JP4261242B2 - 食品包装用袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポテトチップス等のスナック菓子用袋を始めとした、特に酸素バリア、水蒸気バリアを必要とする食品包装用袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスナック菓子用袋には、一般的にその包材構成が、内側からポリプロピレン樹脂層/ポリエチレン樹脂層/金属アルミ蒸着/二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)層/ポリエチレン樹脂層/二軸延伸ポリプロピレン樹脂層の6層構造となっているものや、ポリプロピレン樹脂層/金属アルミ蒸着/ポリエチレン樹脂層/二軸延伸ポリプロピレン樹脂層の4層構造となっているものが多い。
【0003】
最内層のポリプロピレン樹脂(PP)層は、シーラントとしての役割を担っている。最内層には、低温でヒートシールが可能なことと、シール直後のホットタック性とが必要となることから、ポリプロピレン樹脂が用いられている。ホットタック性は、袋の中身であるスナックの破損防止のために袋内に空気又は窒素を封入し袋を膨らませた状態で微加圧包装が行われるので必要となる。この最内層のポリプロピレン樹脂層の厚みは、20〜50μmぐらいに設定されることが多い。
【0004】
金属アルミ蒸着層は、外部からの光線を遮断する役割と、酸素、水蒸気の透過を防ぐ役割とを担っている。その厚みは300〜1500Å程度であり、通常は二軸延伸PETフィルム又はポリプロピレン樹脂フィルムに蒸着される。
二軸延伸PETフィルムは、金属アルミを最も安定に蒸着できる材質であり、厚みは12μmのものが多く使われる。
【0005】
ポリエチレン樹脂(PE)層は、二軸延伸PETフィルムと最外層の二軸延伸ポリプロピレン樹脂(OPP)フィルムとを貼り合わせたり、最内層の無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)フィルムと二軸延伸PETフィルムとを貼り合わせたりする接着剤の役割を担い、厚みは15μm程度である。ポリエチレン樹脂層として、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が用いられる場合があり、また、ポリエチレン樹脂層の代わりにウレタン系接着剤や有機溶剤を含まないモノマー含有接着剤が使用される場合もある。
【0006】
最外層を構成するOPPフィルムは、加熱されたヒートシール部材(シールバー)に直接当たり、その熱を最内層のポリプロピレン樹脂層まで伝える役割を担っており、厚みは15〜20μm程度である。
以上のような4〜6層構造のスナック菓子用袋の包材は、全厚みが40〜117μm程度となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成の包材の加工法としては、コスト面から、片面に金属蒸着層を形成したPETフィルムの蒸着面と未延伸PPフィルムの間にPEを押し出しながらラミネートするとともに、PETフィルムの蒸着していない面と二軸延伸フィルム(OPPフィルム)との間にPEを押出し、ラミネートするという加工法が採られる場合が多い。
【0008】
昨今の生産効率向上の要望から、包装機の高速化が求められている。高速で食品包装用袋を生産するためには、より短いシール時間で熱接着を行わなければならず、そのためには、一定の熱量をかけるには、必然的に高温短時間でのヒートシールが必要となる。従って、従来のシール時間に与えていた熱量を短時間で与えるためにはよりシール温度を高温にしなければならないが、従来の様な包材構成では、最内層、最外層での融点差が少なく、高温でシールすることができないという問題が存在した。特に、従来では、最外層にOPPフィルムを用いているため、ある一定以上の温度をかけると表面が熱収縮してしまい、商品価値をなくしてしまうという問題点があった。
【0009】
更に、蒸着が耐熱性の高いPETフィルムに対してではなく、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等の耐熱性の低いプラスチック材料からなるフィルムに対して行われる場合、蒸着は蒸着炉の中で高温下で行われ、その高温雰囲気下でテンションをかけながら繰り出し→蒸着→巻取りされるために、巻取り時のテンションによって、フィルム自身が延びてしまい、蒸着層にクラックが入るという問題点があった。
【0010】
通常、スナック菓子用袋等の食品包装用袋には各種プラスチックが用いられているが、近年、省資源と環境保全の観点から、工場生産工程や一般消費市場から回収された使用済みプラスチック製品の再利用の必要性が世界的に認識され、ポリエステルについても、その再利用が検討されている。
【0011】
よって、本発明の課題は、前述した問題を解決するために求められる機能(バリア性、高速生産性等)を満足させ、包装機で高速製袋可能な、スナック菓子等の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を要求される食品を良好に保存できる食品包装用袋を提供することにある。更に、包装材料形成材料として、回収素材の再利用を可能にすることも本発明の課題の一つである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、低融点ポリオレフィン樹脂からなるシーラント層(A)、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを含有する溶融組成物から形成された層(B)、蒸着層(C)、及び、ポリエステル樹脂からなる基盤層(D)がこの順に積層されてなる包装材料を用いて、上記層(A)が袋の内側になるように形成された食品包装用袋である。
以下に本発明を詳述する。
【0013】
本発明の食品包装用袋は、低融点ポリオレフィン樹脂からなるシーラント層(A)、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを含有する溶融組成物から形成された層(B)、蒸着層(C)、及び、ポリエステル樹脂からなる基盤層(D)がこの順に積層されてなる包装材料を用いて形成されるものである。
【0014】
上記層(A)は、低融点ポリオレフィン樹脂からなるシーラント層であり、本発明の食品包装用袋の最内層とされる層である。
上記層(A)で用いられる低融点ポリオレフィン樹脂としては、高速生産性を実現するためにできるだけ低融点のものが好ましく、例えば、65〜120℃の融点を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、それらの混合物等が挙げられる。
【0015】
上記低融点ポリオレフィン樹脂としては、なかでも、シングルサイト触媒を用いたシングルサイト系ポリオレフィン樹脂が好ましく、より好ましくはメタロセン触媒を用いたメタロセンポリオレフィン樹脂であり、特にメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)等のシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン(シングルサイト系LLDPE)が好ましい。
【0016】
本発明の食品包装用袋の最内層であるシーラント層(A)には、高速生産性のあること、すなわち、高速包装機で安定したシールが可能であることと、昨今のバリアフリー、ユニバーサルデザインといった機能を満たすためにイージーピール性が求められ、またポテトチップスやスナック菓子等の油脂を含む食品を包装する場合には耐油性といった機能が求められる。
【0017】
本発明者がこれらの機能を満たすべく鋭意研究を行った結果、特にシングルサイト系LLDPEを用いることにより優れた結果が得られた。
このシングルサイト系LLDPEとは、ポリエチレン製造技術の中でも画期的な重合技術により製造されるものである。従来の製造技術で用いられたチーグラー触媒は、活性点が多種類存在するマルチサイト触媒であり、生成されるポリマーの分子量分布、コモノマー分布は広くなる傾向があった。それに比べ、シングルサイト系LLDPEでは、分子量分布、コモノマー含有率分布が狭い、均質なポリマーが生成でき、求められる機能を満足できるフィルムが生成できる。
また、シングルサイト系LLDPEは、ポリマーの中に塩素のようなハロゲン化合物を含有していないために、非常にクリーンで環境にやさしいポリマーである。
【0018】
更に食品包装用袋に要求される低温シール性、耐油性等の機能を満足させるために、密度の異なるメタロセンLLDPEを2層以上に配置したものをシーラント層として用いることも可能で、この場合、融点の低い方がシーラント層の表面側となる。
【0019】
一般的にメタロセンLLDPEの密度が低ければ低いほど低温シール性が実現できるが、その一方で耐油性が劣るという点も挙げられる。従って、低温シール性を実現するために、メタロセンLLDPEとしては、密度0.910〜0.950g/cmのものを用いるのが好ましく、より好ましくは密度0.910〜0.935g/cmのものである。一方で耐油性を向上させるためには、密度の高いものを用いることが好ましく、密度0.920〜0.970g/cmの範囲のものを用いるのが好ましい。より好ましくは密度0.925〜0.950g/cmのものである。用途によって低温シール性と耐油性の両機能が求められる場合には、これらの異なる密度のメタロセンLLDPEを2層以上に配置することが好ましい。
【0020】
上記メタロセンLLDPEとしては、例えば、日本ポリオレフィン社製の商品名「ハーモレックス」等が市販されており、また、上記メタロセンLLDPEからなるフィルムとしては、例えば、ケーエフフィルム社製のHRシリーズやトーセロ社製の「T.U.X」、二村化学工業社製の「LL−X」、アイセロ化学社製の「スズロン−L」等が市販されている。
【0021】
また、本発明の食品包装用袋の最内層であるシーラント層(A)は、延伸処理を行うことなく形成された、実質未配向のポリオレフィン樹脂フィルムからなることが好ましい。一般にプラスチックの延伸は融点より10〜20℃低い温度で縦方向、横方向の二軸に延伸し、次いで熱固定することによって行われるが、できた延伸フィルムは未延伸フィルムに較べて腰、透明性、Oバリア性等がそれぞれ約3倍に向上され、その熱固定の温度まではこれらの物性が維持される。しかし、熱固定した温度よりも高くなると、延伸による配向が乱れて縮む現象が起こり、ヒートシールの際には、ヒートシール部が皺になったりして、ヒートシールが満足にできない結果となる。従って、最内層のシーラント層(A)は、延伸処理を行うことなく形成された実質未配向の無延伸のポリオレフィン樹脂フィルムからなることが好ましい。
【0022】
上記シーラント層(A)には、ホットタック性や帯電防止性を付与するために適宜添加剤を混練した樹脂を用いても良い。
【0023】
上記シーラント層(A)の厚みとしては、単層、2層以上からなる場合ともに2〜20μmが好ましい。2μm未満であると成形時の偏肉により充分シールするのに必要な厚みが保てず、また、シール時の高圧力によって流動してしまい、密封性が保てない。一方、20μmを超えると包装材料全体の厚みが増し、シール時に、縦シールと横シールとの重なり部分でピンホールが生じやすくなる。より好ましくは3〜10μmである。
【0024】
上記蒸着層(C)は、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有するバリア層である。
このような蒸着層(C)としては、例えば、金属及び/又はセラミックを蒸着してなる金属蒸着層やセラミック蒸着層が挙げられる。
【0025】
上記蒸着層(C)としては、SiOx、Al又はAlからなる単独蒸着層、又は、SiOx/Al、SiOx/ZnO、SiOx/CaO、SiOx/B、CaO/Ca(OH)からなる2元蒸着層が用いられる。なお、SiOxとしては、例えば、SiO、SiO1.8、SiO1.6等が挙げられる。
【0026】
異物等の混入を事前に発見するために金属検出器等を使用する場合には、上記蒸着層(C)として、セラミック蒸着層が好ましい。セラミック蒸着を行うことにより、従来金属蒸着のために異物検出器が行えなかったものについても金属検出器による検査が可能となる。
【0027】
上記蒸着層(C)の厚みとしては、300〜1500Åが好ましい。300Å未満であると均一な蒸着が困難であり、1500Åを超えると包装材料全体の厚みが増し、シール時に、縦シールと横シールとの重なり部分でピンホールが生じやすくなる。
【0028】
上記蒸着層(C)は、基材に金属及び/又はセラミックを蒸着することにより得られる。このため基材を構成するフィルムとしては、蒸着時の熱履歴に耐えられるだけの耐熱性を備えたものが好ましく、上記基盤層(D)を基材として用いてもよいが、別途、ポリエステル樹脂からなる層(E)を蒸着層(C)の基材として設けてもよい。この場合、得られた食品包装用袋には、層(B)と層(C)との間に、ポリエステル樹脂からなる層(E)が形成されていることとなる。
【0029】
上記層(E)で用いられるポリエステル樹脂としては特に限定されないが、多官能性化合物により改質されたポリエチレンテレフタレート樹脂が好適に用いられる。上記多官能性化合物により改質されたポリエチレンテレフタレート樹脂としては、下記に詳述する層(B)で用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0030】
上記層(B)はポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを含有する溶融組成物から形成された層である。
上記層(B)に用いられるポリエステル樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、又は、それらの共重合体等の芳香族ポリエステルが挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が、世界的に大量生産されており好ましい。また、ポリカプロラクトン、ポリエチレン−サクシネート、ポリブチレン−サクシネート、ポリブチレン−サクシネート−アジペート、ポリ乳酸等の生分解性性脂肪族ポリエステルも層(B)を形成する素材として用いられる。
【0031】
また、上記ポリエステル樹脂としては、環境に配慮する観点から、回収されたポリエステル樹脂等の比較的分子量の低いポリエステル樹脂を原料として分子量、分子量分布の増大した成形加工性の改良されたポリエステル樹脂を用いることが好ましく、このような樹脂としては、多官能性化合物により改質された改質ポリエステル樹脂(X)を用いることができる。
【0032】
上記改質ポリエステル樹脂(X)としては、例えば、飽和ポリエステルに多官能性化合物として特定のエポキシ化合物及び結合反応触媒を配合し、熱溶融することによって得られた樹脂が挙げられる。より具体的には、(a)直鎖状飽和ポリエステル100重量部、(b)多官能性化合物として分子内に2個のエポキシ基を含有する化合物0〜100重量%及び3個以上のエポキシ基を含有する化合物100〜0重量%の混合物0.3〜10重量部、(c)結合反応触媒0.01〜5重量部から構成される混合物を、上記直鎖状飽和ポリエステルの融点以上の温度で加熱することにより得られる樹脂を用いることができる(国際公開WO98/44019号公報参照)。
【0033】
上記直鎖状飽和ポリエステルとしては、固有粘度0.50〜0.90dl/gのポリエチレンテレフタレート系芳香族ポリエステルが好ましく、また、回収されたポリエチレンテレフタレート系芳香族ポリエステル成形品の再循環物であることが好ましい。
【0034】
上記多官能性化合物のうち、分子内に2個のエポキシ基を含有する化合物としては、例えば、脂肪族系のポリエチレングリコール−ジグリシジルエステル、芳香族系のビスフェノールA−ジグリシジルエステル、ビスフェノールA−ジグリシジルエステル初期縮合物、それらの混合物等が挙げられる。
上記多官能性化合物のうち、分子内に3個以上のエポキシ基を含有する化合物としては、例えば、脂肪族系のトリメチロールプロパン−トリグリシジルエーテル、芳香族系のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、それらの混合物等が挙げられる。
【0035】
上記結合反応触媒としては、例えば、アルミニウム塩、ナトリウム塩、マンガン塩、アルカリ土類金属、亜鉛塩等のカルボン酸の金属塩;マンガンの炭酸塩等が挙げられる。
【0036】
上記層(B)に用いられるポリオレフィン樹脂としては特に限定されないが、例えば、カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)が好適に用いられる。
上記カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)としては、例えば、無水マレイン酸又はカルボン酸基を含有するエチレン系単量体が共重合されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、それらの混合物等が挙げられる。また、ポリエチレン又はポリプロピレンに無水マレイン酸と有機過酸化物とを添加して加熱反応処理によりカルボン酸基が導入されたポリオレフィンを使用することもでき、更に、エチレン−アルキルアクリレート共重合体の部分鹸化物を使用することもできる。
【0037】
上記層(B)形成するにあたっては、単にポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とをブレンドして溶融しても、混合状態が悪く、相分離を起こし、均一な混合状態の溶融組成物は得られない。
そこで、本発明においては、均一な溶融混合状態を実現するために、以下の方法を採ることが好ましい。すなわち、(a)ポリエステルを改質してエポキシ基等を導入し、一方、ポリオレフィンにもカルボン酸基等を導入することにより、化学結合によるポリエステルとポリオレフィンのブロック共重合体を生成させ、かかるブロック共重合体の存在により、ポリエステルとポリオレフィンの相溶性を高める方法、又は、(b)ポリエステルとポリオレフィンの相溶性を高めるのに効果的な相溶化剤をブレンドする方法を採ることが好ましい。上記(a)又は上記(b)の方法により得られた溶融組成物では、ポリエステルとポリオレフィンとはミクロ分散状の海島構造を形成している。
【0038】
ミクロ分散状の海島構造を実現するためには、具体的には、上記層(B)で用いられる溶融組成物としては、ポリエステル樹脂は上記多官能性化合物により改質された改質ポリエステル樹脂(X)、ポリオレフィン樹脂は上記カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)を用いることが好ましい。これにより、上記改質ポリエステル樹脂(X)と上記カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)との間に化学結合が生じ、ブロック共重合体が生成することにより、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とはミクロ分散状で混合している。(特開2001−122955号参照)。
【0039】
このような溶融組成物としては、より具体的には、(a)上記直鎖状飽和ポリエステル95〜5重量部、(b)上記カルボン酸基含有ポリオレフィン樹脂5〜95重量部、(c)多官能性化合物として上記の分子内に2個のエポキシ基を含有する化合物0〜100重量%及び分子内に3個以上のエポキシ基を含有する化合物100〜0重量%の混合物を上記のaとbの合計の0.1〜10重量%、(d)結合反応触媒としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム等の有機酸の金属塩を上記のaとbの合計の0.01〜5重量%から構成される混合物を、予め上記のポリエステル、ポリオレフィンの融点以上の温度で加熱することによって、溶融粘度を増加させてJIS K−7210、条件20に規定する温度280℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)を50g/10分以下にしたポリエステル−ポリオレフィン・ブロック共重合体樹脂を含有するものが好ましい。
【0040】
また、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とが相分離することなく溶融混合状態になることを実現するために相溶化剤を用いる場合にあっては、上記相溶化剤としては、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを両樹脂の特性を生かしながら少なくとも海島状にミクロ分散させるものであれば、公知のいずれの反応性又は非反応性の相溶化剤でも用いることができる。例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋構造体(アイオノマー)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、又は、カルボキシル基又はその誘導体を有するスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体ブロックとスチレン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体等が挙げられる。
これらの相溶化剤は、ミクロ分散状の海島構造の溶融混合状態を得るのに必要な量が混合されればよいが、通常は、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂との混合物全体の2〜20重量%となるように加えられる。
【0041】
上記層(B)で用いられる溶融組成物としては、回収PET樹脂を改質し本来のPETが持つ機能以上に高機能化した改質PET樹脂と、カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂とからなることが好ましい。
最内層のシーラント層(A)にメタロセンLLDPEを用いることにより低温シール性と食品に対する安全性、耐油性等の機能を強化するとともに、層(E)に耐熱性の高い改質PET樹脂を用いることにより蒸着層を蒸着する際の熱履歴によるクラック等の発生を良好に防止すると、極めて高機能化された積層フィルムを実現できる。通常、メタロセンLLDPEと改質PET樹脂とからなるフィルムは、コスト上有利にするために共押し出しにて製膜されるが、これらの異種材を2層の共押し出し成形した場合には、充分な接着強度が得られない。
このため、これらの両樹脂を接着し、なおかつ環境への負荷を考慮して接着剤を使用せずに、共押し出し成形にて充分な接着強度を得るために、これら両サイドの樹脂を互いに一定の配合率にてブレンドし、溶融して形成された樹脂を層(B)として中間層に用いることが好ましい。通常、シーラント層としては、未延伸・高伸度のフィルムを用いるが、シーラント層と基材層との接着力が悪いと、袋開封時にシーラント層と基材層とが剥離し、基材層はすぐに破断するが、シーラント層のみは開口部のひろがりに追従して伸びるため、開封がしにくいという問題があった。特に、シーラント層として、メタロセン系ポリオレフィン樹脂を用いた場合、この傾向があった。しかし、本発明では、層(B)がシーラント層(A)との接着性に優れるために、袋開封時にシーラント層(A)が他の層(層(B)+層(C)+層(D))から離れることなく、一緒に破断するために、開封が容易になるという効果がある。
【0042】
回収PET樹脂を改質し、本来のPETが持つ機能以上に高機能化されたPET樹脂とカルボン酸含有ポリオレフィン樹脂をブレンドして用いた場合、改質PET樹脂とカルボン酸含有ポリオレフィン樹脂とがブロック共重合体を形成することにより、ポリオレフィン樹脂ともポリエステル樹脂とも接着強度を保てることになり、シーラント層(A)として最内層に配置される低融点ポリオレフィン樹脂からなる層との層間接着強度と、バリア性を持たせるための蒸着を施す基材層として設けられたポリエステル樹脂からなる層(D)及び層(D)との層間接着強度を、いずれも良好なものとすることができる。この場合、通常の接着剤を使用したときの層間接着強度以上の強度が得られる。本発明においては、PET樹脂とポリオレフィン樹脂とが相分離することなく、ミクロ分散状の海島構造を形成すればよいので、ミクロ分散状の海島構造を保持する範囲で、改質PET樹脂とカルボン酸含有ポリオレフィン樹脂とのブレンドに、更にPET樹脂、ポリオレフィン樹脂を加えてもよい。かかるポリオレフィン樹脂としては、 シーラント層に用いられるメタロセンLLDPEが挙げれれる。
【0043】
また、上記層(B)に用いる溶融組成物の中で、改質PET樹脂及びカルボン酸含有ポリエチレン樹脂等のブロック共重合体を構成する要素以外に、メタロセンLLDPEを加えて、その添加量を増減することにより、基盤層(D)とシーラント層(A)との間の接着強度を適度に調節することが可能となり、これにより袋の開封強度が適度に調節される。
【0044】
上記層(B)の、上記層(A)である低融点ポリエチレン樹脂層と上記層(E)であるポリエステル樹脂層とに対する接着強度は、上記層(B)におけるポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂との混合比率に依存するため、一定以上の接着強度を得るためには、上記溶融組成物におけるポリオレフィン樹脂の含有率は10〜60重量%であることが好ましい。更に好適には、20〜50重量%となるように配合することがより好ましい。
【0045】
上記層(B)の厚みとしては、2〜20μmが好ましい。2μm未満であると充分な接着強度を発現できず、20μmを超えると包装材料全体の厚みが増し、シール時に、縦シールと横シールとの重なり部分でピンホールが生じやすくなる。より好ましくは3〜10μmである。
【0046】
上記基盤層(D)は、ポリエステル樹脂からなる層であり、本発明の食品包装用袋の最外層とされるものである。
上記包装材料から本発明の食品包装用袋を形成し包装を行う場合には、最内層であるシーラント層(A)にシールができるだけの熱量を与えなければならないが、高速包装機で包装する場合にはシール時間が充分に確保できないので、高温で熱を与えなければならない。このため、上記ポリエステル樹脂としては、耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。かかるポリエチレンテレフタレート樹脂としては通常のPET樹脂が用いられるが、前述の改質PET樹脂を用いてもよい。
【0047】
本発明の食品包装用袋のシール方式として熱板による圧着方式が用いられる場合、最外層である基盤層(D)からの熱伝導により、シーラント層(A)を溶融させることになる。従って、高速で製袋するためには、最外層とシーラント層(A)との融点差が大きいほど有利であり、高速製袋適性が高いといえる。
従って、シーラント層(A)に超低融点であるメタロセンLLDPEを用い、なおかつ、最外層である基盤層(D)に耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合、より高温での加熱シールが可能となり、より高速での製袋が実現できることとなる。
【0048】
更に、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂は、二軸延伸されたフィルムとして用いることが好ましい。二軸延伸されたフィルムを用いることにより、腰、透明性、Oバリア性に優れる。
【0049】
上記蒸着層(C)の基材として上記基盤層(D)を用いる場合は、基盤層(D)の片面に蒸着層(C)が形成されたフィルムの蒸着層(C)側の面と、共押し出し成形により形成したシーラント層(A)及び層(B)からなるフィルムの層(B)側の面とを、接着剤を用いて貼り合わせることにより本発明の食品包装用袋を製造することができる。この場合、得られた食品包装用袋の層(B)と蒸着層(C)との間には接着剤層(F)が形成されていることとなる。
【0050】
上記蒸着層(C)の基材として上記基盤層(D)を用いる場合であって、かつ、層(E)も形成される場合は、基盤層(D)の片面に蒸着層(C)が形成されたフィルムの蒸着層(C)側の面と、共押し出し成形により形成したシーラント層(A)、層(B)及び層(E)からなるフィルムの層(E)側の面とを、接着剤を用いて貼り合わせることにより本発明の食品包装用袋を製造することができる。この場合、得られた食品包装用袋の層(E)と蒸着層(C)との間には、接着剤層(F)が形成されていることとなる。
【0051】
上記接着剤としては特に限定されず、適宜選択することができるが、例えば、ウレタン樹脂系接着剤が好適に用いられる。
【0052】
本発明の食品包装用袋に印刷を施す場合は、蒸着層(C)が接していない基盤層(D)の表面上に印刷層を形成するか、又は、基盤層(D)と接着剤層(F)との間に印刷層を形成することが好ましい。いずれの場合も、最外層である基盤層(D)に印刷を施すのが好ましいが、基盤層(D)の内面側に印刷するか外面側に印刷するかはその用途によって決められ、限定されるものではない。
【0053】
上記基盤層(D)の内側に印刷が施された場合には、基盤層(D)が透明であるために、印刷の見栄えが良くなる。上記基盤層(D)の内面に印刷を施した場合は、印刷が施された基盤層(D)の印刷面側と蒸着層(C)面とを接着剤を介して貼り合わせる。接着剤を使用してラミネートする場合にも、環境適合性を考慮して、ノンソルベントラミネート加工とすることが好ましい。
【0054】
このような本発明の食品包装用袋の好適な態様としては、例えば、袋の内側から、低温シール可能なメタロセンLLDPEからなるシーラント層(A)/回収PETを用いた改質PET樹脂+カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂+メタロセンLLDPEブレンド樹脂からなる層(B)/回収PETを用いた改質PET樹脂からなる層(E)/酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有する蒸着層(C)/接着剤層(F)/印刷層/二軸延伸されたPET樹脂フィルムからなる基盤層(D)の順に積層された包装材料を、低温シール可能なメタロセンLLDPEからなるシーラント層(A)を内側にしてヒートシールすることにより形成されたものが挙げられる。
【0055】
本発明によれば、低温でのシールが可能であり、なおかつ、耐油性に優れ、易開封性を付与された食品包装用袋が得られる。更に、環境に配慮して回収PETを改質した改質PET樹脂を用いた場合は、環境への負荷が低減した高機能性の食品包装用袋を得ることができる。また、層(E)として改質PET樹脂を用い、この表面に蒸着層(C)を配置した場合、印刷加工での劣化の恐れもなく、加工時の熱履歴にも絶えうる蒸着が可能となり、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を良好に発現することができる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
[実施例1]
下記の3種類の樹脂をキャスト機を用いてトータル厚み40μm(シーラント層10μm、ブレンド樹脂層15μm、PET樹脂層15μm)になるように積層した積層フィルムを作製した。
(1)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPE
(2)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPEと回収PETボトルからのPETフレークを特開2001−122955号公報実施例1と同様にしてエチレン・メチルアクリレート・無水マレイン酸の三元共重合体、エチレングリコール・ジグリシジルエーテル(2官能化合物)及びトリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテル(3官能化合物)により改質したポリエチレン含有PET樹脂組成物とを20:80の比率(重量)でブレンドした樹脂(ポリエチレン含有量:43重量%)
(3)2官能性及び3官能性エポキシ化合物で改質した、ポリエチレンを含有しない改質PET樹脂(国際公開WO98/44019号公報明細書実施例1に準じて作製した)
【0058】
得られた積層フィルムの改質PET樹脂面にバッチ式真空蒸着機を用いて加熱蒸着法によりアルミ蒸着を800Åの厚みで施し、これに対して印刷が施された二軸延伸PETフィルム(12μm)を、大日精化工業のノンソルボンド「XC−231」及び「XA−126」を用いて、蒸着層と印刷層とが接着剤層(3.3g/m)を挟んで隣接するようにノンソルベントラミネート方法にて貼合し、スナック菓子用袋の原反(フィルムロール)を作成し、その構造を図3に示した。
【0059】
得られた原反と、従来のOPP(18μm)/PE(13μm)/PET(12μm)/Al蒸着(800Å)/PE(13μm)/CPP(30μm)という構成の原反とについて、それぞれヒートシール温度特性、O透過度、HO透過度を測定し比較した。その結果を、図1及び表1に示した。
なお、O透過度及びHO透過度の測定は、下記により行った。
透過度:MOCON社製OX−TRAN2/20 MH23℃ ドライ
O透過度:MOCON社製PERMATRAN W3/31 MG 40℃90%RH
【0060】
【表1】
Figure 0004261242
【0061】
次いで、これらの原反を用いて、実際のスナック菓子包装機(イシダ社製の「APEX包装機」)を使った実機テストを行った。その結果を、表2に示した。
なお、上記のイシダ社製「APEX包装機」は、米国特許5347795号に開示されているものである。
【0062】
【表2】
Figure 0004261242
【0063】
図1から明らかなように、本発明品のヒートシール強度は、ヒートシール温度約105℃位から立ち上がり、従来品に比べて、約50℃低い温度でヒートシールできることがわかった。その結果、表2に示すように包装速度が上がり、従来品の2倍のスピードで包装できた。すなわち、従来品では1分間に75個しか製袋包装できなかったが、本発明品では1分間に150個の製袋包装が可能となる。また、本発明品では最外層に耐熱性の高いPETフィルムを用いているために高温シール時のシールバーによる包装材料の熱劣化、収縮等の現象も生じなかったので、更に高速で製袋することが可能である。
【0064】
また、オリーブオイルを使用して耐油性テストを行ったところ、本発明品ではシール片の劣化等も確認されず、充分油脂食品を充填できるだけの耐油性を有していることも確認された。
なお、食品を包装する場合、特にスナック菓子包装機では、図4に示すように、まずメタロセンLLDPEを用いたシーラントフィルム層が内側となるようにスナック菓子用フィルムが筒状にされ、合わせられた背部分がヒートシールされる(背シール)。次に、筒状となったスナック菓子用袋の内部に、スナック菓子が投入される。そして、筒状のスナック菓子用袋の両端がヒートシールされる(サイドシール)。このようにして、スナック菓子用袋の中に、スナック菓子が包装される。
【0065】
[実施例2]
実施例1と同様に、下記の3種の樹脂を3種3層に共押し出し成形することにより積層フィルムを得た。
(1)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPE
(2)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPE20重量%に対し、シートから回収したPETを実施例1と同様にエチレン・メチルアルコール・無水マレイン酸の三元共重合体と2官能基及び3官能基のエポキシ樹脂とで改質したポリエチレン含有PET樹脂組成物を80重量%の比率でブレンドした樹脂
(3)実施例1と同様の2官能性及び3官能性のエポキシ樹脂で改質した、ポリエチレンを含有しない改質PET樹脂
【0066】
得られた積層フィルムに、アルミナ蒸着を800Åの厚みで施した厚さ12μmのPETフィルム(東洋メタライジング社製「HGC1011グレード」)とを大日精化工業社製のノンソルボンド「XC−231」、「XA−126」を用いてノンソルベントラミネート方法にて貼合し、更に大日精化工業社製の商品名「ダイエコロ」を用いて表面に印刷を施し、スナック菓子用袋の原反(フィルムロール)を作成した。
得られた原反のヒートシール温度特性、O透過度、HO透過度を測定し、その結果を、図2及び表3に示した。
【0067】
【表3】
Figure 0004261242
【0068】
本発明品は印刷層を除き包材構成が実施例1の本発明品と等しく全厚み及びシーラント層も全く同じであるため、そのヒートシール温度特性は、図2から明らかなように、図1に示した本発明品のヒートシール温度特性とほぼ同一のカーブとなった。従って、実包装機による包装速度も、実施例1の本発明品と同一の速度となることが想定される。また、実施例2では、実施例1とは異なり表面印刷を行ったために、印刷層による影響が少なく、バリア性の低下が少ないことが確認できた。
【0069】
[実施例3]
下記の3種の樹脂をキャスト機を用いてトータル厚み40μmになるように積層して、積層フィルムを得た。
(1)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPE
(2)密度0.918g/cmのメタロセンLLDPE30重量部に対し、回収PETボトルからのPET樹脂75重量部とメタロセンLLDPE(密度0.918g/cm)20重量部と、相溶化剤として融点が60℃、MFRが6g/10分、ビカット軟化点が40℃以下、降伏点強度が4MPa、破断伸びが1100%であるエチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート三元共重合体(エチレン:メチルアクリレート:グリシジルメタクリレート=67重量%:25重量%:8重量%)と融点が78℃、MFRが2g/10分、ビカット軟化点が45℃、降伏点強度が9MPa、破断伸びが850%であるエチレン−ブチルアクリレート共重合体(エチレン:ブチルアクリレート=70重量%:30重量%)とを3:7の重量比で混合した混合物5重量部とを混合し、約270℃で溶融押出しして得た改質PET樹脂を70重量部の比率でブレンドした樹脂
(3)(2)で得られた改質PET樹脂
【0070】
得られた積層フィルムの改質PET樹脂面にバッチ式真空蒸着機を用いて加熱蒸着法によりアルミ蒸着を800Åの厚みで施し、これに対して印刷が施されたPETフィルム(12μm)を、大日精化工業のノンソルボンド「XC−231」及び「XA−126」を用いて、蒸着層と印刷層とが接着剤層を挟んで隣接するようにノンソルベントラミネート方法にて貼合し、スナック菓子用袋の原反(フィルムロール)を作成した。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、低温で高速シールされた食品用包装袋を得ることができ、得られた袋は、易開封性である。更に、環境を考えて回収PETを改質した改質PET樹脂を用いる場合は、環境への負荷が低減した高機能性の食品包装用袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるスナック菓子用袋の原反(本発明品)及び従来の原反(従来品)のヒートシール温度特性を示す図である。
【図2】実施例2におけるスナック菓子用袋の原反(本発明品)及び従来の原反(従来品)のヒートシール温度特性を示す図である。
【図3】実施例1における本発明品の食品包装用袋に用いられる包装材料の積層構成を示す図である。
【図4】ピロー包装のフィンシールの説明図である。
【符号の説明】
1 メタロセンLLDPE層
2 メタロセンLLDPE+カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂+改質PET樹脂ブレンド層
3 改質PET樹脂層
4 アルミ蒸着層
5 接着剤層
6 印刷層
7 PET樹脂層
8 背シール
9 サイドシール

Claims (19)

  1. 低融点ポリオレフィン樹脂からなるシーラント層(A)、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂とを含有する溶融組成物から形成された層(B)、多官能性化合物により改質されたポリエチレンテレフタレート樹脂から形成された層(E)、蒸着層(C)、及び、ポリエステル樹脂からなる基盤層(D)がこの順に積層されてなる包装材料を用いて、前記層(A)が袋の内側になるように形成された食品包装用袋。
  2. 層(B)及び層(D)で用いられるポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1記載の食品包装用袋。
  3. 層(B)又は層(D)で用いられるポリエステル樹脂が、多官能性化合物により改質された改質ポリエステル樹脂(X)である請求項1又は2記載の食品包装用袋。
  4. 層(B)で用いられるポリオレフィン樹脂が、カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)である請求項1から3のいずれかに記載の食品包装用袋。
  5. 層(B)で用いられる溶融組成物において、ポリエステル樹脂は多官能性化合物により改質された改質ポリエステル樹脂(X)であり、ポリオレフィン樹脂はカルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)であり、前記改質ポリエステル樹脂(X)と前記カルボン酸含有ポリオレフィン樹脂(Y)との間に化学結合が存在する請求項1から4のいずれかに記載の食品包装用袋。
  6. 層(B)は、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂に相溶化剤を加えた溶融組成物から形成された層である請求項1から3のいずれかに記載の食品包装用袋。
  7. 相溶化剤は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋構造体(アイオノマー)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、又は、カルボキシル基又はその誘導体を有するスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体ブロックとスチレン系重合体ブロックとからなるブロック共重合体である請求項6に記載の食品包装用袋。
  8. 層(B)に更に低融点ポリオレフィン樹脂が加えられた請求項2から7のいずれかに記載の食品包装用袋。
  9. 層(B)で用いられる溶融組成物におけるポリオレフィン樹脂の含有率が、10〜60重量%である請求項1から8のいずれかに記載の食品包装用袋。
  10. 層(A)で用いられる低融点ポリオレフィン樹脂が、メタロセンポリオレフィン樹脂である請求項1から9のいずれかに記載の食品包装用袋。
  11. 層(A)が、無延伸のポリオレフィン樹脂フィルムからなる層である請求項1から10のいずれかに記載の食品包装用袋。
  12. 層(C)が、金属及び/又はセラミックを蒸着してなる層である請求項1から11のいずれかに記載の食品包装用袋。
  13. 層(D)が、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる層である請求項1から12のいずれかに記載の食品包装用袋。
  14. 層(E)と層(C)との間に、接着剤層(F)が形成された請求項1から13のいずれかに記載の食品包装用袋。
  15. 層(D)の片面に層(C)が形成されたフィルムの層(C)側の面と、共押し出し成形により形成した層(A)、層(B)及び層(E)からなるシートの層(E)側の面とを、接着剤を用いて貼り合わせてなる包装材料を用いて形成された請求項1から13のいずれかに記載の食品包装用袋。
  16. 接着剤が、ウレタン樹脂系接着剤である請求項14又は15記載の食品包装用袋。
  17. 層(C)が接していない層(D)の表面上に印刷層が形成された請求項1から16のいずれかに記載の食品包装用袋。
  18. 層(D)と層(F)との間に印刷層が形成された請求項14に記載の食品包装用袋。
  19. 片面に層(C)が形成された層(E)と、層(A)及び層(B)とを積層して得た層(A)、層(B)、層(E)、層(C)の順に積層された積層体と、
    層(D)上に印刷層が形成された積層体とが、層(F)を介して一体化されてなる、層(A)、層(B)、層(E)、層(C)、層(F)、印刷層、層(D)の順に積層された積層体からなる請求項1から13及び18記載の食品包装用袋。
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