JP4262593B2 - 閉鎖装置、関連する送り出し方法及び道具、及び関連する使用法 - Google Patents

Description

本発明は、体内通路例えば心臓の卵円孔開存を閉鎖するための装置、前記の閉鎖装置を送り出すための関連方法及び装置、及び通路を封鎖するための前記閉鎖装置を使用する関連方法に関するものである。

図２０は、心臓の一部を縦断面で示しており、右心房（ＲＡ）、左心房（ＬＡ）、右心室（ＲＶ）及び左心室（ＬＶ）が示されている。図２０は、また、通常心臓の二次中隔（ＳＳ）の開口である卵円孔を被っている組織弁状構造の一次中隔（ＳＰ）も示している。子宮内において、卵円孔は、胎児心臓における血液の左右短絡のための生理学的導管として役立つ。誕生後、肺循環が確立されるのに伴って、左心房の血流及び血圧の増大が一次中隔（ＳＰ）を二次中隔（ＳＳ）の壁に押し付けて卵円孔を被い、その結果、卵円孔を機能的に閉鎖する。この閉鎖の後に、通常、二次中隔（ＳＳ）への一次中隔（ＳＰ）の融着による卵円孔の解剖学的閉鎖が生じる。

卵円孔の解剖学的閉鎖が生じない場合、卵円孔開存（ＰＦＯ）が生じる。卵円孔開存は持続性であり、通常心臓の一次心房中隔（ＳＰ）と二次中隔（ＳＳ）の間の組織弁状の開口である。卵円孔開存は、二次中隔（ＳＳ）への一次中隔（ＳＰ）の融着が部分的であるか全くない場合に生じる。部分的融着の場合、一次中隔（ＳＰ）上部と二次中隔（ＳＳ）上部の間に持続的な通路が存在する。一次中隔（ＳＰ）と二次中隔（ＳＳ）の間に複数の通路が存在する可能性もある。

研究の結果は、比較的大きな比率の成人が卵円孔開存（ＰＦＯ）を持つことを示している。ＰＦＯを通じての塞栓症は、特に比較的若い患者においては虚血性発作の原因になる場合があると考えられる。原因不明の発作の５０％にＰＦＯが存在すると推定されている。ＰＦＯが介在する原因不明発作または一過性虚血発作（ＴＩＡ）の患者については、再発性塞栓の危険を減らすためにしばしば内科的治療が検討される。

薬理治療は、経口抗凝血薬または抗血小板剤をしばしば使用する。これらの治療は、出血を含めてある種の副作用を引き起こす場合がある。薬理治療が不適切である場合、例えば縫合によってＰＦＯを閉鎖するために開心術が採用される場合がある。他の開心処置と同様、この手術は非常に侵襲的で、危険であり、全身麻酔を必要とし、その結果回復に時間がかかる可能性がある。

心房中隔欠損症（ＡＳＤ）（一次中隔（ＳＰ）が存在しない症状）の経皮閉鎖のために開発された傘状装置を使ってＰＦＯを非外科的に閉鎖することが可能である。ただし、ＡＳＤの治療に使用されるこれらの従来の装置の多くは、技術的に複雑でかさばり、正確な位置に配備するのが難しい。さらに、この種の装置は、最初の位置決めが満足すべきものでない場合に回収及び（または）再位置決めするのが困難または不可能である。さらに、この種の装置は、特にＡＳＤ用に設計されているので、特に一次中隔（ＳＰ）が二次中隔（ＳＳ）に部分的に重なっているため、ＰＦＯを閉鎖し封鎖するのには適さないかも知れない。

本発明に従えば、体内通路を閉鎖するため、より明確に言うと卵円孔開存（ＰＦＯ）を閉鎖するための方法、道具及び装置が提供される。

本発明の１つの態様に従えば、人体の通路を封鎖するための装置が提供される。この装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する細長い部材を備え、この細長い部材は第一のアンカーに固定的に接続される第一の端及び第二のアンカーに解除可能に接続される第二の端を有する。

本発明の別の態様に従えば、人体の通路を封鎖するための装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は第一のアンカーと第二のアンカーの間の細長い部材の長さを変動させるために第二のアンカーを通って移動することができる。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するための装置が提供される。この装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この装置において、第一のアンカーは細長い部材に対して相対的に軸旋回し、第二のアンカーは細長い部材に対して相対的に軸旋回する。

本発明のさらに別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するための装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この装置において、第一のアンカー及び第二のアンカーの各々は散開状態から折り畳み送り出し状態に折り畳み可能である。

本発明のさらなる態様に従えば、心臓の卵円孔開存を封鎖するための装置が提供される。この装置は、卵円孔開存の第一の端に近接して配置されるのに適する第一の複数のアームを含む第一のアンカー、卵円孔開存の第二の端に近接して配置されるのに適する第二の複数のアームを含む第二のアンカー、及び卵円孔開存を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は、第一のアンカーに固定的に接続される第一の端及び第二のアンカーに解除可能に接続される第二の端を有し、この装置において、第一及び第二の複数のアームの各々は、散開状態から送り出し状態に折り畳み可能である。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するためのアセンブリが提供される。このアセンブリは、通路まで伸びることができるポジショニング・カテーテル及び通路を封鎖することができる閉鎖装置を備え、この閉鎖装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を含み、このアセンブリにおいて、閉鎖装置は第一の折り畳み状態でポジショニング・カテーテル内に配置可能であり、第二の散開状態でポジショニング・カテーテルから伸張可能である。

本発明のさらに別の態様に従えば、心臓の卵円孔開存を封鎖するためのアセンブリが提供される。このアセンブリは、卵円孔開存まで伸びることができるガイド・カテーテル、ガイド・カテーテルを通って卵円孔開存付近のあるポジションまで伸びることができるポジショニング・カテーテル、及び卵円孔開存を封鎖することができる閉鎖装置を備え、この閉鎖装置は、卵円孔開存の第一の端に近接して配置されるのに適する第一の複数のアームを有する第一のアンカー、卵円孔開存の第二の端に近接して配置されるのに適する第二の複数のアームを有する第二のアンカー、卵円孔開存を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材、及び細長い部材の第二の端を第二のアンカーに解除可能に接続するためにポジショニング・カテーテルの遠位部に選択的にかみ合う解除可能な固定メカニズムを含み、このアセンブリにおいて、閉鎖装置は、第一及び第二の複数のアームの各々が折り畳まれる第一の状態においてポジショニング・カテーテル内に配置可能であり、第一及び第二の複数のアームの各々が伸ばされる第二の散開状態においてポジショニング・カテーテルから伸張可能である。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖する方法が提供される。この方法は、通路の第一の端に近接して第一のアンカーを配置するステップ、通路の第二の端に近接して第二のアンカーを配置するステップ、及び通路内で第一のアンカーと第二のアンカーの間に配置される可撓性の細長い部材に沿って第一のアンカーに対して相対的に第二のアンカーを移動させるステップを含む。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するための閉鎖装置を配置する方法は、通路の第一の端の中にさらに通路の第二の端の外にカテーテルを前進させるステップ、閉鎖装置の第一のアンカーをカテーテルの遠位端の外に前進させるステップ、通路を通ってカテーテルを引き戻すステップ、通路の第二の端に隣接して第一のアンカーを位置決めするステップ、閉鎖装置の第二のアンカーをカテーテルの遠位端の外に前進させるステップ、及び通路の第一の端に隣接して閉鎖装置の第二のアンカーを位置決めするステップを含む。

本発明のさらなる態様に従えば、閉鎖装置を心臓の卵円孔開存まで送り出す方法が提供される。この方法は、右心房の中にカテーテルを前進させるステップ、卵円孔開存を通って左心房の中にカテーテルを前進させるステップ、左心房において閉鎖装置の第一のアンカーを散開するステップ、右心房の中にカテーテルを引き戻すステップ、及び右心房において閉鎖装置の第二のアンカーを散開するステップを含む。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するための閉鎖装置は、通路の第一の端を閉鎖するように構成される左心房側アンカー、通路の第二の端を閉鎖するように構成される右心房側アンカー、及び左心房側アンカーと右心房側アンカーを接続する可撓性の細長い部材を備え、この装置において、細長い部材は、左心房側アンカーに固定的に接続される第一の端を有し、右心房側アンカーは、細長い部材に対して相対的に移動可能であり、細長い部材の長さに沿った複数の点のうち任意の１点で細長い部材に解除可能に取り付けられるように構成される。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するためのアセンブリは、体内への入口点から通路まで伸びるように構成されるガイド・カテーテル、及び通路を封鎖することができる閉鎖装置を含み、この閉鎖装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び第一のアンカーと第二のアンカーを接続する可撓性の細長い部材を含み、このアセンブリにおいて、細長い部材の第一の端は第一のアンカーに接続され、細長い部材は第二のアンカー及びカテーテルを通って体内への入口点まで伸びる。

本発明のさらに別の態様に従えば、人体の通路を封鎖するための装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は、細長い部材の張力を変動させるために第二のアンカーを通って移動することができる。

本発明の別の態様に従えば、人体の通路を閉鎖するための装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適する第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適する第二のアンカー、及び通路をとお手伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は、第一のアンカーに解除可能に接続される第一の端及び第二のアンカーに解除可能に接続される第二の端を有する。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を閉鎖するための装置は、左心房に配置されるのに適しカバーなしの複数のアームを含む左心房側アンカー、右心房に配置されるのに適し複数のアーム及びこの複数のアームに取り付けられるカバーを含む右心房側アンカー、及び通路を通って伸び左心房側アンカーと右心房側アンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は、左心房側アンカーに固定的に接続される第一の端及び右心房側アンカーに解除可能に接続される第二の端を有する。

本発明の別の態様に従えば、心臓の通路を封鎖するための装置は、通路の第一の端に近接して配置されるのに適しカバーなしの複数のアームを備える第一のアンカー、通路の第二の端に近接して配置されるのに適しカバーなしの複数のアームを備える第二のアンカー、及び通路を通って伸び第一のアンカーと第二のアンカーを接続するのに適する可撓性の細長い部材を備え、この細長い部材は、第一のアンカーに固定的に接続される第一の端及び第二のアンカーに解除可能に接続される第二の端を有する。

本発明の付加的利点は、部分的には以下の説明に示され、また部分的には説明から自明であるか、あるいは発明の実施によって解るだろう。本発明の目的及び利点は、特に付属のクレームにおいて指摘される要素及び組み合わせによって実現され達成される。
以上の概要及び以下の詳細な説明は例示的及び説明的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。

本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの実施態様を図解し、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
次に本発明の実施態様について詳細に述べる。実施態様例は添付図面に示されている。可能な限り、図面全体を通じて同じまたは同様の部分を指すために同じ参照番号が使用される。

様々な図は、卵円孔開存（ＰＦＯ）閉鎖装置、道具、ＰＦＯ閉鎖装置を送り出すための装置及び方法、及びＰＦＯを閉鎖するための装置の使用法の実施態様を示している。装置及び関連する方法は、本明細書においてはＰＦＯを封鎖する際の使用に関連して説明されている。ただし、これらの装置は、例えば心房中隔欠損、心室中隔欠損及び動脈管開存など心臓の開口及び動静脈フィステルなど体の他の部位の開口または通路を含めて他の開口または通路を閉鎖するのにも適する。従って、本発明は、ＰＦＯを閉鎖するための発明的閉鎖装置の使用に限定されない。

図１及び１１は、本発明の１つの実施態様に従ったＰＦＯ閉鎖装置１０を示している。図１において、装置１０はＰＦＯ通路（図にはＰＦＯとして示されている）の両側に配置されており、装置１０の一部は送り出しシステムから送り出された後ＰＦＯ通路を通り抜ける。ＰＦＯ通路は、一次中隔（ＳＰ）と二次中隔（ＳＳ）の間のＰＦＯ通路に配置されるカテーテルを示す図２においてより明確に示される。図１に示される通り、閉鎖装置１０はＬＡに配置される左心房側アンカー、ＲＡに配置される右心房側アンカー１４、及びアンカー構造を接続する繋索１６を含む。

本明細書において説明され図１及び１１に示される通り、閉鎖装置１０は、繋索１６に接続される左心房側アンカー１２を含む。図１１は、右心房側アンカー１４を通って伸び解除可能な固定メカニズム３０（右心房側アンカー１４に固定される）を通じて右心房側アンカーに接続される繋索１６を示している。解除可能な固定メカニズム３０が固定されていないとき、右心房アンカー１４は繋索１６に沿って移動可能である。図１１に示される通り、解除可能な取り付け部材３０は繋索１６にかみ合い、繋索は、左心房側アンカー１２に面していない右心房側アンカー１４の面で右心房側アンカー１４を通って伸びる。左心房側アンカー１２は永久的に繋索１６に取り付けられることが望ましいが、左心房側アンカー１２を解除可能な固定メカニズム３０と同様の装置によって繋索１６に取り付けることも可能である。

１つの実施態様においては、繋索１６はマルチフィラメント編組高分子材料で形成することができる。適切な材料には、ＳＰＥＣＴＲＡまたはＤＹＮＥＥＭＡなど超高分子ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）のマルチフィラメント糸が含まれるが、これに限定されない。その他の適切な材料には、ＶＥＣＴＲＡＮなど液晶ポリマー（ＬＣＰ）、ポリエステルまたはその他の高強度ファイバーが含まれる。十分な強度及び可撓性を有するその他の適切な材料を繋索１６に使用することができる。

解除可能な固定メカニズム３０はバネ式が望ましく、図１１には繋索１６に固定状態が示されている。すなわち、固定メカニズム３０は繋索１６をアンカー１４に固定している。解除可能な固定メカニズム３０は、繋索１６に貫入してこれを突き刺すのに適する相対する方向の突き刺しピン３２を含む。各突き刺しピン３２は、ハウジング３１及び対応する突き刺しピン３２に接続されるバネ部３２ａを含む。図に示される実施態様においては、ハウジング３１はアンカー取り付けハブ３６に接続され、下に説明するとおりアンカー取り付けハブはアンカー１４に接続される。

突き刺しピン３２は、鋭い先端を有し、繋索１６に対して概ね直角に向く。バネ部３２ａは、バネ部３２ａの自然の不偏ポジションのとき突き刺しピン３２が繋索１６を刺し貫くように、ハウジング３１に接続される。突き刺しピン３２は繋索１６を完全に通り抜けるように図には示されているが、ピン３２は繋索１６の中に部分的に通ることも考えられる。

突き刺しピン３２は、ハウジング３１に取り付けられる突き刺しカラー３４と協働する。カラー３４は、繋索１６より多少大きい内部通路を有する。図に示される実施態様においては、カラー３４は２つの通路、すなわち各突き刺しピン３２用に１つずつの通路を有し、突き刺しピン３２はこれを通り抜ける。突き刺しピン３２が繋索１６の中に通ったら（あるいは通り抜けたら）、突き刺しピン３２は繋索１６を固定メカニズム３０に、従って右心房側アンカー１４にしっかりとロックする。突き刺しカラー３４も、また、後に説明するとおり突き刺しピン３２を繋索１６から引き抜きたい場合に、繋索１６を所定の位置に保持する。

突き刺しピン３２は、バネ特性を有する弾性金属で構成されることが望ましい。適切な材料にはステンレス鋼、ニッケル−チタン、ＥＬＧＩＬＯＹまたはＭＰ３５Ｎが含まれるが、これに限定されない。ハウジング３１は、生体適合性金属またはポリマーで構成される薄壁のチューブであることが望ましい。図１１に示される解除可能な固定メカニズム３０は、単なる例であり、アンカー１２に繋索１６を固定するのに適する解除可能な固定メカニズムの他の実施態様も想定され、その一部が下に説明される。

図１２は、図１１に示される解除可能な固定メカニズム３０の動作を示している。図１２において、右心房側アンカー・ポジショニング・カテーテル（ＲＰＣ）２２は、右心房側アンカーが繋索１６にまだ固定されないように、右心房側アンカーとかみ合わされる。本明細書において説明され図１２に示される通り、ＲＰＣ２２は、膨張式バルーン２４を含み、バルーンは、膨張するとき解除可能な固定メカニズム３０とかみ合って、右心房アンカー１４が繋索１６に対して相対的に移動できるようにする。ＲＰＣ２２は、バルーン２４の膨張及び収縮を可能にするルーメン２６を含む。バルーン２４の近位端２４ａは、ＲＰＣ２２の外側チューブ２２ｂの遠位端に取り付けられるのに対して、バルーン２４の遠位端２４ｂはＲＰＣ２２の内側チューブ２２ａの遠位端に取り付けられる。ＲＰＣ２２の内側チューブ及び外側チューブ２２ａ、２２ｂはルーメン２６を形成する。

膨張状態のバルーン２４が図１２に示されている。バルーン２４は、解除可能な固定メカニズム３０とのかみ合いを容易にするために、図に示される通りダンベル形に構成することができる。図に示される通り、バルーン２４が膨張しているとき、ダンベル形バルーン２４の遠位部はバネ部３２ａを圧し、バルーン２４の近位部はどの面に接することもなく拡張し、バルーン２４の中央くびれ部はハウジング３１を圧して、くびれ部の拡張を制限する。バルーン２４の遠位部は、突き刺しピン３２を繋索１６から外側に押しやる。これは、バルーン２４が突き刺しピン３２のバネ部３２ａを外向きに圧することによって行われる。左心房側アンカー１２及び繋索１６に対して相対的な右心房側アンカー１４の希望のポジションが確立されたら、バルーン２４を収縮する。それによって、突き刺しピン３２が繋索１６に貫入して、繋索１６に対してアンカー１４を固定できるようにする。固定後右心房側アンカー１４のポジションを直したい場合には、解除可能固定メカニズム３０に再びかみ合わせるために繋索１６に沿ってＲＰＣ２２を前進させる。バルーン２４を再び膨張させて、繋索１６からピン３２を引き抜いて、繋索１６に対して相対的に右心房側アンカー１４のポジションを直せるようにする。

図１２に関して説明され図１２に示されるＲＰＣ２２は単なる例であり、解除可能な固定メカニズムと相互作用できる他のカテーテル構造も想定される。例えば、固定メカニズム３０と解除可能にかみ合うための機械的な代替拡張構造を有するカテーテル装置を使用することができる。

図１１Ａは、左心房側アンカー１２及び繋索１６へのその接続の実施態様を示している。本明細書において説明され図１１Ａに示される通り、アンカー１２は、１本またはそれ以上のアーム４０を含み、アームはアンカー取り付けハブ４２を横切って伸びることが望ましい。取り付けハブ４２は管状であり、生体適合性金属または高分子材料で作られることが望ましく、半径方向向きの通路を含んでおり、それを通ってアーム４０が伸びる。図１２は、アーム４０が通って伸びるこの種の通路を１つ示している。アーム４０は、溶接、はんだ付け、接着剤など適切な手段またはアーム４０をハブ４２に固定するためのその他の適切な方法によってさらに取り付けハブ４２に固定することができる。アンカー取り付けハブ４２は、また、縦方向のルーメン４８を形成し、図１１に示される通りこれを通って繋索１６が伸びる。各アーム４０は、繋索１６に概ね直交して伸び、繋索１６の編組構造を通り抜けて左心房側アンカーを繋索１６に固定する。図１１Ａは、４本のアームを有するアンカーを示しているが、任意の数のアームを使用することができ、１本から６本が望ましい。図１１には示されていないが、この実施態様のアーム４０は、少なくともアンカー取り付けハブの領域においては、繋索１６の長さに沿って相互に縦方向に間隔を置く。すなわち、任意の２本のアームが繋索１６上で全く同じ点に配置されることはない。

アーム４０は、ハブ４２を通り抜けることが望ましいが、代替配列においては、アーム４０は実際にはハブ４２を通り抜けなくてもよい。すなわち、アームはハブ４２から半径方向に伸びることができる。さらに、アーム４０の代わりに、アンカー１２、１４は螺旋構造、平らな編組構造またはウェブ構造を持つことができる。ＰＦＯを閉鎖するために一次中隔（ＳＰ）と二次中隔（ＳＳ）の接触を保持するのに十分なサイズと形状を持つものであればどのような構造でも使用できる。

アーム４０は、ステンレス鋼、ニッケル−チタン、ＥＬＧＩＬＯＹまたはＭＰ３５Ｎなど金属ワイヤで製造されることが望ましい。ニッケル−チタンの場合、ワイヤを超弾性モードで使用して、この合金の超弾性特性によってワイヤを散開するか、あるいはワイヤを熱変形モードで使用することができる。熱変形モードにおいては、散開前に、例えば送り出しアセンブリに冷却された食塩水を導入することによってワイヤを冷却し、その後ガイド・カテーテル２０（または送り出しシース）を引き戻した後に血液に触れさせることによって温めることができる。

図１１Ａに示される通り、アーム４０は直線にすることができる。その代わりに、アームは心房壁に合わせて凹面形アンカーを形成するように構成することができる。アンカー１２及びそのアーム１４は、その後繋索１６によって引っ張られると平らになって心房壁面に接する。アーム４０は、完全に位置決めされた後は心房壁面に接してまたは近接していることが望ましい。なぜなら、これによって、アーム４０に被さって組織が成長しやすくなり、血栓形成及びその後の血栓塞栓形成を最小限に抑えられるからである。アーム４０が速やかに内皮化して心房壁の中に成長するのをさらに助けるために、エキスパンドＰＴＦＥまたはポリエステル織布など内植を加速する材料でアーム４０を個々にコーティングすることができる。アーム４０は、任意の望みのコーティングとともに、ヘパリンなどの抗血栓性材料でさらにコーティングすることができる。閉鎖装置の露出面は全て、繋索１６の全長を含めて、この種のコーティングを含むことができる。

ガイド・カテーテル２０（または送り出しシース）と未散開のアンカーの間の摩擦力を最小限に抑え、かつ散開中の組織の損傷を最小限に抑えるために、アーム４０の端は丸められることが望ましい（図１１Ａにおいて右側のアームに示されるように）。アーム４０の端は、例えばアンカー１２のカバーに縫合するために縫合を受けるための小さいループを含むことができる。アームの全長（アンカーの直径に一致する）は、処置される特定の解剖学的構造によって決まるが、ＰＦＯ閉鎖を含めて中隔閉鎖の場合約３−５０ｍｍの範囲であることが望ましい。アーム４０は、取り付けハブから等距離に伸びる必要はない。左心房の残り部分に対して相対的なＰＦＯの位置に応じて、例えば下方向に向かって長くなるなどアーム４０の一部を取り付けハブ４２から非対称的に伸ばすことが望ましい場合がある。また、左心房側アンカー１２は図１１Ａにおいてアーム間に広がる布カバーなしに示されているが、場合によっては、図１１Ｃに示される右心房側アンカー１４に関連して下に説明されるのと同様のカバーを組み込むことが有利である場合も予想される。

図１１Ｂは、右心房側アンカー１４及びアンカー取り付けハブ３６へのその接続の実施態様を示している。繋索１６及びアンカー１４を被覆する布は図１１Ｂには示されていない。本明細書において説明され図１１Ｂに示される通り、右心房側アンカー１４は、アンカー取り付けハブ３６を通り抜ける１本またはそれ以上のアーム５０を含む。右心房側アンカー１４用の取り付けハブ３６は、左心房側アンカー１２用のハブと同様であり、繋索１６が通り抜ける縦方向のルーメン５８（図１１を参照のこと）及びアーム５０が通り抜ける半径方向の通路５１を形成する。左心房側アンカー１２と異なり、アーム５０は繋索１６を通り抜けない。代わりに、アーム５０は繋索１６の周りを湾曲し、図１１Ｂに示される通りアンカー取り付けハブ３６の内面をなぞるように形成される。図１１Ｂも４本のアームを示しているが、もっと大きいまたは小さい数のアームを使用することができ、１本から６本のアームが望ましい。アーム５０は、左心房側アンカー１２に関して説明した通り、直線に形成する（ハブ３６から離して）か、または凹面形に形成することができる。望ましい材料には、左心房側アンカーのアームについて述べた材料が含まれる。アーム５０の全長（アンカー１４の直径に一致する）は、処置対象の特定の解剖学的構造によって決まるが、ＰＦＯ閉鎖を含めて中隔閉鎖の場合約３−５０ｍｍの範囲が望ましい。場合によっては、左心房側アンカー・アーム４０は右心房側アンカー・アーム５０と同じ長さであり、場合によっては例えば左心房側アンカー・アーム４０が右心房側アンカー・アームより短いなど長さが異なる場合もある。長さは心臓の解剖学的構造によって決まる。

右心房側アンカー１４は、アーム５０間に広がる布またはその他の皮膜カバーを含むことが望ましい。図１１Ｃにおいて参照番号５２で示されるこのカバーは、ＰＦＯの血行動態的封鎖を保証するのに役立つ。カバー５２は、アンカー取り付けハブ３６を取り囲むための穴を有する１枚のシートで構成されることが望ましく、中隔に面するようにアーム５０に配置されることが望ましい。カバーに適する材料には、ポリエステル織布または編地、またはｅＰＴＦＥが含まれるが、これに限定されない。カバー５２は、速やかな組織内植を促す気孔を有することが望ましい。カバー３６は、さらに例えばヘパリンなど抗血栓性材料のコーティングを含むことができる。カバー５２は、縫合など適切な手段によって右心房側アンカー１４のアーム５０に取り付けることができる。図１１Ｃに示される通り、アーム５０の端に各々にループ５４を形成して、アーム５０をカバー５２に接続するための縫合５６用の***を作ることができる。アーム５０の長さに沿って縫合を追加することができる。左心房側アンカー５０に関しては望ましくなく説明していないが、左心房側アンカー１２のアーム４０にカバーを含めることが可能である。

図１３は、解除可能な固定メカニズムの代替実施態様を示している。解除可能な固定メカニズム６０は、上に説明したのと同様の方法で右心房ポジショニング・カテーテルＲＰＣ２２と一緒に動作する。上に説明した実施態様と同様、アンカー取り付けハブ３６は固定メカニズム６０のハウジング６１に接続される。ハウジング６１にはグリップ構造が納められる。グリップ構造は２つのグリップすなわち固定グリップ６２ａ及び可動グリップ６２ｂを持つことが望ましい。固定グリップ６２ａはハウジング６１に接続され、鋭い歯状の突起を持つ荒い表面を有する。可動グリップ６２ｂは、ハウジング６１に接続されるバネ部６２ｃを有する。グリップ６２ｂも鋭い歯状の突起を有する。膨張しているとき、バルーン２４は可動グリップ６２ｂを繋索１６から遠ざけておくが、バルーン２４が収縮すると、バネ部６２ｃは可動グリップ６２ｂを繋索１６に押し付け、繋索１６を固定グリップ６２ａに押し付ける。このようにして、繋索１６は、右心房側アンカー１４に固定的に接続される。

本発明に従った別の実施態様においては、閉鎖装置１０は、上に説明した閉鎖装置のような解除可能な固定メカニズムを組み込む必要がない。代わりに、右心房側アンカー１４を繋索１６に固定するために他の構造を使用することができる。この実施態様においては、図１６に示される通り、アンカー１４は、上に説明した実施態様の場合と同様、アンカー取り付けハブ３６に接続される。また、前の実施態様と同様、右心房側アンカー１４は散開されてもまだ繋索１６には固定されていない。右心房側アンカー１４がその望みのポジションにあるとき、繋索１６に沿ってロック機素をアンカー１４に向かって前進させる。機素７０はハブ３６に達すると、繋索１及びアンカー取り付けハブ３６の両方に固定される。ロック機素７０は、必ずしも解除可能ではないので、その場合永久的になる。ロック機素７０は、患者体外の近位端まで送り出しアセンブリを通って伸びる技術上既知の適切な作動メカニズムによって遠位方向に動かすことができる。

ロック機素７０は、管状で、多数の突起グリップ７２を含むことが望ましい。これらのグリップ７２は、ロック機素７０が繋索１６に沿って遠位方向に前進できるが近位方向の動きには抵抗するように、ラチェット様（図には示されていない）の向きにすることができる。その代わりに、ロック機素７０を繋索１６の希望の位置に位置決めして、繋索１６の表面を噛むように挟み込むことができる。さらなる代替として、ロック機素７０は、図１６に示される通り、楔状のアンカー取り付けハブ３６の先細内面３６ａとかみ合うように先細の外面７４を持つことができる。ロック機素７０がアンカー取り付けハブ３６の中に押し込まれると、グリップ面７２は内向きに押されて繋索１６に食い込む。

図には示されていないが、ロック機素７０は、解除可能な固定メカニズムを利用する上述の実施態様と一緒に使用することも可能である。この場合、ロック機素７０は繋索１６への右心房側アンカー１４の固定をさらに確実なものにする。

図１４は、１つの実施態様の送り出し装置１８に対して相対的に位置決めされる閉鎖装置１０を示している。図１４において、左心房側アンカー１２は、送り出し装置１８から散開された状態で示されているのに対して、右心房側アンカー１４は送り出し装置１８内に折り畳まれ未散開の状態で示されている。送り出し装置１８は、ガイド・カテーテル２０及び右心房ポジショニング・カテーテル（ＲＰＣ）２２を含むことができる。図には示されていないが、ガイド・カテーテル２０は、その遠位端付近に予め形成された湾曲を持つことができる。ガイド・カテーテル２０は、任意の従来の適切なガイド・カテーテルとすることができる。適切なガイド・カテーテルの例は、Ｃｏｏｋが市販するＭｕｌｌｉｎｓガイド・カテーテルとして知られている。ガイド・カテーテル２０の近位端には従来のＹ型アダプタ８０が接続される。Ｙ型アダプタ８０のサイド・アーム８２は、ガイド・カテーテル２０のルーメンとの流体連絡を可能にする。Ｙ型アダプタ８０は、また、ｔｏｕｈｙボルスト・シール８４を含み、ＲＰＣ２２はこれを通って伸びる。

前に説明した通り、ＲＰＣ２２は、右心房側アンカー１４とかみ合うためのバルーン２４を含む。従って、ＲＰＣ２２は近位端にマニフォルド９０を備え、マニフォルドはバルーン２４と流体連絡するポート９２を含む。マニフォルド９０は、さらにｔｏｕｈｙボルスト・シール９４を含むことができ、繋索１６はこれを通って伸びる。

前述の通り、図１４は左心房側アンカー１２が散開された後の閉鎖装置１０を示している。ただし、閉鎖装置１０がこの状態になる前に、ガイド・カテーテル２０は従来の技法によってＰＦＯの部位に送られる。この従来の技法には、ガイド・ワイヤ（図には示されていない）の一時的使用を含めることができる。次に、閉鎖装置１０を、適切な技法によってガイド・カテーテル２０のルーメン内に配置し、ガイド・カテーテル２０の遠位端に向かって図１５に示される位置まで前進させる。図１５に示される通り、右心房側アンカー１４は近位方向に折り曲げられるのに対して、左心房側アンカー１２は、ガイド・カテーテル２０内で遠位方向に折り曲げられる。より明確に言うと、左心房側アンカー１２のアーム４０は、遠位方向に伸びるように折り曲げられるのに対して、右心房側アンカー１４のアーム５０は近位方向に伸びるように折り曲げられる。これは、送り出しポジションにあるアームの望ましいポジションである。その代わりに、アンカー１２及び１４のアームを同じ方向（遠位方向か近位方向）に伸びるように折り曲げるか、または左心房側アンカーのアームを近位方向に伸びるように折り曲げ右心房側アンカー１４のアーム５０を遠位方向に伸びるように折り曲げてアンカーを配置することが可能である。

左心房側アンカー１２を散開したい場合、右心房ポジショニング・カテーテル２２をガイド・カテーテル２０に対して相対的に前進させるか、またはガイド・カテーテル２０をＲＰＣ２２に対して相対的に引き戻す。またはその両方を行う。ＲＰＣ２２は右心房側アンカー１４とかみ合うので、左心房側アンカー１２を前進させるために必要な力を、これに接する左心房側アンカー１２に圧縮的に伝えることができる。

図２−１０は、本発明の１つの態様に従った閉鎖装置１０を送り出すための連続的ステップを示している。図１に示される縦断面のレベルでは、下大静脈（ＩＶＣ）は示されていない。１つの実施態様においては、送り出しシステムは、ＲＡまたはＰＦＯへの進入路を得るためにＩＶＣに通される。最小限に侵襲的でＲＡ及びＰＦＯへの進入路をより直接的に得るための他の経皮方法が、本発明の範囲内に含まれる。本明細書において説明され図２に示される通り、ガイド・カテーテル２０を含めて送り出しアセンブリ１８を、ＰＦＯ通路まで前進させ、これを通ってＬＡの中まで前進させる。送り出しアセンブリ１８は、図１４に詳細に示されている。閉鎖装置１０に加えて、下に説明する通り、送り出しシースまたはポジショニング・カテーテルなど付加的送り出しコンポーネントを送り出しアセンブリに含めることができる。

本明細書において説明され図２に示される通り、閉鎖装置１０の送り出し方法において、ガイド・カテーテル２０は、従来のガイド・ワイヤ（図には示されていない）を使ってＰＦＯ通路を通って位置決めされる。ガイド・カテーテル２０がＬＡ内で位置決めされた後、ガイド・ワイヤを取り外すことができる。閉鎖装置１０がガイド・カテーテル２０の遠位端付近になるまで、図１５に示され下に説明される折り畳み状態にある閉鎖装置１０及び送り出しコンポーネントをガイド・カテーテル２０内で前進させる。

その後、図３に示される通り、閉鎖装置１０をガイド・カテーテル２０の遠位端の外に前進させる。前進は、ガイド・カテーテル２０と閉鎖装置１０及びその送り出しコンポーネントの間の相対的動きによって得られる。前進は、ガイド・カテーテル２０のポジションを維持したまま送り出しコンポーネントを遠位方向に押して、閉鎖装置をガイド・カテーテル２０の遠位端の外に押し出すことによって行われることが望ましい。

ガイド・カテーテル２０及び送り出しコンポーネントは左心房内に在りながら、左心房側アンカー１２だけがガイド・カテーテル２０から散開される。図４は、ＬＡにおいてガイド・カテーテル２０から完全に散開されている左心房側アンカー１２を示している。また、図１４は、散開した左心房側アンカー１２と共に送り出しアセンブリを示している。繋索１６は、アンカー１２から送り出しアセンブリの中に伸びる。上述の通り、左心房側アンカー１２及び右心房側アンカー１４は、例えば機械的変形または熱変形によって拡張する自己拡張構造であることが望ましい。この時点でも、右心房側アンカーは折り畳み状態で送り出しアセンブリ内に留まっている。

送り出し方法の実施態様の次のステップで、左心房側アンカー１２が、図５に示される通りＰＦＯの開口に向かって引っ張られる。これは、使用者がガイド・カテーテル２０及びその他の送り出しコンポーネントを近位方向に引っ張ることによって行われる。ガイド・カテーテル２０が近位方向に引き戻されると、左心房側アンカー１２は当然図６に示される通り中隔に定着する。

図６に示される通り、ＰＦＯ通路のかなりの部分（特に一次中隔の上部と二次中隔の上部の間の通路の部分）は中隔壁に沿ってほぼこれに平行に走る。この実施態様に従った閉鎖装置１０の特徴は、左心房側アンカー１２と繋索１６が柔軟に接続されることであり、左心房側アンカー１２は左心室面に付着したまま繋索がＰＦＯ通路を通って伸びることができるようにするために繋索自体は可撓性であることが望ましい。繋索１６は、左心房側アンカー１２から鈍角に伸びることができる。多くの場合、左心房側アンカー１２は、繋索１６から張力を受けて、一次中隔（ＳＰ）を二次中隔（ＳＳ）に密着させることによって、ＰＦＯを機械的に閉鎖し、それによってＰＦＯを封鎖することができる。この封鎖の効果は、コントラスト映像化、または経食道超音波または心臓内超音波で映像化される気泡の注入と組み合わされるバルサルバ法など従来の技法によって、この時点でテストすることができる。封鎖が無効の場合、閉鎖装置１０を後に説明する通り取り外して、例えば左心房側アンカー１２のアーム４０のカバーを含む装置など別の装置と交換することができる。その代わりに、装置１０を下に説明する通り配置し直すことができる。

左心房側アンカー１２が位置決めされたら、右心房側アンカー１４を散開することができる。図７に示される通り、右心房側アンカー１４の最初の散開は送り出しアセンブリと一緒に行われることが望ましく、折り畳まれた右心房側アンカー１４は左心房側アンカー１２及び右心房中隔壁から十分離れるように引き戻されて、右心房側アンカー１４が最初に広げるときに壁にぶつからないようにする。散開前に右心房側アンカー１４をこのポジションに置くことによって、右心房側アンカー１４が不注意でＰＦＯ通路または左心房で散開しないようにする。右心房側アンカー１４は永続的に繋索１６に取り付けられないので、アンカー１４をこの位置に自由に位置決めすることができる。

右心房側アンカー１４は、図８及び９に示され下に詳細に説明される通り、右心房側アンカー・ポジショニング・カテーテル（ＲＰＣ）２２に一時的に接続される。右心房側アンカー１４の散開は、ＲＰＣ２２の近位端を保持してガイド・カテーテル２０を引き戻すことによってあるいはガイド・カテーテル２０を保持してＲＰＣ２２を前進させることによって、ガイド・カテーテル２０とＲＰＣ２２の相対的な動きによって行われる。この相対的な動きの結果、図８に示される通り右心房ＲＡ内で右心房側アンカー１４が完全に散開する。送り出し方法のこの段階で、繋索１６は右心房側アンカー１４を通り抜けており、ガイド・カテーテル２０を通って送り出しアセンブリ１８の近位端まで連続的に伸びることが望ましい。右心房側アンカー１４は、まだ繋索に固定されておらず、代わりにＲＰＣに接続されている。繋索１６もＲＰＣ２２を通って伸びることが望ましい。

閉鎖装置送り出し方法のこの実施態様の次のステップにおいては、図９に示される通り右心房中隔壁に接するように右心房側アンカー１４を前進させる。これは、右心房側アンカー１４が左心房側アンカー、中隔壁及びＰＦＯに対して相対的に希望のポジションになり左心房側アンカー１２に対して希望の張力を有するまで、繋索１６に沿って右心房側アンカー１４及びＲＰＣ２２を前進させることによって、行われる。左心房側アンカー１２は、一次中隔（ＳＰ）が二次中隔（ＳＳ）に密着するように十分な張力を与えられることが望ましい。この付着は、多くの場合、ＰＦＯを効果的に閉鎖し封鎖するのに十分である。ＰＦＯの封鎖を助けるために、上に説明した通り右心房側アンカー１４と一緒に布またはその他のカバーも含むことが望ましい場合がある。これが望ましい場合、送り出し方法のこの時点で、上に説明した技法など従来の技法によって閉鎖及び封鎖を再びテストすることができる。封鎖が無効の場合、閉鎖装置１０を後に説明する通りに取り外し、例えば、右心房側アンカー１４のアーム５０のカバーを含む装置など別の装置と交換することができる。その代わりに装置１０を下に説明する通りに配置し直すことができる。

送り出し方法の実施態様の次のステップにおいて、右心房側アンカー１４は繋索１６に固定される。図１２及び１３は、繋索１６に固定される前の右心房側アンカー１４を示している。図１０及び１１は、繋索１６に固定された後の右心房側アンカー１４を示している。図に示される通り、ＲＰＣ２２は右心房側アンカー１４から外されており、右心房側アンカー１４は右心房側アンカー１４と繋索１６の間の固定メカニズム３０とかみ合う。この種の固定メカニズムの実施態様及びアンカー１４を繋索１６に固定するための関連方法については上で説明した。これらの装置及び方法は、繋索１６の切断前にいつでも、繋索１６へのアンカー１４の固定を逆転させることができるように、ＲＰＣ２２と結合される解除可能な固定メカニズムを提供する。

この時点で、可撓性の繋索１６が閉鎖装置１０とガイド・カテーテル２０の間に伸びていることを除いて、閉鎖装置１０はその最終ポジションにある。ただし、閉鎖装置１０は、基本的にガイド・カテーテル２０またはガイド・カテーテル２０を通る繋索１６の延長の影響を受けない。ＰＦＯの閉鎖及び封鎖の効果は、コントラスト映像化、またはＴＥＥまたは心臓内超音波で映像化される気泡の注入と組み合わされるバルサルバ法など従来の技法によって、テストすることができる。

さらに、閉鎖装置１０の送り出しのこの段階で、酸素飽和度及び肺動脈楔入圧など血行動態パラメータを測定することができる。まれに、ＰＦＯの閉鎖によって肺動脈圧が過度に上がる場合があるが、このような場合には、下に説明する通りに閉鎖装置１０を取り外すことができる。血行動態パラメータへの影響を十分に査定するために数時間または数日閉鎖装置を所定の位置に配置しておく必要があるかも知れない。これが望ましい場合、過剰な繋索は、閉鎖装置から導入部位までそのまま伸ばしておく。装置を永久的に埋植することが望ましい時点で、過剰な繋索を切断し、装置を取り外すことが望ましい場合には下に説明する通りにこれを取り外す。

送り出し方法のこの時点で、または手順の他のもっと早い時点で、閉鎖装置１０を患者から完全に取り外すことができる。例えば、装置１０が、選択された装置が小さすぎるなど様々な理由のうち何らかの理由で完全な封鎖を生じない場合、その必要が生じるだろう。閉鎖装置１０を取り外すために、ＲＰＣ２２を右心房側アンカーと再びかみ合わせて、右心房側アンカー１４を繋索１４に固定する固定メカニズムを逆転させる。これによって右心房側アンカー１４を繋索に対して相対的にスライドできる。ＲＰＣ２２及び右心房側アンカー１４を送り出しアセンブリ１８及び特にガイド・カテーテルの中に後退させることによって、右心房側アンカー１４を折り畳むことができる。その後ＰＦＯ通路にガイド・カテーテル２０を再び前進させながら、同時に繋索１６への張力を維持する。ガイド・カテーテル２０を引き続き前進させることによってカテーテル２０が左心房側アンカー１２に被さるように前進して、図１７に示される通りアンカー１２をカテーテル２０内に畳み込む。こうして、カテーテル２０、ＲＰＣ２２及び折り畳まれた閉鎖装置１０を含めた送り出しアセンブリ全体を、患者から取り外すことができる。代替方法においては、閉鎖装置１０は、ＰＦＯ通路を効果的に封鎖するために図２から１０までに関連して示され説明された送り出しステップを反復することによって、散開し直し、配置し直すことができる。

図１０に示される通り閉鎖装置１０がＰＦＯを十分に閉鎖し封鎖したら、繋索１６を右心房側アンカー１４のすぐ傍で切断する。これは、ＲＰＣ２２をガイド・カテーテル２０及び繋索１６から取り外すことによって容易にすることができる。繋索１６を切断するために、例えば加熱スネア・ループ（図には示されていない）または技術上既知のその他の切断装置などの切断装置を、右心房側アンカー１４に近接して配置することができる。これによって、図１に示される通りに閉鎖装置１０を配備することができる。

図２１は、送り出し装置の代替実施態様を示している。この実施態様においては、閉鎖装置１０をガイド・カテーテル２０内部に直接配置しないで、閉鎖装置１０を送り出しシース２１内部に予め梱包する。このアセンブリ全体を、次に従来のガイド・カテーテル２０に導入する。この実施態様の送り出しシース２１は、基本的に、図１４に関連して説明する実施態様のガイド・カテーテル２０の保持機能を果たす。ただし、図２１の実施態様は、患者体内に導入する直前に閉鎖装置１０を装填する別個のステップを必要としない。

上述の通り、閉鎖装置１０は、本発明の１つの態様に従えば、図１０に示される閉鎖装置１０の状態以前のいつでも捕捉し直すことができる。従って、例えば閉鎖装置１０がＰＦＯを十分に閉鎖し封鎖しない場合閉鎖装置１０を配置し直すことができる。閉鎖装置１０を捕捉し直すためには、右心房ポジショニング・カテーテル２２を繋索１６に沿って前進させて右心房側アンカー１４と再びかみ合わせる。この再かみ合わせは、解除可能な固定メカニズム３０内にＲＰＣ２２のバルーン２４を配置しバルーン２４を膨張させてバルーン２４をバネ部３２ａに押し付けて、突き刺しピン３２を繋索１６から外すことによって、行われる。次にアーム５０が遠位方向に伸びるように右心房側アンカー１２をガイド・カテーテル２０に配置し直す。これは、ＲＰＣ２２及び右心房側アンカー１４をガイド・カテーテル２０の中に引っ張って、右心房側アンカー１４を遠位方向に折り畳むことによって行われる。右心房側アンカー１４は、ガイド・カテーテル２０内に左心房側アンカー１２用のスペースが残されるようにガイド・カテーテル内において十分に近位側に配置されることが望ましい。その後、アーム４０も遠位側を向くように、ガイド・カテーテル２０を左心房側アンカー１２に向かって前進させて、左心房アンカー１２を折り畳む。その代わりに、ガイド・カテーテル２０を静止したままで、左心房側アンカーがガイド・カテーテル２０の中に引き込まれる。図１７には再び完全に捕捉された閉鎖装置が示されている。

上に説明した閉鎖装置及びこれを送り出すための方法及び道具の様々な実施態様は、多様なＰＦＯの閉鎖に適している。例えば、一次中隔（ＳＰ）と二次中隔（ＳＳ）の間に比較的長い重なりを有するＰＦＯは、図１に示される通り適切に閉鎖することができる。また、一次中隔と二次中隔の間の重なりが比較的短いＰＦＯも、図１８に示される通り適切に閉鎖することができる。

図１９は、閉鎖装置１０の代替送り出し及び使用方法を示している。特定の状況においては、ＰＦＯ通路は上に説明した送り出しに理想的に適合しない場合がある。例えば、ＰＦＯ通路が異常に長かったり、以上にきつかったり、あるいは複数の通路があったりする場合がある。右心房マッピング及び（または）切除など多様な電気生理学的処置が、心房一次中隔の壁に小さな穴を開けることによって左心房への進入路を利用する。一次中隔を通ってガイド・カテーテル２０を位置決めするために同様の技法を利用することができる。この技法を利用することによって、中隔壁に小さい穴が作られたら、上述の手順と同様の手順に従って図１９に示される通り閉鎖装置１０を配置することができる。閉鎖装置１０は完全にはＰＦＯ通路内に収まらないが、アンカー１２または１４のうち一方またはその両方の布カバーが効果的にＰＦＯを閉鎖する。

本発明の他の実施態様は、本出願において開示される明細書及び発明の実施を考慮すれば当業者には明らかであろう。明細書及び例は例示であり、本発明の真の範囲及び精神は以下のクレームによって示される。

本発明の実施態様に従った、ＰＦＯを閉鎖するために心臓内で位置決めされる閉鎖装置である。 本発明の実施態様に従った、ＰＦＯを通って左心房の中に挿入される送り出しシステムのガイド・カテーテルである。 本発明の実施態様に従った、送り出しガイド・カテーテルの外に前進する図１の閉鎖装置の左心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、送り出しガイド・カテーテルの外に前進する図１の閉鎖装置の左心房アンカーである。 本発明の実施態様に従った、ＰＦＯに向かって引っ張られる図４の左心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、右心房の中まで近位方向に引っ張られる送り出しガイド・カテーテル及び中隔壁に定着される左心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、送り出しガイド・カテーテルから伸びる図１の閉鎖装置の右心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、送り出しガイド・カテーテルから散開される右心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、前進して中隔壁に接触する右心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、図１の閉鎖装置の繋索に固定される右心房側アンカーである。 本発明の実施態様に従った、固定メカニズムの断面図を含む閉鎖装置の側面断面図である。 本発明の実施態様に従った、線Ａ−Ａに沿って見た図１１の閉鎖装置の左心房側アンカーの部分平面図である。 本発明の実施態様に従った、カバーなしで示される線Ｂ−Ｂに沿って見た図１１の閉鎖装置の右心房側アンカーの部分平面図である。 本発明の実施態様に従った、カバーつきで示される図１１Ｂの右心房側アンカーの部分平面図である。 本発明の実施態様に従った、ポジショニング・カテーテル（断面で示される）が固定メカニズム（同じく断面で示される）にかみ合っている図１１の閉鎖装置の側面断面図である。 本発明に従った、別の実施態様の固定メカニズムにかみ合う図１２のポジショニング・カテーテルの側面断面図である。 本発明の実施態様に従った、ガイド・カテーテル及びポジショニング・カテーテルを含む送り出しシステムの側面断面図である。 本発明の実施態様に従った、心臓内で散開される前にガイド・カテーテルまたは送り出しカテーテルに配置される閉鎖装置及びポジショニング・カテーテルの側面断面図である。 本発明に従った、右心房側アンカーにかみ合う別の実施態様の固定メカニズムの部分断面図である。 本発明の実施態様に従った、閉鎖装置がガイド・カテーテル内の取り戻しポジションにある図１５の閉鎖装置、ポジショニング・カテーテル及びガイド・カテーテルまたは送り出しカテーテルの側面断面図である。 本発明の実施態様に従った、一次中隔と二次中隔の間の重なりが比較的短いＰＦＯを被覆するポジションにある図１の閉鎖装置である。 本発明の実施態様に従った、左心房の中への進入路が作られた後にＰＦＯを被覆するポジションにある図１の閉鎖装置である。 ＰＦＯを持つ心臓の一部の縦断面図である。 本発明に従った閉鎖装置を納める送り出しシースを含む送り出しシステムの縦断面図である。

Claims (59)

1. 人間の心臓の通路を封鎖するための装置であって、
   第一の材料から作成された複数のアームを備えるが、該複数のアームの間に広がる構造を備えず、前記通路の第一の端部に近接して配置されるように構成された第一のアンカーと、
   複数のアームと、該複数のアームの間に広がるカバーとを備え、前記通路の第二の端部に近接して配置されるように構成された第二のアンカーと、
   前記通路を通って延び前記第一のアンカーと前記第二のアンカーとを接続するように構成されており、前記第一の材料とは異なる第二の材料から作成されている可撓性の細長い部材とを備える、装置。
2. 前記装置は、心臓の開存性卵円孔を封鎖するための閉鎖装置であり、前記第一のアンカーが前記通路の左心房開口に係合するように構成され、前記第二のアンカーが前記通路の右心房開口に係合するように構成されている、請求項１に記載の装置。
3. 前記細長い部材が、前記第一のアンカーに固定的に接続された第一の端部を有する、請求項１に記載の装置。
4. 前記第一のアンカーの前記複数のアームが、前記第一のアンカーの中央ハブから放射状に延びている、請求項１に記載の装置。
5. 前記第一のアンカーの前記複数のアームが、折り畳み状態と散開状態とをとることができる、請求項１に記載の装置。
6. 前記第二のアンカーの前記複数のアームが、前記第二のアンカーの中央ハブから放射状に延びている、請求項１に記載の装置。
7. 前記第二のアンカーの前記複数のアームが、折り畳み状態と散開状態とをとることができる、請求項１に記載の装置。
8. 前記第一のアンカーが前記細長い部材に対して旋回可能である、請求項１に記載の装置。
9. 前記第二のアンカーが前記細長い部材に対して旋回可能である、請求項１に記載の装置。
10. 前記細長い部材が、前記第一のアンカーと前記第二のアンカーとの間の前記細長い部材の長さを変動させるために前記第二のアンカーを通って移動することができる、請求項１に記載の装置。
11. 前記第二のアンカーが前記細長い部材に対して移動可能である、請求項１に記載の装置。
12. 前記第二のアンカーは、前記細長い部材に対して移動可能であり、前記細長い部材の長さに沿った複数の位置のうちの何れか一つの位置において、前記細長い部材に解除可能に取り付けられるように構成されている、請求項１に記載の装置。
13. 前記細長い部材が、前記人間の体に移植されたときに前記第一のアンカー及び前記第二のアンカーに永久的に接続されるように構成されている、請求項１に記載の装置。
14. 前記細長い部材が、該細長い部材の張力を変動させるために前記第二のアンカーを通って移動することができる、請求項１に記載の装置。
15. 前記装置が、前記細長い部材に対する前記第二のアンカーの位置を固定するために、前記細長い部材上に配置され且つ該細長い部材に対して相対移動可能な固定機素を備える、請求項１に記載の装置。
16. 前記固定要素が、前記細長い部材に沿って一方向のみに移動可能なロック機素である、請求項１５に記載の装置。
17. 前記固定機素が解除可能な固定機素である、請求項１５に記載の装置。
18. 前記解除可能な固定機素が前記第二のアンカーの中央部分を形成する、請求項１７に記載の装置。
19. 前記カバーが単一のシート状の材料から形成される、請求項１に記載の装置。
20. 前記カバーが、ポリエステル織布、編地ポリエステル及びｅＰＴＦＥのうちの一つから作成される、請求項１に記載の装置。
21. 前記カバーが、組織内殖を促すに十分な気孔を有する多孔性材料からなる、請求項１に記載の装置。
22. 前記カバーが抗血栓コーティングを含む、請求項１に記載の装置。
23. 前記抗血栓コーティングがヘパリンである、請求項２２に記載の装置。
24. 前記カバーが縫合によって前記第二のアンカーの複数のアームに取り付けられている、請求項１に記載の装置。
25. 前記第二の材料が高分子材料である、請求項１に記載の装置。
26. 前記第二の材料が、超高分子量ポリエチレン、液晶ポリマー及びポリエステルのうちの一つである、請求項２５に記載の装置。
27. 前記第二の材料が超高分子量ポリエチレンであり、ＳＰＥＣＴＲＡ及びＤＹＮＥＥＭＡの一方である、請求項２６に記載の装置。
28. 前記第二の材料が液晶ポリマーであるＶＥＣＴＲＡＮである、請求項２６に記載の装置。
29. 前記細長い部材が非中空である、請求項１に記載の装置。
30. 前記細長い部材が、前記通路の形状に追従するに十分な可撓性を有する、請求項１に記載の装置。
31. 前記細長い部材は、前記第一のアンカーの中央ハブが前記第二のアンカーの中央ハブに対してオフセット配置されることを許容するように構成されている、請求項１に記載の装置。
32. 前記第二のアンカーの前記複数のアームが前記第一の材料から作成されている、請求項１に記載の装置。
33. 前記第一の材料が金属である、請求項１に記載の装置。
34. 前記第一の材料が金属ワイヤである、請求項３３に記載の装置。
35. 前記第一の材料が、ステンレス鋼、ニッケル−チタン、ＥＬＧＩＬＯＹ又はＭＰ３５Ｎのうちの一つである、請求項３３に記載の装置。
36. 前記細長い部材が編組構造である、請求項１に記載の装置。
37. 前記細長い部材がマルチフィラメント構造である、請求項１に記載の装置。
38. 身体内の通路を封鎖するための装置であって、
    前記通路の第一の端部に近接して配置されるように構成された第一のアンカーであって、複数のアームを含み、該複数のアームの間に広がる構造を含まない第一のアンカーと、
    前記通路の第二の端部に近接して配置されるように構成された第二のアンカーであって、複数のアーム及び該複数のアームの間に広がるカバーを含む第二のアンカーと、
    前記通路を通って延び前記第一のアンカーと前記第二のアンカーとを接続するように構成されており、前記第一のアンカーと前記第二のアンカーとの間の長さを変動させるために前記第二のアンカーを通って移動することができる可撓性の細長い部材と、
    前記細長い部材上で前記第二のアンカーの位置を固定するために、前記細長い部材上に配置され且つ該細長い部材に対して相対移動可能な固定機素とを備える、装置。
39. 前記装置は、心臓の通路を封鎖するための閉鎖装置であり、前記第一のアンカーが前記通路の前記第一の端部を閉鎖するように構成されると共に、前記第二のアンカーが前記通路の前記第二の端部を閉鎖するように構成されており、前記可撓性の細長い部材が前記第一のアンカーに固定的に接続された第一の端部を有している、請求項３８に記載の装置。
40. 前記第一のアンカーの前記複数のアームが前記第一のアンカーの中央ハブから延びている、請求項３８に記載の装置。
41. 前記第一のアンカーの前記複数のアームが折り畳み状態と散開状態とをとることができる、請求項３８に記載の装置。
42. 前期第二のアンカーの前記複数のアームが前記第二のアンカーの中央ハブから延びている、請求項３８に記載の装置。
43. 前記第二のアンカーの前記複数のアームが、折り畳み状態と散開状態とをとることができる、請求項３８に記載の装置。
44. 前記第一のアンカーが前記細長い部材に対して旋回可能である、請求項３８に記載の装置。
45. 前記第二のアンカーが前記細長い部材に対して旋回可能である、請求項３８に記載の装置。
46. 前記固定機素が、前記可撓性の細長い部材に沿って一方向のみに移動可能なロック機素である、請求項３８に記載の装置。
47. 前記通路が開存性卵円孔である、請求項３８に記載の装置。
48. 前記細長い部材が編組構造である、請求項３８に記載の装置。
49. 前記細長い部材がマルチフィラメント構造である、請求項３８に記載の装置。
50. 前記可撓性の細長い部材は、身体に移植されるときに前記第一のアンカー及び前記第二のアンカーに永久的に接続されるように構成されている、請求項３８に記載の装置。
51. 前記第二のアンカーが前記可撓性の細長い部材に対して移動可能であり、前記可撓性の細長い部材の長さに沿った複数の位置のうちの何れか一つの位置において、前記可撓性の細長い部材に解除可能に取り付けられるように構成されている、請求項３８に記載の装置。
52. 前記可撓性の細長い部材が、該可撓性の細長い部材の張力を変動させるために前記第二のアンカーを通って移動することができる、請求項３８に記載の装置。
53. 前記固定機素が解除可能な固定機素である、請求項３８に記載の装置。
54. 前記解除可能な固定機素が前記第二のアンカーの中央部分を形成する、請求項５３に記載の装置。
55. 心臓の通路を封鎖するための組立体であって、
    請求項３８に記載の装置と、
    身体内への入口点から前記通路まで延びる形態のガイドカテーテルとを備え、
    前記細長い部材が前記第二のアンカー及び前記ガイドカテーテルを通って前記身体内への入口点まで延びるようになっている、組立体。
56. 前記通路まで延びることができるポジショニングカテーテルをさらに備える、請求項５５に記載の組立体。
57. 前記ポジショニングカテーテルが前記ガイドカテーテルを通って延びることができる、請求項５６に記載の組立体。
58. 前記装置が、第一の折り畳み状態において前記ポジショニングカテーテル内に配置可能であり、第二の散開状態において前記ポジショニングカテーテルから延出させることができる、請求項５７に記載の組立体。
59. 前記ポジショニングカテーテルが前記固定機素と選択的に係合する遠位部分を含む、請求項５６に記載の組立体。

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