JP4254411B2 - 圧電型超音波センサ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子を用いて計測対象物までの距離を検出する圧電型超音波センサに関する。
従来から、計測対象物の位置や形状を計測するセンサとして、計測対象物からの反射超音波を受信する圧電型超音波センサが知られている。このセンサは、圧電素子を用いた超音波受信素子により、超音波の発射から反射波を受信するまでの時間によって、計測対象物までの距離を検出する。超音波は、光に比べて伝搬速度が遅いため、距離計測が容易である。また、例えば特許文献1に記載されているように、圧電素子を用いた超音波受信素子をアレイ状に配列し、各超音波受信素子の出力に対して遅延処理を行うことにより、電気的に走査を行うことにより、計測対象物までの距離だけでなく、その形状なども検出することが可能である。
これら従来の圧電型超音波センサでは、例えばシリコン基板上に凹部を形成して、ダイアフラムを設け、さらに、ダイアフラムの片面に、圧電材料の薄膜及び圧電材料の薄膜の両面に形成された電極で構成された超音波受信素子を設けている。計測対象物からの反射波を受けると、ダイアフラムが振動し、その振動に応じて圧電材料が電圧を発生する。従って、電極間の電圧を測定することにより、測定対象物からの反射波を受信したことがわかる。
ところで、従来の圧電型超音波センサにおける電極は、ダイアフラムの振動モードに応じた最適な形状とはなっておらず、カー電気変換効率が悪いという問題を有していた。図10に従来の圧電型超音波センサにおける超音波受信素子の断面構成を示す。従来の圧電型超音波センサでは、ダイアフラム51が設けられたシリコン基板52の片面に圧電材料の薄膜53が形成され、この圧電材料の薄膜53の両面に、金属薄膜による下部電極54及び上部電極55が形成されている。
図10に示す従来の圧電型超音波センサでは、媒質中を伝播する音波の周波数によって、さまざまな振動形態を示す。例えば、単層ダイアフラムの超音波受信素子の共振周波数frは式1で与えられ、振動モードによって共振周波数は大きく異なり、振動形態も異なる。
Figure 0004254411
このとき、圧電材料による薄膜53には、その部位によって圧縮応力又は引張り応力が働き、それぞれ極性の異なる電荷が発生する。例えば、上記式1において、m=1、n=2の振動モードの場合には、図11に示すような応力が働き、図12に示すような電荷が発生する。図12に示すような電化が発生すると、同一の電極内で正負の電荷が発生するため、互いに打ち消しあい、大きな電気エネルギーを取り出すことができない。
特開2002−156451号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能な圧電型超音波センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、3以上の領域に分割され、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が、直列及び並列を含む所定のパターンに接続されていることを特徴とする
請求項2の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、マトリクス状に配置された複数の領域に分割されており、互いに対向する領域で構成される複数の超音波受信部からの信号が個別に出力されることを特徴とする
請求項3の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
一方の面に形成された電極が複数の領域に分割され、前記ダイアフラムは略正方形であり、分割された複数の領域はそれぞれ台形であることを特徴とする
請求項4の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割され、前記ダイアフラムは略正方形であり、分割された複数の領域はそれぞれ台形であることを特徴とする
請求項5の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、一方の面に形成された電極が複数の領域に分割され、分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする
請求項6の発明は、圧電型超音波センサであって、1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割され、分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2に記載の圧電型超音波センサにおいて、分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする
請求項1の発明によれば、圧電材料の薄膜の両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割されているので、圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が実質的に並列に設けられた構成となる。領域の分割数が2つの場合、これら2つの超音波受信部を電気的に直列接続すれば、請求項1と同等の効果が得られる。領域を3以上とすることにより、上記以外の様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能となる。領域の分割数を3以上とし、圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が、直列及び並列を含む所定のパターンに接続されているので、様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能となる
請求項2の発明によれば、圧電材料の薄膜の両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割されているので、圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が実質的に並列に設けられた構成となる。領域の分割数が2つの場合、これら2つの超音波受信部を電気的に直列接続すれば、請求項1と同等の効果が得られる。領域を3以上とすれば、上記以外の様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能となる。また、実質的にマトリックス状に配置された複数の超音波受信部からの信号が個別に出力されるので、振動モードがあらかじめ判っていなくても、各超音波受信部からの信号を演算処理することによって、後から振動モードに応じた信号を取り出すことができる。そのため、同一の圧電型超音波センサを、様々なモードで振動する場合に適応させることができる
請求項3の発明によれば、圧電材料の薄膜の一方の面に形成された電極が、複数の領域に分割され、他方の面に形成された電極は分割されていないので、分割された各領域にそれぞれ配線を接続することにより、他方の面に形成された電極をコモン電極として、それぞれの領域から信号を取り出すことができる。そして、後から信号処理を行うことにより、逆極性の電荷による打ち消し合いを防止して、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる。また、圧電材料の薄膜の一方の面に形成された電極が、2つの領域に分割されているときは、分割された各領域に配線を接続することにより、実質的に2つの超音波受信部が並列に設けられ、かつ、電気的に直列接続された構成となる。そのため、例えば、図11に示すような応力が働き、図12に示すような電荷が発生した場合でも、従来同一電極内で互いに打ち消し合っていた逆極性の電荷を、極性を逆にして電荷量を増やすように取り出すことができ、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる。また、ダイアフラムを略正方形とし、分割された複数の領域をそれぞれ台形としているので、例えば、図11に示すような応力が働き、図12に示すような電荷が発生した場合に、実際の振動形態に適した形状とすることができ、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる
請求項4の発明によれば、圧電材料の薄膜の両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割されているので、圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が実質的に並列に設けられた構成となる。領域の分割数が2つの場合、これら2つの超音波受信部を電気的に直列接続すれば、請求項1と同等の効果が得られる。領域を3以上とすれば、上記以外の様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能となる。また、ダイアフラムを略正方形とし、分割された複数の領域をそれぞれ台形としているので、例えば、図11に示すような応力が働き、図12に示すような電荷が発生した場合に、実際の振動形態に適した形状とすることができ、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる
請求項5の発明によれば、圧電材料の薄膜の一方の面に形成された電極が、複数の領域に分割され、他方の面に形成された電極は分割されていないので、分割された各領域にそれぞれ配線を接続することにより、他方の面に形成された電極をコモン電極として、それぞれの領域から信号を取り出すことができる。そして、後から信号処理を行うことにより、逆極性の電荷による打ち消し合いを防止して、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる。また、圧電材料の薄膜の一方の面に形成された電極が、2つの領域に分割されているときは、分割された各領域に配線を接続することにより、実質的に2つの超音波受信部が並列に設けられ、かつ、電気的に直列接続された構成となる。そのため、例えば、図11に示すような応力が働き、図12に示すような電荷が発生した場合でも、従来同一電極内で互いに打ち消し合っていた逆極性の電荷を、極性を逆にして電荷量を増やすように取り出すことができ、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる。また、分割された複数の領域を1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けているので、圧電材料の薄膜のうち最もひずみ量の大きい部分に超音波受信部を配置することができ、最も電位差の大きい信号が得られる。特に、マトリックス状に配置された複数の超音波受信部からの信号の中から、最も電位差の大きい組み合わせを選択することにより、振動モードが不明な場合においても、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる
請求項6の発明によれば、圧電材料の薄膜の両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割されているので、圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が実質的に並列に設けられた構成となる。領域の分割数が2つの場合、これら2つの超音波受信部を電気的に直列接続すれば、請求項1と同等の効果が得られる。領域を3以上とすれば、上記以外の様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことが可能となる。また、分割された複数の領域を1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けているので、圧電材料の薄膜のうち最もひずみ量の大きい部分に超音波受信部を配置することができ、最も電位差の大きい信号が得られる。特に、マトリックス状に配置された複数の超音波受信部からの信号の中から、最も電位差の大きい組み合わせを選択することにより、振動モードが不明な場合においても、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる
請求項7の発明によれば、請求項1又は2の発明において、さらに、分割された複数の領域を1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けているので、圧電材料の薄膜のうち最もひずみ量の大きい部分に超音波受信部を配置することができ、最も電位差の大きい信号が得られる。特に、マトリックス状に配置された複数の超音波受信部からの信号の中から、最も電位差の大きい組み合わせを選択することにより、振動モードが不明な場合においても、圧電材料の薄膜のうちダイアフラムに対応する部分から効率良く電気エネルギーを取り出すことができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサの構成を図1に示す。第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサ1は、例えば4×4の計16個の超音波受信素子2がマトリックス状に配列されたアレイ型の超音波センサである。
次に、1つの超音波受信素子2の構成を図2に示す。図2に示すように、シリコン基板3の片面側から、上記マトリックス状配列に対応して、略矩形(正方形)断面を有する凹部4が形成され、凹部4の底に肉厚の薄いダイアフラム5が形成されている。シリコン基板3の平坦面側には、ダイアフラム5に対応して、金属薄膜による略矩形(正方形)の下部電極6が形成され、さらに、下部電極6の上から圧電材料の薄膜7が形成されている。さらに、圧電材料の薄膜7を介して下部電極6に対向するように、略矩形(長方形)の2つの領域8A及び8Bに分割された上部電極8が形成されている。そして、2つに分割された上部電極8の各領域8A及び8Bに配線を接続し、これらの間から信号を取り出す。
このような構成により、圧電材料の薄膜7と、この両面に設けられた下部電極6及び上部電極8の領域8Aとで1つの微小な超音波受信部を構成し、さらに、圧電材料の薄膜7と、この両面に設けられた下部電極6及び上部電極8の領域8Bとで他の1つの微小な超音波受信部を構成する。そして、下部電極6が共通であるため、これら2つの微小な超音波受信部は、極性を逆にして直列接続されていることになる。
例えば、上記式1における、m=1、n=2の振動モードの場合における、超音波受信素子2の状態を図3に示す。図12に示す従来例と比較して、従来の構成によれば同一電極内で互いに打ち消し合っていた逆極性の電荷を、極性を逆にして、電荷量を増やすように取り出すことができる。その結果、圧電材料の薄膜7のうちダイアフラム5に対応する部分で発生した電気エネルギーを効率良く取り出すことができる。
次に、第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサ1の変形例について説明する。正方形のダイアフラム5が、上記式1における、m=1、n=2の振動モード、又は、m=2、n=1の振動モードで振動する場合、図4に示すような振動形態となる。なお、図4において、(a)はダイアフラム5を正面から見た時の等高線図であり、(b)はA−A断面図である。図4から分かるように、振動の腹となる部分は、上部電極8の各領域8A及び8Bの中心からずれており、略台形状に変形している。そこで、図5に示すように、上部電極8の各領域8A及び8Bの形状を台形状とすることにより、矩形の場合に比べて圧電材料の薄膜7で生じる電気エネルギーを効率良く取り出すことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る圧電型超音波センサの側部断面構成を示す。第2の実施の形態では、圧電材料の薄膜7のうち1つのダイアフラム5に対応する部分の両面にそれぞれ形成された下部電極6及び上部電極8が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域6A、6B、・・・及び8A、8B、・・・に分割されている。領域の分割数は、2つには限定されず、3以上であってもよい。特に、ダイアフラム5の様々な振動モードに対応するには、分割数を偶数にしてマトリックス状に配置することが好ましい。
第2の実施の形態によれば、圧電材料の薄膜7と、この両面に設けられた下部電極6の各領域6A、6B・・・及び上部電極8の各領域8A、8B・・・で構成された複数の微小な超音波受信部が並列に配列されることになる。例えば、領域の分割数が2の場合は、図7に示すように、これら2つの微小な超音波受信部を電気的に直列接続することにより、上記第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。また、3以上の領域に分割されている場合は、各微小な超音波受信部のうち圧縮応力が働くもの同士を並列に接続し、また引っ張り応力が働くもの同士を並列に接続し、並列接続された圧縮応力が働く一群と、並列接続された引っ張り応力が働く一群とを直列接続する。このように、領域の分割数を3以上とし、複数の微小な超音波受信部を、直列及び並列を含む所定のパターンに接続することにより、ダイアフラム5の様々な振動モードに応じて、圧電材料の薄膜に発生する電気エネルギーを効率良く取り出すことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8は、第3の実施の形態に係る圧電型超音波センサの1つの超音波検出素子2における上部電極の領域の分割パターンを示す平面図である。図8に示すように、第3の実施の形態では、1つの超音波受信素子2の上部電極8を、4×4の計16個のマトリックス状に配列された領域8A、8B、・・・に分割している。各領域8A、8B、・・・は、それぞれ金属薄膜による配線9A、9B、・・・を介して、シリコン基板3上のダイアフラム5以外の部分に形成された端子10A、10B、・・・に接続されている。また、下部電極6は、第1の実施の形態の場合と同様に単一であり、複数の領域には分割されておらず、コモン電極として機能する。そして、下部電極6と上部電極8の各領域8A、8B、・・・との間から信号を取り出す。この構成によっても、圧電材料の薄膜7と、この両面に設けられた単一の下部電極6及び上部電極8の各領域8A、8B・・・で構成された複数の微小な超音波受信部が並列に配列されることになる。
複数の微小な超音波受信部の中には、圧縮応力が働いているものと引っ張り応力が働いているものが混在しているので、取り出された各信号中にも極性が逆の信号が含まれる。そこで、取り出されたか各信号は、そのまま図示しない信号処理部に入力され、所定の信号処理を経て出力される。第3の実施の形態によれば、ダイアフラム5の振動モードがあらかじめ判っていなくても、各超音波受信部から取り出した信号を後から処理することにより、振動モードに対応した信号に加工して出力することができる。その結果、同一の圧電型超音波センサを様々なモードで振動する場合に適応させることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図9は、第4の実施の形態に係る圧電型超音波センサの1つの超音波検出素子2における上部電極の領域の分割パターンを示す平面図である。図4(a)と図9を参照して分かるように、第4の実施の形態では、上部電極8の分割された2つの領域8X及び8Yを、1つのダイアフラム5の振動の腹となる部分にピンポイント状に設けている。下部電極6は、例えば第1及び第3の実施の形態の場合と同様に、複数の領域に分割せずに単一としてもよいし、第2の実施の形態の場合と同様に、上部電極8の各領域8X及び8Yに対向するように、2つの領域に分割してもよい。
第4の実施の形態によれば、1つのダイアフラム5に対応する圧電材料の薄膜7のうち最もひずみ量の大きい部分に、上部電極8の分割された領域8X及び8Yを配置しているので、実質的に、圧電材料の薄膜7と、この両面に設けられた下部電極6及び上部電極8の各領域8X及び8Yで構成された2つの微小な超音波受信部を配置することができ、最も電位差の大きい信号を得ることができる。この信号を増幅することにより、ダイアフラム5における振動を効率良く検出することができる。なお、上部電極8の各領域8X及び8Yの大きさ及び形状としては、例えば直径約50μm程度の円形又は1辺が約50μmの正方形、その他任意の形状とすることができる。
また、上記第3の実施の形態における上部電極8の各領域8A、8B、・・・の大きさを、第4の実施の形態における領域8X及び8Yと同様に、ピンスポット状に小さくすることにより、ダイアフラム5の振動モードがあらかじめ判っていなくても、各超音波受信部から取り出した信号の中から最も電位差の大きい信号を抽出することにより、振動モードに対応することができ、同一の圧電型超音波センサを様々なモードで振動する場合に適応させることができる。
なお、上記、各実施の形態では、超音波受信素子2がマトリックス状に配列されたアレイ型の超音波センサを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波受信素子を1つしか有していない圧電型超音波センサにも適用できることは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサの構成を示す正面図 第1の実施の形態における圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子の構成を示す側部断面図 第1の実施の形態における圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子の振動状態の一例を示す側部断面図 第1の実施の形態に係る圧電型超音波センサの振動形態を示す図であり、(a)はダイアフラムを正面から見た時の等高線図、(b)はそのA−A断面図 第1の実施の形態の変形例における上部電極の分割された各領域の形状を示す正面図 本発明の第2の実施の形態に係る圧電型超音波センサの構成を示す側部断面図 第2の実施の形態における圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子における電極の分割された各領域の接続例を示す断面図 本発明の第3の実施の形態に係る圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子における上部電極の領域分割例を示す平面図 本発明の第4の実施の形態に係る圧電型超音波センサの1つの超音波受信素子における上部電極の領域分割例を示す平面図 従来の圧電型超音波センサの構成を示す断面図 従来の圧電型超音波センサが振動モードにあるときの応力状態を示す断面図 従来の圧電型超音波センサが振動モードにあるときの電荷発生状態を示す断面図
符号の説明
1 圧電型超音波センサ
2 超音波受信素子
3 シリコン基板
4 凹部
5 ダイアフラム
6 下部電極
6A、6B 下部電極の分割された領域
7 圧電材料の薄膜
8 上部電極
8A、8B、8X、8Y 上部電極の分割された領域

Claims (7)

  1. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、3以上の領域に分割され、前記圧電材料の薄膜及び互いに対向する2つの電極の領域で構成される複数の超音波受信部が、直列及び並列を含む所定のパターンに接続されていることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  2. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、マトリクス状に配置された複数の領域に分割されており、互いに対向する領域で構成される複数の超音波受信部からの信号が個別に出力されることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  3. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    一方の面に形成された電極が複数の領域に分割され、前記ダイアフラムは略正方形であり、分割された複数の領域はそれぞれ台形であることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  4. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割され、前記ダイアフラムは略正方形であり、分割された複数の領域はそれぞれ台形であることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  5. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    一方の面に形成された電極が複数の領域に分割され、分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  6. 1又は複数のダイアフラムが形成された基板と、前記基板の一面に形成された圧電材料の薄膜と、前記圧電材料の薄膜のうち1つのダイアフラムに対応する部分の両面にそれぞれ形成された金属薄膜の電極を備え、
    両面に形成された電極が、それぞれ互いに対向するように、複数の領域に分割され、分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする圧電型超音波センサ。
  7. 分割された複数の領域は、1つのダイアフラムの振動の腹となる部分にピンポイント状に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電型超音波センサ。
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