JP3952291B2 - 移動端末におけるルート制御装置、移動端末、及び、接続ネットワーク切り替え方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動端末におけるルート制御装置、移動端末、及び、接続ネットワーク切り替え方法に関し、特にモバイルインターネットプロトコル接続を提供する移動端末におけるルート制御装置、移動端末、及び、接続ネットワーク切り替え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話網を介してインターネット上に接続可能な携帯電話機が普及してきた。
この種の携帯電話機はパケット通信を行って、例えば、インターネット上のサーバが提供するホームページをブラウジングしたり、当該サーバから各種コンテンツのダウンロードを行える。
【0003】
ところで、携帯電話機を利用した通信サービスにおいては、一般に、通信サービスエリアを多数のセルで構成するセルラ方式が採用されている。このセルラ方式では、携帯電話機が異なるセルに移動する度に無線チャネルを切り替えていく処理、いわゆるハンドオーバーがなされる。これにより、携帯電話機は異なるセルに移動しても、通信回線を接続した状態を維持することができる。このとき、更に異なる移動網に属するセルに移動した場合には、移動エージェントの切り替えが発生する。
【0004】
以下、図1を参照しながら、この移動エージェントの切り替えについて説明する。
例えば、携帯電話機などの移動端末が通信を行う場合、移動網を構成する基地局と移動エージェントとを介して、通信相手、例えばインターネット上のサーバとの間でモバイルIP(Internet Protocol)によるパケット通信を行う。
【0005】
移動エージェント1,2は、HA(Home Agent)と、FA(Foreign Agent)とに分けられる。
HA1は、複数の移動網にまたがって移動する移動端末9が現在位置する場所についての情報を保持し、アドレスについては、移動端末9の識別情報と、移動端末9が現在属する移動エージェントのIPアドレスと、が対応付けられたルーティング情報を保持している。
【0006】
このようにHA1内に移動端末の識別情報と、移動エージェントのIPアドレスと、を格納することを、エージェント登録と呼ぶ。
HA1は、このルーティング情報を参照することにより、移動端末9宛に伝送されるデータのルーティングを行う。このルーティングを行うために、以下の流れでエージェント登録を行う。
【0007】
HA1及びFA2はそれぞれ、各移動エージェントを識別するための情報を含むエージェント広告メッセージを定期的に送信している。
一方、移動端末9は移動エージェントの識別情報を格納するエージェントリストを備えており、これには適当な有効時間が設定される。この有効時間は、エージェント広告を受信する度に更新する。更に、エージェント広告の送信元へ、エージェント登録を行うための登録要求メッセージを返信する。
【0008】
移動端末9は、このエージェントリストを参照しながら、通信を行うのに最適な移動エージェントを定めている。
新規の移動エージェントからのエージェント広告を受信すると、移動端末9は異なる移動網に移動したと判断し、新規の移動エージェントに対し登録要求処理を行う。
【0009】
以下、この切り替えの対象となる移動エージェントを新規移動エージェントと呼ぶ。このように、新規移動エージェントからのエージェント広告受信を契機として、登録要求の送信を行う方法については、例えば、特許文献1にも開示されている。なお、この特許文献1においては、登録要求を現在通信中のエージェントを介して、HAに送信している。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−191066号公報(特に、図2、図4)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
通信プロトコル(モバイルIPプロトコル)を用いた移動端末へのパケット転送を行っている場合に、移動端末が現在の移動網から他の移動網へ移動する可能性がある。
移動網が替わる場合、移動エージェントの切り替えが行われるが、このときに移動端末は新規移動エージェントに対してモバイルIPのエージェント登録手続きを行う。
【0012】
エージェント登録を行う際には、上述のように移動端末は、新規移動エージェント宛にモバイルIPプロトコルの登録要求メッセージを送信する。これに伴って、移動端末は、自端末内に保持するルーティング情報を、切り替え前の移動エージェントを介した通信から、新規移動エージェントへ直接メッセージを送信するように、書き換える。
【0013】
このとき、移動端末と新規移動エージェント間はARPプロトコルの解決ができていないため、移動端末はまずARPプロトコルを解決するためARPリクエストメッセージを送信する。ここで、登録要求メッセージはARPプロトコルの解決待ちとなる。
さらに、登録要求メッセージを送信するためにルーティング情報を書き換えたことで、通信中であるTCP(Transmission Control Protocol)の受信確認パケットであるACKパケット等が新規移動エージェント宛に送信しようとするため、これらのパケットはARPプロトコルが解決してない期間、すべてARPキューに収められる。しかし、このARPキューのサイズは限られていることから、キューに収めきれないパケットについては、廃棄されてしまい、通信中の相手にパケットを返せない状態になる。
【0014】
これは、特に図13に示すように、例えば、2Mbps(bit per second)の無線LANエリアなど帯域の広い移動網Aから、384KbpsのWCDMAなど帯域の狭い移動網Bへ移動した場合に問題となる。すなわち、それまで流れていた広い帯域分のパケットの応答を帯域の狭い網に流そうとするため、ARPプロトコルの解決後通信を開始してすぐに輻輳し、新規移動エージェント宛の登録要求および通信中のパケットのドロップ、および、それに伴い発生する登録要求処理の遅れによる通信不可能状態等を招くことがある。
【0015】
本発明の目的は、通信の中断による輻輳の発生を回避可能な移動端末におけるルート制御装置、移動端末、及び、接続ネットワーク切り替え方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による移動端末におけるルート制御装置は、接続するネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末におけるルート制御装置であって、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なうルーティング手段と、
前記登録応答の受信に基づいて、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて前記通信を行うための切り替え手段と、
を有することを特徴とする。
【0017】
尚、ルーティング手段は、宛先を特定して信号を送信し、あるいは、通信を行うための手段である。
本発明の請求項2による移動端末におけるルート制御装置は、請求項1において、前記ルーティング手段は、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする。
【0018】
これにより、例えば、1つのパケットの処理中は、同時に他のパケットの処理を行なわない方式においても、並行してパケット送信及び通信を行うことができる。
本発明の請求項3による移動端末におけるルート制御装置は、請求項1において、前記ルーティング手段は、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする。
【0019】
ここでマルチアクセスは、同時に独立した複数の経路を確保して、信号の処理を行なうことをいう。このような方式であれば、通信と、登録処理のためのパケットの送受信とを並行して行うことができる。
本発明の請求項4による移動端末におけるルート制御装置は、請求項1又は2において、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出時における前記移動元ネットワークへ接続するためのルーティング情報を退避するルーティング情報退避手段を、更に、有し、
前記ルーティング手段は、前記ルーティング情報退避手段に退避されたルーティング情報に基づいて、前記該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間のルーティングを行うことを特徴とする。
【0020】
これにより、例えば、同時に1つのパケットしか処理できない方式においても、退避されたルーティング情報に基づいて、ルーティングを切り替えて、登録要求送信後に通信を再設定することができる。
本発明の請求項5による移動通信端末におけるルート制御装置は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記検出手段は、前記移動先ネットワークから該移動先ネットワークにおけるアドレス情報を含むメッセージの受信に基づいて、前記接続の切り替えの発生を検出することを特徴とする。
【0021】
例えば、モバイルIPプロトコルを採用するネットワークにおいて定期的にブロードキャストされるエージェント広告を受信して、新規の移動エージェントの検出に用いることにより、移動エージェントの切り替えを早期に検出することができると共に、該メッセージに含まれる気付けアドレス情報を、登録要求時に送信することができる。
【0022】
本発明の請求項6による移動端末におけるルート制御装置は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記検出手段は、接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理中に、更なる接続ネットワークの切り替えを検出し、
前記ルーティング手段は、前記検出手段による更なる検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理を、更に、並行して行なうことを特徴とする。
【0023】
これにより、移動端末が切り替え対象となるネットワークの待機中であるときのみならず、既に新規ネットワークへの切り替え処理中、すなわち、登録処理中であっても、新規のネットワークを検出し、当該ネットワークへの切り替えが可能になる。この場合には、例えば、最新の検出ネットワークへの登録処理、及び、現在の通信のみ、を並行させる。
【0024】
本発明の請求項7による移動端末は、接続するネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末であって、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なうルーティング手段と、
前記登録応答の受信に基づいて、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて前記通信を行うための切り替え手段と、
を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項8による移動端末は、請求項7において、前記ルーティング手段は、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項9による移動端末は、請求項7において、前記ルーティング手段は、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする。
本発明の請求項10による移動端末は、請求項7又は8において、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出時における前記移動元ネットワークへ接続するためのルーティング情報を退避するルーティング情報退避手段を、更に、有し、
前記ルーティング手段は、前記ルーティング情報退避手段に退避されたルーティング情報に基づいて、前記該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間のルーティングを行うことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項11による移動端末は、請求項7〜10のいずれか1項において、前記検出手段は、前記移動先ネットワークから該移動先ネットワークにおけるアドレス情報を含むメッセージの受信に基づいて、前記接続の切り替えの発生を検出することを特徴とする。
本発明の請求項12による移動端末は、請求項7〜11のいずれか1項において、前記検出手段は、接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理中に、更なる接続ネットワークの切り替えを検出し、
前記ルーティング手段は、前記検出手段による更なる検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理を、更に、並行して行なうことを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項13による接続ネットワーク切り替え方法は、通信を行うネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末において、該複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替える接続ネットワーク切り替え方法であって、
前記接続ネットワークの切り替えを検出する検出ステップと、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なう移行ステップと、
前記移行ステップにおけるアドレス登録処理の完了後に、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて通信を行う切り替えステップと、
を有することを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項14による接続ネットワーク切り替え方法は、請求項13において、前記登録ステップにおいては、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項15による接続ネットワーク切り替え方法は、請求項13において、前記登録ステップにおいては、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等の部分が同一符号によって示されている。
まず、図1の本実施形態にかかるネットワーク構成について説明する。
【0032】
移動網Aを構成するHA1(Home Agent)及び移動網Bを構成するFA2(Foreign Agent)が、サーバ3とインターネットを介して接続されている。
移動端末9はHA1を介してその移動網A内で、サーバ3と通信を行っており、通信状態のままHA1側から、FA2に属する移動網Bへ移動する。
【0033】
移動端末9におけるルート制御装置は、この過程において、通信中の移動エージェントであるHA1から、新しい移動エージェントであるFA2への切り替えが発生する際に動作する。
本実施の形態における移動端末9は、処理形態がパケット単位に受信から返信までを一括して実行する方式、つまり、ひとつのパケットの処理中は他のパケットの処理は行わない方式と、複数のパケットを同時に処理できる仕組みを持つ方式と、のどちらか一方の方式を有する。
【0034】
まず、ひとつのパケット処理中は他のパケットの処理は行わない方式(方式1)の動作を、図2に示す本方式の移動端末におけるルート制御装置の構成図、および、図3に示す状態遷移図に基づき説明する。なお、通信中の移動エージェントがFAであり、新しい移動エージェントもまた通信中のFAとは異なるFAである場合にも、同様に移動エージェントの切り替えが発生する。以下の説明においては、現在通信中の移動エージェントと、移動によって切り替えられる移動エージェントとは、HAであっても、FAであってもよい。
【0035】
上記の様に、移動端末が異なる移動網の隣り合っている境界に達した場合、移動端末が保持しているエージェントリストに登録されていない移動エージェント(新規移動エージェント)からのエージェント広告パケットを受信する。その時、移動端末装置における移動端末のルート制御装置内のモバイルIPパケット処理部C300の状態は待機中状態F10である。このため、以下のようなステップF11〜F13の処理が行なわれる。
【0036】
まず、モバイルIPパケット処理部C300では、切り替え前ルーティング情報格納部C312に依頼して、切り替え前(現在通信中)のルーティング情報を切り替え前ルーティング情報退避部C311へ退避する。そして、ルーティング設定部C41および気付けアドレス設定部C360に依頼して、ルーティング情報及び気付けアドレスをそれぞれ新規移動エージェントへ切り替える(ステップF11)。すなわち、切り替え前の移動エージェント経由ではなく、新規移動エージェントへの直接ルートをとるように、ルーティング情報を変更する。このルーティング情報は、移動端末がパケットを新規移動エージェントに対して送信するために必要な経路情報である。具体的には、それぞれの送信先に送信する際の出力インターフェース、及び、隣接中継ノードのIPアドレスを取得することにより、ルート制御を実施する。
【0037】
次に、移動端末の登録要求送信処理部C350に新規移動エージェントへの登録要求メッセージ送信を依頼する(ステップF12)。これにより、直接ルートで登録要求メッセージが新規移動エージェントに送信される。
さらに、移動端末の保持しているエージェントリストに新規移動エージェントの情報を追加する。
【0038】
登録要求の送信が済み次第、切り替え前ルーティング情報退避部C311を参照し、ルーティング情報を退避した情報に再設定する(F13)。
これらの処理が済むと、モバイルIPパケット処理部C300の状態は切替中状態F20となる。このとき、新規移動エージェントは受信したモバイルIPの登録要求をHAに転送すると同時に、その登録要求の送信元移動端末を訪問者Listへ登録する。さらに、新規移動エージェントにおいて保持するルーティング情報を、移動端末宛のパケットを該移動端末へ伝送するために更新する。
【0039】
上記で転送された登録要求を受け取ったHAは送信元である新規移動エージェントを移送端末の訪問先として登録、すなわち、移動端末の識別情報と新規移動エージェントにおけるIPアドレスとの対応付けを行なった後、登録要求応答メッセージを返信する。この登録要求応答メッセージのパケットは、新規移動エージェント宛のトンネリングパケットであり、これを受信した新規移動エージェントによりトンネリングを解除して、移動端末へ送信する。この後の通信の際にも、通信相手から送信される移動端末宛のパケットは、同様の手段で、すなわち、HAを経由してトンネリングパケットとして新規移動エージェントへ送信され、当該新規移動エージェントにおいてトンネリングを解除されて送信されることになる。
【0040】
こうして、切替中状態F20においては、内部に保持するルーティング情報は「旧FA」、すなわち、切り替え前の移動エージェントへのルーティング情報となっており、気付けアドレス情報は、「新FA」、すなわち、新規移動エージェントの情報となっている(鎖線J3枠内参照)。、新規移動エージェントからの登録要求応答を受信した移動端末は、ルーティング情報を新規移動エージェントへ切り替える(F22)。すなわち、移動端末から移動元エージェントへのルーティングを、移動端末から新規の移動エージェントへ直接ルーティングが行われるように、ルーティング情報を変更する。この後、移動端末は、切替済み状態F30となる。この時内部に保持するルーティング情報及び気付けアドレス情報は、「新FA」、すなわち、新規移動エージェントの情報に切り替えられている(鎖線J4枠内参照)。切替済み状態F30を経ると、待機中F10へと状態遷移する。このときは、並行した通信状態が解除され、1つの移動エージェントとのみ通信している、すなわち新規移動エージェントが現在通信中の移動エージェントとなって待機中F10状態に移行する(鎖線J5枠内参照)。
【0041】
待機中状態F10において現在通信中の移動エージェントからエージェント広告を受信した場合は、登録要求送信処理部C350に現在通信中の移動エージェント宛に登録要求を送信を依頼(ステップF14)し、現在通信中の移動エージェントのエージェントリストのTimer(有効時間)延長(ステップF15)を行い、再び待機状態F10となる。このとき、内部に保持するルーティング情報および気付けアドレス情報は変更せず、「旧FA」、すなわち現在通信中の移動エージェントの情報のままとする(鎖線J1枠内参照)。
【0042】
切替中状態F20において、新規移動エージェント以外からのエージェント広告を受信した場合は、既にエージェントリストに登録されている移動エージェントからのメッセージであれば、その移動エージェントのエージェントリストのTimer(有効時間)延長(ステップF21)を行う。このときは、新規移動エージェントへの登録要求処理中のため、登録要求の返信およびルーティング情報、気付けアドレスの更新は行わない。
【0043】
さらに切替中状態F20において、新規移動エージェントからエージェント広告を受信した場合、および、登録要求メッセージ送信後一定時間が経過し登録要求応答タイムアウトが発生した場合は、再度新規移動エージェントへのルーティング情報の切替(ステップF11)、新規移動エージエントヘの登録要求送信(ステップF12)、現在通信中の移動エージェントへのルーティング情報の切戻し(ステップF13)を行い、再び切替中状態F20となる。このとき、内部に保持するルーティング情報及び気付けアドレス情報は、「新FA」、すなわち、新規移動エージェントについての情報となっている(鎖線J2枠内参照)。
【0044】
以上を踏まえた、モバイルIPパケット処理部の状態遷移処理の一覧を図4に示す。
次に複数のパケットを同時に処理できる仕組みを持つ方式の動作を、図5に示す構成図及び図6に示す状態遷移図に基づき説明する。
移動端末が異なる移動網が隣り合っている境界に達した場合、移動端末が保持しているエージェントリストに登録されていない移動エージェント(新規移動エージェント)からのエージェント広告パケットを受信する。その時、移動端末におけるルート制御装置内のモバイルIPパケット処理部D300の状態は待機中状態G10であるため、モバイルIPパケット処理部D300内の切り替え処理部D313では、切り替え後にルーティング情報を設定するために受信パケット情報の切り替え後ルーティング情報退避部D311への退避を切り替え後ルーティング情報格納部D312へ依頼する。その後、気付けアドレスD370の新規移動エージェントへの切り替えを気付けアドレス設定部D360に依頼し、登録要求送信処理部D350に新規移動エージェントへの登録要求メッセージ送信を依頼する(ステップG12)。このとき、当該パケット(登録要求メッセージ)のみモバイルIPパケット処理部D300からルーティングを行い、新しい移動エージェントへ送信させる。このため、移動元エージェントとの通信の際のルーティングを行うためにルーティング情報部D42に保持されるルーティング情報は「旧FA」のままとなっており、気付けアドレス情報のみが「新FA」の情報となっている(鎖線J7枠内参照)。
【0045】
さらに移動端末の保持しているエージェントリストに新規移動エージェントの情報を追加する。
これらの処理が済むと、モバイルIPパケット処理部D300の状態は切替中状態G20となる。
このとき、新規移動エージェントは、受信したモバイルIPの登録要求をHAに転送すると同時に、その登録要求の送信元移動端末を訪問者Listへ登録し、さらに上述と同様にルーティング情報を更新する。
【0046】
上記で転送された登録要求を受け取ったHAは送信元の新規移動エージェントを訪問先として登録後、登録要求応答メッセージを返信する。このパケットは新規移動エージェント宛のトンネリングパケットであり、新規移動エージェントによりトンネリングが解除され、移動端末へ送信される。この後、移動端末宛のパケットは同様の手段でHAから送信されることになる。
【0047】
こうして、新規移動エージェントからの登録要求応答を受信した移動端末は切替中状態G20であるため、登録要求応答受信処理部D340によって切り替え後ルーティング情報退避部D311を参照し、ルーティング情報部D42の新規移動エージェントへの切り替えをルーティング情報設定部D41に依頼する(ステップG22)。
【0048】
その後、切替済み状態G30となる。この時内部に保持するルーティング情報及び気付けアドレス情報は、「新FA」、すなわち、新規移動エージェントの情報に切り替えられている(鎖線J9枠内参照)。切替済み状態G30を経ると、待機中G10へと状態遷移する。このときは、並行した通信状態が解除され、1つの移動エージェントとのみ通信している(鎖線J10枠内参照)。
【0049】
次に、本実施形態にかかる移動端末装置におけるルート制御装置を構成する各部の動作について詳細に説明する。図2に示すように、パケット受信処理部C10と、TCPパケット処理部C20と、モバイルIPパケット処理部C300と、ルーティング制御部C40と、パケット送信処理部C60とを備えて構成されている。
【0050】
以下にそれぞれの処理部についての実施形態を処理フローを基に記す。
まず、パケット受信処理部C10によるパケット受信処理のフローを図7に示す。
パケット受信が発生(ステップS11)すると、パケットの判別を行う。
まずステップS12において、モバイルIPの制御パケットであるか判定する。
【0051】
モバイルIPの制御パケットであった場合(Yes)には、ステップS13においてモバイルIPパケット処理部によるモバイルIPパケット処理を呼び出す。
モバイルIPの制御パケットではなかった場合(ステップ13において「Yes」)には、ステップS14においてTCPパケットであるか判定する。TCPのパケットであった場合、ステップS15のTCPパケット処理を呼び出し、ACKの返信を依頼する。具体的には、ACK返信処理部C21からルーティング制御部C40に保持されるルーティング情報部C42に保持されるルーティング情報に基づいて、パケット送信処理部C50にACK返信パケットを送信するように依頼する。
【0052】
モバイルIPのパケットでもTCPのパケットでもなかった場合(ステップS14において「No」)には、ステップS16のその他のパケット受信処理に対処を依頼する。
それぞれの受信処理が済んだ後、再びステップS11において、次のパケットの受信処理を行う。
【0053】
図7のパケット受信処理において、モバイルIPのパケットと判定された場合、図8に示すモバイルIPパケット処理が実行される。
まず、モバイルIPパケット種別判定処理部C320がステップS21において種別がエージェント広告パケットであるかの判定を行う。
エージェント広告パケットであった場合(Yes)には、ステップS22のエージェント広告受信処理を呼び出す。
【0054】
エージェント広告ではなかった場合(No)には、ステップS23において登録登録要求応答パケットであるかの判定を行う。これは、登録要求の送信中状態のとき、移動端末が送信した登録要求に対する応答であるか(目的の移動エージェントからの応答であるか)を、パケットの送信元アドレス(目的の移動エージェントのアドレスか)とシーケンス番号(最新のシーケンス番号か)から判定する。
【0055】
目的の移動エージェントからの応答であった場合、ステップS24において登録要求応答受信処理を呼び出す。
エージェント広告でも登録要求応答でもなかった場合(ステップS23において「No」)には、ステップS25においてその他モバイルIPパケット受信処理に対処を依頼する。
【0056】
図8のモバイルIPパケット処理において、エージェント広告パケットと判定された場合には、図9に示すモバイルIPエージェント広告受信処理を登録要求応答受信処理部C340において実行する。
モバイルIPエージェント広告受信処理では、ステップS31において移動エージェント切り替え判定部C330が新しい基地局からのエージェント広告か否かをモバイルIPパケット処理部C300に保持される現在の気付けアドレスC370と比較して判定する。
【0057】
現在の気付けアドレスと異なった場合(Yes)には、新しい基地局からのエージェント広告と判断し、切り替え開始処理部C313が移動エージェントの切り替え処理を開始する。
まず、ステップS32で現在通信中のルーティング情報を切り替え前ルーティング情報退避部C311へのセーブを、切り替え前ルーティング情報格納部C312に依頼する。
【0058】
そして、ステップS33で受信したエージェント広告から新規移動エージェント情報を取得し、ステップS34で気付けアドレス設定部C360に、気付けアドレスC370を新規移動エージェントの気付けアドレスに更新するように依頼する。
さらに、ステップS35でルーティング設定部C41にルーティング情報部C42に保持するルーティング情報の新しい基地局への更新を依頼する。
【0059】
その上で、ステップS36で登録要求送信処理の呼び出しを行い、登録要求送信処理部C350に新規移動エージェント宛の登録要求送信を依頼する。具体的には、登録要求送信処理部C350は、気付けアドレスC370の情報を登録要求メッセージに付加し、更にルーティング情報部C42のルーティング情報を参照して、パケット送信処理部C50にパケット送信を依頼する。
【0060】
登録要求送信処理部C350から登録送信要求処理完了のリターンがあると、ステップS37で切り替え終了処理部C314が切り替え前ルーティング情報退避部C311を参照し、退避してあるアドレスでのルーティング情報の設定をルーティング設定部C41に依頼する。
ステップS31で新しい基地局からのエージェント広告ではないと判定された場合(No)は、ステップS38で現在通信中の移動エージェントのエージェントリストを更新し、現在通信中の移動エージェントへの登録要求の送信を、登録要求送信処理部C350に依頼する。
【0061】
また、モバイルIPエージェント広告受信処理は複数のパケットを同時に処理できる仕組みを持つ(方式2)場合、図10に示す処理を実行する。
図10による、モバイルIPエージェント広告受信処理では、ステップS41において新しい基地局からのエージェント広告か否かを現在の気付けアドレスと比較して判定する。
【0062】
現在の気付けアドレスと異なった場合(Yes)には、新しい基地局からのエージェント広告と判断し、切り替え処理部D313が移動エージェントの切り替え処理を行う。
まず、ステップS42で新しい移動エージェントの情報をエージェント広告メッセージから取得する。
【0063】
そして、ステップS43で、その情報を切り替え後ルーティング情報退避部D311への格納を切り替え後ルーティング情報格納部D312に依頼する。
さらに、ステップS44で気付けアドレスD370の新規移動エージェントへの更新を気付けアドレス設定部D360に依頼する。
その上で、ステップS45で登録要求送信処理の呼び出しを行い、登録要求送信処理部D350に新規移動エージェント宛の登録要求送信を依頼する。このときのルーティングはモバイルIPパケット処理部によって行う。
【0064】
ステップS41で新しい基地局からのエージェント広告ではないと判定された場合は、ステップS46で現在通信中の移動エージェントのエージェントリストを更新し、現在通信中の移動エージェントへの登録要求の送信を、登録要求送信処理部D350に依頼する。
図7のモバイルIPパケット処理において登録要求応答パケットと判定された場合には、図11に示す、登録要求応答受信処理部D340による登録要求応答受信処理を実行する。
【0065】
登録要求応答受信処理では、ステップS51で新規移動エージェントからの登録要求応答か判定する。新規移動エージェントからの登録要求応答であった場合、当該パケットの情報をもとに新規移動エージェントのアドレスでのルーティング情報部C42の設定をルーティング設定部C41に依頼する。
これらの各処理部による処理は、図3又は図6の状態遷移に従って、各イベントがどのような状態にあるときに行なわれたかによって特定される。
【0066】
さらに、本実施の形態にかかるネットワーク切り替え方法を適用した場合におけるTCPおよびモバイルIPのメッセージシーケンスとルーティング情報を図12に示す。
移動エージェント71と通信中である移動端末は、異なる移動エージェント72からのエージェント広告を受信すると(ステップS801)、移動エージェントの切り替えイベントが発生する。
【0067】
このとき、ルーティング情報の設定を移動エージェント72に切り替えた後(ステップS802)、登録要求メッセージを送信する(ステップS803)。このルーティング情報の切り替え時には、切り替え前の移動エージェント71のルーティング情報を退避しておく。登録メッセージの送信直後に、退避した移動エージェント71の情報を基にルーティング情報を再度設定する(ステップS804)。尚、このステップS804は上述の方式1のみ行われる。
【0068】
これにより、移動エージェント71からTCPパケットを受信したときにも、移動エージェント71へのACKパケットの返信がルーティングされて(ステップS805)、移動エージェント71との通信が今までどおり継続される。
移動エージェント72に送信した登録要求の応答メッセージが移動端末に返信されると(ステップS806)、移動端末は受信した登録要求応答メッセージの情報を基に、ルーティング情報を、移動エージェント72に設定する(ステップS807)。移動エージェント72への切り替えが終了すると、移動端末は、移動エージェント72に接続した通信を行う。
【0069】
【発明の効果】
以上説明詳細に説明したように、本発明にかかる請求項1に記載の移動端末におけるルート制御装置、請求項7に記載の移動端末、及び、請求項13に記載の接続ネットワーク切り替え方法によれば、移動端末が接続先ネットワークにおいて確実な通信が可能になる移動先エージェント及びホームエージェントへの登録処理が完了するまで、移動元ネットワークにおける通信が並行して行われるので、通信の遅延や送受信インターフェースの不統一による輻輳の発生及びこれに伴うパケットドロップや、パケットドロップによる通信の中断等を回避することができる。
【0070】
本発明にかかる請求項2に記載の移動端末におけるルート制御装置、請求項8に記載の移動端末、及び、請求項14に記載の接続ネットワーク切り替え方法によれば、例えば、1つのパケットの処理中は、同時に他のパケットの処理を行なわない方式においても、並行してパケット送信及び通信を行うことができる。
本発明にかかる請求項3に記載の移動端末におけるルート制御装置、請求項9に記載の移動端末、及び、請求項15に記載の接続ネットワーク切り替え方法によれば、同時に独立した複数の経路を確保して、信号の処理を行なうことにより、通信と、登録処理のためのパケットの送受信とを並行して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動エージェントの切り替えが発生するネットワークの構成を説明する図である。
【図2】本実施の形態の方式1にかかる移動端末におけるルート制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】本実施の形態の方式1にかかる移動端末におけるルート制御装置の動作を説明する状態遷移図である。
【図4】本実施の形態の方式1にかかる移動端末におけるルート制御装置の状態遷移処理の一覧を示す図である。
【図5】本実施の形態の方式2にかかる移動端末におけるルート制御装置の構成を説明するブロック図である。
【図6】本実施の形態の方式2にかかる移動端末におけるルート制御装置の動作を説明する状態遷移図である。
【図7】パケット受信処理を説明するフローチャートである。
【図8】モバイルIPパケット処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態の方式1にかかる移動端末におけるモバイルIPエージェント広告受信処理を説明するフローチャートである。
【図10】本実施の形態の方式2にかかる移動端末におけるモバイルIPエージェント広告受信処理を説明するフローチャートである。
【図11】登録要求応答受信処理を説明するフローチャートである。
【図12】本実施の形態にかかるネットワーク切り替え方法を適用した場合における通信シーケンスを説明する図である。
【図13】移動エージェントの切り替え時にパケットドロップが発生するケースを説明する図である。
【符号の説明】
1,2 移動エージェント
3 サーバ
9 移動端末
Claims (15)
- 接続するネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末におけるルート制御装置であって、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なうルーティング手段と、
前記登録応答の受信に基づいて、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて前記通信を行うための切り替え手段と、
を有することを特徴とする移動端末におけるルート制御装置。 - 前記ルーティング手段は、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする請求項1に記載の移動端末におけるルート制御装置。
- 前記ルーティング手段は、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする請求項1に記載の移動端末におけるルート制御装置。
- 前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出時における前記移動元ネットワークへ接続するためのルーティング情報を退避するルーティング情報退避手段を、更に、有し、
前記ルーティング手段は、前記ルーティング情報退避手段に退避されたルーティング情報に基づいて、前記該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間のルーティングを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動端末におけるルート制御装置。 - 前記検出手段は、前記移動先ネットワークから該移動先ネットワークにおけるアドレス情報を含むメッセージの受信に基づいて、前記接続の切り替えの発生を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動端末におけるルート制御装置。
- 前記検出手段は、接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理中に、更なる接続ネットワークの切り替えを検出し、
前記ルーティング手段は、前記検出手段による更なる検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理を、更に、並行して行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動端末におけるルート制御装置。 - 接続するネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末であって、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なうルーティング手段と、
前記登録応答の受信に基づいて、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて前記通信を行うための切り替え手段と、
を有することを特徴とする移動端末。 - 前記ルーティング手段は、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
- 前記ルーティング手段は、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
- 前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出時における前記移動元ネットワークへ接続するためのルーティング情報を退避するルーティング情報退避手段を、更に、有し、
前記ルーティング手段は、前記ルーティング情報退避手段に退避されたルーティング情報に基づいて、前記該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間のルーティングを行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の移動端末。 - 前記検出手段は、前記移動先ネットワークから該移動先ネットワークにおけるアドレス情報を含むメッセージの受信に基づいて、前記接続の切り替えの発生を検出することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の移動端末。
- 前記検出手段は、接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理中に、更なる接続ネットワークの切り替えを検出し、
前記ルーティング手段は、前記検出手段による更なる検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理を、更に、並行して行なうことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の移動端末。 - 通信を行うネットワークにおける自端末のアドレス情報を、該アドレス情報を管理する移動端末管理装置に登録するために、該通信を行うネットワークを介して登録要求を送信し、該登録要求に対する登録応答を受信するアドレス登録処理を行なうことにより、該移動端末管理装置が管理するホームネットワーク以外の外来ネットワークを含む複数のネットワークに接続して通信を行う移動端末において、該複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替える接続ネットワーク切り替え方法であって、
前記接続ネットワークの切り替えを検出する検出ステップと、
前記複数のネットワークをまたぐ、移動元ネットワークから移動先ネットワークへの移動に伴う接続ネットワークの切り替えの発生を検出する検出手段と、
前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記検出手段による接続の切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理とを、並行して行なう移行ステップと、
前記移行ステップにおけるアドレス登録処理の完了後に、前記移動先ネットワークに接続を切り替えて通信を行う切り替えステップと、
を有することを特徴とする接続ネットワーク切り替え方法。 - 前記登録ステップにおいては、前記検出手段による接続ネットワークの切り替えの発生の検出に基づいて行われる前記登録要求の送信時にのみ、該移動先ネットワークを介した登録要求が送信されるようにルーティングし、該登録要求の送信から該登録要求に対する登録応答を受信するまでの間は、前記移動元ネットワークに接続して送信が行われるようにルーティングすることにより、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、を時分割で並行して行うことを特徴とする請求項13に記載の接続ネットワーク切り替え方法。
- 前記登録ステップにおいては、前記移動元ネットワークに接続して行う通信と、前記移動先ネットワークを介したアドレス登録処理と、をマルチアクセスによって並行して行うことを特徴とする請求項13に記載の接続ネットワーク切り替え方法。
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