JP4248420B2 - 移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法 - Google Patents

移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線LAN技術を用いてアクセスする移動体通信ネットワークにおいて、特に適切な通信経路の確立のために必要なハンドオーバ制御方法に関する。
無線LANの各種規格では、ISOのOSI参照モデルの物理層(レイヤ1)とデータリンク層(レイヤ2)までの通信手段確立方法が規定されている。これに対して、ネットワーク層(レイヤ3)においては、インターネット標準のIPプロトコルが、現在のデータ通信ネットワークで最も普遍的に使用されるプロトコルとなっている。
当初のIPプロトコルは、有線ネットワークでの使用を前提とした開発当初の経緯から、IPアドレスを付与される端末が移動する状況でのモビリティ管理に関して不充分な面があった。しかし、現在に至るまで、こうしたした問題に対処すべく規格の拡張が進められており、この技術は一般にモバイルIPという名称で呼ばれている。
ここで、モビリティ管理という用語は、通信に関与する端末が移動する状況において、時間とともに変化する端末の位置に対応付けられる情報を管理するという意味で使用している。このとき、位置相当の情報と時刻相当の情報は、明示的に結び付けて管理してもよいし、そうでなくてもよい。移動端末(Mobile Host)が通信を行うそれぞれの時間にお
いて、確実に移動端末に情報を送り届けるために必要となる精度で移動端末の位置が把握されていることが、ここでいうモビリティ管理の本質である。
以下の説明では、移動端末の連続的な移動にともなって行う、ネットワーク要素への帰属関係を変更する処理をハンドオーバと呼ぶことにする。
モバイルIPを適用したネットワークでは、移動端末は移動先の新しいIPサブネットワークに帰属し、気付アドレスと呼ばれる一時的なIPアドレスを与えられると、これをネットワーク側に登録という形で伝える。これは、レイヤ3のハンドオーバを行っていることに相当する。ここで、IPアドレスのうちのネットワークアドレスを示す部分は、通常おおまかな位置に関連付けることができる。これにより、上記のレイヤ3のハンドオーバ、すなわちモバイルIPは、モビリティ管理としての側面も有することになる。
これに対して、レイヤ1ならびにレイヤ2のハンドオーバは、あくまで通信手段の確立としての意味合いが強く、モビリティ管理の概念と直接的に結び付けられるものではない。これは、一般的には、レイヤ2で用いる識別子に位置との相関がないことに起因している。
上述のモバイルIPによるレイヤ3ハンドオーバの処理は、レイヤ1及びレイヤ2ハンドオーバの処理とは独立していることが前提となっている。一般的には、下位のレイヤのハンドオーバが上位のレイヤのハンドオーバに先立つため、モバイルIPでは、処理を開始する前にレイヤ1、レイヤ2のハンドオーバ完了を待つ必要がある。また、通常レイヤ3の処理には、比較的長い時間を要する。これらのことから、モバイルIPでは、移動端末が高速に移動する場合への対処が難しい。
こうした状況に対し、レイヤ2ハンドオーバに関する情報をレイヤ3ハンドオーバ処理開始のトリガとして利用し、レイヤ2ハンドオーバの完了前の段階で処理を始める方法が提案されている。しかし、こうした手法はレイヤ3ハンドオーバ処理自体を軽減するものではないため、やはり移動端末の高速移動への対処は難しいといえる。
また、レイヤ3のハンドオーバを不要とし、レイヤ2までのハンドオーバのみを必要とするネットワーク構成をとることによって、ハンドオーバ処理の軽減を図ることも考えられる。つまり、レイヤ2スイッチングネットワークを地理的に広い範囲で構築し、移動通信用の中継ネットワークとして使用するというものである。このネットワークのアクセス区間において無線LANを使用する場合、各アクセスポイント(Access Point)は、レイヤ2スイッチのポートと接続されることになる。
一般にレイヤ2スイッチは、その適切なポートにフレームをスイッチングするための仕組みを備えている。このようなネットワークで、特に移動端末が高速に移動する状況に対処するためには、上記した仕組みが動的に再構成可能であるのみならず、移動端末にたどり着くことができるポートを、通信を行う各時間で正しく認識する必要がある。このことは、レイヤ2ハンドオーバにおいても、モビリティ管理の概念を取り入れることを意味する。
前述の状況を踏まえ、従来例について説明する。
(第1の従来例)
第1の従来例は、レイヤ2識別子としてIEEE802.1Qで規定されるVLAN IDを使用し、これを移動端末の位置と関連付けることである。
VLAN IDは、レイヤ2識別子として最も一般的に用いられているMACアドレス(物理アドレスとも呼ぶ)とは区別されるべきものであるので、ここではこれをラベルと呼ぶ。このとき、ネットワークではラベルによるスイッチングが行われることになる。
図30は、このようなレイヤ2ラベルスイッチングを用いたネットワーク300の全体構成を示す図である。
図30に示す各スイッチSWは、スイッチングの際に参照する、ラベル(VLAN ID)とスイッチSWのポートを対応付けたデータベース(以下、ラベルテーブルと呼ぶ)を持っている。ラベルテーブルは移動端末MHの移動にともなって変化するものではなく不変である。つまり、ラベルは、スイッチSWのポート、さらにはその先のアクセスポイントAPと静的に対応付けられている。また、ラベルは、各移動端末MHに重複がないように付与される。
移動端末MHは自身の移動にともなって帰属先のアクセスポイントAPを変更する必要があるが、この際に新しい帰属先となるアクセスポイントAPに対してネットワーク300との接続関係の確立のための登録要求を送る。登録要求を受けたアクセスポイントAPは、ネットワーク300に対して移動している移動端末MHのためのラベル割り当て要求を送り、その結果としてネットワーク300から新しいラベルを受け取る。アクセスポイントAPは新しいラベルを移動端末MHに通知することにより、以後この移動端末MHが関与する通信は新ラベルを用いて行われる。ネットワークでラベルの管理を担当するのはラベル制御装置301であり、これはネットワーク300上のどこに設置されてもよい。
前記したように、図30に示す方式では、ネットワーク300の各スイッチSWで保有するラベルテーブルは移動端末MHの移動にともなって変化するものではなく不変であり、ラベルはスイッチSWのポート、さらにはその先のアクセスポイントAPと静的に対応付けられている。したがって、ラベルは広い意味での位置情報に相当する。また、ラベル制御装置301は、移動する移動端末MHが帰属するアクセスポイントAPを認識してラベルを付与するため、結果的にラベル制御装置301で移動端末MHの位置を把握していることになる。したがって、この方式はレイヤ2ハンドオーバにともなって、ラベル制御装置における集中的なモビリティ管理を行う方式である(非特許文献1参照)。
(第2の従来例)
第2の従来例は、第1の従来例と同様に、レイヤ3においてルーティングに係わる処理
を行うことなく、高速に移動する移動端末MHのモビリティ管理を行うネットワーク構成とハンドオーバ方式である。図31を用いて第2の従来例について説明する。
図31は第2の従来例におけるネットワークの全体構成を示す図である。図31に示すネットワークは、例えば高速道路の料金所におけるノンストップ自動料金収受システムのように、1つのアクセスポイントAPでカバーする範囲が無線LAN等に比べて狭い、狭域通信のためのネットワークである。
図31に示すように、このネットワークでは、ゾーン制御装置313、315が自身の管理するゾーン312、314に属する複数のアクセスポイントAPを収容し、さらに上位にあるネットワーク制御装置311が全てのゾーン制御装置313、315を収容している。
図31に示すように、このネットワークにおいて、移動する移動端末MHと新しいアクセスポイントAPの間で接続が確保されると、アクセスポイントAPからゾーン制御装置315に対してこの移動端末MHの位置登録のための情報が送られ、さらにゾーン制御装置315からネットワーク制御装置311へと転送される。この位置登録情報には、移動端末MHの識別のための情報だけでなく、登録を行った時刻情報も含まれている。つまり、移動端末MHが移動するにつれて、その位置情報と時刻情報が関連付けられて、次々にこれらの情報がネットワーク制御装置に蓄積されていくことになる。
ネットワーク制御装置311は、こうした情報をもとに、移動端末MHの移動をある程度予測することができる。ネットワーク制御装置311で予測が行われると、その結果に基づいて、次に移動端末MHが入ると予測される単数又は複数のゾーン(312、314)に属する全てのアクセスポイントAPに向けて、必要な情報のマルチキャストが行われる。このような予測に基づく仕組みを取り入れることにより、ハンドオーバに係わる処理時間の短縮が図られている(特許文献1参照)。
(第3の従来例)
第3の従来例は、狭域通信のためのネットワークにおいてハンドオーバの処理に予測の要素を含める技術であり、具体的には、移動端末MHの位置を予め検知するための位置検知装置を設け、ここで検知した情報をもとに、次に使用すべきアクセスポイントAPを予測するものである。(特許文献2参照)
特開2002−152113号公報 特開2003−229801号公報 川上,飯野,鈴木,「広域イーサネット(登録商標)におけるモビリティ制御の検討」、電子情報通信学会技術研究報告 IA2002-24, pp.15-22,2002
第1の従来例では、VLAN IDをラベルとして用いるレイヤ2ラベルスイッチングネットワークにおいて、レイヤ2ハンドオーバにともなうモビリティ管理をラベル制御装置で集中的に行っている。そのため、ラベル制御装置での処理の集中による負荷の増大、あるいは非効率性という課題があった。
また、各スイッチで保有するラベルテーブルは静的であるため、例えばハンドオーバの処理中において、フレーム損失を最小限にとどめるために、いくつかの特定のポートにマルチキャストする状態をスポット的に作り出すというような、柔軟な制御は困難であるという課題があった。
また、例えばラベル制御装置に故障が発生するなどによってラベルの割り当てに不具合が発生した場合、たとえレイヤ1に異常がなくても、移動端末とネットワークとの間の接続が損なわれてしまうという課題があった。
さらに、ラベル割り当てによるレイヤ2ハンドオーバは、移動端末とアクセスポイント間の無線区間のハンドオーバ処理を軽減する効果を持たないため、移動端末が列車等で高速に移動する状況への対応は困難であるという課題があった。
第2の従来例では、狭域通信ネットワークにおいて位置情報を時刻情報と関連付け、ハンドオーバ処理に予測の要素を含めている。しかし、この技術では、ネットワーク制御装置に処理が集中するため、これを大規模なネットワークに適用すると負荷が大幅に増加する。また、予測先の複数ゾーンに属する全てのアクセスポイントに対して情報のマルチキャストを行うため、大規模ネットワークに適用すると、不要なトラフィックの増大によって帯域使用効率が大幅に損なわれる。こうしたことから、この技術を大規模ネットワークに適用することは困難であるという課題があった。
第3の従来例では、狭域通信ネットワークにおいて移動端末の位置を予め検知することによって、ハンドオーバの処理の予測を行っている。しかし、この技術を地理的に広範囲にまたがる大規模ネットワークに適用すると、予測の精度が劣化する。また、予測精度を上げるために位置検知装置の設置数を増やすと、本来のユーザトラフィックの転送処理に寄与しない装置数が増えることになる。こうしたことから、この技術を大規模ネットワークに適用することは困難であるという課題があった。
本発明は、第1の従来例で指摘した課題を解決するため、レイヤ2ハンドオーバにともなう処理の負荷を分散させるとともに、固定的なラベルテーブルによらない、柔軟なスイッチングの仕組みを導入することを目的とする。さらに、移動端末の高速移動に対処するために、無線区間のハンドオーバについても、ネットワーク側から積極的に関与する移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、第2及び第3の従来例で指摘した課題を解決するため、ハンドオーバ処理に予測の要素を含めることを、地理的に広範囲にまたがる大規模ネットワークにおいても問題なく行えるハンドオーバ制御方法を導入することを目的とする。
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請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、移動端末と、前記移動端末にネットワークヘの接続手段を与えるアクセスポイントと、フィルタリングデータベースを備え、前記フィルタリングデータベースの検索結果とユーザーフレームまたは制御フレームに含まれるレイヤ2情報とに基づいて、前記ユーザーフレームまたは制御フレームを適切なポートに転送するレイヤ2スイッチとから成る移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、上位にあるレイヤ2スイッチは、自身の保有するフィルタリングデータベースにおける移動端末のレイヤ2情報に関連するデータを利用することにより、前記移動端末が新しいアクセスポイントに無線リンクを切り替えるべきタイミングと、次に前記動端末の通信に使用すべきポートを把握し、前記レイヤ2スイッチ、自身の下位にあるレイヤ2スイッチだけで次に起こる切り替えの処理を完了できると判断した場合は、前記移動端末の通信に使用しているポートから下位のレイヤ2スイッチに向けて切り替え処理開始指示を前記制御フレームとして出力し、前記切り替え処理開始指示を受け取った下位のレイヤ2スイッチは、さらに下位のレイヤ2スイッチ又はアクセスポイントに向けて、その時点において前記移動端末の通信に使用しているポートから切り替え処理開始指示を転送し、前記切り替え処理開始指示の転送を繰り返すことにより、その時点で前記移動端末と無線リンクを確立しているアクセスポイントを経由して、前記移動端末に切り替え処理開始指示を伝え、最初に切り替え処理開始指示を出力したレイヤ2スイッチが、次に使用すべきポートから下位にあるレイヤ2スイッチに向けて、切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報をあわせた制御情報を前記制御フレームとして出力し、前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報を受け取った下位のレイヤ2スイッチは、さらに下位のレイヤ2スイッチ又はアクセスポイントに向けて、次に使用すべきポートから切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報をあわせて転送し、前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報の転送を繰り返すことにより、次に使用されるアクセスポイントに前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報を到達させ、前記切り替え処理開始指示を受け取った前記移動端末が、新しいアクセスポイントとの間で無線リンクを確立すると、フィルタリングデータベースの更新を行って、前記移動端末に前記ユーザフレームを転送するポートを把握する処理を実行し、新しい無線リンクが確立した事実を示す前記制御フレームが最初に切り替え開始処理を出力したレイヤ2スイッチに達するまで、新しく前記移動端末の通信に使用されるいくつかのレイヤ2スイッチのポートを順次経由して転送し、前記レイヤ2スイッチにおいては、前記事実の確認を契機として、前記移動端末に関するフィルタリングデータベースの更新を行い、前記移動端末に前記ユーザフレームを転送するポートを把握し、レイヤ2スイッチが、切り替え処理開始指示を受信もしくは最初に送信してから、新たな無線リンク確立の事実を示す前記制御フレームを受け取るまでの間に限って、自身の下位方向における、前記移動端末が通信に使用しているポートだけでなく、次に使用すべきと判断するポートにも同時に、前記移動端末に宛てる前記ユーザフレームを転送して、前記移動端末が無線リンクの確立先アクセスポイントの変更に際して、新旧2つのアクセスポイントから同時に前記ユーザフレームを受け取ることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、無線区間のハンドオーバについて、ネットワーク側から積極的に関与しモビリティ管理を実行するため、移動端末の高速移動にも対処することができる。
また、新旧2つのアクセスポイントから同時にユーザフレームを受け取るというバイキャストによるハンドオーバが実現できるため、ユーザフレーム損失を少なくすることができる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、移動端末と、前記移動端末にネットワークヘの接続手段を与えるアクセスポイントと、フィルタリングデータベースを備え、前記フィルタリングデータベースの検索結果とユーザーフレームまたは制御フレームに含まれるレイヤ2情報とに基づいて、前記ユーザーフレームまたは制御フレームを適切なポートに転送するレイヤ2スイッチとから成る移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、上位にあるレイヤ2スイッチは、自身の保有するフィルタリングデータベースにおける移動端末のレイヤ2情報に関連するデータを利用することにより、前記移動端末が新しいアクセスポイントに無線リンクを切り替えるべきタイミングと、次に前記動端末の通信に使用すべきポートを把握し、前記レイヤ2スイッチが自身の下位にあるレイヤ2スイッチだけでは次に起こる切り替えの処理を完了できないと判断した場合は、その時点において、前記移動端末の通信に使用しているポートから、下位にあるレイヤ2スイッチだけでなく、横方向リンクを介して1つ上位にあるレイヤ2スイッチに向けて切り替え処理開始指示を前記制御フレームとして出力し、前記レイヤ2スイッチと同一階層に属し、かつ次に使用されるべきポートを有する他のレイヤ2スイッチに、これら2つの当該レイヤ2スイッチ間を結ぶ横方向リンクを介して切り替え予告を前記制御フレームとして伝送し、新しい無線リンクが確立した事実を前記制御フレームとして、新しく前記移動端末の通信に使用されるいくつかのレイヤ2スイッチのポートと、記横方向リンクの両端のポートを順次経由して、最初に切り替え開始処理を出力したレイヤ2スイッチと、その1つ上位にあるレイヤ2スイッチに達するまで転送し、レイヤ2スイッチが、前記切り替え処理開始指示を受信もしくは最初に送信してから、新たな無線リンク確立の事実を示す前記制御フレームを受け取るまでの間に限って、前記横方向のリンクを除いて、前記移動端末が通信に使用しているポートだけでなく、次に使用すべきと判断するポートにも同時に、前記移動端末に宛てる前記ユーザフレームを転送して、前記移動端末が無線リンクの確立先アクセスポイントの変更に際して、新旧2つのアクセスポイントから同時に前記ユーザフレームを受け取ることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、横方向リンクを採用したため、無線リンクの確立先アクセスポイントの変更を迅速に促すことができる。
また、新旧2つのアクセスポイントから同時にユーザフレームを受け取るというバイキャストによるハンドオーバが実現できるため、ユーザフレーム損失を少なくすることができる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記移動端末に伝える切り替え処理開始指示の中で、新しく無線リンクを確立すべきアクセスポイントを指定するとともに、無線リンク確立に際して必要となる情報を予め通知することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、新しく無線リンクを確立すべきアクセスポイントを指定し、無線リンク確立に際して必要となる情報を予め通知するため、より迅速なアクセスポイントの切り替えが可能となる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記無線リンクの切り替えに際して、切り替え処理開始指示を受け取った前記移動端末が、新しい無線リンクヘの接続要求を行う前に、その時点で無線リンクを確立しているアクセスポイントに対して接続解除を通知することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、無線リンクを確立しているアクセスポイントに接続解除を通知するため、フィルタリングデータベースの当該移動端末に関して不要となる情報を迅速に消去することが可能となる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記無線リンクの切り替えに際して、古い方のアクセスポイントと直接接続されるレイヤ2スイッチが、新しい無線リンクが確立した事実を受け取ると、そのレイヤ2スイッチからそのアクセスポイントに向けて、すでに接続解除がなされたことを通知することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、すでに接続解除がなされたことを通知するため、古い方のアクセスポイントが移動端末に関して不要となる情報を迅速に消去することが可能となる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と有し、前記フィルタリングデータベースは、そのデータ構成に含まれているポート使用時間を管理する要素に基づいて、次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを計算によって決定することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、フィルタリングデータベースの各要素を用いることにより、モビリティ管理において、移動端末の位置変化予測の要素を取り入れることが可能となる。
(削除)
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また、ポート使用時間を管理する要素に基づいて、次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを計算によって求めるため、モビリティ管理において、移動端末の位置変化予測を迅速かつ正確に行うことができる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と有し、前記フィルタリングデータベースに基づいて、過去のポート使用時間と次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成し、作成した前記テーブルの検索を行うことによって、前記無線リンク切り替え処理の開始タイミングを決定することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、過去のポート使用時間と次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成するため、モビリティ管理において、移動端末位置変化予測を簡易に行うことができる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と、前記移動端末の移動スピードを、その大きさによって分類したいくつかのスピードクラスによって表す要素とを有し、前記移動端末のスピードクラスと次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成し、前記テーブルの検索によって、無線リンク切り替え処理の開始タイミングを決定することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、移動端末のスピードクラスと次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成するため、モビリティ管理において、移動端末位置変化予測を簡易に行うことができる。
請求項記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法は、複数のアクセスポイントの位置的な順序関係と、前記複数のアクセスポイントが接続されるレイヤ2スイッチのポートの順序関係を一致させるとともに、複数の下位のレイヤ2スイッチの位置的な順序関係と、前記複数の下位のレイヤ2スイッチが接続される上位のレイヤ2スイッチのポートの順序関係を一致させ、ある時点である移動端末の通信に使用されているポートの番号とフィルタリングデータベースを参照して得られた前記移動端末の直前使用ポートの番号とを比較し、前記移動端末の通信に使用すべきポートの番号を把握することを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、モビリティ管理において、移動端末の位置変化予測を迅速かつ正確に行うことができる。
本発明は、概して、無線LANのアクセスポイントと接続されたレイヤ2スイッチングネットワークにおいて、高速に移動する移動端末とネットワークの間のハンドオーバ処理及びそれにともなうモビリティ管理を、制御フレームの交換を用いて、各レイヤ2スイッチで分散的に行うものである。また、スイッチングのためのフィルタリングデータベースを適切に構成し、レイヤ2スイッチ間の適切な情報交換により、簡易な方法で移動端末の移動予測を行う。さらに、この移動予測の結果を、ネットワーク側から無線区間を通して移動端末に伝えることにより、ハンドオーバ処理をよりスムーズに行う。
なお、本発明では、移動端末の移動は、移動方向の変化や移動スピードの変化がゆるやかであることを仮定している。このような仮定は例えば列車内に移動端末が存在する場合などに成立する。
発明によれば、ハンドオーバについて、ネットワーク側から積極的に関与し、モビリティ管理を実行するため、移動端末の高速移動にも対処することができる。
また、バイキャストによるハンドオーバが実現できるため、ユーザフレーム損失を少なくすることができる。
また、横方向リンクを採用したため、無線リンクの確立先アクセスポイントの変更を迅速に促すことができる。
また、バイキャストによるハンドオーバが実現できるため、ユーザフレーム損失を少なくすることができる。
また、新しく無線リンクを確立すべきアクセスポイントを指定し、無線リンク確立に際して必要となる情報を予め通知するため、より迅速なアクセスポイントの切り替えを行うことができる。
また、フィルタリングデータベースにおいて、不要となる移動端末に関する情報を迅速に消去することが可能となる。
また、古い方のアクセスポイントにおいて、移動端末に関して不要となる情報を迅速に消去することが可能となる。
また、モビリティ管理において、移動端末の位置変化予測の要素を取り入れることが可能となる。
また、モビリティ管理において、移動端末の位置変化予測を迅速かつ正確に行うことができる。
概して、本発明によれば、レイヤ2スイッチングネットワークを、無線LANによってアクセスする移動体通信のための中継ネットワークとして、地理的に広範囲にわたって導入する場合、適切な通信経路確立のために必要となるハンドオーバ制御とモビリティ管理を、各レイヤ2スイッチで分散的に効率良く実行することが可能となる。
さらに、モビリティ管理に端末の移動を予測する要素を含めることによって、ネットワーク側から移動端末に向けてハンドオーバの指示を行うことができるため、ハンドオーバ処理時間を短縮することが可能となる。また、このとき、ユーザフレームを一時的にバィキャストする方式をとることにより、フレーム損失を少なくすることが可能となる。このため、端末が高速に移動する状況においても、通信遮断時間の少ない通信環境の提供が可能となる効果がある。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、実施形態を説明するための全ての図において、同一機能を有するものには同一符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。また、以下に述べる実施形態は、全ての請求項に対応する。
図1は、実施形態において使用する高速移動体通信のためのレイヤ2スイッチングネットワーク(以下、単にネットワークと称する)の全体構成を示す図である。図示するように、このネットワーク構成では、スイッチSWの種類を2つに分類している。すなわち、アクセスポイントAPと直接接続されるアクセススイッチAccessSW(Access SW1、SW2、SW3)と、トポロジ上の階層的にアクセススイッチAccessSWよりも上位に位置するコアスイッチCoreSW(Core SW1、SW2、SW3)である。これらのスイッチSW間における接続のトポロジは、図示するように、1つのコアスイッチCoreSW1を頂点とするスター型である。
なお、請求項に記載するレイヤ2スイッチは、例えば「アクセススイッチAccessSW」と「コアスイッチCoreSW」が相当する。
このようなネットワーク10において移動端末MHが移動する場合、無線区間の接続に用いるアクセスポイントAP(AP1,AP2…)が時間的に変化し、それにともなって移動端末MHに係わるフレームの転送に利用するスイッチ及びスイッチのポートも変化する。以下の説明では、この状態を表す場合、移動端末MHの帰属先が変化するという表現を用いる。これによれば、移動端末MHは移動とともに、無線区間のアクセスポイントAPの帰属先と、ネットワーク10のスイッチSWのポートの帰属先を順次切り替えていくといえる。このような帰属先の切り替えが、ハンドオーバに相当する。
上記のようにスイッチSWの種類を区別するのは、それぞれが係わるハンドオーバの時間スケールが異なるためである。すなわち、アクセススイッチAccessSWにおいてはこれが比較的短い時間スケールで起こるのに対し、コアスイッチCoreSWにおいては比較的長い時間スケールで起こる。こうした違いは、求められる処理のスピードや頻度の差異となってあらわれる。
図2は、図1で示したスイッチSWの接続の形態を、スイッチSW内のポートを含めて示したものである。各アクセスポイントAPは、アクセススイッチAccessSWのポートと1対1で接続されている。このとき、これらのポートに付与される番号は、図示するように、例えば1、2、3、というように単調に増加(又は減少)する整数と仮定する。このようなポート番号の付与方法は、ごく一般的かつ自然なものである。コアスイッチCoreSWについても、同様にポート番号が付与されているものと仮定する。なお、図2において、各スイッチSWのポート数が全て同一になっているが、これは本発明を実施するときに本質的なことではなく、異なっていてもよい。
また、階層的に上位のスイッチSWに接続されるアップリンク側のポート数も、図示している1つに限られる必要はない。
各アクセスポイントAPを、いずれのアクセススイッチAccessSWのポートに接続するかについては、アクセスポイントAPの配置の位置的な順序関係と接続先ポートの順序関係が一致するように行う。これを行うためには、アクセスポイントAPの位置的な順序関係がはっきりしている必要がある。
例えば、列車内の移動端末MHからの移動通信を行うケースを考えると、アクセスポロジAPは線路に沿って配置されると想定されるため、上記の要件を満たしている。このようにポートの順序関係と位置的な順序関係を一致させることは、アクセススイッチAccessSWとコアスイッチCoreSWの間の接続においても同様に適用されるものである。
以上の接続形態の説明からわかるように、移動端末MHが急激に進行方向を変えずに移動する場合、移動端末MHの帰属先ポートは、時間とともに順番に変化していく。また、その際のポート番号の変化は、単調な増加(又は減少)となる。
図2で示すスイッチファブリック21(21a,21b,21c)は、ポート間のフレームスイッチングを実行する機能ブロックである。またフィルタリングデータベース22(22a,22b,22c)は、これを行う際に参照されるデータベースである。
フィルタリングデータベース22は、通常のイーサネット(登録商標)スイッチ(Ethernet-SW)などでも使用されている。イーサネット(登録商標)スイッチでは、各ポートで受信した有効なイーサネット(登録商標)フレームに含まれる、送信元のMACアドレスを取得することによって、動的にフィルタリングデータベース22を構築している。ここでいうフレームとは、ユーザトラフィックを運ぶフレーム(以下、ユーザフレームと呼ぶ)を指している。
本実施形態のスイッチSWにおいては、アクセスポイントAPから送信されるフレームをアクセススイッチAccessSWのあるポートで受信した場合、あるいは、階層的に下位のスイッチSWから送信されるフレームを上位のスイッチSWのあるポートで受信した場合に、そのフレームに含まれるレイヤ2識別子と受信ポート番号とを関連付けて、フィルタリングデータベース22に登録する。ネットワークの方から逆に移動端末MHに向けて、使用すべきレイヤ2識別子を付与するということはしない。
なお、「移動端末固有の物理アドレスに係わるフィルタリングデータベースの更新」、及び「レイヤ2ラベルに係わるフィルタリングデータベースの更新」は、前記した「フィルタリングデータベース22に登録」に相当する。
フレームの受信がフィルタリングデータベース22への登録のきっかけとなるという点は、上述のイーサネット(登録商標)スイッチにおけるMACアドレス取得方法に似た処理方法であるが、ユーザフレームだけではなく、ハンドオーバ時に送信される特定の制御フレームも、登録のために利用する点が異なっている。また、フィルタリングデータベース22の構成要素も、ハンドオーバ予測の概念まで含めたモビリティ管理を行うために、イーサネット(登録商標)スイッチなどにおけるものとは異なる形で定義している。
ここで、フィルタリングデータベース22ヘの登録に用いるレイヤ2識別子について説明する。これは、ハードウェアに固有のMACアドレスでもよいし、あるいはVLAN IDに代表されるようなラベルでもよい。一般的には、ラベルの方がその表現に必要なビット数が少ないため、特にスケーラビリティに問題がない場合は、これを用いた方が処理の負荷が軽減されるという利点がある。
MACアドレスを用いる場合は、移動端末MHに付与されている固有のものを使用する。一方、ラベルを用いる場合は、予め移動端末MHにこれを固定的に付与しておいてもよいし、ハンドオーバに際して新しく帰属先となったアクセスポイントAPが、そのつど移動端末MHのMACアドレスと関連付けてもよい。言い換えれば、ラベルの使用範囲は、移動端末MHまで含めてもよいし、アクセスポイントAPまでにとどめてもよい。
なお、「移動端末固有の物理アドレス」は、例えばMACアドレスに相当する。
なお、レイヤ2フレームにおいて、移動端末固有のMACアドレスの他に、カプセル化のために別のMACアドレスを設ける方法があるが、このカプセル化のためのMACアドレスはラベルとして分類されるべきものである。以下の説明では、レイヤ2識別子としてハードウェア固有のMACアドレスとラベルのいずれを使用するかの選択による差異は生じないため、特に限定はしないこととする。
このようにして、各スイッチSW自身でフィルタリングデータベース22の構築を行い、そしてそれに基づいて、そのスイッチSWの配下で必要なハンドオーバならびにそれに付随するモビリティ管理の処理を行う。すなわち、これは各スイッチSWによる分散処理と捉えることができる。以下、その詳細について説明する。
始めに、ハンドオーバに係わる処理手順について説明する。図3は、アクセスSWの配下にあるハンドオーバの制御法を示すものである。なお、図3は、バイキャスト(Bicast)の手法を用いることなく、ユニキャスト(Unicast)の手法だけを用いた例である。
図3(a)に示すように、移動端末MHは、ある時刻において、あるアクセスポイントAP及びそのアクセスポイントAPが接続されているアクセススイッチAccessSWのポートに帰属しているものとする。このとき、移動端末MHが送信元又は宛先となるユーザフレームは、上記したアクセスポイントAPとポートを通して転送される。図3(a)においては、この状態を太い実線で示している。その後、時間の経過とともに、移動端末MHは図示する移動方向に移動する。アクセススイッチAccessSWは、この移動の向きと、次のアクセスポイントAPならびにポートにハンドオーバすべき時刻を把握している。その把握の方法については後述するが、ここではこれを仮定して説明を続ける。
図3(b)に示すように、アクセススイッチAccessSWは、ハンドオーバ処理を開始すべき時刻に達すると、アクセスポイントAPに向けてこれを知らせるため、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)と呼ばれる制御フレームを送信する。この制御フレームを受信したアクセスポイントAPは、さらに移動端末MHに向けてリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)と呼ばれる制御フレームを送信する。
これを受信した移動端末MHは、無線区間におけるハンドオーバ処理を開始すべきであると判断し、それまで使用していたアクセスポイントAPとは異なるアクセスポイントAP、通常は隣に位置するアクセスポイントAPに帰属を要求する。このとき、移動端末MHは自力で次に使用すべきアクセスポイントAPの情報を検索してもよいし、あるいはリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームに次に使用すべきアクセスポイントAPの情報を含め、移動端末MHに指示してもよい。一般に、新しいアクセスポイントAPの情報を検索する処理は時間を要するため、後者のようにこれを省く方法の方が、よりスムーズなハンドオーバの実現のためには好ましい。ただし、後者の方法を実行するためには、例えばリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームに移動端末MHの移動方向を含め、これを受け取ったアクセスポイントAPが移動方向に基づいて次に使用すべきアクセスポイントAPを判断し、そしてリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームを用いて当該アクセスポイントAPの情報を移動端末MHに渡すというような手順が必要になる。あるいは、アクセススイッチAccessSWが、配下にあるアクセスポイントAPの情報を全て保有している場合は、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームに、次に使用すべきアクセスポイントAPの情報を含めてもよい。いずれにせよ、ネットワーク側のいくつかの装置において、アクセスポイントAPの情報を共有している必要がある。以下では、こうした方法については、特に限定しないで説明を行う。
図3(c)で、次に使用すべきアクセスポイントAPの情報を得た移動端末MHは、このアクセスポイントAPに対してアソシエーションリクエスト(Association Request)の制御フレームを送り、これによって新たな帰属を要求する。これに対して、アソシエーションリクエストを受けたアクセスポイントAPは、アソシエーションレスポンス(Association Response)の制御フレームを移動端末MHに返す。この制御フレームは、要求を受け入れることができる場合は成功、受け入れられない場合は失敗との意味の内容を持つものである。なお、通常の無線LANにおいては、このようなハンドオーバ時にいわゆる認証を行うプロセスが含まれることが多いが、本発明においては、これを含めても含めなくてもよい。以下では、説明を簡略化するため、認証プロセスを全て省略する。
上記した図3(c)におけるプロセスでは、移動端末MHと新アクセスポイントAPとの間の物理的な通信手段は確立しているものとしている。しかし、この段階ではまだレイヤ2まで含めたハンドオーバ完了とはなっていないので、ユーザフレームの送受信は実行できない。図3(c)において、この状態を点線で示している。
これに対して、新しいアクセスポイントAPが帰属要求を受け入れ、成功との内容のアソシエーションレスポンス(Association Response)の制御フレームを移動端末MHに返すと、この段階で無線区間のハンドオーバは完了し、この区間についてユーザフレーム送受信の準備が整う。さらに、新アクセスポイントAPがアクセススイッチAccessSWに向かってリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを送信し、この制御フレームを受信したアクセススイッチAccessSWは後述するフィルタリングデータベース22の内容を更新する。これによって、移動端末MHはアクセススイッチAccessSWのポートに関する帰属関係を更新し、これによってハンドオーバ処理を完了したことになる。これ以降、新しいポートとアクセスポイントAPを用いて、正しくユーザフレームの転送が行われる。図3(d)では、ハンドオーバ処理が完了した状態を実線で示している。
なお、「新たなアクセスポイントから、それが接続されたレイヤ2スイッチにその事実を伝送し」は、例えば「リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレーム」に相当する。
また、「フィルタリングデータベースの更新」は、例えば前記した「フィルタリングデータベース22を更新」に相当する。
また、請求項に記載する「切り替え処理開始指示」は、例えば「リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレーム」に相当する。
図3においては、(b)と(c)で示したハンドオーバ途中の段階において、移動端末MH宛てのユーザフレームは、古いポート及び古いアクセスポイントAPを介して送られ続けている。つまり、移動端末MHがリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームを受け取って無線区間のハンドオーバ処理を開始してから、スイッチSWがリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを受信してフィルタリングデータベース22を書き換えるまでの間は、フレーム損失が発生していることになる。
これを防ぐためにはバイキャスト(Bicast)と呼ばれる方法が有効である。これは、ユーザトラフィックの転送に際して特定の2つのポートを同時に使用する、マルチキャストの特殊な形態である。これを用いたハンドオーバ処理手順を図4に示す。
図4において、ハンドオーバに係わる制御フレームの送信手順やそこに含まれる内容は、図3に示すものと同一である。異なるのは、図4(b)と図4(c)に示すように、ハンドオーバを処理している途中の段階で、一時的にバイキャストの状態を設けている点である(図示するように、太線が2つのポートから出ている)。図4(d)に示すように、全てのハンドオーバ処理が完了した段階で、元のユニキャストの状態に戻る。
このようなバイキャストの方法を用いる際には、移動端末MHが2つのアクセスポイントAPと同時に通信できるものと仮定している。なぜなら、ハンドオーバ処理を開始した後に、移動端末MHが古い方のアクセスポイントAPと通信しないものとすると、たとえネットワーク側からアクセスポイントAPまでユーザフレームが届けられていても、その
先の移動端末MHまでのフレーム転送手段が存在しないからである。図4(c)では、新APとの間でハンドオーバの処理を進めつつ、古い方のアクセスポイントAPとの間でユーザフレームの送受信を同時に行っている状態を示している。
図5、図6、図7は、図3又は図4で示した、アクセススイッチAccessSW配下のハンドオーバに係わる制御フレームの送受信の方法を、シーケンス図として示すものである。
図5、図6、図7において、実線の双方向の矢印は、ユーザフレームが正常に転送されている状態を表している。そして破線の片方向の矢印が、制御フレームを表している。なお、図5、図6、図7では、制御フレームをそれぞれ1つの破線矢印で表しているが、これらの破線矢印は実際には同じ内容のフレームを複数回送信するものでもよい。
上述のように、アクセススイッチAccessSWがハンドオーバ開始の予測を行い、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを現在のアクセスポイントAPに送信してから、アクセススイッチAccessSWが新しいアクセスポイントAPからのリコンポジショントリガ(Recompositon Trigger)の制御フレームを受信するまでが、ハンドオーバ処理をしている途中の時間になる。図5、図6、図7では、この時間帯に網掛けを付している。
なお、図5、図6、図7において、網掛けは2つの時間帯に付されている。これは、最初の時間帯の網掛けがアクセスポイントAP1からアクセスポイントAP2におけるハンドオーバ処理を示し、2番目の時間帯の網掛けがアクセスポイントAP2からアクセスポイントAP3におけるハンドオーバ処理を示している。
図3と図4との違いは、前記したように、網掛けをしたハンドオーバ途中の時間帯においてユニキャストを行うか、あるいはバイキャストを行うかの違いである。ただし、図5、図6、図7では、この違いを明示していない。
図5は、移動端末MHが現在のアクセスポイントAP1(又はAP2)からハンドオーバ開始の要求、すなわちリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームを受けた場合、これに応答する形でリアソシエーションレスポンス(Reassociation Response)の制御フレームを現在のアクセスポイントAP1(又はAP2)に返す点が、図6、図7と異なっている。リアソシエーションレスポンス(Reassociation Response)の制御フレームは、それまで使用していたアクセスポイントAP1(又はAP2)に対し、移動端末MHが帰属関係の解除を申し入れることを意味する。これを経た後に、次のアクセスポイントAP2(又はAP3)への帰属要求を行う。
なお、請求項に記載する「解除を通知」は、例えば「リアソシエーションレスポンス(Reassociation Response)の制御フレーム」が相当する。
図6においては、移動端末MHが、帰属関係解除のために、リアソシエーションレスポンス(Reassociation Response)の制御フレームをアクセスポイントAP1(又はAP2)に返すことはしない。その代わり、最終的にアクセススイッチAccessSW1がリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを受信してハンドオーバが完了した段階で、アクセススイッチAccessSW1から古い方のアクセスポイントAP1(又はAP2)に対して、帰属関係解除の通知、すなわちディスアソシエーイョンノテフィケーション(Disassociation Notification)の制御フレームを送る。この制御フレームの送信は、ハンドオーバの処理が終わってから行うべきものであるので、図6では網掛けの時間帯の外側に示している。
なお、請求項に記載する「すでに接続解除がなされたことを通知」は、例えば「ディスアソシエーイョンノテフィケーション(Disassociation Notification)の制御フレーム」が相当する。
また、請求項に記載する「新しい無線リンクが確立した事実」は、「リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレーム」に相当する。
図7は、図5や図6のように制御フレームによって明示的に帰属関係の解除を指示することを行わない。ここでは、エージングによって、このような意味がなくなった帰属関係がいずれ自動的に消去されることを想定している。エージングとは、不要な、あるいは間違っていることが確認された古いデータを消去するプロセスのことであり、通常のイーサネット(登録商標)スイッチ(Ethernet-SW)などでも使用されている。これによると、通常、ある一定の期間有効なフレームを受信しないと、それに関係するデータは消去される。
以上に説明したハンドオーバ処理手順の主要な特徴の1つは、移動端末MHが移動してアクセスポイントAPの帰属先を変更した際に、制御フレームの送受信によって、時間的に大きなずれをともなわずに、アクセススイッチAccessSWのフィルタリングデータベース22の更新が行われることである。つまり、正常な動作状態においては、無線区間のハンドオーバと、アクセススイッチAccessSWで構成する中継ネットワーク区間のハンドオーバは、必ず対で行われる。これにより、移動端末MH宛てのユーザフレームを送信する必要がある時刻において、確実にMHの位置を把握するモビリティ管理を実現することができる。
もう1つの主要な特徴は、ネットワーク側から移動端末MHに対して、ハンドオーバの開始を指示する点である。これは、後述するように、モビリティ管理に予測の要素を導入することによって行うものであるが、このような手順により、無線区間のハンドオーバ処理時間を短縮することが可能となる。なぜなら、一般に移動端末MHが無線区間のハンドオーバの開始を判断するためには時間を要するが、この時間を省略することができるためである。
ただし、本発明を実施する場合、「予測が常に正確であるとは限らない」、あるいは「そもそも予測が不可能なこと」がありえることを考慮し、ネットワーク側からの指示によらない、移動端末MH自身の判断によるハンドオーバの開始手順を排除することはしない。すなわち、ハンドオーバ処理の開始は、ネットワーク側からの指示に起因する場合と移動端末MH自身の判断に起因する場合の双方が許容される。
ただし、その結果として行われる処理手順、すなわち移動端末MHから新しいアクセスポイントAPへのアソシエーションリクエスト(Association Request)の制御フレーム送信から、アクセススイッチAccessSWでのリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレーム受信までの処理手順は、両者で同一である。
以上にアクセススイッチAccessSW配下のハンドオーバ手順について説明したが、実際には階層的に上位にあるコアスイッチCoreSWを介して、アクセススイッチAccessSW間をまたぐ、あるいはコアスイッチCoreSW間をまたぐ形のハンドオーバが必要な場合がある。こうした場合の手順については後述するとして、ここではまず、フィルタリングデータベース22のデータ構成について述べる。
図8、図9はフィルタリングデータベース22のデータ構成を示す図である。これら全てに共通するレイヤ2識別子とポート番号の組み合わせは、フィルタリングデータベースの構成要素として最も基本的かつ本質的なものである。図8と図9に示すポート状態は、モビリティ管理に予測の要素を含めるために、本実施形態において新たに導入するものである。
なお、請求項1,2に記載する「自身の保有するフィルタリングデータベースにおける移動端末のレイヤ2情報に関連するデータ」は、例えば図8、図9に示すデータ構成が相当する。
また、請求項6,7,8に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば図8、図9に示すデータ構成を用いることによって実現される。
図10は、図8、図9に示すポート状態の定義方法の一例を示す図である。図10においては、ポート状態として、ランニング(running)とプリビアス(previous)という2つの状態を定義している。また、図10において、Port(k−1),Port k,Port(k+1)はハンドオーバするポートを示す。
前記した通り、移動端末MHの移動にともなって新帰属先が決定した段階でハンドオーバ完了となり、このときリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームが新帰属先のポートに送信される。アクセススイッチAccessSWは、リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを正しく受信すると、ランニング(running)状態に遷移する。言い換えれば、ハンドオーバが完了して、自ポートに移動端末MHが帰属したことを確認すると、そのポートはランニング(running)状態になる。こうした手
順を経ることにより、正常な動作状態においては、移動端末MHが移動してハンドオーバを行った際には、時間的に大きくずれることなく、アクセススイッチAccessSWのポートはランニング(running)状態へ変化する。
移動端末MHがさらに移動すると、別のポートが移動端末MHの新しい帰属先となって、ハンドオーバが完了する。このとき、この新しい帰属先ポートの状態がランニング(running)状態になり、元のポートの状態はプリビアス(previous)状態となる。プリビアス(previous)状態にあるポートに関連付けられるデータベース構成要素は、次に述べるハンドオーバの開始予測のために使用するものであり、スイッチングのためには用いない。したがって、ある程度の期間、このポートが当該移動端末MHの通信のために使用されないことが確認できると、レイヤ2識別子とこのポート番号のセット、ならびにそれに結び付けられるデータベース構成要素は全て削除される。このプロセスを管理するのが有効性と示した要素であり、これはエージングによるデータ削除プロセスのために用いるものである。
移動端末MHがあるアクセスポイントAP、さらにその先にあるアクセススイッチAccessSWのポートに帰属している間は、この移動端末MHから送信されたユーザフレームは全てこのポートで受信される。有効性と表した構成要素は、ある時間周期内に、このようなユーザフレームの受信があったかどうかを監視した結果を示している。すなわち、この時間周期の間に1回でもフレームの受信があれば、有効性を確認できたとする。
通常の動作では、プリビアス(previous)状態にあるポートはユーザフレームを受信しないため、有効性確認の時間周期で有効性を確認できないことになり、フィルタリングデータベース22から削除される。
ここで、前記した時間周期は、移動端末MHの移動にともなって起こるハンドオーバの時間間隔よりも充分大きくとるものとする。これにより、ハンドオーバ処理完了に際して更新されたフィルタリングデータベース22が、有効性確認プロセスによって、次のハンドオーバが起こる前に削除されてしまうといった事態を防ぐことができる。
しかし、このような時間の設定をした場合でも、例えば移動端末MHがあるポートに帰属している状態で移動をやめ、かつフレームをまったく送信しないで有効性確認の時間周期を過ぎた場合は、ランニング(running)状態にあるポートにおいても有効性が確認できない。その結果、ポート状態としてランニング(running)状態からプリビアス(previous)状態への遷移を経ずに、直接データ自体が削除される。データが存在しない場合は、移動端末MH宛てに送信すべきフレームは、送信のためのポートを特定できないため、全てのポートにブロードキャストされるか、あるいは廃棄される(これは、ネットワークの運用ポリシーによる)。その後、移動端末MHからユーザフレームが送信され、これをポートで受信した場合や、あるいは再びハンドオーバ処理が開始されてリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)を受信した場合には、ポート状態を再びランニング(running)状態に戻す。
このように、ポート状態がランニング(running)状態になるトリガとしては、ハンドオーバ完了時のリコンポジション(Recomposition Trigger)受信と、ユーザフレームの受信の両方を許容する。また、ランニング(running)状態になる前のポート状態について、制限はない。これに対して、プリビアス(previous)状態になるためには、必ず直前のポート状態がランニング(running)状態であることを必要条件とする。
図8、図9において、前使用ポート番号と表した構成要素は、当該ポートのポート状態がランニング(running)状態になったのと同一のタイミングで、ランニング(running)状態からプリビアス(previous)状態に変化したポートの番号を意味するものである。つまり、直前までユーザフレーム転送に使用していたポートのことである。しかし、これら2つの状態変化は、常に同時に起こるとは限らない。このように、直前まで使用していたポートが不明な場合は、ポート番号不明(unknown)とする。
前使用ポート番号が正しく認識されている場合には、これを当該ポートの番号と比較することにより、次に使用すべきポートの番号を判定することができる。これは、前述したように、APの位置的な順序関係とポート番号の順序関係が一致していることによる。
なお、請求項に記載するハンドオーバ制御方法は、例えばここで述べたポートの番号の判定方法を用いることによって実現される。
図8のポート使用開始時刻は、そのポートのポート状態がランニング(running)状態になった時刻を意味する。またポート使用終了時刻は、そのポートのポート状態がプリビアス(previous)状態になった時刻を意味する。したがって、これらの時刻の差に相当する時間は、そのポートがランニング(running)状態となってユーザフレームの転送に使用されていた時間に相当する。以下では、これをポート使用時間と呼ぶ。
図8に示すように、絶対的な時刻によってポート使用時間を管理することが、不適当な場合もある。このような場合、カウンタによる計測でこれを代用することができる。図9は、カウンタによる計測した場合のデータの構成を示す。カウンタは当該ポートがランニング(running)状態になったときにセットし、その後カウンタサイクルにしたがってカウンタ値を増加させていく。最終的にプリビアス(previous)状態になった時点でカウントを終了させ、そのときのカウンタ値をもってポート使用時間とする。この場合、ポート使用時間は、最大でおおよそカウンタ周期の2倍程度の計測誤差が生じるが、絶対的な時刻を用いるよりも概して処理が簡略化される利点がある。
図11は、1つのアクセススイッチAccessSWの配下においてハンドオーバが行われる際のポート使用時間、及び図10で定義されるポート状態の関係を示す図である。図11において、Port(k−1),Port k,Port(k+1)はハンドオーバするポートを示す。図11においては、ハンドオーバ開始を意味するリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレーム送信と、ハンドオーバ完了を意味するリコンポジション(Recomposition Trigger)の制御フレーム受信をあわせて示している。図11に示すように、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレーム送信は、アクセススイッチAccessSW内で管理する時刻又はカウンタ値がハンドオーバ予測タイミングに達したときに実行される。そこで、次にこの予測値の管理方法について述べる。
図12の(a)(b)は、ハンドオーバ開始のタイミング予測方法の概念図である。前述のように、ポート状態がプリビアス(previous)状態となっているポートでは、ポート使用時間が記録されている。なお、図8に示したデータベース構成では明示的には示されていないが、ポート使用終了と開始の時刻の差をとることで容易に計算できる。ランニング(running)状態にあるポートに対応するデータにおいて、データ構成中に前使用ポート番号が明記されているとすると、これは直前まで使用していたプリビアス(previous)状態にあるポートを指している。したがって、このポートに記録されているポート使用時間を参照することができる。また、移動端末MHの移動速度の変化や移動スピードの変化がゆるやかであることを前提とした場合(例えば、列車内に移動端末MHが存在する場合)、この直前のポート使用時間を用いて、現在使用中の当該ポートの使用時間を予め簡単な計算により見積もることができる。ただし、このような計算による見積もりが有効であるためには、1つのアクセスポイントAPがカバーする地理的範囲が大きすぎないことが、前提条件として加えられる必要がある。二つの条件が両方とも満たされる場合、1つのアクセスポイントAPのカバー範囲(移動端末MHの移動方向が決まっているときは、その方向に沿った距離)がほば同じであれば、移動端末MHがこれを通過するのに要する時間は大きくは変わらないと想定することに妥当性がある。このような想定が、上記した「予め簡単な計算により」と述べる根拠である。
こうして使用時間が予め見積もられ、見積もられた使用時間からハンドオーバに必要と想定される時間を減じることにより、現在使用中のポートから次に使用すべきポートヘのハンドオーバ処理を開始すべきタイミングが決定される。このタイミングは、カウンタ値で表しても、時刻で表しても、いずれでもかまわない。ここで「ハンドオーバに必要と想定される時間」については、予め固定的な値を設定しておく方法が最も簡便である。あるいは、処理が複雑になることが許容されるなら、「ハンドオーバに必要と想定される時間」についても同じように予測の要素を含めることが可能である。つまり、プリビアス(previous)状態にあるポートについて、ポート使用時間とハンドオーバ予測タイミングの差をとることにより、直前のハンドオーバに要した時間が判明するので、これをさらに次のハンドオーバに要する時間の予想に用いるという手法である。
なお、「次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを計算によって決定」は、例えば図12に示すタイミング予測方法によって実現される。
図13の(a)(b)は、ハンドオーバ予測タイミングを決定する他の方法を示す概念図である。図13の概念は、プリビアス(previous)状態にある前使用ポートのデータを参照するという考え方は図12に示す概念と同様であるが、ハンドオーバ開始のタイミング予測を計算によって行うのではなく、予測のために用意された特別なテーブル(以下、予測テーブルと呼ぶ)を用いて検索によって行う点が異なっている。
なお、「過去のポート使用時間と次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブル」、及び「移動端末スピードクラスと次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブル」は、例えば前記「予測テーブル」に相当する。
図13では、この予測テーブル検索の方法として、前使用ポートのポート使用時間ではなく、スピードクラスという別の構成要素を参照するものを示している。これを行う際のフィルタリングデータベース22のデータ構成を、図14及び図15に示す。
なお、その他のハンドオーバ制御方法として、例えば図14、図15に示すデータ構成を用いることによって実現される。
スピードクラスとは、移動端末MHを移動のスピードにしたがっていくつかのクラスに分類したものである。いずれのスピードクラスに属するかを決める方法の1つは、ポート
使用時間(カウンタ値又は時刻表示)を判断基準として用いるものである。これを実行するためには、アクセススイッチAccessSWにおいて、ポート使用時間とスピードクラスの対応付けをするマッピングテーブルを保有していることが必要になる。このマッピングテーブルは、アクセスポイントAPの配置の地理的情報から、予め設定しておく。
なお、「過去のポート使用時間とそれとの対応を定めたテーブル」は、例えば前記したマッピングテーブルが相当する。
いずれのスピードクラスに属するかを決める他の方法は、移動端末MHがアクセススイッチAccessSWにスピードクラスを伝えるものである。これを実行できるのは、移動端末MHが自身のスピードを計測できる場合に限られる。移動端末MHからアクセススイッチAccessSWにスピードを伝えるためには、アソシエーイョンリクエスト(Association Request)の制御フレームとリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを組み合わせて使用してもよいし、あるいは別のフレームを使用してもよい。
なお、「スピードのクラスは、前記移動端末からの申告」という表現は、例えば前記した制御フレームの組み合わせが相当する。
このようにして、直前使用ポートのスピードクラスが参照可能な場合、予測テーブルの検索という形で次のハンドオーバ開始のタイミング予測を実行することができる。なお、ここでの本質は、予測を計算ではなく、テーブル検索によって行うということであるので、これが満たされる限り、必ずしもスピードクラスのような要素を別個に設ける必要はない。
図16の(a)(b)と図17の(a)(b)は、図12と図13に示した予測手法の精度を上げるため、直前に使用していたポートだけでなく、その1つ前に使用していたポートのデータも参照するという方法を示すものである。このように参照先を2つにすることで、移動端末MHの移動の変化の要素を予測に含めることができる利点がある。
ただし、このように参照先を増やすためには、ポート状態として、プリビアス(previous)状態に加えてもう一つ、これより過去の状態を示すものが必要となる。図18は、図14、図15に示すポート状態の定義方法の一例を示す図であり、ここでは2プリビアス(2previous)状態を新たに定義している。プリビアス(previous)状態に遷移するための条件が、その直前がランニング(running)状態であることと同様に、2プリビアス(2previous)状態に遷移するためには、その直前においてプリビアス(previous)状態でなければならない。
図16、図17、図18に示す考え方を発展させれば、さらに過去にさかのぼって状態を保持し、これを参照するという方法も考えられる。これは、上記で述べた方法を拡張することで容易に可能である。ただし、このような過去の状態を多く定義しすぎると、保持すべきデータベースの規模が大きくなるとともに、処理負荷が増大するという不利な要因が発生する。ここでは過去の状態としてどこまで保持すべきかについては限定しないが、以下の説明においては、簡単のため、1つ直前まで、すなわちプリビアス(previous)状態までを管理するものとする。
図19は、図10で示したポート状態定義のランニング(running)状態とプリビアス(previous)状態の中間の状態として、トランジショナル(transitional)状態を新たに定義したものである。図20は、この場合のポート状態とポート使用時間、ならびにハンドオーバ予測タイミングの関係を示している。図20に示すように、トランジショナル(transitional)状態は、アクセススイッチAccessSWのポートがリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを送信してから、リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)を受信するまでの時間帯に相当する。つまり、ハンドオーバの処理を実行している時間帯である。
図19と図20に示すように、同一のレイヤ2識別子に対して、ランニング(running)状態とプリビアス(previous)状態にあるポートはただ1つしか存在しないのに対し、トランジショナル(transitional)状態にあるポートは、ハンドオーバに係わる新旧の2つのポートが同時に存在する。したがって、トランジショナル(transitional)状態にあるポートからのユーザフレームの送信を許容すれば、一時的にバイキャストの状態を作り出すことができる。逆にいえば、図4で示したようなバイキャストの手法をとるためには、トランジショナル(transitional)状態の導入が必要になる。
なお、請求項1,2に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば図19、図20に示すポート状態の定義方法によって実現される。
しかし、このような中間的な状態を導入する目的は、必ずしもバイキャストの実現のためだけに限られるものではない。例えば、ハンドオーバが完了すると同時に、当該レイヤ2識別子とポート番号との組み合わせと、それに結び付けられるべきフィルタリングデータベース22のデータ構成要素を作成するのではなく、ハンドオーバを開始した段階で、前もって準備的にこれらのデータ構成要素の作成をすることが望ましい場合がありえる。
このような目的で中間状態を導入し、かつバイキャストを行わない揚合は、トランジショナル(transitional)状態ではなく、代りに図21に示すように、ハンディングオバー(handing over)状態とテイキィングオバー(taking over)状態を定義するという方法もある。ハンディングオバー(handing over)状態は、ハンドオーバ処理において、それまで使用されていたポートがとる中間状態であり、逆にテイキィングオバー(taking over)状態は、新しく使用されるポートがとる中間状態である。こうした定義による状態とポート使用時間、ハンドオーバ予測タイミングの関係を、図22に示す。ハンドオーバ処理の途中でユニキャストを行う場合は、ハンディングオバー(handing over)状態にあるポートの方のみにユーザフレーム転送を行えばよいことになる。
図21に示すポート状態定義方法では、明示的に新旧のポートの状態を区別しているが、これを図19に示すようにトランジショナル(transitional)状態を採用しつつ、ユニキャストを行うことも可能である。この場合、ハンドオーバに係わる2つのポートのデータ構造中に存在する前使用ポート番号を参照すると、何れかの前使用ポート番号が他方のポートの番号に一致しているはずである。ただし、前使用ポート番号がポート番号不明(unknown)の場合を除く。逆に、もう一方の前使用ポート番号は、このハンドオーバ処理には
係わらない別のポートを指しているはずなので、これらを考慮すれば、どちらのポートが古い方又は新しい方になるかという判断をすることは可能である。そして、それに基づいて古い方のポートにのみ、ユニキャストを行えばよいことになる。それに対して、図21に示すようにハンディングオバー(handing over)状態とテイキィングオバー(taking over)状態とを明示的に区別した場合でも、これら2つの状態にあるポートにユーザフレームを転送することを許容すれば、容易にバイキャストを実現することが可能である。
以上の説明では、1つのアクセススイッチAccessSWの配下で起こるハンドオーバと、それに付随する予測を含めたモビリティ管理の方法について述べた。以下の説明では、階層的に1つ上位にあるコアスイッチCoreSWを介して、2つのアクセススイッチAccessSWをまたぐハンドオーバ処理が必要な場合の手順について述べる。ここでは、このような場合の例として、図1のアクセススイッチAccessSW1配下のアクセスポイントAP3と、アクセススイッチAccessSW2配下のアクセスポイントAP4の間でハンドオーバが起こる場合を取り上げる。
なお、請求項に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば以下で述べるハンドオーバ処理手順によって実現される。
図23は、このような場合のハンドオーバ制御方法を示すものである。図23において太い実線や破線は、既述した図3と同様の意味で用いている。
図23(a)において、移動端末MHはあるアクセスポイントAP、そしてそれが接続されるアクセススイッチAccessSWのポートと、さらに上位に位置してこのアクセススイッチAccessSWが接続されるコアスイッチCoreSWのポートに帰属しているものとする。移動端末MHが移動するにつれて、アクセススイッチAccessSW配下でのハンドオーバが順次実行されていくが、ある時点で別のアクセススイッチAccessSWに帰属先を変えるハンドオーバが必要になる。図23(b)は、このようなハンドオーバが開始した時点を示している。
このようなハンドオーバの開始は、コアスイッチCoreSWによって指示されるものとする。アクセススイッチAccessSWにおいてもこれまで述べた方法で予測を含めてモビリティ管理を行っているため、次のポートヘのハンドオーバを開始すべきことを認識することができるが、次のポートが自アクセススイッチAccessSWに属するものでないことを認識した場合は、上位にあるコアスイッチCoreSWからの指示を待つものとする。コアスイッチCoreSWにおいてハンドオーバ開始の予測タイミングを認識する方法については、後述する。
図23(b)において、コアスイッチCoreSWがハンドオーバ開始と判断すると、まずアクセススイッチAccessSWに向けてリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを送信する。これを受信したアクセススイッチAccessSWは、制御フレ
ームの内容を判読し、ハンドオーバを実行すべき移動端末MHが帰属しているポートからアクセスポイントAPに向けて、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを送信する。これを受信したアクセスポイントAPは、移動端末MHに向けてリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームを送信する。その後、無線区間のハンドオーバ処理が完了し、新しい帰属先のアクセスポイントAPが新しい帰属先のアクセススイッチAccessSWのポートにリコンポジショントリガ(Recomposition
Trigger)の制御フレームを送信する。ここまでの経過は、図3における処理手順と同様である。次に、新しいポートがリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを受信すると、上位のコアスイッチCoreSWの新しい帰属先となるポートに向けて、さらにリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームを送信する。これによってコアスイッチCoreSWのフィルタリングデータベース22が更新され、全てのハンドオーバ処理が完了する。ここまでの処理を図23(c)で示している。その後、図23(d)に示すように、新しいアクセススイッチAccessSWのポートと新しいアクセスポイントAPを用いて、ユーザフレームの転送が行われる。
図23(b)の説明において、コアスイッチCoreSWから送信するリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームの宛先となるアクセススイッチAccessSWは、その時点で当該移動端末MHの帰属先として使用している方のアクセススイッチAccessSWと、新しい帰属先となるべきアクセススイッチAccessSWの両方である。このとき、フレームの内容には、新しい方のアクセススイッチAccessSWのフィルタリングデータベースを構成するために必要なデータを含んでいるものとする。具体的には、さらにこの次のハンドオーバを行うための予測タイミングや前使用ポート番号などである。これは、アクセススイッチAccessSW間では、予測の材料となるフィルタリングデータベースを共有していないため、コアスイッチCoreSWを介した制御フレームの形で必要データを伝えることを意味している。
なお、請求項に記載する「切り替え処理開始指示の転送を繰り返すこと」は、例えば「リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレーム」の転送を繰り返すことに相当する。
また、請求項に記載する「切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報」は、例えば「リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレーム」に相当する。
また、請求項に記載する「新しい無線リンクが確立した事実」は、例えば「リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレーム」に相当する。
図24は、ハンドオーバの処理途中の段階で、一時的にバイキャストを行う状態を設けていることを示すものである。これは、図4でバイキャストを導入したのと同様の方法によるものである。図4と異なるのは、コアスイッチCoreSWと、新旧2つのアクセススイッチAcessSW間の2つのリンクにおいてもバイキャストを行っている点である(図24(b)、(c))。このようなバイキャスト状態になるのは、それぞれのアクセススイッチAcessSWにおいて、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)を送信するのと同じタイミングである。最終的に全てのアクセススイッチAcessSWのフィルタリングデータベース22が正しく更新された段階で、元のユニキャスト状態に戻る。
なお、請求項に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば図24で述べたハンドオーバ処理手順によって実現される。
図25は、図23及び図24で示したハンドオーバ制御に係わる制御フレームの送受信の方法を示すシーケンス図である。ただし、図25においては、コアスイッチCoreSWとアクセススイッチAccessSWの間のやり取りに主眼を置くため、アクセススイッチAccessSWから移動端末MHに至る範囲のシーケンスは簡略化して示している。この範囲において、実際には図5、図6、図7に示すうちの何れかのシーケンスが実行される。
図25における実線の双方向矢印と破線の片方向矢印は、図5等における意味と同様のものであり、それぞれユーザフレームの転送、及び制御フレームの転送を表している。また、網掛けの部分は、ハンドオーバ処理途中の時間帯であることを意味する。図23のユニキャストを行う場合と図24のバイキャストを行う場合の違いは、この時間帯でのユーザフレームの転送方法に対応するが、図ではこれを明示的には示していない。
これらに加えて、一点鎖線で示した矢印は、相互に接続されたアクセススイッチAcessSW間で交換するSWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームの転送を表している。SWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームは周期的に送信するものであり、自身が保有しているフィルタリングデータベース22の内容を別のアクセススイッチAcessSWに伝える役割を有するものである。ここで周期的に送信とは、必ずしも厳密に一定の時間間隔をもって送信するということを意味するものではなく、ある程度の許容幅をもった時間間隔をもって送信できればよい。この送信の時間間隔については、ハンドオーバが起こる頻度なども考慮して決定されるべきものであるため、ここで特定しないが、ユーザフレームの転送のために使用される帯域が大きく侵食されることがないということが前提である。
なお、SWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームは、「双方向又は片方向に、ある時間間隔で自身のフィルタリングデータベースの必要な部分の情報を伝送し」という表現に該当する。
なお、図25では、トポロジ上の階層が下位にあるアクセススイッチAcessSWから上位にあるアクセススイッチAcessSWに対して、片方向にSWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームを転送する状態を示しているが、これは、以下の説明では、上位のアクセススイッチAcessSWが下位のアクセススイッチAcessSWの情報を有していればよいためである。ただし、本発明の実施にあたって、SWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームの転送は、双方向であっても、下位アクセススイッチAcessSWから上位アクセススイッチAcessSWへの片方向であってもよい。
ここで、コアスイッチCoreSWで保有するフィルタリングデータベース22は、図8、図9又は図14、図15で述べたのと同様に構成される。ただし、アクセススイッチAcessSWとコアスイッチCoreSWで、構成が異なるのは許容される。例えば、アクセススイッチAcessSWではカウンタ値によるポート使用時間表示を行う図9の構成とし、コアスイッチCoreSWでは絶対的な時刻による表示を行う図8の構成としてもよい。また、双方でカウンタ値を用いる場合には、そのカウンタ周期に差異を設けるということも可能である。こうした事項は、アクセススイッチAcessSW配下で起こるハンドオーバの頻度と、コアスイッチCoreSW配下で起こるハンドオーバの頻度を考慮して決定される。これは、コアスイッチCoreSWでのモビリティ管理は、それがネットワークトポロジ階層の上位に位置するほど、処理時間として許容される値が大きくなることが背景としてある。
さらに、図25において、SWアドバーティスメント(SW Advertisement)の制御フレームの内容は、フィルタリングデータベース22の中身を全て記述したものである必要はない。例えば、ポート状態がプリビアス(previous)状態となっているポートの情報などは上位のアクセススイッチAcessSWで管理する必要がないと判断できれば、これらをフレームに含めて送らなくてもよい。このように、上位のコアスイッチCoreSWのハンドオーバ予測に必要となる情報だけを、定期的に下位から送信する。コアスイッチCoreSWは、こうした情報から自身のフィルタリングデータベース22を更新し、そしてそれに基づいて適切なハンドオーバの予測を行う。ハンドオーバ予測タイミングに到達すると、下位のアクセススイッチAcessSWに向けて、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)を送信する。
なお、図25では、ハンドオーバの最後の段階で下位のアクセススイッチAcessSWから送信されるリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレームをコアスイッチCoreSWが受信すると、ここから旧アクセススイッチAcessSWに対してリコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)を返している。これは、当該移動端末MHが、旧アクセススイッチAcessSWにはもはや帰属していないことを伝えるためのものである。これを受け取ったアクセススイッチAcessSWは、図7における動作と同様に、さらに旧アクセスポイントAPに対してディスアソシエーイョンノテフィケーション(Disassociation Notification)の制御フレームを送信することができる。しかし、こうした手順は
省略してもよい。なぜなら、各アクセススイッチAcessSWではエージングによる不要データの削除プロセスがあるので、これによっていずれデータが消去されることが期待できるためである。
以上の説明により、図1のネットワーク構成に基づくハンドオーバ、ならびにそれに付随するモビリティ管理の手順を示した。以下では、別のネットワーク構成に基づくこれらの手順について説明する。
なお、請求項に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば以下で述べるハンドオーバ処理手順によって実現できる。
図26は、移動体通信に用いられるネットワーク20の全体構成を示す図である。図26は、図1と同様に、基本的には1つのコアスイッチCoreSW1を頂点とするスター型トポロジによるレイヤ2スイッチングネットワークである。図1と異なるのは、トポロジ上において同一階層に属するアクセススイッチAcessSW間を結ぶリンクが存在することである。以下では、これを横方向リンクと呼ぶことにする。
このような横方向リンクは、通常のユーザフレームの転送には使用しない。これは、トポロジ的にループが形成されるのを防ぐためである。横方向フレームの使用は、ハンドオーバ時に交換する制御フレームの転送だけに限定する。
図27は、横方向リンクが存在する場合のハンドオーバ手順を示すものである。図23と同様に、これはコアスイッチCoreSWを介して、2つのアクセススイッチAcessSWが関与する場合に対応しており、またバイキャストは行わないものとしている。
図23において説明したように、制御フレーム転送用の横方向リンクがない場合は、ハンドオーバ開始の判断は、上位にあるコアスイッチCoreSWが行う。これに対し、図27では、この判断を現在移動端末MHが帰属しているアクセススイッチAcessSWが行う。そしてハンドオーバ開始にあたっては、配下のアクセスポイントAPに宛ててリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを送信するのみならず、通常のリンクを用いて上位のコアスイッチCoreSWに宛てて、また横方向リンクを用いて次に使用されるべきアクセススイッチAcessSWに宛てて、それぞれリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを送信する。この状態を図27(b)に示す。
その後、移動端末MHがアクセスポイントAPから送られるリアソシエーションオーダ(Reassociation Order)の制御フレームを受け取ると、無線区間のハンドオーバが開始される。そしてこれが終了すると、アクセスポイントAPから新しい帰属先アクセススイッチAcessSWにリコンポジション(Recompositon Trigger)の制御フレームが送られる。ここまでの手続きは、これまでに述べてきたのと同様である。新しい方のアクセススイッチAcessSWは、さらに上位のコアスイッチCoreSWに対してリコンポジショントリガ(Recompositon Trigger)の制御フレームを送信する。これによって、必要なフィルタリングデータベース22の更新が完了し、ハンドオーバ完了となる。図27(b)、(c)は、この状態を示している。
ここで、図27(c)に示したように、新しい方のアクセススイッチAcessSWから古
い方のアクセススイッチAcessSWに向けて、リコンポジショントリガ(Recompositon Trigger)の制御フレームが送信される。このときのアクセススイッチAcessSW間の制御フレーム転送には、横方向リンクが用いられる。これは、古い方のアクセススイッチAcessSWに、当該移動端末MHがもはや帰属していないことを明示的に示す意義を有する。
なお、請求項に記載する「新しい無線リンクが確立した事実」は、例えば「リコンポジショントリガ(Recomposition Trigger)の制御フレーム」に相当する。
図28は、図27と同様のハンドオーバにおいて、バイキャストを行うときの手順を示している。それぞれのアクセススイッチAcessSWがリアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームを受け取ると、それぞれの配下でバイキャストを開始し、その後リコンポジショントリガ(Recompositon Trigger)の制御フレームを受け取った段階で、元のユニキャストの状態に戻る。その他の手順は、図27の場合と同様である。
なお、請求項に記載するハンドオーバ制御方法は、例えば図28で述べたハンドオーバ処理手順によって実現される。
図29は、図27と図28で示したハンドオーバに係わる制御フレームの送受信の方法を、シーケンス図として示したものである。図25と同様に、図29ではコアスイッチCoreSWとアクセススイッチAcessSWの間のやり取りに主眼を置くため、アクセススイッチAcessSWから移動端末MHに至る範囲のシーケンスは簡略化して示している。しかし、実際には、この部分において図5、図6、図7のいずれかのシーケンスが実行される。図29における実線の双方向矢印と破線の片方向矢印等の意味は、図25と同様である。
図29においては、ハンドオーバ開始予測を行うのが、それまで使用されていたアクセススイッチAcessSWになっている。図25では、リアソシエーショントリガ(Reassociation Trigger)の制御フレームの送信はコアスイッチCoreSWが最初に始めるため、アクセスポイントAPがこの制御フレームを受け取るためには、途中でアクセススイッチAcessSWを介す必要がある。しかし、図29においては、アクセススイッチAcessSWだけではなくアクセスポイントAPに対しても、1回の制御フレーム送信で直接届けることができる。
このように横方向リンクを設けることにより、必要な制御フレームの転送がより迅速化、効率化される利点がある。また、一般に移動端末MHから遠くなるほど、つまりアクセススイッチAcessSWの階層が上位になるほど、細かい精度で予測を行うことが困難になることが想定される。このため、より下位のアクセススイッチAcessSWに予測の役割を担当させることには、予測精度の面からも利点がある。
ここまで、1つ上位のコアスイッチCoreSWを介したアクセススイッチAcessSW間でのハンドオーバについて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、この他に、例えば2つのコアスイッチCoreSWをまたぎ、さらにそれぞれの下位のアクセススイッチAcessSWをまたぐ場合などのように、さらに多くの階層に属するアクセススイッチAcessSW間のハンドオーバを行う必要がある場合もある。このように関与する階層が増えたときには、ハンドオーバ予測の役割を担うアクセススイッチAcessSWが上位の階層のアクセススイッチAcessSWにシフトするものの、制御フレーム転送手順の考え方は同様である。
本発明は、移動体通信の分野において、大いに利用することができる。
移動体通信ネットワーク構成を示す図である。 スイッチの接続の形態をポートを含めて示しす図である。 アクセススイッチ(ユニキャスト)によるハンドオーバ制御の手順を示す図である。 アクセススイッチ(ユニキャスト・バイキャスト)によるハンドオーバ制御の手順を示す図である。 アクセススイッチ配下のハンドオーバ制御シーケンスを示す図である(移動端末からハンドオーバ要求を行う場合)。 アクセススイッチ配下のハンドオーバ制御シーケンスを示す図である(アクセススイッチから接続関係解除通知を行う場合)。 アクセススイッチ配下のハンドオーバ制御シーケンスを示す図である(ハンドオーバ要求応答と接続関係解除通知とを行わない場合)。 フィルタリングデータベースのデータ構成を示す図である。 フィルタリングデータベースのデータ構成を示す図である。 ポート状態の定義方法を示す図である。 1つのアクセススイッチ配下でハンドオーバが行われる際のポート使用時間とポート状態の関係を示す図である。 ハンドオーバ開始のタイミング予測方法を説明するための概念図である。 ハンドオーバ開始のタイミング予測方法を説明するための概念図である。 フィルタリングデータベースのデータ構成を示す図である。 フィルタリングデータベースのデータ構成を示す図である。 ハンドオーバ開始のタイミング予測方法を説明するための概念図である。 ハンドオーバ開始のタイミング予測方法を説明するための概念図である。 ポート状態の定義方法を示す図である。 ポート状態の定義方法を示す図である。 1つのアクセススイッチ配下でハンドオーバが行われる際のポート使用時間とポート状態の関係を示す図である。 ポート状態の定義方法を示す図である。 1つのアクセススイッチ配下でハンドオーバが行われる際のポート使用時間とポート状態の関係を示す図である。 コアスイッチを介してのハンドオーバ制御を示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクが無く、バイキャストを行わない場合)。 コアスイッチを介してのハンドオーバ制御を示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクが無く、バイキャストを行う場合)。 コアスイッチ配下のハンドオーバ制御シーケンスを示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクが無い場合)。 移動体通信ネットワーク構成を示す図である。 コアスイッチを介してのハンドオーバ制御を示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクで制御フレームを転送し、バイキャストを行わない場合)。 コアスイッチを介してのハンドオーバ制御を示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクで制御フレームを転送し、バイキャストを行う場合)。 コアスイッチ配下のハンドオーバ制御シーケンスを示す図である(アクセススイッチ間の横方向リンクがある場合)。 第1の従来例を示す図である。 第2の従来例を示す図である。
符号の説明
10、20、300 ネットワーク
21(21a,21b,21c) スイッチファブリック
22(22a,22b,22c) フィルタリングデータベース
301 ラベル制御装置
311 ネットワーク制御装置
312、314 ゾーン
313、315 ゾーン制御装置
CoreSW(Core SW1、SW2、SW3…) コアスイッチ
AccessSW(Access SW1、SW2、SW3…) アクセススイッチ
MH 移動端末
AP(AP1,AP2…) アクセスポイント

Claims (9)

  1. 移動端末と、前記移動端末にネットワークヘの接続手段を与えるアクセスポイントと、フィルタリングデータベースを備え、前記フィルタリングデータベースの検索結果とユーザーフレームまたは制御フレームに含まれるレイヤ2情報とに基づいて、前記ユーザーフレームまたは制御フレームを適切なポートに転送するレイヤ2スイッチとから成る移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    上位にあるレイヤ2スイッチは、自身の保有するフィルタリングデータベースにおける移動端末のレイヤ2情報に関連するデータを利用することにより、前記移動端末が新しいアクセスポイントに無線リンクを切り替えるべきタイミングと、次に前記動端末の通信に使用すべきポートを把握し、
    前記レイヤ2スイッチ、自身の下位にあるレイヤ2スイッチだけで次に起こる切り替えの処理を完了できると判断した場合は、
    前記移動端末の通信に使用しているポートから下位のレイヤ2スイッチに向けて切り替え処理開始指示を前記制御フレームとして出力し、
    前記切り替え処理開始指示を受け取った下位のレイヤ2スイッチは、さらに下位のレイヤ2スイッチ又はアクセスポイントに向けて、その時点において前記移動端末の通信に使用しているポートから切り替え処理開始指示を転送し、
    前記切り替え処理開始指示の転送を繰り返すことにより、その時点で前記移動端末と無線リンクを確立しているアクセスポイントを経由して、前記移動端末に切り替え処理開始指示を伝え、
    最初に切り替え処理開始指示を出力したレイヤ2スイッチが、次に使用すべきポートから下位にあるレイヤ2スイッチに向けて、切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報をあわせた制御情報を前記制御フレームとして出力し、
    前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報を受け取った下位のレイヤ2スイッチは、さらに下位のレイヤ2スイッチ又はアクセスポイントに向けて、次に使用すべきポートから切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報をあわせて転送し、
    前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報の転送を繰り返すことにより、次に使用されるアクセスポイントに前記切り替え予告及びその後の切り替えに必要となる情報を到達させ、
    前記切り替え処理開始指示を受け取った前記移動端末が、新しいアクセスポイントとの間で無線リンクを確立すると、フィルタリングデータベースの更新を行って、前記移動端末に前記ユーザフレームを転送するポートを把握する処理を実行し、
    新しい無線リンクが確立した事実を示す前記制御フレームが最初に切り替え開始処理を出力したレイヤ2スイッチに達するまで、新しく前記移動端末の通信に使用されるいくつかのレイヤ2スイッチのポートを順次経由して転送し、
    前記レイヤ2スイッチにおいては、前記事実の確認を契機として、前記移動端末に関するフィルタリングデータベースの更新を行い、前記移動端末に前記ユーザフレームを転送するポートを把握し、
    レイヤ2スイッチが、切り替え処理開始指示を受信もしくは最初に送信してから、新たな無線リンク確立の事実を示す前記制御フレームを受け取るまでの間に限って、
    自身の下位方向における、前記移動端末が通信に使用しているポートだけでなく、次に使用すべきと判断するポートにも同時に、前記移動端末に宛てる前記ユーザフレームを転送して、前記移動端末が無線リンクの確立先アクセスポイントの変更に際して、新旧2つのアクセスポイントから同時に前記ユーザフレームを受け取る
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  2. 移動端末と、前記移動端末にネットワークヘの接続手段を与えるアクセスポイントと、フィルタリングデータベースを備え、前記フィルタリングデータベースの検索結果とユーザーフレームまたは制御フレームに含まれるレイヤ2情報とに基づいて、前記ユーザーフレームまたは制御フレームを適切なポートに転送するレイヤ2スイッチとから成る移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    上位にあるレイヤ2スイッチは、自身の保有するフィルタリングデータベースにおける移動端末のレイヤ2情報に関連するデータを利用することにより、前記移動端末が新しいアクセスポイントに無線リンクを切り替えるべきタイミングと、次に前記動端末の通信に使用すべきポートを把握し、
    前記レイヤ2スイッチが自身の下位にあるレイヤ2スイッチだけでは次に起こる切り替えの処理を完了できないと判断した場合は、その時点において、前記移動端末の通信に使用しているポートから、下位にあるレイヤ2スイッチだけでなく、横方向リンクを介して1つ上位にあるレイヤ2スイッチに向けて切り替え処理開始指示を前記制御フレームとして出力し、
    前記レイヤ2スイッチと同一階層に属し、かつ次に使用されるべきポートを有する他のレイヤ2スイッチに、これら2つの当該レイヤ2スイッチ間を結ぶ横方向リンクを介して切り替え予告を前記制御フレームとして伝送し、
    新しい無線リンクが確立した事実を前記制御フレームとして、新しく前記移動端末の通信に使用されるいくつかのレイヤ2スイッチのポートと、記横方向リンクの両端のポートを順次経由して、最初に切り替え開始処理を出力したレイヤ2スイッチと、その1つ上位にあるレイヤ2スイッチに達するまで転送し、
    レイヤ2スイッチが、前記切り替え処理開始指示を受信もしくは最初に送信してから、新たな無線リンク確立の事実を示す前記制御フレームを受け取るまでの間に限って、
    前記横方向のリンクを除いて、前記移動端末が通信に使用しているポートだけでなく、次に使用すべきと判断するポートにも同時に、前記移動端末に宛てる前記ユーザフレームを転送して、前記移動端末が無線リンクの確立先アクセスポイントの変更に際して、新旧2つのアクセスポイントから同時に前記ユーザフレームを受け取る
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  3. 請求項1または請求項に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記移動端末に伝える切り替え処理開始指示の中で、新しく無線リンクを確立すべきアクセスポイントを指定するとともに、無線リンク確立に際して必要となる情報を予め通知する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  4. 請求項1または請求項に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記無線リンクの切り替えに際して、切り替え処理開始指示を受け取った前記移動端末が、新しい無線リンクヘの接続要求を行う前に、その時点で無線リンクを確立しているアクセスポイントに対して接続解除を通知する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  5. 請求項1または請求項に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記無線リンクの切り替えに際して、古い方のアクセスポイントと直接接続されるレイヤ2スイッチが、新しい無線リンクが確立した事実を受け取ると、そのレイヤ2スイッチからそのアクセスポイントに向けて、すでに接続解除がなされたことを通知する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  6. 請求項1または請求項に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、
    前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、
    前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、
    前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、
    前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、
    無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、
    前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、
    これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と
    を有し、
    前記フィルタリングデータベースは、そのデータ構成に含まれているポート使用時間を管理する要素に基づいて、次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを計算によって決定する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、
    前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、
    前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、
    前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、
    前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、
    無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、
    前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、
    これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と
    を有し、
    前記フィルタリングデータベースに基づいて、過去のポート使用時間と次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成し、作成した前記テーブルの検索を行うことによって、前記無線リンク切り替え処理の開始タイミングを決定する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  8. 請求項1または請求項2に記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    前記フィルタリングデータベースは、データ構成として、
    前記移動端末に対応付けられるレイヤ2識別子を表す要素と、
    前記レイヤ2識別子が宛先となるユーザフレームを転送すべきポートの番号を表す要素と、
    前記ポートの使用に関する状態を表す要素と、
    前記ポートが実際に前記移動端末に係わるユーザフレーム転送に使用された時間を意味する、ポート使用時間を管理する要素と、
    無線リンクの切り替え処理を開始すべきタイミングを表す要素と、
    前記ポートが前記移動端末のユーザフレーム転送に使用される直前まで、前記移動端末のユーザフレーム転送に使用されていたことを意味する直前使用ポートの番号を表す要素と、
    これら一連の要素の組み合わせの有効性を管理する要素と、
    前記移動端末の移動スピードを、その大きさによって分類したいくつかのスピードクラスによって表す要素と
    を有し、
    前記移動端末のスピードクラスと次の無線リンク切り替え処理の開始タイミングを対応付けるテーブルを作成し、前記テーブルの検索によって、無線リンク切り替え処理の開始タイミングを決定する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
  9. 請求項から請求項の何れか1つに記載の移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法において、
    複数のアクセスポイントの位置的な順序関係と、前記複数のアクセスポイントが接続されるレイヤ2スイッチのポートの順序関係を一致させるとともに、複数の下位のレイヤ2スイッチの位置的な順序関係と、前記複数の下位のレイヤ2スイッチが接続される上位のレイヤ2スイッチのポートの順序関係を一致させ、
    ある時点である移動端末の通信に使用されているポートの番号とフィルタリングデータベースを参照して得られた前記移動端末の直前使用ポートの番号とを比較し、前記移動端末の通信に使用すべきポートの番号を把握する
    ことを特徴とする移動体通信用ネットワークのハンドオーバ制御方法。
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