JP4251541B2 - 容器殺菌装置の洗浄方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填・密封工程に向けて搬送中の容器の内外面を殺菌剤の噴霧と熱風の吹き付けにより予め殺菌しておくための容器殺菌装置に関し、特に、そのような容器殺菌装置について、該装置の非稼動時において上方からの洗浄液やリンス水等の液体の散布によって該装置を洗浄するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙やプラスチックを材料とするカップ状の容器(以下、カップ容器という)を、略無菌に近い高い空気清浄度の雰囲気が維持されている無菌エリア内で、容器を嵌入させる孔を開口させた搬送コンベア(リテーナー)により所定間隔に保持した状態で搬送しながら、容器内に内容物を充填してから容器の開口部を密封するような場合に、搬送コンベアにより充填・密封工程に向けて搬送中の空の容器に対して、その内外両面を過酸化水素水等の殺菌剤により予め殺菌しておくということが従来から行なわれており、具体的には、略無菌に近い高い空気清浄度の雰囲気が維持されているクリーンブース内で、充填・密封工程に向けて搬送中のカップ容器に対して、容器の上方と下方から、ガス状にした殺菌剤(過酸化水素水等)を容器の内外両面に噴霧してから、加熱された無菌エア−(略無菌に近い高い清浄度の空気)による熱風の吹き付けで容器の表面に付着した殺菌剤を乾燥除去することにより、充填前の空の容器を予め殺菌しておくということが従来から公知となっている(特許文献1,2等参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−68142号公報
【特許文献2】
特開2002−193221号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来公知のカップ容器の無菌充填ラインにおける容器の殺菌に関して、充填作業が終了してから容器殺菌装置を洗浄する場合に、従来は、無菌エリアであるクリーンブース内で、先ず、リンス水を散布して装置を予洗した後、アルカリ性の洗浄液を散布して装置を洗浄してから、再びリンス水を散布して装置に付着した洗浄液を洗い流した後で、加熱された無菌エアーの熱風により装置を乾燥させている。そのような容器殺菌装置の洗浄の際に、容器に向けて殺菌剤を噴霧するための噴霧ノズルや、容器に向けて熱風を吹き付けるための乾燥ノズルについては、その配管内に洗浄液やリンス水は流されず、無菌充填エリア内で洗浄液を洗い流すためのリンス水を散布した後で、無菌充填エリア内に流される無菌エアーの熱風により乾燥させている。
【0005】
なお、充填作業を終了した日の翌日が休日の場合には、容器殺菌装置を洗浄する際に、リンス水を散布して装置に付着したアルカリ性の洗浄液を洗い流した後で、更に、酸性の洗浄液の散布とリンス水による洗浄を行なってから、熱風により装置を乾燥させている。そして、ラインを稼働する前に、洗浄済みの殺菌装置に対して、更に、無菌エアーの熱風で装置を加熱してから、殺菌剤(過酸化水素水)を装置に噴霧した後、無菌エアーの熱風により装置に付着した殺菌剤を乾燥除去することで、装置の殺菌状態が確実なものとなるようにしている。
【0006】
そのようなカップ容器の無菌充填ラインに設置される容器殺菌装置の洗浄において、容器の外面側に殺菌剤を噴霧するためのノズルや、容器の外面側に無菌エアーの熱風を吹き付けるためのノズルは、容器の底面側から上方に向けて噴霧や吹き付けを行なうために、ノズルが上方に向かって開口しているのに対して、上記のように上方から洗浄液やリンス水を散布して容器殺菌装置を洗浄する場合には、上方へ向かって開口したノズルの内部に洗浄液やリンス水が侵入して、その後に熱風で装置を乾燥させたときに、ノズル内に侵入した洗浄液やリンス水が堆積物となって残留することとなり、その結果、ノズルを腐食させたり、ノズルを詰まらせたりする虞が生じる。
【0007】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするもので、具体的には、カップ容器の内外面に殺菌剤を噴霧したり熱風を吹き付けたりする容器殺菌装置について、装置を洗浄する際に洗浄液やリンス水がノズル内へ侵入することのないようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、搬送中の容器の内外面に殺菌剤を噴霧してから容器に付着した殺菌剤を熱風の吹き付けにより乾燥除去するような容器殺菌装置を、非稼動時に上方からの液体の散布により洗浄するための方法として、殺菌剤の噴霧や熱風の吹き付けのために該装置に設けられた各ノズルのうちの少なくとも上方に向かって開口するノズルで、洗浄開始から洗浄完了までの間、略無菌状態に清浄化された空気を該ノズルから噴出させておくようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
上記のような方法によれば、装置を洗浄する際に、装置のノズルが上方に向かって開口していても、洗浄開始から洗浄完了までの間、該ノズルから空気を噴出させていることで、洗浄のために散布された洗浄液やリンス水等の液体が該ノズルの内部に侵入するようなことはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の容器殺菌装置の洗浄方法の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態について、図1は、カップ容器の無菌充填ラインの全体を概略的に示し、図2は、カップ容器の無菌充填ラインに設置された内外面殺菌装置の要部を側方(搬送方向と直交する方向)から見た状態で示し、図3は、内外面殺菌装置の殺菌剤噴霧エリアでの殺菌剤噴霧用ノズルの配管や洗浄用ノズルの配管等の配置状態を正面(搬送方向)から見た状態で示し、図4は、殺菌剤噴霧用ノズルの配管の一部を拡大して示すものである。
【0011】
カップ容器の無菌充填ラインについて、本実施形態では、図1に示すように、積み重ねられた状態から分離されてラインに供給された各容器(図示せず)について、搬送コンベア(リテーナー)3により複数列(例えば、図3に示すような7列)で連続して搬送しながら、容器の重なりを検出して重なった容器を分離除去する装置4と、容器から静電気を除電して容器に付着した粉塵をバキュームで除去する装置5を通過させてから、容器の内面側に殺菌剤を付着させてから熱風乾燥して無菌エアーで冷却する内面殺菌装置6と、容器の内外両面に殺菌剤を付着させてから熱風乾燥して無菌エアーで冷却する内外面殺菌装置7とを順次通過させた後、殺菌済みの空の容器に対して充填装置8により内容物を容器内に充填している。
【0012】
次いで、充填装置8で内容物が充填された各容器について、ガス置換装置9により容器のヘッドスペースの空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換してから、容器の開口フランジ部にフィルム12を線状に溶着するリッド線溶着装置10と、容器の開口フランジ部にフィルム12を面状に溶着してから切断するリッド溶着切断装置11とを順次通過させることで、フィルム供給コイル13から繰り出されて殺菌槽14で殺菌液に浸漬され乾燥装置15で熱風により乾燥された殺菌済みのフィルム12によって、容器の開口部をフィルム状のリッド(蓋)で密封した後、リッド部分が打ち抜かれた使用済みのフィルムをフィルム巻取コイル16に回収する一方、リッドで密封された容器を、リッドシール密封検査装置17を通過させてから、容器排出装置18により搬送コンベア3から排出してラインから搬出している。
【0013】
上記のような無菌充填ライン1は、図示していない付属部分を含む全体がクリーンルーム(クラス10,000より空気清浄度の高い室)の内部に設置されており、その主要部分の大部分(図1において一点鎖線で囲んだ部分)が、空気清浄度が高レベル領域であるクリーンブース(クラス100より空気清浄度の高い室)の内部に設置されている。
【0014】
なお、無菌充填ラインでのカップ容器の搬送については、上記のように幅方向で複数個の容器を同時に進行させる多列搬送によるのが効率的であるが、場合によっては単列搬送としても良く、充填や密封についても、幅方向で横一列(単列搬送の場合は1個)ずつ行うようにしても良いし、搬送方向と幅方向でそれぞれ複数個(単列搬送では搬送方向で複数個)ずつ行うようにしても良いが、何れにしても、充填や密封を行う時に容器の搬送を一時的に停止させるために、容器は間欠的に進行するように搬送されている。
【0015】
また、カップ容器の搬送に使用される搬送コンベアについては、従来から広く知られた構造のものであり、各カップ容器を所定の間隔で保持するリテーナー(保持具)の機能を有するものであって、図示していないが、搬送コンベアの幅方向と長さ方向のそれぞれで所定間隔で設けられた複数の孔にカップ容器を嵌入させて、カップ容器の上端にある開口フランジ部を搬送コンベアの搬送面上に載置した状態で、多数のカップ容器を所定の間隔で搬送するようにしたベルトコンベアである。
【0016】
上記のようなカップ容器の無菌充填ライン1において、充填装置8による充填工程では内容物を充填するために、また、リッド線溶着装置10及びリッド溶着切断装置11による密封工程では容器開口部をシールで密封するために、容器の進行を一時的に停止させているが、そのような容器の進行停止の間に、内面殺菌装置6及び内外面殺菌装置7による容器殺菌工程では、停止している個々のカップ容器に向けて、噴霧ノズルからガス状にした殺菌剤(例えば、濃度35%の過酸化水素水)を噴霧してから、熱風によりカップ容器を加熱する(例えば、240℃の熱風により加熱時間6秒で容器自身の到達温度が80℃となるように加熱する)ことで、カップ容器の内外両面を殺菌している。
【0017】
すなわち、内面殺菌装置6では、先ず、殺菌剤噴霧エリアで、容器の上方に配置された殺菌剤噴霧用ノズルによりガス状の殺菌剤をカップ容器の内面側に向けて噴霧してから、次いで、熱風乾燥エリアで、容器の上方に配置された熱風供給用ノズルにより熱風を吹き付けて加熱することにより、加熱した殺菌剤により容器を殺菌すると共に容器に付着した殺菌剤を蒸発させて除去しており、最後に、冷却エリアで、加熱された容器を冷却装置から吹き出される無菌エアーにより冷却している。
【0018】
また、内外面殺菌装置7では、先ず、殺菌剤噴霧エリアで、容器の上方と下方に配置されたそれぞれの殺菌剤噴霧用ノズルによりガス状の殺菌剤をカップ容器の内面側と外面側に向けてそれぞれ噴霧してから、次いで、熱風乾燥エリアで、容器の上方と下方に配置されたそれぞれの熱風供給用ノズルにより熱風をそれぞれ吹き付けて加熱することにより、加熱した殺菌剤により容器を殺菌すると共に容器に付着した殺菌剤を蒸発させて除去しており、最後に、冷却エリアで、加熱された容器を冷却装置から吹き出される無菌エアーにより冷却している。
【0019】
具体的には、内外面殺菌装置7では、図2に示すように、殺菌剤噴霧エリア内の3個所のポートにおいて、容器2の中央軸線と一致した軸線上に位置する上側の殺菌剤噴霧用ノズル21と下側の殺菌剤噴霧用ノズル22のそれぞれで、0.2MPaの圧力でガス状の殺菌剤を噴霧してから、熱風乾燥エリア内の4個所のポートにおいて、上側の熱風供給用ノズル23と下側の熱風供給用ノズル24のそれぞれで、100℃を越える温度に加熱された無菌エアーの熱風を風速15m/sの強さで吹き付けて、容器2に付着した殺菌剤を乾燥させて除去した後、冷却エリアにおいて、冷却装置25により上方から常温の無菌エアーを吹き付けて容器2を冷却してから、充填行程(充填装置8)に向けて殺菌済みの容器2を送っている。
【0020】
なお、この内外面殺菌装置7では、カップ容器2のフランジ部の裏側に対しても殺菌剤の噴霧や熱風による乾燥を確実に行うことができるように、左右一対の丸棒からなるガイド30によりカップ容器2の底部を持ち上げるように案内することで、カップ容器2のフランジ部を搬送コンベア(リテーナー)3から浮かせるようにして搬送しており、ガイド30の左右一対の丸棒の間隔を搬送方向で変えていることにより、カップ容器2の底部の全面に対して残すこと無く殺菌剤の噴霧や熱風の吹き付けを行えるようにしている。
【0021】
容器殺菌工程の各装置6,7で噴霧されるガス状の殺菌剤については、コンプレッサーの駆動によりフィルターとレギュレーターとソレノイドバルブを通して供給される無菌エアーと、貯留タンクからポンプの駆動により供給される液状の殺菌剤(例えば、濃度35%の過酸化水素水)とを、二流体ノズルを通して混合した状態(液状殺菌剤を霧状にした状態)としてから、高温のスチームが通る加熱室で囲まれたガス化室の内部に導入して、ガス化室の内部で霧状の殺菌剤を加熱してガス状に蒸発させたものである。
【0022】
そのようなガス状の殺菌剤の噴霧については、既に述べたように充填・密封を行う時に容器の進行を一時的に停止するように搬送コンベアを間欠的に駆動させているのに対して、内面殺菌装置6と内外面殺菌装置7のそれぞれにおいて、容器の進行が一時的に停止されるタイミングに合わせて、それぞれの殺菌剤噴霧用ノズルからガス状の殺菌剤を間欠的に噴霧するようにしている。すなわち、制御装置(制御盤)からの信号によりソレノイドバルブやポンプの駆動を制御することで、各殺菌剤噴霧用ノズルからのガス状の殺菌剤の噴霧量と噴霧タイミングを制御するようにしている。
【0023】
二流体ノズルを通して混合された霧状の殺菌剤を加熱してガス状に蒸発させるためのガス化室と加熱室の具体的な構造については、特に限定されるものではなく適宜の構造として実施することが可能であるが、本実施形態では、二流体ノズルよりも下流側に配管されている殺菌剤噴霧用ノズルへの配管の適所を内側管と外側管とによる二重管構造として、内側管の内部の供給通路をガス化室にすると共に、内側管と外側管の間の空間部を加熱室にしており、内側管と外側管の間の空間部に高温のスチームを通して内側管の内部を加熱することで、内側管の内部を通って殺菌剤噴霧用ノズルに送給されている無菌エアー中の霧状の殺菌剤をガス状の殺菌剤に変えている。
【0024】
すなわち、容器殺菌工程のうちの内外面殺菌装置7について見ると、図4に示すように、各殺菌剤噴霧用ノズル21,22の配管26,27がそれぞれ内側管と外側管とによる二重管構造となっており、下側のノズル22の配管27について説明すると(上側のノズル21の配管26についても同様であるため、配管26についての説明は省略する)、内側管27aと外側管27bの間の空間部27dが加熱室になっていて、この空間部27dに高温のスチーム(過熱水蒸気)を通して内側管27aの内部27cを加熱することで、内側管27aの内部27cを通って殺菌剤噴霧用ノズル22に送給されている無菌エアー中の霧状の殺菌剤をガス化した状態にすると共にガス化した状態を保持するようにしている。なお、内側管と外側管の間の空間部(加熱室)に通す熱源については、ドレンの発生するスチーム(過熱水蒸気)に変えて、加熱し易く制御し易いオイルにしても良い。
【0025】
そのように各殺菌剤噴霧用ノズル21,22の配管26,27が二重管構造となっている内外面殺菌装置7には、図3に示すように、上側の殺菌剤噴霧用ノズル21の配管26(又は、下側の殺菌剤噴霧用ノズル22の配管27、或いは、両方の配管26,27であって良い)に対して、噴霧する殺菌剤の温度を管理するために、外側管(加熱室)の温度を検出するための温度センサー31が設置されていると共に、各配管のノズルでの目詰まりを検知するために、内側管の内部の圧力を検出するための圧力センサー32が設置されている。そして、下側の殺菌剤噴霧用ノズル22の配管27に対しては、自動開閉バルブ34により開閉する高圧無菌エアー供給配管33が接続されている。
【0026】
また、この内外面殺菌装置7には(内面殺菌装置6についても同様であるが)、該装置7を洗浄するために、該装置7の上方(装置7を覆っているハウジンク部分の天井付近付近)に、洗浄液とリンス水を散布するための洗浄用配管35が、装置7の幅方向(搬送方向と直交する方向)に延びる状態で、搬送方向で適宜の間隔を置いて複数本設置されており、この洗浄用配管35の両端部付近には、横方向に洗浄液やリンス水を散布して雨のように落下させるように洗浄用ノズル36が設けられている。
【0027】
上記のように洗浄用配管35及び洗浄用ノズル36が設けられている容器殺菌工程の各装置6,7では、ラインの稼動が終了して容器が完全に排出された状態で各装置6,7を洗浄する場合には、装置の上方(ハウジング部分の天井付近)に設置された洗浄用配管35の両端部に設けられた洗浄用ノズル36からの散布(それぞれのノズル36が装置の幅方向の略半分の領域をカバーするように散布する)により、先ず、40〜60℃に加温されたリンス水を5分間程散布してから、次いで、アルカリ性の洗浄液を15分間程散布した後で、更に、40〜60℃に加温されたリンス水を5分間程散布して装置に付着した洗浄液を洗い流している。
【0028】
そして、そのような洗浄液やリンス水の散布が終了した後で、洗浄用ノズル36から80℃に加温した無菌エアーを噴出させると共に、殺菌剤噴霧用ノズル21,22や熱風供給用ノズル23,24のそれぞれの配管26,27,28,29の内部にも80℃に加温した無菌エアーを5分間程流して、装置内に残留した水分を完全に乾燥除去することで、ラインの稼働が終了した後での容器殺菌工程の各装置6,7の洗浄を終了している。
【0029】
なお、そのような容器殺菌工程の各装置6,7の洗浄において、ラインの稼動を終了した日の翌日が休日になっている場合には、上記のような装置の洗浄において、装置に付着したアルカリ性の洗浄液をリンス水により洗い落した後で、更に、70℃程に加温した酸性の洗浄液を15分間程散布することを付け加えてから、その後で、40〜60℃に加温されたリンス水のによる5分間程の洗浄と、80℃に加温した無菌エアーによる5分間程の乾燥とを行なっている。
【0030】
ところで、容器殺菌工程のうちの内外面殺菌装置7では、容器の外面側に殺菌剤を噴霧するための下側の殺菌剤噴霧用ノズル22や、容器の外面側に熱風を吹き付けるための下側の熱風供給用ノズル24が、何れも、上方に向かって開口していることから、上記のような各装置6,7の稼動終了後の洗浄の際に、上方から散布された洗浄液やリンス水が、上方に向かって開口している各ノズル22,24の内部に侵入する虞があって、そのようにノズル内に洗浄液やリンス水が侵入することにより、その後の熱風による装置の乾燥によってノズル内に侵入した洗浄液やリンス水が堆積物となって残留し、それによって、ノズルを腐食させたり、ノズルを詰まらせたりするという問題が起きることがある。
【0031】
これに対して、本実施形態の方法では、上記のような容器殺菌工程の各装置6,7の洗浄において、洗浄開始から洗浄完了までの間、即ち、リンス水の散布から始まって洗浄液を洗い流したリンス水の乾燥が完了するまでの間、少なくとも内外面殺菌装置7に設けられた下側の殺菌剤噴霧用ノズル22や下側の熱風供給用ノズル24のそれぞれの配管27,29の内部に無菌エアーを流入させて、それらのノズル22,24から無菌エアーを噴出させていることで、上方へ向かって開口したノズル22,24の内部に洗浄液やリンス水が侵入しないようにしている。
【0032】
なお、殺菌剤噴霧用ノズル22については、殺菌剤を0.2MPaの圧力で噴霧可能なものとなっているが、数々の実験の結果、該ノズル22の内部に洗浄液やリンス水が侵入しないようにするためには、該ノズル22から噴出させる無菌エアーの圧力を0.3MPa以上とすることが必要であると判明しており、その結果、殺菌剤噴霧用ノズル22の本来の噴霧能力だけでは、上記のような洗浄時でのノズル22からの無菌エアーの噴出圧力が不足することとなるため、既に述べたように、下側の殺菌剤噴霧用ノズル22の配管27に対しては、自動開閉バルブ34により開閉する高圧無菌エアー供給配管33を新たに接続させて、この高圧無菌エアー供給配管33によって供給される無菌エア−を配管27内に流すようにしている。
【0033】
一方、下側の熱風供給用ノズル24についても、洗浄開始から洗浄完了までの間、配管29内に無菌エアーを流入させてノズル24から無菌エアーを噴出させることで、ノズル24内に洗浄液やリンス水が侵入するのを防止しているが、熱風供給用ノズル24の場合には、本来の熱風の噴出圧力が充分であることから、下側の熱風供給用ノズル24の配管29に対しては、新たに高圧無菌エアー供給配管を接続するようなことなく、乾燥用の無菌エアーをそのまま使用して流している。
【0034】
上記のような本実施形態の容器殺菌装置の洗浄方法によれば、容器殺菌工程のうちの内外面殺菌装置7において、容器の外面側に殺菌剤を噴霧したり熱風を吹き付けたりするためのノズル(下側のノズル)22,24がそれぞれ上方に向かって開口しているにもかかわらず、装置の洗浄時にそれらのノズル22,24の内部に洗浄液やリンス水が侵入するのを確実に阻止することができる。
【0035】
以上、本発明の容器殺菌装置の洗浄方法の一実施形態について説明したが、本発明の方法は、上記の実施形態に示した具体例にのみ限定されるものではなく、例えば、内外面殺菌装置7の下側の殺菌剤噴霧用ノズルについては、実施形態に示したような容器の底部の真下から殺菌剤を噴霧するものに限らず、容器の底部周辺の角部に向けて斜め上方に殺菌剤を噴霧するもの(特開2002−68146号公報参照)や、容器の下方から容器の側壁に沿うように略直線状に殺菌剤を噴霧するもの(特開2002−68142号公報参照)であっても良く、また、上記の実施形態では内外面殺菌装置7において容器の下方に配置されたノズル(下側の殺菌剤噴霧用ノズルと下側の熱風供給用ノズル)でだけ洗浄中に無菌エアーを噴出させているが、場合によっては、内外面殺菌装置7(及び、内面殺菌装置6)において容器の上方に配置されたノズル(上側の殺菌剤噴霧用ノズルと上側の熱風供給用ノズル)でも洗浄中に無菌エアーを噴出させるようにしても良い等、適宜に変更可能なものであることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の容器殺菌装置の洗浄方法によれば、上方から洗浄液やリンス水等の液体を散布して装置を洗浄する際に、装置のノズルが上方に向かって開口していても、該ノズルの内部に洗浄液やリンス水等の液体を侵入させるようなことはなく、その結果、ノズル内に侵入した液体が乾燥して残留した堆積物に起因して、ノズルの腐食が発生したり、ノズルの詰まりが発生したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器殺菌装置の洗浄方法の一実施形態に係るカップ容器の無菌充填ラインを概略的に示す側面説明図。
【図2】カップ容器の無菌充填ラインに設置されている容器殺菌装置(内外面殺菌装置)の要部を容器の搬送方向と直交する方向から見た状態で示す側面説明図。
【図3】容器殺菌装置(内外面殺菌装置)の殺菌剤噴霧エリアでの殺菌剤噴霧用ノズルの配管や洗浄用ノズルの配管等の配置状態を容器の搬送方向から見た状態で示す正面説明図。
【図4】殺菌剤噴霧用ノズルの配管の一部を拡大して示す縦断面説明図。
【符号の説明】
2 容器(カップ容器)
7 内外面殺菌装置(容器殺菌装置)
22 下側の殺菌剤噴霧用ノズル(上方に向かって開口しているノズル)
24 下側の熱風供給用ノズル(上方に向かって開口しているノズル)
27 下側の殺菌剤噴霧用ノズルの配管
33 高圧無菌エアー供給配管
34 自動開閉バルブ

Claims (2)

  1. 搬送中の容器の内外面に殺菌剤を噴霧してから容器に付着した殺菌剤を熱風の吹き付けにより乾燥除去するような容器殺菌装置を、非稼動時に上方からの液体の散布により洗浄するための方法として、殺菌剤の噴霧や熱風の吹き付けのために該装置に設けられた各ノズルのうちの少なくとも上方に向かって開口するノズルで、洗浄開始から洗浄完了までの間、略無菌状態に清浄化された空気を該ノズルから噴出させておくようにしたことを特徴とする容器殺菌装置の洗浄方法。
  2. 殺菌剤を噴霧するための各ノズルのうちの少なくとも上方に向かって開口するノズルの配管に対して、略無菌状態に清浄化された高圧の空気を供給する配管を、自動開閉バルブを介して接続させることにより、装置の洗浄時に、殺菌剤を噴霧する時の圧力よりも強い圧力で、該ノズルから空気を噴出させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の容器殺菌装置の洗浄方法。
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