JP4258250B2 - 医用画像撮影システム及び医用画像管理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像撮影システム及び医用画像管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、例えば、コンピュータ断層画像撮影装置(以下、「CT(Computed Tomography)」と記す)やコンピュータ放射線画像撮影装置(以下、「CR(Computed Radiography)」と記す)、核磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI(Magnetic Resonance Imaging)」と記す)などを備える医用画像撮影システムが利用されている。この医用画像撮影システムは、被験体である患者を撮影し、その撮影した医用画像をデジタル画像データとして取得するシステムである。
【0003】
なかでも、放射線画像撮影装置は、支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した医用画像変換パネルを使用するもので、この変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を吸収させ、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成する。その後、この蛍光体層を赤外線などの輝尽励起光で走査することにより蓄積された放射線エネルギーを蛍光として放射させてその蛍光を光電変換し、医用画像信号を得るものである。このようにして取得された医用画像は画像処理を施された後にフィルム、或いはCRTなどの出力装置に出力されて可視化されたり、サーバなどのファイリング装置に患者の情報とともに保存され、医療活動に利用されている。
【0004】
このような放射線画像撮影装置を利用した医用画像撮影システムには、大きく分けて二つのシステム構成がとられる。一つは、画像の撮影及び読み取りを行う装置と、輝尽性蛍光体プレートとを撮影室、又は、撮影室近傍に設置し、撮影室にて撮影を行う従来の医用画像撮影システムである。このシステムにおいては、撮影室にて撮影と同時に画像の読み取りを行うことができる。
【0005】
もう一つは、骨折や脳血管疾患などの患者や集中治療室にて管理中の患者など、撮影室にて撮影が行えない患者の為に、回診用の移動可能な移動型X線撮影装置と、蛍光体プレートを内蔵した持ち運び可能なカセッテとを利用して、回診先において撮影を行う医用画像撮影システムである(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、撮影後にカセッテ専用の読取装置にカセッテを挿入し、撮影した画像の読み取りを行う。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−139888号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、医療施設内の入院病棟などのあるフロアは、診察室や放射線科のフロアから離れている場合がほとんどである。また、移動型X線撮影装置の持ち運びにはかなりの労力が要求され、特に移動させるフロアが遠いほど、その労力は増大する。そこで、移動型撮影装置を用いて撮影を行う技師などの労力の軽減により撮影作業の効率化が求められている。
【0008】
また、移動型撮影装置を用いる撮影ではカセッテを用いるが、ある患者の撮影で病原菌がその時に使用したカセッテに付いた場合、そのカセッテの持ち運び先でその病原菌による院内感染が発生するおそれがある。特に、カセッテを読み取る読取装置が設置されるフロアと撮影されたフロアとが離れている場合、その間の広範囲にわたって院内感染がより増大するおそれがあった。
【0009】
本発明の課題は、移動型撮影装置を用いる撮影において、撮影作業の効率化を図ることである。また、院内感染の発生を抑えることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用撮影に関する撮影オーダ情報と医用画像と対応付けて管理する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得する携帯端末とを備える医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置は、
ポータブル撮影装置にて撮影を行うポータブルモードと撮影室で撮影を行う通常モードを選択する入力手段と、
予め記憶装置に記憶された撮影オーダ情報から所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を抽出する抽出手段と、
前記ポータブルモードが選択されたときには、前記抽出された撮影オーダ情報に基づいて、撮影に要するカセッテサイズ及びカセッテ枚数のうちの少なくとも一方を含む付加情報を生成する生成手段と、
前記抽出された撮影オーダ情報に前記付加情報を付加した撮影オーダ情報を携帯端末に送信する送信手段とを備え、
前記携帯端末は、前記制御装置から送信された撮影オーダ情報を表示手段に表示することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、医用撮影に関する撮影オーダ情報と医用画像とを対応付けて管理する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得する携帯端末とを備える医用画像撮影システムにおける医用画像管理方法において、
所定の患者群に対応付けて設けられた前記制御装置の入力手段が、ポータブル撮影装置にて撮影を行うポータブルモードと撮影室で撮影を行う通常モードを選択させる工程と、
前記制御装置の制御手段が、予め記憶装置に記憶された全ての撮影オーダ情報から前記所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を抽出し、前記ポータブルモードが選択されたときには、前記抽出された撮影オーダ情報に基づいて、撮影に要するカセッテサイズ及びカセッテ枚数のうちの少なくとも一方を含む付加情報を生成し、前記抽出された撮影オーダ情報に前記付加情報を付加した撮影オーダ情報を前記携帯端末に送信する工程と、
前記所定の患者群に対応付けて設けられた前記携帯端末が、前記制御装置に対応する撮影オーダ情報を前記制御装置から受信し、その受信した撮影オーダ情報を表示する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項1又は3に記載の発明によれば、制御装置が所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を、同じ患者群に対応する携帯端末に送信して、携帯端末がその撮影オーダ情報を受信して表示する。このため、患者の撮影者は、所定の患者群に対応して表示された撮影オーダ情報に基づいて患者を撮影でき、撮影作業の効率化を実現できる。また、所定の患者群に対応する撮影オーダ情報とともに、その所定の患者群に対応する撮影で必要なカセッテサイズとカセッテ枚数とのいずれか一方又は両方を携帯端末で表示する。このため、患者の撮影者は、所定の患者群に対応して表示されたカセッテサイズとカセッテ枚数とのいずれか一方又は両方に基づいて撮影に用いるカセッテを容易でかつ確実に準備でき、撮影作業のさらなる効率化を実現できる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置は、表示部と、前記ポータブルモードが選択されたときには、同一の携帯端末に登録された前記所定の患者群に係わる医用画像を前記表示部の同一画面に表示させる制御部とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ポータブルモードが選択されたときには、同一の携帯端末に登録された所定の患者群に係わる医用画像を同一画面に表示させることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の医用画像管理方法において、
前記所定の患者群に対応付けて設けられた医用画像読取装置が、前記携帯端末に表示された撮影オーダ情報に基づいて撮影されたカセッテから、前記所定の患者群に対応する画像情報を読み取る工程を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、所定の患者群の撮影に使用したカセッテが、その所定の患者群に対応する医用画像読取装置で読み取られる。このため、カセッテに病原菌がついていたとしても、他の患者群に対応する区域には持ち運ばれず、その病原菌による施設内感染の発生及び拡大を防ぐことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。なお、以下では、本発明に特徴的な実施の形態の一例として、持ち運び可能な携帯端末と、移動可能な撮影装置とを利用した、回診先にて撮影を行う医用画像撮影システムについて説明を行う。
【0026】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本発明に係る医用画像撮影システム100を示すブロック構成図である。図1に示すように、医用画像撮影システム100は、携帯端末10,10B、10C、通信手段としての通信端末10−1A,10−1B,10−1C、制御装置20A,20B,20C、医用画像読取装置30A,30B,30C、ポータブル撮影装置40、カセッテ50、情報管理装置60などから構成されている。また、制御装置20,20B,20C、医用画像読取装置30A,30B,30C及び情報管理装置60は、ネットワークNを介して接続されている。
【0027】
医用画像撮影システム100が設置される病院などの医療機関において、入院病棟などがあるフロアが3つあり、それぞれ、フロアA,B,Cとする。フロアA,B,Cそれぞれに少なくとも1人の患者(患者群とする)が入院している。また、フロアA,B,Cで、ポータブル撮影装置40を使用する。フロアAには、携帯端末10A、制御装置20A、通信端末10−1A、医用画像読取装置30Aが所属されて設置される。フロアBには、携帯端末10B、制御装置20B、通信端末10−1B、医用画像読取装置30Bが所属されて設置される。フロアCには、携帯端末10C、制御装置20C、通信端末10−1C、医用画像読取装置30Cが所属されて設置される。以下、フロアがA,B,Cの3つ存在する場合について説明するが、医用画像撮影システム100のフロアの数はこれに限定されるものではなく、その他の数のフロアが存在する構成としてもよく、後述する医用画像撮影システム200でも同様である。
【0028】
また、携帯端末10A,10B,10Cは、それぞれ通信端末10−1A,10−1B,10−1Cの専用機となっている。携帯端末10A,10B,10Cと制御装置20A,20B,20Cとは、それぞれ、通信端末10−1A,10−1B,10−1Cを介して接続可能な構成となっている。以下、各フロアに関する構成は、フロアA(携帯端末10A,通信端末10−1A,制御装置20A,医用画像読取装置30A)を代表して説明するが、フロアB,フロアCについても同様である。また、フロアAは、ここでは2階のフロアであるものとして説明する。
【0029】
携帯端末10Aは、ポータブル撮影装置40を操作する技師などが携帯する携帯型情報端末装置であり、通信端末10−1A,10−1B,10−1Cを介して制御装置20A,20B,20Cと通信を行う。また、携帯端末10Aは、制御装置20Aから撮影オーダ情報を取得して表示するが、複数患者の撮影オーダがある場合、撮影オーダ情報の中から所望の患者IDに対応する撮影オーダ情報を検索して表示する。また、携帯端末10Aは、撮影開始時に、技師の識別情報(以下「技師ID」と記す)、カセッテ50の識別情報(以下、「カセッテID」と記す)、撮影装置の識別情報(以下、「撮影装置ID」と記す)を取得し、撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。
【0030】
通信端末10−1Aは、ケーブルなどを介して制御装置20Aと接続され、通信端末10−1Aに装着された携帯端末10Aと制御装置20Aとの間でデータの送受信を制御する。例えば、通信端末10−1Aは、制御装置20Aから携帯端末10Aへの撮影オーダ情報の送信を制御したり、携帯端末10Aから制御装置20Aへの技師ID、カセッテID及び撮影装置IDの送信を制御する。
【0031】
制御装置20Aは、情報管理装置60から撮影オーダ情報を受信し、受信した撮影オーダ情報に基づいて医用画像を管理するとともに、携帯端末10A及び医用画像読取装置30Aから受信する情報に基づいて医用画像の撮影履歴を管理する装置である。例えば、制御装置20Aは、情報管理装置60から受信した撮影オーダ情報を通信端末10−1Aを介して携帯端末10Aに送信する。また、制御装置20Aは、撮影終了後、携帯端末10Aから撮影オーダ情報に対応付けられた技師ID、カセッテID及び撮影装置IDを受信する。また、制御装置20Aは、医用画像読取装置30Aから、医用画像と、医用画像に対応付けられたカセッテID及び読取装置の識別情報(以下、「読取装置ID」と記す)を受信する。そして、制御装置20は、撮影オーダ情報に基づいて、医用画像、技師ID、カセッテID、撮影装置ID、読取装置IDなどを対応付けて管理する。
【0032】
医用画像読取装置30Aは、カセッテ50に記録された医用画像を読み取る医用画像読取装置である。医用画像読取装置30Aは、カセッテ50の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して、医用画像を取得する。また、医用画像読取装置30Aは、カセッテ50に付帯するカセッテIDを読み取り、医用画像と、カセッテID及び自装置の読取装置IDとを対応付けて制御装置20Aに送信する。
【0033】
ポータブル撮影装置40は、移動可能な医用画像撮影装置であり、回診先において患者の撮影を行い、装置本体に着脱可能なカセッテ50に医用画像を記録する。カセッテ50は、放射線エネルギーの一部を蓄積する輝尽性蛍光体シートを内蔵しており、放射線源から照射され、照射線源とカセッテとの間に配置される被験体を通過した照射エネルギーの一部を上記輝尽性蛍光体シートに蓄積する。なお、カセッテ50の表面には、カセッテ50の識別情報となるカセッテIDを記録するバーコードなどが付されている。
【0034】
情報管理装置60は、医師から指示された撮影オーダ情報を一括して管理する端末であり、制御装置20A,20B,20Cからの要求指示に応じて、撮影オーダ情報を抽出し、制御装置20A,20B,20Cに抽出した撮影オーダ情報を送信する。なお、他の情報管理装置として、撮影オーダ情報の予約受付を行う受付装置(図示せず)を適用しても良く、HIS(Hospital Information System)やRIS(Radiology Information System)などの情報管理システムを適用することとしてもよい。
【0035】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネットなどの様々な回線形態を適用可能である。なお、病院などの医療機関内で医療機器に支障のある無線LANなどを除く。しかし、許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、撮影オーダ情報を送受信する際には重要な患者情報を含むため、撮影オーダ情報は暗号化することが好ましい。
【0036】
次に、本発明において主要な構成要素となる各装置について詳細に説明する。図2は、携帯端末10A,10B,10Cの機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末10A,10B,10Cは、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信手段としてのI/F(インタフェース)14、RAM(Random Access Memory)15、記憶装置16、バーコードリーダ17などから構成され、各部はバス18により接続されている。ここでは、携帯端末10Aについて代表して説明する。
【0037】
CPU11は、記憶部16に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM15に展開し、RAM15に展開されたプログラムとの協働で、制御部として携帯端末10の各部を集中制御する。
【0038】
具体的に、CPU11及びRAM15は、記憶装置16から撮影前処理プログラム、撮影開始処理プログラムを読み出して、後述する撮影前処理(図6(b)参照)、撮影開始処理(図10参照)を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【0039】
操作部12は、カーソルキー、数字キー及び各種機能キーなどを備えて構成され、撮影者により押下されたキーに対応する押下信号をCPU11に出力する。また、操作部12は、ジョグダイアルキーを備え、ジョグダイアルキーの操作に応じて表示部13に表示された情報をスクロール(移動)させるための指示信号をCPU11に出力する。また、ジョグダイアルキーが押下されると、表示されている情報に対する押下信号をCPU11に出力する。なお、操作部12は、必要に応じてタッチパネルなどのポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えるものとしてもよい。また、ジョグダイアルキーに代えてタッチキーなどとする構成でもよい。
【0040】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELディスプレイ(ElectroLuminescent Display)などによる表示ディスプレイを備えた表示手段であり、CPU11からの表示指示に基づいて撮影オーダ情報や、取得した患者ID,技師ID,カセッテID,撮影装置IDなどの各種情報を表示する。
【0041】
I/F14は、携帯端末10Aと通信端末10−1Aとを接続するためのインターフェースであり、携帯端末10Aが通信端末10−1Aに装着されると、検出信号をCPU11に出力する。また、I/F14は、通信端末10−1Aを介して、携帯端末10Aと制御装置20Aとの間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。
【0042】
例えば、I/F14は、制御装置20Aから撮影オーダ情報を受信するとともに、撮影終了後、撮影オーダ情報に対応づけられた技師ID、カセッテID、撮影装置IDを、制御装置20Aに送信する。
【0043】
RAM15は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果などを格納するワークメモリエリアを有する。
【0044】
記憶装置16は、プログラムやデータが予め記憶されている記憶媒体(図示せず)を有しており、この記憶媒体は、システムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種アプリケーションプログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータなどを記憶する。また、この記憶媒体は磁気的、光学的記憶媒体又は半導体メモリで構成され、記憶装置16に固定的に設けられるもの又は着脱自在に装着するものである。
【0045】
また、記憶装置16は、制御装置20Aから受信した撮影オーダ情報を格納するための撮影オーダ情報ファイル161Aを記憶している。図3を参照して撮影オーダ情報ファイル161Aについて説明する。図3は、撮影オーダ情報ファイル161Aのデータ構成例を示す図である。なお、携帯端末10Aには、撮影オーダ情報ファイル161Aが対応し、携帯端末10Bには、撮影オーダ情報ファイル161Bが対応し、携帯端末10Cには、撮影オーダ情報ファイル161Cが対応する。
【0046】
図3に示すように、撮影オーダ情報ファイル161Aは、撮影ID、患者ID、氏名、性別、年齢、病室、依頼科、撮影部位、撮影枚数及び撮影サイズを格納する項目と、撮影開始時に取得される技師ID、カセッテID、撮影装置IDを格納するための項目を有し、撮影オーダ情報毎に各項目に対応するデータを格納する。
【0047】
撮影IDの項目には、撮影を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、20020101001、20020101002、20020101003、…)が格納される。患者IDの項目には、撮影を受ける患者を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、10000002、1000005、…)が格納される。氏名の項目には、撮影対象となる患者の名前を示す文字情報が格納され、性別の項目には、撮影対象となる患者の性別を示す文字情報が格納される。年齢の項目には、撮影対象となる患者の年齢が数字情報により格納され、病室の項目には、撮影場所となる病室を示す文字情報が格納される。ここでは、フロアA(2階)に対応する病室が示されている。
【0048】
依頼科の項目には、撮影を依頼した依頼科を示す文字情報が格納され、撮影部位の項目には、撮影部位を示す情報(例えば、頭蓋骨A→P、頭蓋骨P→A、胸部P→A、…)が格納される。撮影枚数の項目には、撮影する医用画像の枚数が数字情報(例えば、3,4,5,…)により格納される。撮影サイズの項目には、撮影する医用画像のサイズ(例えば、半切、大四切など)が格納される。
【0049】
技師IDの項目には、撮影を行った技師を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、技師の所持するIDカードなどに付されたバーコードから読み取られる情報)が格納される。カセッテIDの項目には、撮影を行ったカセッテ50を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、カセッテ50に付されたバーコードなどから読み取られる情報)が格納される。撮影装置IDの項目には、撮影を行ったポータブル撮影装置40を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、ポータブル撮影装置40に付されたバーコードなどから読み取られる情報)が格納される。
【0050】
情報管理装置60から制御装置20A、20B,20Cそれぞれに送信される撮影オーダ情報は、全てのフロアに対応するものである。制御装置20Aが、その撮影オーダ情報のうちから自分の所属するフロアAに対応する撮影オーダ情報を抽出して通信端末10−1Aを介して携帯端末10Aに送信し、携帯端末10Aにおいて撮影オーダ情報ファイル161Aとして記憶装置16に記憶される。
【0051】
なお、上述した技師ID、カセッテID、撮影装置IDのデータは撮影前においては撮影オーダ情報ファイル161Aには格納されておらず、撮影開始時にバーコードリーダ17により読み取られた各データが格納される構成となっている。
【0052】
また、撮影オーダ情報には、患者情報として患者ID、氏名、性別、年齢の他、例えば、担当医師名、感染症などを警告する警告情報、薬物アレルギーの有無、妊娠の有無、追加病歴、車椅子や担架などの特別な介護の必要性、臨床診断名、守秘事項などの各種患者情報が格納される構成であっても良い。また、撮影情報として撮影部位、撮影装置、撮影枚数及び撮影サイズの他、例えば、撮影方法(単純撮影、造影撮影など)、撮影予定日などの各種撮影情報が格納される構成、場合によってはパスワード入力により表示可能とする構成であっても良い。
【0053】
バーコードリーダ17は、技師ID、カセッテID、撮影装置IDなどを取得するための取得手段の一例であり、光学的な読み取り装置であるスキャナを備えている。バーコードリーダ17は、スキャナにてバーコードを読み取り、所定の規格に従ってデコードすることにより、バーコードが示す情報を取得する。例えば、バーコードリーダ17は、撮影を行う際に技師のIDカードなどに付帯するバーコードを読み取り技師IDを取得し、医用画像を記録するカセッテ50に付帯されたバーコードを読み取りカセッテIDを取得する。
【0054】
また、バーコードリーダ17は、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者IDを取得し、撮影装置に付帯するバーコードを読み取り、撮影装置IDを取得する。なお、所定の規格とは、JANコード、UPCコード、CODE39、CDE93、CODE128、NW−7、INDUSTRIAL 2of5、ITF物流コードなどである。
【0055】
図4は、制御装置20A,20B,20Cの機能的構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置20A,20B,20Cは、CPU21、入力部22、表示部23、通信制御部24、RAM25、記憶装置26、通信手段としてのI/F27などを備えて構成され、各部はバス28により接続されている。ここでは、制御装置20Aについて代表して説明する。
【0056】
CPU21は、記憶装置26に記憶されているシステムプログラムや各種制御プログラムを読み出し、RAM25に展開し、RAM25に展開された制御プログラムとの協働で、制御部として各部の動作を集中制御する。また、CPU21は、RAM25に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM25に一時記憶させるとともに、表示部23に表示させる。
【0057】
具体的に、CPU21及びRAM25は、記憶装置26から撮影準備処理プログラム、撮影後処理プログラムを読み出して、後述する撮影準備処理(図6(a)参照)、撮影後処理(図12参照)を実行する。
【0058】
入力部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含み、このキーボードで押下されたキーに対応する押下信号をCPU21に出力する。なお、入力部22は、必要に応じてマウス、タッチパネルなどのポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えることとしてもよい。
【0059】
表示部23は、LCDやCRT(Cathode Ray Tube)、ELディスプレイなどにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、入力部22からの入力指示やデータなどを表示する。
【0060】
通信制御部24は、LANカードやルータやTA(Terminal Adapter)などによって構成され、専用線、或いはISDN回線などの通信回線を介してネットワークNに接続された各装置との間の通信を制御する。
【0061】
RAM25は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶装置26から読み出されたCPU21で実行可能なシステムプログラム、制御プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータなどの一時的に記憶する記憶領域を形成する。
【0062】
記憶装置26は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリなどにより構成され、CPU11で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種処理プログラム、及び処理結果などを記憶する。また、プログラムやデータが予め記憶された記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記憶装置26に固定的、或いは着脱自在に装着するものである。これらの各種プログラムは、CPU21の読取可能なプログラムコードの形態で格納される。
【0063】
また、制御装置20Aの記憶装置26は、情報管理装置60から受信した撮影オーダ情報を記憶するための撮影オーダ情報ファイル(図示せず)と、医用画像の撮影履歴を管理するための撮影履歴管理ファイル261Aとを格納している。なお、撮影オーダ情報ファイルは、上述した撮影オーダ情報ファイル161A(図3参照)と略同一の構成によってなるため、図示及び詳細な説明を省略する。図5を参照して、撮影履歴管理ファイル261Aについて説明する。なお、制御装置20Aには、撮影履歴管理ファイル261Aが対応し、制御装置20Bには、撮影履歴管理ファイル261Bが対応し、制御装置20Cには、撮影履歴管理ファイル261Cが対応する。
【0064】
図5は、撮影履歴管理ファイル261Aのデータ構成例を示す図である。図5に示すように、撮影履歴管理ファイル261Aには、撮影ID、撮影日時、技師ID、カセッテID、撮影装置ID、読み取り装置ID、エラーフラグを格納する項目が設けられている。
【0065】
撮影IDの項目には、上述した撮影オーダ情報ファイル161Aに記憶されている撮影オーダ情報を一義的に特定する識別コード(例えば、20020101001,…)が格納され、撮影IDにより、上述した撮影オーダ情報と対応付けが行われる。撮影日時の項目には、医用画像が撮影された日時を示す情報(例えば、2003/3/3,…)が格納される。
【0066】
技師IDの項目には、医用画像を撮影した技師を一義的に特定する識別情報(例えば、sato1234,…)が格納され、カセッテIDの項目には、医用画像が格納されていたカセッテ50を一義的に特定する識別情報(例えば、04000108022016,…)が格納される。撮影装置IDの項目には、医用画像を撮影した撮影装置、又はポータブル撮影装置40を一義的に特定する識別情報(例えば、A101010,…)が格納される。
【0067】
読取装置IDの項目には、医用画像をカセッテ50から読み取った医用画像読取装置30A,30B,30Cを一義的に特定する識別情報(例えば、E1100101,…)が格納される。読取装置IDは、制御装置の所属するフロアに対する医用画像読取装置の識別情報が格納されることとなる。エラーフラグの項目には、医用画像におけるエラーの発生の有無を示すチェックフラグが入力される。
【0068】
なお、上述した撮影ID、撮影日時、技師ID、カセッテID及び撮影装置IDは、後述する撮影後処理において、携帯端末10Aから送信される情報であり、読取装置IDは、医用画像読取装置30Aから送信される情報である。また、エラーフラグのチェックの有無は、技師や場合によっては読影者により入力される情報である。なお、撮影履歴管理ファイル261Aに記憶される情報は、上述した例に限定されず、その他必要に応じて種々の情報を記憶可能である。
【0069】
I/F27は、制御装置20Aと通信端末10−1Aとを接続するためのインターフェースであり、携帯端末10Aが通信端末10−1Aに装着されたことを検出すると、検出信号をCPU21に出力する。また、I/F27は、通信端末10−1Aを介して、制御装置20Aと携帯端末10Aとの間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、I/F27は、撮影開始前の携帯端末10Aに撮影オーダ情報を送信するとともに、撮影終了後の携帯端末10Aから撮影オーダ情報に対応付けられた技師ID、カセッテID、撮影装置IDを受信する。
【0070】
続いて、医用画像読取装置30A,30B,30Cについて説明する。なお、医用画像読取装置30A,30B,30Cの機能的構成は、上述した制御装置20と略同様の構成によってなるため、同一部分には対応する名称を付し、図示及び詳細な説明は省略する。すなわち、医用画像読取装置30Aは、CPU31、入力部32、表示部33、通信制御部34、RAM35、記憶装置36、画像読取部37、バーコードリーダ38などを備えて構成され、各部はバス39により接続されている。ここでは、医用画像読取装置30Aを代表して説明する。
【0071】
画像読取部37は、カセッテ50の輝尽性蛍光体層に励起光を照射して、蓄積された放射線エネルギーに相当する蛍光を発光させ、当該発光させた蛍光を光電変換して、放射線画像データを取得する。
【0072】
バーコードリーダ38は、カセッテIDを取得する取得手段の一例であり、光学的な読み取り装置であるスキャナを備えている。バーコードリーダ38は、画像読取部37に装着されたカセッテ50の表面に付されたバーコードを読み取り、カセッテIDを取得する。
【0073】
CPU31は、画像読取部37により読み取られた医用画像と、バーコードリーダ38により読み取られたカセッテIDと、医用画像の読み取りを行った医用画像撮影装置、すなわち自装置を一義的に特定する読取装置IDとを取得し、通信制御部34を制御して、医用画像にカセッテID及び読取装置IDを対応付けて制御装置20Aに送信する。ここで、医用画像に対応付けられるカセッテID及び読取装置IDは、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications Medicine)規格に基づいて伝送されることが望ましい。
【0074】
次に、本実施の形態の動作を説明する。ここでも、フロアAに関する動作を代表して説明する。
なお、後述するフローチャートに記述されている各機能を実現するためのプログラムはコンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で携帯端末10Aの記憶装置16、制御装置20Aの記憶装置26又は医用画像読取装置30Aの記憶装置36に格納されており、携帯端末10AのCPU11、制御装置20のCPU21又は医用画像読取装置30AのCPU31は、RAM15、RAM25又はRAM35に展開された各プログラムとの協働により、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0075】
まず、撮影を行う準備処理として、撮影室において制御装置20Aから携帯端末10Aに撮影オーダ情報を取得させる撮影準備処理を説明する。撮影準備処理は、技師などによる撮影準備処理実行指示の制御装置20Aの入力部22への入力などをトリガとして、CPU21により記憶部26から読み出された撮影準備処理プログラムがRAM25に展開されて実行される。
【0076】
また、予めフロアAを含むフロア群に対応する撮影オーダ情報が情報管理装置60からネットワークNを介して制御装置20Aに送信されて、記憶部26に記憶されているものとする。あるいは、制御装置20AにおいてフロアAを含むフロア群に対応する撮影オーダ情報が設定入力されて記憶部26に記憶されているものとする。また、その撮影オーダ情報が表示部23に表示されているとしてもよい。
【0077】
図6(a)は、制御装置20AのCPU21により実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。図6(a)に示すように、技師により入力部22を介して撮影オーダ情報の送信指示が入力されると(ステップS1)、I/F27の制御により、携帯端末10Aが通信端末10−1Aに装着されているか否かが判別される(ステップS2)。ここで、通信端末10−1Aに携帯端末10Aが装着されていない場合(ステップS2;NO)、表示部23にエラー表示がなされ(ステップS6)、撮影準備処理が終了される。
【0078】
一方、通信端末10−1Aに携帯端末10Aが装着されている場合(ステップS2;YES)、記憶装置26から撮影オーダ情報が取得され、フロアAに対応する撮影オーダ情報が選択される(ステップS3)。そして、カセッテにおける撮影オーダ情報(撮影枚数及び撮影サイズ)から撮影に必要なカセッテサイズとそのカセッテ枚数とが演算される(ステップS4)。そして、フロアAに対応してカセッテサイズ及びカセッテ枚数を付加情報として付加された撮影オーダ情報が通信端末10−1Aを介して、携帯端末10Aに送信され、その撮影オーダ情報が表示部23に表示され、送信済み撮影オーダ情報の送信フラグがONに設定され(ステップS5)、撮影準備処理が終了される。
【0079】
図6(b)は、携帯端末10Aで実行される撮影前処理を示すフローチャートである。撮影前処理は、技師などによる携帯端末10Aの通信端末10−1Aへの装着開始をトリガとして、CPU11により記憶部16から読み出された撮影前処理プログラムがRAM15に展開されて実行される。図6(b)に示すように、携帯端末10Aは、撮影オーダ情報を取得するため、通信端末10−1Aに装着完了される(ステップS11)。
【0080】
次いで、I/F14の制御により、制御装置20Aから送信されるフロアAに対応する撮影オーダ情報が受信される(ステップS12)。そして、受信された撮影オーダ情報が記憶装置16の撮影オーダ情報ファイル161Aに記憶され、その撮影オーダ情報が表示部13に表示され(ステップS13)、撮影前処理が終了される。
【0081】
撮影オーダ情報には、カセッテサイズとそのカセッテ枚数とが付加情報として付加されている。このため、患者を撮影する技師は、携帯端末10Aに表示された撮影オーダ情報に付加されたカセッテサイズとそのカセッテ枚数とを参照して、無駄な作業をすることなく撮影に必要なカセッテ50を容易でかつ確実に準備できる。
【0082】
上述した撮影準備処理において、制御装置20Aの表示部23に表示される表示画面について図7〜図9を参照して説明する。
【0083】
図7は、所望の処理を選択するためのメニュー画面231を示す図である。図7に示すように、メニュー画面231には、システムメニューとして、「システムの状態」、「技師選択」、「検査履歴」、「ユーティリティ」、「画面形式」、「運用形態」の各メニューを指示する指示釦が設けられている。また、「画面形式」、「運用形態」の指示釦には、入力項目が設けられ、例えば、「運用形態」の入力項目に「ポータブル」を入力して、当該釦を指示すると、ポータブル撮影装置40にて撮影を行う場合のポータブルモード画面が表示される。なお、この「運用形態」の入力項目に「通常」を入力すると、通常の撮影室で撮影を行う場合の通常モード画面が表示される。
【0084】
図8は、ポータブルモードにおいて、撮影オーダ情報が一覧表示されるポータブルリスト画面232を示す図である。図8に示すように、ポータブルリスト画面232には、撮影オーダ情報を表示する領域と、各種指示を入力する指示釦を表示する領域とが設けられている。撮影オーダ情報を表示する領域には、撮影オーダ情報の一部として、患者ID、タブ種別、氏名、性別、生年月日、撮影部位、撮影数(撮影枚数)、保留を表示する項目が設けられ、各項目には、それぞれ対応するデータが表示されている。撮影サイズは図示を省略されている。
【0085】
また、ポータブルリスト画面232の右端及び下端において、各種指示を入力する指示釦を表示する領域には、選択キーの他、「送信」、「受信」、「新規/検索」、「修正」、「削除」、…、「確認画面」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部22を介して操作されることにより、対応する指示が入力される。例えば、ポータブルリスト画面232に表示されている撮影オーダ情報が選択キーにより選択され、「送信」指示釦が操作されると、選択された撮影オーダ情報が携帯端末10Aに送信される。ここで、撮影オーダ情報が携帯端末10Aに送信されると、当該撮影オーダ情報の送信終了フラグがONに設定され、「タブ種別」の項目には、送信済みのチェックフラグ「→」が表示される。また、「新規/検索」指示釦が操作されると、撮影オーダ情報を新規に登録するための入力画面233,234が表示される。
【0086】
図9は、上述したポータブルリスト画面232において、「新規/検索」指示釦が操作された場合に表示される入力画面233,234を示す図である。図9(a)は、撮影オーダ情報のうち、患者情報を新規に入力するための入力画面233を示す図である。図9(a)に示すように、入力画面232には、患者情報を入力する領域と、文字入力を行うための文字キーを表示する領域とが設けられている。
【0087】
入力画面233の上段に表示される患者情報を入力する領域には、患者ID、患者氏名(ローマ字、カナ、漢字)、性別、生年月日、コメントを入力する項目が設けられており、入力部22の操作に応じて入力されたデータが対応する項目に表示される構成となっている。また、入力画面233の下段に表示される文字キーを表示する領域においては、当該表示された文字キーに対応するキー入力が入力部22の備えるマウスやタッチパネルを介して行われる。なお、キー入力は、入力部22の備えるキーボードを介して行うことも可能である。
【0088】
図9(b)は、撮影オーダ情報のうち、撮影情報を新規に入力するための入力画面234を示す図である。図9(b)に示すように、撮影情報入力画面234には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域と、撮影部位における撮影方向を指示する指示釦を表示する領域と、入力された撮影部位及び撮影方向を表示する領域とが設けられている。
【0089】
入力画面234の左側上段に表示される撮影部位の指示釦を表示する領域には、例えば、「頭部」、「頚部」、…、「TEST」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部22を介して指示されることにより、対応する撮影部位が選択される。また、入力画面234の左側中段に表示される撮影方向の指示釦を表示する領域には網掛け表示が行われ、ポータブルモードでは、選択不可能な構成となっている。すなわち、当該領域に表示される撮影部位は、例えば、ポータブル撮影装置40により、撮影不可能な撮影部位であることを示している。なお、選択不可能な表示方法として、網掛け表示の他に、非表示又は非アクティブ表示とすることも可能である。また、選択不可能な指示釦が指示された場合に、音声や画像により警告を出力する構成であってもよい。
【0090】
また、入力画面234の左側下段に表示される撮影方向の指示釦を表示する領域には、例えば、「胸部 他」の撮影部位における撮影方向として、「斜位」、…、「じん肺」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部22を介して指示されることにより、対応する撮影方向が選択される。さらに、入力画面233の右側に表示される撮影部位及び撮影方向を表示する領域には、上述した指示釦が指示されることにより選択された撮影部位及び撮影方向が、例えば、「胸部 他 斜位」として表示される。
【0091】
次に、撮影の開始前に撮影を行う病室において、携帯端末10Aにより患者IDと撮影オーダ情報との対応付けを行い、撮影オーダ情報と技師ID、カセッテID及び撮影装置IDを対応付けて記録する撮影開始処理について説明する。
【0092】
図10は、携帯端末10Aにより実行される撮影開始処理を示すフローチャートである。撮影開始処理は、技師などによる撮影開始処理実行指示の携帯端末10Aの操作部12への入力などをトリガとして、CPU11により記憶部16から読み出された撮影開始処理プログラムがRAM15に展開されて実行される。バーコードリーダ17の制御により、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードが読み取られ、患者IDが取得される(ステップS21)。次いで、読み取った患者IDに対応する撮影オーダ情報が記憶装置16から取得される(ステップS22)。
【0093】
続いて、取得した撮影オーダ情報が表示部13に表示されるとともに(ステップS23)、バーコードリーダ17の制御により、撮影を行う技師、カセッテ50、ポータブル撮影装置40にそれぞれ付帯されたバーコードが読み取られ、技師ID、カセッテID、撮影装置IDが取得される(ステップS24)。そして、ステップS24において取得されたカセッテIDが登録済であるか否かが判別される(ステップS25)。技師が同一フロアの複数の患者を撮影する場合に準備するカセッテも複数となり、そのカセッテの二重登録を検出するためである。具体的には、取得されたカセッテIDが、記憶装置16に既に記憶(登録)されているか否かにより判別される。
【0094】
取得されたカセッテIDが登録済である場合(ステップS25;YES)、そのカセッテIDが登録済である旨が表示部13に表示され(ステップS26)、ステップS24に移行される。取得されたカセッテIDが登録済でない場合(ステップS25;NO)、取得されたカセッテIDが未登録であるので、取得された技師ID、カセッテID、撮影装置IDが、撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置16に記憶され(ステップS27)、撮影開始処理が終了される。
【0095】
上述した撮影開始処理において、携帯端末10Aの表示部13に表示される表示画面について図11を参照して説明する。図11(a)は、携帯端末10に登録された患者を一覧表示する患者リスト画面131を示す図である。図11(a)に示すように、患者リスト画面131には、患者情報を示す領域が設けられ、この領域には、患者ID、患者の氏名、病棟を表示する項目が設けられている。具体的に、患者IDの項目には、「0001」の数字データが表示され、氏名の項目には、「山田 一郎」のテキストデータが表示されている。
【0096】
図11(b)は、携帯端末10Aのバーコードリーダ17により、患者IDが取得された場合に、対応する患者の撮影オーダ情報を表示する表示画面132を示す図である。図11(b)に示すように、表示画面132には、患者情報を表示する領域と、撮影情報を表示する領域とが設けられている。患者情報を表示する領域には、患者氏名、患者ID、性別、年齢、病棟、病室を表示する項目が設けられ、各項目には、対応するデータが表示されている。病棟及び病室は、携帯端末10Aの場合にフロアAに対応する。
【0097】
また、撮影情報を表示する領域には、撮影部位、カセッテID、技師ID、撮影装置ID、撮影枚数及び撮影サイズを表示する項目が設けられており、カセッテID、技師ID、撮影装置IDの項目には、携帯端末10Aのバーコードリーダ17により取得されたデータが、読み取りと同時に表示される構成となっている。具体的に、撮影部位及び撮影サイズの項目には、「胸部 他 斜位 大四切」のテキストデータが表示され、カセッテIDの項目には、「04000108022016」の数字データが表示されている。また、技師IDの項目には、「suzuki777」のテキストデータ及び数字データが表示され、撮影装置IDの項目には、「A101010」のテキストデータ及び数字データが表示されている。
【0098】
そして、技師は、携帯端末10Aに表示された撮影オーダ情報を参照して、ポータブル撮影装置40と、撮影開始処理において登録されたカセッテ50とを用いて、撮影オーダ情報に対応するフロアAの患者を撮影する。
【0099】
続いて、撮影終了後、制御装置20Aにおいて、携帯端末10Aから撮影済みの撮影オーダ情報に対応付けられた技師ID、カセッテID及び撮影装置IDを取得するとともに、医用画像読取装置30Aから読み取られた医用画像、カセッテID及び読取装置IDを取得する撮影後処理について説明する。携帯端末10Aは、撮影済みの撮影オーダ情報に対応付けられた技師ID、カセッテID及び撮影装置IDを制御装置20Aに送信する。医用画像読取装置30Aは、撮影済みのカセッテ50から医用画像、カセッテID及び読取装置IDを読み取って制御装置20Aに送信する。
【0100】
図12は、制御装置20Aにより実行される撮影後処理を示すフローチャートである。図12に示すように、撮影後処理は、技師などによる撮影後処理実行指示の制御装置20Aの入力部22への入力などをトリガとして、CPU21により記憶部26から読み出された撮影後処理プログラムがRAM25に展開されて実行される。通信端末10−1Aを介して、携帯端末10Aから撮影済みの撮影オーダ情報に対応付けられた技師ID、カセッテID、撮影装置IDが受信されると(ステップS31;YES)、撮影オーダ情報に対応付けて技師ID、カセッテID、撮影装置IDが撮影履歴管理ファイル261Aに記憶される(ステップS32)。そして、技師ID、カセッテID、撮影装置IDを受信した撮影オーダ情報について、受信終了フラグがONに設定される(ステップS33)。
【0101】
次いで、医用画像読取装置30Aから医用画像、カセッテID、読取装置IDが受信されると(ステップS34;YES)、カセッテIDに基づいて、受信した読取装置IDが撮影オーダ情報に対応付けて撮影履歴管理ファイル261Aに記憶される(ステップS35)。また、医用画像に対応付けられたカセッテIDと、撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDとに基づいて、医用画像と撮影オーダ情報とが対応付けられて記憶装置26に記憶される(ステップS36)。
【0102】
さらに、医用画像に対応する技師ID、カセッテID、撮影装置ID、読取装置IDが、付帯情報として当該医用画像に付加される(ステップS37)。ここで、医用画像に付加される付帯情報は、DICOM規格に従って付加されることが望ましい。そして、受信した医用画像が表示部23に表示され(ステップS38)、撮影後処理が終了される。
【0103】
図13を参照して、制御装置20Aの表示部23に表示される医用画像について説明をする。図13は、携帯端末10Aを利用して撮影を行った場合に、表示部23に表示されるポータブル処理画面235を示す図である。図13に示すように、ポータブル処理画面235には、同一の携帯端末10Aに登録された複数の患者の医用画像が同一画面に表示される構成となっている。
【0104】
すなわち、ポータブル処理画面235には、技師情報を表示する領域と、患者毎に患者情報、医用画像、撮影情報を表示する領域とが設けられ、同一画面には、4種類の医用画像が表示可能な構成となっている。具体的に、ポータブル処理画面235の左上端の技師情報を表示する領域には、技師の氏名として「スズキタロウ」のテキストデータを表示する項目と、技師IDとして「suzuki777」のテキストデータ及び数字データを表示する項目とが設けられている。また、患者毎に表示される医用画像として、左端に表示されている医用画像について説明すると、患者情報を表示する領域には、患者IDとして「0001」の数字データを表示する項目と、氏名として「山田 一郎(ヤマダ イチロウ)」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。
【0105】
その下部には、医用画像を表示する領域が設けられ、医用画像と、読取装置IDとして「F1210012」の数字データを表示する項目と、解像度として「通常」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。さらに、その下部には、撮影情報を表示する領域が設けられ、撮影部位及び撮影サイズとして「胸部 他 斜位 大四切」のテキストデータを表示する項目と、カセッテIDとして「01000108022016」の数字データを表示する項目と、撮影装置IDとして「A101010」のテキストデータ及び数字データを表示する項目とが設けられている。
【0106】
また、撮影情報を表示する領域の下部には、「NG」又は「OK」を入力する指示釦が設けられ、表示された医用画像の異常の有無を入力する。すなわち、医用画像に異常が発生していた場合に、入力部22を介して「NG」指示釦が指示されると、対応する医用画像の撮影履歴管理ファイル261AのエラーフラグがONに設定される。
【0107】
なお、制御制御20Aは、異常の有無が記憶された撮影履歴管理ファイル261Aに基づいて、エラーフラグがONに設定されている医用画像について、技師ID、カセッテID、撮影装置ID、読取装置IDなどの識別情報を一覧表示させることができる。この際、例えば、各識別情報毎に異常が発生した医用画像をソートして表示させることが可能である。これにより、異常が頻繁に生じる技師、カセッテ、撮影装置、読取装置を統計的に抽出して、異常の原因を的確に特定し、速やかに原因の解消を図ることができる。
【0108】
以上のように、本実施の形態の医用画像撮影システム100によれば、撮影準備として、撮影を行うためのフロアAに対応する撮影オーダ情報を抽出し、そのカセッテサイズ及びカセッテ枚数を演算して、カセッテサイズ及びカセッテ枚数を含みフロアAに対応する撮影オーダ情報を制御装置20Aから携帯端末10Aに送信して記憶させる。そして、そのカセッテサイズ及びカセッテ枚数を含みフロアAに対応する撮影オーダ情報を携帯端末10Aが受信して表示する。
【0109】
また、撮影開始時に撮影を行う患者の患者ID、撮影を行う技師の技師ID、医用画像を記録するカセッテID、医用画像を記録する撮影装置IDを読み取り、撮影オーダ情報との対応付けを行う。また、撮影終了後、携帯端末10Aから撮影オーダ情報に対応付けて技師ID、カセッテID、撮影装置IDを制御装置20Aに送信する。
【0110】
一方、医用画像読取装置30Aにおいて、医用画像を記録したカセッテ50から医用画像及びカセッテIDを読み取り、医用画像にカセッテID及び読取装置IDを対応付けて制御装置20Aに送信する。そして、制御装置20Aにおいて、撮影オーダ情報に対応付けて、技師ID、カセッテID、撮影装置ID、読取装置IDを撮影履歴管理ファイル261Aに記憶させるとともに、カセッテIDに基づいて撮影オーダ情報と医用画像とを対応付けて管理する。フロアB,C及びそのフロアに対応する機器についても同様である。
【0111】
よって、各フロアに専用の携帯端末、制御装置、通信端末及び医用画像読取装置が設けられ、各フロアごとに撮影のカセッテサイズとそのカセッテ枚数とを演算して、カセッテサイズ及びカセッテ枚数を含む撮影オーダ情報を携帯端末に表示させるので、技師がカセッテサイズ及びカセッテ枚数を参照して、無駄な作業をすることなく容易でかつ確実にカセッテを準備でき、撮影オーダ情報を参照して患者の撮影ができ、撮影作業の効率化が実現できる。また、各フロアごとに撮影オーダ情報及び撮影履歴管理ファイルが管理され、各フロアにおいて別のフロアに関する情報を管理しなくてもよいので、各制御端末及び携帯端末の管理負担を軽減できる。また、医用画像読取装置が各フロアに設置されているので、撮影したカセッテを画像情報の読み出しのために他のフロアに持ち出すことが無いので、撮影時にカセッテに付着した病原菌が他のフロアに廻されることによる院内感染の発生及び拡大を防ぐことができる。
【0112】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像撮影システム及び医用画像管理方法の一例であり、これに限定されるものではない。
【0113】
例えば、上述した医用画像撮影システム100のシステム構成は一例であり、これに限定されるものではない。図14に示す医用画像撮影システム200のように、携帯端末10A,10B,10Cと、制御装置20A,20B,20Cとの通信を制御する通信端末10−1A,10−1B,10−1Cは、制御装置20A,20B,20Cに直接接続される構成でなくてもよく、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介して複数の制御装置20A,20B,20Cとそれぞれ通信可能な構成であってもよい。
【0114】
この医用画像撮影システム200においても、制御装置20A、携帯端末10A、通信端末10−1A及び医用画像読取装置30Aは、フロアAに対応して設置される。制御装置20B、携帯端末10B,通信端末10−1B及び医用画像読取装置30Bは、フロアBに対応して設置される。制御装置20C、携帯端末10C、通信端末10−1C及び医用画像読取装置30Cは、フロアCに対応して設置される。
【0115】
また、ポータブル撮影装置40も、上下フロアへの移動時の技師などの作業負荷低減や感染抑制の観点からフロアごとに設置することが好ましい。
【0116】
また、本実施の形態において、情報管理装置60から各制御装置20A,20B,20Cは、全てのフロアに対応する撮影オーダ情報を受信する構成であるが、これに限るものではない。各制御装置20A,20B,20Cに、それぞれのフロアに対応する撮影オーダ情報のみを情報管理装置60から送信して各制御装置に記憶させる構成でもよい。この場合、制御装置20A,20B,20Cの記憶及び管理負荷が軽減される。
【0117】
また、本実施の形態において、制御装置20A,20B,20Cでカセッテサイズ及びカセッテ枚数を演算する構成であったが、情報管理装置60から制御装置20A,20B,20Cに送信される撮影オーダ情報がカセッテサイズ及びカセッテ枚数を予め含む構成などでもよい。
【0118】
また、本実施の形態は、撮影オーダ情報を制御装置20から携帯端末に送信して、技師が携帯端末の表示部13の画面上のカセッテサイズ及びカセッテ枚数を参照する構成であるが、これに限るものではない。例えば、制御装置の操作者と撮影を行う技師とが同一である場合には、演算されたカセッテサイズ及びカセッテ枚数を制御装置の表示部23に表示し、技師は表示部23の画面を参照して、必要なカセッテを準備する構成でもよい。
【0119】
また、本実施の形態では、携帯端末に撮影オーダ情報とその付加情報としてカセッテサイズ及びカセッテ枚数とを表示する構成であるが、これに限るものではない。例えば、撮影オーダ情報に撮影位置情報が含まれている場合などに、回診(撮影)ルートや、患者のベッド位置などの情報を付加情報として表示する構成でもよい。さらに、携帯端末上で、撮影オーダ情報とそのカセッテサイズ及びカセッテ枚数とを表示する第1の表示部と、回診ルートなどを表示する第2の表示部とを設けてもよい。例えば、携帯端末の表面に第1の表示部を設け、裏面に第2の表示部を設ける構成でもよい。
【0120】
また、本実施の形態においては、所定の患者群を表現するものとして、医療機関内の各フロアとしたが、これに限るものではない。例えば、各病棟、各病室、各依頼科などに対応する所定の患者群としてもよい。
【0121】
また、制御装置20A,20B,20Cから携帯端末10A,10B,10Cに送信される撮影オーダ情報には、撮影済みの撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDの送信先(例えば、ネットワーク上のコンピュータを識別するためのIPアドレスなど)を含む構成でもよい。
【0122】
また、技師ID、カセッテID、撮影装置IDなどは、携帯端末10A,10B,10Cのバーコードリーダ17により取得する構成としたがこれに限らず、技師のIDカード、カセッテ50、ポータブル撮影装置40に、各識別情報を記録したICチップを備え、ICチップに記録された識別情報を携帯端末10A,10B,10Cにより取得する構成であってもよい。この場合、携帯端末10A,10B,10Cには、ICリーダ(図示せず)を備える構成とする。
【0123】
また、撮影履歴管理ファイル261A,261B,261Cに記憶される情報は、上述した例に限定されず、種々の情報を記憶可能である。例えば、撮影履歴管理ファイルに、撮影オーダ情報を記憶する構成であってもよく、その他撮影に関与した事象に関する情報として、携帯端末の識別番号、通信端末の識別番号、画像処理時の画像処理条件、画像処理を行った技師IDなどを撮影オーダ情報に対応付けて記憶する構成であってもよい。また、撮影オーダ情報との対応付けは、撮影ID、カセッテID、患者IDなど、種々の情報に基づいて行われる構成であってよい。また、撮影オーダ情報と医用画像との対応関係も同様に種々の情報に基づいてその対応関係が明確であればよい。
【0124】
さらに、技師ID、カセッテID、撮影装置IDの取得時期は、上述した例に限定されず、撮影オーダ情報との対応関係が明確であれば、任意の時期に取得可能である。例えば、撮影準備処理において、制御装置から携帯端末に送信される撮影オーダ情報の中に技師IDが含まれる構成であってもよく、この場合、撮影開始処理において、携帯端末は技師IDの認証のみを行う構成であってもよい。或いは、カセッテIDを撮影終了後に登録する後登録である場合、撮影開始前にカセッテIDが取得されない構成であってもよい。
【0125】
その他、本実施の形態における医用画像撮影システム100,200の各構成要素の細部構成、及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0126】
【発明の効果】
請求項1又は3に記載の発明によれば、制御装置が所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を、同じ患者群に対応する携帯端末に送信して、携帯端末がその撮影オーダ情報を受信して表示する。このため、患者の撮影者は、所定の患者群に対応して表示された撮影オーダ情報に基づいて患者を撮影でき、撮影作業の効率化を実現できる。また、所定の患者群に対応する撮影オーダ情報とともに、その所定の患者群に対応する撮影で必要なカセッテサイズとカセッテ枚数とのいずれか一方又は両方を携帯端末で表示する。このため、患者の撮影者は、所定の患者群に対応して表示されたカセッテサイズとカセッテ枚数とのいずれか一方又は両方に基づいて撮影に用いるカセッテを容易でかつ確実に準備でき、撮影作業のさらなる効率化を実現できる。
【0127】
請求項2に記載の発明によれば、ポータブルモードが選択されたときには、同一の携帯端末に登録された所定の患者群に係わる医用画像を同一画面に表示させることができる。
【0128】
請求項4に記載の発明によれば、所定の患者群の撮影に使用したカセッテが、その所定の患者群に対応する医用画像読取装置で読み取られる。このため、カセッテに病原菌がついていたとしても、他の患者群に対応する区域には持ち運ばれず、その病原菌による施設内感染の発生及び拡大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態における医用画像撮影システム100のシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末10A,10B,10Cの要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶装置16に記憶される撮影オーダ情報ファイル161Aのデータ構成を示す図である。
【図4】図1に示す制御装置20A,20B,20Cの要部構成を示すブロック図である。
【図5】図4の記憶装置26に記憶される撮影履歴管理ファイル261Aのデータ構成を示す図である。
【図6】(a)制御装置20Aにより実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。
(b)携帯端末10Aにより実行される撮影前処理を示すフローチャートである。
【図7】制御装置20Aの表示部23に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図8】制御装置20Aの表示部23に表示されるポータブルリスト受信画面の一例を示す図である。
【図9】(a)制御装置20Aの表示部23に表示される患者情報を入力するための入力画面の一例を示す図である。
(b)制御装置20Aの表示部23に表示される撮影情報を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図10】携帯端末10Aにより実行される撮影開始処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)携帯端末10Aの表示部13に表示される患者リスト画面の一例を示す図である。
(b)携帯端末10Aの表示部13に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図12】制御装置20Aにより実行される撮影後処理を示すフローチャートである。
【図13】制御装置20Aの表示部23に表示されるポータブル処理画面の一例を示す図である。
【図14】本発明を適用した他の形態における医用画像撮影システム200のシステム構成を示す図である。
【符号の説明】
100,200 医用画像撮影システム
10A,10B,10C 携帯端末
20A,20B,20C 制御装置
11,21 CPU
12 操作部
13,23 表示部
14,27 I/F
15,25 RAM
16,26 記憶装置
17 バーコードリーダ
18,28 バス
22 入力部
24 通信制御部
10−1A,10−1B,10−1C 通信端末
30A,30B,30C 医用画像読取装置
40 ポータブル撮影装置
50 カセッテ
60 情報管理装置
N ネットワーク
Claims (4)
- 医用撮影に関する撮影オーダ情報と医用画像と対応付けて管理する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得する携帯端末とを備える医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置は、
ポータブル撮影装置にて撮影を行うポータブルモードと撮影室で撮影を行う通常モードを選択する入力手段と、
予め記憶装置に記憶された撮影オーダ情報から所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を抽出する抽出手段と、
前記ポータブルモードが選択されたときには、前記抽出された撮影オーダ情報に基づいて、撮影に要するカセッテサイズ及びカセッテ枚数のうちの少なくとも一方を含む付加情報を生成する生成手段と、
前記抽出された撮影オーダ情報に前記付加情報を付加した撮影オーダ情報を携帯端末に送信する送信手段とを備え、
前記携帯端末は、前記制御装置から送信された撮影オーダ情報を表示手段に表示することを特徴とする医用画像撮影システム。 - 前記制御装置は、表示部と、前記ポータブルモードが選択されたときには、同一の携帯端末に登録された前記所定の患者群に係わる医用画像を前記表示部の同一画面に表示させる制御部とを有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像撮影システム。
- 医用撮影に関する撮影オーダ情報と医用画像とを対応付けて管理する制御装置と、前記制御装置から撮影オーダ情報を取得する携帯端末とを備える医用画像撮影システムにおける医用画像管理方法において、
所定の患者群に対応付けて設けられた前記制御装置の入力手段が、ポータブル撮影装置にて撮影を行うポータブルモードと撮影室で撮影を行う通常モードを選択させる工程と、
前記制御装置の制御手段が、予め記憶装置に記憶された全ての撮影オーダ情報から前記所定の患者群に対応する撮影オーダ情報を抽出し、前記ポータブルモードが選択されたときには、前記抽出された撮影オーダ情報に基づいて、撮影に要するカセッテサイズ及びカセッテ枚数のうちの少なくとも一方を含む付加情報を生成し、前記抽出された撮影オーダ情報に前記付加情報を付加した撮影オーダ情報を前記携帯端末に送信する工程と、
前記所定の患者群に対応付けて設けられた前記携帯端末が、前記制御装置に対応する撮
影オーダ情報を前記制御装置から受信し、その受信した撮影オーダ情報を表示する工程とを含むことを特徴とする医用画像管理方法。 - 前記所定の患者群に対応付けて設けられた医用画像読取装置が、前記携帯端末に表示された撮影オーダ情報に基づいて撮影されたカセッテから、前記所定の患者群に対応する画像情報を読み取る工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の医用画像管理方法。
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