JP4253463B2 - サイクルタイム算出方法、及びプログラム - Google Patents

サイクルタイム算出方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4253463B2
JP4253463B2 JP2002114634A JP2002114634A JP4253463B2 JP 4253463 B2 JP4253463 B2 JP 4253463B2 JP 2002114634 A JP2002114634 A JP 2002114634A JP 2002114634 A JP2002114634 A JP 2002114634A JP 4253463 B2 JP4253463 B2 JP 4253463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machining
cycle time
workpiece
tool
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002114634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003308106A (ja
Inventor
浩史 松岡
達也 溝部
知之 大竹
喜宏 王
憲一 黒谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Fuji Electric Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Fuji Electric Holdings Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002114634A priority Critical patent/JP4253463B2/ja
Publication of JP2003308106A publication Critical patent/JP2003308106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253463B2 publication Critical patent/JP4253463B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Landscapes

  • General Factory Administration (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置が実行するプログラムから、そのワークを生産設備が加工するうえで要すると予測される時間(サイクルタイム)を求めるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、人々の価値観は多様化し、その変化も速くなっている。それにより、製品生産のための生産設備は、多品種の生産に使用される傾向にある。生産コストの低減の面からは、自動化(無人化)が求められている。これらのことから、生産設備の多くは、プログラムを実行する制御装置の制御下で工作機械を動作させる構成となっている。その制御装置としては、プログラムロジックコントローラ(以下、PLC)やNC(Numerical Control )装置(数値制御装置)、モーションコントローラ(以下、MC)などがある。なお、現在では、NC装置の多くはCNC(Computerized Numerical Control )装置となっているが、特に断らない限り、以降NC装置とはCNC装置を含む意味で用いる。
【0003】
生産ラインは、複数の生産設備を有機的に結合させることにより構築される。加工には、変形加工(鍛造、粉末加工、プラスチック成形加工など)や除去加工(切削加工、砥粒加工、或いは光学的加工など)、接合加工(溶接加工、接着加工、結合加工、組立加工など)、及び処理加工(表面処理、熱処理など)といった様々なものがある。生産ラインを構成させる生産設備は、ワーク(加工物)の種類やそれに対して行うべき加工内容に応じて決定される。
【0004】
NC装置が実行するプログラム(NCプログラム)は、作業者が自動プログラミング装置を用いて対話形式で作成(ここでは変更を含む)するのが普通である。ワークの設計は、CAD/CAM(Computer Aided Design and Manufacturing )システムを用いて行われるのが殆どである。このことから、自動プログラミング装置は、NC装置と接続される操作盤に搭載されるだけでなく、CAD(Computer Aided Design )システムにも標準的に搭載されている。
【0005】
そのCADシステムには、作成、或いは変更したNCプログラムをNC装置に実行させた場合のシミュレーションを行う機能も標準的に搭載されている。それにより、作成、或いは変更したNCプログラムをNC装置に実際に実行させた場合に、ワークの加工に要すると予測される時間をサイクルタイムとして作業者が確認できるようにさせている。
【0006】
従来のシミュレーションでは、NCプログラムを模擬的に実行し、その実行にかかる時間を計時することでサイクルタイムを求めていた。しかし、そのようにして求められたサイクルタイムでは、生産設備全体でワークの加工に要する時間しか確認することはできない。
【0007】
生産設備にワークの複数箇所の加工を行わせることは多い。その場合、加工に要する実際の時間は、通常、加工を行わせる順序によって変動する。このため、その場合には、従来のシミュレーションで算出されたサイクルタイムから、その加工を行わせる順序が適切であるか否かを確認するのは非常に困難である。現在では、工程計画や設備計画などの生産活動に求められる精度は非常に高くなってきている。このようなことから、その順序が適切であるか否かを作業者が容易に確認できるようにすることが重要であると考えられる。
【0008】
本発明は、プログラムを制御装置が実行することで生産設備がワークに対して行う加工の順序が適切か否か作業者が容易に確認できるようにするための技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様のサイクルタイム方法は、ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するための方法であって、前記プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記プログラムブロックを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割し、該ブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の基本加工工程に対応したブロック群に分割し、該基本加工工程に対応したブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する。
【0010】
本発明の第2の態様のサイクルタイム算出方法は、ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するための方法であって、ツール交換指令の命令文に着目して、プログラムを1つ以上の第1の命令文群に分割し、ツールによるワークへの加工の中断を指令する命令文に着目して、該第1の命令文群毎に、該第1の命令文群を更に1つ以上の第2の命令文群に分割し、該第2の命令文群毎に、該第2の命令文群が示す加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する。
【0011】
上記サイクルタイムは、生産設備の仕様を決めるために設定されたパラメータを用いて算出する、ことが望ましい。また、算出したサイクルタイムを積算して、生産設備がワークの加工に要すると予測される時間を該生産設備全体のサイクルタイムとして算出する、ことが望ましい。
【0012】
上記中断する動作は、ツールが切削用ツールであった場合に、該切削用ツールに切削のための動力の伝達を一時的に停止させる動作である、ことが望ましい。また、分割した加工工程を単位として、該加工工程の加工を行ううえでの加工条件をプログラムから抽出する、ことが望ましい。
【0013】
本発明のサイクルタイム算出装置は、ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出することを前提とし、前記プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記プログラムを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割する手段と、該分割された各ブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の前記基本加工工程に対応したブロック群に分割する手段と、該基本加工工程に対応した各ブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する手段と、を具備する。
【0014】
本発明のプログラムは、ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させる加工用プログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する装置として用いるコンピュータに、前記加工用プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記加工用プログラムを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割するステップと、該分割されたブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の基本加工工程に対応したブロック群に分割するステップと、該基本加工工程に対応したブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するステップと、を実行させる。
【0015】
本発明では、プログラムを構成する1つ以上の命令を制御装置が実行した場合に生産設備に行わせる所定の動作に着目して、その生産設備がワークを加工する加工工程を分割し、分割した加工工程を単位として、その加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとしてプログラムを参照して算出する。
【0016】
生産設備がワークを加工する加工工程を分割することにより、加工工程全体が細分化される。細分化した加工工程は、それぞれ、それを行わせる順序や加工条件などを検討する対象とすることができる。細分化した加工工程単位で算出したサイクルタイムは、その検討を行ううえでの貴重な情報となる。これらのことから、少なくとも、ワークに対して行わせる加工の順序が適切か否か作業者が容易に確認することが可能となる。
【0017】
上記サイクルタイムを、生産設備の仕様を決めるために設定されたパラメータを用いて算出するようにした場合には、そのサイクルタイムをより高精度に算出することが可能となる。この結果、ワークに対して行わせる加工の順序が適切か否かの確認は、より容易、且つ正確に行えるようになる。
【0018】
細分化した加工工程を単位として、その加工工程の加工を行ううえでの加工条件をプログラムから抽出するようにした場合には、作業者はその加工条件から、問題のある加工工程を特定したり、その対策を立てるようなことが更に容易、且つ正確に行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態によるサイクルタイム算出装置が適用されたネットワークシステムの構成を示す図である。
【0020】
そのネットワークシステムは、例えば製品の製造を行う工場を所有する企業に構築されたクライアント/サーバ型のシステムである。図1に示すように、構内LAN101と工場ローカルLAN102をルータ103により結んでいる。構内LAN101には、例えばパーソナルコンピュータである端末装置104が接続され、その端末装置104のユーザが業務を行うのを支援するサーバとして、工具情報システムが構築されたアプリケーションサーバ105、シミュレーションシステムが構築されたアプリケーションサーバ106、及びデータベース(DB)サーバ107が接続されている。
【0021】
一方の工場ローカルLAN(以降、ローカルLANと略記)102には、ラインサーバ108や複数のアクセスポイント(以降、AP)109が接続されている。各AP109は、その子機に当たるAP110と通信を行う。
【0022】
そのローカルLAN102は、生産ライン120、130が設置された工場に敷設されている。生産ライン120、130は、それぞれ9台、22台の生産設備から構成されている。
【0023】
それらの生産設備は、NC制御装置、PLC、或いはMCの制御下でワークを加工するか、或いはそれを搬送するものである。例えばマシンニングセンタ、打ち抜き装置、バリ取り装置、或いは洗浄装置などを備えたものである。その構成は、周知のものであることから、特に詳細な説明は省略するが、例えば以下のようになっている。
【0024】
生産ライン120を構成する1台の生産設備121は、例えばPLC内蔵のNC制御装置の制御下でワークの加工を行うものである。そのNC制御装置に、操作盤122、及びAP123が接続されている。そのAP123によって、NC制御装置はローカルLAN102と接続させている。作業員は、操作盤122を操作してNC制御装置が実行するNCプログラムやパラメータ(仕様を決めるために設定されたデータ)を変更することができる。
【0025】
生産ライン130を構成する1台の生産設備131は、例えばNC制御装置の制御下でワークの加工を行う部分(以降、部分設備と記す)131aと、PLC内蔵のNC制御装置の制御下でワークの加工を行う部分設備131bと、から構成されている。それらの制御装置は接続され、部分設備131bのNC制御装置はハブ132と接続されている。そのハブ132には、他に、操作盤133、及びAP134が接続されている。そのAP134によって、各部分設備131a、131bのNC制御装置はローカルLAN102と接続させている。作業員は、操作盤133を操作して各NC制御装置が実行するNCプログラムやパラメータを変更することができる。
【0026】
上記ラインサーバ108は、各生産設備の制御装置から所定のデータを収集することにより、各生産設備の動作状態の監視を行う。また、各生産設備の制御装置が実行するプログラムやパラメータを自動的に収集し、例えば端末装置104のユーザからの要求に応じて、生産設備がワークの加工に要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するシミュレーションを行う。それにより、本実施の形態によるサイクルタイム算出装置は、ラインサーバ108に搭載させた形で適用されている。
【0027】
生産設備を制御する制御装置が実行するプログラムは、その制御装置の種類によって普通は異なる。同じ種類の制御装置にも複種類のプログラム言語が開発されている。このことから、混乱を避けて理解を容易とするために、以降、図2に示すプログラムを例にとって、本実施の形態におけるサイクルタイムの算出方法について詳細に説明することとする。また、サイクルタイムについては、特に断らない限り、算出の対象である予測されるサイクルタイムを指すこととし、説明はそのサイクルタイムを算出することを前提として行うことにする。
【0028】
図2に示すプログラム例は、NC制御装置が実行するNCプログラムである。図2中の各ブロックは、NCプログラムを構成する1命令文に当たる。NCプログラムは、基本的に、そのブロックを実行順に並べた形で構成されている。
【0029】
1ブロックは、シンボル“N”に続く数値で表されたシーケンス番号を先頭に、機能の種類を表すシンボル、及びそれに続くコード化された数値からなるデータ(コード)が1つ以上、続く構成となっている。シーケンス番号は、NCプログラムの先頭に近づくほど小さな値となる昇順で記述される。以降、プログラムはPGと略記することにする。
【0030】
図2中の“G”“M”“S”及び“T”は、それぞれ異なる機能の種類を表すシンボルであり、それに続くコード化された数値が機能の命令(指令)を表すようになっている。
【0031】
シンボル“G”は準備機能を表し、補間の種類や座標系の選択、固定サイクル、ねじ切り、準備機能、或いはその他のことは、それに続く数値(Gコード)で指定する。シンボル“X”、“Y”は、それに続く数値で座標位置などを指定するために用いられる。
【0032】
シンボル“M”は補助機能を表し、主軸の回転や停止、その回転方向、工具交換などは、それに続く数値(Mコード)で指定することができる。シンボル“S”は主軸機能を表し、主軸の回転速度は、それに続く数値(Sコード)で指定することができる。シンボル“T”は工具機能を表し、それに続く数値(Tコード)で使用する工具(ツール)を指定することができる。
【0033】
上述したような機能が用意されていることから明らかなように、生産設備でのワークへの加工は、随時、ツールを交換しながら、そのツールを用いてワークの複数の箇所を加工することがある。このことから、本実施の形態では、加工に使用するツールの種類、及びそのツールでワークを加工する動作を一時的に中断するときの動作に着目してプログラムの解析を行うことにより、プログラムを実行する制御装置の制御下で生産設備がワークを加工する加工工程を基本的な加工工程に分割し、そのサイクルタイムを算出するようにしている。例えば同じツールを用いてワークに穴を空ける加工を複数、行わせるようなPGの場合には、そのツールに動力を伝える主軸を一時的に回転停止させる動作に着目して、加工工程を分割する。これは、ツールを単に移動させるときには主軸の回転を停止させるのが普通であるためである。それにより、各穴はそれぞれ1加工工程の加工によって空けられるものと見なし、1個の穴を空けるのに要する時間をサイクルタイムとして算出するようにしている。
【0034】
ツールの位置を随時、移動させつつ、ワークの加工を複数回、行うような場合、その加工に要する全体の加工時間は、その加工を行っている間にツールを移動させる距離によって変化してくる。その距離は、加工を行う位置の順序によって変化するのが普通である。当然のことながら、その距離を短くするほど、全体の時間が短くなる。生産設備がワークを加工する加工工程を基本的な加工工程に分割してサイクルタイムを算出するのは、このためである。各加工工程での加工条件(ここではツールの種類や加工位置、加工方法(ツールの使い方やその移動方向など)など)もPGから抽出して作業者に提示できるようにさせている。
【0035】
そのように分割した加工工程の順序を変化させると、それに伴い、各加工工程のサイクルタイム、更には全体の加工時間が変化する。このため、そのサイクルタイムを提示することにより、作業者(端末装置104のユーザ)は、問題のある加工工程を正確に把握できるようになる。それにより、ツールの調整や加工工程の見直しも容易に行えるようになる。この結果、加工工程の最適化、例えば全体の加工時間を最も短くさせるか、或いは目標とする時間と一致させるといったことも容易となる。
【0036】
サイクルタイムと合わせて、加工工程の加工条件を提示するようにした場合には、サイクルタイムの変化に影響を及ぼす要因の特定が更に容易となる。このため、加工工程の最適化も更に容易に行えるようになる。加工条件からツールの寿命を容易、且つ正確に把握できるようにもなる。
【0037】
図3は、加工工程の分割方法を説明する図である。主軸を回転させてワークを加工する生産設備を例にとって、その制御を行う制御装置が実行するプログラムから、その生産設備がワークを加工する加工工程を基本的な加工工程に分割する方法を説明するものである。
【0038】
図3に示すように、先ず、ツール(工具)交換を指令するブロックを検出し、そのブロックでPGを分ける。それにより、同一のツールで加工を行わせるためのブロック群を特定する。以降、基本的な加工工程と区別するために、同一のツールを用いて行われる加工工程全体を指してツール工程と呼び、それを分割して得られる基本的な加工工程は基本加工工程と呼ぶことにする。そのツール工程は、1つ以上の基本加工工程から構成される。
【0039】
図2に示すようなPGでは、工具交換指令は1個、或いは2個のブロックで行われる。図3中の「ケース1」「ケース3」は、共に1ブロック(命令文)で工具交換指令を実現させたケースである。「ケース3」はマクロとして用意されたサブPGを呼び出すことで工具交換指令を実現させていることが「ケース1」とは異なっている。「ケース2」は、工具の準備を指令するブロック、及び準備を指令した工具への交換を指令するブロックの2個のブロックで工具交換指令を実現させたケースである。何れのケースでも、実際に工具を交換させることになる指令のブロックでPGを分けている。
【0040】
工具(ツール)交換に着目してPGを1つ以上のブロック群に分割すると、次にブロック群(ツール)毎に、そのブロック群を、主軸停止を指令するブロックに着目して更に分割する。より具体的には、そのブロックとして、ここでは一時的に主軸停止を指令することになるブロック、即ち主軸の回転を指令するブロックが後に配置されている主軸停止を指令するブロックに着目している。そのブロックとして、一時的に主軸停止を指令することになるブロックに着目したのは、主軸を回転させてワークを加工する生産設備では、主軸を停止させたままワークを加工することはありえないためである。それにより、1ツールで1回の加工を行う場合には、そのツールのツール工程は分割せず、ツール工程は1基本加工工程から構成されているとしている。
【0041】
そのようにして各加工工程毎にPGを更に細かく分割すると、次に各ブロック群毎に、加工条件(ここでは切削条件)を抽出する。ここで抽出している切削条件とは、主にサイクルタイムを算出するうえで必要な条件であり、本実施の形態では、その切削条件として、F、E、S、D値を状況に応じて抽出している。それらの値は、何れもブロック(図2参照)に機能のコードとして記述することが可能な値である。F値(Fコード)は、主軸の移動速度を表現し、E値(Eコード)は主軸、1回転当たりの移動量を表現し、D値(Dコード)はツールの周速を表現している。
【0042】
主軸は、ツールで加工を行わない場合、パラメータで設定された速度で移動させる。予め定められた原点に主軸を戻すのが早戻しであり、それ以外の移動が早送りである。ワークに穴を空ける場合、Z軸上の位置を減少させることで行われる。ワークにツールを接触させた状態で主軸をXY平面上に移動させると、ワークに溝を形成させたり、その表面を削ることができる。これらのことから、本実施の形態では、図4に示すように、切削、早送り、及び早戻しの識別を行うようにしている。図4中のGコード「G01」は直線補間、Gコード「G00」は位置決めを表している。
【0043】
図5は、加工工程の分割例を説明する図である。上述したようにして実際のPGを解析することで加工工程毎にPGをブロック群に分け、各ブロック群から切削条件を抽出する様子を示したものである。その図5に示すPGでは、Tコードを持つブロックを実行することで呼び出されるサブPGはマクロとして用意されている。図中の「工程1」「工程2」は、それぞれツール工程を表している。
【0044】
図6は、1生産設備により加工されたワークを示す図である。
そのワークには、図6に示すように、形状が異なる4種類の穴#1〜4が空けられている。それらの穴#1〜4は、それぞれ異なるツールを用いて空けられている。形状が同じ穴#2は2個、空けられている。穴#3は、円形ではなく、細長い形状に空けられている。
【0045】
そのような穴#1〜4を空ける加工を行わせるためのPGでは、それを4つのツール工程のブロック群に分けることになる。図中の工程1〜4は、ブロック群に分けられたツール工程、それに付された番号は、そのツール工程が行われる順序を表している。穴#2は2個あることから、工程2に対応するブロック群は更に2つのブロック群に分けられる。
【0046】
穴#3は、他とは異なり、ワークの表面の形状が細長くなっている。そのような形状の穴#3は、例えばツール(例えばドリル)でZ軸に沿った穴を空けた後、そのツール(主軸)をXY平面上に移動させることで形成される。それにより、図3を参照して説明の加工条件(ここでは切削条件)が変化する。穴#3を空けるのに要するサイクルタイムを算出する場合、Z軸に沿った穴を空けるのに要する時間と、ツールをXY平面上に移動させた時間とは、別々に計算しなければならない。このことから、そのような加工条件を抽出するようにしている。
【0047】
図7は、サイクルタイムの定義と計算方法を説明する図である。図8は、そのサイクルタイム計算用データの取得方法を説明する図である。次に、図7、及び図8を参照して、計算の対象とするサイクルタイム、その計算方法、及びその計算に用いるデータの取得方法について詳細に説明する。それら図7、及び図8は、切削加工を行う生産設備を例にとった場合のものである。
【0048】
図7において、「T工程サイクル1」「T工程サイクルN」は、それぞれ、同じツールを用いてワークを加工する基本加工工程に対応する。図6に示すワークでは、2つの穴#2を空けるためのそれぞれの加工工程に対応する。そのサイクルタイムTRKは、その基本加工工程の加工を行うために生産設備を稼働させている稼働時間である。
【0049】
「ツールサイクル」は、上記ツール工程に対応し、そのツール工程で行われる全基本加工工程から構成される。従って、そのサイクルタイムTj は、図7に示すように、各基本加工工程のサイクルタイムTRKを積算して計算される時間となる。「設備サイクル」は、生産設備でワークを加工する工程全体に対応し、全ツール工程はその一部として行われる。このため、そのサイクルタイムTは、各ツール工程のサイクルタイムTR を積算して計算される時間に、生産設備固有のワークの加工に必要な時間を加算して得られる時間となる。加工するワークを作業員がセットして安全用の扉を閉め、その扉を開けて加工が終わったワークを取り出すのであれば、図7に示すように、固有の時間として、ワークをセットして扉を閉めるのに要する時間TBS、及び扉を開けてワークを取り出すのに要する時間TBEを加算することになる。
【0050】
「ラインサイクル」は、1生産ラインでワークを加工する工程全体に対応し、全設備サイクル(工程)はその一部として行われる。このため、そのサイクルタイムTLは、各設備サイクルのサイクルタイムTを積算して計算される時間に、生産ライン固有のワークの加工に必要な時間を加算して得られる時間となる。生産設備間でのワークの受け渡しを作業員が運搬して行うのであれば、固有の時間として、生産設備間の運搬時間をそれぞれ加算することになる。
【0051】
基本加工工程のサイクルタイムTRKは、図7に示すように、その添字で示す基本加工工程RKにおける早送り時間(主軸を早送りするのに要する時間)Tqf_RK 、位置決め時間Tld_RK 、ATC時間(ツールの自動交換に要する時間)Tatc_RK、テーブル割出時間(ワークをセットするテーブルの割出角度を変化させるために要する時間)Ttac_RK、ドウエル時間Td_RK、主軸加速度タップロス時間(主軸の回転速度が目標値に達するまでに要する時間)Tal_RK 、総切削(加工)時間Tts_RK 、早戻し時間(主軸を原点に向けて早戻しするのに要する時間)Tqr_RK 、及び工具検知時間Ttcc_RKを加算することで計算される。
【0052】
上記総切削(加工)時間Tts_RK は、上述したように、PG中から抽出した加工条件別に加工に要する時間を算出し、算出した時間を積算することで求められる時間である。例えば図6に示すような穴#3では、Z軸に沿って穴を空けるのに要する時間と、主軸をXY平面上に移動させるのに要する時間と、を加算した時間となる。
【0053】
上記各時間では、上述したようにツール工程を基本加工工程に分割することから、切削加工では、早送り時間Tqf_RK 、位置決め時間Tld_RK 、主軸加速度タップロス時間Tal_RK 、及び総切削時間Tts_RK 以外の時間は0であることがあり得る。例えばATC時間Tatc_RKは、最初の基本加工工程以外では0となり、早戻し時間Tqr_RK は最後の基本加工工程以外では0となる。工具検知時間Ttcc_RKは、生産設備によっては主軸に別の動きを行わせている間に工具の検知を行うようにしていることから、0ということもある。このことから、工具検知時間Ttcc_RKは、ファイルに保存した固定値を使用するようにしている。それ以外には、位置決め時間Tld_RK 、ATC時間Tatc_RK、更には時間TBS、TBEもファイルに保存した固定値を使用するようにしている(図8参照)。以降、そのファイルについては、サイクルタイム算出用に用意したものであることから、算出用ファイルと呼ぶことにする。
【0054】
上記早送り時間Tqf_RK 及び早戻し時間Tqr_RK は、主軸の移動上の制約を考慮して算出される。例えば主軸を同時には1軸上にしか移動できなければ、各軸毎の移動距離の積算値が主軸の移動距離となる。その移動距離の移動にかかる時間は、各軸毎に、その移動距離をその軸の早送り速度で割って得られる時間を積算したものとなる。複数軸上に移動できるのであれば、各軸上の移動距離をその軸の早送り速度で割って得られる時間の最大時間が移動にかかる時間となる。このことから、主軸の移動上の制約を考慮して時間を算出している。各軸上を含め、移動距離は、PGから取得し、早送り速度は、各軸毎に、生産設備の制御装置から収集したパラメータ中から取得している。
【0055】
テーブル割出時間Ttac_RKを算出するための割出角度θは、PG中から取得する。その算出は、90度のテーブル回転に要する基準時間αに、割出角度θを90で割った値を掛けることで行っている。基準時間αは、上記算出用ファイル内に用意するか、或いはサイクルタイム算出用にラインサーバ108が実行するプログラム内で定義されている。
【0056】
ドウエル時間Td_RKは、PG中から取得する。それが複数、存在していれば、その累計値が時間Td_RKとなる。主軸加速度タップロス時間Tal_RK は、Sコードで指令される回転速度に主軸が達するのに要する時間である。その時間は、例えば算出用ファイルにテーブル形式、或いはそれを算出するための方程式の形で格納されている。図8に示す例は、Sコードで指令される回転速度が1500rpmまでは固定値a、その回転速度が1500〜3000rpmの間は固定値b、その回転速度が3000rpm以上であれば固定値cを時間Tal_RK とすることを表している。
【0057】
加工では、同じ、或いは同じと見なせる加工を繰り返し行うことがある。例えばフライス加工では、フライス面を加工するのにツールを複数回、場所や方向を変えつつ、移動させることがある。ここでは、ツールを1回、移動させる加工を1パスと呼んでいる。それにより、総切削時間Tts_RK は、1パス当たりの切削(加工)時間に、パス数PN_RKを掛けて算出している。1パス当たりの切削時間は、そのパスでの切削距離を送り速度で割ることで求めている。切削距離、送り速度、及びパス数PN_RKは、共にPGから取得している。
【0058】
このようにして、本実施の形態では、生産設備の制御装置から収集したパラメータを必要に応じて使用して、基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出している。このため、実際のサイクルタイムと高精度に一致するサイクルタイムTRKを算出することができる。他のサイクルタイムTR 、T、及びTLにおいても同様である。それにより、作業者にとっては、算出されたサイクルタイムを検討するだけで、加工工程の最適化を高精度に行えるようになる。
【0059】
図9は、1ラインのサイクルタイム算出処理のフローチャートである。上述した各種サイクルタイムを算出するために、ラインサーバ108が実行する処理の流れを示したものである。次に、図9を参照して、各種サイクルタイムを算出するためのラインサーバ108が実行する処理について詳細に説明する。
【0060】
その図9に示す算出処理は、例えば端末装置104のユーザからの要求を受け付けて実行される。それは、ラインサーバ108に搭載されたCPUが、例えばハードディスクに格納されたサイクルタイム算出用のアプリケーションプログラムを実行することで実現される。サイクルタイムを算出する対象とするPG、その実行の際に参照されるパラメータは、特に詳細な説明は省略するが、例えば生産ライン120、或いは130を構成する各生産設備の制御装置から自動的に収集するか、或いはその要求を受け付けて収集している。
【0061】
先ず、ステップS1では、1生産ラインを構成する生産設備の制御装置が実行するPG(プログラム)、及びその実行に必要なパラメータ等を取得する。続くステップS2では、取得したPG、パラメータ等の中から1組のPG、パラメータ等を選択する。その後に移行するステップS3では、ステップS2で選択したPGの言語の種類やそれを実行する制御装置の種類、その制御装置が制御する生産設備の仕様などに応じて、基本加工工程のサイクルタイムを算出するためのサイクルタイム算出処理を実行する。その実行後はステップS4に移行する。
【0062】
ステップS4では、全対象PGを対象にサイクルタイムを算出したか否か判定する。ステップS1で取得したPGのなかにサイクルタイムを算出していないものが残っていた場合、判定はNOとなって上記ステップS2に戻り、残ったPG、パラメータ等のなかから1組のPG、パラメータ等を選択し、それ以降のステップの処理を同様に実行する。そうでない場合には、判定はYESとなり、ステップS5に移行して、PG単位で算出したサイクルタイムを用いて1ラインのサイクルタイムTLを算出した後、一連の処理を終了する。
【0063】
図10は、主軸を回転させて切削加工を行う生産設備を対象にしたサイクルタイム算出処理のフローチャートである。それは、上記ステップS3として実行されるサイクルタイム算出処理のサブルーチン処理として、必要に応じて実行される。次に図10を参照して、主軸を回転させて切削加工を行う生産設備を制御する制御装置のPGを対象に、上記ステップS3で実行されるサブルーチン処理について詳細に説明する。
【0064】
先ず、ステップS11では、PGファイルの先頭から、工具(ツール)交換指令が記述されたブロック(図3、及び図5参照)を検索する。そのブロックとは、上述したように、それを実行することで実際に工具が交換されるブロックである(図3参照)。次のステップS12では、その検索の結果、その指令が記述されたブロックが抽出できたか否か判定する。そのブロックを抽出できた場合、判定はYESとなってステップS13に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなってステップS19に移行する。
【0065】
ステップS13では、次の工具交換指令が記述されたブロック、或いはPGの最後までの間に、主軸停止指令が記述されたブロック、及びその主軸の再正転指令が記述されたブロックがその順序で配置されているか否か確認するための検索を行う。その後に移行するステップS14では、その検索の結果、そのような配置で2つのブロックが見つかったか否か判定する。そのような配置で2つのブロックが1組以上、存在していた場合、判定はYESとなり、ステップS15に移行して、次の工具交換指令が記述されたブロック、或いはPGの最後までの間を、主軸停止指定が記述されたブロックで分割した後、ステップS17に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップS16に移行して、次の工具交換指令が記述されたブロック、或いはPGの最後までの間を1工程(基本加工工程)のブロック群とさせた後、そのステップS17に移行する。
【0066】
ステップS17では、上述したようにして基本加工工程でPGを分割して得たブロック群毎に、座標位置、F、E、S、Dの各値、ドウエル時間、テーブル割出角度、パス数などをサイクルタイム算出用の加工条件として抽出し、パラメータを必要に応じて用いつつ、その基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出して、それらを格納する。それら以外には、ツール工程のサイクルタイムTR を算出し、それをサイクルタイムDBに格納する。そのようなことも行った後にステップS18に移行する。
【0067】
抽出した加工条件や算出した各種サイクルタイムTRK、TR は、例えば予め用意したファイル、或いはデータベースに保存する形で格納する。加工条件とサイクルタイムTRKとはリンクさせ、ツール工程別、生産設備(制御装置)別に格納する。ここでは、便宜的に、それらの格納場所をサイクルタイムDBとする。
【0068】
ステップS18では、PGの全ブロックを対象にした検索が完了したか否か判定する。上記2つのブロックの検索を行っている間にPGの最後まで検索が進まなかった場合、判定はNOとなって上記ステップS13に戻り、着目するツールを変更して、それ以降の処理を同様に実行する。反対にそうでない場合には、即ちPGの最後まで検索が終了した場合には、判定はYESとなり、設備サイクルのサイクルタイムTを算出し、それをサイクルタイムDBに格納した後、一連の処理を終了する。
【0069】
図5に示すメインPGを図9のステップS2で選択した場合、シーケンス番号35(図中では「N35」と表記)を検索することでステップS12の判定がYESとなり、ステップS13に移行する。その後は、ステップS13〜S18で形成される処理ループを、ステップS18の判定がYESとなるまで繰り返し実行することになる。それにより、1基本加工工程からなるツール工程として、「工程1」及び「工程2」が順次、特定され、そのサイクルタイムTR (=TRK)が算出されることになる。
【0070】
ステップS19では、PGの検索が全て完了したか否か判定する。次の工具交換指令が記述されたブロックの検索を行っている間にPGの最後まで検索が進んだ場合、判定はYESとなってステップS20に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップS11に戻り、検索が終了しているブロックから先に検索を進める。
【0071】
図9のステップS2で選択したPGに工具交換指令が記述されたブロックが存在していない場合、ステップS11、S12、及びS19で形成される処理ループはステップS19の判定がYESとなるまで繰り返し実行されることになる。それにより、ステップS20以降では、PGに工具交換指令が記述されたブロックが存在していないことを前提にした処理が行われる。
【0072】
先ず、ステップS20では、検索を開始する位置をPGファイルの先頭に戻し、番号でツールの種類を表現するTコードを「T00」とする。次のステップS21では、上記2つのブロックを対象にした検索を行う。その後に移行するステップS22では、検索の結果、その2つのブロックが見つかったか否か判定する。その2つのブロックが1組以上、存在していた場合、判定はYESとなり、ステップS23に移行して、PGの最後までの間を、主軸停止指定が記述されたブロックで分割した後、ステップS25に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップS24に移行して、PGの最後までの間を1工程(基本加工工程)のブロック群とさせた後、そのステップS25に移行する。
【0073】
ステップS25では、上述したようにして基本加工工程でPGを分割して得たブロック群毎に、座標位置、F、E、S、Dの各値、ドウエル時間、テーブル割出角度、パス数などをサイクルタイム算出用の加工条件として抽出し、パラメータを必要に応じて用いつつ、その基本加工工程のサイクルタイムTRKを算出して、それらを格納する。それら以外には、ツール工程のサイクルタイムTR を算出し、それをサイクルタイムDBに格納する。そのようなことも行った後にステップS26に移行する。
【0074】
ステップS26では、PGの全ブロックを対象にした検索が完了したか否か判定する。PGの最後まで検索が進んでいない場合、判定はNOとなって上記ステップS21に戻り、それ以降の処理を同様に実行する。反対にそうでない場合には、即ちPGの最後まで検索が終了した場合には、判定はYESとなり、設備サイクル(設備工程)のサイクルタイムTを算出し、それをサイクルタイムDBに格納した後、一連の処理を終了する。
【0075】
図9のステップS3として実行されるサイクルタイム算出処理では、上述したようなサイクルタイム算出処理が、制御装置が実行するプログラムの言語毎に、複種類、実行できるようになっている。それにより、プログラムの言語だけでなく、制御装置が制御する生産設備で行われる加工の内容にも対応できるようにしている。
【0076】
なお、本実施の形態では、混乱を避けるために、NC制御装置が実行するNCプログラムを例にとって説明を行ったが、他の制御装置が実行するプログラムでもサイクルタイム算出の対象とすることができる。加工工程の分割については、本実施の形態では、ツールを交換する動作(1ブロック(命令)の実行で実現)、及び主軸を一時的に回転停止させる動作(2ブロック(命令)の実行で実現)に着目して行っているが、着目する動作は、生産設備がワークに対して行う加工の内容に応じて適宜、選択することが望ましい。
【0077】
NCプログラムは、生産設備のNC制御装置から収集するようにしているが、それはCADシステムなどに搭載された自動プログラミング装置から収集しても良い。そのようにした場合には、サイクルタイム算出装置を工程計画や設備計画などの立案用に利用できるようになる。
【0078】
上述したようなサイクルタイム算出装置、或いはその変形例の動作を実現させるようなプログラムは、CD−ROM、DVD、或いは光磁気ディスク等の記録媒体に記録させて配布しても良い。或いは、公衆網等で用いられる伝送媒体を介して、そのプログラムの一部、若しくは全部を配信するようにしても良い。そのようにした場合には、ユーザはプログラムを取得してコンピュータなどのデータ処理装置にロードすることにより、その処理装置に本発明によるサイクルタイム算出装置を搭載させることができる。このことから、記録媒体は、プログラムを配信する装置がアクセスできるものであっても良い。
【0079】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明は、プログラムを構成する1つ以上の命令を制御装置が実行した場合に生産設備に行わせる所定の動作に着目して、その生産設備がワークを加工する加工工程を分割し、分割した加工工程を単位として、その加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとしてプログラムを参照して算出する。
【0080】
生産設備がワークを加工する加工工程を分割することにより、加工工程全体が細分化される。細分化した加工工程は、それぞれ、それを行わせる順序や加工条件などを検討する対象とすることができる。細分化した加工工程単位で算出したサイクルタイムは、その検討を行ううえでの貴重な情報となる。これらのことから、少なくとも、作業者は、ワークに対して行わせる加工の順序が適切か否か容易に確認することができる。
【0081】
上記サイクルタイムを、生産設備の仕様を決めるために設定されたパラメータを用いて算出するようにした場合には、そのサイクルタイムをより高精度に算出することができる。このため、作業者は、ワークに対して行わせる加工の順序が適切か否かの確認をより容易、且つ正確に行えるようになる。
【0082】
細分化した加工工程を単位として、その加工工程の加工を行ううえでの加工条件をプログラムから抽出するようにした場合には、作業者はその加工条件から、問題のある加工工程を特定したり、その対策を立てるようなことが更に容易、且つ正確に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるサイクルタイム算出装置が適用されたネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】プログラムの構成を説明する図である。
【図3】加工工程の分割方法を説明する図である。
【図4】切削、早送り、早戻しの識別方法を説明する図である。
【図5】加工工程の分割例を説明する図である。
【図6】1生産設備により加工されたワークを示す図である。
【図7】サイクルタイムの定義と計算方法を説明する図である。
【図8】サイクルタイム計算用データの取得方法を説明する図である。
【図9】1ラインのサイクルタイム算出処理のフローチャートである。
【図10】主軸を回転させて切削加工を行う生産設備を対象にしたサイクルタイム算出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
101 構内LAN
102 工場ローカルLAN
104 端末装置
108 ラインサーバ
109、110、123、134 アクセスポイント
120、130 生産ライン
121、131 生産設備
122、133 操作盤

Claims (7)

  1. ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するための方法であって、
    前記プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記プログラムブロックを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割し、
    該ブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の基本加工工程に対応したブロック群に分割し、
    該基本加工工程に対応したブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する、
    ことを特徴とするサイクルタイム算出方法。
  2. 前記基本加工工程に対応したブロック群のサイクルタイムは、前記生産設備の仕様を決めるために設定されたパラメータを用いて算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載のサイクルタイム算出方法。
  3. 前記サイクルタイムを積算して、前記生産設備が前記ワークの加工に要すると予測される時間を該生産設備全体のサイクルタイムとして算出する、
    ことを特徴とする請求項1、または2記載のサイクルタイム算出方法。
  4. 前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令は、前記ツールが切削用ツールであった場合に、該切削用ツールに切削のための動力の伝達を一時的に停止させる指令である、
    ことを特徴とする請求項1記載のサイクルタイム算出方法。
  5. 前記基本加工工程に対応したブロック群を単位として、該基本加工工程の加工を行ううえでの加工条件を前記ブロック群から抽出する、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のサイクルタイム算出方法。
  6. ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させるプログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する装置であって、
    前記プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記プログラムを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割する手段と、
    該分割された各ブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の前記基本加工工程に対応したブロック群に分割する手段と、
    該基本加工工程に対応した各ブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する手段と、
    を具備することを特徴とするサイクルタイム算出装置。
  7. ワークの加工のために生産設備を制御する制御装置に実行させる加工用プログラムを基に、該ワークを該生産設備が加工するうえで要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出する装置として用いるコンピュータに、
    前記加工用プログラムを構成するブロック中から、工具(ツール)を交換する指令を抽出することにより、前記加工用プログラムを1つ以上の、同一のツールを用いて前記ワークを加工するための前記ツール工程に対応したブロック群に分割するステップと、
    該分割されたブロック群毎に、前記ツールによる前記ワークへの加工を中断する指令を抽出することにより、該ブロック群を更に1つ以上の基本加工工程に対応したブロック群に分割するステップと、
    該基本加工工程に対応したブロック群を単位として、加工工程の加工を行うのに要すると予測される時間をサイクルタイムとして算出するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
JP2002114634A 2002-04-17 2002-04-17 サイクルタイム算出方法、及びプログラム Expired - Fee Related JP4253463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114634A JP4253463B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 サイクルタイム算出方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114634A JP4253463B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 サイクルタイム算出方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003308106A JP2003308106A (ja) 2003-10-31
JP4253463B2 true JP4253463B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=29396369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002114634A Expired - Fee Related JP4253463B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 サイクルタイム算出方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4253463B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106249697A (zh) * 2015-06-15 2016-12-21 发那科株式会社 具备工具寿命管理功能的数值控制装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106249697A (zh) * 2015-06-15 2016-12-21 发那科株式会社 具备工具寿命管理功能的数值控制装置
CN106249697B (zh) * 2015-06-15 2019-06-21 发那科株式会社 具备工具寿命管理功能的数值控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003308106A (ja) 2003-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6400998B1 (en) Generation of measurement program in NC machining and machining management based on the measurement program
CN112424710B (zh) 用于加工复合几何特征的策略的选择
JP4096743B2 (ja) サイクルタイム表示方法、サイクルタイム表示装置及びサイクルタイム表示プログラム
KR100421788B1 (ko) 엔시가공에있어서의엔시프로그램해석장치및가공방법
CN1630838B (zh) 数值控制方法及数值控制***
KR100766310B1 (ko) G 코드로부터 step-nc 파트 프로그램으로 변환하는 방법 및 기록매체
Luong et al. An integrated system for process planning and cost estimation in hole making
JPH09507439A (ja) 対話形機械制御装置及び方法
Kayacan et al. OPPS-ROT: An optimised process planning system for rotational parts
JP4253463B2 (ja) サイクルタイム算出方法、及びプログラム
JP4490634B2 (ja) 生産設備情報管理システム、生産設備情報管理方法、及びプログラム
CN116224902A (zh) 一种智能换刀决策控制***
JP4165404B2 (ja) 最適化装置、制御プログラム生成装置、プログラム
Joo et al. Efficient feature-based process planning for sculptured pocket machining
Agapiou Sequence of operations optimization in single-stage multifunctional systems
Derelİ* et al. OPPS-PRI 2.0: an open and optimized process planning system for prismatic parts to improve the performance of SMEs in the machining industry
JPH06119029A (ja) Nc加工におけるアプローチ経路およびリトラクト経路作成方法
JP2003305624A (ja) サイクルタイム算出方法、及び装置
JP2004240966A (ja) 加工仕様のパターン化方法、パターン化情報を用いた切削条件・サイクルタイム抽出方法、そのプログラム
Yeo A computer-aided and integrated machining system
JPS62208858A (ja) 自動加工機におけるパ−トプログラム作成装置
KR20200065933A (ko) 금형제작용 공작 측정관리 시스템
Mittal et al. A “micro” process planning system based on integer programming for prismatic parts produced on horizontal machining centers
Smith CNC Machining Technology: Volume I: Design, Development and CIM Strategies
JPH11245141A (ja) 加工ラインの工程設計自動化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070720

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080502

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081219

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees