JP4263393B2 - 車輌用ブレーキ装置 - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用ブレーキ装置に係わり、特に、不整地走行用車輌に好適に用いられる車輌用ブレーキ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、車輌として、図７ないし図１０に示す不整地走行用車輌が知られている。
これらの図に符号１で示す車輌は、車体フレーム３と、この車体フレーム３の略中央部に搭載されたエンジン２と、前記車体フレーム３の前方下部に、上下方向に揺動自在に懸架された左右一対の前輪４と、前記車体フレーム３の後方下部に、上下方向に揺動自在に懸架された左右一対の後輪５と、前記車体フレーム３の前部に設けられ、前記前輪の操舵をなすステアリング装置６と、このステアリング装置６の後方に設けられた燃料タンク７と、この燃料タンク７の後方に設けられたシート８と、前記前輪４の上方および後方を覆って設けられたフロントフェンダ９と、前記後輪の上方および前方を覆って設けられたリアフェンダ１０とを備えている。
【０００３】
また、前記エンジン２の前後には、このエンジン２の出力を、前記前輪４および後輪５へ伝達するための一対のプロペラシャフト１１・１２が設けられ、これらのプロペラシャフト１１・１２の先端部には、前記各前輪４および後輪５の車軸に連結されたドライブシャフト１３・１４に、前記エンジン２の出力を伝達するファイナルギアケース１５・１６が設けられている。
【０００４】
これらのファイナルギアケース１５・１６は、前記車体フレーム３に固定されるようになされ、また、図１１に示すように、これらのファイナルギアケース１５・１６と、前記各プロペラシャフト１１・１２との間に、ブレーキ装置１７・１８が設けられている。
【０００５】
そして、前記各ブレーキ装置１７・１８は、乗員Ｍのブレーキ操作によって作動させられて、前記各プロペラシャフト１１・１２を制動することによって、前記前輪４や後輪５の制動を行うようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の車輌にあっては、つぎのような改善すべき課題がある。
すなわち、前記ブレーキ装置１７・１８は、定期的にあるいは必要に応じて、その構成部材であるブレーキパッド等の交換作業といったメンテナンスを行う必要がある。
しかしながら、これらのブレーキ装置１７・１８が、前記ファイナルギアケース１５・１６と各プロペラシャフト１１・１２との間に設けられて、これらのブレーキ装置１７・１８が、車輌１の他の構成部品によって取り囲まれて、これらのブレーキ装置１７・１８のまわりが狭くなっており、この結果、メンテナンス性の向上が望まれている。
たとえば前輪４側にあっては、車輌１の前方に配置されるラジエタやオイルクーラ等が対向させられ、また、後輪５側にあってはエアクリーナやバッテリ等が対向させられており、これらの構成部品によって前記ブレーキ装置１７・１８まわりが狭くなる。
【０００７】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、メンテナンス作業を容易に行うことの可能な車輌用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に記載の車輌用ブレーキ装置は、前述した目的を達成するために、車体フレームと、この車体フレームに搭載されたエンジンと、前記車体フレームに揺動自在に懸架された後輪と、略車体中心線上に配設され、前記後輪に前記エンジンからの出力を伝達する後輪用のファイナルギアケースと、このファイナルギアケースと前記後輪とを連結するドライブシャフトとを備えた車輌に用いられるブレーキ装置であって、前記ドライブシャフトに固定されたブレーキディスクと、このブレーキディスクを挟み込むことによって制動を行うブレーキキャリパとからなり、前記ブレーキキャリパは、前記ファイナルギアケースの後方に取り付けられるキャリパブラケットと、前記キャリパブラケットに着脱可能に取り付けられたキャリパボディとを備え、前記キャリパボディを前記キャリパブラケットに上下一対のボルトで取り付けて構成され、前記ファイナルギアケースの車体幅方向外方に、かつ、車体後方に取り付けられる共に、前記車体フレームより外側に突出しないように、かつ、車体側面視で前記車体フレームから露出するように配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項２に記載の車輌用ブレーキ装置は、請求項１において、前記キャリパボディは、前記一対のボルトのうち、一方のボルトを取り外した状態で、他方のボルトを中心としてキャリパブラケットから後方に向けて離間する方向に回動可能であることを特徴とする。
本発明の請求項３に記載の車輌用ブレーキ装置は、請求項１または請求項２において、前記車体フレームの上部と前記後輪が取り付けられたアクスルハウジングの上部とに回動自在に連結されたアッパーアームと、前記車体フレームの下部と前記アクスルハウジングの下部とに回動自在に連結されたロアアームと、前記アッパーアームと前記車体フレームとの間に架設された緩衝器とを有する懸架装置をさらに加え、前記懸架装置が前記ドライブシャフトの上下に振り分けられて配置されることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図１ないし図４を参照して説明する。
本実施形態は、図１０に示す不整地走行用車輌に適用した例を示してあり、その主要構成部材は、図１０と同様のため、これらの主要構成部材については、同一符号を用いて説明を簡略化する。
【００１０】
本実施形態に係わる車輌用ブレーキ装置２０は、図１に示すように、車体フレーム３と、この車体フレーム３に搭載されたエンジン２と、前記車体フレーム３に揺動自在に懸架された後輪５に前記エンジン２からの出力を伝達するファイナルギアケース２１と、このファイナルギアケース２１と前記後輪５とを連結するドライブシャフト１４とを備えた車輌に用いられるもので、前記ドライブシャフト１４に固定されたブレーキディスク２２と、このブレーキディスク２２を挟み込むことによって制動を行うブレーキキャリパ２３とからなり、このブレーキキャリパ２３が、前記ファイナルギアケース２１の、車体外方に取り付けられた概略構成となっている。
【００１１】
ついで、これらの詳細について説明すれば、前記ブレーキディスク２２は、図１に示すように、前記ドライブシャフト１４の基部で、前記ファイナルギアケース２１の近傍に取り付けられている。
【００１２】
前記ブレーキキャリパ２３は、図２ないし図４に示すように、前記ファイナルギアケース２１に取り付けられるキャリパブラケット２４と、このキャリパブラケット２４に着脱可能に取り付けられ、後述するブレーキパッド２５を押圧して、このブレーキパッド２５を前記ブレーキディスク２２に圧接させるピストンが内装されたキャリパボディ２６とからなるコレット式となされている。
【００１３】
また、前記キャリパブラケット２４は、図２ないし図３に示すように、前記ファイナルギアケース２１の、前記車輌１の外側で、かつ、車輌の後方に一対のボルト２７によって固定されており、このキャリパブラケット２４に、前記キャリパボディ２６が一対のボルト２８によって取り付けられている。
【００１４】
そして、前記キャリパボディ２６は、前記ボルト２８の一つを取り外した状態において、図２および図４に示すように、他方のボルト２８を中心として回動可能となされており、このキャリパボディ２６が、前記キャリパブラケット２４から離間する方向に回動させられた状態において、図４に示すように、前記キャリパブラケット２４にブレーキパッド２５が取り残されるようになっている。
【００１５】
また、図１０において符号２９は、前記車体フレーム３の上部と、前記後輪５が取り付けられたアクスルハウジング３０の上部とに回動自在に連結されたアッパーアームを示し、符号３１は、前記車体フレーム３の下部と、前記アクスルハウジング３０の下部とに回動自在に連結されたロアアーム３１を示し、さらに、符号３２は、前記アッパーアーム２９と前記車体フレーム３との間に架設された緩衝器を示す。
そして、これらのアッパーアーム２９、ロアアーム３１、および、緩衝器３２とによって、後輪５用の懸架装置が構成されている。
【００１６】
このように構成された本実施形態に係わるブレーキ装置２０にあっては、このブレーキ装置２０を構成するブレーキディスク２２がドライブシャフト１４に取り付けられ、また、前記ブレーキディスク２２を挟み込んで制動を行うブレーキキャリパ２３が、ファイナルギアケース２１の、車輌１の外方に装着されている。
【００１７】
ここで、前記ファイナルギアケース２１の側方は、前記ドライブシャフト１４のみが位置し、かつ、前記後輪５の懸架装置を構成するアッパーアーム２９、ロアアーム３１、および、緩衝器３２が、前記ドライブシャフト１４の上下に振り分けて配置されていることにより、前記ファイナルギアケース２１に取り付けられているブレーキ装置２０が、図２に示すように、大きく露出されている。
したがって、このブレーキ装置２０のメンテナンスを行う際に、障害物が少なく、この結果、メンテナンス作業が容易に行われる。
【００１８】
しかも、本実施形態においては、前記ブレーキ装置２０を、前記ファイナルギアケース２１の後方に設置したことにより、このブレーキ装置２０が、前記車体フレーム３の後方といった、車輌１の構成部材がさらに少ない位置に位置させられていることから、前述したメンテナンス作業がさらに容易となる。
【００１９】
さらに、本実施形態においては、前記ブレーキキャリパ２３をコレット式としたことにより、前記キャリパボディ２６をキャリパブラケット２４に対して回動させることによって、図４に示すように、ブレーキパッド２５を露出させることができるので、このブレーキパッド２５の交換作業が簡便に行われる。
【００２０】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記実施形態においては、前記ブレーキ装置２０を後輪５に適用した例について示したが、図５および図６に示すように、前輪４にも適用することが可能である。
これらの図においては、前記ブレーキ装置２０を、ファイナルギアケース１５の両側で、一対のドライブシャフト１３との間に設けた例を示した。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車輌用ブレーキ装置によれば、ブレーキキャリパを、ファイナルギアケースの、車輌の外方側に設けたことにより、ブレーキ装置を、車輌の構成部品の少ない方向へ向けることができ、これによって、ブレーキ装置のメンテナンスを簡便なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示す要部の平面図である。
【図２】本発明の一実施形態を示す要部の側面図である。
【図３】本発明の一実施形態を示すもので、要部を車輌の後方から見た概略図である
【図４】本発明の一実施形態を示す要部の拡大側面図である。
【図５】本発明の他の実施形態を示す要部の正面図である。
【図６】本発明の他の実施形態を示す要部の平面図である。
【図７】不整地走行用車輌の一例を示す外観斜視図である。
【図８】不整地走行用車輌の一例を示す側面図である。
【図９】不整地走行用車輌の一例を示すもので、フレーム構成を示す概略平面図である。
【図１０】不整地走行用車輌の一例を示す概略側面図である。
【図１１】一従来例の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
１ （不整地走行用）車輌
２ エンジン
３ 車体フレーム
４ 前輪
５ 後輪
６ ステアリング装置
７ 燃料タンク
８ シート
９ フロントフェンダ
１０ リアフェンダ
１１ プロペラシャフト
１２ プロペラシャフト
１３ ドライブシャフト
１４ ドライブシャフト
１５ ファイナルギアケース
１６ ファイナルギアケース
１７ ブレーキ装置
１８ ブレーキ装置
２０ ブレーキ装置
２１ ファイナルギアケース
２２ ブレーキディスク
２３ ブレーキキャリパ
２４ キャリパブラケット
２５ ブレーキパッド
２６ キャリパボディ
２７ ボルト
２８ ボルト
２９ アッパーアーム
３０ アクスルハウジング
３１ ロアアーム
３２ 緩衝器
Ｍ 乗員
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用ブレーキ装置に係わり、特に、不整地走行用車輌に好適に用いられる車輌用ブレーキ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、車輌として、図７ないし図１０に示す不整地走行用車輌が知られている。
これらの図に符号１で示す車輌は、車体フレーム３と、この車体フレーム３の略中央部に搭載されたエンジン２と、前記車体フレーム３の前方下部に、上下方向に揺動自在に懸架された左右一対の前輪４と、前記車体フレーム３の後方下部に、上下方向に揺動自在に懸架された左右一対の後輪５と、前記車体フレーム３の前部に設けられ、前記前輪の操舵をなすステアリング装置６と、このステアリング装置６の後方に設けられた燃料タンク７と、この燃料タンク７の後方に設けられたシート８と、前記前輪４の上方および後方を覆って設けられたフロントフェンダ９と、前記後輪の上方および前方を覆って設けられたリアフェンダ１０とを備えている。
【０００３】
また、前記エンジン２の前後には、このエンジン２の出力を、前記前輪４および後輪５へ伝達するための一対のプロペラシャフト１１・１２が設けられ、これらのプロペラシャフト１１・１２の先端部には、前記各前輪４および後輪５の車軸に連結されたドライブシャフト１３・１４に、前記エンジン２の出力を伝達するファイナルギアケース１５・１６が設けられている。
【０００４】
これらのファイナルギアケース１５・１６は、前記車体フレーム３に固定されるようになされ、また、図１１に示すように、これらのファイナルギアケース１５・１６と、前記各プロペラシャフト１１・１２との間に、ブレーキ装置１７・１８が設けられている。
【０００５】
そして、前記各ブレーキ装置１７・１８は、乗員Ｍのブレーキ操作によって作動させられて、前記各プロペラシャフト１１・１２を制動することによって、前記前輪４や後輪５の制動を行うようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の車輌にあっては、つぎのような改善すべき課題がある。
すなわち、前記ブレーキ装置１７・１８は、定期的にあるいは必要に応じて、その構成部材であるブレーキパッド等の交換作業といったメンテナンスを行う必要がある。
しかしながら、これらのブレーキ装置１７・１８が、前記ファイナルギアケース１５・１６と各プロペラシャフト１１・１２との間に設けられて、これらのブレーキ装置１７・１８が、車輌１の他の構成部品によって取り囲まれて、これらのブレーキ装置１７・１８のまわりが狭くなっており、この結果、メンテナンス性の向上が望まれている。
たとえば前輪４側にあっては、車輌１の前方に配置されるラジエタやオイルクーラ等が対向させられ、また、後輪５側にあってはエアクリーナやバッテリ等が対向させられており、これらの構成部品によって前記ブレーキ装置１７・１８まわりが狭くなる。
【０００７】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、メンテナンス作業を容易に行うことの可能な車輌用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に記載の車輌用ブレーキ装置は、前述した目的を達成するために、車体フレームと、この車体フレームに搭載されたエンジンと、前記車体フレームに揺動自在に懸架された後輪と、略車体中心線上に配設され、前記後輪に前記エンジンからの出力を伝達する後輪用のファイナルギアケースと、このファイナルギアケースと前記後輪とを連結するドライブシャフトとを備えた車輌に用いられるブレーキ装置であって、前記ドライブシャフトに固定されたブレーキディスクと、このブレーキディスクを挟み込むことによって制動を行うブレーキキャリパとからなり、前記ブレーキキャリパは、前記ファイナルギアケースの後方に取り付けられるキャリパブラケットと、前記キャリパブラケットに着脱可能に取り付けられたキャリパボディとを備え、前記キャリパボディを前記キャリパブラケットに上下一対のボルトで取り付けて構成され、前記ファイナルギアケースの車体幅方向外方に、かつ、車体後方に取り付けられる共に、前記車体フレームより外側に突出しないように、かつ、車体側面視で前記車体フレームから露出するように配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項２に記載の車輌用ブレーキ装置は、請求項１において、前記キャリパボディは、前記一対のボルトのうち、一方のボルトを取り外した状態で、他方のボルトを中心としてキャリパブラケットから後方に向けて離間する方向に回動可能であることを特徴とする。
本発明の請求項３に記載の車輌用ブレーキ装置は、請求項１または請求項２において、前記車体フレームの上部と前記後輪が取り付けられたアクスルハウジングの上部とに回動自在に連結されたアッパーアームと、前記車体フレームの下部と前記アクスルハウジングの下部とに回動自在に連結されたロアアームと、前記アッパーアームと前記車体フレームとの間に架設された緩衝器とを有する懸架装置をさらに加え、前記懸架装置が前記ドライブシャフトの上下に振り分けられて配置されることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図１ないし図４を参照して説明する。
本実施形態は、図１０に示す不整地走行用車輌に適用した例を示してあり、その主要構成部材は、図１０と同様のため、これらの主要構成部材については、同一符号を用いて説明を簡略化する。
【００１０】
本実施形態に係わる車輌用ブレーキ装置２０は、図１に示すように、車体フレーム３と、この車体フレーム３に搭載されたエンジン２と、前記車体フレーム３に揺動自在に懸架された後輪５に前記エンジン２からの出力を伝達するファイナルギアケース２１と、このファイナルギアケース２１と前記後輪５とを連結するドライブシャフト１４とを備えた車輌に用いられるもので、前記ドライブシャフト１４に固定されたブレーキディスク２２と、このブレーキディスク２２を挟み込むことによって制動を行うブレーキキャリパ２３とからなり、このブレーキキャリパ２３が、前記ファイナルギアケース２１の、車体外方に取り付けられた概略構成となっている。
【００１１】
ついで、これらの詳細について説明すれば、前記ブレーキディスク２２は、図１に示すように、前記ドライブシャフト１４の基部で、前記ファイナルギアケース２１の近傍に取り付けられている。
【００１２】
前記ブレーキキャリパ２３は、図２ないし図４に示すように、前記ファイナルギアケース２１に取り付けられるキャリパブラケット２４と、このキャリパブラケット２４に着脱可能に取り付けられ、後述するブレーキパッド２５を押圧して、このブレーキパッド２５を前記ブレーキディスク２２に圧接させるピストンが内装されたキャリパボディ２６とからなるコレット式となされている。
【００１３】
また、前記キャリパブラケット２４は、図２ないし図３に示すように、前記ファイナルギアケース２１の、前記車輌１の外側で、かつ、車輌の後方に一対のボルト２７によって固定されており、このキャリパブラケット２４に、前記キャリパボディ２６が一対のボルト２８によって取り付けられている。
【００１４】
そして、前記キャリパボディ２６は、前記ボルト２８の一つを取り外した状態において、図２および図４に示すように、他方のボルト２８を中心として回動可能となされており、このキャリパボディ２６が、前記キャリパブラケット２４から離間する方向に回動させられた状態において、図４に示すように、前記キャリパブラケット２４にブレーキパッド２５が取り残されるようになっている。
【００１５】
また、図１０において符号２９は、前記車体フレーム３の上部と、前記後輪５が取り付けられたアクスルハウジング３０の上部とに回動自在に連結されたアッパーアームを示し、符号３１は、前記車体フレーム３の下部と、前記アクスルハウジング３０の下部とに回動自在に連結されたロアアーム３１を示し、さらに、符号３２は、前記アッパーアーム２９と前記車体フレーム３との間に架設された緩衝器を示す。
そして、これらのアッパーアーム２９、ロアアーム３１、および、緩衝器３２とによって、後輪５用の懸架装置が構成されている。
【００１６】
このように構成された本実施形態に係わるブレーキ装置２０にあっては、このブレーキ装置２０を構成するブレーキディスク２２がドライブシャフト１４に取り付けられ、また、前記ブレーキディスク２２を挟み込んで制動を行うブレーキキャリパ２３が、ファイナルギアケース２１の、車輌１の外方に装着されている。
【００１７】
ここで、前記ファイナルギアケース２１の側方は、前記ドライブシャフト１４のみが位置し、かつ、前記後輪５の懸架装置を構成するアッパーアーム２９、ロアアーム３１、および、緩衝器３２が、前記ドライブシャフト１４の上下に振り分けて配置されていることにより、前記ファイナルギアケース２１に取り付けられているブレーキ装置２０が、図２に示すように、大きく露出されている。
したがって、このブレーキ装置２０のメンテナンスを行う際に、障害物が少なく、この結果、メンテナンス作業が容易に行われる。
【００１８】
しかも、本実施形態においては、前記ブレーキ装置２０を、前記ファイナルギアケース２１の後方に設置したことにより、このブレーキ装置２０が、前記車体フレーム３の後方といった、車輌１の構成部材がさらに少ない位置に位置させられていることから、前述したメンテナンス作業がさらに容易となる。
【００１９】
さらに、本実施形態においては、前記ブレーキキャリパ２３をコレット式としたことにより、前記キャリパボディ２６をキャリパブラケット２４に対して回動させることによって、図４に示すように、ブレーキパッド２５を露出させることができるので、このブレーキパッド２５の交換作業が簡便に行われる。
【００２０】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記実施形態においては、前記ブレーキ装置２０を後輪５に適用した例について示したが、図５および図６に示すように、前輪４にも適用することが可能である。
これらの図においては、前記ブレーキ装置２０を、ファイナルギアケース１５の両側で、一対のドライブシャフト１３との間に設けた例を示した。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車輌用ブレーキ装置によれば、ブレーキキャリパを、ファイナルギアケースの、車輌の外方側に設けたことにより、ブレーキ装置を、車輌の構成部品の少ない方向へ向けることができ、これによって、ブレーキ装置のメンテナンスを簡便なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示す要部の平面図である。
【図２】本発明の一実施形態を示す要部の側面図である。
【図３】本発明の一実施形態を示すもので、要部を車輌の後方から見た概略図である
【図４】本発明の一実施形態を示す要部の拡大側面図である。
【図５】本発明の他の実施形態を示す要部の正面図である。
【図６】本発明の他の実施形態を示す要部の平面図である。
【図７】不整地走行用車輌の一例を示す外観斜視図である。
【図８】不整地走行用車輌の一例を示す側面図である。
【図９】不整地走行用車輌の一例を示すもので、フレーム構成を示す概略平面図である。
【図１０】不整地走行用車輌の一例を示す概略側面図である。
【図１１】一従来例の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
１ （不整地走行用）車輌
２ エンジン
３ 車体フレーム
４ 前輪
５ 後輪
６ ステアリング装置
７ 燃料タンク
８ シート
９ フロントフェンダ
１０ リアフェンダ
１１ プロペラシャフト
１２ プロペラシャフト
１３ ドライブシャフト
１４ ドライブシャフト
１５ ファイナルギアケース
１６ ファイナルギアケース
１７ ブレーキ装置
１８ ブレーキ装置
２０ ブレーキ装置
２１ ファイナルギアケース
２２ ブレーキディスク
２３ ブレーキキャリパ
２４ キャリパブラケット
２５ ブレーキパッド
２６ キャリパボディ
２７ ボルト
２８ ボルト
２９ アッパーアーム
３０ アクスルハウジング
３１ ロアアーム
３２ 緩衝器
Ｍ 乗員
Claims (3)
- 車体フレームと、この車体フレームに搭載されたエンジンと、
前記車体フレームに揺動自在に懸架された後輪と、
略車体中心線上に配設され、前記後輪に前記エンジンからの出力を伝達する後輪用のファイナルギアケースと、
このファイナルギアケースと前記後輪とを連結するドライブシャフトとを備えた車輌に用いられるブレーキ装置であって、
前記ドライブシャフトに固定されたブレーキディスクと、
このブレーキディスクを挟み込むことによって制動を行うブレーキキャリパとからなり、
前記ブレーキキャリパは、前記ファイナルギアケースの後方に取り付けられるキャリパブラケットと、前記キャリパブラケットに着脱可能に取り付けられたキャリパボディとを備え、前記キャリパボディを前記キャリパブラケットに上下一対のボルトで取り付けて構成され、
前記ファイナルギアケースの車体幅方向外方に、かつ、車体後方に取り付けられる共に、前記車体フレームより外側に突出しないように、かつ、車体側面視で前記車体フレームから露出するように配置されていることを特徴とする車輌用ブレーキ装置。 - 前記キャリパボディは、前記一対のボルトのうち、一方のボルトを取り外した状態で、他方のボルトを中心としてキャリパブラケットから後方に向けて離間する方向に回動可能であることを特徴とする請求項１に記載の車輌用ブレーキ装置。
- 前記車体フレームの上部と前記後輪が取り付けられたアクスルハウジングの上部とに回動自在に連結されたアッパーアームと、前記車体フレームの下部と前記アクスルハウジングの下部とに回動自在に連結されたロアアームと、前記アッパーアームと前記車体フレームとの間に架設された緩衝器とを有する懸架装置をさらに加え、前記懸架装置が前記ドライブシャフトの上下に振り分けられて配置されることを特徴とする請求項１または２に記載の車輌用ブレーキ装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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