JP4262452B2 - 車載透過視認表示パネル部材とその製造方法 - Google Patents

車載透過視認表示パネル部材とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車に搭載される装置の前面パネルなどとして利用される車載透過視認表示パネル部材とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等に搭載されるパネル部材としては、防眩効果を有する保護層をコーティングした樹脂シートを樹脂部材表面にインサート成形したものがあった。インサート成形とは、基体シート上に保護層などを形成した加飾シートを射出成形用金型内に供給し、立体形状の成形品を成形するのと同時に加飾シートを成形品に一体的に接着して装飾を行う方法である。
【0003】
このような構成のパネル部材は、防眩効果を備えるとともに、衝突時などに衝撃が加わってパネル部材が破損した場合に、樹脂部材の破片が樹脂シートに保持され、破片の飛散による危険を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のパネル部材では、樹脂シートの強度が不足したために衝撃時に破片が飛散してしまい、破片の飛散を完全に防ぐことが困難であるという問題点があった。
【0005】
また、樹脂シートにしわやカールが生じたり、パネル部材に湾曲が生じたりするなど、工程上の問題点もあり、パネル部材を得る際の歩留まりが悪いという問題点があった。
【0006】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、パネル部材が破損したとしても樹脂部材の破片が飛散せず、パネル部材を得る際の歩留まりにも優れた車載透過視認表示パネル部材とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の車載透過視認表示パネル部材とその製造方法は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0008】
つまり、この発明の車載透過視認表示パネル部材は、透明な樹脂部材上に、厚さ25〜250μmの基体シートと、ポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層され、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品であるように構成した。
【0009】
また、透明な樹脂部材上に、加飾層と、厚さ25〜250μmの基体シートと、ポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層され、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、加飾層と基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品であるように構成してもよい。
【0011】
また、この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法は、厚さ25〜250μmの基体シート上にポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層が少なくとも積層された防眩保護シートを、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シートと樹脂部材とを一体化させ、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品を得るように構成した。
【0012】
また、厚さ25〜250μmの基体シート上に加飾層とポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層された防眩保護シートを、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シートと樹脂部材とを一体化させ、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品を得るように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0014】
図1は、この発明の車載透過視認表示パネル部材の一実施例を示す断面図である。図2〜3は、この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法に用いる防眩保護シートの一実施例を示す断面図である。図4〜5は、この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法の一工程を示す断面図である。図中、1は車載透過視認表示パネル部材、2は防眩保護層、3は基体シート、4は樹脂部材、5は防眩保護シート、6は図柄層、7は接着層、8は金型である。
【0015】
この発明の車載透過視認表示パネル部材1は、透明な樹脂部材4上に、厚さ25〜250μmの基体シート3と、可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層2とが少なくとも積層され、防眩保護層2の厚さと基体シート3の厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シート3と防眩保護層2の厚さの和と樹脂部材4の厚さとの比率が0.005〜0.125としたものである(図1参照)。
【0016】
この発明の車載透過視認表示パネル部材1の製造方法は、厚さ25〜250μmの基体シート3上に可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層2が少なくとも積層された防眩保護シート5を、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型8内に設置し、金型8内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シート5と樹脂部材4とを一体化させ、防眩保護層2の厚さと基体シート3の厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シート3と防眩保護層2の厚さの和と樹脂部材4の厚さとの比率が0.005〜0.125である成形品を得る方法である。
【0017】
防眩保護シート5は、基体シート3上に防眩保護層2が少なくとも積層されたものである(図2〜3参照)。
【0018】
基体シート3の材質としては、ポリカーボネイト系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂から選択される単層フィルムや、これらの樹脂から選択された2種以上の樹脂による積層フィルムまたは共重合フィルムなどを使用することができる。
【0019】
基体シート3の厚さは、25〜250μmとする。基体シート3の厚さが25μmに満たないと、破損時の破片の飛散を防止する効果が期待できない。250μmを超えると、基体シート3の透明度が低下し、車載透過視認表示パネル部材1の外観に影響を与える。また、破片飛散の防止という目的を考えても過剰であり、コストアップにもつながる。
【0020】
また、基体シート3は、60度光沢度が90%以下であるのが好ましい。60度光沢度とは、外部から画面に入射する光の反射によって定義される値である。60度光沢度が90%を超えると、反射光の眩しさが増大し、十分な防眩機能を発揮できないおそれがある。
【0021】
防眩保護層2は、基体シート3の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などを用いて形成するとよい。
【0022】
防眩保護層2の材質として、ポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるものや、アクリル系紫外線硬化型樹脂やエポキシ系紫外線硬化型樹脂などを用いてもよい。また、電離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。
【0023】
防眩保護層2は、可視光線透過率65〜100%の範囲で形成する。可視光線透過率が65%に満たないと、基体シート3が白濁して絵柄層の色味を変化させ、所望の色味を忠実に再現することができない。
【0024】
また、防眩保護層2は、ヘイズ0.5〜60%の範囲で形成する。ヘイズが0.5%に満たないと、基体シート3の持つヘイズが影響し、加飾シート全体でのヘイズが精密にコントロールできなくなる。また、60%を超えると、防眩保護層2が曇り、所望の色味や柄を忠実に再現することができない。
【0025】
また、防眩保護層2は、厚さ5〜20μmの範囲で形成する。防眩保護層2の厚さが5μmに満たないと、十分な耐傷性を確保できない。また20μmを超えると、防眩保護層2の形成時において防眩保護層2の厚さの管理が難しくなり、むらなどが発生して外観不良の原因となる。
【0026】
防眩保護層2は、基体シート3との厚さの比率が0.02〜0.8の範囲に形成する。厚さの比率が0.02に満たないと、防眩保護層2が基体シート3に対して薄くなりすぎるため、防眩保護層2を形成しない場合と比較して、シートの耐衝撃性がほとんど向上しない。また、厚さの比率が0.8を超えると、基体シート3との熱膨張率の差により、シートにしわやカールが発生しやすくなり、車載透過視認表示パネル部材1の歩留まりが低下する。
【0027】
また、防眩保護層2は、表面強度を向上させるため、1〜30重量%の割合で樹脂微粒子を含むように構成してもよい。樹脂微粒子の割合が1重量%に満たないと、樹脂微粒子を添加した効果がほとんど現れない恐れがある。また、30重量%を超えると、防眩保護層2中で樹脂微粒子が凝集し、表面に凹凸が形成される恐れがある。
【0028】
また、防眩保護シート5には、図柄層6や接着層7などの加飾層を必要に応じて形成してもよい(図3参照)。
【0029】
図柄層6は、文字・記号・絵柄などを表現するために形成する層である。また、図柄層6は、隠蔽部分と光透過性部分ができるようにしてもよい。このような図柄層6を形成することにより、裏面に光源を配置した場合、文字・記号・絵柄などが光るように構成することができる。
【0030】
図柄層6は、通常、印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂、熱可塑性エラストマーなどの樹脂、好ましくは柔軟な皮膜を作ることができる樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。印刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合がある。また、印刷層は、単層でも複数層でもよい。
【0031】
また、図柄層6は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、図柄層6として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法がある。
【0032】
接着層7は、成形樹脂に防眩保護シート5を接着するものであり、防眩保護シート5の防眩保護層2とは反対側の面に形成する。接着層7としては、成形樹脂の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層7の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0033】
このような構成の防眩保護シート5を用い、車載透過視認表示パネル部材1を得ることができる。
【0034】
まず、防眩保護シート5を、金型8内に設置する(図4参照)。
【0035】
金型8としては、パネル部材を形成することができるキャビティを構成するものを用いる。また、成形品がキャビティからスムースに離型するようにするため、キャビティ面にテフロン(登録商標)加工やサンドブラスト加工などを施してもよい。また、防眩保護シート5として長尺フィルムを用いる場合、防眩保護シート5を切り取るために、トムソン刃を仕込んでもよい。
【0036】
防眩保護シート5を金型8内に防眩保護シート5を送り込むには、あらかじめ所望の形状に切断あるいは予備成形した枚葉の防眩保護シート5を1枚ずつ送り込んでもよいし、長尺の防眩保護シート5の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の防眩保護シート5を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、防眩保護シート5と成形用金型8との見当が一致するようにするとよい。また、防眩保護シート5を間欠的に送り込む際に、防眩保護シート5の位置をセンサーで検出した後に防眩保護シート5をキャビティ型とコア型とで固定すれば、常に同じ位置で防眩保護シート5を固定することができ、位置ずれが生じないので好適である。ここで、防眩保護シート5が成形用金型8に沿いやすくするために、防眩保護シート5を加熱してもよい。加熱をするには、赤外線ヒーターやニクロムヒーターなどを防眩保護シート5の近傍に配置するとよい。
【0037】
防眩保護シート5は、加飾シート送り装置などを使用して、金型8間に配置し、クランプなどの手段で固定する。熱源により防眩保護シート5を加熱軟化させるとともに真空吸引してキャビティ面に密着させてもよい。
【0038】
次いで、金型8内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シート5と樹脂部材4とを一体化させる(図5参照)。
【0039】
成形用金型8を閉じた後、溶融樹脂をゲートからキャビティ内に射出充満させ、透明樹脂部材4を形成するのと同時にその表面に防眩保護シート5を接着させる。
【0040】
透明な成形樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることができる。
【0041】
最後に、溶融樹脂の固化後、型開きすれば、防眩保護シート5と透明樹脂部材4とが一体化した車載透過視認表示パネル部材1を得ることができる。
【0042】
また、次のようにしてインサート成形をすることができる。まず、防眩保護シート5を、パネル部材と同一形状の凹部を有する予備成形型にクランプなどの手段で固定し、次に、熱源により防眩保護シート5を加熱軟化させるとともに真空吸引して予備成形型の表面に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予備成形型から防眩保護シート5を取り出す。このようにして、予備成形した防眩保護シート5を得ることができる。次いで、予備成形した防眩保護シート5を、金型8間に配置し、クランプなどの手段で固定する。次に、金型8を型締めし、溶融樹脂を射出して成形樹脂を成形する。
【0043】
基体シート3と防眩保護層2の厚さの和と樹脂部材4の厚さとの比率は、0.005〜0.125の範囲になるように形成する。また、防眩保護シート5上に図柄層6や接着層7などの加飾層が形成された場合は、基体シート3と防眩保護層2の厚さの和と樹脂部材4の厚さとの比率が0.005〜0.125の範囲になるように形成する。上記厚さの比率が0.005に満たないと、車載透過視認表示パネル部材1に衝撃が加わった時にパネル部材が基体シート3ごと破損し、破片飛散防止効果が期待できない。また、上記厚さの比率が0.125を超えると、樹脂部材4とシートの熱収縮率の差によって樹脂部材4の成形後に冷却した部材内部に発生する応力が無視できないほど大きくなり、その結果、樹脂部材4と基体シート3の密着力が低下し、衝撃時に基体シート3が剥離・破断しやすくなる。また、応力により、車載透過視認表示パネル部材1が湾曲して寸法精度を保てなくなるという問題がある。
【0044】
透明樹脂部材4の固化後、型開きすれば、防眩保護シート5と樹脂部材4とが一体化した車載透過視認表示パネル部材1を得ることができる。
【0045】
このようにして得た車載透過視認表示パネル部材1は、防眩保護シート5と樹脂部材4とが強固に密着するとともに剥離が生じないものであるため、パネル部材の破損時に破片が飛散することがないものである。したがって、耐衝撃性に劣るが低コストで成形性に優れる樹脂を樹脂部材4として用いることができ、樹脂部材4の選択の幅が広がり、低コスト化、生産効率の向上も図ることができる。
【0046】
【実施例】
表1に示す各厚さのポリエステルフィルムを基体シートとし、その上に、粒径約0.1μmのアクリル樹脂微粒子を20重量%含むアクリル系樹脂からなるハードコート性を有する防眩保護層をスクリーン印刷法によって形成し、防眩保護シートを得た。
【0047】
次いで、防眩保護シートを金型内部に配置し、金型を締めてアクリル系樹脂(三菱レイヨン株式会社製アクリペットVH)を射出成形し、冷却させたのち金型を開いて取り出し、車載透過視認表示パネル部材を得た。
【0048】
このようにして得た各車載透過視認表示パネル部材について、それぞれ飛散防止効果試験、車載試験、外観評価を行なった。
【0049】
飛散防止効果試験は、次のようにして行った。すなわち、車載透過視認表示パネル部材1に嵌合する治具13に固定された100mm×100mmの車載透過視認表示パネル部材1に対し、直径50mm、重量540gの鋼球12を高さ1mから落下し衝突させた。鋼球12を垂直に落下させるには、じょうご状器具11とスタンド14を組み合わせた試験装置を用いた(図6参照)。
【0050】
鋼球を落下衝突させパネル部材を破損させた後に、破片が基体シートに保持され、治具からまったく飛散していない状態を可とした。
【0051】
車載試験は、排気量1.5リットル、車両重量1000kgクラスの4ドアセダンでフルラップ衝突試験を行なう際に、車両に車載透過視認表示パネル部材を搭載し、衝突後破片が飛散したかどうかを調べた。飛散しなかった場合を可とした。
【0052】
外観評価は成形後のパネル部材について変形やゲート飛びなどが生じなかった場合を可とした。
【0053】
【表1】
Figure 0004262452
【0054】
なお、表1において、○は可を、×は不可をそれぞれ示す。
【0055】
このようにして得た実施例1〜3の車載透過視認表示パネル部材は、いずれも飛散防止効果試験、車載試験、外観評価において可の結果となった。
【0056】
また、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005を下回る比較例1では、飛散防止効果試験および車載試験において破片が飛散し、飛散防止効果が不十分であった。また、上記厚さ比率が0.125を上回る比較例2は、ゲート飛びが発生し、外観に問題が生じた。
【0057】
また、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02を下回る比較例3では、飛散防止効果試験および車載試験において破片が飛散し、飛散防止効果が十分でなかった。また、上記比率が0.8を上回る比較例4では、インサート成形前にシートにしわが発生し、外観に問題が生じた。
【0058】
また、実施例1〜3および比較例1〜4のいずれの車載透過視認表示パネル部材においても、飛散防止効果試験と車載試験の結果は一致し、先に説明した飛散防止効果試験の妥当性を確認することができた。
【0059】
【発明の効果】
この発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
【0060】
この発明の車載透過視認表示パネル部材は、透明な樹脂部材上に、厚さ25〜250μmの基体シートと、可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層され、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるように構成したので、パネル部材が破損したとしても樹脂部材の破片が飛散することがないものである。
【0061】
また、この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法は、厚さ25〜250μmの基体シート上に可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層が少なくとも積層された防眩保護シートを、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シートと樹脂部材とを一体化させ、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125である成形品を得るように構成したので、破損したとしても樹脂部材の破片が飛散しないパネル部材を歩留まりよく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の車載透過視認表示パネル部材の一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法に用いる防眩保護シートの一実施例を示す断面図である。
【図3】この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法に用いる防眩保護シートの一実施例を示す断面図である。
【図4】この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】この発明の車載透過視認表示パネル部材の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図6】この発明の車載透過視認表示パネル部材の飛散防止効果試験を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車載透過視認表示パネル部材
2 防眩保護層
3 基体シート
4 樹脂部材
5 防眩保護シート
6 図柄層
7 接着層
8 金型
11じょうご状器具
12鋼球
13治具
14スタンド

Claims (4)

  1. 透明な樹脂部材上に、厚さ25〜250μmの基体シートと、ポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層され、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品であることを特徴とする車載透過視認表示パネル部材。
  2. 透明な樹脂部材上に、加飾層と、厚さ25〜250μmの基体シートと、ポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層され、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、加飾層と基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品であることを特徴とする車載透過視認表示パネル部材。
  3. 厚さ25〜250μmの基体シート上にポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層が少なくとも積層された防眩保護シートを、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シートと樹脂部材とを一体化させ、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品を得ることを特徴とする車載透過視認表示パネル部材の製造方法。
  4. 厚さ25〜250μmの基体シート上に加飾層とポリウレタン樹脂と非結晶性の含フッ素重合体からなるもの、アクリル系紫外線硬化型樹脂、エポキシ系紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいずれかを材質とする可視光線透過率65〜100%、ヘイズ0.5〜60%、厚さ5〜20μmの防眩保護層とが少なくとも積層された防眩保護シートを、パネル部材を形成することができるキャビティを構成する金型内に設置し、金型内に透明な溶融樹脂を射出し、防眩保護シートと樹脂部材とを一体化させ、防眩保護層の厚さと基体シートの厚さとの比率が0.02〜0.8であり、基体シートと防眩保護層の厚さの和と樹脂部材の厚さとの比率が0.005〜0.125であるインサート成形品を得ることを特徴とする車載透過視認表示パネル部材の製造方法。
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