JP4148470B2 - 導電性ローラ、該導電性ローラを備えた画像形成装置、導電性ベルト、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 - Google Patents

導電性ローラ、該導電性ローラを備えた画像形成装置、導電性ベルト、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、導電性エラストマー組成物を用い形成された導電性ローラ、導電性ベルトからなる導電性部材、および該導電性部材を備えた画像形成装置に関する。
詳しくは、コピ−機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ等の導電性ローラ、転写ベルト等の導電性ベルトに有効に用いられるものであり、特に、イオン導電性としているにもかかわらず、従来に比べて非常に低い電気抵抗値を有するものである。
コピ−機(複写機)、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ、転写ベルト等においては、適度の安定した電気抵抗値を持たせる必要がある。従来、この種の導電性ローラや導電性ベルトに導電性を付与する方法として、ポリマー中に金属酸化物の粉末やカーボンブラック等の導電性充填剤を配合した電子導電性エラストマー組成物を用いる方法と、ウレタンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性エラストマー組成物を用いる方法とがある。
上記導電性充填剤を配合した電子導電性エラストマー組成物を用いた場合、特に要求される半導電の領域では、添加量のわずかな変化により電気抵抗値が急激に変化するため、その制御が非常に困難になる。また、エラストマー組成物中では、導電性充填剤が均一に分散し難いことから、ローラの周方向や長手方向、ベルトの面内で電気抵抗値がばらつきを持つという問題もある。さらには、得られる導電性ローラや導電性ベルトの電気抵抗値は印加電圧に依存し、一定の抵抗値を示さず、特に、カーボンブラックを用いた場合に顕著となる。
以上の観点から、デジタル化、カラー化等、高画質化の技術のめざましい最近に複写機やプリンター等おいては、電子導電性エラストマー組成物でなく、イオン導電性エラストマー組成物の方が特に好んで用いられる傾向にある。
しかし、イオン導電性エラストマーのみでは、電気抵抗値を下げることが一般に困難であるため、イオン導電性の添加剤等を配合することが提案されている。例えば、ウレタンやNBRは単独では、電気抵抗値が高すぎるため、各種金属イオン塩や第四級アンモニウム塩などを添加しており、その他、種々の提案がなされている。
例えば、特開2001−214050号及び特開2001−217009号には、エチレンオキサイドの重合比率が85%以上の共重合体にリチウムイミド塩等のリチウムイオン系の塩を添加した導電性高分子組成物からなる架橋高分子固体電解質壁体が開示されている。
また、特開2002−226714号には、各種エラストマーに特定の化合物を媒体として金属塩類を特定量含有させた高制電性ゴム組成物が開示されている。
しかしながら、特開2001−214050号及び特開2001−217009号に開示の導電性高分子組成物は、電池の壁体に用いるものであり、エチレンオキサイドの重合比率が85%以上と高いため、耐水性が悪く、電池の様な密閉系でしか使用できず、導電性ローラや導電性ベルト等、常温常湿の開放系にて使用される製品には使用することができないという問題がある。また、エチレンオキサイドの重合比率が高すぎるため、硬度の上昇、あるいは圧縮永久ひずみの悪化が起こり、一般製品用途あるいは導電性ローラや導電性ベルトの様な用途では実用性に乏しいと考えられる。
また、上記特開2002−226714号に開示された高制電性ゴム組成物では、特定の低分子量化合物を媒体として用いているため、汎用ゴム製品に用いる限りは問題はないものの、特に、複写機、プリンター等の導電性ローラや導電性ベルト等の高性能を要求される製品に適用するには、圧縮永久ひずみ、感光体汚染性、原料コスト等の面で未だ改良の余地がある。
その他、各種金属イオン塩や第四級アンモニウム塩などの添加物は、物質によっては圧縮永久ひずみを大きく悪化させたり感光体を汚染したりする恐れがあるとともに、充分に抵抗値を下げることができない場合もある。また、ウレタンやNBR等は、もともと電気抵抗値の値が高いため、本発明に記載するような低い体積抵抗率(体積固有抵抗値)は実現しにくく、さらなる低抵抗化が望まれている複写機やプリンター等の導電性部材としては実用に適さない場合が多い。
また、ウレタン等よりも電気抵抗が低いイオン導電性エラストマー組成物に、各種金属イオン塩や第四級アンモニウム塩等のイオン導電性添加剤を適用する方法も考えられるが、この方法でも必ずしも十分に低い抵抗値が得られるとは限らない。添加剤の量や種類によっては圧縮永久歪み等の物性が悪化する場合もある上、感光体を汚染してしまうことが多い。また、塩の種類や配合量によっては、連続通電時の電気抵抗の上昇が大きくなり、実用に耐えない場合もある。
上記の他に、各種プリンター用導電部材は、実機に装着されて使用する場合、十分な耐摩耗性や強度などの機械特性が要求されたり、電子写真方式により形成するに際して、トナーや感光体を帯電させるために部材表面が適切な帯電性を有する必要があるなど、実用上、抵抗値以外に様々な特性を具備しなければならない。この場合、単一のイオン導電性エラストマーで形成するのでは対応しにくいため、使用用途によって要求される性能を補填するために、各種のエラストマーをブレンドして前記の各特性を最適化する必要がある。 しかしながら、従来の技術により得られたイオン導電性エラストマーに、上記要求特性を付与するためのエラストマーをブレンドして使用する場合、各部材の電気抵抗値が高くなってしまう問題があった。そのため、所定の抵抗値を満たす範囲内でしか、かかるエラストマーをブレンドできず、結果としてこのブレンド物を使用する場合、強度不足や耐摩耗性の不良等が生じてしまっていた。
特に、現像ロールや帯電ロールは、静電気力で画像が形成されるプリンターにおいて、画像形成の中核である部品であることから、トナーや感光体といった被帯電部材を十分に帯電させる必要がある。併せてマシンの設計上極めて低い電気抵抗値が求められるため、前記と同様、かかるエラストマーを十分な量ブレンドすることができず、現像ロールや帯電ロール表面の帯電性を適切に調整できなかった。結果として、被帯電部材であるトナーや感光体を十分に帯電させることができず、適切な画像が得られないという問題があった。特に、これらの傾向は長期使用における画像劣化が早期に生じてしまう等の問題として顕著に現れる。
特開2001−214050号公報 特開2001−217009号公報 特開2002−226714号公報
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、電気抵抗のばらつきを抑えながら、従来にない低抵抗値を実現でき、しかも、圧縮永久歪み等の物性を悪化することなく、適切な硬度となる導電性エラストマー組成物を用いて形成され、カラー複写機またはカラープリンター用の転写ローラ、帯電ローラ、転写ベルト、クリーニングブレード等として好適な導電性ローラおよび導電性ベルトを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、第一に、下記の構成からなる導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ローラと、該導電性ローラと同一の構成の導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ベルトとを提供している。
上記導電性エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムをイオン導電性エラストマー成分として含むと共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分を含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分中に分散されており、
上記イオン導電性エラストマー成分に電子導電性導電剤による導電を付与せずに上記塩のみを添加して導電を付与した場合の印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の6.9乗[Ω・cm]以下、
JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下、
JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が75度以下であることを特徴とする。
本発明者は、数多くのイオン導電性添加剤を作製し、種々の配合について鋭意研究し実験を積み重ねた。その結果、イオン導電性エラストマー成分に対して、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を添加すると、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩が非常に高い解離度を有し、イオン導電性エラストマー成分への大きな溶解度を示すことから、非常に大きな導電度を得られるので体積抵抗率を低くすることが可能となると共に、圧縮永久歪みや硬度等の物性を悪化させないことを見出した。
従って、従来のイオン導電性エラストマー組成物では実現できなかった非常に低い抵抗値で、圧縮永久ひずみが小さく、かつ、ローラあるいはベルトとした時に硬度が適切であるものを得ることができる。よって、体積抵抗率が非常に低い導電性ローラ及び導電性ベルトを良好な物性(低い圧縮永久ひずみ、低硬度)で供給することができ、実用に適したものとすることができる。これによって、消費電力を低減しながらも、ばらつきの少ない良好な画像を得ることが可能となる。
上記イオン導電性エラストマー成分に電子導電性導電剤による導電を付与せずに記塩のみを添加して導電を付与した場合の上記印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率を10の6.9乗[Ω・cm]以下としているのは、これより大きいと、該導電性エラストマー組成物を用いて複写機やプリンターの現像ローラや帯電ローラ等とした場合、トナーや感光体への帯電の効率が低下し実用に適さなくなるためである。例えば、現像ローラとして使用する場合、現像ローラにより帯電させたトナーが、現像ローラから感光体に搬送される時に、現像ローラの抵抗値が大きいと電圧降下が大きくなるため、現像ローラと感光体間の電位差である電界が小さくなり、画像形成が設計通りに行えなくなる。また、帯電ローラとして使用する場合、抵抗率が上記より大きいと極めて大きな電圧をかける必要ができ、実用にそぐわなくなる。
体積抵抗率はできるだけ小さい方が良いが、下限値は10の5.0乗[Ω・cm]程度、好ましくは10の6.0乗[Ω・cm]以上である。なお、体積抵抗率の測定条件は、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下、印加電圧100Vのもとであり、JIS K6911に記載の体積抵抗率としている。
本発明は、第二に、下記の構成からなる導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ローラと、該導電性ローラと同一の構成の導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ベルトとを提供している。
上記エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムからなるイオン導電性エラストマー成分と、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上のゴムをブレンドすると共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴムを含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴム中に分散され、
上記イオン導電性エラストマーに上記塩を添加して得られる導電度は、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の8.5乗[Ω・cm]以下、
JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下であることを特徴とする。
イオン導電性エラストマーに、イオン導電性の小さいエラストマーなどの導電部材としての実用性を確保するためにクロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上の架橋されるゴムをブレンドしてエラストマー組成物とし、やや高抵抗化した場合には、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩を添加して、導電性エラストマー組成物の体積抵抗率を10の8.5乗[Ω・cm]以下としている。
このようにして形成された導電性エラストマー組成物は、上記の様に必要な各種のエラストマーをブレンドしても10の8.5乗[Ω・cm]以下という低い体積抵抗率が得られる。したがって、課題として上述したように、例えば、現像ロールや帯電ロールとして使用する場合に、ロール表面に適切な帯電性を付与するためにイオン導電性エラストマーに各種エラストマーをブレンドする場合においても極めて有用であるが、従来技術で得られるイオン導電性エラストマーに同様のエラストマーをブレンドしても高抵抗化してしまうために実用が不可能であったが、本発明によれば、これが可能となり、極めて帯電特性に優れた各種導電ロールを提供することができる。
なお、本発明では、上記イオン導電性エラストマー成分あるいは上記イオン導電性エラストマー成分と上記ゴムとのブレンド物に低分子量(一般に分子量が数百から数千まで)のポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエーテルポリオール等のポリエーテル化合物や、同じく低分子量のポリエステルポリオール、アジピン酸エステル、フタル酸エステル等の極性化合物からなる媒体を介さずに、上記した塩を配合するため、ブリードや移行汚染、コピー機、プリンター用途では感光体汚染を起こさない導電性ローラ、および導電性ベルトを得ることができる。
低分子量(分子量1万以下)のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールに上記したような塩を溶解分散させた上で、イソシアネート化合物と反応させ、低電気抵抗値のポリウレタンとすることも考えられるが、全ての低分子量ポリオールが反応することはできないため、感光体汚染等の面で不安が残る。よって、本発明は、このような汚染の原因となる低分子量化合物を用いることなく、上記の塩を分散でき、体積抵抗率が10の6.9乗[Ω・cm]以下という従来にはない低い電気抵抗値を得られる点で非常に優れている。
また、イオン導電性エラストマーにクロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上の架橋されるゴムをブレンドした際にも、汚染の原因となる低分子量化合物を用いることなく、体積抵抗率を10の8.5乗[Ω・cm]以下とすることができる。
本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトの圧縮永久ひずみは、上記したように、JIS K6262に記載の加硫ゴムの永久ひずみ試験法にて、測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久ひずみの値を30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下としている。また、一部の現像ロールや帯電ロール等のように感光体と常時接触して使用されたり接触したまま輸送される場合は、10%以下が特に好ましい。
これは、上記圧縮永久ひずみの値が30%より大きいと、ローラやベルトになった時の寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さない、また画像形成プロセス系の耐久性や精度維持に問題が生じるためである。
なお、下限については、加硫条件の最適化や安定した量産性の面で1%以上が好ましい。
さらに、上記第一の発明の導電性ローラおよび導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物の硬度は、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度を75度以下としている。これは、軟らかいほど、ニップが大きくなり、転写、帯電、現像等の効率が大きくなる、又は感光体等の他の部材への機械的ダメージを小さくできるという利点があるという理由による。なお、柔らかいほど好ましいがソリッドの場合、40度以上70度以下がより好ましく、50度以上70度以下がさらに好ましい。
一方、上記第二の発明の導電性ローラ及び導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物については、イオン導電性エラストマー成分にクロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上の架橋されるゴムをブレンドして、10の8.5乗[Ω.cm]という比較的低い体積抵抗率を得ると共に高い帯電特性などを有していることから、実用上、硬度に関しては上記の範囲に制限されない。なお、好ましくは、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が40度以上88度以下が好ましい。
これは、ニップの安定性や、より高い帯電性を得るには45度以上88度未満、さらには、50度以上80度未満が好ましい。最も最適な範囲は50度以上70度未満である。このような好ましい硬度を得る観点からも、第の本発明で用いるエラストマーを使用することが極めて有効である。
さらに、本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物は、JIS K6258に準拠して40±1℃、22±0.25時間で蒸留水に浸漬した時の体積変化率を50%未満としている。
これにより、充分な耐水性を確保できるので、常温常湿下でも、高性能を維持することができる。
上記イオン導電性エラストマー成分は、全エラストマー組成物100重量%に対して5重量%以上100重量%以下含んでいるのが好ましい。上記範囲とすることにより、体積抵抗率を低くすることが可能となるからである。低抵抗を得るためには約100重量%が最も好ましく、製造の安定性のため他のポリマーを添加する場合は90重量%以上95重量%以下が好適である。一方、帯電性等の実用特性をコントロールする場合は、5重量%以上80重量%以下、より好ましくは10重量%以上50重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上30重量%以下である。
第一、第二の発明の上記イオン導電性エラストマー成分としては、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムを用いている。
即ち、第一、第二の発明におけるエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%であるエピクロルヒドリンゴムを用いている。
上記共重合比率は、下記の理由に基づいて設定し、導電性エラストマー組成物の物性(圧縮永久ひずみ、硬度)を維持しながら、かつ上記体積抵抗率となるようにしている。
即ち、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの三元共重合体中、イオン導電性が発揮されるのは、ポリマー中のオキソニウムイオンや金属陽イオン等(例えば、添加した塩中のリチウムイオン等の陽イオン、ポリマー老化防止剤中に含まれるニッケルイオン等)が、エチレンオキサイドユニットで安定化され、その部分の分子鎖のセグメント運動により運搬されることによる。よって、エチレンオキサイドユニットの比率が高い方が多くのイオンを安定化でき、より低抵抗化を実現できると考えられる。
しかし、エチレンオキサイドの比率を上げすぎると、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に体積抵抗率が上昇する。また、このような結晶化により、硬度の上昇や圧縮永久ひずみの悪化も招いてしまう。このエチレンオキサイドによる結晶化を抑制するために、エチレンオキサイドは80モル%以下としている。一方、エチレンオキサイドが55モル%未満であると、イオンの安定化が不十分となり、体積抵抗率を低減させる効果が小さくなる。
さらには、エチレンオキサイド比率が80モル%を越えると、水との親和性が高すぎて吸湿により形状が変化したり、耐水性が悪化しやすく、常温常湿の環境下で使用が難しくなり、本発明の用途には適さなくなる。また、タックが出てローラやベルトに用いた場合、感光体を汚染したりする。なお、エチレンオキサイド比率は65モル%以上75モル%以下であるとより好ましい。
上記エピクロルヒドリンが45モル%を越えると、エチレンオキサイドの量を55モル%以上にできなくなり上述したようなエチレンオキサイドの効果が得にくくなる。一方、エピクロルヒドリンが10モル%未満であるとエチレンオキサイド量を80モル%以下にしにくくなり、上述したような問題が生じやすくなる。なお、エピクロルヒドリンは15モル%以上35モル%以下であると、より好ましい。
上記エピハロヒドリンのうちエピクロルヒドリン生産しやすいことから容易に得ることができる。かつ、上記共重合比率とすることで、低電気抵抗等を実現することができる。
上記アリルグリシジルエーテルを共重合することによって架橋を可能とし、これによってブリードや感光体汚染を起こしにくくすると共に、ゴム弾性を持たせて物性を向上させることができる。また、このアリルグリシジルエーテルユニット自体が側鎖として自由体積を得ることから、さらに上記結晶化を抑制することができ、よって従来にない低抵抗化が実現できる。
アリルグリシジルエーテルの共重合比率が10モル%を越えると、加硫後の架橋点の数が多くなり、却って低抵抗化を実現しにくく、また、引っ張り強さや疲労特性、耐屈曲性等が悪化しやすい。また、アリルグリシジルエーテルは2モル%以上とすることが好ましい。これは2モル%未満ではブリードや感光体汚染の発生が起こり易くなったり結晶化が起こりやすく効果的に抵抗値を下げることが難しくなったりするためである。また、加硫速度を速くすることが難しくなり、生産性に関してやや問題となる場合もある。
このように、アリルグリシジルエーテルを共重合することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑えて体積固有抵抗を下げる一方で、アリルグリシジルエーテルの共重合により炭素−炭素間の二重結合を導入して、他のゴムとの架橋を可能としている。他のゴムと共架橋することにより、ブリードや感光体汚染を防止することができる。また、さらには他のゴムとの共架橋により、分子量も大きくすることができるため、ブリードや感光体汚染が、より起こりにくくなる。
上記イオン導電性エラストマー成分を含む全ポリマー成分100重量部に対して、上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩は0.01重量部以上20重量部以下の割合で含むとしている。
上記範囲としているのは、0.01重量部より小さいと導電性向上の効果がほとんど見られないためであり、20重量部より大きいと得られる導電性向上の効果に比べてコストが増加するデメリットの方が大きくなるためである。
なお、より好ましくは0.2重量部以上10重量部以下、さらに好ましくは0.4重量部以上6重量部以下である。
本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物は、上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を含んでいる。
上記した塩は、強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するため、陰イオンが安定なためポリエチレンオキサイド中で高い解離度を示し、特に高いイオン導電性を実現することができる。このように、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を配合することで、効率良く低電気抵抗を実現することが可能になるため、ポリマー成分の配合を適宜調整することで、低電気抵抗を維持しながら、感光体汚染の問題も抑制することができる。
また、上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩としては、リチウム塩が好ましいが、アルカリ金属、2A族、或はその他の金属等の塩でも良く、下記の化学式(化1、化2)で示されるような陽イオンを備えた塩とすることもできる。式中R1〜R6は、各々炭素数1〜20のアルキル基またはその誘導体であり、R1〜R4、および、R5とR6は同じものでも別々のものでも良い。これらの中でも、R1〜R4の内の3つがメチル基、その他の1つが炭素数4〜20、好ましくは6〜20のアルキル基またはその誘導体からなる、トリメチルタイプの第4級アンモニウム陽イオンからなる塩は電子供与性の強い3つのメチル基により窒素原子上の正電荷を安定化でき、他のアルキル基またはその誘導体によりポリマーとの相容性を向上できることから特に好ましい。また、化2の形式の陽イオンにおいては、R5あるいはR6は電子供与性を有する方が同じく窒素原子上の正電荷を安定しやすいことからメチル基あるいはエチル基であることが望ましい。このように、窒素原子上の正電荷を安定化させることにより、陽イオンとしての安定度を高め、より解離度が高く、よって導電性付与性能に優れた塩にすることができる。
Figure 0004148470
Figure 0004148470
具体的には、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩としては、例えば、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF3 3 が挙げられる。
なお、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩は、分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに導電性エラストマー組成物中に分散されている。上記塩は均一に分散していることが好ましい。また、上記塩のうち、LiN(SO2CF32等ビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩では、ポリエチレンオキサイド鎖等への溶解性が極めて良好であり、さらにはポリエチレンオキサイド鎖等を可塑化できるため添加することにより硬度を下げたり、体積固有抵抗値の環境依存性を低減することができ、非常に好ましい。特に、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SO2CF32)は、エピハロヒドリンゴムをはじめとするイオン導電性のゴムに直接添加することにより、容易に均一に分散でき、圧縮永久ひずみ特性を改善することができ、かつ、硬度にほとんど影響を与えないので、非常に好ましい。
上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を単独、あるいは上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体とクロロプレンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴムとを混合して用いることができる。クロロプレンゴムと併用することにより、さらに容易に抵抗値や加硫速度をコントロールすることができる上に、クロロプレンゴムが汎用ゴムであり、より安価であることからコンパウンドコストを低減することができる。特に低い体積抵抗率を得る場合には、(上記三元共重合体:クロロプレンゴム)=(50:50)〜(100:0)の重量比が好ましい。
その他、上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を単独、あるいは上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムと、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム等からなる1種以上のゴムを必要に応じてブレンドすることもできる。
本発明の導電性ローラ及び導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物は加硫ゴム組成物としている。該導電性エラストマー組成物は、硫黄及びチオウレア類を併用して架橋される、或いは硫黄及びトリアジン誘導体を併用して架橋されることが好ましい。これにより各々の架橋系の長所を生かし、硫黄及びチオウレア類または硫黄及びトリアジン誘導体の両者の割合を適切に選択することにより、架橋速度、圧縮永久ひずみ、電気抵抗値等を必要とされるレベルに調整することが可能である。さらには、発泡体ローラの作製においては、発泡剤による加硫速度の低下や架橋密度の減少を劇的に抑制でき、高強度で非常に良好な発泡形状を示すローラを得ることができる。
上記チオウレア類として、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、及び(Cn2n+1NH)2C=S (n=1〜10の整数)で示されるチオウレアよりなる群から選択される1種又は複数種のチオウレアを用いることできる。
上記トリアジン誘導体として、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、あるいは、2−ジアルキルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジンよりなる群から選択される1種又は複数種の化合物を用いることができる。加硫速度の点からは、2−ジアルキルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジンが好ましい。
上記硫黄及びチオウレア類または硫黄及びトリアジン誘導体の各配合量は、用いる促進剤の種類により適量を選択できる。
具体的には、全ポリマー成分100重量部に対して、硫黄を0.1重量部以上5.0重量部以下、好ましくは0.2重量部以上2重量部以下の割合で配合しているのが良い。
上記範囲としているのは、0.1重量部より小さいと組成物全体の加硫速度が遅くなり生産性が悪くなりやすいためである。一方、5.0重量部より大きいと圧縮永久ひずみが大きくなったり、硫黄や促進剤がブルームしたりする可能性があるためである。
全ポリマー成分100gに対してチオウレア類を合計0.0009mol以上0.0800mol以下、好ましくは0.0015mol以上0.0400mol以下の割合で配合しているのが良い。
全ポリマー成分100gに対して、トリアジン誘導体を0.0004mol以上0.0500mol以下、好ましくは0.0010mol以上0.0300mol以下の割合で配合しているのが良い。
上記範囲で配合することにより、加硫をタイトにして、ブルームや感光体汚染を起こりにくくすることができると共に、ポリマーの分子運動をあまり妨げないため、低い電気抵抗を実現すると共に、圧縮永久ひずみ等の力学的物性も向上することができる。
また、後述する図6に示す発泡体2、発泡体3、発泡体6から、発泡体あるいは発泡ローラとした場合に発泡剤による架橋阻害を低減することができ、さらには、実用するに充分速い加硫速度とすることができる。
(硫黄:チオウレア類)=(5:1)〜(1:8)の重量比で配合することが好ましい。
(硫黄:トリアジン誘導体)=(3:1)〜(1:2)の重量比で配合することが好ましい。
なお、本発明の導電性ローラ及び導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物には、電気抵抗値の環境依存性を改善する等の目的で、カーボンブラックや導電性亜鉛等の電子導電性導電剤を、イオン導電性を完全に損なわない範囲で配合してもよい。
連続加硫する場合には、チオウレア系や、硫黄及びチオウレア類の併用、または硫黄及びトリアジン誘導体の併用が、適当に短いスコーチタイムを有するので、適している。
本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物は、加硫ゴムとして用いている。
上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩から生じる陽イオンの一部をシングルイオン化し、導電性の安定や、少量添加時の導電性向上を図ることができる。0.5%以上がシングルイオン化されていると、より好ましい。これにより、さらに安定した導電化、及び、より少量の金属塩の添加でより低い電気抵抗値を得ることが出来るさらに好ましくは、1%以上20%以下シングルイオン化されているのが良い。
なお、シングルイオン化とは、イオン吸着剤により、上記塩が解離して生じる陽イオンまたは陰イオンのうちの一方を吸着して、他方のイオンが単独で系中を比較的自由に動けるようにすることを指す。
加硫速度を速くするためには、硫黄加硫系、あるいは、硫黄及びチオウレア類を併用した加硫系、あるいは硫黄及びトリアジン誘導体を併用した加硫系が好ましい。また、さらにハイドロタルサイトを用いると低汚染性の点からより好ましい。加硫も通常の方法によって行うことができ、たとえば水蒸気加圧下の加硫缶中で加硫しても良く、必要に応じて二次加硫を行っても良い。また、可能な配合については、連続加硫による方法を行っても良い。
また、ハロゲンを含むポリマー100重量部に対して、ハイドロタルサイトを1重量部以上15重量部以下、より好ましくは2重量部以上10重量部以下の割合で配合しているのが良い。このように、受酸剤としてハイドロタルサイトを配合すると、エピクロルヒドリンゴムのようなハロゲンを含むポリマーの加硫時に発生するハロゲンに起因するイオンが、ハイドロタルサイトによって捕捉されるため加硫阻害や感光体汚染を防止することができる。また分散性にも優れるので、混練状態や加工等による物性への影響が少ないため好ましい。
発明の導電性エラストマー組成物を用いてなる導電性ローラおよび導電性ベルトは低い体積抵抗率を有し、かつ圧縮永久ひずみが小さく、低硬度である点で優れているので、導電性ローラとしては、電気抵抗値が低いため、カラー用の転写ローラや帯電ローラ、トナー供給ローラや現像ローラ、導電性ベルトとしては、転写ベルト等、低い電気抵抗値が要求される場合に、好適に用いられる。
また、本発明で用いる導電性エラストマー組成物は、帯電性を付与するエラストマーを含んだ2種以上のエラストマー成分を用いて形成することもできるので、感光体を帯電させる帯電ローラやトナーを帯電させ感光体の潜像にトナーを搬送する現像ローラ等の導電性部材とするのが特に好適である。
よって、所望の性能をもつ導電性ローラおよび導電性ベルトを極めて高い自由度で設計できる。
上記導電性ローラは、常法により作製でき、例えば、上記導電性エラストマー組成物用の混練物を単軸押出機でチューブ状に予備成形し、この予備成形品を160℃、15〜70分加硫したのち、芯金を挿入・接着し表面を研磨した後、所要寸法にカットしてローラとする等の従来公知の種々の方法を用いることができる。加硫時間は、加硫試験用レオメータ(例:キュラストメータ)により最適加硫時間を求めて決めるとよい。また、加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。なお、感光体汚染と圧縮永久ひずみを低減させるため、なるべく十分な加硫量を得られる様に条件を設定することが好ましい。
なお、本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトを形成する導電性エラストマー組成物に低い電気抵抗値を得ることを目的とした導電性エラストマー組成物を用いる場合、印加電圧100Vにおけるローラ抵抗値が103.5[Ω]以上105.5[Ω]以下であることが好ましく、さらに好ましくは104.0[Ω]以上105.0[Ω]以下である。
また、発泡剤等を配合して、導電性発泡ロールを形成してもよいし、表層にコーティング剤をコーティングしたり、チューブをチュービングして使用してもよい。
また、上記導電性ベルトは、上記導電性エラストマー組成物用の混練物を、押出成形機によりベルト状に押し出して成形した後、160℃、15〜70分加硫を行って、ベルト本体を作製する等の従来公知の種々の方法を用いることができる。加硫温度は必要に応じて上記温度に上下して定めてもよい。
また、本発明の帯電性等を考慮した現像ローラや帯電ローラなどの導電性ローラは、印加電圧100Vにおけるローラ抵抗値が105.0Ω以上107.0Ω以下であることが好ましく、さらに105.0Ω以上106.5Ω以下であることがより好ましい。上記範囲としているのは、105.0Ωより小さいと、電流が流れすぎ、画像不良が発生しやすいためであり、また、感光体への放電の可能性が生じるからである。一方、107.0Ωより大きいと、トナー供給等の効率が低下し実用に適しにくいからである。かつ、トナーが感光体に移行する際に、現像ローラの電圧降下が起こり、以後、現像ローラから感光体へ確実にトナーを搬送できなくなって、画像不良が生じることによる。
上記のように、本発明の導電性ローラは、100Hzの電圧印加時の誘電正接を約0.1〜1.5とするのが好ましい。導電性ローラの電気特性において誘電正接とは、電流の流し易さ(導電率)とコンデンサー成分(静電容量)の影響度を示す指標であり、交流電流を印加した際の位相遅れを示すパラメータでもあり、電圧をかけた時のコンデンサー成分割合の大きさを示している。即ち、誘電正接は導電性ローラの場合、トナーが量規制ブレードにより高圧で現像ローラに接触した際に生成される帯電量と、感光体へ搬送されるまでにローラ上に逃げる帯電量との関係に影響を及ぼし、感光体接触直前のトナーの帯電量を示す指標となる。誘電正接が大きいと電気(電荷)を通しやすく分極は進みにくいが、逆に誘電正接が小さいと電気(電荷)を通しにくく分極が進むことになる。
よって、導電性ローラの場合、誘電正接が小さい方がローラのコンデンサー的特性が高く、摩擦帯電で生じたトナーの帯電をローラから逃すことなく維持できる。すなわち、トナーに帯電性を付加でき、付加した帯電性を維持することができる。かかる効果を得るためには誘電正接は1.5以下としている。より好ましくは、0.1以上1.0以下である。
また、充填剤の量が多くなり硬くなるのを避けるため、または過度な酸化膜の形成により表面が劣化するのを避けるために、誘電正接は約0.1以上としている。
上記導電性エラストマー組成物を用いて形成されてなる導電性ローラ、導電性ベルトからなる導電性部材は、その表面粗さRzを1μm以上8μm以下、表面の摩擦係数を0.1〜1.5とするのが好ましい。
表面粗さRzを1μm以上8μm以下としているのは、8μm以下と小さくすると、導電性ローラおよび導電性ベルトの表面にはトナーの粒径より小さな凹凸が存在するにすぎず、均一なトナーの搬送ができるだけでなくトナーの流動性がよくなり、結果としてトナーに帯電性を与える効率がきわめて高くなるからである。また、表面粗さRzが8μmを超えると粒径が約10μmのトナーがトナー離れしにくく耐久使用するとトナーが付着する場合があるからである。一方、1μmよりも小さいと十分にトナーを搬送する力がなく印刷ドットが安定しないからである。好ましくは、2μm以上5μm以下である。
なお、表面粗さRzはJIS B0601(1994)に準拠して測定している。
また、表面の摩擦係数については0.1〜1.5が好ましい。1.5を超えるとトナーが受けるトナー供給ローラや量規制ブレードと現像ローラとの間でせん断力などのストレスを軽減することができなくなるからである。また、トナー離れが悪く、耐久使用時にトナーの劣化を引き起こすからである。一方、0.1より小さいとトナーが滑り十分なトナーを搬送することができなくなるからである。また、トナーの搬送量が不十分なため印刷濃度が低くなるからである。
上記導電部材の表層は酸化膜とするのが好ましい。該酸化膜はC=O基またはC−O基等を有する酸化膜が好ましい。該酸化膜を有することにより、トナーを十分に帯電させると共に酸化膜が誘電層となりトナーの電荷の逃げを防止でき、摩擦係数の低減および誘電正接の調整に有効となる。
上記酸化膜は、紫外線照射あるいは/およびオゾン照射により形成されてなることが好ましい。中でも紫外線照射により酸化膜を形成することが処理時間も早く、コストが低いことから好ましい。上記酸化膜を形成するための処理は公知の方法に従って行うことができる。例えば、紫外線照射を行う場合には表層と紫外線ランプとの距離やゴムの種類等により異なるが、波長が約100nm〜400nm、より好ましくは約100nm〜200nmの紫外線を30秒〜30分、好ましくは1分〜10分程度照射するのがよい。なお、紫外線の強度や照射条件(時間、槽内温度、距離)は本発明における誘電正接、摩擦係数とする範囲内で選定することが好ましい。
さらに、本発明は、上記本発明の導電性ローラを備えたことを特徴とする画像形成装置および、上記本発明の導電性ベルトを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供している。
導電性ローラとしては、具体的には、感光ドラムを一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを帯電させ感光体に搬送させるための現像ローラ、トナー像を感光体から用紙または中間転写ベルト等に転写するための転写ローラ、トナーを搬送させるためのトナー供給ローラ等が挙げられ、導電性ベルトとしては、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト等が挙げられる。このような導電性部材の表面を被帯電体と接触させることにより、帯電又は放電が行われており、該導電性部材を備えたプリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置は、電気特性が良好であるため、消費電力が小さく、良好で均質な画像を長期に渡って得ることができる。
以上の説明より明らかなように、本発明の導電性ローラ及び導電性ベルトは、電気抵抗のばらつきが少なく安定した電気抵抗が得られる上記イオン導電性エラストマー成分に対して、上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩を配合した導電性エラストマー組成物から形成しているため、圧縮永久歪みや硬度等の物性を確保したまま、非常に大きな導電度を得ることができる。よって、イオン導電性であるにもかかわらず、体積固有抵抗値が非常に低く、また圧縮永久ひずみが小さい上に、ローラやベルトとしての硬度も適切にすることができる。
また、イオン導電性エラストマー成分として、所要の共重合比率のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルのみを用いた場合、および、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルからなる導電性エラストマーとクロロプレン等の上記導電性エラストマーよりも導電率の低い導電性エラストマーあるいは/および非導電性エラストマーをブレンドしたイオン導電性エラストマーを用いたいずれの場合も、特定のフルオロ基、スルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を所要割合で配合しているため、所要の低い体積抵抗値となる導電性エラストマー組成物から形成される導電性ローラおよび導電性ベルトを得ることができる。
このように、本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトに用いる導電性エラストマー組成物は、従来の導電性エラストマー組成物では実現できなかった実用性のある低抵抗の組成物となる。具体的には、帯電、現像、トナー供給等のローラやベルトにおいて、消費電力を低減しながらも、ばらつきの少ない良好な画像を得ることができ、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ベルトや転写ローラでもカラー複写機またはカラープリンター用等、比較的低抵抗を要求されるようなプロセスでも、導電性ローラ及び導電性ベルトとして好適に使用することができる。さらには、導電性ローラあるいは/及び導電性ベルトを用いることにより、消費電力が小さく、しかも良好で均質な画像が長期に渡って安定して得られる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の導電性ローラおよび導電性ベルトに用いる導電性エラストマー組成物は、イオン導電性エラストマー成分としてエピクロルヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%であるエピクロルヒドリンゴムとして、エピクロルヒドリン(以下EPと称す)/エチレンオキサイド(以下EOと称す)/アリルグリシジルエーテル(以下AGEと称す)の共重合比率が23モル%/73モル%/4モル%であるエピクロルヒドリンゴムを用いている。
該エピクロルヒドリンゴム100重量部に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩としてリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを2重量部配合している。
上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩は、基材となるエラストマー成分を上記エピクロルヒドリンゴムとしているため、特開2002−226714号に記載されている分子量が1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに、基材中に均一に分散させている。
また、加硫剤、加硫促進剤、その他必要に応じて各種配合剤(無機充填剤、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、ステアリン酸)を配合した後、オープンロール、密閉式混練機等の公知のゴム混練装置を用いて溶融混練し、加硫して導電性エラストマー組成物を設けている。
上記フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩は、各種配合剤やエラストマー成分が混練により全て均一に混ざった段階で、添加して混練し均一分散させても良い。あるいはエピクロルヒドリンゴム等のポリマー成分に予め練りこんだマスターバッチを作製し、それを用いて目的とする配合ゴムを得ても良い。
特に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩の添加量が1重量部未満と少ない場合、この塩が1重量%以上40重量%以下含有させたマスターバッチを用いると目的濃度からのずれを妨げることができるため好ましい。
作成された導電性エラストマー組成物は、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の6.6乗[Ω・cm]、JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが29%、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が70度である。
これにより、体積固有抵抗値を低く維持しながら、圧縮永久ひずみの低減を図り、ローラやベルト等としての硬度も適切なものとすることができる。
上記導電性エラストマー組成物から図1に示す導電性ローラからなる導電性ローラ1を形成している。該導電性ローラ1は、略円筒形状で、その内周に軸芯(芯金)2が挿入されている。
上記導電性ローラ1は、溶融混練した混練物を混練機からリボン取りし押出機に投入し、中空チューブ状に押し出し、このチューブを適切な長さにカットしている。カットされたチューブを所要温度で所要時間加硫することにより加硫ゴムチューブを得ている。このゴムチューブに芯金を挿入し表面を研磨して導電性ローラ1としている。
なお、本実施形態では、導電性ローラを帯電ローラとしているが、転写ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ等とすることもできる。また、種々の発泡剤を配合して発泡ローラ等としてもよい。
また、図2に示すように、導電性エラストマー組成物より転写ベルト等の導電性ベルト3を作製している。導電性ベルト3は、2個以上のプーリー4によって張架状態とされ、回転移動する導電性ベルト3の上側の直線状部分5に紙等のシート材6やトナー像を担持して搬送するものであり、また場合によってはトナー等を感光体から紙へ転写したりするものである。
本発明の導電性ローラや導電性ベルトが用いられる画像形成装置として、転写ローラ、帯電ローラ、感光体、中間転写ベルト、定着ローラ、トナー、鏡、クリーニングブレード等を備えた構造を有するカラー用プリンター、転写ローラ、現像ローラを用いたモノクロ(白黒)プリンター等が挙げられる。その他、複写機、プリンター、ファクシミリ等の各種画像形成装置として用いることができる。
以下、本発明の実施例、参考実施例及び比較例について詳述する。
実施例1〜8、参考実施例1〜3および比較例1〜6について、下記の表1及び表2に記載の配合からなる材料(配合薬品)を混練りし、本実施例、参考実施例及び比較例の導電性エラストマー組成物から導電性ローラを作製した。
また、表1及び表2に記載の配合からなる材料(配合薬品)を混練した混練物を混練機からリボン取りし、ローラヘッド押し出し機により押し出して、シート状に成形し、それを金型に仕込んで、160℃で最適時間プレス加硫して、各実施例、各参考実施例及び各比較例の物性評価用のスラブシート、圧縮永久ひずみ測定や硬度測定に用いる試験片を作製した。
Figure 0004148470
Figure 0004148470
各表中の上段(加硫促進剤まで)の数値は重量部である。また、略語EPはエピクロルヒドリン、EOはエチレンオキサイド、AGEはアリルグリシジルエーテル、POはプロピレンオキサイドを表す。Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量を示す。また、各表中、加硫促進剤1はジベンゾチアジルジスルフィド、加硫促進剤2はテトラメチルチウラムモノスルフィド、加硫促進剤3はジ−オルト−トリルグアニジン、加硫剤2はエチレンチオウレア、加硫剤3は2−ジ−n−ブチルアミノ−4、6−ジメルカプト−s−トリアジンとした。
上記エピクロルヒドリンゴム1は特開2000−63656号に記載の方法により重合して得られた試作品を用いた。
また、表2中、非塩素系アンモニウム塩は図3に記載する構造のグルコン酸の第4級アンモニウム塩、過塩素酸第4級アンモニウム塩は図4に記載の第4級アンモニウム塩である。高性能イオン導電性添加剤は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアジピン酸ジブトキシエトキシエチルに20重量%溶解したものとした。なお、表中のリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド)は、特開2001−288193号等に記載の従来公知の方法により合成されたものを用いた。
詳細には、表1及び表2に記載の配合からなる材料(配合薬品)を混練した混練物を混練機からリボン取りし、φ60mmの押出機に投入し、中空チューブ状に押し出した。この生ゴムチューブを適切な長さにカットした後、160℃、15〜70分加硫することにより加硫ゴムチューブを得た。
リコー製複写機IMAGIO MF2730に搭載されている帯電ローラのシャフトと同一形状である円筒形状のシャフトを用意し、これにホットメルト接着剤を塗布した後、先に得られた加硫ゴムチューブに挿入し、加熱し、接着した後、表面を研磨して目標寸法に仕上げ、実施例、参考実施例及び比較例の導電性ゴムローラを作製した。これらローラの寸法は、外径14mmφ、内径(シャフト径)8mmφ、軸方向のゴム長さ317mmとし、上記リコー製複写機IMAGIO MF2730に搭載されている帯電ローラと同一寸法とした。
(実施例1〜8、参考実施例1〜3
表1に示すように、実施例1〜7、参考実施例1〜3は、共重合比率が本発明の範囲内の比率であるEP−EO−AGE三元共重合体(EP:EO:AGE=23:73:4)を用い、実施例はEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)を用いた。
実施例1〜4、はフルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩として、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた。参考実施例はトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを用いた。実施例はリチウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン)を用いた。
配合比は表1に示す通りとし、導電性エラストマー組成物を得た。
(比較例1〜比較例6)
表2に示すように、比較例1、3、4、5は実施例1と同じ共重合比率のEP−EO−AGE三元共重合体を用いた。比較例2はEP−EO−AGE三元共重合体(EP:EO:AGE=63:34.5:2.5)を用い、比較例6はEO−PO−AGE三元共重合体(EO:PO:AGE=90:4:6)を用いた。
比較例2、6はフルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩であるリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを配合した。
比較例3は非塩素系第4級アンモニウム塩、比較例4は過塩素酸第4級アンモニウム塩、比較例5は高性能イオン導電性添加剤を配合した。
比較例1はイオン導電性添加剤を配合しなかった。
配合比は表2に示す通りとし、導電性エラストマー組成物を得た。
上記実施例、参考実施例及び比較例の導電性エラストマー組成物について、下記の特性測定を行った。その結果を表1及び表2の下段に示す。
(硬度の測定)
上記圧縮永久歪み測定用試験片について、JIS K6253に記載のタイプEデュロメータを用いて、1000gの荷重をかけたもとでの硬度を測定した(デュロメータE硬度)。
(体積抵抗率の測定)
上記130×130×2mmのスラブシートに対して、アドバンテストコーポレーション社製の超高抵抗微小電流計R−8340Aを用いて、23℃相対湿度55%の恒温恒湿条件下で測定した。測定方法は、JIS K6911に記載の体積抵抗率(体積固有抵抗)の測定方法に従い、また測定時の印加電圧は100Vとした。
表1、2中にその常用対数値log10R[Ω・cm]を表示する。
(圧縮永久ひずみの測定)
上記の様に作製した圧縮永久歪み測定用試験片について、JISK6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。圧縮率は25%とした。
発泡体にする場合は発泡倍率や発泡形態によって幾分の差は生じるが、このソリッド試験片の圧縮永久歪みで30%以上の場合は、ローラになったときの寸法変化が大きくなりすぎて実用に適さなくなる可能性が高い。
(感光体汚染試験)
ヒューレットパッカード社製のLaser Jet4050型レーザービームプリンターのカートリッジ(カートリッジタイプC4127X)にセットされている感光体に、実施例、参考実施例及び比較例の各スラブシートを押し付けた状態で、32.5℃、相対湿度90%の条件下で2週間保管する。その後、感光体からスラブシートを除去し、当該感光体を用いて、上記プリンターにてハーフトーンの印刷を行い、印刷物を肉眼で観察して、印刷物の汚れの有無を以下の基準で判断した。
○:印刷物を目で見る限り、汚染なし
△:軽度の汚染(5枚の刷り込みにより、目で見て判らない程度にまでとれる使用上問題ない汚染)
×:重度の汚染(5枚以上刷り込んでも、印刷物を目で見て以上が判る汚染)
(耐水性調査)
実施例、参考実施例及び比較例の130mm×130mm×2mmのスラブシートに対してJIS K6258に従い40±1℃、22±0.25時間で蒸留水に浸漬した時の体積変化率を測定し、その値をもとに、下記の基準で耐水性を判定した。
体積変化率が50%未満を「○」(耐水性に問題なし)、50%以上を「×」(耐水性に問題あり)とした。
上記実施例、参考実施例および比較例のローラについて、ローラ抵抗値を測定した。
(ローラ抵抗値の測定)
ローラ抵抗値Rは、図5に示す様に、芯金12を通した導電性ローラ11をφ30mmのアルミドラム13上に当接搭載し、電源14の+側に接続した内部抵抗r(100Ω)の導線の先端をアルミドラム13の一端面に接続すると共に電源14の−側に接続した導線の先端を導電性ローラ11の他端面に接続して測定した。この装置において、印加電圧をEとすると、ローラ抵抗Rは、R=r×E/(V−r)となるが、今回−rの項は微小とみなし、R=r×E/Vとした。芯金2の両端に500gづつの荷重Fをかけ、30rpmで回転させた状態で、印加電圧Eを100Vとしたときの検出電圧Vを4秒間で100個測定し、上式よりRを算出した。算出した100個のR値の平均値をローラ抵抗とした。表1及び表2中にその常用対数値log10R[Ω]を表示する。
(コスト)
実施例、参考実施例及び比較例の単位体積当たりの原材料コストを算出し、実施例4の価格を△(可)とし、この実施例4の価格よりも1割以上高いものを×(不適)、1割以上安いものを○(良)として表1及び表2中に示した。また実施例4の価格に近いもの、すなわち実施例4の価格の上下1割以内の価格は△(可)としている。
表1から分かるように、実施例1の導電性エラストマー組成物は、共重合比率が本発明の範囲であるEP−EO−AGE三元共重合体100重量部に対して、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを2重量部配合し、加硫系として硫黄及びチアゾール系の促進剤とチウラム系の促進剤を用いているため、体積固有抵抗値が10の6.6乗[Ω・cm]と低い上に、圧縮永久ひずみ、硬度も実用上適正な値であった。また、感光体汚染もなくコストの結果も○であり、ゴムローラとして優れた特性を有していることが確認できた。さらに、JIS K6258に従い40℃±1℃、22±0.25時間で蒸留水に浸漬した時の体積変化率が30%のため耐水性に関しても問題ないレベル(○)であった。
実施例2は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを11重量部配合している点のみが実施例1と異なる。体積固有抵抗値は10の6.3乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみ及び硬度も実用上適正な値であった。感光体汚染もなく、コスト評価は△であるものの、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。また、実施例1同様、耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例3は、加硫剤の加硫促進剤として、チオウレア類及びグアニジン系促進剤を用いている点のみが実施例1と異なる。体積固有抵抗値が10の6.4乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であった。感光体汚染もなくコストの結果も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例4は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを11重量部配合している点のみが実施例3と異なる。体積固有抵抗値が10の6.2乗[Ω・cm]と非常に低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、感光体汚染もなく、コスト評価は△であるものの、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
参考実施例は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムを11重量部配合している点のみが実施例2と異なる。体積固有抵抗値が10の6.7乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみ及び硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコストの結果も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
参考実施例は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムを11重量部配合している点のみが実施例4と異なる。体積固有抵抗値が10の6.5乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコストの結果も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
参考実施例は、陰イオン吸着剤を配合している点のみが参考実施例と異なる。体積固有抵抗値が10の6.2乗[Ω・cm]と非常に低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、感光体汚染もなく、コストの結果も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例は、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに代えて、リチウム−トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンを2重量部配合している点のみが実施例1と異なる。体積固有抵抗値が10の6.2乗[Ω・cm]と非常に低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコストは△であるものの、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例は、加硫剤として硫黄とチオウレア類を併用し、加硫促進剤もチアゾール系及びチウラム系のものとグアニジン系のものを併用している点のみが実施例1、実施例3と異なる。体積固有抵抗値が10の6.7乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコスト評価も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例は、加硫剤として硫黄とトリアジン誘導体を併用し、それに応じてチアゾール系とチウラム系の加硫促進剤の配合比率を変えている点のみが実施例1と異なる。体積固有抵抗値が10の6.6乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコスト評価も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
実施例は、実施例1〜7及び参考実施例1〜3で用いているEP−EO−AGE三元共重合体の代わりに、共重合比が上記好ましい範囲内であるEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)100重量部を用いている点のみが実施例3と異なる。体積固有抵抗値が10の6.7乗[Ω・cm]と低く、圧縮永久ひずみが小さくて非常に優れている上に硬度も実用上適正な値であり、さらには感光体汚染もなくコスト評価も○であり、導電性ローラとして優れた特性を有していることが確認できた。耐水性に関しても問題のないレベルであった。
以上の様に、実施例1〜8及び参考実施例1〜3は全て、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の6.9乗[Ω・cm]以下であり、また、JIS K6262に記載の「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下であり、デュロメータE硬度が75度以下で、さらには感光体汚染も全くなく、コストも○又は△であり、非常に優れていた。
また、参考実施例に示される様に、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムに陰イオン吸着剤を配合することにより、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム単独の場合よりもさらに体積抵抗率を下げることができ、高価なリチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを多く用いる場合と、同様の体積抵抗率減少効果が得られるので、コスト的により有利であった。
一方、表2に示すように、比較例1はフルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩を配合していない点のみが実施例1、2、5、参考実施例1と異なる配合であるが、体積固有抵抗値が10の6.9乗[Ω・cm]よりも大きく、また圧縮永久ひずみも30%より大きく、不適であり、実用に適さなかった。
比較例2は、EP−EO−AGE三元共重合体の共重合比率が本発明の範囲外である点のみが実施例2と異なる。リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを11重量部配合しても、体積固有抵抗値が10の6.9乗[Ω・cm]よりも大きく、コストの評価も△であった。また圧縮永久ひずみも非常に大きかった。
比較例3は、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩に代えて、非塩素系アンモニウム塩を配合した点のみが実施例1、2、5、参考実施例1と異なり、体積固有抵抗値が10の6.9乗[Ω・cm]よりも大きく、また圧縮永久ひずみもかなり大きかった。
比較例4は、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩に代えて、過塩素酸アンモニウム塩を配合した点のみが実施例1、2、5、参考実施例1と異なり、圧縮永久ひずみが非常に大きく、実用に適さなかった。
比較例5は、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩を直接添加ではなく低分子量化合物の媒体に分散させた高性能イオン導電性添加剤の形で配合した点で実施例1、2、5、参考実施例1と異なる。圧縮永久ひずみが大きく、不適であった。また、感光体汚染も×であり、導電性ローラや導電性ベルトとしては実用に適さなかった。
比較例6は、EO―PO―AGE三元共重合体の比率がEO:PO:AGE=90:4:6である点のみが実施例1と異なる。体積固有抵抗値が10の6.7乗[Ω・cm]と適正な値であったが、硬度が高すぎる上に、感光体汚染を起こして不適であった。また、耐水性にも問題があった。
また、上記実施例に発泡剤を配合して、下記の表3に示す発泡体1〜6を作成した。
発泡体1〜6は基材として前記実施例1と同じEP−EO−AGE三元共重合体を用い、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩(リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を2重量部、発泡剤を7.5重量部、その他の表3に記載の配合剤を混合し、実施例1と同様に混練して導電性発泡体用エラストマー組成物を得た。発泡剤として4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いた。
Figure 0004148470
発泡体1は実施例1の配合成分に化学発泡剤を加え、加硫剤として硫黄(加硫剤1)を用いた。
発泡体2は実施例の配合成分に化学発泡剤を加え、加硫剤として硫黄(加硫剤1)とチオウレア類(加硫剤2)を用いた。
発泡体3は発泡体2と同様で、発泡体2より硫黄およチオウレア類を減少した。
発泡体4は実施例3の配合成分に化学発泡剤を加え、加硫剤としてチオウレア類のみを用いた。
発泡体5は実施例の配合成分に化学発泡剤を加え、加硫剤としてトリアジン誘導体(加硫剤3)のみを用いた。
発泡体6は実施例の配合成分に化学発泡剤を加え、加硫剤として硫黄とトリアジン誘導体を用いた。
発泡体1〜6について、未加硫の状態で最適量サンプリングした後、日合商事株式会社製キュラストメータV型VDRでJIS規格の「振動式加硫試験機による加硫試験」の「ダイ加硫試験A法」に従い、ゴム試験片に破壊しない程度の低振幅(本発明では1°)の正弦波振動を与え、試験片から上ダイスに伝わるトルクを測定し、図6に示す加硫曲線を得た。なお、温度は160℃とした。
上記図6より、加硫剤として、発泡体2、3の硫黄とチオウレア類を用いた場合、発泡体6の硫黄とトリアジン誘導体を用いた場合は、発泡体1の硫黄のみ、発泡体4のチオウレア類のみを用いた場合、発泡体5のトリアジン誘導体のみを用いた場合と比較して、架橋密度が著しく上昇すると共に、加硫速度が大きく改善されることが確認できた。
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電気抵抗のばらつきが少なく安定した電気抵抗が得られるイオン導電性エラストマー成分に対して、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩を配合した導電性エラストマー組成物から形成しているため、圧縮永久歪みや硬度等の物性を確保したまま、非常に大きな導電度を得ることができる。よって、イオン導電性であるにもかかわらず、体積抵抗率が非常に低く、また圧縮永久歪みが小さい上に、ローラやベルトとして適切な硬度とすることができる。
また、エピクロルヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテルの共重合比率と共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO2−)を有する陰イオンを備えた塩の配合割合を規定しているため、より低い電気抵抗値を適切なコストで実現できると共に、常温常湿下での使用にも好適なものとすることができる。
従って、従来の導電性エラストマー組成物から形成される導電性部材では実現できなかった実用性のある低抵抗の組成物として種々の用途に用いることができる。具体的には、帯電、現像、トナー供給等のローラやベルトにおいて、消費電力を低減しながらも、ばらつきの少ない良好な画像を得ることができ、カラー複写機用またはカラープリンター用等の帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ベルト、転写ローラのような比較的低抵抗を要求されるプロセスでも、導電性ローラ及び導電性ベルトとして好適に使用することができる。さらには、上記導電性ローラあるいは/及び導電性ベルトを用いることにより、消費電力が小さく、しかも良好で均質な画像が長期に渡って安定して得られる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置を提供することができる。
次に、実施例10および比較例7、8について詳述する。
実施例10および比較例7、8は、下記の表4に記載の配合からなる材料(配合薬品)を混練りし、本実施例および比較例の導電性エラストマー組成物からなる導電性ローラを作製した。
Figure 0004148470
表4中の数値、略語等については上述の表1〜表3と同様である。実施例10および比較例7、8の導電性ゴムローラ、物性評価用のスラブシート、および試験片の作製についても上述した実施例1〜8、参考実施例1〜3、比較例1〜6と同様である。
(実施例10
共重合比率が本発明の範囲内であるEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)と、実施例ではNBR、実施例10ではCRの極性ゴムとをブレンドしてなるブレンドゴム100重量部に対して、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩(リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1重量部配合し、その他の表4に記載の配合剤を、表4に示す各配合比にて混合し、導電性エラストマー組成物を得た。
(比較例7、8)
比較例7は、共重合比率が本発明の範囲外の比率であるEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)と、極性ゴムであるNBRとをブレンドしてなるブレンドゴム100重量部に対して、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合せず、その他の表4に記載の配合剤を、表4に示す各配合比にて混合し、導電性エラストマー組成物を得た。
比較例8は、共重合比率が本発明の範囲外の比率であるEP−EO−AGE三元共重合体(EP:EO:AGE=63:34.5:2.5)100重量部に対して、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合せず、その他の表4に記載の配合剤を、表4に示す各配合比にて混合し、導電性エラストマー組成物を得た。
上記のように作製した実施例10および比較例7、8の導電性エラストマー組成物について、上述した方法で特性測定を行った。その結果を上記表4の下段に示す。
表4から分かるように、実施例は、共重合比率が本発明の範囲内の比率であるEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)40重量部と、極性ゴムであるNBR60重量部とをブレンドしてなるブレンドゴム100重量部に対して、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩(リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1重量部配合し、加硫系として硫黄及びチアゾール系の促進剤とチウラム系の促進剤を用いているため、体積固有抵抗値が10の8.0乗[Ω・cm]と低い上に、圧縮永久ひずみ、硬度も実用上適正な値であり、さらに感光体汚染もなく、ゴムローラとして優れた特性を有していることが確認できた。さらには、耐水性に関しても問題のないレベル(○)であった。
実施例10は、共重合比率が本発明の範囲内の比率であるEP−EO二元共重合体(EP:EO=39:61)50重量部と、極性ゴムであるCR50重量部とをブレンドしてなるブレンドゴム100重量部に対してフルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩(リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1重量部配合し、体積固有抵抗値が10の6.9乗[Ω・cm]と低い上に、圧縮永久ひずみ、硬度も実用上適正な値であり、さらに感光体汚染もなく、ゴムローラとして優れた特性を有していることが確認できた。さらには、耐水性に関しても問題のないレベル(○)であった。
以上の様に、実施例10は、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の8.9乗[Ω・cm]以下であり、また、JIS K6262に記載の「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久ひずみの大きさが30%以下であり、デュロメータE硬度が75度以下で、さらには感光体汚染もなく、非常に優れていた。
一方、表4に示すように、比較例7は、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合していない点のみが実施例と異なる配合であるが、体積固有抵抗値が10の8.5乗[Ω・cm]よりも大きく、不適であり、実用に適さなかった。
比較例8は、共重合比率が本発明の範囲外の比率であるEP−EO−AGE三元共重合体(EP:EO:AGE=63:34.5:2.5)をエラストマー成分とし、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩を配合していない点が実施例と異なる配合であるが、体積固有抵抗値が10の8.5乗[Ω・cm]よりも大きく、不適であり、実用に適さなかった。
さらに、実施例1113および比較例9〜11について詳述する。
実施例1113および比較例9〜11は、表5に記載の上述した実施例10、比較例7、3の表2、4に記載の配合材料にて上述した方法でローラを作製し、ローラの寸法は、後述のプリンターに装着できるように、外径20mmφ、内径(シャフト径)10mmφのものと、外径16mmφ、内径(シャフト径)10mmφの2形状に設定した。ただし、実施例1112、比較例9、10は、誘電正接を低減させる目的で無機充填1の軽質炭酸カルシウムから脂肪酸処理のハクエンカCC(白石カルシウム(株)社製)に変更し、40重量部配合した。実施例13、比較例11は、無機充填1の軽質炭酸カルシウムから弱電性カーボンブラック(旭カーボン(株)製「旭#15」)に変更してを50重量部配合した。
実施例1113および比較例9〜11について、上記の様にローラとした後、10mmφのシャフトに装着して160℃のオーブン内で接着し、その後、端部を成形し、表5に記載の仕上げ研磨を施し、20mmφ(公差0.05)で各々所定の表面粗さに仕上げて、現像ローラを製造した。各実施例および比較例のローラの表面粗さRzは表5に示す。なお、誘電正接は、実施例1112、比較例9、10は約1.5に、実施例13、比較例11は約1.1に調整した。ここでの誘電正接は100Hzでの測定結果である。
Figure 0004148470
ローラ表面を水洗いした後、さらに実施例1113および比較例9〜11について紫外線照射を行い表層に酸化層を形成した。これは紫外線照射機(セン特殊光源(株)製「PL21−200」)を用い、ローラと紫外線ランプ間の距離を10cmとして周方向90度毎に紫外線(波長184.9nmと253.7nm)を所定の時間(5分間)、照射することによって行い、ローラを4回回転させてローラ全周(360度)に酸化膜を形成させた。なお、紫外線照射した実施例1112、比較例9、10は誘電正接が約1.1に、実施例13、比較例11は約0.5となった。ここでの誘電正接は100Hzでの測定結果である。
上記のように作製した実施例1113および比較例9〜11の現像ローラについて下記の特性測定を行った。その結果を上記表5の下段に示す。なお、ローラ抵抗値は上述した方法と同様にして測定した。
(誘電正接の測定)
図7に示すようにゴムローラ21を載置している金属板23とシャフト22とを電極とし、ゴムローラ21に100Hz〜100kHzの交流電圧を印加し、LCRメータ(安藤電気製「AG−4311B」)にてR(抵抗)成分とC(コンデンサー)成分を分離して測定した。このRとCの値から以下の式により誘電正接やインピーダンス、位相角度等を求めた。測定温度は23℃〜24℃(室温)で行った。
誘電正接(tanδ)=G/(ωC)
G=1/R
このように、誘電正接は1本のローラの電気特性をローラの抵抗成分とコンデンサー成分の2種の並列等価回路としてモデル化した際に、G/(ωC)として求まる値である。
(表面粗さRzの測定)
表面粗さRzは、JIS B 0601(1994)にしたがって測定した。
(摩擦係数の測定)
図8に示すように、デジタルフォースゲージ((株)イマダ製「Model PPX−2T」)31と、摩擦片(市販のOHPフィルム)32と、20gの重り34と、導電性ゴムローラ33とからなる装置においてデジタルフォースゲージ31で測定された数値をオイラーの式に代入し、摩擦係数を算出した。
(印刷試験)
トナー離れ、トナー帯電の均一性、経時安定性(耐久性)を調査するため、市販のプリンターである非接触方式でマイナス帯電のトナーを用いているエプソン(株)製「LP2000C」に実施例1112および比較例9、10の各ゴムローラを、接触方式であるプラス帯電トナーを用いているブラザー工業(株)製「HL1440」に実施例13、比較例11の各ゴムローラを装着して画像を確認することで性能評価を行った。
画像評価(初期画像)は、100枚の25%印字後のハーフトーン画像を印刷した際の濃淡ムラとした。また、印刷後に、感光体に直前部分のトナーを帯電量測定機(トレック社製Q/m meter2(OHS.2A)によりトナーを吸引し、帯電量を測定すると共に、トナーの吸引重量を重量計で測定した。重量当たりの静電気量を帯電量(μC/g)として算出した。なお、重量は0.1mgの単位まで記録している。
耐久評価(3000枚印刷)は、トナーボックスが空にならないように表示の半数である3000枚印刷により、シール部の摩耗、および初期画像との差を比較してハーフトーンの安定性として評価した。
実施例1113は、紫外線照射を行い表層に酸化層を形成し、表面粗さRzおよび摩擦係数を本発明の範囲内としたので、ローラ抵抗値および印刷試験においても良好であった。また、非接触方式のプリンターを用いた場合、ローラ抵抗値が10の5乗を下回ると放電の可能性があるが、実施例1112は適切なローラ抵抗値を有していたため、放電も生じなかった。
なお、本発明の導電性ローラを用いることにより、非接触式あるいは接触式を問わずどの種のプリンターについても適用できることがわかった。
一方、比較例9は、ローラ抵抗値が高く、印刷試験においても良好でなかったため、総合評価が良くなかった。
比較例10、11は、表層に酸化層を形成して現像ローラとしては本発明の製造方法としたが、本発明の範囲内の配合でなかったため、印刷試験においてやや良好でなかったため、総合評価がやや劣った。
トナーの帯電量を向上できるクロロプレンゴム(CR)やアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のゴムがブレンドできなかったり、十分に電気抵抗値を下げることができないためである。
上記結果から、イオン導電性エラストマーであるEP―EO二元共重合体(EP:EO=39:61)と、NBR、CR等の極性ゴムとをブレンドしてなるブレンドゴムに対して、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩(リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を配合してなる導電性エラストマー組成物を用いて形成された導電性ゴムローラは、現像ローラとして用いた場合にもゴムの体積抵抗率を10の8.5乗[Ω・cm]以下まで低くできると共に、圧縮永久ひずみ、硬度、感光体汚染、印刷試験等において良好な特性をもつことがわかった。
本発明の導電性ローラの概略図である。 本発明の導電性ベルトの概略図である。 比較例で用いた非塩素酸第4級アンモニウム塩の構造を示す図である。 比較例で用いた過塩素酸第4級アンモニウム塩の構造を示す図である。 導電性ローラの電気抵抗値の測定装置を示す概略図である。 発泡体1〜6のキュラストメータによる加硫曲線を示す図である。 導電性ローラの誘電正接の測定方法を示す概略図である。 導電性ローラの摩擦係数の測定方法を示す概略図である。
符号の説明
1 導電性ローラ
2 軸芯
3 導電性ベルト
4 プーリー
5 直線状部分
6 シート材

Claims (18)

  1. 導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ローラであって、
    上記導電性エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムをイオン導電性エラストマー成分として含むと共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分を含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分中に分散されており、
    上記イオン導電性エラストマー成分に電子導電性導電剤による導電を付与せずに上記塩のみを添加して導電を付与した場合の印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の6.9乗[Ω・cm]以下、
    JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下、
    JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が75度以下であることを特徴とする導電性部材。
  2. 導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ローラであって、
    上記導電性エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムからなるイオン導電性エラストマー成分と、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上のゴムをブレンドすると共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO−)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴムを含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴム中に分散され、
    上記イオン導電性エラストマーに上記塩を添加して得られる導電度は、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の8.5乗[Ω・cm]以下、
    JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下であることを特徴とする導電性部材。
  3. JIS K6258に準拠して40±1℃、22±0.25時間で蒸留水に浸漬した時の体積変化率が50%未満である請求項1または請求項2に記載の導電性ローラ
  4. 上記エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が35〜15モル%/65〜75モル%/0〜10モル%である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性ローラ
  5. エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を単独、あるいは上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にクロロプレンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴムを混合して用い、
    硫黄及びチオウレア類を併用して架橋される、或いは硫黄及びトリアジン誘導体を併用して架橋される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電性ローラ
  6. 表面粗さRzが1μm以上8μm以下であり、表面の摩擦係数が0.1〜1.5である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導電性ローラ
  7. 表層が酸化膜とされている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導電性ローラ
  8. 上記表層の酸化膜が紫外線照射あるいは/およびオゾン照射により形成されてなる請求項7に記載の導電性ローラ
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の導電性ローラを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ベルトであって、
    上記導電性エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムをイオン導電性エラストマー成分として含むと共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO −)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分を含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分中に分散されており、
    上記イオン導電性エラストマー成分に電子導電性導電剤による導電を付与せずに上記塩のみを添加して導電を付与した場合の印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の6.9乗[Ω・cm]以下、
    JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下、
    JIS K6253に記載のタイプEデュロメータで測定した硬度が75度以下であることを特徴とする導電性ベルト。
  11. 導電性エラストマー組成物から形成されてなる導電性ベルトであって、
    上記導電性エラストマー組成物は、加硫ゴム組成物であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が45〜10モル%/55〜80モル%/0〜10モル%のエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体あるいは/及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体であるエピクロルヒドリンゴムからなるイオン導電性エラストマー成分と、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムからなる群から選ばれる1種以上のゴムをブレンドすると共に、フルオロ基(F−)及びスルホニル基(−SO −)を有する陰イオンを備えた塩であるビスフルオロアルキルスルホニルイミドの塩あるいは/及びトリス(フルオロアルキルスルホニル)メタンの塩を上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴムを含む全ポリマー成分100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の割合で含み、かつ、該塩は分子量1万以下の低分子量ポリエーテル化合物や低分子量極性化合物からなる媒体を用いずに上記イオン導電性エラストマー成分及び上記ゴム中に分散され、
    上記イオン導電性エラストマーに上記塩を添加して得られる導電度は、印加電圧100Vのもとで測定したJIS K6911に記載の体積抵抗率が10の8.5乗[Ω・cm]以下、
    JIS K6262に記載の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」で測定温度70℃、測定時間24時間、圧縮率25%で測定した圧縮永久歪みの大きさが30%以下であることを特徴とする導電性ベルト。
  12. JIS K6258に準拠して40±1℃、22±0.25時間で蒸留水に浸漬した時の体積変化率が50%未満である請求項10または請求項11に記載の導電性ベルト。
  13. 上記エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合比率が35〜15モル%/65〜75モル%/0〜10モル%である請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
  14. エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を単独、あるいは上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体にクロロプレンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴムを混合して用い、
    硫黄及びチオウレア類を併用して架橋される、或いは硫黄及びトリアジン誘導体を併用して架橋される請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
  15. 表面粗さRzが1μm以上8μm以下であり、表面の摩擦係数が0.1〜1.5である請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
  16. 表層が酸化膜とされている請求項10乃至請求項15のいずれか1項に記載の導電性ベルト。
  17. 上記表層の酸化膜が紫外線照射あるいは/およびオゾン照射により形成されてなる請求項16に記載の導電性ベルト。
  18. 請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載の導電性ベルトを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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