JP4263042B2 - ドラムブレーキ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に用いられるドラムブレーキ構造に係り、特に、ドラムに対するシューの当たりの均一化を図ったドラムブレーキ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラムブレーキ構造として、図10に示すように、車輪と連動して回転するブレーキドラムaと、ブレーキドラムaの内方に配置された一対のブレーキシューb、bとを備えたものが知られている。ブレーキシューbは、略半円板状に形成された金属製の本体cと、本体cの外周面に装着されたライニング(摩擦材)dと、本体cの内周面に周方向に沿って装着された金属製の補強リブeとを備える。
【0003】
この種のドラムブレーキは、図例のようにリブeの両端に油圧シリンダf、fを夫々平行に接続し、シューbを全体的に外側に移動させてライニングdをドラムaに押し付けるか、リブeの一端をアンカで支持すると共にリブeの他端に油圧シリンダやカム等のアクチュエータを接続し、シューbをアンカを中心に回動させてライニングdをドラムaに押し付け、押付力に応じた摩擦力でドラムaの回転を制動する。
【0004】
従来、シューbは、その周方向の略全長に亘ってリブeで補強されていたため、殆ど変形のない剛体としてドラムaに押し付けられることになる。このため、図11に示すように、シューbの周方向に沿った任意の位置における径方向の移動量Eは、その任意の位置のシュー径方向の中心線Lからの角度をθとし、中心線L上(θ=0)の位置における移動量(即ちシリンダfの伸長量)をEoとすると、E=Eo×COSθとなる。
【0005】
よって、ライニングdは、中央部(θ=0)の方が両端部よりも移動量が大きくなって強くドラムaに押し付けられる。この結果、周方向の摩耗量が不均一となり、ライニングdは、中央部が両端部よりも早く摩耗し、中央部が摩耗限界となったときでも、両端部には十分な厚さが残存し、シューbの交換時に大きな無駄が生じる。また、シューbとドラムaとの面圧分布が不均一となり、ブレーキ時の振動や騒音が発生する虞がある。
【0006】
この対策として、ブレーキシューbを、図10のように略180度間隔の2分割とするのではなく、略90度間隔の4分割としたもの(特許文献1参照)や、略120度間隔の3分割したもの(特許文献2参照)が知られている。このようにシューbを多分割することで、シューbの中央部と両端部との径方向の移動量差が小さくなるため、ライニングdが均一にバランス良く摩耗することになる。
【0007】
【特許文献1】
実願昭61−131538号公報
【特許文献2】
特開平8−21461号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ブレーキシューbを3分割や4分割とすることは、部品点数が増えて構造が複雑化するため、製造工程および所謂バネ下重量が増大する。また、ブレーキシューbは一般的に2分割タイプが多いため、汎用性がなく専用設計とせざるを得ず、大幅なコストアップを招く。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、簡単な構造でライニングが均一にバランス良く摩耗する安価なドラムブレーキ構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、ブレーキドラムの内方に、略半円の円弧長さを有するブレーキシューを180度間隔で一対配置し、各ブレーキシューの周方向端部に、該ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けるためのアクチュエータを接続し、記各ブレーキシューが、上記ブレーキドラムの内周面に対向された略半円の円弧板状の本体と、該本体の外周面に装着されたライニングと、上記本体の内周面に設けられ上記本体の周方向の一端から他端に形成された補強リブとを有するドラムブレーキ構造において、上記ブレーキシューの周方向中央部に、上記本体を分割することなく上記補強リブの周方向中央部を除去することで可撓部を形成し、上記アクチュエータを作動させて上記ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けたとき、上記本体が弾性変形することで上記ブレーキシューが周方向中央部で屈曲し、上記アクチュエータの作動を解除したとき、上記本体のバネ力によって上記ブレーキシューが元の状態に復元するものである。
【0011】
本発明によれば、アクチュエータを作動させブレーキシューをブレーキドラムに押し付けると、アクチュエータがシューの周方向略端部に接続されているため、シューの円弧を広げる方向に力が生じる。このため、シューが、周方向略中央部の可撓部にて屈曲して広げられ、可撓部で仮想的に2分割された如くドラムに押し付けられる。よって、ライニングが略均一にバランス良く摩耗する。また、シュー自体を分割しているわけではないので、部品点数が大幅に増加することはなく、従来のシューに小さな改変を施すのみで実現でき、安価で構造簡単となる。
【0012】
第1の発明において、上記アクチュエータが、上記ブレーキシューの周方向端部を、上記ブレーキシューの半径方向の中心線と平行な方向に押圧するものであってもよい。上記アクチュエータが、一方のブレーキシューの周方向端部と他方のブレーキシューの周方向端部との間に介設された油圧シリンダであってもよい。上記ライニングが、上記アクチュエータの上記ブレーキシューへの取付位置を超えて周方向に延長されてもよい。上記ライニングの周方向中央部に、欠落部を設けてもよい。一方のブレーキシューのブレーキライニングと他方のブレーキシューのブレーキライニングとの周方向間隔と、一つのブレーキシューにて上記欠落部によって分割されたブレーキライニング同士の周方向間隔とが等しくてもよい
【0013】
また、第2の発明は、ブレーキドラムの内方に、略半円の円弧長さを有するブレーキシューを180度間隔で一対配置し、各ブレーキシューの周方向端部に、該ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けるためのアクチュエータを接続し、上記各ブレーキシューが、上記ブレーキドラムの内周面に対向された略半円の円弧板状の本体と、該本体の外周面に装着されたライニングと、上記本体の内周面に設けられ上記本体の周方向の一端から他端に形成された補強リブとを有するドラムブレーキ構造において、上記ブレーキシューの周方向中央部に、上記本体を分割することなく上記補強リブを周方向中央部で分割してそれら分割補強リブ同士を屈曲可能に接続することで可撓部を形成し、上記アクチュエータを作動させて上記ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けたとき、上記本体が弾性変形して上記ブレーキシューが周方向中央部で屈曲し、上記アクチュエータの作動を解除したとき、上記本体のバネ力によって上記ブレーキシューが元の状態に復元するものである。
【0014】
第2の発明において、一方の分割補強リブの端部に半円状の凸部が形成され、他方の分割補強リブの端部に半円状の凹部が形成され、これら凸部と凹部とが同一半径に形成されて相互に屈曲可能に且つ制動トルクを周方向に伝達可能に係合されたてもよい。上記本体の周方向中央部が、波状に屈曲して形成されてもよい。上記ライニングの周方向中央部に、欠落部を設けてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るドラムブレーキは、車輪と連動して回転するブレーキドラム1と、ブレーキドラム1の内方に配置された一対のブレーキシュー2、2とを有する。各ブレーキシュー2は、円弧板状に形成された金属製の本体3と、本体3の外周面に装着されたライニング(摩擦材)4と、本体3の内周面に周方向に沿って略T字状に装着された金属製の補強リブ5とを有し、全体として略半円状(略180度)に形成されている。
【0017】
ブレーキシュー2の周方向の略中央部には、シュー2の屈曲を許容する仮想的なヒンジとなる可撓部6が形成されている。可撓部6は、補強リブ5の周方向略中央部を除去し、除去部7を設けることで構成されている。なお、可撓部6は、上記除去部7に加えて、本体3の周方向略中央部に低剛性部(図示せず)を設けて構成してもよい。低剛性部は、例えば、図6に示すように、本体3の周方向略中央部を蛇腹状(波状)に形成してもよく、本体3の周方向略中央部の板厚をそれ以外の部分の板厚よりも薄く形成してもよい。
【0018】
ブレーキシュー2の周方向略端部には、当該ブレーキシュー2をブレーキドラム1に押し付けるアクチュエータが接続されている。図例(デュアル2リーディングタイプ)では、アクチュエータは、ブレーキシュー2の周方向の両端部に接続された一対の油圧シリンダ8、8からなる。各油圧シリンダ8、8は、ブレーキシュー2(ライニング4)の半径方向の中心線Lに対して平行に対称に配置されている。
【0019】
油圧シリンダ8は、内部に油圧が供給されるヘッド部9と、ヘッド部9に180度間隔で対向して装着されたロッド部10とを有する。ヘッド部9は、固定側であるアクスルケースの端部に取り付けられており、回転するブレーキドラム1とは切り離されている。ロッド部10は、その先端に形成されたスリット11がシュー2のリブ5の端部に係合され、ヘッド部9に油圧が供給されると突出し、シュー2(ライニング4)をドラム1に押し付ける。
【0020】
一対のブレーキシュー2、2の間には、リターンスプリング12が介設されている。リターンスプリング12は、その一端が一方のシュー2のリブ5に接続され、他端が他方のシュー2のリブ5に接続され、シリンダ8に油圧が供給されていないとき一対のシュー2、2を引き寄せてドラム1から離間させる。リターンスプリング12は、油圧シリンダ8と略平行に配置されており、上記中心線Lに対して対称に配置されている。
【0021】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0022】
ブレーキドラム1の回転に制動力を与えるときには、各油圧シリンダ8に油圧を供給して各ロッド部10を伸長させ、シュー2をドラム1に押し付ける。すると、各ロッド部10がシュー2の周方向の両端部に接続され、シュー2の周方向の中央部に可撓部6が形成されているため、図2に示すように、円弧状に形成されたシュー2には、当該シュー2の円弧を広げる方向のモーメントMが生じる。
【0023】
すなわち、シュー2は、シリンダ8の力Fによって、図2にて上方向に移動され、同時に、そのシリンダ力Fによって、可撓部6を中心とした屈曲モーメントMが生じる。このため、シュー2は、ドラム1に押し付けられると共に可撓部6で屈曲して押し広げられ、可撓部6にて仮想的に2分割された状態でドラム1に押し付けられる。つまり、可撓部6は、図2にて上方向に移動されると同時に屈曲され、仮想的な移動ヒンジとして機能する。
【0024】
よって、図10及び図11に示す従来タイプと比べると、ライニング4は、略均一にバランス良くドラム1に押し付けられ、略均一にバランス良く摩耗し、寿命が延びる。また、シュー2とドラム1との面圧分布が周方向に沿って略均一となるので、ブレーキ時の振動や騒音が抑制される。また、全てのシリンダ8のトータルの力が略放射状に4分割されてライニング4の略法線方向に効率よく作用するため、周方向に積分して得られるトータルの押付力が従来タイプよりも増大し、制動力が向上する。なお、シリンダ力Fと曲げモーメントMとの合力が中心線Lから45度の方向となるように、シリンダ8の能力と可撓部6の曲げ剛性とを設定すれば、ライニング4が最もバランス良く摩耗し、制動力も向上する。
【0025】
また、上記可撓部6は、補強リブ5の周方向の略中央部を除去し、除去部7を設けて構成されるので、極めて低コストで容易に製造できる。すなわち、図1に示す本実施形態は、図10に示す従来タイプの補強リブeの周方向の略中央部を除去するのみで製造できるので、従来タイプの補強リブe以外の部品を設計変更することなく全て流用でき、極めて低コストで製造できる。また、補強リブeに関しても、従来タイプの補強リブeを、その組付前に上記除去部7に相当する部分をプレス加工等によって切断除去することで、流用できる。
【0026】
また、本実施形態によれば、各シュー2が可撓部6にて仮想的に2分割されてドラム1に押し付けられるため、シュー2からドラム1には、略放射状に4方向の力(理想的には90度間隔の4方向の力)が伝わり、各力は全シリンダ8のトータル力の約1/4となる。他方、図10及び図11に示す従来タイプでは、各シューbが変形しない剛体としてドラムaに押し付けられるため、シューbからドラムaには、周方向に略180度間隔で2方向の力が伝わり、各力は全シリンダfのトータル力の約1/2となる。このように、本実施形態は、従来タイプよりも小さい力が周方向に略等間隔にバランスよくドラム1に作用するので、従来タイプよりもドラム1が変形し難くなり、ドラム1の板厚を薄くでき、所謂バネ下重量を軽減できる。
【0027】
また、従来タイプでは、シューbが略180度間隔で2方向に移動するため、シューbをドラムaに強く押し付ける強制動時には、ドラムaがシューbの押圧力によって楕円状に大きく変形し、ライニングdもそれに合わせて楕円状に摩耗する。よって、その後、シューbをドラムaに弱く押し付ける弱制動時には、シューbの押圧力では殆ど変形することなく略円状を保ったドラムaに対して楕円状に摩耗したライニングdが押し付けられることになるため、ライニングdが偏減りし、制動フィーリングの低下や振動や騒音が発生する虞がある。
【0028】
他方、本実施形態によれば、強制動時には、シュー2が放射状に4方向(理想的には90度間隔の4方向)に移動し、且つシュー2が従来タイプの略半分の力でドラム1に押し付けられるため、ドラム1の変形量が少なく、ライニング4が略円状に摩耗する。よって、その後の弱制動時におけるライニング4のドラム1への偏当たりが回避され、良好な制動フィーリングを確保できると共に、振動や騒音の発生を抑制できる。
【0029】
ドラム1の制動を解除するときには、シリンダ18への油圧の供給を止める。すると、各シュー2、2がリターンスプリング12によって引き寄せられてドラム1から離間し、ドラム1の制動が解除される。このとき、屈曲していた可撓部6は、本体3の弾性変形力(バネ力)によって、元に戻る。すなわち、本体3の材質には、図2の状態まで押し広げられても弾性域となる材質が用いられる。
【0030】
但し、ライニング4の摩耗の進行に伴い可撓部6の回動量(屈曲角度)が大きくなるに応じて、適度に永久変形するような材質を用いてもよい。この場合、シュー2のリターン量が少なくて済み、ひいてはブレーキの応答性の低下を防止できる。
【0031】
変形例を図3に示す。
【0032】
この変形例は、前実施形態と略同様の構成となっており、ライニング4の長さがシリンダ8(アクチュエータ)の取付位置を超えて周方向に延長された点のみが前実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0033】
この変形例においては、本体3及びライニング4の周方向の長さが、補強リブ5の端部に形成された凹部11を超えて180度近くまで周方向に延長されている。このようにライニング4を延長させた場合であっても、制動時にはシュー2に可撓部6を中心とした屈曲モーメントMが発生するため、図3にてシュー2の左半分が可撓部6を中心に時計方向に回動し、シュー2の右半分が可撓部6を中心に反時計方向に回動し、ライニング4の延長部分4aにもドラム1に対する押付力が発生する。よって、制動力が向上する。
【0034】
他方、図10及び図11に示す従来タイプでは、「従来の技術」の欄で説明したように、シューbの周方向に沿った任意の位置における径方向の移動量Eは、その任意の位置のシュー径方向の中心線Lからの角度をθとし、中心線L上(θ=0)の位置における移動量(即ちシリンダfの伸長量)をEoとすると、E=Eo×COSθとなるため、仮にライニングdの両端部にこの変形例の延長部4aを設けたとしても、その延長部4a(θ=約90度)の半径方向の移動量(E=Eo×COS(90度))は略0であり、制動力には殆ど寄与しない。
【0035】
別の変形例を図4に示す。
【0036】
この変形例は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、ライニング4の周方向略中央部に、欠落部13を設けた点のみが上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0037】
この変形例においては、ライニング4の周方向の略中央部に欠落部13を設け、各シュー2のライニング4を夫々2分割している。よって、4つのライニング4がドラム1に対して略法線方向に押し付けられることになり、ドラム1の変形や応力を小さくできる。特に、2つのシュー2、2の間のライニング4の間隔と、1つのシュー2内にて欠落部13を介して分割されたライニング4の間隔とを等しくすれば、ドラム1の変形や応力を最小にでき、ドラム1の軽量化が最大となる。
【0038】
本発明の実施形態ではない参考形態を図5に示す。
【0039】
この参考形態は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、可撓部6が、補強リブ5の周方向略中央部の高さh1をそれ以外の部分の高さh2よりも低くすることで形成されている点のみが、上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0040】
この参考形態においては、補強リブ5の周方向略中央部に高さh1を低くする窪み部14を設けることで可撓部6を形成している
【0041】
別の変形例を図6に示す。
【0042】
この変形例は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、可撓部6が、補強リブ5を上記本体3の周方向略中央部にて切断分割し、それら分割補強リブ5a、5b同士を屈曲可能に接続して形成されている点、および可撓部6が、本体3の周方向略中央部に設けられた低剛性部15を有する点のみが、上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0043】
一方の分割リブ5aの端部には半円状の凸部16が形成され、他方の分割リブ5bの端部には半円状の凹部17が形成されている。凸部16と凹部17とは、同一半径に形成されており、相互に屈曲可能に係合され、制動時の制動トルクを周方向に伝達すると共に、屈曲を許容するようになっている。凸部16および凹部17の曲率中心Cは、シュー2の中心線L上に配置されている。
【0044】
また、低剛性部15は、蛇腹状(波状)に形成されており、制動時の制動トルクを周方向に殆ど伝達することなく、シュー2の屈曲を許容するものである。また、ライニング4の周方向略中央部には、上記蛇腹状の低剛性部15を形成するために、図4のタイプと同様の欠落部13が形成されている。
【0045】
この変形例においても、制動時にシュー2が可撓部6の凸部16および凹部17の曲率中心Cで屈曲するため、上記実施形態と同様の作用効果が生じる。また、この変形例は、可撓部6の屈曲剛性が上記実施形態よりも小さいので、より小さなシリンダ力Fに対しても同様の作用効果が得られる。
【0046】
なお、上記双方の分割リブ5a、5bを図示しないピンによって屈曲可能に連結してもよい。ピンは、中心線L上に配置される。また、上記低剛性部15を、本体3の板厚を当該低剛性部15以外の部分よりも薄くすることで形成してもよい。なお、低剛性部15の材質は、屈曲したシュー2を元に戻すリターンバネとしても機能する材質が用いられる。
【0047】
但し、ライニング4の摩耗の進行に伴い可撓部6の回動量(屈曲角度)が大きくなるに応じて、適度に永久変形するような材質を用いてもよい。この場合、シュー2のリターン量が少なくて済み、ひいてはブレーキの応答性の低下を防止できる。また、低剛性部15は、本体3の曲率半径の内方に位置するので、ライニング4が摩耗してもドラム1と干渉することはない。
【0048】
別の変形例を図7に示す。
【0049】
この変形例は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、油圧シリンダ8(アクチュエータ)をシュー2の周方向の片端部に接続し、他端部にはアンカー18を当接させて所謂リーディングトレーディングタイプとした点のみが、上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0050】
図7にて矢印Xはドラム1の回転方向を示す。よって、図中、上側のシュー2がリーディングシューとなり、下側のシュー2がトレーディングシューとなる。このリーディングトレーディングタイプにおいては、シュー2がアンカー18を中心に回動してドラム1に押し付けられるが、このとき、シュー2が図1及び図2に示す実施形態と同様に可撓部6で屈曲するため、同様の作用効果が生じる。
別の変形例を図8に示す。
【0051】
この変形例は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、各シュー2に対し、それぞれドラム1の回転方向の上流側の端部に油圧シリンダ8(アクチュエータ)を接続すると共に下流側の端部にアンカー18を当接し、所謂2リーディングタイプとした点のみが、上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0052】
この2リーディングタイプにおいても、シュー2がアンカー18を中心に回動してドラム1に押し付けられ、このとき、シュー2が図1及び図2に示す実施形態と同様に可撓部6で屈曲するため、同様の作用効果が生じる。
【0053】
別の変形例を図9に示す。
【0054】
この変形例は、図1及び図2に示す実施形態と略同様の構成となっており、一方のシュー2aのドラム1の回転方向Xの上流側の端部に油圧シリンダ8(アクチュエータ)を接続し、下流側の端部に他方のシュー2bの端部をフローティングピン19を介して連結し、他方のシュー2bの反対側の端部にアンカー18を当接し、所謂デュオサーボタイプとした点のみが、上記実施形態と異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0055】
他方のシュー2bには、シリンダ8と略平行にガイド溝20が形成され、ガイド溝20にはアクスルケース(固定系)に取り付けられたピン21が挿通されている。このデュオサーボタイプによれば、図9の上側のシュー2a(プライマリシュー)に生じるブレーキ力が下側のシュー2b(セカンダリシュー)の入力として作用する。また、制動時には、シュー2aがフローティングピン19を中心に回動し、シュー2bがアンカー18を中心に回動し、それぞれドラム1に押し付けられ、このとき、シュー2a、2bが図1及び図2に示す実施形態と同様に夫々可撓部6、6で屈曲するため、同様の作用効果が生じる。
【0056】
なお、本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、各変形例を組み合わせて様々な変形例とすることができる。例えば、図3〜図6の変形例を、リーディングトレーディングタイプや2リーディングタイプやデュオサーボタイプとしてもよく、図3の本体3の周方向略中央部の板厚をそれ以外の部分より薄くして低剛性部を形成してもよく、図6の低剛性部15を省略してもよい。また、アクチュエータは、シリンダ8に限られず、公知のカム機構でもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構造でライニングが均一にバランス良く摩耗する安価なドラムブレーキ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すドラムブレーキ構造の正面図である。
【図2】 上記ドラムブレーキ構造の作動を示す説明図である。
【図3】 変形例を示す説明図である。
【図4】 別の変形例を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施形態ではない参考形態を示す説明図である。
【図6】 別の変形例を示す説明図である。
【図7】 別の変形例を示す説明図である。
【図8】 別の変形例を示す説明図である。
【図9】 別の変形例を示す説明図である。
【図10】 従来例を示すドラムブレーキ構造の正面図である。
【図11】 上記ドラムブレーキ構造の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ブレーキドラム
2 ブレーキシュー
3 本体
4 ライニング
4a ライニングの延長部
5 補強リブ
5a 分割補強リブ
5b 分割補強リブ
6 可撓部
7 補強リブの除去部
8 アクチュエータとしての油圧シリンダ
13 ライニングの欠落部
15 低剛性部
18 アンカー
h1 補強リブの周方向略中央部の高さ
h2 補強リブのそれ以外の部分の高さ

Claims (10)

  1. ブレーキドラムの内方に、略半円の円弧長さを有するブレーキシューを180度間隔で一対配置し、各ブレーキシューの周方向端部に、該ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けるためのアクチュエータを接続し、
    上記各ブレーキシューが、上記ブレーキドラムの内周面に対向された略半円の円弧板状の本体と、該本体の外周面に装着されたライニングと、上記本体の内周面に設けられ上記本体の周方向の一端から他端に形成された補強リブとを有するドラムブレーキ構造において、
    上記ブレーキシューの周方向中央部に、上記本体を分割することなく上記補強リブの周方向中央部を径方向に全部除去することで可撓部を形成し、上記アクチュエータを作動させて上記ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けたとき、上記本体が弾性変形することで上記ブレーキシューが周方向中央部で屈曲し、上記アクチュエータの作動を解除したとき、上記本体のバネ力によって上記ブレーキシューが元の状態に復元することを特徴とするドラムブレーキ構造。
  2. 上記アクチュエータが、上記ブレーキシューの周方向端部を、上記ブレーキシューの半径方向の中心線と平行な方向に押圧するものである請求項1に記載のドラムブレーキ構造。
  3. 上記アクチュエータが、一方のブレーキシューの周方向端部と他方のブレーキシューの周方向端部との間に介設された油圧シリンダである請求項1又は2に記載のドラムブレーキ構造。
  4. 上記ライニングが、上記アクチュエータの上記ブレーキシューへの取付位置を超えて周方向に延長された請求項1〜3のいずれかに記載のドラムブレーキ構造。
  5. 上記ライニングの周方向中央部に、欠落部を設けた請求項1〜4のいずれかに記載のドラムブレーキ構造。
  6. 一方のブレーキシューのブレーキライニングと他方のブレーキシューのブレーキライニングとの周方向間隔と、
    一つのブレーキシューにて上記欠落部によって分割されたブレーキライニング同士の周方向間隔とが等しい請求項5に記載のドラムブレーキ構造。
  7. ブレーキドラムの内方に、略半円の円弧長さを有するブレーキシューを180度間隔で一対配置し、各ブレーキシューの周方向端部に、該ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けるためのアクチュエータを接続し、
    上記各ブレーキシューが、上記ブレーキドラムの内周面に対向された略半円の円弧板状の本体と、該本体の外周面に装着されたライニングと、上記本体の内周面に設けられ上記本体の周方向の一端から他端に形成された補強リブとを有するドラムブレーキ構造において、
    上記ブレーキシューの周方向中央部に、上記本体を分割することなく上記補強リブを周方向中央部で分割してそれら分割補強リブ同士を屈曲可能に接続することで可撓部を形成し、上記アクチュエータを作動させて上記ブレーキシューを上記ブレーキドラムに押し付けたとき、上記本体が弾性変形して上記ブレーキシューが周方向中央部で屈曲し、上記アクチュエータの作動を解除したとき、上記本体のバネ力によって上記ブレーキシューが元の状態に復元することを特徴とするドラムブレーキ構造。
  8. 一方の分割補強リブの端部に半円状の凸部が形成され、他方の分割補強リブの端部に半 円状の凹部が形成され、これら凸部と凹部とが同一半径に形成されて相互に屈曲可能に且つ制動トルクを周方向に伝達可能に係合された請求項7記載のドラムブレーキ構造。
  9. 上記本体の周方向中央部が、波状に屈曲して形成された請求項7又は8に記載のドラムブレーキ構造。
  10. 上記ライニングの周方向中央部に、欠落部を設けた請求項7〜9のいずれかに記載のドラムブレーキ構造。
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