JP4261594B2 - 画像形成装置用の導電性部材、その製造方法、及び、それを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
即ち、導電性充填剤の各粒子の分散状態により、電子の移動に伴う電流の流れ方が左右されるため、粒子の分散状態にバラツキがあると、抵抗値の制御が困難となり、ローラやベルトの製品面内での抵抗値のバラツキが大きくなりやすい。粒子の2次凝集がある場合はさらにバラツキが大きくなる。また、カーボンブラックを用いるとベルトが黒色となり、トナー等によるベルトの汚れを目視しにくくなる。
例えば、特開平10−169641号では、基材である高分子材料に第4級アンモニウム塩を添加し、使用環境を考慮しながら、連続通電時の抵抗値を規定した半導電性高分子弾性部材が提案されている。
このように、導電性部材においては、連続通電時の抵抗値の上昇を低減するだけでなく、電気抵抗の環境依存性や、配合する塩等の感光体への移行汚染の問題も考慮する必要がある。
しかしながら、上記特開2002−304064号公報等の従来の公報に記載された一般的なイオン導電によるベルトでは体積抵抗率の環境依存性が大きくなったり、連続通電時の抵抗率の上昇が大きくなったりする場合があるという問題がある。この場合、転写電圧のコントロールが困難となり画像形成装置の機構が複雑になったり、より大きな電源が必要となり、消費電力が大きくなったりしてコストが上昇してしまう等の問題がある。
しかしながら、上記ハロゲン系の難燃剤を添加した場合には、使用後の廃棄時にベルトが高温下にさらされると、ダイオキシン等の有毒ガスが発生することも考えられる。また、上記リン酸エステル系の難燃剤を添加した場合には、ベルトが高温下で長期間使用されると、時間の経過とともにベルト内部から、かかる難燃剤がベルト表面にしみ出して感光体などを汚染することがある。
上記導電層は、連続相と1相の非連続相との2相からなり、該連続相と非連続相とが海−島構造を呈し、
上記連続相はポリエステル系熱可塑性エラストマー、上記非連続相はポリエーテルブロックを有する共重合体とし、
前記非連続相に陽イオンと陰イオンに解離可能なフルオロ基、スルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を偏在させ、該非連続相を構成するポリマーは上記連続相を構成するポリマーよりも上記陽イオンと陰イオンに解離可能な塩との親和性を高くし、
上記陰イオンを備えた塩はプロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DME)系混合溶媒(体積分率1/2)中、25℃で0.1mol/リットルの塩濃度で測定した導電率が2.3mS/cm以上であり、かつ、
上記非連続相を構成するポリマーの体積抵抗率をρv1、上記連続相を構成するポリマーの体積抵抗率をρv2とすると、0.2≦log10ρv2−log10ρv1≦5とし、 印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が104〜1012[Ω・cm]である上記ポリマー組成物から形成していることを特徴とする画像形成装置用の導電性部材を提供している。
特に、本発明では、イオンの解離度が高く高電導度を発揮する塩を用い、かつ、電界をかけ続けても上記塩を系外に移行させにくくしたため、塩が表面に析出したり、抵抗値を大きく上昇させずに、導電性に優れた塩の少量の配合で優れた導電性を得ることができる。よって、圧縮永久ひずみや硬度等の他の物性に及ぼす影響も極力低減することができ、複写機やプリンタ等の画像形成装置用の導電性ローラや導電性ベルトからなる導電性部材として非常に有用である。
この場合、これらの条件に加えて上記各相のポリマーの塩との親和性は非連続相>連続相>第2非連続相とし、各相の電気抵抗値(体積抵抗率)は非連続相<連続相<第2非連続相としていることが好ましい。
各相のポリマーの塩との親和性は、塩を含んでいない状態での各相のポリマーの体積抵抗率(後述のρV1、ρV2、ρV3)や塩を含んだ状態での各相のポリマーの体積抵抗率から評価することが出来る。これらの抵抗率が低い程、ポリマーと塩との親和性が高いといえる。
上記構成とすることにより、導電性をあまり大きく損なうことなく、解離可能な塩を偏在させる非連続相の割合を抑えることができる。その結果、解離可能な塩の配合量を少なくしても組成物全体として低い体積抵抗率を維持することができる。
第2非連続相を設ける場合、上記非連続相で第2非連続相を取り囲むように存在させることが好ましい。また、非連続相、第2非連続相、および連続相が各々2種以上のポリマーから形成されていても構わないし、各々が、さらに細かいいくつかの相に分かれていても、本発明の趣旨と効用が満たされていれば構わない。
上記値が0.2より小さいと連続相に解離可能な塩が移行しやすくなるためである。一方、上記値が5より大きいと全体として低抵抗を実現しにくくなる上、均一な組成物を得ることが難しくなり、ローラであれば周むら等が大きくなってしまうためである。なお、1つの相を構成するポリマーが2種類以上のポリマーのブレンドとしている場合は、そのブレンドされたポリマーの体積抵抗率とする。また、ここでの体積抵抗率は、塩を含んでいないポリマーのみの体積抵抗率である。尚、log10ρV2−log10ρV1は0.5以上4以下であればより好ましく、1以上3以下であれば更に好ましい。
非連続相を構成するポリマーの配合比率が、上記範囲より少ないと、非連続相の体積分率が低すぎるため、組成物全体の体積抵抗率、或いは該組成物から成形するローラやベルトの抵抗値を十分に下げることが出来なくなる。一方、連続相を構成するポリマーの配合比率が上記範囲より少ないと、動的架橋等の手法を用いても、連続相として存在し得なくなる。
上記重量比は、さらに好ましくは(10:90)〜(60:40)、より好ましくは(20:80)〜(45:55)が良い。
また、本発明では、解離可能な塩の配合量を固定したまま、連続相と非連続相の比率を変えることによっても、電気抵抗値の制御がある程度可能である。なお、動的架橋を用いれば比較的分率の高い成分を非連続相にもってくることができ、非連続相を構成するポリマーの比率を高めることができる。
なお、第2非連続相を設ける場合は、上記連続相、非連続相、第2非連続相の体積分率は、連続相>第2非連続相>非連続相とすることが好ましい。
これは、0.01重量部より小さいと十分な電気抵抗の低減効果が得られないためであり、20重量部より大きいとコスト高を招く割には配合量増加による電気抵抗の低減効果の向上が得にくくなるためである。なお、より好ましくは0.2重量部以上10重量部以下、さらに好ましくは0.4重量部以上6重量部以下である。
このような範囲の塩としては、CF3SO3Li{:2.3mS/cm}、C4F9SO3Li{:2.3mS/cm}、(CF3SO2)2NLi{:4.0mS/cm}、(C2F5SO2)2NLi{:3.8mS/cm}、(C4F9SO2)(CF3SO2)NLi{:3.5mS/cm}、(FSO2C6F4)(CF3SO2)NLi{:3.0mS/cm}、(C8F17SO2)(CF3SO2)NLi{:3.2mS/cm}、(CF3CH2OSO2)2NLi{:3.0mS/cm}、(CF3CF2CH2OSO2)2NLi{:3.0mS/cm}、(HCF2CF2CH2OSO2)2NLi{:2.9mS/cm}、((CF3)2CHOSO2)2NLi{:3.1mS/cm}、(CF3SO2)3CLi{:3.6mS/cm}、(CF3CH2OSO2)3CLi{:2.9mS/cm}、LiPF6{:4.4mS/cm}等がある。尚、{:}内は上記導電率の値である。
上記した様な導電率の高い塩を用いると、文字通り少量の添加で非常に低い電気抵抗値を得ることが出来好ましいが、他方で、この様な塩を用いた場合が、特に本発明の効果を著しく発揮出来る場合といえる。なぜならば、かかる導電率の高い塩は、系内を移動しやすく、本発明を用いなかった場合、連続使用時の抵抗上昇が、導電率の低い塩に比べて著しく大きくなりやすいためである。
上記第4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩は置換されるアルキル基等の官能基をかえることにより、誘電率、静電容量等の変更もでき、例えば、静電容量を小さくすること等ができる。
これにより体積抵抗率等の環境依存性を良好とすることができ、解離度が非常に大きい点や、EO−PO−AGE共重合体やエピクロルヒドリンゴム等の非連続相を構成するポリマーとの相容性が高い点からも好ましい。また、上記塩のうち、とりわけ、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンからなる塩を用いると、体積抵抗率等の環境依存性を非常に小さく出来る。
である。この点からも、製造コストを減じたり、安全性を確保したりでき、非常に優れている。
上記した媒体を介さずに、解離可能な塩を配合する方法は、公知の手法を用いることが出来る。例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー等でドライブレンドを行った後、解離可能な塩とポリマーを含むブレンド物を、単軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混合を行う等の方法を用いることが出来る。この他、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのポリマー系で、解離可能な塩を高温で配合する場合、ポリマーの劣化を防ぐ等の目的で、必要に応じて、窒素などの不活性ガス雰囲気下で配合(混合)を行うことも出来る。
さらに、系全体の室温付近での粘弾性の温度依存性を小さくして、電気抵抗値の環境依存性を小さくするために、連続相に用いるポリマーだけでなく、第2非連続相に用いるポリマーもよりTgの低いものが好ましい。これは、非連続相に用いるポリマーについても同様である。尚、これらのポリマーのTgとしては−40℃以下であることが好ましく、さらには−50℃以下であるとより好ましい。非連続相あるいは、第2非連続相に用いるポリマーのTgの下限についても、連続相を構成するポリマーの場合と同様に、低ければ低い程よいが、実際には、−120℃以上、あるいは、−100℃以上、あるいは、−80℃以上程度となる。
有機含硫黄化合物としては、例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。過酸化物としてはジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド等を挙げることができる。なお、これらのうち、加硫とともに発泡を行う場合には、加硫速度と発泡速度のバランスが良くなる点から硫黄を用いるのが好ましい。加硫剤の添加量は、ポリマー成分100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下、好ましくは1重量部以上3重量部以下がよい。
有機促進剤としては、2−メルカプト・ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系、チオウレア系等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、加硫促進剤は、ポリマー成分100重量部に対して、1重量部以上5重量部以下、さらには2重量部以上4重量部以下が好ましい。
柔軟性等の付与のためポリマー成分100重量部に対して、化学発泡剤を3重量部以上12重量部以下の割合で配合しても良い。その他、オイル等の軟化剤、老化防止剤等を配合しても良い。
また、機械的強度を向上させる等の目的のために、電気特性や他の物性を損なわない範囲で必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の粉体を挙げることができる。充填剤はポリマー100重量部に対し5重量部以上60重量部以下とするのが良い。
具体的には、ポリマーとして塩素・臭素を含まない材料を用いると共に、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウムあるいは、過塩素酸第4級アンモニウム塩等の塩素・臭素を含む塩を用いず、組成物全体として非塩素、非臭素系の組成物とすることで、導電性ローラのシャフト等の金属表面を腐食したり、発錆させたりあるいは汚染したりする恐れがなくなる。さらに、使用後の焼却処理等も非常に行いやすく、環境に優しい組成物とすることができる。
該導電性ローラや導電性ベルトからなる導電性部材は、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩と、該陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を偏在させる非連続相を構成するポリマーとを混練あるいは均一に混合した後に、該混練物あるいは該混合物に連続相を構成するポリマー等を加えて再度混練して得られた導電性ポリマー組成物を作製し、
上記導電性ポリマー組成物を加熱成形することで導電層を備えた導電性ローラあるいは導電性ベルトからなる導電性部材を製造している。
このように、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を所望のポリマー中に偏在させ、かつ陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を偏在させたポリマーを非連続相とした導電性ポリマー組成物を、押出成形等によりローラ状、ベルト状等の所望の形状に成形することで、良好な導電性を示す導電層を備えた導電性部材を容易に製造することができる。
第2非連続相を構成するポリマーを加える場合、連続相を構成するポリマーと同時に加 えればよい。
一方、導電性ベルトとする場合には、同様に23℃、相対湿度55%の環境下で厚みが0.25mmのサンプルに対し、1000Vの定電圧を5時間連続で印加した場合の体積抵抗率ρV[Ω・cm]を測定し、体積抵抗率の上昇量Δlog10ρV=log10ρV(t=5hr.)−log10ρV(t=0hr.)の値を0.5以下としていることが好ましい。0.5よりも大きくなると、導電性ローラと同様の問題を生じる。尚、かかる上昇量の下限については、導電性ローラの場合と同様、小さければ小さい程良いが、測定精度や現在の配合技術の水準から考えると、0.01以上、あるいは、0.1以上、あるいは、0.3以上程度となる。
これは、上記ローラ抵抗値あるいはベルト体積抵抗率の環境依存性の指標値が1.7より大きいと導電性部材の使用環境の変化による抵抗値の変化が大きいため、より大きな電源を必要とし、画像形成装置の消費電力や製品コストが上昇したりするためである。
特に、導電性ローラの場合は上記抵抗値の環境依存性の指標値は1.4以下、さらには好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下が良い。かかる指標値は小さければ小さい程良いが、測定精度や現在の技術水準から考えると、0.1以上、あるいは、0.5以上あるいは、0.8以上程度となる。
また、導電性ベルトの場合は上記抵抗値の環境依存性の指標値は1.6以下が良く、小さければ小さい程良いが、測定精度や現在の技術水準から考えると、0.1以上、あるいは、0.5以上、あるいは、1.0以上程度となる。本発明の画像形成装置用の導電性部材は、従来のイオン導電性ゴム組成物、或いは、熱可塑性でない反応硬化型のイオン導電性ウレタン組成物等からなる部材では実現できていなかったレベルの環境依存性の低減を実現している。
上記導電性ローラは画像形成装置内で使用され、具体的には、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを感光体に付着させるための現像ローラ、トナー像を感光体等から用紙または中間転写ベルト等に転写するための転写ローラ、トナーを搬送させるためのトナー供給ローラ、転写ベルトを内側から駆動するための駆動ローラとして用いられる。
上記導電性ベルトは画像形成装置に用いられ、具体的には、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、感光体基体用ベルト等として用いられる。
転写ベルトまたは中間転写ベルトとした場合には、転写時に残ったトナーをかき取りやすくするため、トナーの着脱性を変化させるため、表面エネルギーをコントロールするため等、目的に応じ、ウレタン、アクリル、ゴムラテックス等を主ポリマーとし、フッ素系樹脂を分散させたような公知の材料を静電塗装、吹き付け塗装、ディッピング、刷毛塗り塗装等公知の方法により塗布したコーティング層を設けることが好ましい。コーティング層の厚みは1μm〜20μmが好ましい。これにより、更なるベルトの高機能化を実現することができる。
押出成形されるベルトの肉厚は50μm〜500μmとするのが良い。押出成形する際にダイリップの間隙を調整すること、また、熱可塑性組成物の吐出量とベルトの引き取り速度を調整することで可変とすることができる。
上記範囲としているのは、50μmより薄いと伸びやすくなり、例えば中間転写ベルトとして使用しカラーの画像形成装置で多色トナーを重ねて作像する際にズレが生じやすくなったりするためである。一方、500μmより厚いとベルトの曲げ剛性が高くなり、ベルトを駆動軸に懸架しにくくなくなる。また、ベルト外面の表面粗さRzは2.0μm以下、さらには1.8μm以下であることが好ましい。これにより転写効率や搬送性、トナークリーニング性を良好なものとすることができる。
上記難燃性ベルトとする場合では、導電性ポリマー組成物は、全ポリマー成分100重量部に対してポリエステル系熱可塑性エラストマーを95重量部〜50重量部とし、ポリマー組成物の全重量100重量%に対して難燃剤であるメラミンシアヌレートを15重量%〜40重量%の割合で含有すると共に、全ポリマー成分100重量部に対して下記の化学式1に記載の陰イオンを備えた塩を0.01重量部〜3重量部の割合で含有し、ポリエーテルブロックを有する共重合体を上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対して5〜50重量部の割合で含有し、体積抵抗率を106〜1012[Ω・cm]とした熱可塑性組成物を用いて成形することができる。
このように、上記難燃性ベルトは、優れた難燃性を有するため、画像形成装置において、高電圧、高温条件下でも、使用状態に制限を受けることなく使用することができ、高画質化を達成することができる。また、ベルトの抵抗調整が容易である上に、ベルト面内の抵抗値のバラツキが小さく、抵抗値の環境依存性・連続通電時の抵抗上昇も低減することができる。
例えば、中間転写ベルトとして用いた場合には、転写ズレや転写不良を発生することなく良好な転写性能を長期に亘って得ることができる。また、搬送ベルト、現像ベルト、定着ベルト、ベルト状感光体の基体ベルト等にも使用することができ、各々従来よりも良好な性能を得ることができる。
上記範囲としているのは、5重量部より少ないと連続通電時の体積抵抗率の上昇を抑えたまま十分に低い体積抵抗率を実現するのが難しくなるためである。一方、50重量部より多いとベルトとしての主成分であるポリエステル系熱可塑性エラストマーの持つ適度な弾性や優れた耐久性といった特性を損なうことになる上に成形性が悪化しやすいためである。
特に、上記化学式1に記載の陰イオンを備えた塩と併用しているため、抵抗値の調整が容易となる上に、ベルトの電気抵抗値の面内ムラがなくなり、かつ環境依存性も低減できると共に、良好な押出肌を保ちながら効率良く抵抗値を低減することができる。
このように、ある程度Tgが低い領域であると、ベルト使用温度領域での弾性率変化の温度依存性が小さく、それによって体積抵抗率の環境依存性を小さくすることができる。また、一般的に本発明におけるポリエーテルブロックを有する共重合体のTgは量産化されていて入手しやすい等の条件を考慮すると−80℃以上程度である。
なお、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのガラス転移温度Tgも−40℃以下であることが好ましい。
即ち、ポリエチレンオキサイドブロックナイロン12共重合体とナイロン12のブレンド物、ポリエチレンオキサイドブロックナイロン6共重合体とナイロン6のブレンド物等が効果的に体積抵抗率を低減できるので好ましい。
さらには、メラミンシアヌレートは窒素系の難燃剤であり、燃焼熱で熱分解し、窒素系のガスで酸素を置換し燃焼を妨げる働きをするものであるため、ハロゲンに起因する有毒ガス等の発生の心配もなく、環境への影響が小さいベルトを得ることができる。
なお、潤滑剤等を添加することにより、さらに成形性を向上することができる。従って、厚み方向には適度な柔軟性を有する一方、長さ方向には伸びにくく、しかも、振動性にも優れた難燃性シームレスベルトを得ることができる。ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、全ポリマー成分の60重量%以上、さらには65重量%以上とするのが良い。
ポリエーテルのエーテル結合付近やポリエステルのエステル結合付近に陽イオンが捕捉されたような形で取り込まれるため、塩が系外に染み出しにくく、良好な導電性を発現することができる。また、ポリエーテルポリエステル系では、ソフトセグメントであるこの分子鎖は、低温低湿状態と高温高湿状態との間で弾性率の変化が小さく安定しているため、抵抗値の環境依存性がより小さくなる。
上記化学式1に記載の陰イオンを備えた塩を使用すると、微量の添加によりベルトの抵抗値を低下させる効果に優れるが、上記範囲より少ないと抵抗値の調整等が困難なためである。一方、上記範囲より多く含有しても電気抵抗値の低減効果がほぼ飽和状態となり、さらなる電気抵抗の低下が難しくなったり、ベルト使用時に電界がかかったり、感光体と接触したりすることで塩が染み出しを起こしたりするためである。また、ベルトの押出成形時に金型のダイリップ及びサイジング用型に粘着しやすくなり、成形が困難になるためである。
上記関係を満たしていれば、連続的に電圧を印加した場合でも、体積抵抗率が上昇することがなく、電気特性に非常に優れた難燃性ベルトとすることができる。ρV(t=5hr.)とρV(t=0hr.)とは同じとなっても良く、(log10ρV(t=5hr.)−log10ρV(t=0hr.))の値は0.5より小さければ小さい程良い。測定精度や現在の技術水準から考えると(log10ρV(t=5hr.)−log10ρV(t=0hr.))の値の下限は0.01以上、あるいは、0.1以上、あるいは、0.3以上程度となる。
上記導電性マスターバッチと難燃剤、上記熱可塑性組成物とを混練し、押出成形することで、上記塩はポリエーテルブロックを有する共重合体と共に均一に分散され、抵抗値のバラツキが少ない上に、適度な弾性と難燃性を有するシームレスベルトを容易に得ることができる。
押出機で溶融された熱可塑性組成物を環状ダイスに導き、ダイリップより押し出して、溶融状態のままダイリップ下流に設けたサイジング用型に接触冷却硬化させてベルト形状に成形することができる。サイジングされた連続円筒状成形品が、さらに下流に設けられたカット装置でカットされ、所定の幅のベルトを得ることができる。押出機での溶融温度は200℃〜270℃、好ましくは200℃〜250℃、さらに好ましくは220℃〜240℃がよい。具体的には、導電性マスターバッチと難燃性マスターバッチとポリエステル系熱可塑性エラストマーとをドライブレンドし、2軸押出機で混練してベルト用材料とする。その後、ストランドを引き、ペレット化し、乾燥する。このペレットを単軸押出機のホッパーに投入して、押出成形する。このように押出成形により成形することで、例えば、φ168mm、肉厚250μm、幅400mmのような大径薄肉のベルトでも容易に成形することができる。
また、メラミンシアヌレートは窒素系の難燃剤であるため、ハロゲンに起因する有毒ガス等の発生の心配もなく、環境への影響が小さいベルトを得ることができる。さらに、メラミンシアヌレートは体質顔料としても作用するため、ベルトの着色を自由にすることができる。特に、添加剤等を調整することにより、白色のベルトを得ることができるため、中間転写ベルトとして好適に用いることができる。
図1は本発明の画像形成装置用の導電性部材からなる第1実施形態及び第1参考実施形 態の導電性ローラ10を示す。該導電性ローラ10は、導電性を有する円柱状の金属製の芯金12と、芯金12の表面側に上記導電層11を備え、円筒状の導電層11の中空部に芯金12を圧入して取り付けている。
また、図3で示すように、体積分率は、連続相1>第2非連続相3>第1非連続相2となっている。
上記第1実施形態、第1参考実施形態のイオン導電性ポリマー組成物には、全ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部の陽イオンと陰イオンとに解離可能な塩を添加しており、上記第1非連続相2に上記塩を優先的に分配して偏在させ、第2非連続相3及び連続相1には殆ど塩を添加しない。
上記第1、第2非連続相2、3を構成するポリマーと連続相1を構成するポリマーとの重量比は37:63としている。
なお、本実施形態及び参考実施形態では陽イオンと陰イオンに解離可能な塩として、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いているが、その他カリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン等を用いてもよい。
まず、解離可能な塩とEO−PO−AGE共重合体とを混練機を用いて60℃、3分混練し、ここで得られた混練物に、低ニトリルNBR、第1参考実施形態の場合はEPDM、その他各種配合剤を配合し、再度、60℃、4分オープンロール、密閉式混練機等で混練し導電性ポリマー組成物を作製する。
なお、解離可能な塩とEO−PO−AGE共重合体との混合は混練機を用いずに、ヘンシェルミキサーやタンブラー等の混合機を用いて均一に混合するだけでも良い。
加硫条件はキュラストメーター等により測定し、95%トルク上昇時間t95[分]程度を目安に適宜調整している。
なお、感光体汚染と圧縮永久歪みを低減させるため、なるべく充分な加硫量を得られるように条件を設定した方が望ましい。
なお、発泡剤を配合し、発泡倍率が100%以上500%以下であり、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が60度以下の発泡層を有する発泡ローラとすることもできる。
参考実施例11〜13、参考実施例1〜8、比較例1〜10については、表1〜表4に記載の各配合材料を上記実施形態と同様の方法により混練、押出、加硫、成形加工、研磨して導電性ローラを作製した。ヒューレットパッカード社製Laser Jet4050型レーザービームプリンタ搭載の転写ローラ用の導電性ローラとした。
また、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)の示差走査熱量計DSC2910を用いて、−100℃から100℃まで、10℃/minで昇温しながら測定することにより求めた、各実施例・参考実施例・比較例で使用しているポリマーのガラス転移温度(Tg〔℃〕)もあわせて表中に示す。
非連続相を構成するポリマーとして参考実施例1〜4、参考実施例12はEO−PO−AGE共重合体を用い、参考実施例11はエピクロルヒドリンゴムを用い、これに陽イオンと陰イオンに解離可能な塩である塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドあるいは塩2のリチウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンを偏在させた。連続相として低ニトリルNBRを用い、参考実施例1〜4は、他の非連続相としてEPDMを用いた。参考実施例2以外は発泡ローラとした。尚、塩2のPC/DME系混合溶媒(体積分率1/2)中25℃で0.1mol/リットルの塩濃度で測定した導電率は3.6mS/cmである。
エピクロルヒドリンゴム50phr分とNBR、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト、亜鉛華、ステアリン酸を混入し、120℃に予熱した密閉式混練機で混練した。混練しながら予め作製したエピクロルヒドリンゴム(10phr分)のチオウレア架橋剤(加硫剤2)マスターバッチ、及びチオウレア架橋剤用の加硫促進剤(加硫促進剤3)を入れ動的架橋した。練りトルクのチャートを見ながら架橋が進み、トルクピーク付近で混練を一旦完了した。続いて50℃まで冷却し、混練機により、硫黄、加硫促進剤1、加硫促進剤2を混入し、動的架橋組成物を得た。これを、参考実施例11、12、参考実施例1〜4と同様に、チューブ状に押し出して予備成形し、そのチューブを裁断したものを160℃で10〜70分加硫して導電層を得た。
参考実施例5〜8は、非連続相を構成するポリマーとして、EO−PO−AGE共重合体を用い、これに陽イオンと陰イオンに解離可能な塩である塩3〜塩6をそれぞれ偏在させた。塩3はカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、塩4はヘキシルトリメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、塩5は1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(略して、EMI−TFSI)、塩6は1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレート(略して、EMI−BF4)である。
その他については、参考実施例2と同様とし、また、ソリッドのローラとした。
塩4は陽イオンが化学式2で示されるトリメチルタイプ(R 1 〜R 4 の内の3つがメチル基)の第四級アンモニウム塩、塩5は化学式3で示されるイミダゾリウム塩でR5またはR6の一方がメチル基で他方がエチル基である。
比較例1は陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を用いなかった。比較例2、3は低ニトリルNBRからなる連続相とEPDMからなる非連続相の2相構造とし、連続相に陽イオンと陰イオンに解離可能な塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(塩1)を偏在させた。比較例4、5は1種のポリマーから構成される1相のみの構造とし、その1相に陽イオンと陰イオンに解離可能な塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(塩1)を配合した。比較例6は、参考実施例1〜4、実 施例2と同様にして非連続相を構成するポリマーとしてEO−PO−AGE共重合体を用い、これに陽イオンと陰イオンに解離可能な塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(塩1)を偏在させたが、連続相には体積抵抗率が高く塩との親和性が小さいEPDMを用いた。比較例1、2は発泡ローラとした。
比較例7〜10は、低ニトリルNBRからなる連続相とEPDMからなる非連続相の2相構造とし、連続相に陽イオンと陰イオンに解離可能な塩である塩3のカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、塩4のヘキシルトリメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、塩5のEMI−TFSI、塩6のEMI−BF 4 をそれぞれ偏在させた。
塩2のリチウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンは、米国特許第5554664号、特開2000−219692号、特開2000−226392号等の従来公知の方法により合成したものを用いた。具体的には、以下の様な方法で合成した。フラスコにメチルリチウム/エーテル溶液を入れて−55℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホニルクロライドを激しく攪拌しながら滴下した後、徐々に昇温して沸騰還流下で長時間反応させた。その後室温まで放令した後、冷却しながら塩酸を加えた。次いで、晶析してくる塩化リチウムと水酸化リチウムをろ別して得たろ液をエーテルで抽出した後、飽和食塩水でさらに洗浄した。その有機層に無水硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、孔径0.2μmのメンブランフィルターにより減圧ろ過し、ろ液から減圧下で溶媒を除去後、トルエンを加えて共沸脱水を行うことにより得た結晶を乾燥した。
塩3のカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、上記塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと同様にして、上記公報に記載されるような従来公知の方法により合成したものを用いた。具体的には、森田化学工業株式会社製のものでリチウム電池およびキャパシター用フッ素化合物の1つとして販売されているものを用いた。以下、塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよび塩3のカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得る方法の一例を記載する。まず、4つ口フラスコにアセトニトリル、フッ化カリウム、トリフルオロメタンスルホニルアミド(CF3SO2NH2)を加え、40℃の湯浴に反応容器を漬け、十分に攪拌しながらトリフルオロメタンスルホニルフロリド(CF3SO2F)を導入し、反応液をろ過して、ろ液を減圧下で濃縮して、塩3のカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得た。このカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを濃硫酸を入れたフラスコに加えて加熱融解後、減圧下で蒸留することにより得られるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸(HN(SO2CF3)2)を純水に溶解し、炭酸リチウムと反応させてろ過し、ろ液を濃縮することにより、塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得た。該方法は塩1の安価で効率の良い製造方法として、特開2001−288193号に開示されている。該方法で製造することにより、塩3のカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造工程における中間物質として生成できるので、コストが安くなるという利点がある。
塩4のヘキシルトリメチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドは、光栄化学工業株式会社製のものを用いた。
塩5の1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMI−TFSI)はステラケミファ株式会社製のもの、塩6の1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレート(EMI−BF4)も、ステラケミファ株式会社製のものを用いた。
例えば、参考実施例1あるいは参考実施例2では、ZSN8030を100重量部、シースト3を9重量部、銀嶺Rを5重量部、ステアリン酸4931を1重量部、粉末硫黄を1.5重量部、ノクセラーDMを1.5重量部、ノクセラーTSを0.5重量部配合した組成物の体積抵抗率を測定した。測定時の印加電圧は100V、測定環境は23℃相対湿度55%とした。
上記の様に作製した測定用シートに対して、アドバンテストコーポレーション社製の超高抵抗微小電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下で測定した。測定方法は、JIS K6911に記載の体積抵抗率(体積固有抵抗値)の測定方法に従い、また測定時の印加電圧は100Vとした。表中にその常用対数値を表示する。また、本発明の第2実施形態である後述の導電性ベルトの実施例4〜9、比較例11〜16については、得られた導電性ベルトをそのまま用いて、ベルトの周方向4点×長手方向5点の計20点で上記と同様に測定し、log10ρV[Ω・cm]の平均値を表中に記載した。
温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、図4に示すように、芯金42を通した導電層41をφ30のアルミドラム43上に当接搭載し、電源44の+側に接続した内部抵抗r(100Ω〜10kΩ)の導線の先端をアルミドラム43の一端面に接続すると共に電源44の−側に接続した導線の先端を芯金42の一端面に接続して通電を行った。芯金42の両端部に500gずつの荷重Fをかけ、芯金42とアルミドラム43間に1000Vの電圧をかけながらアルミドラム43を回転させることで間接的に導電性ローラ40を回転させた。このとき周方向に36回抵抗測定を行い、その平均値を求めた。内部抵抗の値は、ローラの抵抗値のレベルにあわせて、測定値の有効数字が極力大きくなるように調節した。この図4の装置で、印加電圧をEとすると、ローラ抵抗値RはR=r×E/V−rとなるが、今回−rの項は微小とみなし、R=r×E/Vとし、内部抵抗rにかかる検出電圧Vよりローラ抵抗値Rを算出した。表中には、そのローラ抵抗値の平均値の常用対数値を用いて示している。
図4に示す装置を各測定環境に置き、印加電圧1000Vのもとで、10℃相対湿度15%(LL条件)あるいは32.5℃相対湿度90%(HH条件)の条件下でローラの電気抵抗値R(Ω)を測定し、Δlog10R=log10R(10℃相対湿度15%)−log10R(32.5℃相対湿度90%)の式に従い、環境依存性を算出した。なお、表中には、その常用対数値を用いて示している。この値が1.7を越えると好ましくない。
図4に示す装置を用い、温度23℃、相対湿度55%雰囲気下で、芯金の両端に500gずつの荷重Fをかけ、アルミドラムを回転数30rpmで回転させることで導電性ローラを回転させた状態で、1000Vの印加電圧をかけたとき、1周内の周むら((周方向の電気抵抗の最大値/周方向の電気抵抗の最小値)の比率)を求めた。周むらは1.0〜1.3、より好ましくは、1.0〜1.2、さらに好ましくは、1.0〜1.15であるのが良い。
〔実施例1〜3、参考実施例1〜8〕、〔比較例1〜10〕に関して。
23℃、相対湿度55%の環境下で、ローラ抵抗値[Ω]の測定時と同様の状態で、ローラに1000Vの定電圧を96時間連続印加した。このときの、電圧印加直後のローラ抵抗値R(t=0hr.)と、96時間印加後のローラ抵抗値R(t=96hr.)の値を上記と同様にして測定し、これらの値を用いて連続通電時の抵抗上昇量:Δlog10
R(t=96hr.−0hr.)〔Ω〕= log10
R(t=96hr.)−log10 R(t=0hr.)を計算した。数値は表1〜4中に示す。尚、アルミドラムの回転数が30rpm,径が30mmφのため、回転時の線速度は94mm/分となる。
上記で得られた導電性ローラを10mm幅で端面に平行にカットした試験片を用いて、JIS K6262に記載の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法に従い、測定温度70℃、測定時間22〜24時間、圧縮率25%で測定した。この圧縮永久ひずみの値が30%を越える場合は、ローラになったときの寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さなくなる可能性が高い。
参考実施例11〜13、参考実施例1〜8、比較例1〜比較例10においては、以下の方法で試験した。
ヒューレットパッカード社製のLaser Jet4050型レーザービームプリンタのカートリッジ(カートリッジタイプ C4127X)にセットされている感光体に、参考実施例・比較例の加硫ゴムスラブシートを押しつけた状態で、32.5℃,相対湿度90%の条件下で2週間保管する。その後、感光体から加硫ゴムスラブシートを除去し、当該感光体を用いて上記プリンターにてハーフトーンの印刷を行い、印刷物に汚れが出るかどうかを次の基準で調査した。
○:印刷物を目で見る限り汚染なし
△:軽度の汚染(5枚以内の刷り込みにより、目で見て判らない程度にまでとれる使用上問題ない汚染)
×:重度の汚染(5枚以上刷り込んでも、印刷物を目で見て異常が判る汚染)
尚、後述する本発明の第2実施形態である導電性ベルトに関する実施例4〜9、比較例11〜16については、得られた導電性ベルトの切片と、富士ゼロックス株式会社製のレーザービームプリンタDocuPrint 180及び、それのカートリッジ(商品コード CT350035)にセットされている感光体を用い、上記と同様にして評価した。但し、保管条件は、45℃,相対湿度80%とした。
導電性ローラについて、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータを用いて500gの荷重をかけたもとでの硬度を測定した(デュロメータE硬度)。但し、ソリッドローラについては、荷重を1000gとした。
特に、参考実施例5のように、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩としてカリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた場合は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドよりも少ない工程で得られるため、コストの低減を図ることができると共に、カリウム陽イオンはリチウム陽イオンよりやや重いことから連続通電時の抵抗上昇をより大きく低減することができた。
参考実施例6のように、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩として第4級アンモニウム塩を用いた場合は、陽イオンを重くしながら充分な導電性を得ることができるため、上記と同様に連続通電時の抵抗上昇を低減することができた。
参考実施例7のように、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩としてEMI−TFSIを用いた場合は、連続通電時の抵抗上昇を低減すると共に抵抗値の環境依存性も低減することができ、非常に優れていた。
参考実施例8のように、EMI−BF4を用いた場合にも、比較的良好な結果が得られた。
比較例2、3、7〜10は連続相に解離可能な塩が偏在されたため連続通電時の抵抗上昇が大きく不適であった。
比較例4、5は1相の系で解離可能な塩を用いたため連続通電時の抵抗上昇が大きく不適であった。
比較例6は連続相にほぼ絶縁であるEPDMを用いたため、体積固有抵抗値およびローラ抵抗値が高かった。また、EPDMとEO−PO−AGE共重合体との相容性が悪いため、周むらも非常に大きくなっている。
上記導電性ベルト13は、2個のプーリー14によって張架状態とされ、回転移動する導電性ベルト13の上側の直線状部分15に紙等のシート材16を担持して搬送し、また感光体上に作られたトナー像をシート材16に転写するものである。
第1非連続相2’にのみ陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を偏在させ、該第1非連続相2’を構成するポリマーは、連続相1’を構成するポリマーよりも、解離可能な塩との親和性が高いものとしている。
解離可能な塩と樹脂型帯電防止剤とをタンブラーを用いてドライブレンドする。該ドライブレンド物をすみやかに2軸押出機に送り込み、170〜210℃で2分間混練した後、冷却してペレット化する。ここで得られた混練物のペレットに、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのペレットを上記と同様にしてドライブレンドし、再度、2軸押出機を用いて210〜270℃で2分間混練し、冷却して導電性ポリマー組成物のペレットを作製する。この導電性ポリマー組成物のペレットを押出成形機によりベルト状に成形している。
表5〜表7に記載の各配合材料を上述した方法によりタンブラー、2軸押出機を用いて配合、混練した後に、樹脂用の押出成形機により押出して、内径168mm、平均厚み0.25mm、幅350mmの転写ベルト用の導電性ベルトを作製した。評価結果及び上記したベルトとしての各種評価を表5〜7に示す。また、前記表1〜表4中の値と同様にして測定して求めた各ポリマーのTg〔℃〕についてもあわせて表中に示す。
非連続相を構成するポリマーとして本発明で用いる様な陽イオンと陰イオンに解離可能な塩との親和性が非常に高いポリエチレンオキサイドブロックナイロン12共重合体や、ポリエーテルエステルアミド共重合体からなる樹脂型帯電防止剤を用い、これに陽イオンと陰イオンに解離可能な塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等を偏在させた。連続相としてポリエーテルからなるソフトセグメントとポリエステルからなるハードセグメントから構成されるポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いた。リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の塩の濃度がいずれも5wt%となるような上記の樹脂型帯電防止剤とのマスターバッチを作製し、それを用いた。尚、比較例12のデータ中のρV2の値や組成物の体積固有抵抗値が、それなりに低い値を示していることから、これら実施例で用いた熱可塑性エラストマー(ペルプレン)は、本発明で用いる塩とはそれなりの親和性を有することがわかる。
比較例11は、塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアジピン酸ジブトキシエトキシエチルに20wt%溶解したものを、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体ペルプレンP90BD)に配合した。このとき、このアジピン酸ジブトキシエトキシエチルに塩1が20wt%溶解したアジピン酸エステル系イオン導電付与剤を2.5重量部用い、これによって塩1の量を0.5重量部とした。
比較例12は塩1のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを低分子量のポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずにポリエステル系熱可塑性エラストマー1相中に直接分散させて用いた。
比較例13〜16は、比較例12と同様にして、それぞれ上記の塩3〜6を低分子量のポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずにポリエステル系熱可塑性エラストマー1相中に直接分散させて用いた。
導電性ベルトの実施例・比較例について、10℃相対湿度15%(LL環境)と、32.5℃相対湿度90%(HH環境)の環境下においても、上記と同様にして、100V印加時の導電性ベルトの体積抵抗率を測定した。
そして、体積抵抗率の環境依存性:Δlog10ρV(LL-HH)[Ω.cm]= log10ρV(10℃,15%rh.)−log10ρV(32.5℃,90%rh.) の式に従い、環境依存性の数値を計算し、その値を表5〜7に記載する。この値が1.7を越えると好ましくない。
〔実施例4〜9〕、〔比較例11〜16〕に関して。
23℃、相対湿度55%の環境下で、体積固有抵抗値の測定時と同様の状態で、厚み0.25mmの導電性ベルト内のある1点において、アドバンテストコーポレーション社製のデジタル超高抵抗微小電流計R−8240Aを用いて、1000Vの定電圧を5時間連続印加した。このときの、電圧印加直後のベルトの体積固有抵抗値ρV(t=0hr.)と、5時間印加後のベルトの体積固有抵抗値ρV(t=5hr.)の値を、上記と同様にして測定し、これらの値を用いて連続通電時の抵抗上昇量:Δlog10ρV(t=5−0hr.)〔Ω・cm〕 = log10ρV(t=5hr.)−log10ρV(t=0hr.)を計算した。数値は表5〜7中に示す。
導電性ベルトの面内むらの測定は、上記で説明した導電性ベルトの体積抵抗率(体積固有抵抗値)の測定において、1本のベルト内で得られた20点の体積固有抵抗値について、その最大値を最小値で除した値を計算し、それを表5〜7に記載した。これにより、実施例・比較例中のいずれのベルトも、むらがほとんどなく非常に均一であることがわかる。他方、カーボン導電のベルトでは、この値が2から10程度、大きいものでは、100程度になることもあり得る。
実施例7では、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩として、塩1の代わりに塩4を用いた以外は実施例4と同様にしたが、比較例14と比較して環境依存性、連続通電時の抵抗上昇、感光体汚染等において優れた特性をもつことがわかった。
実施例8では、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩として、塩1の代わりに塩5を用いた以外は実施例4と同様にした。実施例6と同様に、陽イオンを重くしながら十分な導電性を得ることができるため、連続通電時の抵抗上昇を低減できた。さらに、体積固有抵抗値の環境依存性を一層低減することもできた。
実施例9では、陽イオンと陰イオンに解離可能な塩として、塩1の代わりに塩6を用いた以外は実施例4と同様にした。他の実施例と比較して環境依存性等は若干劣るが、比較例16と比較すると通電上昇が小さい点で非常に優れていることがわかった。
比較例12は、連続通電時の抵抗上昇が大きく、環境依存性もやや大きかった。
比較例13〜16についても比較例12と同様に1相の系であるため、連続通電時の抵抗上昇が大きかった。また、比較例14においては、感光体汚染も生じ不適であった。
まず、ポリエーテルブロックを有する共重合体を主成分とし上述した化学式1に記載の陰イオンを備えた塩が5重量%配合された導電性マスターバッチを作製すると共に、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとメラミンシアヌレートとを同量ずつ配合された難燃性マスターバッチを作製する。ここで得られた導電性マスターバッチと、難燃性マスターバッチと、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとを所要量2軸押出機で混練し、各材料が規定量配合されたベルト成形用の熱可塑性組成物からなる材料を得る。
導電性マスターバッチの混練温度は200℃〜270℃、好ましくは200℃〜250℃、混練時間は1分〜20分が好ましく、難燃性マスターバッチの混練温度は同じく200℃〜270℃、好ましくは200℃〜250℃、混練時間は1分〜20分が好ましい。
(実施例10)
上述した化学式1に記載の陰イオンを備えた塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを、ポリエーテルブロックを有する共重合体(IrgastatP16、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:ポリエチレンオキサイドブロックナイロン12共重合体(ガラス転移温度Tgが−57℃))に5重量%の割合になるようにドライブレンドし、これを2軸押出機のホッパーに投入し、210℃設定にて混練りすることで導電性マスターバッチを得た。この時の樹脂温度実測値は230℃であった。
体積抵抗率:10の9.6乗(Ω・cm)
連続通電時の抵抗上昇:0.36
面内バラツキ:0.3
環境依存性:1.6
表面粗さ:Rz=1.1μm
画像出し:良好
難燃性:○
アドバンテストコーポレーション社製の超高抵抗微小電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下で測定した。測定方法は、JIS K 6911に記載の体積抵抗率の測定方法に従い、また測定時の印加電圧は500Vとした。
なお、連続通電時の抵抗上昇については、測定環境23℃、相対湿度55%、試料厚み250μm、印加電圧1000Vで電圧を印加したときの電圧印加直後の体積抵抗率をρV(t=0hr.)、連続5時間電圧印加後の体積抵抗率をρV(t=5hr.)とし、log10ρV(t=5hr.)−log10ρV(t=0hr.)の値を評価した。この値は0.5以下が好ましい。
また、実施例10、下記の実施例11、比較例17について連続通電時の体積抵抗率の経時変化を図11に示す。
各ベルトの面内30点の体積抵抗率(Ω・cm)を測定し、30点の最大値の常用対数値−最小値の常用対数値=面内バラツキとした(測定環境:23℃×55%、測定方法:ハイレスタ、URSプローブ、10s、250V)。この面内バラツキの値は0.5以下が好ましい。
500Vの電圧印加時のLL条件(温度10℃、相対湿度15%)の体積抵抗率(Ω・cm)の常用対数値と、HH条件(温度32.5℃、相対湿度90%)の体積抵抗率(Ω・cm)の常用対数値の差を環境依存性とした。この環境依存性の値は2.5以下が好ましく、1.7以下がより好ましい。
JIS B0601に基づき、表面粗さRzを測定した。測定条件は、カットオフ値0.25mm、測定長さ2.0mm、測定速度0.3mm/sとした。
各ベルトをフルカラー電子写真装置(セイコーエプソン製、インターカラーLP−8300C)の中間転写ベルトとして装着し、画像出しテストを行い、転写性能を評価した。
難燃性試験:VTM2
UL−94:プラスチック材料の燃焼性試験に準ずる。薄膜サンプルを対照とした「薄手材料垂直燃焼試験:VTM−0、VTM−1、VTM−2」の方法により試験を行った。VTM−2のレベルに達しているものを「○」、達していないものを「×」とした。
ガラス転移温度Tgの測定は、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)の示差走査熱量計DSC2910を用いて、−100℃から100℃まで10℃/minで昇温しながら測定した。
ポリエーテルブロックを有する共重合体を、ポリエーテルエステルアミド共重合体(ペレスタットNC6321:三洋化成工業(株)製、ガラス転移温度Tgが−43℃)に変更した。その他は実施例10と同様とした。
体積抵抗率:10の9.4乗(Ω・cm)
連続通電時の抵抗上昇:0.32
面内バラツキ:0.4
環境依存性:2.1
表面粗さ:Rz=1.6μm
画像出し:良好
難燃性:○
リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをポリエステル系熱可塑性エラストマー(ペルプレンP90BD)に10重量%の割合になるようにドライブレンドした導電性マスターバッチを用い、ポリエーテルブロックを有する共重合体を含有しなかった。
リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの含有量をポリマー全成分100重量部に対し0.5重量部とした。その他は実施例10と同様とした。
連続通電時の抵抗上昇:1.14
面内バラツキ:0.4
環境依存性:2.0
表面粗さ:Rz=1.6μm
画像出し:良好
難燃性:○
2、2’ 第1非連続相
3 第2非連続相
10 導電性ローラ
11、21 導電層
12 芯金
13 導電性ベルト
33 中間転写ベルト
50 ベルト製造装置
51 ホッパー
52 押出機
53 クロスヘッドダイ
54 ギヤポンプ
55 インサイドサイジング
Claims (10)
- 導電性付与剤としてイオン導電性添加塩を含み、電子導電性充填剤によっては導電性は付与されない導電性ポリマー組成物から形成される導電層を備えた導電性ローラまたは導電性ベルトからなる画像形成装置用の導電性部材であって、
上記導電層は、連続相と1相の非連続相との2相からなり、該連続相と非連続相とが海−島構造を呈し、
上記連続相はポリエステル系熱可塑性エラストマー、上記非連続相はポリエーテルブロックを有する共重合体とし、
前記非連続相に陽イオンと陰イオンに解離可能なフルオロ基、スルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を偏在させ、該非連続相を構成するポリマーは上記連続相を構成するポリマーよりも上記陽イオンと陰イオンに解離可能な塩との親和性を高くし、
上記陰イオンを備えた塩はプロピレンカーボネート(PC)/ジメチルカーボネート(DME)系混合溶媒(体積分率1/2)中、25℃で0.1mol/リットルの塩濃度で測定した導電率が2.3mS/cm以上であり、かつ、
上記非連続相を構成するポリマーの体積抵抗率をρv1、上記連続相を構成するポリマーの体積抵抗率をρv2とすると、0.2≦log10ρv2−log10ρv1≦5とし、
印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が104〜1012[Ω・cm]である上記ポリマー組成物から形成していることを特徴とする画像形成装置用の導電性部材。 - 上記ポリエーテルブロックを有する共重合体はポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部に対して5重量部〜50重量部の割合で配合している請求項1に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 上記導電性ポリマー組成物は、JIS K6262に記載の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験法において、測定温度70℃、測定時間22〜24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久ひずみの大きさが30%以下である請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 23℃、相対湿度55%の環境下で、1000Vの定電圧を96時間連続印加した場合の抵抗値R[Ω]を測定し、抵抗値の上昇量Δlog 10 R=log 10 R(t=96hr.)−log 10 R(t=0hr.)の値を0.5以下としている導電性ローラからなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下での抵抗値R[Ω]を測定し、抵抗値の環境依存性Δlog 10 R=log 10 R(10℃相対湿度15%)−log 10 R(32.5℃相対湿度90%)の値を1.7以下としている導電性ローラからなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 上記導電層は、発泡倍率が100%以上500%以下であり、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が60度以下である発泡層としている導電性ローラあるいは導電性ベルトからなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 23℃、相対湿度55%の環境下で、厚みが0.25mmのサンプルに対し1000Vの定電圧を5時間連続で印加した場合の体積抵抗率ρ v [Ω・cm]を測定し、体積抵抗率の上昇量△log 10 ρ v =log 10 ρ v (t=5hr.)−log 10 ρ v (t=0hr.)の値を0.5以下としている導電性ベルトからなる請求項1〜3、6のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 10℃相対湿度15%、32.5℃相対湿度90%の条件下での体積抵抗率ρ v [Ω・cm]を測定し、体積抵抗率の環境依存性△log 10 ρ V =log 10 ρ V (10℃相対湿度15%)−log 10 ρ V (32.5℃相対湿度90%)の値を1.7以下としている導電性ベルトからなる請求項1〜3、6、7のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の導電性部材を備えた画像形成装置。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置用の導電性部材の製造方法であって、
陽イオンと陰イオンに解離可能な塩と、該陽イオンと陰イオンに解離可能な塩を偏在させる非連続相を構成するポリマーとを混練あるいは均一に混合した後に、該混練物あるいは該混合物に連続相を構成するポリマーを加えて再度混練して得られた導電性ポリマー組成物を作製し、
上記導電性ポリマー組成物を加熱成形することで導電層を備えた導電性部材を製造することを特徴とする画像形成装置用の導電性部材の製造方法。
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