JP4264021B2 - シリンダ形リニア同期モータ - Google Patents

シリンダ形リニア同期モータ Download PDF

Info

Publication number
JP4264021B2
JP4264021B2 JP2004111063A JP2004111063A JP4264021B2 JP 4264021 B2 JP4264021 B2 JP 4264021B2 JP 2004111063 A JP2004111063 A JP 2004111063A JP 2004111063 A JP2004111063 A JP 2004111063A JP 4264021 B2 JP4264021 B2 JP 4264021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic pole
frame
stator
axial direction
linear motion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004111063A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004236498A (ja
JP2004236498A5 (ja
Inventor
信二 鈴木
聡 杉田
茂人 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Denki Co Ltd filed Critical Sanyo Denki Co Ltd
Priority to JP2004111063A priority Critical patent/JP4264021B2/ja
Publication of JP2004236498A publication Critical patent/JP2004236498A/ja
Publication of JP2004236498A5 publication Critical patent/JP2004236498A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4264021B2 publication Critical patent/JP4264021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Linear Motors (AREA)

Description

本発明は、可動子が固定子の内部に配置されて直線運動をするシリンダ形リニア同期モータに関するものである。
現在、シリンダ形リニアモータとして実際に販売されているものとしては、シリンダ形のリニアステッピングモータ(またはリニアパルスモータ)がある。この市販されているシリンダ形のリニアステッピングモータは、内周面に直動軸の軸線方向に沿って複数の小歯が形成され且つ励磁巻線が巻装された複数の固定子コアからなる固定子と、直動軸に固定され内部に永久磁石を備えて外周面に直動軸の軸線方向に沿って複数の小歯が形成された可動部を備えた可動子とを備えている。そしてこのリニアステッピングモータでは、複数の固定子コアの励磁巻線を順次励磁することにより固定子の小歯と可動子の小歯との間に推力を発生させて直動軸を直線運動させる。
リニアステッピングモータは、位置制御性能は高いものの、大きな推力を得ることができない。そのため大きな負荷トル7クを必要とする用途には不向きである。
本発明の目的は、大きな推力を得ることができて、しかも構造が簡単なシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、励磁巻線を固定子コアに巻回する必要のないシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、直動軸を支持するリニア軸受の寿命を長くすることができるシ
リンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の更に他の目的は直動軸を支持するリニア軸受の寿命を長くすることができて、しかもより大きな推力を得ることができるシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、可動子と固定子との間に位置関係を検出する位置検出センサを内蔵したシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、可動子と固定子との間に位置関係の検出精度が高いシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の別の目的は、防水性能の高いシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、組み立てが容易でしかも機械的強度の高いシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明の他の目的は、可動子の構造及び組み立てが簡単なシリンダ形リニア同期モータを提供することにある。
本発明のシリンダ形リニア同期モータでは、シリンダ形のフレームを有するケースの両端に一対のリニア軸受が取付けられている。具体的なものでは、内部に空洞を有するシリンダ形のフレームの両端に固定された一対のエンドブラケットに一対のリニア軸受がそれぞれ取付けられている。リニア軸受としては、一般的にはボールスプラインが用いられる。
可動子は、一対のリニア軸受に直線往復運動可能に支持された直動軸と、直動軸に固定されてフレームの空洞内に配置され且つ直動軸の軸線方向に延びる磁石取付部を備えた透磁性材料からなる磁石取付体と、この磁石取付体の磁石取付部に支持され且つ磁極面に交互にN極とS極とが現れるように軸線方向に並べれられた複数の永久磁石からなる1以上の永久磁石列とを備えて構成される。1つの永久磁石列を構成する複数の永久磁石は、物理的に分離した複数の永久磁石であってもよいし、物理的に1つの磁性体が長手方向に交互にN極とS極とに着磁されて構成された複数の永久磁石でもよい。
永久磁石列が複数列ある場合には、複数列の永久磁石列は周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置するのが好ましい。但し、径方向の外面にN極またはS極が現れるように着磁された円環状永久磁石を用いて、永久磁石列の集合体を構成してもよい。具体的には、可動子の磁石取付体の外周部に軸線方向に所定の間隔をあけてN極とS極が交互に並ぶように円環状永久磁石を嵌合させて固定する。このような複数の円環状永久磁石を用いた場合には、複数の円環状永久磁石の固定子コアの複数の磁極部と対向する部分が、それぞれ永久磁石列を構成する複数の永久磁石となる。このような円環状永久磁石を用いると、可動子の構造が簡単になるだけでなく、永久磁石の磁石取付体への取付が容易になる。
固定子は、ケースのフレームの内周側に固定された基部及び直動軸の径方向において磁極面が1以上の永久磁石列と対向し且つ軸線方向に所定の間隔をあけて配置された複数の磁極部を有する1以上の固定子コアと、1以上の固定子コアの複数の磁極部の磁極面に所定の極性の磁極が現れるように各磁極部を励磁する複数の励磁巻線とから構成される。磁気的なバランスから見ると固定子コアは複数あることが好ましく、複数の固定子コアは可動子の複数の永久磁石列とそれぞれ対向するように周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置するのが好ましい。
シリンダ形リニア同期モータでは、固定子の複数の励磁巻線に流れる励磁電流の通電方向を変えて複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界を発生して、1以上の永久磁石列と複数の磁極部との間に直動軸を軸線方向に変位さる推力を発生する。励磁電流が交流電流であれば、その周波数に応じて磁極部の磁極面に現れる磁極の極性が変化することになる。多相の交流電流を複数の励磁巻線に通電すれば多相同期モータとなるため、大きな推力を得ることができる。励磁電流の極性及び大きさを固定すれば固定子と可動子との間には吸引力のみが働き、可動子の位置は固定される。
固定子コアの磁極部を励磁する場合、回転電機の発想に従えば、磁極部の外周に巻線導体を巻回することになる。この回転電機の発想をリニア同期モータに持ち込むと、軸線方向の長さが長くなる上、巻線の巻回作業が大変になる。そこで本発明では、固定子の複数の励磁巻線として、それぞれ可動子の周囲を周方向に囲むように巻線導体を環状に巻回してなる環状巻線を用いる。そして1以上の固定子コアの軸線方向に隣接する2つの磁極部間に形成されたスロットに対応する1つの励磁巻線の一部を嵌合させる構造を採用する。このようにすると1つのスロットに嵌合された励磁巻線が発生する磁束が隣接する2つの磁極部を循環するように流れて、隣接する2つの磁極部の磁極面には極性の異なる磁極が現れる。1以上の固定子コアの複数のスロットに嵌合した複数の励磁巻線に流す励磁電流を適当に切り替えることにより、固定子側に軸線方向の一方の方向から他方の方向に向かって(または他方の方向から一方の方向に向かって)N極とS極の磁界が所定の速度で移動しているのと同じ状態の移動磁界が得られる。この移動磁界は、多相同期電動機で用いる回転磁界に相当するものである。この移動磁界により、固定子コアの複数の磁極部と可動子の永久磁石列との間に推力が発生して直動軸が軸線方向に移動する。固定子コアの複数の磁極部の磁極面に現れる磁極を一定にすれば、可動子と固定子との間には吸引力のみが発生して可動子は固定される。
複数の励磁巻線に位相の異なるp相(但しpは2以上の正の整数)の励磁電流を流して移動磁界を得る場合に、m個(但しmは2以上の正の整数)の固定子コアを用いるときには、m個の固定子コアを周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置する。また複数の励磁巻線として、p×q個(但しqは1以上の正の整数)の環状巻線を用意する。1つの固定子コアにn個の磁極部を設けるとすると、この場合nはn=p×q+1の関係になる。そしてm個の固定子コアの軸線方向に隣接する2つの磁極部間にそれぞれ形成されるn−1個のスロットに、それぞれ対応する1つの環状巻線の一部を嵌合させる。このようにするとm個の固定子コアのn個の磁極部から、完全に同期した移動磁界を発生せることができる。スロットに環状巻線を嵌合させるだけでよいため、スロットの軸線方向の寸法(隣接する2つの磁極部間の間隔)が狭くなっても、固定子を簡単に構成することができる。
励磁巻線として用いる環状巻線を構成する場合には、巻線作業の作業性と巻回密度の向上及び励磁巻線の保護の観点から、励磁巻線を絶縁材料からなるボビンに巻回して構成するのが好ましい。この場合には、ボビンの一部をスロットに嵌合する。各励磁巻線を巻装するボビンは各励磁巻線ごとに独立していてもよいが、各ボビンが一体に連結されていてもよい。
固定子コアの複数の磁極部の磁極面を実質的に平坦に構成し、磁石取付体の磁石取付部に取付けられた永久磁石列を構成する複数の永久磁石の磁極面を複数の磁極部の磁極面との間の間隙寸法が実質的に一定になるようにほぼ平坦にすると、固定子の磁極面と可動子の磁極面との間の間隙寸法に実質的に変化がないため、磁気的にみて最も大きな推力が得られ、直動軸に偏った力が加わるのを阻止することができる。そのためリニア軸受に大きな力が加わることがなく、リニア軸受の寿命を延ばすことができる。なおこのような構成にすると、永久磁石が固定された状態の可動子の磁石取付体の輪郭の横断面形状はいわゆる角形となる。
回転電機の可動子のように、永久磁石が固定された状態の可動子の磁石取付体の輪郭の横断面形状が実質的に円形になるように、永久磁石の磁極面を円弧状に形成すると、回転電機の製造設備を用いて可動子及び固定子を構成する各部品を製造できるため、製造コストを下げることができる。その場合、固定子コアの複数の磁極部の磁極面と永久磁石の磁極面との間の間隙寸法のバラツキが余り大きくならないように固定子コアの複数の磁極部の磁極面を湾曲させるのが好ましい。回転電機の固定子コアと同様に、固定子コアは複数枚の鋼板を積層して構成する。その場合には、複数の磁極部を構成する歯部を備えた櫛歯状の複数枚の鋼板を用いる。そして櫛歯状の複数枚の鋼板を固定子コアの磁極面が円弧状になるように(湾曲するように)積層する。この場合に、可動子の構造を簡単にするためには、前述の円環状永久磁石を用いればよい。
リニアステッピングモータと異なって、リニア同期モータは、励磁巻線に流れる励磁電流を切り替えるために、可動子と固定子との軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサを必要とする。ケースの外部に突出する直動軸の変位を検出するように位置検出センサを設けることも考えられるが、このようにすると既存のモータと同様の感覚で取扱うことができず不便である。またこのようにすると温度変化による各部材の熱膨脹による検出誤差が大きくなって位置制御精度が悪くなる問題も生じる。そこで可動子と固定子との軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサをフレームの内部に配置すれば、上記の問題はほぼ解消できる。位置検出センサは、可動子に取付けられた光学的にまたは磁気的に検出可能な被検出体と、フレームの内周部に固定されて被検出部の位置または移動量を光学的にまたは磁気的に検出する検出部とから構成できる。この場合に、可動子の磁石取付体とフレームは熱膨脹係数が異なる材料によって形成されているときには、被検出部を永久磁石列よりも直動軸の負荷が接続される出力軸部に近い位置に配置するのが好ましい。このようにすると検出部も当然にして負荷が接続される出力軸部に近い位置に配置されることになる。このようにすれば負荷が接続させる出力軸部に近い位置に位置検出センサが配置されるため、センサが検出する誤差が小さくなる。もし直動軸の出力軸部と反対側の非出力軸部側に位置検出センサを配置すると、出力軸部側から非出力軸部側に位置する各部の膨脹が累積して被検出部及び検出部の取付位置の変化として現れる。これに対して位置検出センサの被検出部及び検出部を直動軸の出力軸部側に近い位置に配置すると、被検出部及び検出部の取付位置を変化させる熱膨脹の累積値がわずかであるため、位置検出センサの検出精度が高くなり、その分リニア同期モータの位置決め精度が高くなる。なお磁石取付体の出力軸部側の外周に位置検出センサの被検出部を取付ける部分を形成しておけばよい。
また一対のエンドブラケットの直動軸の負荷が接続されない非出力軸部側の端部を支持するリニア軸受が取付けられる側のエンドブラケットに、該エンドブラケットから突出する直動軸の非出力軸部側の端部を覆うカバー部材を取付けてもよい。このようにすると直動軸の非出力軸部とリニア軸受部を保護できる。とくにカバー部材として防水性を有する構造のものを用いれば、直動軸の非出力軸部側からモータの内部に水分が入り込むのを阻止できる。このような機能は、特に直動軸の非出力軸部側が上側に位置するようにして直動軸を上下方向に変位させる姿勢で本発明のリニア同期モータを用いる場合に効果を発揮する。
また固定子コアのフレームに対する取付けに関して次のようにするのが好ましい。フレームの内周部に複数の固定子コアの基部がフレームの一方の開口端部側から挿入可能な複数の嵌合溝を形成しておく。これら複数の嵌合溝にはフレームの他方の開口端部側に固定子コアの軸線方向の一方の端面と接触して固定子コアの位置決めを図るストッパ面を設ける。そして固定子コアの基部が嵌合溝に嵌合されて固定子コアの一方の端面がストッパ面と接触した状態で、固定子コアの軸線方向の他方の端面と接触するストッパ部材をフレームに対して固定する。更に固定子コア、複数の励磁巻線及びストッパ部材を絶縁モールド材料によりモールドする。ストッパ面とストッパ部材は、固定子コアに働く軸線方向への反力を受けて、固定子コアが軸線方向に変位するのを阻止する機能を果たす。この機能があるために、モールド部に力が加わってモールド部にクラック等が入るのを防止できる。
本発明のシリンダ形リニア同期モータでは、固定子の複数の励磁巻線に流れる励磁電流の通電方向を変えて複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界を発生して、1以上の永久磁石列と複数の磁極部との間に直動軸を軸線方向に変位さる推力を発生するため、公知のシリンダ形リニアステッピングモータよりも大きな推力を得ることができる。特に本発明によれば、固定子の複数の励磁巻線として、それぞれ可動子の周囲を周方向に囲むように巻線導体を環状に巻回してなる環状巻線を用い、固定子コアの軸線方向に隣接する2つの磁極部間に形成されたスロットに対応する励磁巻線の一部を嵌合させる構造を採用するため、励磁巻線を固定子コアの磁極部に巻回する必要がなくなる。そのため本発明によれば、大きな推力を発生することができるシリンダ形リニア同期モータを簡単な構造で構成することができる。
以下本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明をシリンダ形リニア三相同期モータ1に適用した実施の形態の一例の一部破断断面図であり、図2は図1の半部横断面図である。このシリンダ形リニア三相同期モータ1のケース3は、非磁性材料(例えばアルミニューム)製のシリンダ形のフレーム5とアルミニューム製の一対のエンドブラケット7及び9とから構成されている。フレーム5は、内部に円筒状の空洞5aを有しており、またその両端開口部の内側にエンドブラケット7及び9が嵌合される環状の段部5b,5bを有している。エンドブラケット7及び9の中央部の開口部7a及び9aには、ボールスプラインからなるリニア軸受11及び13が嵌合されている。リニア軸受11及び13は、エンドブラケット7及び9に対して4本の捩子15で固定されている。一対のエンドブラケット7及び9のフレーム5の段部5b,5bに嵌合される環状突出部7b及び9bの外周部には、径方向外側に向かって開口する環状の溝7c及び9cが形成されており、この溝7c及び9c内にはシール用のオーリング17及び19が嵌合されている。図2に示されるようにエンドブラケット7及び9には、輪郭形状がほぼ四角形をなすフランジ部7d及び9dが一体に設けられており、このフランジ部の四隅には、取付用のボルトを挿入する孔21及び23がそれぞれ形成されている。なおエンドブラケット7及び9は、フレーム5に対して捩子25により固定されている。
一対のリニア軸受11及び13には、直線往復運動可能に鉄製の直動軸27が支持されている。図1に示した状態は、直動軸27の負荷が接続される出力軸部27aが最も外側に突出した状態である。ケース3の内部に位置する直動軸27の部分には、磁性材料である鉄製の磁石取付体29が直動軸27と同心になるように固定されている。磁石取付体29は、基本的には円筒形形状を成しており、その内部には直動軸27の外周に嵌合される嵌合孔29aと、この嵌合孔29aの両側に位置して嵌合孔29aよりも径寸法の大きい第1及び第2の大径孔29b及び29cが形成されている。第1の大径孔29bは、リニア軸受11の内側端部の外周面と接触しない径寸法を有しており、また第2の大径孔29cもリニア軸受13の外周面と接触しない径寸法を有している。磁石取付体29の第1の大径孔29bが形成されている部分(直動軸27の出力軸部27a側の端部)の外周には、後に説明する位置検出センサの被検出部51として用いられるリニアスケールが取付けられる段部29dが形成されている。また第2の大径孔29cが形成される部分の外周部が磁石取付部30を構成している。磁石取付部30は、直動軸27の軸線方向に延びるほぼ円筒形状を有してり、その外周には8個の円環状永久磁石31a〜31hが嵌合されている。隣接する2つの円環状永久磁石の間及び円環状永久磁石31hの軸線方向外側には非磁性材料からなり一部が切断されたほぼ環状またはC字状のストッパ部材33…が嵌合されている。磁石取付部30の外周部には、ストッパ部材33…が嵌合される嵌合溝が形成されている。なお円環状永久磁石31a〜31hは接着剤を介して磁石取付部30に固定してもよいし、円環状永久磁石31a〜31hの全体を合成樹脂によりモールドしてもよい。更に円環状永久磁石31a〜31hが嵌合された磁石取付部30の外側に熱収縮チューブを被せた後、熱収縮チューブを加熱して熱収縮させて、円環状永久磁石31a〜31hを全体的に包み込むようにしてもよい。円環状永久磁石31a,31c,31e及び31gは、径方向の外面にN極が現れるように着磁されており、円環状永久磁石31b,31d,31f及び31hは、径方向の外面にS極が現れるように着磁されている。その結果、直動軸27の軸線方向にN極とS極とが交互に並ぶ永久磁石の列が形成されることになる。なお後述する6個の固定子コアの7個の磁極部と対向する各円環状永久磁石の部分が、それぞれ本発明における周方向に所定の間隔を明けて配置された複数の永久磁石列を構成する複数の永久磁石を構成する。この例では、直動軸27と、磁石取付体29と円環状永久磁石31a〜31hによって可動子32が構成されている。
なお磁石取付体29の直動軸27への固定の態様は任意であるが、この例では直動軸27の2か所に周方向に4つずつ設けた嵌合孔にピン34を嵌合して磁石取付体29を直動軸27に対して固定している。
フレーム5の内周部には、6個の固定子コア35…が固定されている。6個の固定子コア35…は、それぞれフレーム5の内周側に固定された基部35a及び直動軸27の径方向において磁極面35b…が円環状永久磁石31a〜31hによって形成される永久磁石列と対向し且つ直動軸27の軸線方向に所定の間隔をあけて配置された7つの磁極部35c…を有している。固定子コア35は、複数枚の鋼板を積層して構成されている。鋼板としては、磁極部35c…を構成する歯部を備えた櫛歯状の複数枚の鋼板を用いる。そして櫛歯状の複数枚の鋼板を固定子コアの磁極面35bが円弧状になるように(湾曲するように)積層する。なお積層した各鋼板はレーザ溶接等により相互に結合されている。6個の固定子コア35…は、磁極面35bが可動子の永久磁石列とそれぞれ対向するように周方向にほぼ等しい間隔(この例では60度間隔)をあけて配置されている。
フレーム5の内周部に固定子コア35の基部35aを固定するための構造は任意である。この例ではフレーム5の内周部に一方の開口端部(エンドブラケット9側の開口端部)側から挿入可能な6つの嵌合溝5c…を周方向に等しい間隔を明けて形成している。そしてこれら嵌合溝5cには、フレーム5の他方の開口端部(エンドブラケット7側の開口端部)側に固定子コア35の軸線方向の一方の端面と接触して固定子コア35の位置決めを図るストッパ面5dを設けてある。そして固定子コア35の基部35aは、嵌合溝5cに圧入嵌合されている。固定子コア35の軸線方向の一方の端面がストッパ面5dと接触した状態で、固定子コア35の軸線方向の他方の端面と接触するように、環状のストッパ部材37がフレーム5の内周部に対して固定されている。ストッパ部材は溶接または捩子止め等によりフレーム5に対してしっかりと固定されている。
各固定子コア35の隣接する2つの磁極部35c間に形成される6個のスロットには、巻線導体を環状に巻回してなる環状巻線からなる励磁巻線39a〜39fの一部がそれぞれ嵌合されている。なお図1の例では、各励磁巻線39a〜39fは、図4(A)及び(B)に示すような合成樹脂製のボビン41に巻線導体が巻回されて構成されており、ボビン41の一部と一緒に励磁巻線が各スロットに嵌合されている。理解を容易にするために、図2及び図3においては、ボビン41を省略してある。ボビンは、円筒部41aの両端に環状の2枚の鍔部41bが結合された構造になっており、2枚の鍔部41b,41bの間に絶縁材料により被覆された巻線導体39が巻回されて各励磁巻線が構成されている。図4(B)において40は励磁巻線の引出し線である。図2及び図3に示した概略斜視図を見ると分かるように、隣接する2つの固定子コア35の間には、軸線方向に延びる6本の空間43が形成される。各励磁巻線39a〜39fからの引出し線40は、この空間43を利用して引き回されて給電線または所定の励磁巻線の引出し線と接続される。なお本質的にはボビン41を用いる必要はないが、ボビン41を用いると作業性及び絶縁性は大幅に向上する。
この例では固定子コア35…、励磁巻線39a〜39f及びストッパ部材37を絶縁モールド材料によりモールドしてモールド部45を形成する。なお図1においては、モールド部45を破線で示してある。ストッパ面5dとストッパ部材37は、固定子コア35…に働く軸線方向への反力を受けて、固定子コア35…が軸線方向に変位するのを阻止する機能を果たす。この機能があるために、モールド部45に力が加わってモールド部45にクラック等が入るのを防止できる。 なおこの例では、固定子コア35…と励磁巻線39a〜39fとにより固定子47が構成されている。
リニアステッピングモータと異なって、リニア同期モータは、励磁巻線39a〜39fに流れる励磁電流を切り替えるために、可動子32と固定子47との軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサを必要とする。ケースの外部に突出する直動軸27の変位を検出するように位置検出センサを設けることも考えられるが、このようにすると既存のモータと同様の感覚で取扱うことができず不便である。またこのようにすると温度変化による各部材の熱膨脹による検出誤差が大きくなって位置制御精度が悪くなる問題も生じる。そこでこの例では、図1に示すように可動子32と固定子47との軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサ49をフレーム5の内部に配置している。位置検出センサ49は、可動子32に取付けられた光学的にまたは磁気的に検出可能な被検出部51と、フレーム5の内周部に固定されて被検出部51の位置または移動量を光学的にまたは磁気的に検出する検出部53とから構成できる。光学的に位置を検出する位置検出センサでは、被検出部51として所定の反射パターンを備えたリニアスケールを用いる。そして発光部と受光部とを備えた検出部53から被検出部51に光を照射して反射してきた光に含まれる情報に基づいて位置を検出する。この例では、可動子32の磁石取付体29とフレーム5は熱膨脹係数が異なる材料によって形成されている。そこで被検出部51を直動軸27の負荷が接続される出力軸部27aに近い位置に配置し、検出部53も出力軸部27aに近い位置に配置してある。直動軸27の出力軸部27aを通して負荷側から伝達される熱が直動軸27を通して、モータ1のケース3の内部に伝わると、直動軸27、磁石取付体29及びフレーム5がそれぞれ熱膨脹を起こす。もし直動軸27の出力軸部27aと反対側の非出力軸部27b側に位置検出センサを配置すると、出力軸部27a側から非出力軸部側27bに位置する各部の膨脹が累積して被検出部及び検出部の取付位置の変化として現れる。これに対してこの例のように位置検出センサ49の被検出部51及び検出部53を直動軸27の出力軸部側に近い位置に配置すると、被検出部51及び検出部53の取付位置を変化させる熱膨脹の累積値がわずかであるため、位置検出センサ49の検出精度が高くなり、その分リニア同期モータの位置決め精度が高くなる。
図1の例では、直動軸27の負荷が接続されない非出力軸部27b側の端部を支持するリニア軸受13が取付けられる側のエンドブラケット9には、エンドブラケット9から突出する直動軸28の非出力軸部27b側の端部を覆う金属製または合成樹脂製のカバー部材55が取付けられている。カバー部材55を設けると、直動軸27の非出力軸部27bとリニア軸受部13を保護できる。特にこの例ではカバー部材55として防水性を有する構造のものを用いている。具体的には、カバー部材55のフランジ部55aに、エンドブラケット9の外面に向かう方向に開口する環状の嵌合溝が形成してあり、この嵌合溝にシール用のオーリング57が圧縮状態で嵌合されている。なおカバー部材55は、フランジ部55aに設けた図示しない複数の貫通孔に捩子を挿入してエンドブラケット9に対して捩子止めされている。このような構造にすると、直動軸27の非出力軸部27b側からモータの内部に水分が入り込むのを阻止できる。このような機能は、特に直動軸27の非出力軸部側27bが上側に位置するようにして直動軸27を上下方向に変位させる姿勢でこのリニア三相同期モータ1を用いる場合に効果を発揮する。
シリンダ形リニア同期モータでは、固定子47の励磁巻線39a〜39fに流れる励磁電流の通電方向を変えて各固定子コア35の磁極部35c…の磁極面35b…に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界を発生し、可動子32の永久磁石列と固定子47の磁極部35c…との間に直動軸27を軸線方向に変位させる推力を発生する。この例では励磁電流として正弦波の三相交流を用いる。三相交流の周波数に応じて磁極部35c…の磁極面35b…に現れる磁極の極性が変化する。多相の交流電流を励磁巻線に通電すれば多相同期モータとなるため、大きな推力を得ることができるのである。励磁電流を変化させなければ(極性及び大きさを固定すれば)固定子47と可動子32との間には吸引力のみが働き、可動子32の位置は固定されることになる。
この例の励磁巻線39a〜39fの励磁態様について、図5を及び図6を用いて簡単に説明する。まずこの例では、電気角で120度ずつ位相がずれた3相の励磁電流U,V及びWを用いる。そこで6個の固定子コア35…の隣接する2個のスロットに嵌合される2個の励磁巻線39a及び39bにはU相の励磁電流を流し、その次に隣接する2個のスロットに嵌合される2個の励磁巻線39c及び39dにはV相の励磁電流を流し、その次に隣接する2個のスロットに嵌合される2個の環状巻線39e及び39fにはW相の励磁電流を流す。そして6個の固定子コア35…のそれぞれの軸線方向に隣接する2つの磁極部35c…に現れる極性が異極性になるように6個の励磁巻線39a〜39fを結線する。この例では、図5に示した磁束の流れを生じさせるために、U相の励磁電流を流す励磁巻線39a及び39bにはそれぞれ逆方向にU相の励磁電流が流れるように引出し線を結線して、結線した引出し線にU相の給電線を接続する。なお図5に示した記号は電流の流れる方向を示している。V相の励磁電流を流す励磁巻線39c及び39dも,それぞれ逆方向にV相の励磁電流が流れるように引出し線を結線して、結線した引出し線にV相の給電線を接続する。同様にして、W相の励磁電流を流す励磁巻線39e及び39fも,それぞれ逆方向にW相の励磁電流が流れるように引出し線を結線して、結線した引出し線にW相の給電線を接続する。
このように結線して、位置検出センサ49の出力に基づいて、各励磁巻線に流れる励磁電流を切り替えることにより、見掛け上軸線方向に移動する移動磁界を発生させると、同期電動機の原理と同様の動作原理で、可動子32が軸線方向に移動する。励磁電流の切り替えを停止すれば、可動子32と固定子47との間には吸引力のみが働き可動子32は停止する。
この例で用いた励磁態様を一般的に説明すると次のようになる。まず複数の励磁巻線に位相の異なるp相(但しpは2以上の正の整数)の励磁電流を流して移動磁界を得る場合には、m個(但しmは2以上の正の整数)の固定子コアを用いるときには、m個の固定子コアを周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置する。また複数の励磁巻線として、p×q個(但しqは1以上の正の整数)の環状巻線を用意する。1つの固定子コアにn個の磁極部を設けるとすると、この場合nはn=p×q+1の関係になる。そしてm個の固定子コアの軸線方向に隣接する2つの磁極部間にそれぞれ形成されるn−1個のスロットに、それぞれ対応する1つの環状巻線の一部を嵌合させる。このようにするとm個の固定子コアのn個の磁極部から、完全に同期した移動磁界を発生せることができる。スロットに環状巻線を嵌合させるだけでよいため、スロットの軸線方向の寸法(隣接する2つの磁極部間の間隔)が狭くなっても、固定子を簡単に構成することができる。そして多相の励磁電流を用いて推力を高める場合には、m個の固定子コアの軸線方向に連続して並ぶq個のスロットに嵌合されたq個の環状巻線に同じ相の励磁電流を流す。そしてこのときでもm個の固定子コアのそれぞれの軸線方向に隣接する2つの磁極部に現れる極性が異極性になるようにp×q個の環状巻線を結線する。このようにすると、多相化した場合でも配線が複雑にならない。推力を増減する場合には、同じ相の励磁電流が流れる環状巻線の数を増減すればよい。図1の例で、更に推力を大きくするためには、1相に対して3個の励磁巻線を用意する。その場合、各固定子コアの磁極部の数は10個となり、励磁巻線の数は9個となる。
上記例では、円環状永久磁石31a〜31hを用いたが、各固定子コア35…に対応して設けられる永久磁石列を独立した複数の永久磁石により構成してもよいのは勿論である。その場合には、実際的に複数の永久磁石列は、可動子32の周方向に間隔をあけて設けられることになる。
上記例では、6個の固定子コア35を周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置したが、理論的には固定子コアは1つでもよい。しかしながら固定子コアを1つにすると、可動子と固定子との間に働く吸引力により直動軸に径方向の一方向に偏った力が働き、その力がリニア軸受に作用してリニア軸受の寿命を短くする。そのためこの例のように、複数の固定子コアを磁気バランス良く配置するのが好ましい。また固定子コアの数を多くすると、その分合成推力も大きくなるので、得ようとする推力に応じて固定子コアの数を決定してもよい。
上記例の可動子のように、永久磁石が固定された状態の可動子の磁石取付体の輪郭の横断面形状が実質的に円形になるように、永久磁石の磁極面を円弧状に形成すると、回転電機の製造設備を用いて可動子及び固定子を構成する各部品を製造できるため、製造コストを下げることができる。しかしながらこの構造では、固定子コア35の磁極部35cの磁極面35bと永久磁石の磁極面との間の間隙寸法にバラツキが生じる。そこで図7に示すように、固定子コア135の複数の磁極部135cの磁極面135bを実質的に平坦に構成し、磁石取付体129の磁石取付部130に取付けられた永久磁石列を構成する複数の永久磁石131として平板状の磁石を用いると、永久磁石131の磁極面131aが平坦になって、複数の磁極部135c…の磁極面135bとの間の間隙寸法が実質的に一定になる。このようにすると固定子147の磁極面135bと可動子132の磁極面131aとの間の間隙寸法に実質的に変化がないため、磁気的に見て最も大きな推力が得られ、しかも直動軸を回転させるようなトルクが発生するのを阻止することができる。そのためリニア軸受に偏った力が加わることがなく、リニア軸受の寿命を延ばすことができる。なおこのような構成にすると、永久磁石131が固定された状態の可動子132の磁石取付体129の輪郭の横断面形状はいわゆる角形となり、角形シリンダ形リニア同期モータとなる。
なお図7の角形シリンダ形リニア同期モータを構成する場合には、図8に示すように、永久磁石131を少しずつ傾けて即ちスキューさせて磁石取付体129の磁石取付部130に配置するのが好ましい。図8の例では、磁石取付体129の磁石取付部130の平面上に軸線方向に間隔をあけて円柱状のピン140…を固定する。そしてこのピン140の間に隣接する永久磁石とは異なる極性が磁極面に現れるように永久磁石131を2本のピン140の間に配置する。このようにすると隣接する磁石どうしは吸引力によって角部が引き合い、図示のように交互に異なった方向に傾斜(スキュー)した状態になる。そしてこの状態で、磁石取付部130の周囲に熱収縮チューブを被せ、熱収縮チューブを収縮させれば、永久磁石131…をそれぞれ軸線方向に対して傾けた状態で磁石取付部130に固定することができる。このような永久磁石131の取付構造を採用すれば、コギングトルクを向上させることができる。なお永久磁石をスキューさせる構造を上記図1の例に適用しても良いのは勿論である。
なお上記の例で説明した励磁巻線の励磁態様または方法は一例であって、本発明を実施する場合の励磁巻線の励磁方法は移動磁界を発生できるものであれば任意である。
本発明をシリンダ形リニア三相同期モータに適用した実施の形態の一例の一部破断断面図である。 図1の半部横断面図である。 図1の例の固定子の概略斜視図である。 (A)はボビンの斜視図、(B)はボビンに励磁巻線を巻装した状態の断面図である。 図1のシリンダ形リニア三相同期モータの固定子側の励磁巻線の配置状態を説明するために用いる図である。 図1のシリンダ形リニア三相同期モータの固定子と可動子の関係を示す図である。 本発明を角形シリンダ形リニア同期モータに適用した場合の固定子と可動子の関係を示す図である。 図7の角形シリンダ形リニア同期モータにおける永久磁石の取付け方の一例を説明するために用いる図である。
符号の説明
1 シリンダ形リニア三相同期モータ
3 ケース
5 フレーム
7,9 エンドブラケット
11,13 リニア軸受
27 直動軸
27a 出力軸部
29,129 磁石取付体
31a〜31h 円環状永久磁石
131 永久磁石
32,132 可動子
35,135 固定子コア
35b,135b 磁極面
35c,135c 磁極部
39a〜39f 励磁巻線(環状巻線)
41 ボビン
47,147 固定子
55 カバー部材

Claims (7)

  1. シリンダ形のフレームと、
    前記フレームの両端に固定された一対のエンドブラケットと、
    前記フレームを有するケースの両端に取付けられた一対のリニア軸受と、
    前記一対のリニア軸受に直線往復運動可能に支持された直動軸、前記直動軸に固定されて前記フレーム内に配置され且つ前記直動軸の軸線方向に延びる磁石取付部を備えた透磁性材料からなる磁石取付体及び前記磁石取付体の前記磁石取付部に支持され且つ磁極面に交互にN極とS極とが現れるように軸線方向に並べれられた複数の永久磁石からなる1以上の永久磁石列を備えた可動子と、
    前記フレームの内周側に固定された基部及び前記直動軸の径方向において磁極面が前記1以上の永久磁石列と対向し且つ前記軸線方向に所定の間隔をあけて配置された複数の磁極部を有する1以上の固定子コア並びに前記1以上の固定子コアの前記複数の磁極部を励磁する複数の励磁巻線を備えた固定子とを具備し、
    前記複数の励磁巻線に流れる励磁電流の方向を変えて前記複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界を発生させて、前記1以上の永久磁石列と
    前記複数の磁極部との間に前記直動軸を前記軸線方向に変位させる推力を発生するように構成されたシリンダ形リニア同期モータであって、
    前記固定子の前記複数の励磁巻線はそれぞれ前記可動子の周囲を周方向に囲むように巻線導体が環状に巻回されて構成されており、
    前記1以上の固定子コアの前記軸線方向に隣接する2つの前記磁極部間に形成されたスロットに対応する1つの前記励磁巻線の一部が嵌合されており、
    前記一対のエンドブラケットの前記直動軸の負荷が接続されない非出力軸部側の端部を支持する前記リニア軸受が取付けられる側の前記エンドブラケットには、該エンドブラケットから突出する前記直動軸の前記非出力軸部側の端部を覆うカバー部材が取付けられており、
    前記可動子と前記固定子との前記軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサが、前記フレームの内部に配置されており、
    前記位置検出センサは、前記可動子に取付けられた光学的にまたは磁気的に検出可能な被検出部と、前記フレームに固定されて前記被検出部の位置または移動量を光学的にまたは磁気的に検出する検出部とから構成され、
    前記可動子の前記磁石取付体と前記フレームは熱膨脹係数が異なる材料によって形成されており、
    前記被検出部は前記永久磁石列よりも前記直動軸の負荷が接続される出力軸部に近い位置に配置されており、
    前記フレームの内周部には前記1以上の固定子コアの前記基部が前記フレームの一方の開口端部側から挿入可能な複数の嵌合溝が形成されており、
    前記複数の嵌合溝は前記フレームの他方の開口端部側に前記固定子コアの前記軸線方向の一方の端面と接触して前記固定子コアの位置決めをするストッパ面を有しており、
    前記固定子コアの前記基部が前記嵌合溝に嵌合されて前記固定子コアの前記一方の端面が前記ストッパ面と接触した状態で、前記固定子コアの前記軸線方向の他方の端面と接触するストッパ部材が前記フレームに対して固定されていることを特徴とするシリンダ形リニア同期モータ。
  2. 内部に空洞を有するシリンダ形のフレームと、
    前記フレームの両端に固定された一対のエンドブラケットと、
    前記一対のエンドブラケットに取り付けられた一対のリニア軸受と、
    前記一対のリニア軸受に直線往復運動可能に支持された直動軸、前記直動軸に固定されて前記フレームの前記空洞内に配置され且つ前記直動軸の軸線方向に延びる磁石取付部を備えた透磁性材料からなる磁石取付体及び前記磁石取付体の前記磁石取付部に支持され且つ磁極面に交互にN極とS極とが現れるように軸線方向に並べれられた複数の永久磁石からなり周方向に間隔をあけて配置されたm列(但しmは2以上の正の整数)の永久磁石列を備えた可動子と、
    前記フレームの内周側に固定された基部及び前記直動軸の径方向において磁極面が前記m列の永久磁石列と対向し且つ前記軸線方向に所定の間隔をあけて配置されたn個(但しnは3以上の正の整数)の磁極部を有するm個の固定子コア及び前記m個の固定子コアの前記n個の磁極部の磁極面に所定の極性の磁極が現れるように各磁極部を励磁する複数の励磁巻線を備えた固定子とを具備し、
    前記複数の励磁巻線に位相の異なるp相(但しpは2以上の正の整数)の励磁電流を流して前記複数の磁極部の磁極面に現れる磁極の極性を変えることにより移動磁界を発生して、前記m列の永久磁石列と前記m個の固定子コアの前記n個の磁極部との間に前記直動軸を前記軸線方向に変位させる推力を発生するように構成されたシリンダ形リニア同期モータであって、
    前記m個の固定子コアは前記可動子の周方向にほぼ等しい間隔をあけて配置されており、
    前記複数の励磁巻線は、それぞれ前記可動子の周囲を周方向に囲むように巻線導体が環状に巻回されてなるp×q個(但しqは1以上の正の整数)の環状巻線からなり、
    前記nはn=p×q+1の関係にあり、
    前記m個の固定子コアの前記軸線方向に隣接する2つの前記磁極部間にそれぞれ形成されたn−1個のスロットにそれぞれ対応する1つの前記環状巻線の一部が嵌合されており、
    前記一対のエンドブラケットの前記直動軸の負荷が接続されない非出力軸部側の端部を支持する前記リニア軸受が取付けられる側の前記エンドブラケットには、該エンドブラケットから突出する前記直動軸の前記非出力軸部側の端部を覆うカバー部材が取付けられて
    おり、
    前記可動子と前記固定子との前記軸線方向における位置関係を検出する位置検出センサが、前記フレームの内部に配置されており、
    前記位置検出センサは、前記可動子に取付けられた光学的にまたは磁気的に検出可能な被検出部と、前記フレームに固定されて前記被検出部の位置または移動量を光学的にまたは磁気的に検出する検出部とから構成され、
    前記可動子の前記磁石取付体と前記フレームは熱膨脹係数が異なる材料によって形成されており、
    前記被検出部は前記永久磁石列よりも前記直動軸の負荷が接続される出力軸部に近い位置に配置されており、
    前記フレームの内周部には前記m個の固定子コアの前記基部が前記フレームの一方の開口端部側から挿入可能な複数の嵌合溝が形成されており、
    前記複数の嵌合溝は前記フレームの他方の開口端部側に前記固定子コアの前記軸線方向の一方の端面と接触して前記固定子コアの位置決めをするストッパ面を有しており、
    前記固定子コアの前記基部が前記嵌合溝に嵌合されて前記固定子コアの前記一方の端面が前記ストッパ面と接触した状態で、前記固定子コアの前記軸線方向の他方の端面と接触するストッパ部材が前記フレームに対して固定されていることを特徴とするシリンダ形リニア同期モータ。
  3. 前記励磁巻線は絶縁材料からなるボビンに巻回されており、前記ボビンの一部が前記スロットに嵌合されている請求項1または2に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  4. 前記m個の固定子コアは偶数個ある請求項2に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  5. 前記固定子コア、前記複数の励磁巻線及び前記ストッパ部材が絶縁モールド材料によりモールドされている請求項1または2に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  6. 前記可動子の前記磁石取付体の外周部には径方向の外面にN極またはS極が現れるように着磁された複数の円環状永久磁石が、前記軸線方向にN極とS極とが交互に並ぶように前記軸線方向に所定の間隔をあけて嵌合されており、
    前記1以上の固定子コアの磁極部と対向する円環状永久磁石の部分が、前記永久磁石列を構成する前記複数の永久磁石を構成している請求項1に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
  7. 前記固定子コアは櫛歯状の複数枚の鋼板が、前記固定子コアの前記磁極面が円弧状になるように積層されて構成されている請求項6に記載のシリンダ形リニア同期モータ。
JP2004111063A 2004-04-05 2004-04-05 シリンダ形リニア同期モータ Expired - Fee Related JP4264021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004111063A JP4264021B2 (ja) 2004-04-05 2004-04-05 シリンダ形リニア同期モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004111063A JP4264021B2 (ja) 2004-04-05 2004-04-05 シリンダ形リニア同期モータ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13005198A Division JPH11332211A (ja) 1998-05-13 1998-05-13 シリンダ形リニア同期モータ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004236498A JP2004236498A (ja) 2004-08-19
JP2004236498A5 JP2004236498A5 (ja) 2005-09-02
JP4264021B2 true JP4264021B2 (ja) 2009-05-13

Family

ID=32959915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004111063A Expired - Fee Related JP4264021B2 (ja) 2004-04-05 2004-04-05 シリンダ形リニア同期モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4264021B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187079A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Hitachi Ltd 円筒型リニアモータ,電磁サスペンション及びそれを用いた車両
JP4895004B2 (ja) * 2006-02-20 2012-03-14 横河電機株式会社 サーフェースモータ
JP2008005665A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Hitachi Ltd 円筒リニアモータ及びそれを用いた車両
TWI460966B (zh) 2009-01-23 2014-11-11 Hitachi Metals Ltd Moving elements and linear motors
JP5184468B2 (ja) * 2009-08-31 2013-04-17 日立オートモティブシステムズ株式会社 電磁サスペンション及びそれを用いた車両
JP5265591B2 (ja) * 2010-01-29 2013-08-14 山洋電気株式会社 リニア同期モータ
CN110417230A (zh) * 2019-07-11 2019-11-05 重庆汝新动力科技股份有限公司 一种直流往复式直线电动机及其应用装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58204761A (ja) * 1982-05-25 1983-11-29 Takahashi Yoshiteru 直線駆動装置
JPS5959064A (ja) * 1982-09-29 1984-04-04 Takahashi Yoshiteru 可動マグネツト型ブラシレスリニアモ−タ
JPS6082982U (ja) * 1983-11-11 1985-06-08 株式会社井上ジャパックス研究所 ステツピングモ−タ
JPH0416632Y2 (ja) * 1986-04-11 1992-04-14
JPH0416633Y2 (ja) * 1986-04-11 1992-04-14
JPS62262650A (ja) * 1986-05-08 1987-11-14 Shibaura Eng Works Co Ltd リニヤパルスモ−タ
US5187398A (en) * 1988-08-31 1993-02-16 Aura Systems, Inc. Electromagnetic actuator
JPH05328644A (ja) * 1992-05-22 1993-12-10 Yaskawa Electric Corp 電動機の固定子の固定方法
JPH07177723A (ja) * 1993-12-21 1995-07-14 Oriental Motor Co Ltd 円筒形リニアパルスモータ
JPH08275495A (ja) * 1995-03-31 1996-10-18 Minolta Co Ltd リニアモータ
JPH0965635A (ja) * 1995-08-28 1997-03-07 Secoh Giken Inc リニヤ駆動装置
JP3285479B2 (ja) * 1995-12-25 2002-05-27 三菱電機株式会社 回転機
JPH09275694A (ja) * 1996-04-02 1997-10-21 Minolta Co Ltd リニアモータの電機子コイル通電回路
JPH1014211A (ja) * 1996-06-25 1998-01-16 Nippon Otis Elevator Co リニアモータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004236498A (ja) 2004-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3862885B2 (ja) シリンダ型リニア同期モータ
EP1416619B1 (en) Hybrid synchronous electric machine
US5661446A (en) Electromagnetic actuator
US7915777B2 (en) Ring coil motor
JP3862927B2 (ja) シリンダ型リニア同期モータ
JP2009033786A (ja) バスバーを内蔵したインナーロータブラシレスモータ
US6975057B2 (en) Rotary electric machine having a stator made up of sectors assembled together
JP2007267565A (ja) コアレスモータ
JP2018157613A (ja) モータ
JPWO2005018071A1 (ja) 同期モータ
JP2009095139A (ja) モータ
JPH11332211A (ja) シリンダ形リニア同期モータ
JP5204554B2 (ja) モータ
JP4264021B2 (ja) シリンダ形リニア同期モータ
JP5063956B2 (ja) スロットレスモータ
US20100052457A1 (en) Methods and apparatus for fabrication of electric motors
JP2008263738A (ja) 回転電機
US20240128813A1 (en) Double rotor brushless direct-current motor with fluid cooling
JP2017139861A (ja) スケール一体型リニアモータ及びこれを備えた直動ユニット
JP2005051884A (ja) 環状コイル式永久磁石型リニアモータとこれを駆動源とするシリンジポンプ駆動装置
JP2005130685A (ja) リング状の固定子コイルを有する永久磁石型電動機
JP4551157B2 (ja) シリンダ形リニアモータ
JP5412720B2 (ja) 直動回転アクチュエータ
JPH11136889A (ja) 永久磁石形モータ及びその製造方法
JP2017093023A (ja) ブラシレスモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees