JP4261622B2 - 通信システムにおける非線形処理装置および方法 - Google Patents

通信システムにおける非線形処理装置および方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、一般的にエコー・キャンセレーション(echocancellation)に関し、更に特定すれば、通信システムにおける改良された非線形処理に関するものである。
発明の背景
近年のディジタル・セルラ・システムの音声圧縮規格は、ノイズ抑制を、必要な信号前処理機能の構成要素と見なしている。ノイズ抑制方法はこれらの規格では未だオプションのままであるが、ノイズ圧縮を用いなければ、主観的コンプライアンス検査(subjective compliance test)に合格することはほぼ不可能である。これらの規格は、ノイズ抑制機能に対する必要性には対処しているが、ノイズ抑制を、エコー・キャンセレーションのような、他の必要な前処理機能と共に用いた(cascade)場合の影響には対処していない。エコー・キャンセラをノイズ抑制器(noise suppressor)と共に用いると、問題を生ずる可能性がある。
通信システムにおいて電気的および音響的エコーをキャンセルすると、エコー経路内におけるある種の非線形性(例えば、量子化ノイズ、音響分散等)が、エコー・キャンセラによるエコー発生系の完全かつ正確なモデル化を妨げる。その結果、エンド・ユーザにも聴取可能な残留エコーが生じる。この不完全を補償するために、エコー・キャンセレーション・システムは、一般的に「センタ・クリッパ(center clipper)または「非線形プロセッサ」と呼ばれるものを採用する(1980年にジュネーブで発行され、1984年マラガ・トレモリーノスで、および1988年メルボルンで改訂された、CCITT勧告G.165を参照)。非線形プロセッサは、基本的に、残留ノイズを抑制する際に、エコー・リターン損失(ERL:echo return loss)およびエコー・リターン損失エンハンスメント(ERLE:echo return loss enhancement)を推定し、一旦最少のERL+ERLEスレシホルドが得られたなら、残留ノイズを「クリップ」する。クリッピングは、典型的に、低レベルの「快適ノイズ」発生器(comfort noise generator)へのスイッチであり、エンド・ユーザに実際の回路(live circuit)の風合いを与える。
問題は、これら新しいノイズ抑制システムには、この既知の非線形プロセスに対する適合性がないことである。簡単に述べると、これら新しいノイズ抑制システムは、入来信号の長期統計を用いて、バックグラウンド・ノイズ・スペクトル強度を周期的に推定する。次に、この推定値を周波数領域フィルタとして用いて、ノイズ推定値に大きさが非常に接近した、入来信号の周波数帯を減衰させる。ノイズ抑制システムに先立ってエコー・キャンセラを用いると、非線形プロセッサがバックグラウンド・ノイズの推定値を不正確に偏倚させる。この結果、一旦非線形プロセッサがインアクティブになると、バックグラウンド・ノイズ特性が変化するので、フィルタ処理は無効となってしまう。セルラ無線電話機のハンズ・フリー構成(hands-free configuration)のような中間および高ノイズ環境では、このためにノイズ抑制システムが役に立たなくなる。
他の構成も検討されている。例えば、ノイズ抑制システムをエコー・キャンセラの前段に配置した場合、エコー・キャンセラ内部の非線形プロセスは、ノイズ抑制システムにおけるノイズ推定値には影響を与えないであろう。この実施態様に伴う問題として、この場合には非線形性が高いノイズ抑制器をエコー経路に入れるので、エコー・キャンセラが適正に収束するのを常に妨げることがあげられる。他の例には、非線形プロセッサをエコー・キャンセラから分離し、エコー・キャンセラをノイズ抑制システムの前段に正確に配置し、ノイズ抑制システムの後段(ノイズ抑制器の出力上)に非線形プロセッサを位置付けるものが含まれる。これは、先程から論じてきた中では最良の実施態様であるが、2つの基本的な難題がある。第1に、快適ノイズ発生器は、典型的に、固定スペクトル特性を有するため、ノイズ・スイッチング・アーチファクト(noise switching artifact)が発生し、これが殆どの長距離陸線通話(long-distance landline phone call)上において共通に観測されることである。第2に、非線形プロセッサは、可変レート・ボコーダにパケット・レートを決定する際に、問題を発生し得ることである。殆どのレート決定アルゴリズムは、入来音声信号のエネルギおよびスペクトル特性を用いて、音声アクティビティを判定する。そのため、合成快適ノイズの入力および遮断という切り換えによって、レート決定アルゴリズムの性能を著しく劣化させる可能性がある。
したがって、通信システムにおいて、エコー・キャンセレーションおよびノイズ抑制を改良し、同時使用を可能とする必要性がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による改良された非線形処理を実施すると効果的な通信システムを概略的に示す。
第2図は、第1図の通信システムにおいて典型的に用いられる、従来技術のエコー・キャンセレーション方式を概略的に示す。
第3図は、第2図の従来技術の構成を更に説明するために用いるエネルギ対時間のグラフを概略的に示す。
第4図は、本発明による通信システムに用いるための、改良された非線形処理を概略的に示す。
第5図は、本発明のよる第4図のノイズ抑制システムのブロック図を概略的に示す。
第6図は、第5図のノイズ抑制システムにおいて発生する、フレーム間重複を概略的に示す。
第7図は、第5図のノイズ抑制システムにおいて発生する、プリエンファシス・サンプルの台形ウインドウ処理を概略的に示す。
第8図は、第5図に示したノイズ抑制システム内のスペクトル偏差推定部のブロック図を概略的に示す。
第9図は、第5図に示したノイズ抑制システム内の更新判定推定器において実行されるステップのフロー・チャートを概略的に示す。
第10図は、本発明による改良された非線形処理を実施することによって得られる、エネルギ対時間のグラフを概略的に示す。
第11図は、本発明による非線形処理を実施する移動局を概略的に示す。
好適実施例の詳細な説明
概して言えば、改良された非線形プロセッサは、快適ノイズ源を除去し、代わりに制御信号をノイズ抑制システムに直接入力する。ノイズ抑制システムはこの制御信号を用い、制御信号がアクティブなときはバックグラウンド・ノイズ推定の繰り返し更新を禁止し、いずれの残留エコーが、ノイズ抑制システムによって与えられるノイズ推定値を偏倚させるのも防止する。加えて、制御信号は、ノイズ抑制システム内の利得計算部によって用いられ、各周波数帯を、最大許容量に現残留チャネル信号対ノイズ比(SNR:signal-to-noise ratio)を加えたものに減衰させる。実施態様に応じて、ノイズ抑制システムは、PSTNのユーザまたは移動局のユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する。
更に具体的に述べると、本発明による通信システムにおける非線形処理装置は、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を分析し、制御信号を生成する手段と、この制御信号に基づいてユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する手段とを備えている。好適実施例では、分析手段は、エコー・キャンセラ基準信号をエコー・キャンセラ残留信号と比較し、制御信号を生成する比較器を備えている。また、好適実施例では、ユーザは、公衆電話交換網(PSTN:public switched telephone network)内のユーザ、または移動局のユーザとすることができる。
ユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する手段は、更に、ノイズ抑制システムを備え、これは、前述の制御信号に基づいてバックグラウンド・ノイズの更新を禁止する手段を備えている。ノイズ抑制システムは、チャネル利得を実施し、入力信号の周波数領域濾波処理を実行し、更に制御信号に基づいてチャネル利得を変更する。好適実施例では、制御信号がアクティブの場合、チャネル利得の変更には、γdB(i)=γn−σ(i)、0≦i<Ncという式を用いる。この実施態様では、ノイズ抑制システムは、制御信号に応答して、ノイズ抑制システムによって生成されるモデル化バックグラウンド・ノイズとほぼ同様の音響に、エコー・キャンセラ残留信号をスペクトル的に整形する。
別の実施例では、ユーザの背景ノイズをモデル化する手段は、エコー・キャンセラ残留信号を濾波する手段を備えている。システム統合化および/または実施態様の観点からは、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を分析し制御信号を生成する手段は、物理的に、バックグラウンド・ノイズをモデル化する手段から分離することができ、あるいはバックグラウンド・ノイズをモデル化する手段と共に配置することができる。本装置には、対応する方法が関連付けられており、この方法は、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を分析し制御信号を生成する段階と、この制御信号に基づいてユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する段階とから成る。
別の言い方をすれば、本発明による通信システムにおける非線形処理装置は、ノイズ抑制システムに結合される制御信号を活性化する手段を備えている。ノイズ抑制システムは、制御信号から条件付き制御信号を発生する手段と、この条件付き制御信号に基づいてバックグラウンド・ノイズ推定の更新を禁止する手段と、条件付き制御信号に基づいてチャネル利得を変更する手段とを含む。この実施態様では、制御信号を活性化する手段は、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号間の差をスレシホルドと比較する手段、またはユーザによって活性化されるミュート機能のいずれかを備えている。ユーザによって活性化されるミュート機能は、バックグラウンド・ノイズを残しながら信号を濾波することが有利な場面に、特に適用されるものである。かかる状況の1つは衛星リンク送信(特に海外通話)において生じ、この場合、リンクが接続されている状態にあることを通信デバイスのユーザに知らせるために、バックグラウンド・ノイズがあることが望ましい。
エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を分析することによる制御信号の生成は、エコー・キャンセラによって行うことができ、一方制御信号に基づくユーザのバックグラウンド・ノイズのモデル化は、ノイズ抑制システムによって行うことができる。このように実施した場合、エコー・キャンセラは、物理的に、ノイズ抑制システムから分離することができ、あるいはノイズ抑制システムと共に配置することができる。注記すべき重要なことは、ノイズ抑制システムから分離してエコー・キャンセラを実施する場合には、エコー・キャンセラが制御信号を出力として与えなければならないことである。
第1図は、本発明による、改良された非線形処理を実施するのに適した通信システムを概略的に示す。第1図に示す実施例では、通信システムは符号分割多元接続(CDMA:code-division multiple access)無線電話システムであるが、当業者は認めるように、エコー・キャンセレーションおよび/またはノイズ抑制システムを実施するその他の様々なタイプの通信システムも、本発明を採用すると効果的である。更に続けるが、公衆電話交換網103(PSTN)が、移動交換センタ106(MSC:mobile switching center)に結合されている。当技術分野では既知であるが、PSTN103は、配線交換機能(wireline switching capability)を提供し、一方MSC106はCDMA無線電話システムに関連する交換機能を提供する。また、MSC106にはコントローラ109も結合されており、コントローラ109は、エコー・キャンセレーションおよび音声符号化/復号化を含む。コントローラ109は、基地局112,113へ/からの信号のルーティングを制御し、一方基地局112,113は移動局115に通信することができる。CDMA無線電話システムは、インターリム規格(IS:Interim Standard)95-Aと互換性がある。IS-95-Aに関する詳しい情報については、TIA/EIA/IS-95-A,Mobile Station-Base Station Capability Standard for Dual Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System,1993年7月を参照のこと。MSC106の交換機能およびコントローラ109の制御機能は、第1図では分散して示されているが、これら2つの機能は、システムの実施のために共通の物理エンティティ内に結合可能であることを当業者は認めよう。
本発明による改良された非線形処理を説明するために、従来技術のエコー・キャンセレーション方式についての説明が効果的であろう。第2図は、第1図の通信システム100のような通信システムに典型的に用いられる、従来技術のエコー・キャンセレーション方式を概略的に示す。第2図に示すように、移動局115からの信号は、コントローラ109内の音声デコーダ・ブロック209に入力される。音声デコーダ・ブロックは、当技術分野では既知であり、本質的に、移動局115において符号化された「符号化」音声を復号化するものである。音声デコーダ209の出力は、エコー・キャンセラ基準信号205であり、エコー・キャンセラ203に入力される。エコー・キャンセラ203の動作については、以下で概略的に説明する。エコー・キャンセラ基準信号205は、本質的に、何ら影響なくMSC106を通過し、最終的にPSTN103に到達し、ここでPSTN103のユーザに送られる。ユーザは、通常陸線加入者(landline subscriber)と呼ばれている。当技術分野では既知であるが、PSTN103内部において、PSTN103に入力する伝送線および出力する伝送線に関連する結合間(inter-coupling)においてエコーが発生する。このエコーは、ブロック221に示す伝達関数H(z)で表される。したがって、PSTN103から出力されMSC106に入力される図示の信号は、陸線システムのユーザからの純粋な信号だけでなく、先に説明したように移動局115から発生した信号のエコーも含む。この信号はMSC106を通過し、再度コントローラ109内のエコー・キャンセラ203に入る。エコー・キャンセラ203は、この入力から推定エコー複製(estimated echo replica)を減算し、エコー・キャンセラ残留信号207を生成する。エコー・キャンセラ203は、非線形プロセッサ212を含み、制御信号224のステータスに基づいて、エコー・キャンセラ残留信号207を更に抑制する。
第2図に示すように、非線形処理は、エンド・ユーザに実際の回路の風合いを与える、低レベル快適ノイズ源(comfort noise source)214に切り替えることによって行われる。注記すべき重要なことは、快適ノイズ源214は単に低レベル白色ノイズを与えるだけであり、PSTNまたは移動局いずれのユーザにも全く関連がないということである。かかるエコー・キャンセラ203は、当技術分野では既知であり、その一例は、1986年米国においてTexas Instrimentsによって発行された”Digital Signal Processing Applications with TMS 320 Family”と題するアプリケーション・ノートの第417ないし436ページに記載されている。エコー・キャンセラ203の他の例は、Ashley et al.による”Method of Performing Convergence in a Least Mean Square Adaptive Filter Echo Canceller”と題する米国特許番号第5,295,136号に見られる。この特許は、本発明の譲受人に譲渡されている。この特許に記載されているエコー・キャンセラは、先に引用したCCITT勧告G.165に準拠するものである。
エコー・キャンセラ203、具体的にはエコー・キャンセラ203の非線形プロセッサ212からから出力される信号は、ノイズ抑制システム206に入力される。好ましくは、ノイズ抑制システム206は、1996年9月9日日付の、”Enhanced Variable Rate Codec,Speech Service Option 3 for Wideband Spread Spectrum Digital Systems”と題するTIA文書IS-127の第4.1.2章に記載されているものである。その記載は、本願においても使用可能である。ノイズ抑制システム206から出力される信号は、音声エンコーダ210に入力される。音声エンコーダ210は当技術分野では既知であり、ノイズ抑制信号を符号化し、基地局112,113を通じて移動局115に転送する。また、第2図には、レート決定アルゴリズム211も示されている。これは、音声コーダ210に入る音声信号(speech signal)のエネルギおよびスペクトル特性を用いて、音声アクティビティ(voice activity)を判定する。
第3図は、第2図の従来技術の構成を更に説明する際に有用なエネルギ対時間のグラフを概略的に示す。第3図に示すように、上側のエネルギ・プロット301はMSC106から出力されエコー・キャンセラ203に入力される信号を表し、第2図では点A(pt.A)として示したものである。この信号は、H(z)221を通じて発生したエコー、およびPSTN103内の陸線加入者からの音響ノイズから成る。下側のエネルギ・プロット302は、ノイズ抑制システム206から出力され、音声エンコーダ210に入力される信号であり、第2図では点Bとして示したものである。第3図の間隔304,306の間、プロット301のエネルギ・レベルはハイであり、これらの時間期間では移動局115のユーザが話していることを示す。時間期間307では、移動局115のユーザは無声であり、したがって音声デコーダ209から出力されるエネルギは、この時間期間ではローとなっている。
第3図のプロット302を参照すると、時間間隔304,306では、比較器227の入力における差が大きく、制御信号224がアクティブとなり、快適ノイズ源214がノイズ抑制システム206への入力として用いられる。時間間隔307では、比較器227の入力における差は小さく、制御信号224は、ノイズ抑制システム206への入力を、PSTN103における陸線のユーザからのものとすることができる。快適ノイズ源214からの入力は、典型的に、PSTN103の陸線加入者ユーザからのノイズ入力よりもエネルギ・レベルが低く、これはエネルギ・プロット302の間隔312として示されている。時間間隔312におけるエネルギ(陸線214からの入力によって発生する)は、時間間隔304におけるエネルギよりも大きく、ノイズ抑制システム206は、その入力に音声が現れたと想定し、したがって、時間間隔315における復元まで、ノイズ抑制システム206を不活性化する。本質的には、ノイズ抑制システム206は、時間期間315において陸線ノイズ源レベルを13dBだけ減衰させる。この時間期間306において、再び音声が音声デコーダ209の出力に現れた場合、比較器227の入力における差が再び大きくなり、制御信号224はアクティブとなって、快適ノイズ源214が再びノイズ抑制システム206への入力として用いられる。注記すべき重要なことは、エネルギ・プロット302は音声エンコーダ210の入力におけるものであり、したがってエネルギ・プロット302に示すエネルギ・レベル変動は全て音声エンコーダ210によって符号化されるので、PSTN103の陸線ユーザとの通信の間、移動局115のユーザに提示可能であることである。
第4図は、本発明による通信システムにおいて用いるための、改良された非線形処理を概略的に示す。第4図に示すように、第2図の快適ノイズ源214が除去され、比較器227から出力される制御信号224は、直接ノイズ抑制システム403に入力される。本発明による好適実施例における装置401は、比較器227およびノイズ抑制システム403を備えている。これは、装置401の非線形プロセス、即ち、この実施例における非線形プロセスが機能的にノイズ抑制システム403によって与えられることを可能にする。ノイズ抑制システム403は、制御信号224を用い、この制御信号224がアクティブな場合、バックグラウンド・ノイズ推定値の繰り返し更新を禁止する。これについては、第5図を参照しながら以下で更に詳しく説明する。これによって、いずれの残留エコーが、ノイズ抑制システム403によって与えられるノイズ推定値を偏倚させるのも防止する。最後に、制御信号224は、ノイズ抑制システム403内の利得計算部によって用いられ、各周波数帯を、最大許容量および現残留チャネル信号対ノイズ比(SNR)の和に減衰する。この実施例では、ノイズ抑制システム403は、制御信号に基づいてユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する手段を与え、PSTNのユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する。
より具体的には、制御信号224がアクティブの場合、チャネル利得を変化させて、残留エコー信号を整形し、ノイズ推定値にスペクトル的に等価とし、次いで所定量だけ減衰する。注記すべき重要なことは、ノイズの合成(快適ノイズ源214を利用する第2図の従来技術と比較して)を伴わず、むしろ残留エコー信号を適応的に濾波し、検出不可能な程通常のノイズを抑制したバックグラウンド・ノイズに近い音響を得る。この改良された非線形処理装置は、正確なパワー・スペクトル密度を有するので、通信システム内のレート決定または音声アクティビティ検出のような、通信システムの他の機能(aspect)の改良も同様に得られる。
第5図は、本発明によるノイズ抑制システム403のブロック図を概略的に示す。好適実施例では、ノイズ抑制システム403は、上述のTIA文書IS-127の第4.1.2章に記載されているノイズ抑制システムを改良したものである。本願の第5図に示すブロックのいくつかは、Vilmurの米国特許番号第4,811,404号の図1に示されている対応するブロック図と同様の動作を有することを注記しておく。したがって、本出願人に譲渡されているVilmurの米国特許番号第4,811,404号は、本願においても使用可能である。
ノイズ抑制を開始するには、ハイ・パス・フィルタ(HPF)500によって入力信号s(n)にハイ・パス・フィルタ処理を行い、信号shp(n)を生成する。HPF500は、カットオフ周波数が120Hzの四次チェビシェフ・タイプII(fourth order Chebyshev type II)であり、当技術分野では既知である。HPF500の伝達関数は、以下のように定義される。
Figure 0004261622
ここで、分子および分母の各係数は、次のように定められる。
b={0.898025036,-3.59010601,5.38416243,-3.59010601,0.898024917}
a={1.0,-3.78284979,5.37379122,-3.39733505,0.806448996}
当業者は、いかなる数のハイ・パス・フィルタ構成でも使用可能であることを認めよう。
次に、プリエンファシス・ブロック503において、スムーズ台形ウインドウ(smoothed trapezoid window)を用いて、信号shp(n)にウィンドウ処理(window)を行う。ここで、入力フレーム(フレーム「m」)の最初のD個のサンプルd(m)は、直前のフレーム(フレーム「m−1」)の最後のD個のサンプルと重複する。図6はこの重複の様子を明確に示すものである。特に注記しない場合、全ての変数は初期値がゼロであり、例えば、d(m)=0;m≦0とする。以上の関係は、以下のように記述することができる。
d(m,n)=d(m-1,L+n);0≦n<D
ここで、mは現フレーム,nはバッファ{d(m)}に対するサンプル・インデックス,L=80はフレーム長,およびD=24はサンプルにおける重複(または遅延)である。入力バッファの残りのサンプルには、次に、以下の式にしたがってプリエンファシスが施される。
d(m,D+n)=shp(n)+ζpshp(n-1);0≦n<L
ここで、ζp=−0.8はプリエンファシス・ファクタである。この結果、入力バッファはL+D=104サンプルを収容し、その内最初のD個のサンプルは、直前のフレームからのプリエンファシスされたサンプルの重複であり、続くL個のサンプルが現フレームから入力されたものである。
次に、第5図のウインドウ処理ブロック504において、平滑化台形ウインドウ(第7図のウインドウ700によって最良に図示されている)をサンプルに適用し、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)入力信号g(n)を形成する。好適実施例では、g(n)は次のように定義される。
Figure 0004261622
ここで、M=128はDFTシーケンス長であり、他の全ての項は既に定義済みである。
第5図のチャネル・デバイダ506において、以下のように定義される離散フーリエ変換(DFT)を用いて、g(n)の周波数領域への変換を行う。
Figure 0004261622
ここで、ejωは、瞬時半径方向位置ωを有する、単位振幅の複素フェーザ(unit amplitude complex phasor)である。これは、不定形な定義であるが、複素高速フーリエ変換(FFT)の効率を改善するものである。2/Mスケール・ファクタは、M点実シーケンスの予備コンディショニングによって得られ、M/2点複素シーケンスを形成し、M/2点複素FFTを用いてこれを変換する。好適実施例では、信号G(k)は65個の特定のチャネルを備えている。この技法についての詳細は、ProakisおよびManolakisのIntroduction to Digital Signal Processing,第2版,ニューヨーク,Macmillan,1988年,第721ないし722ページに見ることができる。
次に、信号G(k)をチャネル・エネルギ推定部509に入力し、ここで、以下の式を用いて、現フレームmに対するチャネル・エネルギ推定値Ech(m)を判定する。
Figure 0004261622
ここで、Emin=0.0625は最少許容チャネル・エネルギであり、αch(m)はチャネル・エネルギ・スムージング・ファクタ(以下で定義する)であり、Nc=16は結合チャネル数であり、fL(i)およびfH(i)は低および高チャネル結合テーブルfL,fHそれぞれのi番目の要素である。好適実施例では、fL,fHは、次のように定義される。
fL={2,4,6,8,10,12,14,17,20,23,27,31,36,
42,49,56}
fH={3,5,7,9,11,13,16,19,22,26,30,35,41,
48,55,63}
チャネル・エネルギ・スムージング・ファクタαch(m)は以下のように定義することができる。
Figure 0004261622
これが意味するのは、αch(m)が最初のフレーム(m=1)に対して0の値を想定し、後続のフレーム全てについて0.45の値を想定するということである。これによって、チャネル・エネルギ推定値を、最初のフレームの未濾波のチャネル・エネルギに初期化することが可能になる。加えて、チャネル・ノイズ・エネルギ推定値(以下で定義する)は、最初のフレームのチャネル・エネルギに初期化しなければならない。即ち、
En(m,i)=max{Einit,Ech(m,i)};m=1,0≦i<Nc,
であり、ここで、Einit=16は、最少許容チャネル・ノイズ初期化エネルギである。
次に、現フレームに対するチャネル・エネルギ推定値Ech(m)を用いて、量子化チャネル信号対ノイズ比(SNR)インデックスを推定する。この推定は、第5図のチャネルSNR推定部518において行われ、以下のように決定される。
Figure 0004261622
ここで、En(m)は現チャネルのノイズ・エネルギ推定値(以下で定義する)、{σq}の値は、0ないし89までの間に制約される。本発明では、量子化されていない生のSNRの{σ}が必要であるので、先の式は以下の2段階に分割することができる。
Figure 0004261622
および
σq(i)=max{0,min{89,round{σ(i)/0.375}}},0≦i<Nc
パラメータ{σ}および{σq}は各々、第5図のチャネルSNR推定部518から出力されたものを示す。
チャネルSNR推定値{σq}を用い、音声メトリック計算部515において、以下の式を用いて音声メトリックの和を判定する。
Figure 0004261622
ここで、V(k)は90要素音声メトリック・テーブルVのk番目の値であり、以下のように定義される。
V={2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,7,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,13,13,14,15,15,16,17,17,18,19,20,20,21,22,23,24,24,25,26,27,28,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,50,50,50,50,50,50,50,50,50}
現フレームに対するチャネル・エネルギ推定値Ech(m)は、スペクトル偏差推定部510への入力としても用い、スペクトル偏差ΔE(m)を推定する。第8図を参照し、チャネル・エネルギ推定値Ech(m)を対数パワー・スペクトル推定部800に入力し、以下のように対数パワー・スペクトルを推定する。
EdB(m,i)=10log10(Ech(m,i));0≦i<Nc
現フレームに対するチャネル・エネルギ推定値Ech(m)は、全チャネル・エネルギ推定部803にも入力され、以下の式にしたがって、現フレームmに対する全チャネル・エネルギ推定値Etot(m)を判定する。
Figure 0004261622
次に、以下の式を用いて、指数ウインドウ処理ファクタα(m)(全チャネル・エネルギ推定値Etot(m)の関数として)を、指数ウインドウ処理ファクタ判定部806において判定する。
Figure 0004261622
これは以下の式によってαHおよびαL間に制限される。
α(m)=max{αL,min{αH,α(m)}}
ここで、EH,ELは、Etot(m)の線形補間のエネルギ終点(単位はデシベル、即ち、「dB」)であり、Etot(m)はα(m)に変換される。α(m)は、αL≦α(m)≦αHという制限を有する。これらの定数の値は、EH=50,EL=30,αH=0.99,αL=0.50として定義される。この場合、例えば、40dBの相対エネルギを有する信号は、上述の計算を用い、指数ウインドウ処理ファクタα(m)=0.745を用いることになる。
次に、スペクトル偏差推定部809においてスペクトル偏差ΔE(m)を推定する。スペクトル偏差ΔE(m)は、現パワー・スペクトルおよび平均長期パワー・スペクトル推定値の差であり、以下の式で表される。
Figure 0004261622
ここで、EdB(m)は平均長期パワー・スペクトル推定値であり、以下の式を用いて長期スペクトル・エネルギ推定部812において判定する。
EdB(m+1,i)=α(m)EdB(m,i)+(1-α(m))Edb(m,i);0≦i<Nc
ここで、変数は全て既に定義してある。EdB(m)の初期値は、フレーム1の推定対数パワー・スペクトルとなるように定義する。即ち、
dB(m)=EdB(m);m=1
となる。
次に、条件付けブロック528において制御信号224を処理し、条件付き制御信号526を発生する。この条件付けは、制御信号224のサンプリング・レートを、ノイズ抑制システム403のブロック・サンプリング・レートに適応させるために必要である。条件付けブロック528において使用される疑似コードを以下に示す。
Figure 0004261622
これによって、制御信号224がサンブルiに対してインアクティブな場合、ブロック全体のLサンプルに対して条件付き制御信号526がインアクティブとなることを保証する。
この時点において、音声メトリックV(m)の和,現フレームの全チャネル・エネルギ推定値Etot(m)およびスペクトル偏差ΔE(m)は、更新判定推定器512に入力され、条件付き制御信号526と同様、本発明による非線形処理を容易にする。条件付き制御信号526は、更新判定推定器512によって用いられ、更新フラグ(update_flag)を禁止し、バックグラウンド・ノイズの推定/更新を妨げる。以下に疑似コードで示し、第9図にフロー・チャート形態で示す決定ロジックは、どのようにしてノイズ推定の更新判定を究極的に行うのかを示す。このプロセスはステップ900において開始し、ステップ903に進み、更新フラグ(update_flag)をクリアする。次に、ステップ904において、音声メトリックv(m)の和が更新スレシホルド(UPDATE_THLD)未満か否かについてチェックを行うことによって、Vilmurの更新ロジック(VMSUMのみ)を実施する。音声メトリックの和が更新スレシホルド未満である場合、ステップ905において更新カウンタ(update-cnt)をクリアし、ステップ906において更新フラグをセットする。ステップ903ないし906に対する疑似コードを以下に示す。
Figure 0004261622
ステップ904において音声メトリックの和が更新スレシホルドよりも大きい場合、ノイズ抑制を実行する。まず、ステップ907において、現フレームmに対する全チャネル・エネルギ推定値Etot(m)を、デシベル単位のノイズ基準値(NOISE_FL00R_DB)と比較し、一方スペクトル偏差ΔE(m)を偏差スレシホルド(DEV_THLD)と比較する。全チャネル・エネルギ推定値がノイズ基準値よりも大きく、スペクトル偏差が偏差スレシホルドよりも小さい場合、ステップ908において更新カウンタを増分する。更新カウンタを増分した後、ステップ909において検査を実行し、更新カウンタが更新カウンタ・スレシホルド(UPDATE_CNT_THLD)以上か否かについて判定を行う。ステップ909における検査の結果が真である場合、ステップ906において更新フラグをセットする。ステップ907ないし909および906に対する疑似コードを以下に示す。
Figure 0004261622
第9図からわかるように、ステップ907,909のいずれもが偽である場合、またはステップ906において更新フラグをセットした後、更新カウンタの長期「クリーピング(creeping)」を防止するロジックを実施する。このヒステリシス・ロジックを実施することにより、最少スペクトル偏差が長期間にわたって蓄積し、無効な更新の強制が行われるのを防止する。プロセスはステップ910において開始し、検査を行って、更新カウンタが、最後のNフレーム(HYSTER_CNT_THLD)に対して、最終更新カウンタ値(last_update_cnt)に等しくなっているか否かについて判定を行う。好適実施例では、6つのフレームをスレシホルドとして用いるが、いずれの数のフレームを使用してもよい。ステップ910における検査で真であった場合、ステップ911において更新カウンタをクリアし、ステップ912においてこのプロセスは次のフレームに移る。ステップ910における検査で偽であった場合、プロセスは直接ステップ912において次のフレームに移る。ステップ910ないし912に対する疑似コードを以下に示す。
Figure 0004261622
好適実施例では、先に用いた定数の値は、次の通りである。
UPDATE_THLD=35
NOISE_FL00R_DB=10log10(1)
DEV_THLD=28
UPDATE_CNT_HOLD=50および
HYSTER_CNT_THLD=6
ステップ906における更新フラグを所与のフレームに設定したときはいつでも、次のフレームに対するチャネル・ノイズ推定値が更新される。チャネル・ノイズ推定値は、以下の式を用いて、スムージング・フィルタ524において更新される。
En(m+1,i)=max{Emin,αnEn(m,i)+(1-αn)Ech(m,i)};0≦i<Nc
ここで、Emin=0.0625は最少許容チャネル・エネルギであり、αn=0.9はスムージング・フィルタ524に局所的に格納されているチャネル・ノイズ・スムージング・ファクタである。更新されたチャネル・ノイズ推定値は、エネルギ推定値記憶部525に格納され、エネルギ推定値記憶部525の出力は、更新チャネル・ノイズ推定値En(m)となる。更新チャネル・ノイズ推定値En(m)は、上述のように、チャネルSNR推定部518への入力として、そして以下で説明する利得計算部533への入力としても用いられる。
次に、ノイズ抑制システム403は、チャネルSNR変更を行うべきか否かについて判定を行う。この判定は、チャネルSNR変更部527において行われ、SNR変更部527は、インデックス・スレシホルドを超過したチャネルSNRインデックス値を有するチャネルの数をカウントする。変更プロセス自体の間、チャネルSNR変更部527は、セットバック・スレシホルド(SETBACK_THLD)未満のSNRインデックスを有する特定のチャネルのSNRを低下させるか、あるいは音声メトリックの和がメトリック・スレシホルド(METRIC_THLD)未満の場合、全てのチャネルのSNRを低下させる。チャネルSNR変更部527において行われるチャネルSNR変更プロセスの疑似コード表現を以下に与える。
Figure 0004261622
この時点において、チャネルSNRインデックス{σ’q}は、SNRスレシホルド・ブロック530内のSNRスレシホルドに制限される。定数σthは、SNRスレシホルド・ブロック530内に局所的に格納される。SNRスレシホルド・ブロック530内で行われるプロセスの疑似コード表現を以下に与える。
Figure 0004261622
好適実施例では、先の定数およびスレシホルドは次のように与えられる。
NM=5
INDEX_THLD=12
INDEX_CNT_THLD=5
METRIC_THLD=45
SETBACK_THLD=12および
σth=6
この時点において、チャネルSNR推定部518からの制限されたSNRインデックス{σ’’q}および量子化されていないチャネルSNR{σ}を利得計算部533に入力し、チャネル利得を決定する。最初に、以下の式を用いて全体利得ファクタを決定する。
Figure 0004261622
ここで、γmin=−13は最少全体利得,Efloorはノイズ基準エネルギ,およびEn(m)は直前のフレームの間に計算された推定ノイズ・スペクトルである。好適実施例では、定数γminおよびEfloorは利得計算部533内に局所的に格納される。{σ’’q}または{σ}のどちらを用いるかについては、同様に利得計算部533に入力される条件付き制御信号526のステータスに基づいて、利得計算部533において決定される。次に、条件付き制御信号526がアクティブの場合には、以下の式を用いてチャネル利得(単位はdB)を決定し、
γdB(i)=γn−σ(i)0≦i<Nc
また、条件付き制御信号526がインアクティブの場合には、以下の式を用いる。
γdB(i)=μg(σ’’q(i)−σth)+γn
0≦i<Nc
変数μg=0.39は、利得傾斜(これも、利得計算部533に局所的に格納される)である。次に、以下の式を用いて線形チャネル利得を変換する。
γch(i)=min{1,10γdB(i)/20},0≦i<Nc
この時点において、以下の基準にしたがって、先に決定したチャネル利得を変換入力信号G(k)に適用し、チャネル利得変更部539から出力信号H(k)を生成する。
Figure 0004261622
この式における「その他の場合」という条件は、kの間隔が0≦k≦M/2であることを想定している。更に、H(k)が偶対称性であり、以下の条件も強要される。
H(M-k)=H*(k);0<k<M/2
ここで、*は複素共役を示す。次に、逆DFTを用いることによって、チャネル・コンパイナ542において信号H(k)を時間領域に(再)変換する。
Figure 0004261622
更に、周波数領域濾波プロセスを完了し、以下の基準によって重複および加算を適用することによって、出力信号h’(n)を生成する。
Figure 0004261622
ディエンファシス・ブロック545によって、信号h’(n)に信号ディエンファシスを適用し、本発明によるノイズ抑制された信号s’(n)を生成する。
s’(n)=h’(n)+ζds’(n-1);0≦L<L
ここで、ζd=0.8は、ディエンファシス・ブロック545内に局所的に格納されているディエンファシス・ファクタである。
第10図は、本発明にしたがって改良された非線形処理を実施することによって得られたエネルギ対時間のグラフを概略的に示す。第4図および第10図を全体的に参照すると、時間間隔1006,1009において、比較器227の入力における差が大きく、ノイズ抑制システム403に入力される制御信号224はアクティブである。間隔1012の間、ノイズ抑制システム403に入力される比較器227の入力における差は小さく、制御信号224はインアクティブである。しかしながら、第3図における信号エネルギ302とは異なり、第10図の信号エネルギ1003は、本発明により一定となっている。これは、従来技術の第2図に示した快適ノイズ発生器214を除去し、ノイズ抑制システム403へのエネルギ信号1003入力(第4図の点「C」)がPSTN103からほぼ「同量」のノイズから成るからという事実によるものである。更に、ノイズ抑制システム403に入力される制御信号224がアクティブの場合、ノイズ抑制システム403は、バックグラウンド・ノイズおよび音声信号間の判別を行う負担から解放される。したがって、この実施例における制御信号224がアクティブである場合、同様にノイズ抑制システム403に入力される(エコー残留となる)ノイズおよび信号双方は常に減衰される。この期間中エネルギは一定であることを示したが、スペクトル特性も一定であることを繰り返し注記すべきであろう。
以上、特定実施例を参照しながら本発明について特定的に示しかつ説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において種々の変更が可能であることは、当業者には理解されよう。例えば、エコー・キャンセラ400内に示す、本発明による装置401は、物理的にエコー・キャンセラと分離することも可能である。加えて、本発明による装置401は通信システムのネットワーク側に実施するものとして説明したが、装置401は同様にシステムの移動側にも実施可能である。例えば、本発明による装置401を移動局115に実施した場合、第4図に要求される変更は、PSTN103およびMSC106の除去、ならびにブロック221に示した伝達関数H(z)に実施されるモデルの変化のみである。
その結果得られる第11図のブロック図は、本発明にしたがって移動局115に実施された装置401を示す。第11図に示すように、エコー・キャンセラ400から出力される信号は、移動局115のスピーカ1103に供給され、一方エコー・キャンセラ400に入力される信号は、移動局115のマイクロフォン1106から発生する。ブロック1109内の伝達関数H(z)は、移動局115の厳しい環境をより正確に表す音響モデルに基づいた伝達関数である。通信システムのネットワーク側に実施したものとして先に説明した装置401の動作は、不変のままである。この実施例では、ノイズ抑制システム403は、制御信号に基づいてユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する手段を備え、移動局のユーザのバックグラウンド・ノイズをモデル化する。

Claims (4)

  1. 音声信号を受信して、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を生成するエコー・キャンセラを含む通信システムにおける非線形処理装置であって:
    前記エコー・キャンセラ基準信号と前記エコー・キャンセラ残留信号比較ノイズ抑制システム(403)を制御するための制御信号(224)を生成する手段と、
    前記ノイズ抑制システム(403)であって、
    前記制御信号(224)に従って前記エコー・キャンセラ残留信号を用いて前記音声信号に含まれるバックグラウンド・ノイズを推定する手段と、
    前記制御信号(224)が第1の状態にある時に前記バックグラウンド・ノイズの推定値を更新しつつ、前記エコー・キャンセラ残留信号をスペクトル的に整形して、前記バックグラウンド・ノイズの推定値と実質的に等価な信号を生成する手段と、
    前記制御信号(224)が第2の状態にある時に前記制御信号(224)に応答して前記バックグラウンド・ノイズの推定値の更新を禁止する手段とを含む前記ノイズ抑制システム(403)と
    を備えることを特徴とする装置。
  2. ックグラウンド・ノイズの推定値と実質的に等価な信号を生成する前記手段は、前記バックグラウンド・ノイズの推定値と実質的に等価な信号を生成するために用いられ、前記エコー・キャンセラ残留信号を濾波する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記装置は、前記エコー・キャンセラから物理的に離れているか、または、前記エコー・キャンセラと共に配置されることを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 音声信号を受信して、エコー・キャンセラ基準信号およびエコー・キャンセラ残留信号を生成するエコー・キャンセラを含む通信システムにおける非線形処理方法であって:
    エコー・キャンセラ基準信号エコー・キャンセラ残留信号を比較し非線形処理を制御するための制御信号(224)を生成する段階と、
    前記制御信号(224)に従って前記エコー・キャンセラ残留信号を用いて前記音声信号に含まれるバックグラウンド・ノイズを推定する段階と、
    前記制御信号(224)が第1の状態にある時に前記バックグラウンド・ノイズの推定値を更新しつつ、前記エコー・キャンセラ残留信号をスペクトル的に整形して、前記バックグラウンド・ノイズの推定値と実質的に等価な信号を生成する段階と、
    前記制御信号(224)が第2の状態にある時に前記制御信号(224)に応答して前記バックグラウンド・ノイズ推定値の更新を禁止する段階と
    を備えることを特徴とする方法。
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