JP4259654B2 - 一酸化炭素低減用触媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素低減用触媒体に関し、さらに詳しくは、改質ガスを水素源とする燃料電池に用いられ、燃料電池に供給される改質ガスに酸素を注入し、改質ガス中に含まれる少量の一酸化炭素を選択的に酸化除去するための一酸化炭素低減用触媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」という)を用いる燃料電池であり、出力密度が高いこと、構造が単純であること、動作温度が比較的低いこと、静粛性があること、等の特徴を有していることから、従来から宇宙開発用あるいは軍用の電源として用いられている。また、燃料電池は、水素を燃料として用いた場合には、本質的には窒素酸化物及び炭酸ガスを排出しないことから、近年では、自動車用の低公害動力源としても注目されているものである。
【0003】
12に、メタノール改質ガスを燃料とする固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池システムの一例を示す。図12(a)において、燃料電池システム10は、固体高分子型燃料電池20と、燃料改質器30とを備えている。
【0004】
固体高分子型燃料電池20は、電解質膜22の両面に燃料極24及び空気極26を接合した構造を基本構造とする。燃料改質器30で得られる水素を主成分とする改質ガスを燃料極24に供給すると共に、空気極26側に空気等の酸素を含むガスを供給することにより起電力が得られ、得られた起電力は、燃料極24及び空気極26に接続された負荷28に供給されるようになっている。
【0005】
燃料改質器30は、改質部32と、メタノール蒸気発生器34と、水蒸気発生器36と、一酸化炭素低減装置38とを備えている。改質部32は、メタノール蒸気発生器34及び水蒸気発生器36で発生させたメタノール蒸気及び水蒸気を触媒存在下で反応させ、水素を主成分とする改質ガスを発生させる部分である。
【0006】
また、一酸化炭素低減装置38は、改質部32で得られる改質ガス中に含まれる少量の一酸化炭素を除去し、一酸化炭素が除去された改質ガスを燃料極24に供給する部分である。
【0007】
メタノールの水蒸気改質により得られる改質ガスは、ナフサ等の水蒸気改質により得られる改質ガスに比較して、一酸化炭素濃度が低いという特徴がある。しかし、燃料極24の電極触媒として用いられている白金系の触媒は、少量の一酸化炭素であっても被毒され、高電流密度領域での電池性能を著しく低下させることで知られている。
【0008】
特に、固体高分子型燃料電池20は、作動温度が50〜100℃と低いため、燃料極24に供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を数十ppmレベルに下げる必要があり、メタノールの水蒸気改質により得られる改質ガスをそのまま燃料極24に供給することはできない。
【0009】
そのため、固体高分子型燃料電池20を用いた燃料電池システム10においては、燃料改質器30に一酸化炭素低減装置38を設け、改質ガス中に含まれる少量の一酸化炭素を低減又は分離することが不可欠となっている。
【0010】
改質ガス中の一酸化炭素を低減又は分離する装置としては、種々の装置があるが、その一つに、改質ガスに少量の空気を注入し、貴金属触媒を担持させた触媒体を用いて改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化除去する装置が知られている。この種の一酸化炭素低減装置38の概略構成図を図12(b)に示す。
【0011】
12(b)において、一酸化炭素低減装置38は、酸化部38aと、酸素注入手段38bを備えており、改質部32で生成した改質ガス中に酸素注入手段38bを介して空気等の酸素を含むガスを注入し、酸化部38a内に設けられた触媒体40により、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化除去するようになっている。
【0012】
この一酸化炭素低減装置38に用いられる触媒体40は、メタルやコージェライトからなる担体に多孔質のγアルミナ等からなるコート層を形成し、コート層上に白金、ルテニウム等の貴金属触媒を担持したものが一般的である。この種の触媒体40を備えた一酸化炭素低減装置38によれば、改質ガス中の一酸化炭素濃度を数十ppm程度まで低減することができ、電池特性の低下を飛躍的に改善することができるというものである(例えば、特開平3−208801号公報)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の一酸化炭素低減装置に用いられている触媒体において、多孔質のγアルミナからなるコート層に担持された白金、ルテニウム等の貴金属触媒の活性温度は、60〜200℃である。また、メタノールの水蒸気改質により得られる改質ガスには、通常、5〜30%の水蒸気が含まれている。
【0014】
そのため、始動時等、触媒体の温度が低い場合には、コート層において水蒸気が結露し、コート層に担持された触媒が濡れて失活するという問題がある。触媒が失活すると、一酸化炭素を含む改質ガスが一酸化炭素低減装置を素通りして燃料極に達し、燃料極の電極触媒が一酸化炭素に被毒され、電池性能が低下する原因となる。
【0015】
この問題を解決するために、始動前に電気加熱、バーナ加熱等の手段を用いて触媒体を加熱し、コート層での水蒸気の結露を防止することが一般に行われている。しかしながら、触媒体の加熱に余分なエネルギーを必要とし、エネルギーロスは避けられないという問題がある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、始動時等、触媒体の温度が低い場合であっても、触媒を失活させることなく、改質ガス中に含まれる一酸化炭素を効率よく酸化除去することができ、しかもエネルギーロスが生ずることのない一酸化炭素低減用触媒体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体は、高熱伝導性物質からなる担体上に、吸水性物質からなる吸水部と、撥水性物質からなる撥水部とを備えているコート層を被覆し、前記撥水部のみに、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化除去する貴金属触媒が担持されていることを要旨とするものである。このとき、前記高熱伝導性物質は、金属または多孔質の焼結金属であり、前記撥水性物質は、フッ素樹脂、界面活性剤、疎水性シランカップリング材、または、アクリル分子にパーフルオロ基を付加した高分子であることが好ましい。
【0018】
上記構成を有する本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体は、始動時等、触媒体の温度が低い時に水蒸気を含む改質ガスが導入されると、改質ガス中の水蒸気の一部は、前記担体上に設けられたコート層の一部を構成する吸水部で凝縮する。吸水部に水蒸気が凝縮すると、触媒体内部の水蒸気分圧が下がり、同じくコート層の一部を構成する撥水部での結露が抑制される。
【0019】
また、吸水部に水蒸気が凝縮すると、凝縮熱と吸着熱が発生し、発生した熱が直接又は高熱伝導性物質からなる担体を通じて貴金属触媒を担持している撥水部に伝えられ、撥水部が加温される。
【0020】
これにより、始動時等、一酸化炭素低減用触媒体の温度が低い場合であっても、貴金属触媒を担持させた撥水部が結露した水蒸気で濡れにくくなり、貴金属触媒の失活が抑制される。また、吸水部に水蒸気が凝縮する際の凝縮熱及び吸着熱により撥水部が加温されるので、一酸化炭素低減用触媒体を加熱するための別個の手段が不要となり、エネルギーロスが回避される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜3に、本発明の一実施の形態に係る一酸化炭素低減用触媒体(以下、単に「触媒体」という)の概略構成図を示す。図1〜3において、触媒体40は、担体42と、コート層44と、貴金属触媒46とを備えている。
【0022】
担体42は、触媒体40の基材となるものであり、図1に示す例では、ハニカム形状を有する担体42が用いられている。この担体42は、押出成形により得られるものであり、改質ガスのガス流方向に向かって、正方形断面を有する多数のハニカムチャネル42aが併設されている。ハニカムチャネル42aの内壁面には、図2の拡大断面図に示すように、コート層44が設けられている。
【0023】
図2に示す触媒体40のA−A’線断面図を図3に示す。図3において、担体42の表裏面に形成されたコート層44は、吸水部44aと撥水部44bからなり、改質ガスのガス流方向に向かって、吸水部44a及び撥水部44bが交互に設けられている。また、吸水部44a及び撥水部44bは、担体42に対して上下対称に設けられている。
【0024】
図3に示すように、担体42上に、吸水部44a及び撥水部44bが規則的に並んだコート層44を設けるようにすると、吸水部44aで保持することが可能な水蒸気量の計算が容易になるという利点がある。
【0025】
なお、担体42は、押出成形により得られるハニカム状の担体に限定されるものではなく、他の形状を有する担体を用いることもできる。例えば、図4の拡大断面図に示すように、平板42bと波板42cを順次積層して担体42とし、ガス流方向に併設される三角形状のハニカムチャネル42aの内壁面に、吸水部及び撥水部が交互に設けられたコート層44を形成してもよい。また、図示はしないが、図4に示す平板42bと波板42cとを重ね合わせ、これを巻き取って、円筒状の担体42としてもよい。
【0026】
ここで、担体42は、吸水部44a及び撥水部44bからなるコート層44を支持すると同時に、吸水部44aで発生した熱を撥水部44bに伝達するためのものである。そのため、担体42は、高熱伝導性の物質を用いて構成する必要がある。具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属、あるいは、多孔質の焼結金属等が好適な一例として挙げられる。
【0027】
吸水部44aは、触媒体40に流入する改質ガス中の水蒸気を吸着する部分であり、吸水物質が用いられる。具体的には、シリカゲル、多孔性カーボン、γアルミナ、粘土鉱物、多孔性高分子、吸水性天然繊維、焼結金属等からなる金属多孔体などが好適な一例として挙げられる。
【0028】
撥水部44bは、一酸化炭素の酸化反応を行わせるための酸化反応部となる部分であり、改質ガス中に含まれる水蒸気が結露した場合であっても表面が濡れないよう、撥水性物質が用いられる。具体的には、多孔性のテトラフルオエチレン等のフッ素樹脂、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、イソブチルトリメチルオキシシラン等の疎水性シランカップリング材、アクリル分子にパーフルオロ基を付加した高分子などが好適な一例として挙げられる。
【0029】
また、貴金属触媒46は、改質ガス中に含まれる少量の一酸化炭素を選択的に酸化除去するためのものであり、撥水部44b上に担持されている。貴金属触媒46には、白金、ルテニウム、及びこれらの合金からなる微粒子が用いられる
【0030】
次に、本発明に係る触媒体40の他の実施の形態について説明する。図5に示す第2の実施の形態に係る触媒体40は、図3に示す触媒体40と同様、担体42の表裏面には、改質ガスのガス流方向に向かって吸水部44a及び撥水部46bが交互に設けられたコート層44が形成されているが、吸水部44a及び撥水部44bが、担体42に対して上下非対称に設けられている点が異なるものである。その他の点は、図3に示す触媒体40と同様である。
【0031】
また、図6に示す第3の実施の形態に係る触媒体40は、担体42として焼結金属等からなる多孔体を用い、担体42の開気孔の内壁面に吸水部44aを設けると共に、担体42の表面及び担体42の開気孔内壁面に形成された吸水部44aの上に撥水部44bを設けてコート層44とし、撥水部44bの全面に貴金属触媒46を担持させたものである。
0032
さらに、図に示す第の実施の形態に係る触媒体40は、担体42の表裏面に吸水部44aを形成し、吸水部44aの表面に、微粒状の撥水部44bを点在させてコート層44とし、微粒状の撥水部44bの表面に触媒金属46を担持させたものである。
0033
次に、本発明に係る触媒体の作用について説明する。図12(b)に示すように、燃料電池20と改質部32の間に設けられた一酸化炭素低減装置38の酸化部38aに、本発明に係る触媒体40を組み込む。
0034
次いで、触媒体40が室温以下にある状態で、改質部32にメタノール蒸気及び水蒸気を供給し、改質ガスを生成させる。得られた改質ガスには、水素、二酸化炭素、及び5〜30%の水蒸気の他に、少量の一酸化炭素が含まれているので、この改質ガスに、酸素注入手段38bを用いて空気を注入し、O/COのモル比が約2となるようにした後、酸化部38aに送る。
0035
始動時においては、触媒体40の温度が低いので、水蒸気を含む改質ガスが導入されると、改質ガス中の水蒸気の一部は、担体42上に設けられたコート層44の一部を構成する吸水部44aで凝縮する。水蒸気の一部が凝縮すると、触媒体40内部の水蒸気分圧が低減するので、撥水部44bでの結露が抑制される。
0036
また、吸水部44aに水蒸気が凝縮すると、凝縮熱と吸着熱が発生し、吸水部44aから直接又は高熱伝導性物質からなる担体42を通じて貴金属触媒46を担持させた撥水部44bに伝えられ、撥水部44bが加温される。
0037
そのため、始動時等、触媒体40の温度が低い場合であっても、貴金属触媒46を担持させた撥水部44bが結露した水蒸気で濡れにくくなり、貴金属触媒46の失活が抑制される。また、吸水部44aに水蒸気が凝縮する際の凝縮熱及び吸着熱により撥水部44bが加温されるので、触媒体40を加熱するための別個の手段が不要となり、エネルギーロスが回避される。
0038
次に、本発明に係る触媒体40の第1の製造方法について説明する。まず、図(a)に示すように、ハニカム状の担体42の両端から、スラリー注入器50に設けられた所定の長さを有するノズル50aをハニカムチャネル42a内に挿入する。この場合、ノズル50aの数は、担体42に設けられたハニカムチャネル42aの数と同数とし、ノズル50aの長さは、担体42に形成しようとする吸水部44aの長さと同一とすればよい。
0039
次いで、図(b)に示すように、ノズル50aのセットが終了したところで、スラリー注入器50を用いて、撥水性材料を含む所定量のスラリー52をハニカムチャネル42a内に注入する。さらに、図(c)に示すように、担体42にスラリー注入器50を挿入した状態で担体42を回転させ、注入されたスラリー52をハニカムチャネル42a内壁面に均一にコーティングする。
0040
スラリー52のコーティングが終了した後、担体42からスラリー注入器50を抜き取り、120℃前後で乾燥させてコーティングから水分を除去し、次いで、300〜600℃で焼成すると、コーティングが多孔化して撥水部44bが形成される。この状態を示したのが図(d)である。
0041
さらに、白金、ルテニウム等の貴金属触媒を含む物質を撥水部44bに含浸させ、乾燥・焼成した後、撥水部44b両端のハニカムチャネル42a内壁面に吸水物質からなる吸水部44aを形成すれば、ハニカムチャネル42aの内壁面に、改質ガスのガス流方向に沿って、吸水部44a、貴金属触媒46が担持された撥水部44b、及び吸水部44aの3層が交互に形成された触媒体40が得られる。この状態を示したのが図(e)である。
【0042】
次に、本発明に係る触媒体40の第2の製造方法について説明する。図9に示す担体42は、平板42bと板42cとを積層することにより得られるものである。平板42b及び板42cには、それぞれ図9(a)及び図9(b)に示すように、吸水物質を含むスラリー及び撥水物質を含むスラリーを予め塗布して、その両面に吸水部44a及び撥水部44bを交互に形成する。
【0043】
この平板42b及び板42cを、図9(c)に示すように、交互に重ね合わせ、図示しないホルダーを用いて固定する。次いで、塗布された吸水部44a及び撥水部44bを乾燥・焼成し、さらに吸水部44a及び撥水部44b全体に触媒物質を含浸させた後、これを焼成すれば、吸水部44a及び撥水部44bが交互に形成された触媒体40が得られる。
【0044】
なお、担体42は、ガス流方向の熱伝導率が大きければ良いので、上述したように、平板42b及び波板42cを単に重ね合わせるだけでも良いが、平板42b及び波板42cを強固に結合させたい場合には、平板42bと板42cの当接部に塗布されたスラリーを除去した後、スポット溶接等の手段により接合すればよい。なお、本発明では、貴金属触媒46は、撥水部44bのみに担持されている。
0045
次に、本発明に係る触媒体40の第3の製造方法について説明する。図10(a)に示す担体42は、多孔質の焼結金属板からなり、担体42の内部には、多数の開気孔42dが含まれている。この担体42の両面に吸水物質を含むスラリーを塗布して乾燥させると、担体42の表面及び開気孔42dの内表面に吸水部44aが形成される。この状態を示したのが図10(b)である。
0046
吸水部44aを形成した後、担体42の両面を削り取ると、図10(c)に示すように、開気孔42dの内壁面にのみ吸水部44aが形成された担体42が得られる。さらに、この担体42の表面及び開気孔42dの内表面に形成された吸水部44aの上に撥水物質及び触媒物質を含むスラリーをコーティングして撥水部44bとする。この状態を示したのが図10(d)である。そして、得られた担体42を積層し、乾燥・焼成すれば、その表面及び開気孔42dに吸水部44a及び撥水部44bが形成された触媒体40が得られる。
0047
次に、本発明に係る触媒体40の第4の製造方法について説明する。まず、図11(a)に示すようなハニカム状の担体42のハニカムチャネル42a内に吸水物質を含むスラリーを流し込み、ハニカムチャネル42aの内壁面全面に吸水部44aを形成する。
0048
次いで、吸水部44aを乾燥させた後、噴射ノズル52を用いて、撥水物質及び触媒物質を含むスラリーを担体42の開口端からハニカムチャネル42aの内部に向けて噴射すれば、噴射ノズル52により直径10〜20μm程度、もしくはそれ以下の液滴となったスラリーが吸水部44a上に付着する。そして、これを乾燥・焼成すれば、担体42の入り口部に貴金属触媒46を担持した粒状の撥水部44bが集中的に形成された触媒体40が得られる。この状態を示したのが図11(b)である。
0049
なお、粒状の撥水部44bは、噴射ノズル52を用いて形成する方法の他に、以下のような方法により形成することもできる。すなわち、図11(a)に示すように、ハニカムチャネル42aの内壁面に吸水部44aを形成した後、メタノール水溶液等の帯電可能な液体に撥水物質及び触媒物質を縣濁・溶解させ、これを負に帯電した10μm以下の液体微粒子としてハニカムチャネル42a内に浮遊させる。次いで、担体42を正に帯電させれば、ハニカムチャネル42a内壁面に液体微粒子を均一に分散・付着させることができる。
0050
に示す方法を用いて製造された触媒体40を図12(b)に示す一酸化炭素低減装置38の酸化部38aに組み込み、固体高分子型燃料電池20の発電試験を行った。その結果、本発明に係る触媒体40によれば、γアルミナ等からなるコート層に貴金属触媒を担持させた従来型の触媒体に比較して、始動時における一酸化炭素濃度が低減され、固体高分子型燃料電池20の発電性能が向上することが確認された。
0051
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
0052
例えば、上記実施の形態では、吸水部44a及び撥水部44bを改質ガスのガス流方向に沿って交互に配置しているが、改質ガスのガス流に垂直な方向に沿って吸水部44a及び撥水部44bを交互に配置しても良い。
0053
また、上記実施の形態では、吸水部44aで水蒸気が凝縮する際の凝縮熱及び吸着熱により撥水部44bを加温するようにしているが、担体に直接通電して加熱する電気加熱や、担体をバーナにより外部から加熱するバーナ加熱等、担体を加温する他の手段を併用して、撥水部44bを加温するようにしても良い。これにより、通電加熱やバーナ加熱に要するエネルギーロスの軽減と、始動時等における一酸化炭素の確実な低減の双方を両立させることができる。
0054
さらに、本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体は、固体高分子型燃料電池に供給される改質ガスの一酸化炭素低減用に限定されるものではなく、固体高分子型燃料電池よりも作動温度の高いリン酸型燃料電池に供給される改質ガス中の一酸化炭素低減用としても用いることができ、これにより上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
0055
【発明の効果】
本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体は、高熱伝導性物質からなる担体上に、吸水性物質からなる吸水部と、撥水性物質からなる撥水部とを備えているコート層を被覆し、前記撥水部のみに、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化除去する貴金属触媒が担持されているので、始動時等、触媒体の温度が低い場合であっても、結露した水蒸気が吸水部で選択的に吸収され、撥水部に担持された貴金属触媒の失活が抑制されるという効果がある。
0056
また、本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体は、高熱伝導性物質からなる担体上に吸水部を形成し、吸水部で凝縮した水蒸気の凝縮熱及び吸着熱を用いて撥水部を加温するようにしたので、電気加熱、バーナ加熱等、貴金属触媒の失活を防止するため別個の加熱手段が不要になるという効果がある。
0057
そのため、これを例えば固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池システムに応用すれば、始動時等、一酸化炭素低減用触媒体の温度が低い場合であっても、大きなエネルギーロスを伴うことなく、一酸化炭素を効率よく酸化除去することができ、これにより燃料電池システムの発電効率を飛躍的に向上させることが可能となるものであり、産業上その効果の極めて大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る一酸化炭素低減用触媒体の外観斜視図である。
【図2】 図1に示す一酸化炭素低減用触媒体をガス流方向からみた拡大断面図である。
【図3】 図2に示す一酸化炭素低減用触媒体のA−A’線断面図である。
【図4】 ハニカムチャネルの断面形状が三角形状を呈する一酸化炭素低減用触媒体をガス流方向からみた拡大断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る一酸化炭素低減用触媒体の拡大断面図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態に係る一酸化炭素低減用触媒体の拡大断面図である。
図7】 本発明の第4の実施の形態に係る一酸化炭素低減用触媒体の拡大断面図である。
図8】 本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体の第1の製造方法を説明する図である。
図9】 本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体の第2の製造方法を説明する図である。
図10】 本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体の第3の製造方法を説明する図である。
図11】 本発明に係る一酸化炭素低減用触媒体の第4の製造方法を説明する図である。
図12】 図12(a)は、メタノール改質ガスを燃料とする固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池システムの一例を示す概略構成図であり、図12(b)は、図12(a)に示す燃料電池システムに用いられる一酸化炭素低減装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
40 一酸化炭素低減用触媒体
42 担体
44 コート層
44a 吸水部
44b 撥水部
46 貴金属触媒

Claims (2)

  1. 高熱伝導性物質からなる担体上に、吸水性物質からなる吸水部と、撥水性物質からなる撥水部とを備えているコート層を被覆し、前記撥水部のみに、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化除去する貴金属触媒が担持されていることを特徴とする一酸化炭素低減用触媒体。
  2. 前記高熱伝導性物質は、金属または多孔質の焼結金属であり、前記撥水性物質は、フッ素樹脂、界面活性剤、疎水性シランカップリング材、または、アクリル分子にパーフルオロ基を付加した高分子であることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素低減用触媒体。
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