JP4259162B2 - Vehicle seat - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルト一体式の乗り物用シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、車両に設けられたシートに対して、シートベルトが一体的に備えられたものが知られている（例えば、特許文献１）。
このものは、シートバック及びシートクッションからなるシート本体を設けるとともに、シートバックにはベルト巻き取り用のリトラクタが内蔵されており、シートベルトの先端部分がシートバックの上面側部に設けられた引き出し口（開口部）より外部に引き出される。
一方、シートクッション側にはベルト固定具（下部アンカ）が設けられており、ここに、引き出されたシートベルトの先端部分が固定される。かくして、シートベルトはシートバック側部の表面側に上下に配されることとなる。
【０００３】
【特許文献１】
実開平５−７６９１３号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造によると、未使用時の見栄え、乗降性等を考慮して、常にはシートベルトをシートバックの表面に沿わせてある。そのため、シートベルトが掴みづらく、装着時の作業性（特に、シートベルトを引き出し口から引き出す操作）が十分によいとはいえない状況にあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シートベルトの装着作業性を改善することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項１の発明は、ヘッドレスト、シートートバック、及びシートクッションを備えてなるとともに、前記シートバックにおける車外側部の上部には、リトラクタから引き出された乗員拘束用のシートベルトを前方を向くように方向転換させるショルダベルト支持具と、方向転換された前記シートベルトを前記シートバックの表面側に引き出すための引き出し口とが、設けられる一方、前記引き出し口の下方であって前記シートクッション側には、前記引き出し口より引き出された前記シートバックの先端を固定するラップベルト支持具が取り付られたシートベルト一体式の乗り物用シートであって、前記シートバックのうち前記引き出し口の下側であって、前記ヘッドレストの側方にあたる前記車外側部の上部に位置して、可動部材と押し出し手段とを収容する収容凹部が設けられると共に、前記押し出し手段が、前面が車外側部とほぼ面一となる前記収容凹部内の待機位置にある可動部材を、前方に直線的に移動させて押し出し位置に変位させることにより、前記シートベルトを前記車外側部より浮かせる構成であるところに特徴を有する。
【０００８】
請求項２の発明は、請求項１に記載のものにおいて、前記押出し手段は、エアの供給によって前記収容凹部内で膨張することで前記可動部材を前記待機位置から前記押出し位置に押し出し可能な空気袋と、前記空気袋にエアを供給するエア供給手段と、前記空気袋の押し出し動作に抗して前記可動部材を引き込み方向に付勢することで前記可動部材を前記押し出し位置から前記待機位置に強制的に復帰させる復帰手段とを備えた構成であるところに特徴を有する。
【０００９】
請求項３の発明は、請求項２に記載のものにおいて、前記押出し手段は乗客の着座の有無を検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて前記エア供給手段を作動させる制御部を備えた構成であるところに特徴を有する。
【００１０】
【発明の作用及び効果】
＜請求項１の発明＞
請求項１の発明によれば、シートベルトを押出し手段によって、浮かせる事ができるから、シートベルトを容易に手で掴むことができ装着作業性に優れる。
【００１１】
また、請求項１の発明によれば、可動部材を待機位置にしておけば、シートベルトはシートバックの側部の表面に沿った状態にあるから外観に優れるとともに、乗降時に邪魔にならない。また、装着時には押出し手段を作動させ可動部材を押出し位置に変位させてやればシートベルトを側部から浮かせることができる。
【００１２】
また、請求項１の発明によれば、シートベルトの上部側、すなわち、引き出し口の近くを浮かせることが出来るから、シートベルトの引き出し操作をスムーズに行うことが出来る。
【００１３】
＜請求項２の発明＞
請求項２の発明によれば、空気袋内にエアを供給してやれば空気袋が伸張することで可動部材が押し出されて待機位置から押出し位置に移動する。これによりシートベルトを側部より浮かせることが出来る。一方、この状態からエアを抜いてやれば空気袋は張力を失い、復帰手段が可動部材を収容凹部内の待機位置に強制的に復帰させる。このように、シートベルトの出入り動作をエアの給排によって行うことができ、構造も簡便である。
また、このような可動部材を駆動させる機構部分は、可動部材が押出し位置にあるときにはシートの表面より突出して露出する場合があるが、これを空気袋により構成しているからクッション性を持たすことが出来る。従って、仮に外力が加わった場合でも衝撃に強く、又、乗客に対する危害防止にもなる。
【００１４】
＜請求項３の発明＞
請求項３の発明によれば、乗客が着座すると、検知手段がこれを検知するとともに、制御部が検知信号に基づいて押出し手段を自動的に作動させる。このように、シートベルトが自動的に押し出されるから、更に、装着作業性に優れる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
＜第１実施形態＞
本発明の第１実施形態を図１ないし図１２によって説明する。
図１は本実施形態に適用されたアウタベルト一体移動式の乗り物用シート２０の斜視図を示すものである。この乗り物用シート２０は例えば自動車（普通自動車、バンタイプの車両等）の座席に適用され、シートクッション２１、シートバック２５、シート全体を移動可能に支持するスライド機構４０を主体として構成されている。以下、同図の手前側を車外側（左側）、その逆側を車内側（右側）とし、車両の進行方向を前側として説明する。
【００１６】
本実施形態においてシートバック２５はヘッドレスト２６を一体的に形成している。また、シートバック２５は通常のものと比べてその幅寸法が広く設定されるとともに、ヘッドレスト２６の左右両側では上面の高さが異なっており、車外側（本発明の側部に相当するものであり、以下、車外側部２７とする）が車内側より高くなっている。この車外側部２７にはリトラクタ３４が内蔵されている。リトラクタ３４は内部に巻き取り手段を内蔵しており、アウタベルト（本発明のシートベルト）が引き出されると、それに抗じてアウタベルト３８を巻き取り方向に付勢するようになっている。
【００１７】
車外側部２７の上部側には引き出し口２７Ａが開口する一方、シートクッション２１の側方には樹脂カバー２３が取り付けられるとともにその上面側には引き込み口２３Ａが開口している。引き出し口２７Ａより引き出されたアウタベルト３８は車外側部２７の表面に沿って上下に配されるとともに、その先端側が引き込み口２３Ａを通じて樹脂カバー２３内に引き込まれている。
また、アウタベルト３８には金属製の係止金具３９が遊挿される一方、シートクッション２１の側方（同図の右側）にはインナベルト４８が配されている。インナベルト４８は金属製のステー４８Ａの先端側に係止金具３９と係止可能とされた受け部（図示せず）を内蔵するバックル４８Ｂを備えてなり、ステー４８Ａの下部が次述するスライド機構４０にボルト締めされている。
【００１８】
続いて、乗り物用シート２０の骨格構造及びスライド機構４０について説明する。図３に示すように、シートクッション２１の下部には平板状をなすフロアベース４１が配されている。このフロアベース４１はボディ側のフロアパネルに固定されており、その左右両側には前後方向に沿って一対の平行な固定レール４２が配されている。これら左右両固定レール４２には長手方向に沿った嵌合溝４２Ａが形成されている。嵌合溝４２Ａは上方及び前後に貫通して形成されるとともに、各嵌合溝４２Ａには平板状をなす可動レール４３、４４が摺動可能に嵌め合わされている。両可動レール４３、４４は共に、前端部分から中央部分にかけては同幅で形成されるとともに中央部分から後方部分が上方に張り出すようにして形成されている（以下、張り出し部４３Ａ、４４Ａとする）。この張り出し部４３Ａ、４４Ａは詳細には後述するがシートクッション２１の構造部分を支持するためのものである。
【００１９】
また、両可動レール４３、４４のうち車外側の可動レール４３の張り出し部４３Ａにはラップベルト支持具４６がボルト締めされており、樹脂カバー２３内に引き込まれたアウタベルト３８の先端側が固定されるようになっている。一方、車内側の可動レール４４の張り出し部４４Ａには前述したインナベルト４８のステー４８Ａが取り付けられている。両可動レール４３はその前端同士、後端同士間が連結パイプ４５によって架設され全体が支持枠を構成している。
一方、シートバック２５の骨格を形成するバックフレーム３１は、金属製のパイプをＵ字状に折り曲げて形成され、その一端側が連結部材３２を介して車外側の可動レール４３の張り出し部４３Ａに、他端側が同じく連結部材３２を介して室内側の可動レール４４の張り出し部４４Ａにそれぞれ接続されている。連結部材３２と張り出し部４３Ａ、４４Ａとの間には図示しないリクライニング機構が設けられており、シートバック２５の車両に対する倒れ角の調整を行うことが出来る。
【００２０】
また、バックフレーム３１の上端の左側部には後述する可動部材５１を支持するためのベースプレート３３が配されている。このベースプレート３３は対向する一対の取付け壁（前側を前面壁３３Ａ、後側を後面壁３３Ｂとする）を設けてコの字状に形成されるとともに、バックフレーム３１に対し側方から差し込まれ、図７に示すように両壁３３Ａ、３３Ｂ間に前記バックフレーム３１を挟み込むようにして固定されている。
このベースプレート３３の下端部には前記したアウタベルト用のリトラクタ３４が取り付けられている。このリトラクタ３４には上向きのベルト出入り口３４Ａを設けており、アウタベルト３８はこの出入り口３４Ａよりベースプレート３３の後面壁３３Ｂに沿って上方に引き出される。
一方、後面壁３３Ｂの上部にはショルダベルト支持具３６が取り付けられており、アウタベルト３８はこのショルダベルト支持具３６を経由するようになっている。すなわち、ショルダベルト支持具３６には後面壁３３Ｂの上方より突出した位置に横長形状のスリット３６Ａが形成されている。そのため、アウタベルト３８はこのスリット３６Ａを通過することで前方を向くように方向転換され、その後、前記引き出し口２７Ａを通じて車外側部２７の表面側に引き出されるようになっている。
【００２１】
ところで、図４に示すように、シートバック２５の引き出し口２７Ａの下方にはベースプレート３３に達する深さの貫通孔２７Ｂが形成されており、ベースプレート３３の前面壁３３Ａと貫通孔２７Ｂの孔壁によって収容凹部５０が形成されている。この収容凹部５０内にはアウタベルト３８に当接可能とされた可動部材５１を図５、図６に示すように収容凹部５０内に退避した待機位置と、図７、図８に示すように待機位置より前進してアウタベルト３８を車外側部２７の表面より浮かせる押出し位置との間で変位させる押出し手段６０が取り付けられている。
より具体的に説明すると、この収容凹部５０を構成する前面壁３３Ａには、次述する可動部材５１を支持するための取り付けブラケット６３が一対配されている。この取り付けブラケット６３はねじ止めされ縦向きに取り付けられている。
一方、可動部材５１は収容凹部５０に対し嵌め込み可能な大きさに形成された基板５１Ａを有し、その上下両縁の全幅に亘って後向きのフランジ５１Ｂを形成してなる。このうち、基板５１Ａの前面には樹脂製のパッド５２が取り付けられている。このパッド５２の表面（本発明の当接面に相当する）は緩やかな曲率をもって形成されており、左右両側が中央部より高く形成されている。これは、アウタベルト３８を持ち上げる際に、ベルトの位置ずれを防止するものである。
【００２２】
また、可動部材５１の上下両フランジ５１Ｂ間には一対の巻き取りピン５３が貫通しリング５４によって抜止めされている。この巻き取りピン５３の外形寸法はフランジ５１Ｂに設けられた下孔の内径寸法より小さく設定されており、巻き取りピン５３はその軸心に沿った回動が許容された状態にある。これら各巻き取りピン５３と取り付けブラケット６３の内面との間にはそれぞれ空気袋６１が配されている。空気袋６１は例えば、ナイロン等の合成繊維からなるシート材を重ね合わせてその周縁部同士を接合することで袋状に形成されたものであって、内部にエアを貯留可能としている。空気袋６１は全体が縦長な管状に形成されるとともに、その一端側が取り付けブラケット６３の内面に、他端側が巻き取りピン５３に対してそれぞれ接続されている。また、空気袋６１の表面には、図１１に示すように被覆部材６１Ａが袋状に縫い付けられており、その内部に板ばね６２（本発明の復帰手段に相当する）が収容されている。板ばね６２は縦長な形状をなすとともに、空気袋６１と同様に一端側が取り付けブラケット６３に、他端側が巻き取りピン５３にそれぞれ固定されている。この板ばね６２は自然状態において渦巻き状に巻かれた形態をなす。そのため、空気袋６１はこの板ばね６２によって常には巻き取りピン５３に巻き取られるように付勢される。
【００２３】
次に、可動部材５１の位置規制を行うストッパピン６５について図５、図７を参照して説明する。
可動部材５１の裏面側の中央部分には棒状のストッパピン６５が取り付けられている。このストッパピン６５は基端側に設けられた位置決め用の鍔部６５Ｃの他に、先端部分と中央部分にそれぞれ第１の鍔部６５Ａ、第２の鍔部６５Ｂを設けている。一方、ベースプレート３３の前面壁３３Ａには断面がコの字状をなすストッパプレート６７がベースプレート３３側に閉じる向きに取り付けられている。このストッパプレート６７には前記ストッパピン６５の軸部分を貫通させる大きさの貫通孔６７Ａが開口するとともに、ベースプレート３３にはストッパピン６５の第１の鍔部６５Ａを貫通させる大きさの逃がし孔３３Ｄが両壁３３Ａ、３３Ｂを貫通して形成されている。そして、可動部材５１が収容凹部５０内に引き込まれると、第２の鍔部６５Ｂがストッパプレート６７の上面に当接する設定とされており、これにて、可動部材５１を待機位置で停止させる。
図５に示すように、この待機位置においては、可動部材５１全体が収容凹部５０内に収容されるとともに、パッド５２の前面がシートバック２５の車外側部２７とほぼ面一となり、更に、パッド５２表面の中央部分にアウタベルト３８が沿うようになっている。
【００２４】
また、この状態から後述するエア供給手段によって空気袋６１内にエアが供給されると空気袋６１内にエアが充填され、これにより、空気袋６１は膨出して板ばね６２を展張させるとともに可動部材５１を収容凹部５０より押し出すようになっている。図７に示すように、可動部材５１が押出し位置に至ると、ストッパピン６５の第１の鍔部６５Ａがストッパプレート６７の裏面側に当接して、可動部材５１の位置規制を行うようになっている。この押出し位置において、左右両板ばね６２及び空気袋６１はいずれも直線状に伸びた状態に展張され可動部材５１を収容凹部５０より完全に突出させるとともに、アウタベルト３８全体を車外側部２７の表面より浮かせるようになっている。
【００２５】
次に、エア供給手段すなわちエアポンプ７０は、図９に示すように、駆動モータ７０Ａを付設するとともに、ベースプレート３３の下方に配されている。
一方、空気袋６１の一端側（取り付けブラケット６３側）には導入口が開口しており、エアポンプ７０と空気袋６１との間がチューブ７１によって接続されている。これにより、駆動モータ７０Ａを駆動させると、エアポンプ７０からチューブ７１を介して空気袋６１内にエアが供給される。
【００２６】
また、押出し手段６０は、図１２に示す制御装置７２を備えている。本実施形態において制御装置７２は乗員検知用の圧力センサ（本発明の検知手段に相当する）７４、ソレノイドバルブ７５及び制御部７３を主体として構成されており、乗員の搭乗を検知して押出し手段６０を自動的に作動させるように構成されている。具体的には、乗員検知用の圧力センサ７４としては、例えば圧電素子よりなるシート材をシートクッション２１の中央部分に内蔵させておき、乗員が着座するとその圧力でシート材が歪むように設定しておけばよい。これにより、圧電素子からは歪み量に対応した電気信号（起電力）が得られ、乗員の搭乗を検出することが出来る。一方、ソレノイドバルブ７５は空気袋６１の端部においてチューブ７１と併設され、常開式であり常には空気袋６１内のエアを抜くようにしてある。
【００２７】
ソレノイドバルブ７５及び駆動モータ７０Ａの各駆動回路（図示せず）にはそれぞれ電磁リレーが設けられるとともに、これら電磁リレーと圧力センサ７４がいずれも信号線を介して制御部７３に接続されている。制御部７３は圧力センサ７４からの検出信号（乗員検知）に基づいて、各電磁リレーを作動させ各駆動回路を通電させる設定とされている。これにより、乗員の検知がなされると、ソレノイドバルブ７５が閉止するとともに、エアポンプ７０によりエアの供給が開始される。
また、駆動モータ７０Ａは可動部材５１が押出し位置に至ると、その後停止するように制御部７３によって制御されており、更に、ソレノイドバルブ７５は、バルブ閉止後所定時が経過すると自動的にバルブ７５を開放するように制御されている。このような制御を行うのは、乗客がアウタベルト３８の装着を完了した後、押出し位置にある可動部材５１を待機位置に自動復帰させるためである。
尚、駆動モータ７０Ａの制御方法としては、空気袋６１の圧力を検出することによって動作の切り替え（オン・オフ）の行う形式や、オン時間を予め制御しておき所定時間経過後に自動的にオフ状態に切り替わる形式のものであってもよい。
【００２８】
次に、乗客が車両に乗り込んでシートベルトを装着する手順について説明しつつ、本実施形態の作用効果を説明する。
まず、乗客が車内に乗り込んでいない時には、図５、図９に示すように、可動部材５１は収容凹部５０内に退避した待機位置にあって、更に、リトラクタ３４によって巻き取り方向に付勢されることで、アウタベルト３８はシートバック２５の車外側部２７の表面に若干の張力を持って張り付いた状態にある。なお、この待機位置において、ソレノイドバルブ７５は開放し、空気袋６１は板ばね６２と共に巻き取りピン５３に巻かれた状態にある。
【００２９】
この状態から車内に乗り込んで乗り物用シート２０に着座すると、乗客の自重によって押されてシートクッション２１はその中央部分が凹む。これにより、内蔵される圧力センサー７４に歪みが生じ、これが電気信号として検出され制御部７３に伝達される。すると、制御部７３は電磁リレーを閉じてモータ駆動回路を通電させ駆動モータ７０Ａを作動させるとともに、ソレノイドバルブ７５を閉止させる。これにより、空気袋６１内にエアポンプ７０からエアが供給されるため、空気袋６１が徐々に前方に伸びるように膨張し可動部材５１を収容凹部５０より押し出してゆく。
【００３０】
やがて、可動部材５１が、図７に示す押出し位置に至ると、両板ばね６２がほぼ平行な姿勢となり、更に、ストッパピン６５の第２の鍔部６５Ｂがストッパプレート６７の裏面側に当接することで可動部材５１の前進動作が規制される。そして、空気袋６１の圧力が所定値に達すると、制御部７３によって駆動モータ７０Ａへの通電が断たれエアの供給がストップする。この時、ソレノイドバルブ７５は閉止した状態にあるため、空気袋６１内にはエアが充填された状態にあり、可動部材５１は空気袋６１の張力によって同位置に保持される。
【００３１】
この押出し位置において、アウタベルト３８は可動部材５１によって前方に押し出され、全体が車外側部２７の表面より浮いた状態、すなわち、アウタベルト３８の裏面側に容易に指が入り易い状態である。従って、乗客は操作の煩わしさを感じることもなく簡単にアウタベルト３８を手で掴むことが出来る。その後、アウタベルト３８を引き出し口２７Ａより引き出すとともに、係止金具３９をインナベルト４８のバックル４８Ｂに対して係止させる。これにて、シートベルトの装着が完了する。
【００３２】
また、空気袋６１内へのエアの供給が断たれた後所定時間が経過（乗客がベルトを装着するのに十分な時間）が経過すると、制御部７３によってソレノイドバルブ７５側への通電が断たれソレノイドバルブ７５が開放される。これにより、空気袋６１内のエアが開放されることとなる。すると、張力を失った空気袋６１は、板ばね６２によって徐々に巻き取りピン５３に巻き取られてゆき、再び、収容凹部５０内の待機位置に格納される。
【００３３】
このように、本実施形態によれば、乗客を拘束するためのシートベルト（アウタベルト３８、インナベルト４８）がいずれも乗り物用シート２０内で取り付けが完結している。従って、シートのスライドポジションに拘わらず、同じ条件で乗客を拘束することができ、安全性に優れる。
また、アウタベルト３８を装着する際には、押出し手段６０によってアウタベルト３８をシートバック２５から浮かせることが出来るから装着作業を簡単に行うことが出来る。また、可動部材５１は常には収容凹部５０内の待機位置にあり、アウタベルト３８もシートバック２５に沿った状態にある。そのため、外観にも優れ、又乗客が車両に乗り込む際に、邪魔になることがない。
【００３４】
また、このような可動部材５１を駆動させる機構部分は押出し位置においてシートの表面より突出する露出部分となる場合があるが、これを空気袋６１により構成しているからクッション性を持たすことが出来る。従って、仮に外力が加わった場合でも衝撃に強く、又、乗客に対する危害防止にもなる。
また、可動部材５１はアウタベルト３８の引き出し口２７Ａの丁度真下に設けられているため、アウタベルト３８のうち引き出し口２７Ａに近い部分を手で掴むこととなり、ベルトを引き出すのに好適な配置となっている。
更に、押出し手段６０には制御装置７２が設けられており、乗員の搭乗を検知して可動部材５１の出入り動作が全て自動で行われるから、使い勝手がよい。
【００３５】
＜第２実施形態＞
本発明の第２実施形態を図１３、図１４を参照して説明する。
第１実施形態では、押出し手段６０にはストッパピン６５とストッパプレート６７が設けられているが、これは制御装置７２とともに可動部材５１の動作の制御、及び乗員が故意に押出し位置を越えて可動部材５１を前方に引っ張ってもその引き出し動作が規制されるようにするものであるが、第２実施形態においては、ストッパピン６５とストッパプレート６７による規制を空気袋１００によって行うものである。
【００３６】
具体的には、空気袋１００及び板ばね１１０の一端側は第１実施形態と同様に、取り付けブラケット６３の内面側に固定する。一方、空気袋１００の他端側の上下両縁には、巻き取りピン１１５を挿通可能な挿通孔１０３Ａが形成された張り出し部１０３を設けておき、そこに、巻き取りピン１１５を差し込むようにしておく。また、板ばね１１０の他端側は巻き取りピン１１５に対して巻き付けておく（固定しても、しなくてもどちらでも可）。
【００３７】
このような構成としておけば、仮に乗員が故意に押出し位置を越えて可動部材５１を前方に引っ張っても、一旦、空気袋１００が展張すればそれ以上の引き出し動作は空気袋１００の張力によって規制されることとなる。加えて、このような構成とした場合には、巻き取りピン１１５は空気袋１００の挿通孔１０３Ａに対して差し込むだけで取り付けが完了する。そのため、巻き取りピン１１５においては、取り付けのための特別な構造を必要とせず、材料も金属でなく樹脂によって形成することも可能であるため、装置全体の軽量化が図られる。尚、巻き取りピン１１５と空気袋１００の取り付け方法としては、上記した張り出し部１１３を形成する形式の他に、空気袋１００の端部を折り返した状態で縫合することで、巻き取りピン１１５を収容可能な収容部を形成するものであってもよい。
【００３８】
＜他の実施形態＞
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【００３９】
（１）第１・２実施形態では、本発明をスライド機構４０を備えたシートに適用したが、固定式のシートに適用するものであってもよい。
【００４０】
（２）第１・２実施形態では、可動部材５１を進退させるのにエアの給排による空気袋６１の伸縮動作を利用したが、進退させる機構を機械的に構成してもよく、例えば、ねじ棒に沿ってナットを進退させるものや、或いは回転軸を設けて回動動作を利用するものがある。
【００４１】
（３）第１・２実施形態においては、空気袋６１と板ばね６２を個別に設ける構成としたが、図１５に示すように、空気袋９１と板ばね９２を一体的に設ける構成としてもよい。
【００４２】
（４）第１・２実施形態では、可動部材５１の位置規制を機械的に行ったが、制御装置によって制御する構成としてもよい。
【００４３】
（５）第１・２実施形態では、いずれもリトラクタ３４がシートバック２５に内蔵される形式であったが、アウタベルト３８がシートバック２５の表面に沿って上下に配されるものであれば、必ずしも、リトラクタ３４が内蔵される必要はなく、例えば、リトラクタ３４が車体側に取り付けられるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る乗り物用シートの斜視図
【図２】シートベルトが側肩部から浮いた状態を示す乗り物用シートの斜視図
【図３】乗り物用シートの骨格構造を示す斜視図
【図４】押出し手段とシートバックの関係を表す斜視図
【図５】可動部材の待機位置を表す水平断面図
【図６】可動部材の待機位置を表す縦断面図
【図７】可動部材の押出し位置を表す水平断面図
【図８】可動部材の押出し位置を表す縦断面図
【図９】乗り物用シートの縦断面図（可動部材が待機位置にある状態を示す）
【図１０】乗り物用シートの縦断面図（可動部材が押出し位置にある状態を示す）
【図１１】空気袋の断面図
【図１２】制御装置のブロック図
【図１３】第２実施形態における空気袋及び板ばねの支持構造を示す斜視図
【図１４】空気袋及び板ばねの支持構造を示す断面図
【図１５】空気袋の断面図（他の実施形態）
【符号の説明】
２０…乗り物用シート
２１…シートクッション
２５…シートバック
２７…車外側部
３６…ショルダベルト支持具
３８…アウタベルト（シートベルト）
４６…ラップベルト支持具
５１…可動部材
６０…押出し手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a seat for a vehicle integrated with a seat belt.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, there has been known a seat belt provided integrally with a seat provided in a vehicle (for example, Patent Document 1).
This is provided with a seat body consisting of a seat back and a seat cushion, and a retractor for winding the belt is built into the seat back, and the leading end portion of the seat belt is provided on the upper side of the seat back. It is pulled out from the mouth (opening).
On the other hand, a belt fixing tool (lower anchor) is provided on the seat cushion side, and a front end portion of the pulled-out seat belt is fixed thereto. Thus, the seat belt is arranged vertically on the surface side of the seat back side portion.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open No. 5-76913 [0004]
[Problems to be solved by the invention]
According to the above structure, the seat belt is always placed along the surface of the seat back in consideration of the appearance when not in use and the ease of getting on and off. Therefore, it is difficult to grasp the seat belt, and the workability at the time of wearing (particularly the operation of pulling out the seat belt from the drawer opening) cannot be said to be sufficiently good.
The present invention has been completed based on the above-described circumstances, and an object thereof is to improve seat belt mounting workability.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As means for achieving the above object, the invention of claim 1 is provided with a headrest , a seat tote bag, and a seat cushion, and is pulled out from a retractor at an upper portion of the vehicle outer portion of the seat back . while the shoulder belt support diverting to the seat belt for restraining a vehicle occupant facing forward, and the outlet for drawing out the seat belt which is diverted to the surface side of the seat back, is provided, the drawer the said seat cushion side a lower mouth, a vehicle seat seat belt integral lap belt support for fixing the front end of the seat back pulled out from the outlet has been Replacing the The vehicle corresponding to the lower side of the drawer opening in the seat back and to the side of the headrest An accommodation recess for accommodating the movable member and the pushing means is provided at an upper portion of the side portion, and the pushing means is at a standby position in the accommodation recess where the front surface is substantially flush with the vehicle outer side portion. It is characterized in that the seat belt is lifted from the vehicle outer side by moving the movable member linearly forward and displacing it to the pushing position .
[0008]
According to a second aspect of the present invention, in the apparatus according to the first aspect , the push-out means is capable of pushing the movable member from the standby position to the push-out position by expanding in the housing recess by supplying air. A bag, air supply means for supplying air to the air bag, and urging the movable member in the retracting direction against the push-out operation of the air bag to move the movable member from the push-out position to the standby position. It is characterized in that it is configured to include return means for forcibly returning.
[0009]
According to a third aspect of the present invention , in the second aspect of the present invention, the push-out means detects the presence / absence of a seated passenger, and controls the air supply means to operate based on a detection signal from the detection means. It is characterized in that it has a configuration comprising a portion.
[0010]
[Action and effect of the invention]
<Invention of Claim 1>
According to the invention of claim 1, since the seat belt can be lifted by the pushing means, the seat belt can be easily grasped by hand, and the mounting workability is excellent.
[0011]
According to the first aspect of the present invention, if the movable member is set at the standby position, the seat belt is in a state along the surface of the side portion of the seat back, so that it has an excellent appearance and does not get in the way when getting on and off. In addition, the seat belt can be lifted from the side portion by operating the pushing means at the time of mounting and displacing the movable member to the pushing position.
[0012]
According to the first aspect of the invention, the upper side of the seat belt, that is, the vicinity of the drawer opening can be floated, so that the seat belt can be smoothly pulled out.
[0013]
<Invention of Claim 2 >
According to the second aspect of the present invention, if air is supplied into the air bag, the air bag expands to push the movable member and move it from the standby position to the pushing position. As a result, the seat belt can be lifted from the side. On the other hand, if air is extracted from this state, the air bag loses its tension, and the return means forcibly returns the movable member to the standby position in the housing recess. In this manner, the seat belt can be moved in and out by supplying and discharging air, and the structure is simple.
In addition, the mechanism portion that drives such a movable member may protrude from the surface of the seat when the movable member is in the push-out position and may be exposed. I can do it. Therefore, even if an external force is applied, it is strong against impact and also prevents harm to passengers.
[0014]
<Invention of Claim 3 >
According to invention of Claim 3 , when a passenger sits down, while a detection means detects this, a control part operates a pushing means automatically based on a detection signal. Since the seat belt is automatically pushed out in this way, the mounting workability is further improved.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<First Embodiment>
A first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
FIG. 1 is a perspective view of an outer belt integrated movement vehicle seat 20 applied to the present embodiment. The vehicle seat 20 is applied to, for example, a seat of an automobile (ordinary automobile, van-type vehicle, etc.), and mainly includes a seat cushion 21, a seat back 25, and a slide mechanism 40 that movably supports the entire seat. . In the following description, the front side of the figure is the vehicle outer side (left side), the opposite side is the vehicle inner side (right side), and the traveling direction of the vehicle is the front side.
[0016]
In the present embodiment, the seat back 25 integrally forms a headrest 26. In addition, the seat back 25 has a width that is set wider than that of a normal one, and the height of the upper surface is different on the left and right sides of the headrest 26. Yes, hereinafter referred to as the vehicle outer side portion 27) is higher than the vehicle inner side. A retractor 34 is built in the vehicle outer side portion 27. The retractor 34 incorporates winding means inside, and when the outer belt (the seat belt of the present invention) is pulled out, the outer belt 38 is biased in the winding direction against it.
[0017]
A drawer opening 27A is opened on the upper side of the vehicle outer side 27, while a resin cover 23 is attached to the side of the seat cushion 21 and a drawing opening 23A is opened on the upper surface side thereof. The outer belt 38 drawn out from the lead-out port 27A is arranged up and down along the surface of the vehicle outer side portion 27, and the tip side thereof is drawn into the resin cover 23 through the lead-in port 23A.
Further, a metal locking fitting 39 is loosely inserted into the outer belt 38, and an inner belt 48 is disposed on the side of the seat cushion 21 (on the right side in the figure). The inner belt 48 is provided with a buckle 48B containing a receiving portion (not shown) that can be locked to the locking bracket 39 on the tip side of the metal stay 48A, and the lower portion of the stay 48A is a slide described below. It is bolted to the mechanism 40.
[0018]
Next, the skeleton structure of the vehicle seat 20 and the slide mechanism 40 will be described. As shown in FIG. 3, a flat floor base 41 is disposed below the seat cushion 21. The floor base 41 is fixed to the floor panel on the body side, and a pair of parallel fixed rails 42 are arranged along the front-rear direction on both the left and right sides. The left and right fixed rails 42 are formed with fitting grooves 42A along the longitudinal direction. The fitting grooves 42A are formed so as to penetrate upward and front and rear, and flat rails 43 and 44 are slidably fitted into the fitting grooves 42A. Both the movable rails 43 and 44 are formed to have the same width from the front end portion to the central portion, and are formed so that the rear portion protrudes upward from the central portion (hereinafter referred to as protruding portions 43A and 44A). ). The overhanging portions 43A and 44A are for supporting the structural portion of the seat cushion 21, as will be described in detail later.
[0019]
A lap belt support 46 is bolted to an overhanging portion 43A of the movable rail 43 on the vehicle outer side of both the movable rails 43, 44, and the distal end side of the outer belt 38 drawn into the resin cover 23 is fixed. It is like that. On the other hand, the above-described stay 48A of the inner belt 48 is attached to the overhanging portion 44A of the movable rail 44 inside the vehicle. Both movable rails 43 are constructed by connecting pipes 45 between the front ends and between the rear ends, and the whole constitutes a support frame.
On the other hand, the back frame 31 forming the skeleton of the seat back 25 is formed by bending a metal pipe into a U shape, and one end side of the back frame 31 is connected to the projecting portion 43A of the movable rail 43 on the outside of the vehicle via the connecting member 32. Similarly, the other end side is connected to an overhanging portion 44 </ b> A of the movable rail 44 on the indoor side via the connecting member 32. A reclining mechanism (not shown) is provided between the connecting member 32 and the projecting portions 43A and 44A, and the tilt angle of the seat back 25 with respect to the vehicle can be adjusted.
[0020]
A base plate 33 for supporting a movable member 51 described later is disposed on the left side of the upper end of the back frame 31. The base plate 33 is formed in a U-shape by providing a pair of opposing mounting walls (the front side is the front wall 33A and the rear side is the rear wall 33B), and is inserted into the back frame 31 from the side, As shown in FIG. 7, the back frame 31 is fixed between the walls 33A and 33B.
The outer belt retractor 34 is attached to the lower end of the base plate 33. The retractor 34 is provided with an upward belt entrance / exit 34A, and the outer belt 38 is drawn upward along the rear wall 33B of the base plate 33 from the entrance / exit 34A.
On the other hand, a shoulder belt support 36 is attached to the upper portion of the rear wall 33B, and the outer belt 38 passes through the shoulder belt support 36. That is, the shoulder belt support 36 is formed with a horizontally elongated slit 36A at a position protruding from above the rear wall 33B. Therefore, the outer belt 38 changes its direction so as to face forward by passing through the slit 36A, and is then drawn out to the surface side of the vehicle outer side portion 27 through the outlet 27A.
[0021]
As shown in FIG. 4, a through hole 27B having a depth reaching the base plate 33 is formed below the drawer opening 27A of the seat back 25, and is formed by the front wall 33A of the base plate 33 and the through wall of the through hole 27B. A housing recess 50 is formed. In this accommodation recess 50, the movable member 51 capable of coming into contact with the outer belt 38 is retracted into the accommodation recess 50 as shown in FIGS. 5 and 6, and as shown in FIGS. Pushing means 60 is attached to move between the pushing position where the outer belt 38 moves forward from the position and floats from the surface of the vehicle outer side portion 27.
More specifically, a pair of mounting brackets 63 for supporting the movable member 51 described below is disposed on the front wall 33 </ b> A constituting the housing recess 50. The mounting bracket 63 is screwed and attached vertically.
On the other hand, the movable member 51 has a substrate 51A formed in a size that can be fitted into the accommodating recess 50, and is formed with a rearward flange 51B over the entire width of the upper and lower edges. Among these, a resin pad 52 is attached to the front surface of the substrate 51A. The surface of the pad 52 (corresponding to the contact surface of the present invention) is formed with a gentle curvature, and the left and right sides are formed higher than the central portion. This prevents the belt from shifting when the outer belt 38 is lifted.
[0022]
A pair of winding pins 53 penetrates between the upper and lower flanges 51 </ b> B of the movable member 51 and is prevented from being pulled out by the ring 54. The outer dimension of the winding pin 53 is set smaller than the inner diameter dimension of the pilot hole provided in the flange 51B, and the winding pin 53 is allowed to rotate along its axis. Air bags 61 are arranged between the winding pins 53 and the inner surface of the mounting bracket 63, respectively. For example, the air bag 61 is formed in a bag shape by overlapping sheet materials made of synthetic fibers such as nylon and joining the peripheral portions thereof, and can store air therein. The entire air bag 61 is formed in a vertically long tubular shape, and one end side thereof is connected to the inner surface of the mounting bracket 63 and the other end side thereof is connected to the winding pin 53. Further, as shown in FIG. 11, a covering member 61A is sewn into a bag shape on the surface of the air bag 61, and a leaf spring 62 (corresponding to the return means of the present invention) is accommodated therein. . The leaf spring 62 has a vertically long shape, and one end side is fixed to the mounting bracket 63 and the other end side is fixed to the winding pin 53 similarly to the air bag 61. The leaf spring 62 has a spiral shape in a natural state. Therefore, the air bag 61 is urged by the leaf spring 62 so as to be wound around the winding pin 53 at all times.
[0023]
Next, the stopper pin 65 for restricting the position of the movable member 51 will be described with reference to FIGS.
A rod-like stopper pin 65 is attached to the central portion on the back surface side of the movable member 51. The stopper pin 65 is provided with a first flange portion 65A and a second flange portion 65B at the distal end portion and the central portion, respectively, in addition to the positioning flange portion 65C provided on the base end side. On the other hand, a stopper plate 67 having a U-shaped cross section is attached to the front wall 33A of the base plate 33 so as to close to the base plate 33 side. The stopper plate 67 has a through hole 67A having a size that allows the shaft portion of the stopper pin 65 to pass therethrough, and the base plate 33 has an escape hole 33D that has a size that allows the first flange portion 65A of the stopper pin 65 to pass therethrough. Is formed through both walls 33A and 33B. When the movable member 51 is drawn into the housing recess 50, the second flange 65B is set to contact the upper surface of the stopper plate 67, and the movable member 51 is stopped at the standby position.
As shown in FIG. 5, in this standby position, the entire movable member 51 is housed in the housing recess 50, and the front surface of the pad 52 is substantially flush with the vehicle outer side portion 27 of the seat back 25. The outer belt 38 extends along the central portion of the surface 52.
[0024]
Further, when air is supplied into the air bag 61 from this state by an air supply means described later, the air bag 61 is filled with air, whereby the air bag 61 bulges and expands the leaf spring 62 and is movable. The member 51 is pushed out from the housing recess 50. As shown in FIG. 7, when the movable member 51 reaches the pushing position, the first flange portion 65 </ b> A of the stopper pin 65 comes into contact with the back surface side of the stopper plate 67, thereby restricting the position of the movable member 51. ing. In this push-out position, both the left and right leaf springs 62 and the air bag 61 are stretched in a linearly extending state so that the movable member 51 is completely protruded from the housing recess 50, and the entire outer belt 38 is placed on the surface of the vehicle outer portion 27. It comes to float more.
[0025]
Next, as shown in FIG. 9, the air supply means, that is, the air pump 70 is provided with a drive motor 70 </ b> A and disposed below the base plate 33.
On the other hand, an introduction port is opened at one end side (the mounting bracket 63 side) of the air bag 61, and the air pump 70 and the air bag 61 are connected by a tube 71. Accordingly, when the drive motor 70 </ b> A is driven, air is supplied from the air pump 70 into the air bag 61 through the tube 71.
[0026]
Moreover, the extrusion means 60 is provided with the control apparatus 72 shown in FIG. In this embodiment, the control device 72 is mainly composed of a pressure sensor for detecting an occupant (corresponding to the detecting means of the present invention) 74, a solenoid valve 75, and a control unit 73. 60 is configured to automatically operate. Specifically, as the pressure sensor 74 for detecting the occupant, for example, a sheet material made of a piezoelectric element is built in the central portion of the seat cushion 21, and the seat material is set to be distorted by the pressure when the occupant is seated. Just keep it. Thereby, an electric signal (electromotive force) corresponding to the amount of strain is obtained from the piezoelectric element, and it is possible to detect the passenger's boarding. On the other hand, the solenoid valve 75 is provided side by side with the tube 71 at the end of the air bag 61 and is normally open so that the air in the air bag 61 is always removed.
[0027]
Each drive circuit (not shown) of the solenoid valve 75 and the drive motor 70A is provided with an electromagnetic relay, and both the electromagnetic relay and the pressure sensor 74 are connected to the control unit 73 via signal lines. Based on a detection signal (occupant detection) from the pressure sensor 74, the control unit 73 is set to operate each electromagnetic relay and energize each drive circuit. As a result, when an occupant is detected, the solenoid valve 75 is closed and the air pump 70 starts supplying air.
The drive motor 70A is controlled by the control unit 73 so as to stop after the movable member 51 reaches the push-out position. Further, the solenoid valve 75 is automatically set to the valve 75 when a predetermined time elapses after the valve is closed. Is controlled to release. The reason for performing such control is to automatically return the movable member 51 in the pushing position to the standby position after the passenger completes the mounting of the outer belt 38.
As a method for controlling the drive motor 70A, the type of operation switching (on / off) by detecting the pressure of the air bladder 61 and the on-time are controlled in advance and automatically turned off after a predetermined time has elapsed. It may be of a type that switches to a state.
[0028]
Next, the operation and effect of the present embodiment will be described while explaining the procedure for the passenger to get into the vehicle and attach the seat belt.
First, when the passenger is not in the vehicle, as shown in FIGS. 5 and 9, the movable member 51 is in the standby position retracted into the housing recess 50, and is further biased in the winding direction by the retractor 34. Thus, the outer belt 38 is attached to the surface of the vehicle outer side portion 27 of the seat back 25 with a slight tension. In this standby position, the solenoid valve 75 is opened and the air bladder 61 is wound around the winding pin 53 together with the leaf spring 62.
[0029]
When the vehicle gets into the vehicle from this state and sits on the vehicle seat 20, the seat cushion 21 is depressed by its own weight and the center portion of the seat cushion 21 is recessed. As a result, the built-in pressure sensor 74 is distorted, which is detected as an electrical signal and transmitted to the control unit 73. Then, the control unit 73 closes the electromagnetic relay, energizes the motor drive circuit to operate the drive motor 70A, and closes the solenoid valve 75. As a result, air is supplied from the air pump 70 into the air bag 61, so that the air bag 61 gradually expands forward and pushes the movable member 51 out of the housing recess 50.
[0030]
When the movable member 51 eventually reaches the pushing position shown in FIG. 7, the two leaf springs 62 are in a substantially parallel posture, and the second flange portion 65 </ b> B of the stopper pin 65 comes into contact with the back surface side of the stopper plate 67. Thus, the forward movement of the movable member 51 is restricted. Then, when the pressure of the air bladder 61 reaches a predetermined value, the control unit 73 cuts off the power supply to the drive motor 70A and stops the supply of air. At this time, since the solenoid valve 75 is in the closed state, the air bag 61 is filled with air, and the movable member 51 is held at the same position by the tension of the air bag 61.
[0031]
In this push-out position, the outer belt 38 is pushed forward by the movable member 51 and is entirely lifted from the surface of the vehicle outer side portion 27, that is, a state where a finger can easily enter the back side of the outer belt 38. Therefore, the passenger can easily grasp the outer belt 38 with his / her hand without feeling troublesome operation. Thereafter, the outer belt 38 is pulled out from the outlet 27 </ b> A, and the locking fitting 39 is locked to the buckle 48 </ b> B of the inner belt 48. This completes the installation of the seat belt.
[0032]
Further, when a predetermined time elapses after the supply of air into the air bag 61 is cut off (a time sufficient for the passenger to wear the belt), the controller 73 turns off the energization to the solenoid valve 75 side. The sagging solenoid valve 75 is opened. Thereby, the air in the air bag 61 will be open | released. Then, the air bag 61 that has lost its tension is gradually wound around the winding pin 53 by the leaf spring 62 and stored again in the standby position in the housing recess 50.
[0033]
As described above, according to the present embodiment, the seat belts (outer belt 38 and inner belt 48) for restraining passengers are all attached within the vehicle seat 20. Therefore, regardless of the seat slide position, the passenger can be restrained under the same conditions, which is excellent in safety.
Further, when the outer belt 38 is mounted, the outer belt 38 can be lifted from the seat back 25 by the pushing means 60, so that the mounting operation can be easily performed. Further, the movable member 51 is always at the standby position in the housing recess 50, and the outer belt 38 is also along the seat back 25. Therefore, it has an excellent appearance and does not get in the way when passengers get into the vehicle.
[0034]
Further, the mechanism portion for driving the movable member 51 may be an exposed portion that protrudes from the surface of the sheet at the pushing position, but since it is constituted by the air bag 61, it can have cushioning properties. . Therefore, even if an external force is applied, it is strong against impact and also prevents harm to passengers.
Further, since the movable member 51 is provided just below the drawer opening 27A of the outer belt 38, a portion of the outer belt 38 close to the drawer opening 27A is gripped by hand, which is a suitable arrangement for pulling out the belt. Yes.
Further, the push-out means 60 is provided with a control device 72, and since the occupant's boarding is detected and the movable member 51 is automatically moved in and out, it is easy to use.
[0035]
Second Embodiment
A second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
In the first embodiment, the pushing means 60 is provided with a stopper pin 65 and a stopper plate 67, which controls the operation of the movable member 51 together with the control device 72, and the occupant moves intentionally beyond the pushing position. Even though the member 51 is pulled forward, the pulling operation is restricted. In the second embodiment, the restriction by the stopper pin 65 and the stopper plate 67 is performed by the air bag 100.
[0036]
Specifically, one end sides of the air bag 100 and the leaf spring 110 are fixed to the inner surface side of the mounting bracket 63 as in the first embodiment. On the other hand, on both upper and lower edges on the other end side of the air bag 100, an overhang portion 103 in which an insertion hole 103A into which the take-up pin 115 can be inserted is formed, and the take-up pin 115 is inserted therein. Keep it. Further, the other end of the leaf spring 110 is wound around the take-up pin 115 (either fixed or not).
[0037]
With such a configuration, even if the occupant intentionally pulls the movable member 51 forward beyond the pushing position, once the air bag 100 is expanded, further pulling operation is restricted by the tension of the air bag 100. Will be. In addition, in the case of such a configuration, the winding pin 115 can be attached only by being inserted into the insertion hole 103 </ b> A of the air bag 100. Therefore, the winding pin 115 does not require a special structure for attachment, and the material can be formed of resin instead of metal, so that the entire apparatus can be reduced in weight. As a method for attaching the take-up pin 115 and the air bag 100, in addition to the above-described form for forming the overhang portion 113, the take-up pin 115 can be attached by sewing the end portion of the air bag 100 in a folded state. It may be one that forms an accommodating portion that can be accommodated.
[0038]
<Other embodiments>
The present invention is not limited to the embodiments described with reference to the above description and drawings. For example, the following embodiments are also included in the technical scope of the present invention, and further, within the scope not departing from the gist of the invention other than the following. Various modifications can be made.
[0039]
(1) In the first and second embodiments, the present invention is applied to the seat provided with the slide mechanism 40, but may be applied to a fixed seat.
[0040]
(2) In the first and second embodiments, the expansion and contraction operation of the air bag 61 by supplying and discharging air is used to advance and retract the movable member 51. However, the mechanism for advancing and retracting may be mechanically configured. There are those that move the nut back and forth along the threaded rod, and those that use a rotating motion by providing a rotating shaft.
[0041]
(3) In the first and second embodiments, the air bag 61 and the leaf spring 62 are provided separately. However, as shown in FIG. 15, the air bag 91 and the leaf spring 92 may be provided integrally. Good.
[0042]
(4) In the first and second embodiments, the position of the movable member 51 is mechanically restricted. However, the movable member 51 may be controlled by a control device.
[0043]
(5) In both the first and second embodiments, the retractor 34 is built in the seat back 25. However, if the outer belt 38 is arranged vertically along the surface of the seat back 25, The retractor 34 does not necessarily need to be built in. For example, the retractor 34 may be attached to the vehicle body side.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a vehicle seat according to the first embodiment of the present invention. FIG. 2 is a perspective view of a vehicle seat showing a state in which a seat belt is lifted from a side shoulder. FIG. FIG. 4 is a perspective view showing the relationship between the pushing means and the seat back. FIG. 5 is a horizontal sectional view showing the standby position of the movable member. FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing the standby position of the movable member. 7] Horizontal sectional view showing the pushing position of the movable member. [Fig. 8] Longitudinal sectional view showing the pushing position of the movable member. [Fig. 9] Vertical sectional view of the vehicle seat (showing a state where the movable member is in the standby position).
FIG. 10 is a longitudinal sectional view of a vehicle seat (showing a state where the movable member is in the pushing position).
11 is a cross-sectional view of the air bag. FIG. 12 is a block diagram of the control device. FIG. 13 is a perspective view showing a support structure of the air bag and the leaf spring in the second embodiment. FIG. 15 is a sectional view of an air bag (another embodiment).
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 20 ... Vehicle seat 21 ... Seat cushion 25 ... Seat back 27 ... Outer side part 36 ... Shoulder belt support 38 ... Outer belt (seat belt)
46 ... Lap belt support 51 ... Movable member 60 ... Extruding means

Claims (3)

ヘッドレスト、シートートバック、及びシートクッションを備えてなるとともに、前記シートバックにおける車外側部の上部には、リトラクタから引き出された乗員拘束用のシートベルトを前方を向くように方向転換させるショルダベルト支持具と、方向転換された前記シートベルトを前記シートバックの表面側に引き出すための引き出し口とが、設けられる一方、
前記引き出し口の下方であって前記シートクッション側には、前記引き出し口より引き出された前記シートバックの先端を固定するラップベルト支持具が取り付られたシートベルト一体式の乗り物用シートであって、
前記シートバックのうち前記引き出し口の下側であって、前記ヘッドレストの側方にあたる前記車外側部の上部に位置して、可動部材と押し出し手段とを収容する収容凹部が設けられると共に、
前記押し出し手段が、前面が車外側部とほぼ面一となる前記収容凹部内の待機位置にある可動部材を、前方に直線的に移動させて押し出し位置に変位させることにより、前記シートベルトを前記車外側部より浮かせる構成であることを特徴とする乗り物用シート。A shoulder belt support that includes a headrest, a seat tote bag, and a seat cushion, and that changes the direction of the occupant restraint seat belt pulled out from the retractor to the front at the upper portion of the vehicle outer portion of the seat back. While a tool and a drawer port for pulling out the direction-changed seat belt to the front side of the seat back are provided,
A seatbelt-integrated vehicle seat mounted with a lap belt support for fixing the front end of the seatback pulled out from the drawer port, below the drawer port and on the seat cushion side. ,
An accommodation recess for accommodating the movable member and the push-out means is provided on the lower side of the drawer opening in the seat back and on the upper portion of the vehicle outer side corresponding to the side of the headrest.
The push-out means linearly moves the movable member at the standby position in the housing recess whose front surface is substantially flush with the vehicle outer side portion to displace the seat belt to the push-out position. A vehicle seat characterized by being configured to float from the outside of the vehicle. 前記押出し手段は、
エアの供給によって前記収容凹部内で膨張することで前記可動部材を前記待機位置から前記押出し位置に押し出し可能な空気袋と、
前記空気袋にエアを供給するエア供給手段と、
前記空気袋の押し出し動作に抗して前記可動部材を引き込み方向に付勢することで前記可動部材を前記押し出し位置から前記待機位置に強制的に復帰させる復帰手段とを備えた構成であることを特徴とする請求項１に記載の乗り物用シート。The extrusion means includes
An air bag capable of pushing the movable member from the standby position to the push position by inflating in the housing recess by supplying air;
Air supply means for supplying air to the air bag;
And a return means for forcibly returning the movable member from the push-out position to the standby position by urging the movable member in the pull-in direction against the push-out operation of the air bag. The vehicle seat according to claim 1, wherein the vehicle seat is a vehicle seat. 前記押出し手段は乗客の着座の有無を検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて前記エア供給手段を作動させる制御部を備えた構成であることを特徴とする請求項２に記載の乗り物用シート。 3. The structure according to claim 2 , wherein the push-out means includes a detection means for detecting whether a passenger is seated and a control unit for operating the air supply means based on a detection signal from the detection means. The vehicle seat described.

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