JP4253838B2 - 水田用給水及び排水システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水田の暗渠排水あるいは土中灌水施設に用いられる水田用給水及び排水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水田用給水及び排水システムとして特許文献1に示す暗渠排水用バルブが知られている。この暗渠排水用バルブは、前記排水管が両端側にそれぞれ接続される継手部を有し、この継手部の中間部から立ち管8が立ち上がっている。この立ち管は、畦畔において地上に露出している。前記継手部7には、ここに形成される水路を開閉する弁体が昇降自在に設けられており、この弁体から立ち上がる操作杆が立ち管内を通ってその上方まで突出している。また、地上に露出した立ち管の上端部には、キャップが立ち管の外周側に嵌合して取り付けられている。このキャップの中央部には、前記操作杆が貫通した筒部が形成されており、この筒部には、固定リングが螺着されている。さらに、キャップから上方へ突出した操作杆の上端部には操作取手が固定されている。
【0003】
そして、湿田、乾田化の管理のために、地上で操作取手を上下することにより弁体を開閉操作する。本暗渠排水用バルブを開いた状態では、水田下の地中水が吸水管内に吸水され、排水管および継手部を通って排水路に排水され、乾田化が図られる。一方、本暗渠排水用バルブを閉じた状態では、吸水管からの排水が遮断されるので、地中水が水田下に止まり、湿田化が図られる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−107347号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の暗渠排水用バルブでは、単に地中水を水田に埋設した吸水管で吸水することによってのみ成されており、吸水効率が悪い。特に、吸水管は、その外周に形成する小孔から、吸水管の内部に地中水を導水しており、吸水管の上面には籾殻などを被せて吸水管の周囲に疎水部を構成するなど方法も採用されている。しかし、こうした籾殻は腐ってしまい長期に渡って安定的に吸水効率を維持することができない面がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、地中水を効率的に吸水可能な水田用給水及び排水システムを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、吸水管周辺の疎水性を長期に渡って安定的に維持することが可能な水田用給水及び排水システムを提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の水田用給水及び排水システムは、排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体が、前記暗渠吸水管に対してほぼ垂立したネット又は複数の多孔質状の中空袋で構成した通水部材と、この通水部材内に充填した疎水材と、前記通水部材に挿通した導水パイプとで構成したものである。
【0008】
上記のように構成される水田用給水及び排水システムは、水田下の地中水が誘導疎水体および吸水管内に吸水され、湿田、乾田化の管理のために水閘を開いた状態では、吸水管から排水路へと排水され、乾田化が図られる。一方、水閘を閉じた状態では、暗渠吸水管からの排水が遮断されるので、立ち上がり管から給水された用水が暗渠吸水管から誘導疎水体を通過して水田に給水され、湿田化が図られる。また、水田の地中水は、通水部材を通って疎水材間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水されるとともに、疎水材に浸透した地中水の一部が導水パイプを伝って吸水管へと効率的に吸水される。
【0009】
請求項2記載の水田用給水及び排水システムは、前記疎水材として複数の粒状部材を充填もしくは複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を束ねて前記通水部材に装填して成るものである。
【0010】
上記構成により、水田下の地中水は、粒状部材、短パイプ部材等又は束ねた細長部材間に隙間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水される。
【0011】
請求項3記載の水田用給水及び排水システムは、前記導水パイプの表面及び内面に複数の導水用突起又は導水用溝部を該導水パイプの軸方向に沿って設けたものである。
【0012】
上記構成により、導水パイプの表面積が拡大し、導水パイプの集水機能が高まる。
【0013】
請求項4記載の水田用給水及び排水システムは、排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体に小木杭または突刺部を連結し、前記暗渠吸水管上に前記誘導疎水体を立設する際、前記小木杭または突刺部材を水田の掘削部周辺に突き刺して前記誘導疎水体を起立状態で保持するように構成したものである。
【0014】
上記構成により、水田下の地中水が誘導疎水体および吸水管内に吸水され、湿田、乾田化の管理のために水閘を開いた状態では、吸水管から排水路へと排水され、乾田化が図られる。一方、水閘を閉じた状態では、暗渠吸水管からの排水が遮断されるので、立ち上がり管から給水された用水が暗渠吸水管から誘導疎水体を通過して水田に給水され、湿田化が図られる。また、水田に敷設した暗渠吸水管上に誘導疎水体を設置する際、水田を掘削して暗渠吸水管を敷設し、暗渠吸水管の底部を除いた周囲に被覆疎水材を設置した後、誘導疎水体を立設する。この時、小木杭または突刺部を水田の掘削部に突き刺すことによって、誘導疎水体を起立状態で保持することが可能であり、誘導疎水体の施工性が向上する。
【0015】
請求項5記載の水田用給水及び排水システムは、前記暗渠吸水管の底部を除いて該暗渠吸水管を覆う耐食性に優れた被覆疎水体を設けたものである。
【0016】
上記構成により、水田下の地中水は、被覆疎水体を透過して吸水管へと吸水されるとともに、被覆疎水体が耐食性に優れることから、吸水管の疎水性を長期に渡って安定的に維持できる。
【0017】
請求項6記載の水田用給水及び排水システムは、前記被覆疎水体が疎水材として複数の粒状部材又は複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を前記通水部材に装填したネット又は多孔質状の中空袋とで構成したものである。
【0018】
上記構成により、水田の地中水は、被覆疎水体を透過して粒状部材又は複数の短パイプ部材等あるいは束ねた細長部材間に隙間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水される。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明の暗渠排水用バルブの一実施例について、図1から図5を参照しながら説明する。図1において、21は水田、22は畦畔、23は畦畔または農道路肩、24は水田21下の地中、25は排水フリュームである。そして、水田21下の地中24の60cm〜1m程度の深さの位置に暗渠吸水管26が埋設されている。この吸水管26は、複数本を継ぎ合わせてある。この吸水管26の周壁部には複数の通水孔28が開口形成されている。また、29は90°曲がった立ち上がり管で、この立ち上がり管29は、一端部が吸水管26に接続されているとともに、他端が畦畔または農道路肩23の地面に露出させてある。この立ち上がり管29の他端の開口は、小さい孔により吸気孔を備えたねじキャップ30により取り外し可能に設けられている。
【0020】
そして、前記吸水管26中に水閘たる暗渠排水用バルブ40が地中24に埋設させて設けられている。この暗渠排水用バルブ40は、ほぼT字型の合成樹脂からなる継手部42を有し、この継手部42に吸水管26をそれぞれ嵌合されて接続し、吸水管26から排水フリューム25へ連通する水路が形成されている。また、前記継手部42には立ち管43の下端部が嵌合されて接着剤により固定されている。この立ち管43は、硬質塩化ビニールなどの切断が比較的容易な合成樹脂からなり、鉛直な円筒形状になっており、その立ち管43の上端部に管接続部41を介して硬質塩化ポリエチレンなどの合成樹脂からなる保護ボックス44が接続されている。そして、前記継手部42内には水路を開閉する弁体45が設けられ、この弁体45に前記立ち管43内に位置する操作杆46が接続されるとともに、この操作杆46を操作する操作取手47が保護ボックス44の内部に設けられている。なお、図中48は保護ボックス44を塞ぐ蓋体である。
【0021】
50は前記吸水管26及び後述する被覆疎水材の上面に接続した誘導疎水体であり、吸水管26上に間隔を置いて、複数並設されている。これら誘導疎水体50は、下端部を前記吸水管26及び後述する被覆疎水材55の上面に接触させた状態で、その上端部を田面から20〜30cm程度離して地中24に埋設させて設けられている。この誘導疎水体50は、例えばネットあるいは多孔質状の中空袋からなる通水部材51と、この通水部材51内に貫挿した合成樹脂ならなる導水パイプ52と、この通水部材51と導水パイプ52との間に充填した疎水材53とで構成されている。なお、本実施例では、疎水材53として細かな砂利などの粒状部材53aを誘導疎水体50に充填または装填する他、図4に示すように、藁などの有機質あるいは無機質細管状の細長部材53bもしくは短パイプ部材等(図示しない)を束ねて構成してもよい。また、導水パイプ52の形状としてパイプ状、多角形状、円柱状など種々の形状に形成すればよい。なお、導水パイプ52は、その表面積を拡大して粒状部材53aの間に浸透した地中水を吸水管26の周囲の被覆疎水体55へと案内するために、図3に示すように、導水パイプ52の外周面に複数の導水用突起54を軸方向に沿って一体成形したり、あるいは図4に示すように、導水パイプ52の内面に複数の導水用溝部54aを軸方向に沿って一体成形している。このように、導水パイプ52の外周面に導水用突起54又は導水用溝起54aを形成することにより、粒状部材53aあるいは細長部材53bの間に浸透した地中水を被覆疎水体55へと効率よく案内することが可能となる。
【0022】
55は、前記吸水管26の上面を覆う透水性の被覆疎水体であり、図7に示すように、細長状の袋状のネット56を複数の幅方向並びに長さ方向に連結し、これらネット56内に疎水材57として砂利などの細かな砂利などの粒状部材53aを充填して構成している。これを吸水管26の上面に被せることによって、吸水管26の底部を除いて吸水管26の上部及び側部を覆うようにしている。また、粒状部材53aを充填するものはネット56に限らず図9に示すように、樹脂などの角筒状に形成され、かつ、周縁に多数の開口孔58aを備えた多孔質状の中空袋58を幅方向に連結し、これに粒状部材53aを充填するように構成してもよい。
【0023】
60は誘導疎水体50に連結した突刺部であり、通水部材51の上端部に連結した紐体61によって誘導疎水体50と連結されている。この突刺部60を水田の掘削部に突き刺すことによって、吸水管26上に誘導疎水体50を立設する際、前記誘導疎水体50を起立状態で保持している。
【0024】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。まず、水田21に敷設した吸水管26上に誘導疎水体50を設置するには、水田21を掘削し、吸水管26を敷設し、吸水管26を覆う被覆疎水体55を敷設する。その後、被覆疎水体55上に誘導疎水体50を間隔をおいて立設する。この時、吸水管26上の誘導疎水体50には自立性が無いが、掘削した水田21の掘削部の壁面に突刺部60を突き刺すことによって、吸水管26上において誘導疎水体50を起立状態で保持することができる。この後、掘削部を埋め戻すことによって、誘導疎水体50と被覆疎水体55を水田21下の地中24に埋設する。
【0025】
そして、常時は蓋体48を閉じておくが、湿田、乾田化の管理のために本暗渠排水用バルブ40を開閉するには、蓋体48を開け、固定キャップ(図示しない)を緩めた上で、操作取手47を上下して弁体45を開閉操作する。なお、固定キャップを締め付ければ、操作杆46とともに弁体45が固定される。暗渠排水用バルブ40を開いた状態では、図1に矢印aで示すように、水田21下の地中水が通水孔28から吸水管26内に直接的に吸水される。これとともに、水田21下の地中水が被覆疎水体55に立設した誘導疎水体50の通水部材51及び吸水管26の上部及び側部を覆う被覆疎水体55のネット56あるいは中空袋58の開口孔58aを通して内部に充填した疎水材53となる砂利などの粒状部材53aあるいは藁などの有機質あるいは無機質の細管状の細長部材53b間の隙間に浸透し、こうして誘導疎水体50で吸水した地中水が通水孔28から吸水管26内に間接的に排水される。また、誘導疎水体50に内設した導水パイプ52は、砂利などの粒状部材53aを充填した通水部材51を起立状態で保持する芯材として機能するとともに、その外周面に複数の導水用突起54または導水用溝部54aを軸方向に一体成形することで、導水パイプ52の表面積が増大し、疎水材53に浸透した地中水が導水パイプ52に伝って吸水管26に効果的に導水することができる。こうして吸水管26内の地中水が吸水管26から排水フリューム25へと排水され、水田21の乾田化が図られる。一方、暗渠排水用バルブ40を閉じた状態では、吸水管26からの排水が継手部42において弁体45により遮断されるので、地中水が水田21下に止まり、湿田化が図られる。さらに、用水をパイプライン31および立ち上がり管29を介して給水することにより、図1に矢印bで示すように、吸水管26及び誘導疎水体50から積極的に土中灌水を行うこともできる。
【0026】
以上のように、本実施例においては、地中24に埋設した吸水管26上に複数の誘導疎水体50を立ち上げることによって、水田21下の地中水が誘導疎水体50の通水部材51を通して誘導疎水体50内に充填した疎水材53となる細かな砂利などの粒状部材53aあるいは藁などの有機質あるいは無機質の細管状の細長部材53b間の隙間に浸透し、この地中水を吸水管26へと効率的に導水することができる。このように、通水孔28から吸水管26に直接、地中水を排水するばかりでなく、誘導疎水体50に浸透した地中水を吸水管26へと排水することができる。これにより、水田21下の地中水を効率的に排水して水田21の乾田化を図ることができるとともに、暗渠排水用バルブ40を閉じた状態では、地下水溝からパイプライン31および立ち上がり管29を介して給水され、吸水管26及び誘導疎水体50から積極的に土中灌水を行うこともできる。
【0027】
また、誘導疎水体50に内設した導水パイプ52の軸方向に沿って複数の導水用突起54あるいは導水用溝部54aを成形することで導水パイプ52の表面積を増大させ、その導水パイプ52に沿って地中水を吸水管26に効果的に導水することができる。
【0028】
さらに、吸水管26を耐食性に優れた被覆疎水体55で覆うことにより、腐食による疎水性の低下を招くことなく、吸水管26周辺の疎水性を長期に渡って安定的に維持することができる。また、被覆疎水体55上に誘導疎水体50を立設する際、掘削した水田21の掘削部の壁面に突刺部60を突き刺すことによって、吸水管26上において誘導疎水体50を起立状態で保持することができ、人手により誘導疎水体50を支えるといった手間も掛からない。また、吸水管26上の上面を被覆疎水体55は、ネット56あるいは周縁に多数の開口孔58aを備えた樹脂製の中空袋58を幅方向に連結して構成しているから、吸水管26に被せて吸水管26に簡単に装着できるから、施工性にも優れる。
【0029】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、誘導疎水体50や被覆疎水体55は耐食性に優れ、吸水管26側への通水性を損なわない構成であればよく、例えば通水性のコンクリート品や通水性を有する発泡した合成樹脂品で一体で構成するなど、要は疎水性を優れた構成であればよい。また、導水パイプ52に導水用突起54又は導水用突起54aを形成した例を示したが、導水パイプ52を円筒状、円柱状に形成するようにしてもよく、また、材質は合成樹脂や木材でもよい。また、突刺部を小木杭で構成してもよく、要は掘削部に突き刺す構成であればよい。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の水田用給水及び排水システムによれば、排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体が、前記暗渠吸水管に対してほぼ垂立したネット又は複数の多孔質状の中空袋で構成した通水部材と、この通水部材内に充填した疎水材と、前記通水部材に挿通した導水パイプとで構成したものであるから、水田下の地中水が直接的に吸水管へと吸水されるのみならず、誘導疎水体に浸透した地下水が吸水管内に吸水され、乾田化の管理のために水閘を開いた状態では、吸水管から排水路へと排水され、乾田化が図られる。一方、水閘を閉じた状態では、暗渠吸水管からの排水が遮断されるので、立ち上がり管から給水された用水が暗渠吸水管から水田に給水することで積極的な湿田化や土中灌水が図られる。また、水田の地中水は、通水部材を通って疎水材間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水されるとともに、疎水材に浸透した地中水の一部が導水パイプを伝って吸水管へと効率的に吸水される。
【0031】
請求項2記載の水田用給水及び排水システムによれば、前記疎水材として複数の粒状部材を充填もしくは複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を束ねて前記通水部材に装填したものであるから、水田下の地中水は、粒状部材又は短パイプ部材等あるいは束ねた細長部材間に隙間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水される。
【0032】
請求項3記載の水田用給水及び排水システムによれば、前記導水パイプの表面に複数の導水用突起又は導水用溝部を該導水パイプの軸方向に沿って設けたものであから、導水パイプの表面積が拡大し、導水パイプの集水機能が高まる。
【0033】
請求項4記載の水田用給水及び排水システムによれば、排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体に小木杭または突刺部を連結し、前記暗渠吸水管上に前記誘導疎水体を立設する際、前記小木杭または突刺部材を水田の掘削部周辺に突き刺して前記誘導疎水体を起立状態で保持するように構成したものであるから、水田下の地中水が誘導疎水体および吸水管内に吸水され、湿田、乾田化の管理のために水閘を開いた状態では、吸水管から排水路へと排水され、乾田化が図られる。一方、水閘を閉じた状態では、暗渠吸水管からの排水が遮断されるので、立ち上がり管から給水された用水が暗渠吸水管から誘導疎水体を通過して水田に給水され、湿田化が図られる。また、誘導疎水体を起立状態で保持することが可能であり、誘導疎水体の施工性が向上する。
【0034】
請求項5記載の水田用給水及び排水システムによれば、前記暗渠吸水管の底部を除いて該暗渠吸水管を覆う耐食性に優れた被覆疎水体を設けたものであるから、水田下の地中水は、被覆疎水体を透過して吸水管へと吸水されるとともに、被覆疎水体が耐食性に優れることから、吸水管の疎水性を長期に渡って安定的に維持できる。
【0035】
請求項6記載の水田用給水及び排水システムによれば、前記被覆疎水体が疎水材として複数の粒状部材又は複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を前記通水部材に装填したネット又は多孔質状の中空袋とで構成したものであるから、水田下の地中水は、被覆疎水体を透過して粒状部材等又は束ねた細長部材間に隙間に浸透し、その地中水が吸水管へと吸水される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す暗渠排水施設全体の断面図である。
【図2】同上図1のA−A線断面図である。
【図3】同上導水パイプの斜視図である。
【図4】同上疎水材の変形例を示す斜視図である。
【図5】同上導水パイプの変形例を示す斜視図である。
【図6】同上誘導疎水体を示す斜視図である。
【図7】同上被覆疎水体と吸水管の分解斜視図である。
【図8】同上図1のB−B線断面図である。
【図9】同上被覆疎水体の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
21 水田
25 排水フリューム(排水路)
26 吸水管
29 立ち上がり管
41 暗渠排水用バルブ(水閘)
50 誘導疎水体
51 通水部材
52 導水パイプ
53 疎水材
54 導水用突起
54a 導水用溝部
55,60 被覆疎水体
56 ネット
57 疎水材
58 中空袋
60 突刺部
Claims (6)
- 排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体が、前記暗渠吸水管に対してほぼ垂立したネット又は複数の多孔質状の中空袋で構成した通水部材と、この通水部材内に充填した疎水材と、前記通水部材に挿通した導水パイプとで構成したことを特徴とする水田用給水及び排水システム。
- 前記疎水材として複数の粒状部材を充填もしくは複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を束ねて前記通水部材に装填して成ることを特徴とする請求項1記載の水田用給水及び排水システム。
- 前記導水パイプの表面に複数の導水用突起又は導水用溝部を該導水パイプの軸方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の水田用給水及び排水システム。
- 排水路に連通する複数の通水孔を備えた暗渠吸水管と、この暗渠吸水管の一端から地表に立ち上がる立ち上がり管と、前記暗渠吸水管の反対側端部に接続して前記排水路と、前記暗渠吸水管に接続して該暗渠吸水管を開閉する水閘と、前記暗渠吸水管上に立設した吸水性に優れた誘導疎水体とを備え、水閘を解放して水田の余剰の地中水を排水路に排出するとともに、前記水閘を遮断した状態で前記立ち上がり管から暗渠吸水管に給水した用水を土壌の中に供給して湿田化するように構成し、前記誘導疎水体に小木杭または突刺部を連結し、前記暗渠吸水管上に前記誘導疎水体を立設する際、前記小木杭または突刺部材を水田の掘削部周辺に突き刺して前記誘導疎水体を起立状態で保持するように構成したことを特徴とする水田用給水及び排水システム。
- 前記暗渠吸水管の底部を除いて該暗渠吸水管を覆う耐食性に優れた被覆疎水体を設けたことを特徴とする請求項1記載の水田用給水及び排水システム。
- 前記被覆疎水体が疎水材として複数の粒状部材又は複数の短パイプ部材等あるいは複数の細長部材を前記通水部材に装填したネット又は多孔質状の中空袋とで構成したことを特徴とする請求項5記載の水田用給水及び排水システム。
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