである。
【0109】
また、突入電流制限抵抗R1の両端にはスイッチS1が接続されている。このスイッチS1は、例えばノーマリオフタイプのMOSFET,BJT(バイポーラ接合トランジスタ)等の半導体スイッチであり、制御回路11からの短絡信号によりオン制御される。
【0110】
突入電流制限抵抗R1の両端には、コンデンサC6と抵抗R2とダイオードD5とからなる起動電源部12が接続されている。この起動電源部12は、突入電流制限抵抗R1の両端に発生する電圧を取り出し、コンデンサC6の両端電圧をスイッチQ1nのゲートへの逆バイアス電圧として使用するために、制御回路11に出力する。また、入力平滑コンデンサC5に充電された充電電圧を制御回路11に供給する。
【0111】
制御回路11は、交流電源Vac1をオンしたときに、コンデンサC6から供給された電圧により起動し、制御信号として端子bからスイッチQ1nのゲートに逆バイアス電圧を出力し、スイッチQ1nをオフさせる。この制御信号は、例えば、−15Vと0Vとのパルス信号からなり、−15Vの電圧によりスイッチQ1nがオフし、0Vの電圧によりスイッチQ1nがオンする。
【0112】
制御回路11は、入力平滑コンデンサC5の充電が完了した後、端子bから制御信号として0Vと−15Vとのパルス信号をスイッチQ1nのゲートに出力し、スイッチQ1nをスイッチング動作させる。制御回路11は、スイッチQ1nをスイッチング動作させた後、所定時間経過後にスイッチS1のゲートに短絡信号を出力し、スイッチS1をオンさせる。
【0113】
また、トランスTに設けられた補助巻線5d(巻数n4)の一端は、スイッチQ1nの一端とコンデンサC7の一端と制御回路11とに接続され、補助巻線5dの他端は、ダイオードD7のカソードに接続され、ダイオードD7のアノードはコンデンサC7の他端及び制御回路11の端子cに接続されている。補助巻線5dとダイオードD7とコンデンサC7とは通常動作電源部13を構成し、この通常動作電源部13は、補助巻線5dで発生した電圧をダイオードD7及びコンデンサC7を介して制御回路11に供給する。
【0114】
次にこのように構成された第5の実施の形態に係る直流変換装置の動作を図17乃至図19を参照しながら説明する。
【0115】
なお、図19において、Vac1は、交流電源Vac1の交流電圧を示し、入力電流は、交流電源Vac1に流れる電流を示し、R1電圧は、突入電流制限抵抗R1に発生する電圧を示し、C5電圧は、入力平滑コンデンサC5の電圧を示し、C6電圧は、コンデンサC6の電圧を示し、出力電圧は、コンデンサC4の電圧を示し、制御信号は、制御回路11の端子bからスイッチQ1nのゲートへ出力される信号を示す。
【0116】
まず、時刻tにおいて、交流電源Vac1を印加(オン)すると、交流電源Vac1の交流電圧は全波整流回路B1で全波整流される。このとき、ノーマリオンタイプのスイッチQ1nは、オン状態であり、スイッチS1は、オフ状態である。このため、全波整流回路B1からの電圧は、入力平滑コンデンサC5を介して突入電流制限抵抗R1に全て印加される(図18中の▲1▼)。
【0117】
この突入電流制限抵抗R1に発生した電圧は、ダイオードD5、抵抗R2を介してコンデンサC6に蓄えられる。
Figure 0004265199
ここで、コンデンサC6の端子f側が例えば零電位となり、コンデンサC6の端子g側が例えば負電位となる。このため、コンデンサC6の電圧は、図19に示すように、負電圧(逆バイアス電圧)となる。このコンデンサC6の負電圧が端子aを介して制御回路11に供給される。
【0118】
そして、コンデンサC6の電圧が、スイッチQ1nのスレッシホールド電圧THLになった時点(図19の時刻t)で、制御回路11は、端子bから−15Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する。
Figure 0004265199
このため、スイッチQ1nは、オフ状態となる。
【0119】
すると、全波整流回路B1からの電圧により、入力平滑コンデンサC5は、充電されて(図18中の▲4▼)、入力平滑コンデンサC5の電圧が上昇していき、入力平滑コンデンサC5の充電が完了する。
【0120】
次に、時刻tにおいて、制御回路11は、スイッチング動作を開始させる。始めに、端子bから0Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する(図18中の▲5▼)。このため、スイッチQ1nは、オン状態となるため、全波整流回路B1の一方の出力端P1からトランスTの1次巻線5aを介してスイッチQ1nに電流が流れて(図18中の▲6▼)、トランスTの1次巻線5aにエネルギーが蓄えられる。このとき、2次巻線5bにも電圧が発生し、5b→D1→L1→C4→5bで電流が流れるため、負荷RLに電力が供給される。
【0121】
また、トランスTの1次巻線5aと電磁結合している補助巻線5dにも電圧が発生し、発生した電圧は、ダイオードD7及びコンデンサC7を介して制御回路11に供給される(図18中の▲7▼)。このため、制御回路11が動作を継続することができるので、スイッチQ1nのスイッチング動作を継続して行うことができる。
【0122】
次に、時刻tにおいて、端子bから−15Vの制御信号をスイッチQ1nのゲートに出力する。このため、時刻tにスイッチQ1nがオフして、1次巻線5aに発生した逆起電力により、L1→C4→D2→L1で電流が流れ、負荷RLに出力電圧が発生する。また、時刻tに可飽和リアクトルSL1のインダクタンスと共振用コンデンサC1による共振を起こし、スイッチQ1nの電圧は上昇していき、スイッチQ2の電圧は下降していく。
【0123】
また、時刻tに制御回路11から短絡信号をスイッチS1に出力すると、スイッチS1がオンして(図18中の▲8▼)、突入電流制限抵抗R1の両端が短絡される。このため、突入電流制限抵抗R1の損失を減ずることができる。
【0124】
なお、時刻tは、交流電源Vac1をオンしたとき(時刻t)からの経過時間として設定され、例えば入力平滑コンデンサC5と突入電流制限抵抗R1との時定数(τ=C5・R1)の約5倍以上の時間に設定される。以後、スイッチQ1nはオン/オフによるスイッチング動作を繰り返す。スイッチQ1nがスイッチング動作を開始した後には、スイッチQ1n及びスイッチQ2は、図6に示す第1の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1及びQ2の動作、即ち、図2、図3に示すタイミングチャートに従った動作と同様に動作する。
【0125】
このように第5の実施の形態に係る直流変換装置によれば、第1の実施の形態の効果が得られるとともに、制御回路11は、交流電源Vac1がオンされたときに突入電流制限抵抗R1に発生した電圧によりスイッチQ1nをオフさせ、入力平滑コンデンサC5が充電された後、スイッチQ1nをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させるので、電源オン時における問題もなくなる。従って、ノーマリオンタイプの半導体スイッチが使用可能となり、損失の少ない、即ち、高効率な直流変換装置を提供することができる。
【0126】
なお、本発明は上述した第1乃至第5の実施の形態に係る直流変換装置に限定されるものではない。第5の実施の形態の装置では、第1の実施の形態の装置にノーマリオン回路を追加した例を説明したが、ノーマリオン回路は、例えば、第2の実施の形態の装置、第3の実施の形態の装置、第4の実施の形態の装置に追加しても良い。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ゼロ電圧スイッチングを達成でき、共振作用により電圧の立ち上り、立下がりも緩やかとなり、低ノイズ、高効率な直流変換装置を提供することができる。
【0128】
また、トランスのコアの磁束利用率が向上し、トランスの2次側回路の平滑コンデンサのリップル電流も軽減できるため、装置を小型化することができる。また、トランスの2次側出力電圧が矩形波となるため、同期整流が有利であり、低電圧出力に対して高効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。
【図3】第1の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。
【図4】第1の実施の形態に係る直流変換装置に設けられたトランスのB−H特性を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る直流変換装置に設けられた可飽和リアクトルの電流のタイミングチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る直流変換装置の第1実施例を示す回路構成図である。
【図7】第1の実施の形態に係る直流変換装置の第2実施例を示す回路構成図である。
【図8】第1の実施の形態に係る直流変換装置の第3実施例を示す回路構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【図10】第2の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【図12】第3の実施の形態に係る直流変換装置に設けられたトランスの構造図である。
【図13】第3の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。
【図14】第3の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオン時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。
【図15】第3の実施の形態に係る直流変換装置のスイッチQ1のターンオフ時の各部における信号の詳細を示すタイミングチャートである。
【図16】第4の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【図17】第5の実施の形態に係る直流変換装置を示す回路構成図である。
【図18】第5の実施の形態に係る直流変換装置の動作を説明するための図である。
【図19】第5の実施の形態に係る直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。
【図20】従来の直流変換装置を示す回路構成図である。
【図21】従来の直流変換装置の各部における信号のタイミングチャートである。
【図22】従来の直流変換装置に設けられたトランスのB−H特性を示す図である。
【図23】従来の直流変換装置に設けられたトランスの励磁電流のタイミングチャートである。
【符号の説明】
Vdc1 直流電源
Vac1 交流電源
Idc1 電力供給源
B1 全波整流回路
10,11,100 制御回路
Q1〜Q4,Q1n スイッチ
RL 負荷
R1,R2 抵抗
SL1 可飽和リアクトル
C1 共振用コンデンサ
C3 スナバコンデンサ
C2,C4〜C7 コンデンサ
S1 スイッチ
T,Ta トランス
5a 1次巻線(n1)
5b 2次巻線(n2)
5c 3次巻線(n3)
5d 補助巻線(n4)
12 起動電源部
13 通常動作電源部
D1〜D7 ダイオード

Claims (13)

  1. 直流電源の両端に接続され、トランスの1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、
    前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、
    前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、
    前記トランスの2次巻線の一端に直列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の他端に接続された第3スイッチ及び該第3スイッチと前記2次巻線との直列回路に並列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の一端に接続された第4スイッチを有する整流回路と、
    前記第4スイッチに並列に第1リアクトルを介して接続された平滑回路と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路と、
    を有することを特徴とする直流変換装置。
  2. 直流電源の両端に接続され、トランスのコアに巻回された1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、
    前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、
    前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、
    前記コアに前記1次巻線と密結合させて巻回された前記トランスの2次巻線と、前記コアに前記1次巻線と疎結合させて巻回された前記トランスの3次巻線と、前記2次巻線に直列に接続された第1整流素子及び該第1整流素子と前記2次巻線との直列回路に並列に接続された第2整流素子を有する整流回路と、
    前記第2整流素子に並列に前記3次巻線を介して接続された平滑回路と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路と、
    を有することを特徴とする直流変換装置。
  3. 直流電源の両端に接続され、トランスのコアに巻回された1次巻線と第1スイッチとが直列に接続された第1直列回路と、
    前記第1スイッチの両端又は前記1次巻線の両端に接続され、第2スイッチとスナバコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの1次巻線に並列に接続された可飽和リアクトルと、
    前記第1スイッチがオン時に電力を蓄え、前記第1スイッチがオフ時に前記電力を前記スナバコンデンサに供給する電力供給源と、
    前記コアに前記1次巻線と密結合させて巻回された前記トランスの2次巻線と、前記コアに前記1次巻線と疎結合させて巻回された前記トランスの3次巻線と、前記トランスの2次巻線の一端に直列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の他端に接続された第3スイッチ及び該第3スイッチと前記2次巻線との直列回路に並列に接続され且つ制御端子が前記2次巻線の一端に接続された第4スイッチを有する整流回路と、
    前記第4スイッチに並列に前記3次巻線を介して接続された平滑回路と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチとを交互にオン/オフさせると共に前記第2スイッチの電流が増大した時に前記第2スイッチをオフさせる制御回路と、
    を有することを特徴とする直流変換装置。
  4. 前記可飽和リアクトルは、前記トランスのコアの飽和特性を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の直流変換装置。
  5. 前記電力供給源は、前記直流電源の一端と前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの接続点とに接続され、第2リアクトルとダイオードとが直列に接続された第3直列回路からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の直流変換装置。
  6. 前記電力供給源は、前記トランスの1次巻線に直列に接続された第3リアクトルからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の直流変換装置。
  7. 前記第3リアクトルは、前記トランスのリーケージインダクタからなることを特徴とする請求項6記載の直流変換装置。
  8. 前記トランスのコアの磁路の一部に断面積の少ない部分を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の直流変換装置。
  9. 前記2次巻線の巻数と前記3次巻線の巻数とは同数であり、前記2次巻線は、前記1次巻線に対して逆相に巻回され、前記3次巻線は、前記1次巻線と同相に巻回されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の直流変換装置。
  10. 前記制御回路は、前記第1スイッチをターンオンするときに、前記第1スイッチの電圧が該第1スイッチと並列に接続された共振用コンデンサと前記可飽和リアクトルの飽和インダクタンスとの共振によりゼロ電圧となった時から所定期間中に前記第1スイッチをオンさせることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の直流変換装置。
  11. 前記直流電源は、交流電源と、この交流電源に接続されて交流電圧を整流する入力整流回路とからなり、
    前記入力整流回路の一方の出力端と他方の出力端との間に接続され、入力平滑コンデンサと前記交流電源がオンされたときに前記入力平滑コンデンサの突入電流を軽減する突入電流制限抵抗とが直列に接続された直列回路を有し、
    前記第1スイッチは、前記入力整流回路の一方の出力端に前記トランスの1次巻線を介して接続されたノーマリオンタイプのスイッチからなり、
    前記制御回路は、前記交流電源がオンされたときに前記突入電流制限抵抗に発生した電圧により前記第1スイッチをオフさせ、前記入力平滑コンデンサが充電された後、前記第1スイッチをオン/オフさせるスイッチング動作を開始させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の直流変換装置。
  12. 前記トランスは補助巻線をさらに備え、該トランスの補助巻線に発生する電圧を前記制御回路に供給する通常動作電源部を有することを特徴とする請求項11記載の直流変換装置。
  13. 前記突入電流制限抵抗に並列に接続された半導体スイッチを有し、
    前記制御回路は、前記第1スイッチのスイッチング動作を開始させた後、前記半導体スイッチをオンさせることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の直流変換装置。
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