JP4251527B2 - 光情報媒体の再生方法および再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報媒体に記録されている情報を再生する方法および再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報媒体には、コンパクトディスク等の再生専用光ディスク、光磁気記録ディスクや相変化型光記録ディスク等の書き換え可能型光記録ディスク、有機色素を記録材料に用いた追記型光記録ディスクなどがある。
【0003】
光情報媒体は磁気記録媒体に比べ一般に情報密度を高くすることができるが、近年、画像等の膨大な情報の処理のためにさらに情報密度を高くすることが必要とされている。単位面積あたりの情報密度を高くするためには、トラックピッチを狭める方法と記録マーク間やピット間を縮めて線密度を高くする方法とがある。しかし、再生光のビームスポットに対しトラック密度や線密度が高すぎる場合、C/N(carrier to noise ratio)が低くなってしまい、ついには信号再生が不可能となってしまう。信号再生時の分解能はビームスポット径によって決定され、具体的には、再生光の波長をλ、再生装置の光学系の開口数をNAとしたとき、一般に空間周波数2NA/λが再生限界となる。したがって、再生時のC/N向上や分解能向上のために再生光の短波長化やNA増大が有効であり、多くの技術的検討がなされているが、これらを導入するためには様々な技術的課題を解決する必要がある。
【0004】
このような事情から、光の回折によって決定される再生限界(回折限界)を超えるための様々な方法、すなわち、いわゆる超解像再生方法が提案されている。
【0005】
最も一般的な超解像再生方法は、記録層に重ねていわゆるマスク層を設ける方法である。この方法では、レーザービームスポットの強度分布がガウス分布であることを利用して、マスク層にビームスポットよりも小さな光学的開口を形成し、これによりビームスポットを回折限界より小さく絞る。この方法は、光学的開口形成のメカニズムの違いにより、ヒートモード方式とフォトンモード方式とに大別される。
【0006】
ヒートモード方式では、マスク層のビームスポット照射部において、温度が一定値以上となった領域で光学特性が変化する。ヒートモード方式は、例えば特開平5−205314号公報に記載された光ディスクにおいて利用されている。この光ディスクは、情報信号に応じて光学的に読み出し可能な記録ピットが形成された透明基板上に、温度によって反射率が変化する材料層を有する。すなわち、この材料層がマスク層として働く。同公報において上記材料層を構成する材料として具体的に挙げられている元素はランタノイドであり、実施例ではTbを使用している。同公報記載の光ディスクでは、読み出し光が照射されたときに、上記材料層の反射率が読み出し光の走査スポット内で温度分布により変化し、読み出し後、温度が低下した状態で反射率が初期状態に戻り、再生時に上記材料層が溶融することはない。なお、ヒートモード方式としては、例えば特許第2844824号公報に記載されているように、アモルファス−結晶転移する材料をマスク層に用い、ビームスポット内の高温領域を結晶転移させて反射率を向上させることにより超解像再生を行う媒体も知られている。しかし、この媒体では、再生後にマスク層を再びアモルファスに戻す必要があるので、実用的とはいえない。
【0007】
ヒートモード方式では、光学的開口の寸法がマスク層の温度分布で一意的に決定されるため、媒体の線速度等の各種条件を考慮して再生光のパワーを厳密に制御する必要がある。そのため、制御系が複雑になり、媒体駆動装置が高価格になってしまう。また、ヒートモード方式では、繰り返し加熱によりマスク層が劣化しやすいので、繰り返し再生により再生特性が劣化しやすい。
【0008】
一方、フォトンモード方式では、マスク層のビームスポット照射部において、フォトン量が一定値以上となった領域で光学特性が変化する。フォトンモード方式は、例えば特開平8−96412号公報に記載された情報記録媒体、特開平11−86342号公報に記載された光記録媒体、および特開平10−340482号公報に記載された光情報記録媒体において利用されている。上記特開平8−96412号公報には、マスク層として、フタロシアニンまたはその誘導体を樹脂または無機誘電体に分散させたもの、および、カルコゲナイドからなるものが記載されている。また、上記特開平11−86342号公報では、上記再生光の照射により励起子のエネルギー準位に電子励起して光吸収特性が変化する禁制帯を有する半導体材料を含有する超解像再生膜をマスク層として用いており、マスク層の具体例としては、SiO2母材中にCdSe微粒子を分散させたものが挙げられている。また、上記特開平10−340482号公報では、照射された光の強度分布と透過した光の強度分布とが非線形に変化するガラス層をマスク層として用いている。
【0009】
フォトンモード方式の超解像再生媒体では、ヒートモード方式の超解像再生媒体と異なり、繰り返し再生による劣化が比較的生じにくい。
【0010】
フォトンモード方式において光学特性が変化する領域は、入射フォトン数によって決定される。そして、入射フォトン数は、ビームスポットに対する媒体の線速度に依存する。また、フォトンモード方式でも、光学的開口の寸法は再生光のパワーに依存し、過剰なパワーを与えると光学的開口が過大になってしまうため、超解像再生が不可能となる。したがって、フォトンモード方式においても、線速度に応じて、また、読み取り対象のピットおよび記録マークの寸法に応じて、再生光のパワーを厳密に制御する必要がある。また、フォトンモード方式では、マスク層構成材料を再生光の波長に応じて選択しなければならない、すなわち、多波長再生に適応しにくい、という問題もある。
【0011】
このような事情から、特開2001−250274号公報では、Si等の特定の材料から構成され、かつ前記特定の材料のそれぞれに対応した特定の厚さをもつ層(機能層)を有する媒体を提案している。この媒体では、光の回折によって決定される解像限界を下回る寸法のピットや記録マークを読み出すことが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001−250274号公報記載の媒体では、解像限界を下回る寸法のピットを再生する際に、40dB程度のCNR(carrier to noise ratio)が得られているため、実用的な利用が期待できる。ただし、同公報には、再生出力をより高くするための最適な方法は開示されていない。
【0013】
また、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.40(2001)pp.1624-1628には、前記特開2001−250274号公報記載の媒体を再生するに際し、ピットおよびスペース(隣り合う2つのピット間の領域)の配列パターンによっては、再生信号の一部が欠落することがある旨が報告されている。ピットおよびスペースが配列されてなるピット列は、通常、使用する変調方式に応じて長短様々な長さのピットおよびスペースを含み、これらが変調方式および記録情報に応じたパターンで配列したものである。再生信号の欠落が生じる配列パターンが特定されれば、欠落が生じる配列パターンが現れないように変調方式を工夫することもできるが、このような変調方式を用いると冗長度が増すため、媒体の大容量化には不利に働く。
【0014】
本発明の目的は、回折理論によって決定される解像限界付近の寸法または前記解像限界を下回る寸法をもつピットや記録マークを再生する際に、高い再生出力が得られ、また、正確な再生が可能な再生方法と、この再生方法に用いる装置とを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1)解像限界未満の寸法の短マーク及び短スペースを含むマークとスペースとが配列されてなるマーク列が存在する情報記録層を有する光情報媒体に対し、マーク列をレーザービームで走査し、反射したレーザービームの光量変化パターンに基づいて、マーク列を読み出す方法であって、
前記レーザービームの波長をλとし、レーザービームをマーク列に照射するための光学系の対物レンズの開口数をNAとしたとき、マークの最小長さMが0.25λ/NA未
満であり、
マーク列で反射したレーザービームに含まれる偏光成分とマーク列とのなす角の大きさをθとし、θが0°である偏光成分をx成分とし、θが90°である偏光成分をy成分、x成分の光量をX、y成分の光量をYとし、
マーク及び解像限界以上の寸法の長マークとの間に存在する短スペースに対応するX の強度変化が、見かけ上、欠落しているとき、−αYによって、X とY とに共通の強度変化パターンを、X の強度変化パターンから除いて、前記短マーク及び解像限界以上の寸法の長マークとの間に存在する短スペースに対応する強度変化が得られるようにαを決定し、このX−αYの変化を利用してマーク列を読み出す光情報媒体の再生方法。
(2)前記αを、前記長マークにおけるX/Yと等しいαLMとしたことを特徴とする請求項1の光情報媒体の再生方法。
(3)マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上90°未満である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を少なくとも利用してマーク列を読み出す上記(1)の光情報媒体の再生方法。
(4)マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上45°未満である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を少なくとも利用してマーク列を読み出す上記(1)の光情報媒体の再生方法。
(5)マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上5°以下である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を利用してマーク列を読み出す上記(1)の光情報媒体の再生方法。
(6)マーク列が、長さの相異なる複数種のマークと、長さの相異なる複数種のスペースとを含むものであり、
成分の光量変化パターンとy成分の光量変化パターンとの相違に基づいてマーク列を読み出す上記(1)〜(5)のいずれかの光情報媒体の再生方法。
(7)マーク列で反射したレーザービームから、θの相異なる2種の直線偏光を取り出し、
前記2種の直線偏光のうち、 成分を含み、且つ、θがより小さい直線偏光をx偏光とし、 成分を含み、且つ、θがより大きい直線偏光をy偏光としたとき、
x偏光の光量Xからy偏光の光量Yの倍数を減じた値であるX−αYの変化に基づいてマーク列を読み出すことにより、x偏光だけでは読み出せなかったマークおよび/またはスペースを読み出す請求項6の光情報媒体の再生方法。
(8)最長マークにおけるX/YをαLMとしたとき、X−αLMYの変化に基づいてマーク列を読み出す上記(7)の光情報媒体の再生方法。
(9)x偏光のθが0°以上45°未満であり、y偏光のθが45°超90°以下である上記(7)または(8)の光情報媒体の再生方法。
(10)x偏光のθが0°以上5°以下であり、y偏光のθが85°以上90°以下である上記(7)または(8)の光情報媒体の再生方法。
(11)マークが、情報記録層の形状変化および/または性質変化によって形成されたものである上記(1)〜(10)のいずれかの光情報媒体の再生方法。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかの再生方法に用いられる再生装置であって、少なくともx成分を含む直線偏光を検出する手段を有する光情報媒体の再生装置。
(13)θの相異なる2種の直線偏光を独立して検出する手段を有する上記(12)の光情報媒体の再生装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
本明細書におけるマーク列は、情報記録層に存在し、マークおよびスペース(隣り合う2つのマーク間の領域)が連なったものである。マーク列をレーザービームで走査すると、マークおよびスペースの配列に基づいてレーザービームの反射光量が変化する。このような反射光量変化をもたらすマークは、情報記録層の形状変化および/または性質変化によって形成することができる。情報記録層の形状変化によって形成されたマークとしては、例えば、再生専用型光ディスクにおけるピットが挙げられる。また、情報記録層の性質変化によって形成されたマークとしては、例えば、相変化型光記録ディスクに形成された非晶質記録マークが挙げられる。また、情報記録層の形状変化および性質変化によって形成されたと考えられるマークとしては、例えば、有機色素を含有する情報記録層を有する追記型光記録ディスクにおいて、情報記録層に形成されたピットが挙げられる。
【0017】
次に、回折理論によって決定される解像限界(以下、単に解像限界という)について説明する。解像限界は、再生に用いるレーザービームの波長およびレーザービーム照射光学系の対物レンズの開口数によって決定される。再生用レーザービームの波長をλとし、レーザービームを照射するための光学系の対物レンズの開口数をNAとしたとき、カットオフ空間周波数は2NA/λなので、マークとスペースとが同じ長さであるマーク列は、その空間周波数が2NA/λ(ラインペア/nm)以下であれば読み取り可能である。この場合、読み取り可能な空間周波数に対応するマーク長(=スペース長)は、
λ/4NA=0.25λ/NA
となる。したがって、最短マーク長MLが0.25λ/NA未満であるマーク列の読み出しが可能であれば、超解像再生が可能であるといえる。
【0018】
本発明の発明者らは、前記特開2001−250274号公報および前記Jpn.J.Appl.Phys.Vol.40(2001)pp.1624-1628に記載された媒体について、解像限界を下回る寸法の微小なマークおよびスペースからなるマーク列を読み出す超解像再生のメカニズムを研究するうちに、再生用レーザービームの電場ベクトルの振動方向(以下、偏光方向という)とマーク列とのなす角が、超解像再生に密接に関係することを見いだした。なお、以下の説明では、偏光方向とマーク列とのなす角の大きさをθで表す。本明細書では、θは鋭角とする。すなわちθは0〜90°の範囲にある。
【0019】
本発明の発明者らの実験によれば、解像限界を下回る寸法の微小なマークおよびスペースからなるマーク列を有し、かつ、超解像再生を可能とする機能層を有する媒体に対し、偏光方向がマーク列に平行であるレーザービーム(θ=0°)を用いて再生を行うと、マーク列の読み出しが可能であった。一方、この媒体に対し、偏光方向がマーク列と垂直であるレーザービーム(θ=90°)を用いて再生を行うと、マーク列の読み出しは不可能であった。
【0020】
以下、微小なマークおよびスペースからなるマーク列の再生が、再生用レーザービームの偏光方向に依存すること、および、この依存を利用して超解像再生を高出力かつ正確に行うために必要な信号処理方法について、シミュレーションを利用して説明する。
【0021】
このシミュレーションには、有限差分時間領域法を用いた。媒体は、表面にマーク列を有する基板の前記表面に、厚さ20nmのSi層を形成した構造とした。前記マーク列は、それぞれ長さ200nmの短マークおよび短スペースと、それぞれ長さ800nmの長マークおよび長スペースとを含むものとした。各マークは、深さ60nm、幅200nmのピットとした。ピットの端部は半円形とし、ピットの周壁は基板表面に垂直とし、Si層はピットの周壁にも20nmの厚さで存在するものとした。基板の屈折率は1.56とし、Siの複素屈折率は3.88+0.02iとし、空気の屈折率は1とした。読み出しに用いるレーザービームの波長は650nmとし、レーザービーム照射光学系の対物レンズの開口数は0.60とした。長マークおよび長スペースの長さは解像限界(0.25λ/NA=271nm)より大きく、短マークおよび短スペースの長さは解像限界より小さい。
【0022】
シミュレーションに際しては、媒体を平面寸法20nm×20nm、深さ3nmのメッシュに区切り、区切られた各区画について、レーザービームの照射により生じた媒体内部の電磁場の分布を求め、この分布に基づいてビームスポット内の全ての区画からの反射光量の合計を求めた。このシミュレーションでは、電磁場分布に依存する反射光量と、光の回折および反射に依存する反射光量との和が求まるが、媒体表面の凹凸による光の干渉に依存する反射光量は求めることができない。
【0023】
前記マーク列におけるマークおよびスペースの配列パターンは、図1(A)に示されるものとした。図1(A)において、符号SM、SS、LMおよびLSは、それぞれ短マーク、短スペース、長マークおよび長スペースである。
【0024】
このシミュレーションでは、マーク列からの反射光に含まれる偏光成分のうち、θが90°である偏光成分をy0成分とし、このy0成分の光量をY0とする。また、マーク列からの反射光に含まれる偏光成分のうち、θが0°である偏光成分をx0成分とし、このx0成分の光量をX0とする。
【0025】
0およびX0の強度変化を、それぞれ図1(B)および図1(C)に示す。図1(B)および図1(C)において、縦軸はそれぞれY0およびX0の強度を表し、横軸は、図1(A)に示すマーク列に対応する位置を表している。
【0026】
まず、図1(A)において、基板の中央付近に交互に並ぶ合計5つの短マークおよび短スペース(以下、短マーク−スペース列という)に注目する。この短マーク−スペース列の両側には、それぞれ長マークが存在する。Y0の強度変化を示す図1(B)では、短マーク−スペース列内の短マークに対応する強度変化は認められず、短スペースよりはるかに長いスペースが存在するようなブロードな強度低下が認められる。一方、X0の強度変化を示す図1(C)では、短マーク−スペース列内の2つの短マークに対応する強度低下が認められる。この結果から、解像限界より小さなマークを読み出すためには、少なくともx0成分を使用する必要があることがわかる。
【0027】
ただし、本来、短マーク−スペース列に対応して強度変化のピークが5つ存在するはずであるが、図1(C)には短マーク−スペース列に対応する位置に3つのピークしか認められない。この短マーク−スペース列のように、短スペースを介して長マークと隣り合う短マーク(以下、長マーク隣接短マーク)が存在するマーク列では、見かけ上、信号の欠落が生じる。具体的には、短マークと長マークとの間に存在する短スペースによる光量変化を、独立して検出することが不可能となる。したがって、このような信号欠落が生じるマーク列を読み出す際には、信号処理上の工夫が必要となる。
【0028】
次に、長マーク隣接短マーク付近において欠落した信号を、回復させる方法について説明する。
【0029】
0の強度変化を示す図1(C)では、短マーク−スペース列内において、短マークおよび短スペースに対応するX0強度変化パターンが、長マークおよび長スペースとは逆になっている。すなわち、長マークおよび長スペースでは、マークにおいて強度が上昇しスペースにおいて強度が低下しているが、短マーク−スペース列では、マークにおいて強度が低下しスペースにおいて強度が上昇している。そのため、短マーク−スペース列の両端に存在する短スペースによるX0強度増大が、長マークによるX0強度増大に埋もれてしまったものと考えられる。
【0030】
一方、Y0の強度変化を示す図1(B)では、短マーク−スペース列に対応する強度変化が認められないほかは図1(C)に類似する強度変化パターンとなっている。ただし、最大光量はY0がX0の約5倍となっている。この結果から、長マークおよび長スペースによる光量変化パターン、すなわちX0とY0とに共通する変化パターンを、図1(C)に示すX0の光量変化パターンから除く処理を施せば、短マーク−スペース列に対応する強度変化を抽出できると考えられる。そのためには、X0からY0の倍数を減じる減算処理を行えばよい。この減算処理におけるY0の倍数をαY0とすると、αは、短マークと長マークとの間に存在する短スペースによる光量変化が前記減算処理によって出現するように、媒体の構成およびマーク列の構成に応じて適宜決定すればよい。
【0031】
αの好ましい値は実験的に求めることもできるが、X0およびY0が図1(B)および図1(C)にそれぞれ示されるように変化する場合、αとして長マークにおけるX0/Y0を採用することが好ましい。この場合、長マークにおいては、X0−αY0=X0−X0=0となる。長マークにおけるX0/Y0をαLMとしたとき、X0−αLM0を図1(D)に示す。図1(D)の横軸は、図1(B)および図1(C)と同様に、図1(A)に示すマーク列に対応する位置を表している。αLMは、0.178である。
【0032】
0−αLM0は、長マークにおける反射光量を基準として、X0の強度変化パターンとY0の強度変化パターンとの相違を抽出することにより得られた値である。そのため図1(D)に示されるX0−αLM0には、図1(C)において大振幅の変化に埋没していた微小振幅の変化、すなわち短マーク−スペース列内の全てのマークおよびスペースによる強度変化が、明瞭に現れている。
【0033】
また、長スペースにおいてX0−αLM0>0であるため、図1(C)に示されるX0信号と比べ、長マークおよび長スペースの両者において強度変化のパターンが逆転している。すなわちX0−αLM0では、長マークにおいて強度が低下し長スペースにおいて強度が増大している。一方、短マーク−スペース列における強度変化パターンは、図1(C)と同様にマークで強度が低下しスペースで強度が増大するものとなっている。その結果、X0−αLM0では、長マーク、長スペースおよび短マーク−スペース列のすべてが、従来の光情報媒体の位相ピットと同様な光量変化パターンを示している。
【0034】
なお、X0−αLM0とする減算処理は、長スペースにおいてX0−αLM0>0となる場合に適用することが好ましい。
【0035】
前述したように、αLMはαの一例であり、X0およびY0が図1(B)および図1(C)にそれぞれ示されるように変化する場合であっても、αをαLM以外の値としてもよい。ただし、αを決定するに際しては、短マーク−スペース列においてマークで強度が低下しスペースで強度が増大する強度変化パターンが逆転しないように留意する必要がある。
【0036】
次に、図2(A)に示される配列パターンをもつマーク列について、上記と同様にしてシミュレーションを行った。結果を図2(B)、図2(C)および図2(D)に示す。図2(B)、図2(C)および図2(D)の縦軸は、Y0、X0およびX0−αLM0の強度をそれぞれ示し、横軸は、図2(A)に示すマーク列に対応する位置を示している。なお、この場合のαLMは、0.237である。
【0037】
図2(A)に示すマーク列において、中央付近に存在する2つの短マークと2つの短スペースとからなる短マーク−スペース列に注目する。この短マーク−スペース列では、本来、強度変化のピークが4つ存在するはずであるが、図2(C)には短マーク−スペース列に対応する位置に2つのピークしか認められない。具体的には、図1(C)と同様に短マーク−スペース列の一方の端部にある短スペースに対応する光量変化が欠落しているのに加え、他方の端部にある短マークに対応する光量変化も欠落している。この結果から、短マークを介して長スペースと隣り合う短スペース(長スペース隣接短スペース)が存在するマーク列でも、見かけ上、信号の欠落が生じることがわかる。具体的には、短スペースと長スペースとの間に存在する短マークによる光量変化を、独立して検出することが不可能となる。
【0038】
このような信号の欠落は、短スペースと長スペースとの間に存在する短マークによるX0強度増大が、長スペースによるX0強度低下に埋もれてしまったために生じたと考えられる。このことは、図2(D)に示されるX0−αLM0において、前記短マーク−スペース列に対応する4つのピークが全て明瞭に現れていることから明らかである。
【0039】
以上に説明した両シミュレーションの結果から、X0−αY0を利用することにより、x0偏光だけでは読み出せなかったマークおよび/またはスペースを読み出せることがわかる。
【0040】
これらのシミュレーションの結果から、前記機能層を有する媒体における超解像再生のメカニズムは、以下のように推定される。
【0041】
マークにおける反射率変化を利用して再生を行う媒体では、レーザービームでマーク列を走査して、マークおよびスペースの配列パターンに基づく反射光量の変化を検出することによりマーク列を読み出し、記録情報を再生する。しかし、解像限界を下回る配列間隔をもつマーク列に対しては、マークおよびスペースの配列パターンに対応する反射率変化を検出することができないため、再生が不可能である。
【0042】
一方、レーザービームがマーク列を走査すると、マーク形状(3次元的な形状を含む)、マークおよびスペースの寸法、マークおよびスペースの構成材料の屈折率などの各種条件に依存して、レーザービームの電場と媒体との間で相互作用が生じると考えられる。電場の局在は、マークの外周縁付近において特に強くなると考えられるため、レーザービームがマーク列を走査すると、上記相互作用はマークおよびスペースの配列パターンに応じて変化し、その変化は、反射光の光量変化パターンに反映されていると考えられる。
【0043】
上記相互作用は、前記シミュレーションで用いたSi層のように、超解像再生を可能とする機能層を設けた場合に特に強くなり、一方、Ag層のように超解像再生が不可能な層では生じないか、きわめて弱い。また、上記相互作用は、レーザービームの電場ベクトルの振動方向(以下、偏光方向ともいう)がマーク列と垂直である場合には、生じないかきわめて弱く、偏光方向がマーク列と平行である場合に強い。
【0044】
一方、図1(B)と図1(C)との比較から、前記相互作用とは異なる他の作用も存在すると考えられる。前記他の作用は、解像限界以上の寸法をもつ長マークにおいて反射光量を増大させ、解像限界以上の寸法をもつ長スペースにおいて反射光量を低下させる。ここでは、前記相互作用を第1の作用と呼び、前記他の作用を第2の作用と呼ぶ。第2の作用は、解像限界未満の小さいマークおよびスペースでは実質的に働かないと考えられる。
【0045】
図1(B)と図1(C)との比較から、第2の作用による反射光量は、長スペースにおいては偏光方向への依存が小さく、長マークにおいては偏光方向への依存が大きいことがわかる。ただし、第2の作用による光量変化パターンは、偏光方向には依存しない。すなわち、偏光方向によらず、長マークにおいて反射光量が増大し長スペースにおいて反射光量が低下している。
【0046】
第2の作用は、第1の作用に比べ反射光量に与える影響が大きく、かつ、反射光量変化の方向(低下または増大)に与える影響が第1の作用とは逆である。そのため、図1(C)に示されるように、短スペースでの第1の作用による光量変化が、この短スペースに隣接する長マークでの第2の作用による光量変化に隠されてしまう。また、図2(C)に示されるように、短マークでの第1の作用による光量変化が、この短マークに隣接する長スペースでの第2の作用による光量変化に隠されてしまう。したがって、長マークまたは長スペースに隣接し、かつ、短スペースと短マークとが合計でn個並ぶ短マーク−スペース列では、光量変化のピークがn−2個しか現れず、信号欠落が生じることになる。
【0047】
このようにして欠落した信号を回復するために、本発明では、第1の作用が実質的に短マークおよび短スペースだけで働き、かつ、第1の作用による反射光量変化パターンが偏光依存性をもつこと、および、第2の作用が実質的に長マークおよび長スペースだけで働き、かつ、第2の作用による光量変化パターンが偏光依存性をもたないことを利用して、x0成分の光量変化パターンからy0成分の光量変化パターンを除外することにより、x0成分の光量変化パターンに埋没していた第1の作用による光量変化を抽出する信号処理を施す。これにより、図1(D)および図2(D)に示されるように、短マーク−スペース列における信号欠落を防ぐことができる。
【0048】
前記シミュレーションの結果には、光の干渉による効果は含まれていない。前記シミュレーションにおける長マークは位相ピットとして機能し、長マークでは光の干渉により反射光量が低下する。一方、短マークは、光の干渉を利用して読み出すことはできない。実際に媒体を再生する際には、このような光の干渉による反射光量変化に、図1(B)、図1(C)および図1(D)にそれぞれ示される光量変化が加算される。
【0049】
0成分の実際の光量をXとすると、光量Xは、干渉による反射光量変化に図1(C)に示される光量変化パターンが重畳されたものとなる。したがって、光量Xの変化パターンには、長マークに対応して光の干渉によって生じた光量変化と、図1(C)に示される短マークに対応する光量変化とが共に現れるので、長マークおよび短マークを共に読み出すことができる。
【0050】
また、y0成分の実際の光量をYとすると、実際の光量X−αLMYは、干渉による反射光量変化(これは本来の(1−αLM)倍の強度となる)に、図1(D)に示される光量変化パターンが重畳されたものとなる。したがって、光量X−αLMYの変化パターンには、長マークに加え、短マーク−スペース列に含まれる全てのマークおよびスペースに対応する光量変化が共に現れるので、これらすべてを読み出すことができる。
【0051】
前記シミュレーションでは、ピットからなるマーク列について検証したが、本発明はピット以外のマークからなるマーク列、例えば相変化型光記録ディスクの結晶質記録層に形成された非晶質記録マークからなるマーク列の読み出しにも有効である。非晶質と結晶質とは複素屈折率が異なるため、記録層にレーザービームを照射すると、非晶質記録マークと周囲の結晶質との境界付近に強く電場が局在すると考えられる。この電場の局在は、ピットにおける電場の局在と同様に偏光方向に依存し、そのため、相変化型記録層でも、短マーク−スペース列において前記第1の作用による反射光量変化が生じる。一方、長マークでは、周囲の結晶質との反射率の違いによる反射光量低下が生じる。そのため、相変化型媒体に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0052】
前記シミュレーションでは、偏光依存性を際だたせるために、偏光方向がマーク列と平行なx0成分と、偏光方向がマーク列と垂直なy0成分とを用いた。しかし、マーク列で反射したレーザービームから任意に取り出した直線偏光は、いずれもx0成分とy0成分とが合成されたものと見なせる。したがって、マーク列で反射したレーザービームから取り出した、偏光方向とマーク列とのなす角の大きさが相異なる2種の直線偏光を用いれば、以下に説明するように本発明の効果は実現する。
【0053】
まず、前記2種の直線偏光のうちθがより小さいものをx偏光とし、θがより大きいものをy偏光とし、x偏光の光量をXとし、y偏光の光量をYとする。x偏光にはx0成分が少なくとも含まれ、y偏光にはy0成分が少なくとも含まれる。この場合、X−αYの変化には、x0成分の変化パターンから抽出された、x0偏光だけでは読み出せないマークおよび/またはスペースによる光量変化パターンが反映されている。したがって、X−αYを用いれば、x0成分の光量変化パターンとy0成分の光量変化パターンとの相違に基づいてマーク列を読み出すことが可能になるので、x偏光だけでは読み出せなかったマークおよび/またはスペースを読み出すことが可能となる。
【0054】
微小なマークの再生出力を高くするためには、x偏光のθが0°に近いほど、かつy偏光のθが90°に近いほど好ましい。具体的には、x偏光のθは好ましくは0°以上45°未満であり、そのときのy偏光のθは好ましくは45°超90°以下である。x偏光のθが0°でy偏光のθが90°であることが最も好ましいが、すなわちx0成分だけからなるx偏光とy0成分だけからなるy偏光とを用いることが最も好ましいが、x偏光のθが0°以上5°以下かつy偏光のθが85°以上90°以下であれば、微小なマークの再生出力を十分に高くすることができる。
【0055】
なお、マーク列からの反射光からθの相異なる2種の直線偏光を取り出すに際しては、偏光ビームスプリッタを用いることが一般であり、偏光ビームスプリッタにより分離された2種の偏光は、偏光方向が直交する。
【0056】
一方、図1(C)に示されるx0成分の光量変化の特徴だけを利用して読み出す場合、マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上90°未満である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を利用してマーク列を読み出せばよい。この直線偏光にはx0成分が含まれているため、この直線偏光の光量変化パターンは、図1(C)に示されるパターンを反映したものとなる。したがって、この直線偏光だけを用いた場合でも、x0偏光だけを用いた場合と同様に微小パターンの読み出しが可能である。微小なマークの再生出力を高くするためには、この直線偏光のθが0°に近いほど好ましく、具体的には好ましくは0°以上45°未満であり、より好ましくは0°以上5°以下であり、最も好ましくは0°である。
【0057】
本発明は、解像限界未満の寸法のマークを少なくとも含むマーク列の読み出しに有効である。すなわち、最短マーク長MLが0.25λ/NA未満であるマーク列の読み出しに有効である。ただし、レーザービームの偏光方向に依存する前記第1の作用は、マーク長が解像限界に近い値であれば、解像限界以上の寸法をもつマークにおいても比較的強く働く。また、その程度の寸法をもつマークは、通常の再生方法では再生出力を高くすることが困難である。したがって、本発明は、最短マーク長MLが解像限界(0.25λ/NA)以上であるマーク列の読み出しにも有効である。ただし、最短マーク長MLが大きすぎると前記第1の作用が弱くなってしまうので、最短マーク長MLは解像限界よりやや大きい0.36λ/NAを上限とし、好ましくは0.31λ/NA以下とする。
【0058】
本発明の再生方法を利用するためには、少なくともx0成分を含む直線偏光を検出する手段を有する再生装置を用いる。また、θの相異なる2種の直線偏光を用いてマーク列を読み出す場合には、θの相異なる2種の直線偏光を独立して検出する手段を有する再生装置を用いる。
【0059】
図3に、本発明の再生方法を実施するための再生装置の構成例を示す。この再生装置では、レーザーダイオードLDから出射された直線偏光は、偏光ビームスプリッタPBSおよび1/4波長板1/4WPを通過して円偏光となる。この円偏光のうちビームスプリッタBS内を直進した成分は、レンズ(Lens)によって媒体(Disk)表面に集光される。なお、ビームスプリッタBSは、偏光ビームスプリッタではなく、ハーフミラーと同様に光を2方向に分けるだけの機能をもつ。ビームスプリッタBSに入射した円偏光のうち図中上方向に反射された成分はビームストッパによって吸収されるので、装置内に散乱光が生じることはない。
【0060】
媒体表面で反射した円偏光のうち、ビームスプリッタBSによって図中下方向に曲げられた成分は、第2の偏光ビームスプリッタPBSに入射し、偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光に分けられ、それぞれの直線偏光はフォトダイオードPD1およびPD2に入射する。フォトダイオードPD1およびPD2からの信号を処理することにより、X−αYに基づいた再生が可能となる。
【0061】
一方、媒体表面で反射した円偏光のうち、ビームスプリッタBS内を直進した成分は、再び1/4波長板1/4WPに入射して直線偏光となり、この直線偏光は偏光ビームスプリッタPBSに入射して図中下側に反射され、フォトダイオードPD3に入射する。そのため、レーザーダイオードLDにレーザービームが戻ることはない。なお、フォトダイオードPD3を設けることは必須ではないが、フォトダイオードPD3は、トラッキングサーボやフォーカスサーボに利用することが可能である。
【0062】
図4に、本発明の再生方法を実施するための再生装置の他の構成例を示す。この再生装置において、レーザーダイオードLDから出射された直線偏光の偏光方向は、紙面に対して45°傾いている。この直線偏光のうちビームスプリッタBS内を直進した成分は、レンズ(Lens)によって媒体(Disk)表面に集光される。
【0063】
媒体表面で反射した直線偏光のうち、ビームスプリッタBSによって図中下方向に曲げられた成分は、偏光ビームスプリッタPBSに入射し、偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光に分けられ、それぞれの直線偏光はフォトダイオードPD1およびPD2に入射する。フォトダイオードPD1およびPD2からの信号を処理することにより、X−αYに基づいた再生が可能となる。
【0064】
次に、本発明の再生方法が適用される媒体の構成例について説明する。
【0065】
本発明が適用される媒体は、図1(B)および図1(C)に示すように、x0成分の光量変化パターンとy0成分の光量変化パターンとが異なるものであればよく、そのほかの構成は特に限定されない。このような媒体としては、例えば前記特開2001−250274号公報および前記Jpn.J.Appl.Phys.Vol.40(2001)pp.1624-1628に記載された媒体が挙げられる。
【0066】
これらの媒体は、特定の材料から構成され、かつ前記特定の材料のそれぞれに対応した特定の厚さをもつ層(機能層)を有するものである。前記特定の材料としては、例えば、Nb、Mo、W、Mn、Pt、C、Si、Ge、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、Sb、Ta、Al、In、Cu、Sn、Te、ZnおよびBiから選択される少なくとも1種の元素を含む単体もしくは合金またはその化合物が好ましい。合金または化合物としては、前記したように、結晶質−非晶質転移を利用する相変化材料も使用できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明では、解像限界付近の寸法または解像限界を下回る寸法をもつピットや記録マークを再生する際に、高い再生出力が得られ、また、再生信号の欠落を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、シミュレーションに用いたマーク列のパターンを示す断面図である。(B)は、y0成分の光量Y0を示すグラフである。(C)は、x0成分の光量X0を示すグラフである。(D)は、X0−αY0を示すグラフである。
【図2】(A)は、シミュレーションに用いたマーク列のパターンを示す断面図である。(B)は、y0成分の光量Y0を示すグラフである。(C)は、x0成分の光量X0を示すグラフである。(D)は、X0−αY0を示すグラフである。
【図3】本発明の再生装置の構成例を説明するための図である。
【図4】本発明の再生装置の他の構成例を説明するための図である。

Claims (13)

  1. 解像限界未満の寸法の短マーク及び短スペースを含むマークとスペースとが配列されてなるマーク列が存在する情報記録層を有する光情報媒体に対し、マーク列をレーザービームで走査し、反射したレーザービームの光量変化パターンに基づいて、マーク列を読み出す方法であって、
    前記レーザービームの波長をλとし、レーザービームをマーク列に照射するための光学系の対物レンズの開口数をNAとしたとき、マークの最小長さMが0.25λ/NA未
    満であり、
    マーク列で反射したレーザービームに含まれる偏光成分とマーク列とのなす角の大きさをθとし、θが0°である偏光成分をx成分とし、θが90°である偏光成分をy成分、x成分の光量をX、y成分の光量をYとし、
    マーク及び解像限界以上の寸法の長マークとの間に存在する短スペースに対応するX の強度変化が、見かけ上、欠落しているとき、−αYによって、X とY とに共通の強度変化パターンを、X の強度変化パターンから除いて、前記短マーク及び解像限界以上の寸法の長マークとの間に存在する短スペースに対応する強度変化が得られるようにαを決定し、このX−αYの変化を利用してマーク列を読み出す光情報媒体の再生方法。
  2. 前記αを、前記長マークにおけるX 0 /Y 0 と等しいα LM としたことを特徴とする請求項1の光情報媒体の再生方法。
  3. マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上90°未満である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を利用してマーク列を読み出す請求項1の光情報媒体の再生方法。
  4. マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上45°未満である直線偏光を取り出し、この直線偏光の光量変化を利用してマーク列を読み出す請求項1の光情報媒体の再生方法。
  5. マーク列で反射したレーザービームからθが0°以上5°以下である直線偏光を取り出
    し、この直線偏光の光量変化を利用してマーク列を読み出す請求項1の光情報媒体の再生方法。
  6. マーク列が、長さの相異なる複数種のマークと、長さの相異なる複数種のスペースとを含むものであり、
    0成分の光量変化パターンとy0成分の光量変化パターンとの相違に基づいてマーク列を読み出す請求項1〜のいずれかの光情報媒体の再生方法。
  7. マーク列で反射したレーザービームから、θの相異なる2種の直線偏光を取り出し、
    前記2種の直線偏光のうち、 成分を含み、且つ、θがより小さい直線偏光をx偏光とし、 成分を含み、且つ、θがより大きい直線偏光をy偏光としたとき、
    x偏光の光量Xからy偏光の光量Yの倍数を減じた値であるX−αYの変化に基づいてマーク列を読み出すことにより、x偏光だけでは読み出せなかったマークおよび/またはスペースを読み出す請求項6の光情報媒体の再生方法。
  8. 長マークにおけるX/YをαLMとしたとき、X−αLMYの変化に基づいてマーク列を読み出す請求項の光情報媒体の再生方法。
  9. x偏光のθが0°以上45°未満であり、y偏光のθが45°超90°以下である請求項またはの光情報媒体の再生方法。
  10. x偏光のθが0°以上5°以下であり、y偏光のθが85°以上90°以下である請求項またはの光情報媒体の再生方法。
  11. マークが、情報記録層の形状変化および/または性質変化によって形成されたものであ
    る請求項1〜11のいずれかの光情報媒体の再生方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかの再生方法に用いられる再生装置であって、
    少なくともx0成分を含む直線偏光を検出する手段を有する光情報媒体の再生装置。
  13. θの相異なる2種の直線偏光を独立して検出する手段を有する請求項12の光情報媒体の再生装置。
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