JP4262331B2 - パッケージの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板に電子部品を収納するための凹部を形成した、いわゆるスティフナに用いるキャビティ型のパッケージに関するものであり、詳しくは、金属板に塑性加工によって凹部を形成した電子部品用のパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報機器の小型化に伴い、半導体集積回路やハイブリッド回路等に代表される電子部品のパッケージも小型化、高密度化が進んでいる、これらを支える技術として、TABフィルムやフレキシブルプリント基板等の配線基板を用い、この配線基板上に形成した数十本から数百本の端子部と上記半導体集積回路の端子部を、ワイヤボンディングやフリップチップにより電気的に接続する高密度実装技術が実用化されている。しかしながら、上記配線基板には剛性がなく、反りが発生するために補強が必要になり、スティフナと呼ばれる中央に窓枠を形成した金属板が使用されるに至った。さらに、上記半導体集積回路は、高密度化に伴って発熱量が増加することから、パッケージの放熱のためにヒートスプレッダが併用される。
【0003】
また、パッケージの構成としては、個々の上記スティフナとヒートスプレッダを接着剤により接着接合したもの、或いは、両者を金属板により一体化した放熱板一体型も提案されている。この放熱板一体型としては、比較的肉薄の金属板を絞り加工によって上記半導体集積回路を収納するための凹部を形成した絞りタイプと、金属板の一方面のみに凹部を形成したキャビティタイプの二つのタイプに大別される。しかし、上記スティフナに求められる特性として重要な、十分な剛性と平坦性の点からキャビティタイプが優れている。
【0004】
上記キャビティタイプのパッケージを形成する方法としては、プレスによる押圧パンチを用いた押圧加工、或いは化学的なエッチング加工法によって、底部に肉薄の板厚を残すようにして、金属板に所定形状の凹部を形成する方法が知られている。
【0005】
しかしながら、プレスによる押圧加工は、凹部の体積分の金属が底部及び周囲に押し込まれることから、周囲の金属部分がカーリングしてしまい、平面度が矯正不能な状態になる。このため、平面度を要求されるパッケージとしては致命的な問題になる。また、化学的なエッチング加工方法は、エッチング時間が長いため、大量生産には不向きであり、必然的にコストアップになること、さらには、エッチング加工の制御の限度から寸法精度が悪くなり、実用化には限界が生ずる問題がある。
【0006】
そこで、出願人は特願平9−282769号において、上記従来技術が有する問題点を一掃し、この種のパッケージに好適な形成方法を提案した。図10は新規に提案した解決方法による工程を示し、以下にその概要を説明する。
【0007】
図10(A)は、素材となる金属板100を示している。図10(B)は第1の押圧工程を示し、プレス機のダイ104に対して位置決め固定した金属板100に対して一方面100a側からパンチ105によって凹部102を形成すると共に、金属板100の他方面100b側に凸部103を突出形成する。
【0008】
図10(C)及び(D)は切削工程を示し、この押圧工程によって金属板100の他方面100b側に形成された凸部103を、カッター106によって他方面100bと同一面となるように基端から切削する。尚、この切削による底部100cが凹部102方向に変位することを阻止するために、底部100cを押圧工具107により押圧する。
【0009】
以上の各工程により、金属板100の一方面100a側には、図11に示す凹部102が形成され、この凹部102の底面には、比較的肉薄な所定の板厚の底板100cが形成される。以上の形成方法によれば、押圧工程と切削工程によって所望の深さの凹部102を形成すると共に、各切削工程において凸部103を肉薄の状態で切削するので、金属板100がカーリングすることなく、しかも、底板100cを破損せることなく形成できる等の特徴がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の新規提案による方法は、カッター106により金属板100の他方面100b側に形成された凸部103を切削することから、図11に示すように、金属板100の他方面100b側にヘアライン状の切削痕HLが形成される。パッケージに使用する場合は、他方面100b側を露出させてブランド名や機種名等を表記することから、美観を良好にすることが要求される。このため、他方面100b側に生じた切削痕HLを除去しなければならない。この切削痕HLは、カッター106以外にフライス加工やグラインダーを用いても同様に生じる。
【0011】
上記切削痕HLを除去するために、金属板100の他方面100b側をフィニッシング加工により平面研磨したり、バフ等を用いて仕上げ加工を施す方法が一般に知られている。また、逆に金属板100の他方面100b側全面にサンドブラスト等による梨地加工を施し、切削痕HLを目立たなくする方法もある。
【0012】
しかし、いずれの方法を採用しても、切削痕を除去するために金属板自体を削ることから、削り代を取らなくてはならず、このため、板厚寸法の管理が困難になる。また、上記各方法は削り粉等の粉体が発生したり、付着することがあるため、これらを除去するための洗浄工程が更に付加され、必然的にコストアップになる問題がある。
【0013】
さらに、上記の方法は、金属板の一方面に凹部を形成するときに、金属板に対して押圧加工を施すために若干の反りが生ずる。このため、平面度が要求される場合には、後工程で平押し加工等、反りを矯正する加工を施しているが、要求される平面度に至るまで矯正することは困難であり、コストが増加する上に、高精度の製品が得られない問題があった。
【0014】
本発明は以上のような従来方法の問題点を解決するためになされたもので、パッケージの外面に形成された切削痕を凹部内に移行することにより、美観を良好にすると共に、平面度を高めることができるパッケージの形成方法を提供することを目的とする。
【0015】
【問題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、金属板に形成した凹部内に電子部品を収納すると共に、上記電子部品の端子と電気的に接続するための端子を有する配線基板を上記金属板に配設するためのパッケージを形成する方法であって、このパッケージは所定の板厚を有する金属板の一方面側からプレスにより上記板厚より浅い寸法とした凹所を押圧形成すると共に、この押圧形成により上記金属板の他方面側に上記凹所の金属を移行させて凸部を突出形成し、この凸部を切削加工により切削した後、さらに上記凹所に対応した他方面側からプレスにより押圧して上記凹所の底板を上記一方面側に移行させることにより、上記金属板の他方面に凹部を形成したことを特徴としている。
【0016】
また、請求項2記載のパッケージの形成方法は、金属板の一方面側から第1の押圧具により上記板厚の寸法より浅い所定形状の凹所を押圧形成すると共に、他方面側には上記凹所の開口側と相似形であって上記開口側の寸法よりもやや小さい外形寸法の凸部を突出形成し、この凸部を切削加工により切削した後、上記凹所に対応した他方面側から上記凹所よりもやや大きい上記凹所と相似形の第2の押圧具により上記凹所の底板を上記一方面側に移行させることを特徴としている。
【0017】
また、請求項3記載のパッケージの形成方法は、金属板の一方面側に第1の押圧具により形成する凹所の内壁を底板側よりも開口側が大きい略テ−パ状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行させる第2の押圧具を、上記凹所の開口側寸法よりもやや小さい上記凹所と相似形に形成したことを特徴としている。
【0018】
さらに、請求項4記載のパッケージの形成方法は、金属板の一方面側に第1の押圧具により形成する凹所を略矩形状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行させる第2の押圧具を上記凹所よりもやや大きい上記凹所と相似形に形成したことを特徴としている。
【0019】
さらにまた、請求項5記載のパッケージの形成方法は、金属板の一方面側から凹部を押圧形成する工程と、他方面側の凸部を切削加工により切削する工程を複数回繰り返す、或いは、凸部を切削加工により切削する工程を複数回繰り返して所定形状の凹部を形成することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるパッケージを図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、本発明にかかるパッケージを適用した半導体集積回路用パッケージの一例を示している。パッケージ1は金属素材からなり、剛性を有すると共に、後述する配線基板等との熱膨張係数がマッチングし、しかも、ヒートスプレッダとして必要な熱伝導率が良好であり、かつ、塑性加工が可能な金属素材として、銅合金或いはステンレス鋼、またはアルミニウムが採用される。
【0021】
パッケージ1の一方面1a側には、略四角形の凹部2が形成されている。さらに、凹部2の底面には、所定の板厚とした底板1cが形成され、凹部2内の底面は、切削痕HLが露呈している。この切削痕HLは、後述する切削加工によって形成されたものであり、本来は、前述したようにパッケージ1の他方面1bに露呈されるべきものであるが、本発明の成形方法により凹部2の底面に移行させ、他方面1bから切削痕HLした面に形成されている。このような構成により、かかるパッケージ1は、全体としてキャビティ型に形成している。
【0022】
パッケージ1の一方面1aには、TABやフレキシブルプリント基板、或いは通常のプリント基板等からなる配線基板PBが接着剤等により接着固定されている。この配線基板PBには、凹部2とほぼ同じ大きさの窓孔PBaが形成され、さらに、線幅及びピッチが37nm程度の多数の端子部TMがプリント配線により形成されている。この端子部TMと配線基板PBの外縁に設けた外付け端子との間には、図示しないプリント配線が施されている。
【0023】
さらに、パッケージ1の一方面1aに形成した凹部2には、半導体集積回路ICのチップが収納される。半導体集積回路ICは凹部2の底板1cに面接合状態で接着剤により固定されている。この接着固定において重要なことは、半導体集積回路ICと凹部2の底板1cとの間に気泡を形成させないことである。半導体集積回路ICは動作中に発熱した場合、或いは、パッケージ1と半導体集積回路IC及び配線基板PBとを組み立てる過程で加熱した場合、この熱によって気泡が膨張し、半導体集積回路ICを剥離させてしまう恐れがある。このため、凹部2の底板1cは30nm以下の反りと平面度に形成されている。
【0024】
半導体集積回路ICの上面には、上記配線基板PBに形成した端子部TMと同じ線幅及びピッチの多数の端子TPが設けられている。そして、半導体集積回路ICのと配線基板PBの端子部TMとは、図2に示すように、ボンディングワイヤ7によって電気的に接続される。さらに、パッケージ1の凹部2に封止剤8を注入し、半導体集積回路ICと上記ボンディングワイヤ7を封止している。
【0025】
以上にように構成された集積回路部品を、図示しない電子装置の回路基板に装着するには、上記配線基板3の外縁に設けた外付け端子にハンダボール9を配設し、電子装置の回路基板の所定位置に仮固定した状態で加熱することにより、ハンダボール9を溶解する。これにより、配線基板PBと電子装置の回路基板とが電気的に接続される。一方、半導体集積回路ICが動作中に発熱した場合は、パッケージ1自体がヒートスプレッダとしての機能を有しているため、熱がパッケージ1に伝達すると共に放熱される。
【0026】
次に、パッケージ1の凹部2の形成方法を図5により説明する。図5(A)乃至(G)は、前述の図10によって説明した形成方法と類似しているため、本発明として特徴ある方法について詳細に説明し、図10と同じ方法については概要を説明する。
【0027】
図5(A)は、最終的にパッケージ1となる金属板10を示し、素材は、銅合金やステンレス鋼或いはアルミニウム等が選択される。図5(B)は第1の押圧工程を示している。金属板10は、図示しないプレス機のダイ11に対して位置決めした状態で載置した後、この金属板10の一方面10a側から上記プレス機に装着されたパンチ12からなる第1の押圧具により浅い凹所2aを形成する。この第1の押圧工程に使用されるパンチ12の先端は角錐台状に形成している。従って、凹所2aの内壁は、底板側よりも開口側が大きい略テ−パ状に形成される。
【0028】
このように、凹所2aを形成することにより、金属板10の他方面10b側には凹所2aの金属が移行し、凹所2aの深さとほぼ等しい高さhの凸部3aが突出形成される。この凸部3aの外形寸法は、凹所2の開口側寸法よりもやや小さい相似形としている。このような寸法関係は、凸部3aが金属板10から切断することなく、常に連結状を保持するためである。また、凸部3aの高さhは、後述する切削工程において、最小のストレスにて切削可能な高さに設定することが望ましい。
【0029】
図5(C)及び(D)は第1の切削工程を示し、上記第1の押圧工程によって金属板10の他方面10b側に形成した凸部3aを、カッター13によって他方面10bと同一面となるように基端から切削する。切削工程で使用するカッター13は、例えば、先端中心を突出させた矢型状の歯部13aを有し、図5(C)に示す矢示の方向にカッター13を進め、図5(D)に示す位置まで進めることにより凸部3aを切削する。この切削工程において、カッター13により底部10cが凹所2a方向に変位することを阻止するために、凹所2a内に押え具14を挿入して押圧しておくことが望ましい。
【0030】
次に、図5(E)は第2の押圧工程を示し、先の第1の押圧工程によって形成された凹所2aをパンチ15の押圧によって更に深くし、凹所2bを形成している。このとき使用するパンチ15の先端も角錐台状に形成しているので、凹所2bの内壁も底板側よりも開口側が大きい略テ−パ状に形成される。この結果、金属板10の他方面10b側には、第1の押圧工程と同様に凸部3が突出形成される。この凸部3の外形寸法も、やはり凹所2bの開口側寸法よりもやや小さい相似形としている。
【0031】
その後、図5(F)に示す第2の切削加工が行われる。即ち、第1の切削工程と同様に、カッター13によって金属板10の他方面10b側に形成された凸部3を他方面10bと同一面となるように基端から切削する。この切削工程においても、カッター13により底板10cが凹所2b方向に変位することを阻止するために、凹所2b内に押え具16を挿入して押圧しておくことが望ましい。そして、以上の第2の切削加工を施した結果、金属板10の他方面10b側は図5(G)に示すように平坦に形成されると共に、凹所2bの底面には肉薄の底板10cが形成される。
【0032】
このとき、金属板10の他方面10bには、カッター13によって凸部3を切削することによって生じた略ヘアライン状の切削痕HLが形成される。(前述した図11を参照)しかしながら、上記金属板10は前述したようにパッケージ1として使用するため、切削痕HLが形成されると、パッケージ1として必要とする良好な美観が阻害される。さらに、この面に切削痕HLが存在することは、品質的にも好ましくない。
【0033】
また、以上説明した形成方法は、金属板10に対しストレスを軽くすることができるので、パッケージとして必要な平坦度に近付けることができる。しかし、金属板10の一方面10aからの押圧を繰り返すため、実質的には若干の反りが生じている。一般に、パッケージ1の形成した凹部2の底板10cとして必要な反りと平坦度は30nm以下、パッケージ1全体として必要な反りと平坦度は70nm以下とされている。このため、本発明においては、以下に説明する特殊な加工を施すことにより、外観上から切削痕HLをなくすと共に、必要な許容範囲となる反りと平坦度が得られるようにしている。
【0034】
図5(H)及び(I)は、金属板10の他方面10bに存在していた切削痕HLを除去すると共に、上記凹所2a及び2bを形成する際に生じた反りをなくすための工程を示している。即ち、凹所2bの内壁2cは、図5(H)の拡大円内に示すように、底板10c側よりも開口側を大きくした略テ−パ状に形成されている。一方、凹所2bの底板10cを金属板10の一方面10a側に移行させるための押圧パンチ17(第2の押圧具)は、先端面を平坦とした凹所2bと相似形の柱状に形成され、さらに、先端面は凹所2bのテ−パ状に形成した内壁の中央点18にほぼ一致させるか、或いは、凹所2bの開口側とほぼ同じ大きさに設定している。
【0035】
この押圧パンチ17を凹所2bに対応した他方面10b側から押圧し、凹所2bの内面であった底板10cが金属板10の一方面10aと同一平面になった時点で終了させる。この結果、底板10cは図5(I)に示すように、底板10cが金属板10の一方面10aに移行する。即ち、押圧パンチ17によって底板10cを金属板10の一方面10a側に移行させると、金属板10の他方面10bに形成されていた切削痕HLが、凹部2の内面に移転する。従って、図4に二点鎖線で示す位置に存在した切削痕HLが、金属板10の一方面10aから除去される。そして、押圧パンチ17の押圧によって新たに金属板10の他方面10bに形成された凹部が、図1に示す、パッケージ1の凹部2となる。
【0036】
また、底板10cを金属板10の一方面10a側に移行するために、押圧パンチ17によって逆方向から押圧すると、それまで凹所2a、2bを形成するときに生じた反りが戻される、従って、凹所2の底板10cはもとより、金属板10の反りが矯正され、図1に示すパッケージ1の凹所2の底板1cに必要な30nm以下の反りと平坦度、及び、全体として必要な70nm以下の反りと平坦度が得られるようになった。
【0037】
以上の押圧工程において、押圧パンチ17と凹所2bの幅の関係は、図6に示すように、押圧パンチ17の幅L1 を凹所2bの幅L2 よりもやや大きい相似形に設定している。これは、押圧パンチ17の外周部分が凹部2bの外周部分の肉を一緒に押圧することにより、凹所2bの底板10cを剪断させることなく金属板10の一方面10aに移行するためである。
【0038】
図5(A)から(G)に示す各工程を行うことによって、パッケージ1の他方面1bは、パンチ15等によって押圧された面であり、本来の金属板とほぼ同じ面粗度となる。従って、パッケージ1の他方面1bに切削痕HLを残さないようにしたため、平面研磨等の2次的な加工が不要になると共に美観が向上する。さらに、上記工程において、凹所を形成するときに精度をラフにしても、最終工程として押圧パンチによって精度を確保できるので、生産性を一段と向上させることができる。
【0039】
[その他の実施の形態]
図7は、金属板10の他方面10b側に形成された凸部3を切削する他の方法を示し、図7(A)は、フライス盤の回転刃20を図示左方向に移動することによって凸部3を切削する例を示している。図7(B)は、1回の押圧工程によって所定の深さの凹部2bを形成した後、大きく突出した凸部3をカッター13によって複数回に分けて切削するようにした例を示している。この形成方法によれば、1回の押圧工程で凹所2bが押圧形成されるので、工程が簡略化され、しかも、1回の切削代は、金属板10に対する残留応力やストレスを与えない程度に設定されるため、図5の例と同様の特徴がそのまま活かされている。図7(C)は、グライダー21に図示左方向に移動することによって凸部3を切削する方法を示している。以上の例の他にも、任意の切削方法によって凸部3を切削するようにしても良いことは勿論である。
【0040】
図8は他の凹所2aまたは2bの形成方法を示し、押圧工程において、先端形状を矩形状に形成したパンチ22によって押圧するようにした例である。即ち、金属板10の一方面10a側からパンチ22によって押圧すると、凹所2aの内壁2cは、ダレによって実質的に底部10c側よりも開口側が大きい略テ−パ状に形成される。一方、この押圧工程によって金属板10の他方面10b側に突出形成される凸部3は、パンチ22の先端形状よりも大きく形成されている。この凹部形成方法によれば、プレス加工におけるダレを積極的に利用するので、テ−パ状の凹所2aまたは2bが容易に形成できる。
【0041】
尚、図8において説明した実施例は、パンチ22によって押圧したとき、凹所2aの周囲が図示上方の一方面10aに反り、平面度が悪化する恐れがある。このため、かかる押圧工程においては、図示しない押圧具によって凹所2の周囲を押圧し、反りの発生を予防することが肝要である。しかし、この反り自体は、押圧パンチ17によって、凹所2bの底板10cを金属板10の一方面10aに移行する工程を行うことにより矯正できるため、さほど問題にはならない。
【0042】
図9は、順送加工機によるパッケージ1の形成方法を示している。即ち、素材となる金属板としては、前述した例と同様に、銅合金或いはステンレス鋼、またはアルミニウムからなるフープ状金属板材30が使用される。
【0043】
また、図9に示す順送加工機Pは、図示左側の上流から、フープ状金属板板30に対し、パンチ31によってパイロット孔32を穿孔する穿孔工程ステージ♯1、このステージ♯1の下流側に、金属板30に対してパンチ33により、第1の凹所34a及び凸部35aを形成する第1の押圧工程ステージ♯2、凸部35aをカッター36により切削する第1の切削工程ステージ♯3、金属板30に対してパンチ37により第2の凹所34b及び凸部35bを形成する第2の押圧工程ステージ♯4、この凸部35bをカッター38により切削する第2の切削工程ステージ♯5を備えている。
【0044】
さらに、このステージ♯5によって形成された金属板30の他方面30b側から、押圧パンチ39の押圧によって底板30cを一方面30aに移行する逆押圧工程ステージ♯6、及び、必要に応じて平面度をパンチ45により修正する修正工程ステージ♯7と、フープ状金属板20所定の寸法に切断する図示しない切断工程ステージとを備えている。
【0045】
かかる構成からなる順送加工機Pの図示左側の上流から、フープ状金属板30を送り込むと、先ず穿孔工程ステージ♯1において、パイロット孔32がパンチ31によって穿孔される。パイロット孔32は、下流側の各ステージにおける各々の加工時にフープ状金属板30をパイロットピン41によって位置決めするために使用される。
【0046】
次に、金属板30を下流側の押圧工程ステージ♯2に移送し、順送型のダイ43に設置すると共に、パイロットピン41により位置決めする。そして、金属板30の一方面30a側からパンチ33により、浅い第1の凹所34aを形成し、金属板30の他方面30b側に凹所34aの深さとほぼ等しい高さの凸部35aを突出形成する。
【0047】
その後、金属板30を切削工程ステージ♯3に移送し、カッター36によって他方面30bと同一面となるように凸部35aの基端から切削する。このとき、カッター36の移動速度は、金属板30に対するストレスが最小となるように設定される。また、この切削工程においては、凹所34a内に押圧工具42を当接し、カッター36の押圧力により底板30cが凹所34a方向に変位することを阻止している。
【0048】
このように、切削工程ステージ♯3を経た金属板30は、次の第2の押圧工程ステージ♯4へ移送される。第2の押圧工程は、第1の押圧工程によって形成された凹所34aをパンチ37によって押圧し、第1の凹所34aよりも深い第2の凹所34bを形成する。そのとき、金属板30の他方面30b側には、凸部35bが突出形成される。その後、金属板30は次の第2の切削工程ステージ♯5に移送され、カッター38によって他方面30bと同一面となるように凸部35bの基端から切削する。この切削工程においても、凹所34b内に押圧工具44を当接させ、カッター38の押圧力により底板30cが凹所34b方向に変位することを阻止している。
【0049】
次の逆押圧工程ステージ♯6に移送した金属板30は、押圧パンチ39によって、凹所34bに対応した他方面30b側から押圧し、底板30cを金属板30の一方面30aと同一平面になるまで押し下げる。この逆押圧工程ステージ♯6によって、金属板30に対する底板30cの表裏を反転させることにより、それまで金属板30の他方面30bに形成されていた切削痕を、新たに形成された凹部2の内面側に移転し、金属板30の一方面30aから切削痕HLを消滅する。
【0050】
金属板30は、逆押圧工程ステージ♯6を行うことによて反りが解消され、実用上は許容規格内となるが、さらに反りや平面度を良くするために、必要に応じて次の修正工程ステージ♯7を設けるようにしても良い。この修正工程ステージ♯7は、金属板30、または凹部2の内面をパンチ45により平押しすることによって平面度を修正している。
【0051】
尚、この修正工程ステージ♯7は、レベラー加工等他の修正方法に変更しても良い。このようにして完成状態となったフープ状金属板30は、次の図示しない切断工程ステージによってパッケージとして定められた寸法に切断される。通常の場合は、図3に示すように、4個乃至5個のパッケージを1単位としたユニット毎の寸法に切断される。
【0052】
図3は、パッケージのユニットUを示している。この例においては、最終形状に形成された個々のパッケージ1の少なくとも隣接するパッケージ間を含む周囲に溝孔50が形成され、かつ、フープ状金属板30とは連結片51を介して連結している。この溝孔50は、前述の順送加工機Pにおいて、フープ状金属板材30にパイロット孔32を穿孔する穿孔工程ステージ♯1で形成することが望ましい。このように、個々のパッケージ1を連結片51を介してフープ状金属板30に連結すると、金属板30や隣接するパッケージの影響を受けずに単独に反りと平坦度が得られる。尚、連結片51は、パッケージ1に半導体集積回路や配線基板等を実装した後に切断される。
【0053】
以上説明した実施形態においては、パッケージの凹部内に収納する電子部品として半導体集積回路を例示したが、ハイブリッド回路、インダクタチップ、或いはレジスターアレイ等、他の電子部品であってもよく。本発明はこれら実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更することは可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるパッケージの形成方法によれば、金属板の一方面側に形成した凹所を、これに対応した他方面から逆に押圧パンチによって押圧することにより、金属板の他方面に存在した切削痕をパッケージの凹部内面に移転させ、反対に凹所の内面を金属板の一方面に交換するので、パッケージとして美観が要求される他方面から切削痕を消滅させることができ、商品価値を向上することができる。また、パッケージの凹部の精度は、押圧パンチによって決められるので、金属板の一方面側に形成する凹所を比較的ラフな精度で加工できるため、生産性を一段と向上させることができる。さらに、金属板の一方面側に形成する凹部を形成するときに生じた反りが、逆方向からの押圧パンチによって戻されため、パッケージ自体や凹部の反りと平面度を矯正することができ、パッケージとして必要な反りと平坦度を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるパッケージを示す分解斜視図である。
【図2】本発明にかかるパッケージに電子部品を配設した状態を示す断面図である。
【図3】本発明によるパッケージのユニットを示す斜視図である。
【図4】本発明にかかるパッケージの裏面を示す斜視図である。
【図5】(A)乃至(I)は、本発明によるパッケージの形成方法を示す工程説明図である。
【図6】押圧パンチと凹部との寸法関係を示す断面図である。
【図7】(A)乃至(C)は、金属板に形成される凸部を切削する他の方法を示す断面図である。
【図8】金属板に形成する凹部の他の形成方法を示す断面図である。
【図9】本発明によるパッケージを順送加工によって形成するステージを示す順送加工工程図である。
【図10】(A)乃至(D)は、従来の凹部形成方法を示す工程説明図である。
【図11】従来のパッケージを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パッケージ
1c 底板
2 凹部
2a 凹所(浅い)
2b 凹所(深い)
3 凸部
10 金属板
10a 一方面
10b 他方面
12 パンチ(第1の押圧具)
17 押圧パンチ(第2の押圧具)
IC 半導体集積回路
PB 配線基板
TP 端子
TM 端子部
Claims (5)
- 金属板に形成した凹部内に電子部品を収納すると共に、上記電子部品の端子と電気的に接続するための端子を有する配線基板を上記金属板に配設するためのパッケージを形成する方法であって、このパッケージは所定の板厚を有する金属板の一方面側からプレスにより上記板厚より浅い寸法とした凹所を押圧形成すると共に、この押圧形成により上記金属板の他方面側に上記凹所の金属を移行させて凸部を突出形成し、この凸部を切削加工により切削した後、さらに上記凹所に対応した他方面側からプレスにより押圧して上記凹所の底板を上記一方面側に移行させることにより、上記金属板の他方面に凹部を形成したことを特徴とするパッケージの形成方法。
- 金属板の一方面側から第1の押圧具により上記板厚の寸法より浅い所定形状の凹所を押圧形成すると共に、他方面側には上記凹所の開口側と相似形であって上記開口側の寸法よりもやや小さい外形寸法の凸部を突出形成し、この凸部を切削加工により切削した後、上記凹所に対応した他方面側から上記凹所よりもやや大きい上記凹所と相似形の第2の押圧具により上記凹所の底板を上記一方面側に移行させることを特徴とする請求項1に記載のパッケージの形成方法。
- 金属板の一方面側に第1の押圧具により形成する凹所の内壁を底板側よりも開口側が大きい略テ−パ状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行させる第2の押圧具を、上記凹所の開口側寸法よりもやや小さい上記凹所と相似形に形成したことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの形成方法。
- 金属板の一方面側に第1の押圧具により形成する凹所を略矩形状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行させる第2の押圧具を上記凹所よりもやや大きい上記凹所と相似形に形成したことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの形成方法。
- 金属板の一方面側から凹部を押圧形成する工程と、他方面側の凸部を切削加工により切削する工程を複数回繰り返す、或いは、凸部を切削加工により切削する工程を複数回繰り返して徐々に凹所を深く形成することを特徴とする請求項1に記載のパッケージの形成方法。
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