JP4263946B2 - 超高温熱間鍛造非調質部品とその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車や建設機械の足廻りに使用される部品の中で、高強度・高靭性を必要とされる熱間鍛造品において、従来の熱間鍛造部品より複雑形状な部品を製造したり、製造時の材料歩留まり向上しつつ、鍛造後の焼入れ焼戻しを行うことなく高強度、高靭性を確保することを可能とした超高温熱間鍛造非調質部品とその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平1−198450号公報
【特許文献2】
特開平5−15935号公報
従来、自動車部品、建設機械部品の中で、高強度,高靭性を必要とする熱間鍛造部品は、熱間鍛造後に調質、即ち焼入れ焼戻しして製造されていた。しかし、製造コストに占める調質コストが大きいことから非調質化が進められ、特許文献1で開示される様に、熱間鍛造後に放冷ままで強度,靭性を確保できる熱間鍛造用非調質鋼が開発された。ところが、さらなる製造コスト低減から、熱間鍛造時の材料歩留まり向上が要望されている。また、自動車の軽量化から部品の小型化が指向されている。その為には部品剛性を確保する必要があり、従来の熱間鍛造より複雑形状な部品となり、その結果、既存の鍛造機で成形できないような鍛造荷重増大を招くことになる。これらを解決するには、熱間鍛造時の鋼材の変形抵抗を低減することが必要である。これに対し、特許文献2では、1150〜1250℃とされる従来の熱間鍛造温度より高い温度で鋼材を加熱して熱間鍛造する超高温熱間鍛造方法が開示されている。従来の熱間鍛造が1150〜1250℃とされるのに対し、特許文献2記載の超高温熱間鍛造での加熱温度は、その下限を固相線温度の45℃下とし、上限を液相線温度の20℃下としている。しかし、そこまで鋼材を加熱するとオーステナイト粒が粗大化し、鍛造後放冷ままでは靭性が確保できない欠点を有する。その為、特許文献2では、超高温熱間鍛造直後に表層急冷を行うなどしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高強度,高靭性を必要とされる熱間鍛造品において、従来の熱間鍛造部品より複雑形状な部品を製造したり、製造時の材料歩留まりを向上させるための超高温熱間鍛造において、焼入れ焼戻しすることなく鍛造後の靭性劣化などの問題を解決するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)質量%で、
C:0.1〜0.6%、 Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.5〜2.5%、 S:0.02〜 0.10%、
Cr:0.1〜1.0%、 V:0.03〜0.3%、
Al:0.002〜0.06%、 N:0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmであることを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品、
(2) 質量%で、
C:0.1〜0.6%、 Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.5〜2.5%、 S:0.02〜 0.10%、
Cr:0.1〜1.0%、 V:0.03〜0.3%、
Al:0.002〜0.06%、 N:0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmであることを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品を製造する方法であって、前記成分からなる鋼材を、下限温度を平衡状態図における固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方とし、上限温度を固相線温度とする範囲に加熱し、前記範囲の温度域で超高温熱間鍛造加工した後、さらに加工品を900℃以上、1250℃以下の温度で対数ひずみで0.2以上の仕上げ鍛造を加えた後放冷することを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法、
(3) 質量%で、
C:0.1〜0.6%、 Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.5〜2.5%、 S:0.02〜 0.10%、
Cr:0.1〜1.0%、 V:0.03〜0.3%、
Al:0.002〜0.06%、 N:0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmであることを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品を製造する方法であって、前記成分からなる鋼材を、固相線温度以上、加熱上限温度Tu[℃]以下の加熱限界域に加熱し、前記加熱限界域における保持時間を1分以下とし、そのまま下限温度を固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方とし、上限温度を加熱上限温度Tu[℃]以下とする範囲で超高温熱間鍛造加工した後、さらに加工品を900℃以上、仕上げ上限温度Tf[℃]以下の温度で対数ひずみで0.2以上の仕上げ鍛造を加えた後放冷することを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
ただし、Tu=1536−(317.0×C%+9.4×Si%+5.2×Mn%+140.3×S%)
Tf=1456−(440.0×C%+12.6×Si%+12.8×Mn%+35.3×S%)
であり、C%、Si%、Mn%、S%は、質量%で表したC、Si、Mn、Sの含有量である。
(4)質量%で、(2)又は(3)に記載の成分に加えて、更に
Ti:0.003〜0.05%、 Mg:0.0002〜0.005%、
Zr:0.0002〜0.005%
の中から1種または2種以上を含有することを特徴とする(2)又は(3)に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法、
(5) 超高温熱間鍛造において素材表面の90%以上が金型に接触する様に超高温熱間鍛造加工することを特徴とする(2)〜(4)の何れか1項に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
(6) 超高温熱間鍛造加工を行った後、鍛造機の下死点において少なくとも材料表面温度が900℃以上、1200℃以下となるまで鍛造時の最大荷重の10〜80%の荷重で保持することを特徴とする請求項(2)〜(5)の何れか1項に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の根幹をなす技術思想は以下の通りである。
【0006】
本発明では鍛造放冷ままで所定の強度、靭性が得られるように成分調整された熱間鍛造非調質鋼を用いるが、非調質鋼を用いて特許文献2記載の様に単に超高温鍛造したままでは、必要な靭性が得られない。しかし、熱間鍛造は通常一回の加工だけでなく、何工程かの鍛造加工を受けて所定の形状に成形される。そこで、本発明では、粗成形を超高温熱間鍛造で行い、続けて行われる仕上げ成形を900℃〜1250℃の温度で行うこととした。即ち、従来の熱間鍛造より複雑形状に成形するため、超高温熱間鍛造の粗成形でほぼ製品形状に成形する。そして、そのままでは高靭性を確保できないことから、所定の温度、歪みの仕上げ成形を行うことで靭性を確保するのである。また、鍛造後の表面フェライト脱炭層が所定の範囲にあることで、固相線近くまで加熱しても表層フェライトが脱炭しているので、表面、特に角部での溶融割れを防止することが可能となる。
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
Cは、鋼を強化するのに有効な元素であるが、0.1%未満では充分な強度が得られない。一方、過多に添加すると靭性が低下するため、添加量の上限を0.6%とする。
【0009】
Siは、脱酸材として働き、固溶強化元素として使われる。0.2%未満では脱酸材としての作用が不足し、過多に添加すると必要以上に強度を上げて靭性を低下させるため、添加量の上限を2.0%とする。
【0010】
Mnは、強度の調整と脱酸作用をする。0.5%未満では強度が不足し、2.5%を越えると靭性が低下するとともに、熱間圧延時に割れが生じて製造が困難となる。
【0011】
Sは、被削性を向上させるのに不可欠な元素であり、その効果は0.02%より多いSで期待される。しかし、0.10%を越えると靭性を低下させる。
【0012】
Crは、Mnと同様に強度を補うための元素であり、その効果を得るには0.1%以上添加する必要がある。強度を補うために1.0%まで添加させることができるが、1.0%を越えると靭性を劣化させる。
【0013】
Vは、固溶強化、析出強化により靭性を向上させる。この効果を得るには0.03%以上の添加が必要である。しかし、過多に添加しても効果の向上が小さく、むしろ靭性を低下させるのでその上限を0.30%とした。
【0014】
Alは、鋼の脱酸および結晶粒の微細化のために有効な元素であるが、0.002%未満ではその効果がない。一方、過多に添加すると靭性を低下させるために添加量の上限を0.06%とする。
【0015】
Nは、V炭窒化物を生成し析出強化のために必要な元素であるが、0.003%未満では充分な効果が得られない。一方、過多に添加すると固溶したNによって靭性が劣化するため、添加量の上限を0.02%とする。
【0016】
Tiは,窒化物・炭化物を生成する。窒化物は高温まで固溶せずに残るため、加熱時のオーステナイト粗大化を防止するのに有効である。また炭化物は微細に分散して析出強化に有効である。0.003%未満ではこれらの効果は現れず、0.05%を越えると靱性が劣化するため、その添加量の下限を0.003%、上限を0.05%とする。
【0017】
MgおよびZrはともに酸化物や硫化物、あるいはこれらの複合物を形成し、加熱時のオーステナイトの粗大化を抑制する効果を持つ元素である。また、これらの酸化物はMnSの析出核になるため被削性も向上する。いずれも、0.0002%未満ではその効果はなく、0.005%を越えると、靱性が劣化するため、添加量の上限を0.005%とする。
【0018】
鍛造後の冷却速度によって組織はフェライト+パーライト、ベイナイト、マルテンサイトに区別できるが鍛造後放冷ままで高強度、高靭性を得られる組織として本発明ではフェライト+パーライト組織とした。
【0019】
フェライト分率が多いほど靭性は向上するが、0.6を越えたフェライト分率は強度低下を招く。また、フェライト分率が低いと靭性が低いことからその分率を0.1〜0.6とした。そしてフェライト分率は、鋼材のC量,Si量を適正に添加することで制御が可能となる。なお、フェライト分率は、光学顕微鏡により200〜500倍で3〜5視野観察し、フェライトとパーライトのコントラストを二値化して解析システムでその分率を算定した値と定義する。
【0020】
フェライト平均粒径は、仕上げ温度を低くし、強加工をした方が小さくできるが、これは結果として金型負荷の急増を招き、機械的性質の向上のために必要以上に粒径の目標値を小さくすると、鍛造自体が困難となる。従って、フェライト平均粒径は実際に製造可能なレベルを考えて、その下限を10μmに設定した。またフェライト平均粒径が30μmを越えると靭性劣化を招くため、フェライトの平均粒径を10〜30μmとした。フェライト平均粒径の制御には、鋼材に添加するAl量の最適化とともに,Ti,Mg,Zr等の添加が重要である。また、鋼材成分のみならず超高温鍛造後に行う仕上げ鍛造が必要であり鍛造温度,加工量の制御が重要である。特にフェライト平均粒径を小さくするには仕上げ鍛造条件として、後述する様に900〜1250℃の温度域で対数ひずみで0.2以上の加工を行うことが必要となる。なお、フェライト平均粒径は光学顕微鏡により200〜500倍で3〜5視野観察し、切断法により求めた値と定義する。
【0021】
さらに、鍛造後の全脱炭層深さDM−Tであるが、0.08mmを越える脱炭層は鍛造品強度を著しく低下させる。特にシャフト部を有する熱間鍛造品では、シャフト部に捻り変形を受けることが多く表面強度が重要となる。脱炭は超高温熱間鍛造の加熱段階で発生するが、全脱炭層深さが0.02mmより少なくなるような高速加熱では、加熱時に素材表面、特に熱集中を受ける角部等で溶融割れが発生するという問題がある。全脱炭層深さを0.08mm以下にするには、高周波などによる急速加熱が必要となる加熱装置にもよるが、周波数等を制御する、或いは加熱装置の中を移動する素材の送り速度を制御する等の素材加熱時間を制御することで全脱炭層深さを制御することが可能となる。
【0022】
引張強さは、鍛造品の軽量化の点で下限を800MPaに限定した。一方、1000MPaを越えると、靭性が著しく低下し、切削寿命および金型寿命も著しく低下するため、上限を1000MPa以下にした。
【0023】
次に、製造方法について述べる。
【0024】
加熱温度は超高温熱間鍛造によって変形抵抗を低減させるために、固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方を下限とした。これより低い温度では充分に変形抵抗が低くならず、材料流動が十分に行われないからである。上限温度を固相線温度とするのは、固相線を越える温度では結晶粒界などが溶融するからである。素材内部が溶融すると、内部鍛造時にこの溶融部分が空孔化しやすくなるため、空孔を低減できる条件での鍛造が必須となる。従って本発明では、上限温度を固相線温度とした。
【0025】
固相線温度は、鉄と鋼73巻4号S196頁1987年に記載される析出物の凝固過程を観察するのに用いられる一方向凝固実験によって推定される。高周波加熱とカーボンサセプターを用いて炉内に温度勾配を持たせ、その炉内で棒材を加熱し、その後急冷する。急冷した棒材の内部組織観察から棒材各位置での温度と組織を対応させて素材の固相線温度を推定した。なお、一方向凝固実験(unidirectional Solidification experiment)の詳細は、松宮(Matsumiya)、他4名「連続鋳造スラブにおける偏析の数値解析(Mathematical Analysis of Segregations in Continuously-cast Slabs.) 」、日本鉄鋼協会論文集(Transactions of The Iron and Steel Insutitute of Japan)、日本鉄鋼協会、1984年11月、24巻、11号、p.875、876に記載されている。
【0026】
超高温熱間鍛造は、加熱と同じ温度域で行う。固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方より低い温度では変形抵抗が高く、金型寿命が低下するためと、材料流動が悪いため、複雑形状部品へ成形できない。また、固相線温度より高い温度では、鍛造時の加工発熱で素材内部に溶融部が発生し、靭性劣化を招くからである。
超高温熱間鍛造で粗成形した後に仕上げ鍛造を行う。この仕上げ鍛造は、製品形状を所定の形状にすると共に、本発明では靭性付与を目的としており、対数ひずみで0.2以上の鍛造加工を行わないと靭性付与の効果が小さいからである。なお、超高温熱間鍛造でほぼ製品形状に成形することから仕上げ鍛造での加工率は対数ひずみで0.5〜2.0位が望ましい。なお、実際の歪は部位により一様ではなく不均一な歪分布となるが、優れた靱性を確保できる範囲を明確にするためには、決められた式で加工度の大小を表現する必要がある。そこで本発明は鍛造時の対数ひずみは加工前後素材形状から算出し、据込み部分であれば、対数ひずみはln(加工前の素材高さ/加工後の素材高さ)で求め、押出し部分の対数ひずみはln(加工前の素材断面積/加工後の素材断面積)で求めるというようにした。この式により求めた値が0.2以上であれば優れた靱性を確保することができる。
仕上げ鍛造を1250℃以下で行うのは、これより高い温度では鍛造後のオーステナイト粒が大きく靭性が低いからである。靭性を向上させるには低温で加工することによってフェライト分率を上げることが望ましいが、900℃より低い温度では変形抵抗が急増するため金型寿命の低下を招くからである。
なお固相線温度以上に鋼材を加熱しても、加熱上限温度をTu[℃]以下とし、加熱時間が短ければ、結晶粒界などの溶融の防止が可能である。加熱上限温度Tu[℃]は、
Tu=1536−(317.0×C%+9.4×Si%+5.2×Mn%+140.3×S%)
により求めることができる。ここで、、C%、Si%、Mn%、S%は質量%で表したC、Si、Mn、Sの含有量である。
鋼材が固相線温度以上、加熱上限温度Tu[℃]以下の加熱限界域に曝される保持時間は、1分以内であれば、内部に空孔を生じることなく超高温熱間鍛造することが可能であり、オーステナイト粒の粗大化を抑制することができる。鋼材を固相線温度に加熱し、直ちに超高温熱間鍛造を行っても良いため、保持時間の下限は0分で良い。
このような加熱を行う際には、加熱速度を大きくすることが好ましく、高周波加熱又は通電加熱が好適である。また、加熱、保持する際には、高周波コイルと鋼材の間に送風を行う等、鋼材の表層のみを冷却し、表層部の溶融を防止することが好ましい。
また、超高温鍛造加工前のオーステナイト粒の粗大化を防止したことにより、超高温鍛造加工後のオーステナイト粒径の粗大化も抑制される。したがって、仕上げ鍛造温度の上限を、1250℃超としても、仕上げ上限温度Tf[℃]以下であればフェライト平均粒径が微細になり、鍛造後の靱性を確保することが出来る。仕上げ上限温度Tf[℃]は、
Tf=1456−(440.0×C%+12.6×Si%+12.8×Mn%+35.3×S%)
によって求めることができる。ここで、C%、Si%、Mn%、S%は、質量%で表したC、Si、Mn、Sの含有量である。
【0027】
本発明の目的の一つとして、材料歩留まりの向上がある。その為に、超高温熱間鍛造での材料流動向上によっても材料歩留まりは向上できるが、その際密閉金型、或いは半密閉金型を用いることで製品形状に近い形まで成形でき、材料歩留まりは格段に向上される。従来の熱間鍛造では変形抵抗が高く密閉度が高い金型を用いても金型内へ材料が充満しない。しかし超高温熱間鍛造では変形抵抗が低いことから、密閉度が高い金型を用いても金型内への材料充満が良くなる。しかし、素材表面の90%以上が金型に接触する様に超高温熱間鍛造しないと、材料歩留まり向上効果が小さく、製品形状がでにくくなる。なお、高い密閉度の金型で超高温熱間鍛造成形する方が材料歩留まりは向上するが、同時に鍛造荷重が急増するので、98%以下が望ましい。さらに、密閉度の高い金型を使うのでなく、既存金型を用いて鍛造機のラムの下死点を下げて使用する素材のサイズを小さくすることでも、接触率はあがり素材歩留まりは向上できる。
【0028】
仕上げ鍛造を所定の温度で行うためには、超高温熱間鍛造加工した後に素材温度が下がるまでの時間を必要とする場合がある。この場合、仕上げ鍛造するまでの間に熱ひずみにより製品形状の精度が悪化する。そこで超高温熱間鍛造加工を行った後に形状を凍結しておくことで製品精度が向上される。鍛造機の下死点で素材の表面温度が900〜1200℃となるまで保持する。表面温度が1200℃以下となるまで荷重保持するのは熱ひずみを小さくするためである。なお、好ましくは1000℃以下となるまで荷重保持することが望ましい。下限の温度を900℃以上とするのは、900℃より低くなると次の仕上げ鍛造で鍛造荷重が急増し、金型寿命が低下するからである。また、保持荷重を鍛造時の最大荷重の10%以上とするのは、これ未満では熱ひずみの抑制が不十分であるからである。なお、保持荷重が大きくなると金型寿命へ影響するため、その上限は最大荷重の80%以下とする。なお、鍛造機の下死点で荷重保持することに代えて、水などで表層冷却することも可能である。
【0029】
【実施例】
表1のA〜AAに示す化学成分を有する鋼材を用いて本発明例と比較例の実験を行った。鋼種A〜Qが本発明例の対象鋼種であり、鋼種R〜AAが比較例に用いられた鋼種である。なお同表には、参考として隣(P)の成分と、固相線温度(Ts)も併記する。固相線温度はφ15×250mmの棒状素材を一方向凝固試験から推定した温度である。
【0030】
表2は、表1に示した鋼種を用いて超高温熱間鍛造−仕上げ鍛造したの後の強度,靭性を調べた結果を示す。実験はφ60×60mmの素材を所定の温度に高周波で加熱した。なお加熱時の周波数は3〜5KHzであり、室温から1250℃までを5℃/秒の速度で加熱しその後は1℃/秒で所定の温度まで加熱した。所定の温度になってからは約30秒間保持した後鍛造に供した。高周波加熱後に鍛造機まで試料を移動するため素材温度が低下する。そこで加熱温度をTk(℃)、鍛造直前温度をTt(℃)として表2に示した。鍛造直前温度Ttは、素材表面を放射温度計で測温した結果である。鍛造は油圧サーボ機構を有する圧縮試験機にて、ラム速度200mm/sで圧縮試験を行った。超高温熱間鍛造はφ60×60mmの試料を横置きし、平坦な圧盤を用いて圧縮率約50%の圧縮を行った。加工前の高さ60mmの素材を30mmへ加工することで圧縮率は50%となり、対数ひずみはln(加工前の素材高さ/加工後の素材高さ)で算出され、この場合の対数ひずみは0.7(=ln(60/30))となる。また、超高温鍛造後にさらに仕上げ鍛造を行うが、超高温鍛造で高さ30mmとした素材をさらに16mmへ加工する場合、仕上げ鍛造での対数ひずみは0.6(=ln(30/16))となる。
【0031】
超高温鍛造後仕上げ鍛造するまでには試験機の油圧が回復するまでに時間を必要とし、超高温熱間鍛造時の温度より低くなるため、仕上げ直前の素材表面温度を放射温度計にて測温した結果を表2に示している。仕上げ鍛造後は放冷した後、フェライト分率、フェライト平均粒径、全脱炭層深さを測定した。脱炭層深さは光学顕微鏡での倍率を200〜500倍として、読み取り寸法を付した接眼鏡を用いて脱炭層深さを10カ所測定し、最大、最小を除く8カ所の平均値とした。また、圧縮後の試料から引張試験片、シャルピー衝撃試験片を採取した。表2に引張強さ、衝撃値を示すが衝撃値は−50℃での吸収エネルギーである。
【0032】
表2から、本発明例1〜17は引張強さが約800〜900MPaであり、衝撃値も20J/cm2以上となっている。一方、比較例1〜10は表1の比較例R〜AAの鋼種を用いた場合であり、いずれも衝撃値が20J/cm2にいたっていない。特に比較例5では強度も787MPaと低い。比較例11は仕上げ鍛造前温度が850℃と低いため、フェライト分率も所定より高くなり強度が低い。比較例12ではさらに仕上げ前温度が低い場合であり、この様な低い温度で仕上げ鍛造するとフェライト粒径が所定より小さくなり、本発明に比べ高強度を得ることができるが、仕上げ鍛造時の荷重が約3000KNと高く、本発明の約700KNに対して4倍以上の荷重となっており、金型、鍛造機への負担が急増することになる。比較例14は仕上げ鍛造時の加工が小さい場合であるが、いずれも鍛造後の靭性が低かった。比較例15は超高温熱間鍛造時の加熱温度、及び鍛造直前温度が高い場合であり、脱炭層が深くなり所定の強度に達していなかった。また、比較例15では、加熱時に試料の一部の溶融も見られた。比較例16は加熱後の保持温度時間を5分間と長くした場合であり、この場合も脱炭増が深く強度が低かった。
【0033】
表3は、さらに加工条件を種々代えた場合の比較である。本発明例では超高温熱間鍛造時の荷重は282〜416KN、仕上げ鍛造時では701〜796KNである。一方、比較例17は加熱温度が低く、比較例18は所定の温度に加熱するものの超高温熱間鍛造までの時間を長くすることで超高温熱間鍛造直前温度を所定より低くした場合であるが、いずれも600KN以上と高い荷重となっている。比較例19は仕上げ鍛造時直前温度が低い場合であるが、このときの仕上げ鍛造荷重は1826KNと本発明例での仕上げ鍛造時に比べて倍以上となっている。鍛造荷重が高いことは金型寿命の低下を招くことになる。比較例20は仕上げ鍛造を行わなかった場合であるが靭性値が低いことが分かる。比較例21は脱炭層深さを浅くするため、所定の温度に加熱した後に30秒の保持を行わずに直ぐに超高温熱間鍛造を行った場合である。温度測定は試料の表面で行っており、表面温度は所定の温度に達しているものの、温度保持を行わないため中心部の素材は所定の温度にまで加熱されていないためか、熱間鍛造時の荷重が864KNと本発明での超高温熱間鍛造時の荷重より高くなってしまった。
【0034】
表4は、前記(6)に係る発明の効果を確認するため、超高温熱間鍛造後の試料に圧縮機のラムで所定の荷重を保持した場合である。いずれの場合も所定の条件で10個の試料を鍛造して仕上げ鍛造後の鍛造品の高さを測定した。10個中の最大値の高さの物と最小高さの物の高さの差を同表のHbで示している。なお、加熱温度,鍛造前温度,荷重などは10個中の一つの試料において測定した結果である。本発明例ではHbは0.24〜0.34mmであった。一方、参考例1は保持荷重が小さく、参考例2は保持温度が高い場合であり、Hbは0.62mm以上と前記(6)の条件を満たす本発明例よりかなり鍛造後試料の高さのバラツキが多かった。なお、参考例3は保持温度が低い場合であり、Hbは小さいものの保持温度を低くすると仕上げ鍛造時の鍛造前温度も低くなり仕上げ鍛造時の荷重が倍近く高くなってしまい金型寿命を悪化させてしまう。
【0035】
表5は前記(5)に係る発明の効果を確認するために、鍛造歩留まりを検討すべく図1の様な部品形状にて鍛造を行った。鍛造機は一般のクランクプレスを用い、加熱は高周波炉にて行った。同表に示すサイズの丸棒を用い、超高温熱間鍛造後、仕上げ鍛造を行い、図1の形状にトリミングを行った。トリミング後の鍛造品の重量を量ることにより、鍛造前前素材との重量比から素材歩留まりを求めた。超高温熱間鍛造での素材−金型の接触率は、鍛造機ラムの下死点と金型を上下させることで調整した。鍛造機のまた鍛造品のアーム部から引張試験片,衝撃試験片を採取した。アーム部の加工量であるが、アーム部は超高温熱間鍛造において直径53〜58mmの素材を高さ33mmまで加工した。その後、仕上げ鍛造で18mmにしており、仕上げ鍛造での対数ひずみは0.6(=ln(33/18))となる。衝撃値は−50℃での値で代表した。まず実験として通常の熱間鍛造に相当する比較例22の実験を行った。φ58×177mmの素材で接触率92%で行うことで未成形部が発生しないように加工でき、その時の素材歩留まりは62%であった。次に超高温熱間鍛造での実験を行ったものが本発明例24,本発明例25である。本発明例24は比較例22よりも小さいサイズの試料で接触率93%でも未成形部無く加工できた。これは比較例22の熱間鍛造は加熱温度が低いため材料流動が悪く、金型フラッシュ部から十分にバリを出さないと接触率92%を確保できないからである。一方本発明例24では、材料流動が良いことからバリを出さなくても接触率を確保できた。その結果バリの量が少ない本発明例24での歩留まりが格段に向上していた。本発明例25は、鍛造機ラムの下死点を調整して接触率を向上させた場合であるが、歩留まりも87%と向上している。参考例4,参考例5は下死点を調整して接触率を85%にした場合であるが、本発明例24と同じサイズの試料で鍛造した参考例4では、未加工部が発生した。そこで未加工部が発生しないようにするにはφ55×174mmの素材を用いることが必要である、それが参考例5であるが、素材歩留まりは71%と低かった。以上から本発明により高い歩留まりで鍛造できることが分かり、安い製造コストで製造できることになる。
表6は、前記(3)、(4)に係る発明の効果を確認するため、鋼材を固相線温度以上、Tu[℃]以下に1分以内加熱し、仕上げ鍛造の上限温度をTf[℃]以下とした場合の比較である。表1のA〜D鋼の成分からなるφ60×60mmの試料を用い、表6に示した条件で、約50%の超高温熱間鍛造を行った後、仕上鍛造し、放冷した。また、中心部に熱電対を取り付けた試料を作製し、表6に示した条件での超高温熱間鍛造及び仕上鍛造を別途実施し、超高温熱間鍛造前及び仕上鍛造前の中心温度を測定した。その結果を表6に併記する。
表6において、本発明例26〜33は、何れも溶融割れを生じることなく鍛造でき、鍛造後の−50℃での衝撃値も20J/cm2以上となっている。一方、比較例23,24は加熱温度が高く、加熱中に溶融し、超高温熱間鍛造が出来なかった。そのため、表中の超高温熱潤鍛造の鍛造前温度、鍛造荷重、仕上げ鍛造、鍛造後の製品の欄には”−”を記入した。比較例25,26は固相線温度以上に加熱される時間が長く、超高温熱間鍛造荷重は低いものの鍛造割れが生じた。そのため、仕上げ鍛造を行うことが出来ず、表中の仕上げ鍛造、鍛造後の製品の欄には”−”を記入した。比較例27,28は仕上鍛造温度が高いため、また比較例29,30は仕上鍛造のひずみが小さいため、鍛造後の−50℃での衝撃値が20J/cm2に達していない。
参考例は前記(2)、(4)の条件で実験した結果である。参考例6〜9での超高温熱間鍛造荷重が382〜477kN、仕上鍛造荷重が1826〜2225kNであるのに対し、同等のひずみ条件である本発明例26,27,32,33では超高温熱間鍛造荷重が211〜285kN、仕上鍛造荷重が1495〜1539kNと、大幅な荷重低減効果が認められる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【発明の効果】
本発明により鋼材の成形性が著しく高まることにより、従来成し得なかった複雑形状部品の加工や、高い素材歩留まりで加工できる。このことは、部品の軽量化を実現するとともに、従来より高い生産性,安いコストでの製造を実現できることになり、機械部品の製造において多大の効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鍛造実験における鍛造品形状と概略寸法を示す図。
Claims (6)
- 質量%で、
C :0.1〜0.6%
Si:0.2〜2.0%
Mn:0.5〜2.5%
S :0.02〜 0.10%
Cr:0.1〜1.0%
V :0.03〜0.3%
Al:0.002〜0.06%
N :0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmであることを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品。 - 質量%で、
C :0.1〜0.6%
Si:0.2〜2.0%
Mn:0.5〜2.5%
S :0.02〜 0.10%
Cr:0.1〜1.0%
V :0.03〜0.3%
Al:0.002〜0.06%
N :0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmである非調質部品を製造する方法であって、前記成分からなる鋼材を、下限温度を固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方とし、上限温度を固相線温度とする範囲に加熱し、前記範囲の温度域で超高温熱間鍛造加工した後、さらに加工品を900℃以上、1250℃以下の温度で対数ひずみで0.2以上の仕上げ鍛造を加えた後放冷することを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。 - 質量%で、
C :0.1〜0.6%
Si:0.2〜2.0%
Mn:0.5〜2.5%
S :0.02〜 0.10%
Cr:0.1〜1.0%
V :0.03〜0.3%
Al:0.002〜0.06%
N :0.003〜0.02%
を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、組織はフェライトとパーライトからなり、フェライト分率0.1〜0.6、フェライト平均粒径10〜30μm、JIS G 0588で 規定する全脱炭層深さDM−Tが0.02〜0.08mmである非調質部品を製造する方法であって、前記成分からなる鋼材を、固相線温度以上、加熱上限温度Tu[℃]以下の加熱限界域に加熱し、前記加熱限界域における保持時間を1分以下とし、そのまま下限温度を固相線温度×0.94または1250℃の何れか高い方とし、上限温度を加熱上限温度Tu[℃]以下とする範囲で超高温熱間鍛造加工した後、さらに加工品を900℃以上、仕上げ上限温度Tf[℃]以下の温度で対数ひずみで0.2以上の仕上げ鍛造を加えた後放冷することを特徴とする超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
ただし、Tu=1536−(317.0×C%+9.4×Si%+5.2×Mn%+140.3×S%)
Tf=1456−(440.0×C%+12.6×Si%+12.8×Mn%+35.3×S%)
であり、C%、Si%、Mn%、S%は、質量%で表したC、Si、Mn、Sの含有量である。 - 質量%で、請求項2又は3に記載の成分に加えて、更に
Ti:0.003〜0.05%
Mg:0.0002〜0.005%
Zr:0.0002〜0.005%
の中から1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。 - 超高温熱間鍛造において素材表面の90%以上が金型に接触する様に超高温熱間鍛造加工することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
- 超高温熱間鍛造加工を行った後、鍛造機の下死点において少なくとも材料表面温度が900℃以上、1200℃以下となるまで鍛造時の最大荷重の10〜80%の荷重で保持することを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の超高温熱間鍛造非調質部品の製造方法。
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