JP4247602B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば両面印刷機能を備えるインクジェット式記録装置等の液体噴射装置において、記録又は液体噴射実行中(印刷中)あるいはフラッシング(空吐出)中等に発生し装置本体内に浮遊する液体(インク)ミストを排除する液体ミストの排除装置および該排除装置を備えた液体噴射装置に関するものである。
【0002】
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
例えば液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置において、液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッドのインク吐出ノズルから吐出された液体すなわちインクは、インク吐出ノズルから分離される際、あるいは被噴射媒体の一例である用紙の印刷面に到達する前に速度が0となり、微細なインクミストとなって機体内を浮遊する。このような現象は、印刷中及びフラッシング動作中に起こり、特に縁無し印刷を行なう際、用紙サイズ外において吐出されるインクがミスト化される場合が多い。インクジェット式記録装置においては数ピコリットル大のインク滴を記録ヘッドから吐出するようになってきているため、インクミストは一層発生し易くなってきている。
【0005】
このようにして機体内を浮遊するインクミストが、キャリッジのガイド軸に付着した場合には、キャリッジに対する負荷を増大させ、キャリッジの円滑な動きを阻害することとなる。また、光学式エンコーダ等の位置検出装置に付着した場合には、誤検出の原因ともなる。
【0006】
従って、機体内を浮遊するインクミストは回収又は排除することが望ましく、そのような装置及び方法を本出願人は下記特許文献1において既に提案している。このものは電子部品の放熱用として設けられているファンモータを機体内のインクミストの吸引、機体外への排出にも利用できるよう、部品の有効利用を図ったものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−211163号公報
【0008】
また、インクジェット式記録装置には用紙の表面と裏面とを連続して印刷できる両面印刷機能を備えるものがある。この場合、用紙の表面と裏面のいずれか一方の面を印刷後、用紙を反転搬送経路に進入させて表裏反転させ、印刷されていない他方の面を連続的に印刷するようにしている。尚、本明細書では用紙の表面と裏面のうち最初に印刷される面を一面、裏返して次に印刷される面を二面と定義する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように両面印刷機能を備えるインクジェット式記録装置の場合、印刷直後は吹き付けられたインクがまだ完全に乾燥していない状態にあるため、その印刷面に他の部品が接触すると当該部品にインクが転写してしまったり、印刷面がかすれたり汚れてしまう。また無理にその部品から引き離そうとすればインクが剥がれたり、用紙を破損してしまうこととなる。
【0010】
従って、用紙を反転搬送経路に進入させる前に印刷面を乾燥させるための乾燥時間を設けているわけであるが、その乾燥時間の間は印刷及び用紙の搬送は停止された状態にあり、両面印刷を完了するまでの時間の長大化をもたらしていた。この場合、印刷面の乾燥を促す別途の乾燥装置を設けることが考えられるが、製品コストの増大に直結するためその実現を困難にしていた。
【0011】
本発明の目的は、両面印刷機能すなわち両面に対する液体噴射実行機能を備え、更に機体内を浮遊するインクミスト等の液体ミストの排除機能を備えるインクジェット式記録装置等の液体噴射装置において、液体噴射面の乾燥促進を図ることによって、一面に液体噴射実行後、タイムラグを設けず、連続して二面に対する液体噴射の実行動作に直ちに移行でき、しかも製品コストの削減に寄与し、乾燥装置としても機能する液体ミストの排除装置及び当該装置を備える液体噴射装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の第1の態様に係る液体ミストの排除装置は、被噴射媒体の表面と裏面のいずれか一方の面に対して液体噴射実行後、反転搬送経路に進入させて液体噴射されていない他方の面に連続的に液体噴射を実行するようにした両面液体噴射実行機能を備える液体噴射装置において設けられ、該装置の機体内に浮遊する液体ミストを排除する液体ミストの排除装置であって、前記排除装置は、機体内の液体ミストを吸引する吸引口と、吸引した液体ミストを機体外に導く排気経路と、表面と裏面のいずれか一方の面に液体噴射が実行された後の被噴射媒体の液体噴射面に臨むように設けられる吹出口と、機体外から取り込んだエアを前記吹出口に導く吸気経路と、該吸気経路及び前記排気経路の接続経路に設けられる正逆転可能なファン装置と、該ファン装置によって生起される風の方向によって排気経路と吸気経路の一方のみに風が流れるように経路の開閉を制御する風向制御手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、単一のファン装置を液体ミストの吸引と、液体噴射面の乾燥という2種類の用途に使用でき、部品の有効利用を通じて製品コストの削減に貢献する。また液体噴射面が吹出口から吹き出されるエアを受けることによって液体噴射面の乾燥促進が図られ、両面液体噴射に要する合計の液体噴射時間の短縮が達成される。
【0014】
また、本発明の第2の態様に係る液体ミストの排除装置は、前記第1の態様において、前記吹出口は、一面が液体噴射された被噴射媒体が反転搬送経路に進入する部位に設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、一面に液体噴射実行後、被噴射媒体が反転搬送経路に進入する際、その進入側先端から後端にかけて順次吹出口からのエアを受けることになるから、被噴射媒体は液体噴射面が乾燥した状態で反転搬送経路に進入することになり、反転搬送経路内での液体(インク)の転写等は起こりにくい。
【0015】
また、本発明の第3の態様に係る液体ミストの排除装置は、前記第1の態様または第2の態様において、前記風向制御手段は、排気経路途中に設けられ前記吸引口に向かうエアの逆流を防止する第一逆止弁と、吸気経路途中に設けられ前記吹出口からのエアの吸引を防止する第二逆止弁とを備えることによって構成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、エアの流れる方向を異ならせた2種類の逆止弁を設けるだけで液体ミストの吸引による排除と、機体外からのエアの供給による液体噴射面の乾燥とをファン装置の回転方向の切替動作のみによって簡単に行うことが可能となる。
【0017】
また、本発明の第4の態様に係る液体ミストの排除装置は、前記第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記被噴射媒体の一面に液体噴射が実行された後、前記ファン装置の回転を逆転させ、被噴射媒体の液体噴射面に対して機体外から取り込んだエアを前記吸気経路を通して前記吹出口から吹き付けることによって被噴射媒体における液体噴射面の乾燥を図るように構成されていることを特徴とする。
【0018】
被噴射媒体の一面に液体噴射実行後、二面の液体噴射実行に入るまでの反転工程の間は、液体噴射ヘッドから液体の噴射(インクの吐出)が行われないため、液体ミストは新たに発生しない。従って、その間は液体ミストの排除動作は不要であり、ファン装置は停止している。本発明の第4の態様によれば、この停止状態にあるファン装置をそのまま遊ばせるのではなく有効に利用して液体噴射が実行された液体噴射面の乾燥のために活用したものである。即ち、前記被噴射媒体の一面に液体噴射が実行された後の前記反転工程の間は、前記ファン装置の回転を逆転させ、被噴射媒体の液体噴射面に対して機体外から取り込んだエアを前記吸気経路を通して前記吹出口から吹き付けることによって被噴射媒体における液体噴射面の乾燥を図ることを可能にしたものである。
【0019】
また、本発明の第5の態様に係る液体ミストの排除装置は、前記第4の態様において、前記ファン装置は正回転することによって液体ミストの排除を行ない、被噴射媒体が一面に液体噴射を終了した後、反転搬送経路に進入する際、該ファン装置を逆回転させることによって液体噴射された当該一面の乾燥を行なうように構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の態様によれば、被噴射媒体の一面に対する液体噴射と同時に該液体噴射によって発生する液体ミストの吸引排除を行い、該一面への液体噴射が終了して該被噴射媒体を反転搬送経路に侵入させる動作と同時にファン装置が逆回転して液体噴射面の乾燥処理を行い、該被噴射媒体が反転されて二面に対する液体噴射が始まったら当該ファン装置が正回転に変わり該液体噴射によって発生する液体ミストの吸引排除を行うという一連の流れを連続して行なうことが可能となり、効率的で無駄がない。
【0021】
また、本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される被噴射媒体に液体噴射ヘッドから液体を噴射して付着させる液体噴射実行手段と、液体噴射が実行された被噴射媒体を排出するための排出手段と、を備え、被噴射媒体の表面と裏面のいずれか一方の面に対して液体噴射実行後、反転搬送経路に進入させて液体噴射されていない他方の面に連続的に液体噴射を実行するようにした両面液体噴射実行機能を備える液体噴射装置であって、前記第1の態様から第5の態様のいずれかの液体ミストの排除装置を備えていることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液体ミストの排除装置を図示の実施の形態を例にとって具体的に説明し、その後、その作動状態の説明と併せて本発明に係る液体ミストの排除装置を使用した被記録媒体の乾燥方法について言及する。尚、以下の実施の形態においては、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を例に挙げて具体的な説明を展開するが、本発明がインクジェット式記録装置に限定されないことは勿論である。
【0023】
図1は、本発明の液体ミストであるインクミストの排除装置を適用した両面印刷機能を有するインクジェット式記録装置の上部ケーシングを取り外した状態を示す斜視図である。また図2はファン装置を成すファンモータ周辺を拡大して示す斜視図であり、図3は吹出口周辺を拡大して示す斜視図である。また図4はインクジェット式記録装置の記録部及び反転搬送経路近傍に設けられる本発明のインクミストの排除装置の概要を模式的に示す側断面図であり、図5は風向制御手段を拡大して示す側断面図であって、(a)はインクミストの吸引時、(b)は印刷面の乾燥時の状態を示している。
【0024】
インクジェット式記録装置1は、図示しない給紙トレイや給紙ホッパ上に載置される被記録媒体の一例である用紙Pを図示しない給紙ローラ等によって一枚ずつ取り込み、紙送り駆動ローラ5と、紙送り従動ローラ9とによって構成される紙送りローラ対11によって、記録ヘッド13下方に用紙Pを導くように構成されている。尚、紙送り従動ローラ9は、図示しない付勢手段によって紙送り駆動ローラ5側に付勢された回動式の従動ローラホルダ7によって保持されている。
【0025】
記録ヘッド13は、キャリッジ15の下部に設けられており、インクカートリッジ17が装着された状態でガイド軸19に案内されながら用紙Pの搬送方向と直交する主走査方向に往復駆動される。記録ヘッド13と対向する下方には、用紙Pが通過する所定の間隙を隔ててプラテン21を有する案内部材23が設けられている。案内部材23は、用紙Pの下面を支承する役割を有し、特にプラテン21は、印刷品質に影響を及ぼす記録ヘッド13との厳格な間隙、即ち、ペーパーギャップを一定にする作用を担っている。
【0026】
記録ヘッド13には、図示しないインク吐出ノズルが設けられており、用紙Pの搬送とキャリッジ15の主走査方向への移動とによって、用紙Pのほぼ前面に亘る印刷を可能にしている。記録ヘッド13の用紙搬送方向下流側には、排紙駆動ローラ25と、排紙ギザローラ27とによって構成される排紙ローラ対29が設けられている。この排紙ローラ対29は、印刷された用紙Pを図示しない排紙スタッカ上に導く搬送作用を担っている。
【0027】
排紙ローラ対29の更に用紙搬送方向下流側には、反転駆動ローラ31と、反転従動ローラ33とによって構成される反転ローラ対35が設けられている。この反転ローラ対35は、正転反転切替自在に構成されていて、用紙Pの一面への印刷後、用紙Pを下方の反転搬送経路37に送り込む際に正転から反転に切替えられるようになっている。反転搬送経路37は、上記反転ローラ対35が設けられている付近を始端とし、図4中、右斜め下方に一旦下った後、更に右方向に水平に延長形成され、右端に設けられるガイドローラ39によって、上方、そして左方へと案内され、再び紙送りローラ対11に至り、この部分を終端とするループ状の経路を有している。尚、ガイドローラ39は比較的大径のローラで、その周囲には圧接ローラ41が等間隔に複数個設けられている。
【0028】
そして、このようにして構成されるインクジェット式記録装置1の記録ヘッド13周辺の記録部及び反転搬送経路37の近傍に、本発明のインクミストの排除装置43は設けられる。本発明のインクミストの排除装置43は、機体3内のインクミストを吸引する吸引口45と、吸引したインクミストを機体3外に導く排気経路47と、表面と裏面のいずれか一方の面を印刷後、用紙Pの印刷面に臨むように設けられる吹出口49と、機体3外から取り込んだエアを上記印刷面上方に導く吸気経路51と、排気経路47及び吸気経路51の接続経路に設けられる正逆回転可能なファンモータ53と、該ファンモータ53によって生起される風の方向によって排気経路47と吸気経路51の一方のみに風が流れるように経路の開閉を制御する風向制御手段55とを備えることによって構成されている。
【0029】
以下これらの各部材について具体的に説明して行く。吸引口45は、案内部材23に対して設けられており、プラテン21を挟んでその近傍の用紙Pの搬送方向上流側及び下流側の2ヶ所において設けられている。尚、吸引口33は、案内部材23の側方から内側に向けて開口するように設けられており、これによりインクミストの吸引効率を高めると同時に用紙Pの下面に吸着し、用紙Pの円滑な搬送を妨げることのないようにしている。
【0030】
また、吸引口45から吸引したインクミストを機体3外に導く排気経路47は、キャリッジ15の移動範囲外となる主走査方向の側部スペースに設けられているファンモータ53に対して接続され、後述する吸気経路51と同様、図1〜図3に示す如く、一例として円形断面のホース状の部材によって形成されている。また、吹出口49は、図3および図4に示す如く、一面への印刷後の用紙Pが進行方向を逆に取り、反転搬送経路47に進入する反転搬送経路47の始端付近において主走査方向に亘って複数個設けられている。尚、少なくとも排紙ローラ対29から用紙Pが排紙される際は、用紙Pとの衝突を回避する必要から図3に示す如く、吹出口49を幾分上方に位置させておくことが望ましい。
【0031】
吸気経路51は、上述のように機体3外のエアを取り込んで上記吹出口49に導く経路である。吸気経路51の一端は、ファンモータ53に接続されており、用紙搬送方向に少し引き出した後、主走査方向に折り返して吹出口49に接続されている。ファンモータ39は、ファンとモータが矩形筐体状のケーシング内に一緒に収容された構造のものであり、本発明ではインクミストの吸引及び排出と、機体3外からのエアの取り込み及び印刷面への吹き出しを単一のファンモータで行なえるよう正逆転可能なファンモータ53を使用する。
【0032】
風向制御手段55は、排気経路47とファンモータ53の接続部に設けられる第一逆止弁57と、吸気経路51とファンモータ53の接続部に設けられる第二逆止弁59とによって構成されている。このうち第一逆止弁57は、図5(a)中に実線で示す如く、インクミストの機体3外への排出を可能とし、図5(a)中に破線で示す如く、吸引口45に向かうエアの逆流を防止するように設けられている。一方、第二逆止弁59は、図5(b)中に実線で示す如く、機体3外からのエアの取り込みを可能とし、図5(b)中に破線で示す如く、吹出口49からのエアの吸引を防止するように設けられている。
【0033】
次に、このようにして構成されるインクミストの排除装置31の作動状態の説明と併せて本発明のインクミストの排除装置を使用した被記録媒体の乾燥方法について説明する。紙送りローラ対11によって記録部に送り込まれた用紙Pは、紙送り駆動ローラ5と紙送り従動ローラ9とによって挟持されながら記録ヘッド13の下方に供給される。用紙Pが記録ヘッド13の下方に供給されると、記録ヘッド13は、キャリッジ15と共に主走査方向へ往復動しながらインク吐出ノズルからインクを吐出し始め、用紙Pは、プラテン21によってその下面が支承された状態で下流に向けて搬送され、その上面には所望の印刷が施される。ここで行なわれる印刷が一面への印刷となる。
【0034】
このような印刷中、あるいは印刷に先立って行なわれるフラッシング動作中には、機体3内に微細なインクミストが浮遊することとなる。機体3内に浮遊しているインクミストは、ファンモータ53によって生起される吸引風によって案内部材23に設けられている吸引口45から吸引され、図5(a)に示す如く、排気経路47を通って機体3外に排出される。この際、第二逆止弁59が設けられていることにより吹出口49からのエアの吸引は防止されている。
【0035】
一面の印刷が終了すると、用紙Pの終端は、排紙ローラ対29を離れ、その下流側に位置する反転ローラ対35によって挟持されたところで、その搬送は一旦停止される。次に、反転ローラ対35が回転方向を逆転させ、用紙Pの終端を先頭にして反転搬送経路37に進入させる。以下では、二面印刷終了後排紙されるまで、一面印刷時において用紙Pの終端であった部分が今度は先端となって搬送されることとなる。
【0036】
また、反転ローラ対35が回転方向を逆転させるのとほぼ同時のタイミングでファンモータ53が逆方向に回転するようになる。これにより図5(b)に示す如く、機体3外からエアが取り込まれ、第二逆止弁59及び吸気経路51を通って吹出口49から反転搬送経路37に向けて進入する用紙Pの印刷された一面に対してエアを吹き付ける。この際、第一逆止弁57が設けられていることにより吸引口45に向かうエアの逆流は防止されている。
【0037】
エアを吹き付けることによって、用紙Pの一面の乾燥が用紙Pの搬送に伴って順次連続してその印刷面全面に対して行なわれ、用紙Pは反転搬送経路37内に送り込まれる。反転搬送経路37内に進入した用紙Pは、ガイドローラ39によって図4において上方、そして左方へと搬送方向がループ状に移行し、一面印刷時において用紙Pの終端であった部分を先端として紙送りローラ対11に再び送り込まれる。
【0038】
紙送りローラ対11によって挟持されると同時、あるいは反転ローラ対35から用紙Pが離れ、反転搬送経路37内に用紙Pが送り込まれ、反転搬送経路37内において用紙Pが搬送されている状態において、ファンモータ53の回転方向が再び正転方向に切り替わり、二面印刷と同時に新たに発生するインクミストの吸引及び排除が再び行なわれるようになる。また、この状態では反転ローラ対35も再び正転方向に回転方向が切替えられており、二面印刷が終了した用紙Pは、排紙ローラ対29及び反転ローラ対35を通って排紙スタッカに向けて搬送され一連の両面印刷工程が完了する。
【0039】
本発明のインクミストの排除装置及びインクミストの排除装置を使用した被記録媒体の乾燥方法は以上述べたような構成を基本とするものであるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等も勿論可能である。例えば図6に示す如く、風向制御手段55として逆止弁を設ける構成に代えてファンモータ53の回転方向に応じて排気経路47と吸気経路51を選択して開閉できるダンパ61を設けることも可能である。
【0040】
また、図7に示す如く、ファンモータ53における機体3外のエアの取込口ないしインクミストの排出口となる開口部にシャッタ63を設けておき、インクミストの回収、排出時において上記シャッタ63を閉じることによって、その吸引風を排紙ローラ対29から出てくる用紙Pの印刷面に吹き付けるようにすることも可能である。但し、この場合には図示のようにファンモータ53の背面と吸気経路51とを結ぶ接続経路65を設けたり、インクミストのインク成分を捕獲するフィルタ等を別途排気経路47の途中に設ける等の必要が生ずる。
【0041】
因みに図7に示す実施の形態を採用した場合には、用紙Pの印刷面は排紙ローラ対29から排紙される際と、反転搬送経路37に進入する際の二回に亘ってエアによる乾燥を受けることになるから、より一層の乾燥促進が図られるようになる。また被記録媒体には用紙Pの他、フィルム状のものやCD−RやDVD−R等、やや厚みがあり形状が特異な物品も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排除装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】 ファンモータ周辺を拡大して示す斜視図である。
【図3】 吹出口周辺を拡大して示す斜視図である。
【図4】 本発明の排除装置の概要を示す側断面図である。
【図5】 風向制御手段を拡大して示す側断面図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す側断面図である。
【図7】 本発明の更に他の実施の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、 3 機体、 5 紙送り駆動ローラ、
7 従動ローラホルダ、 9 紙送り従動ローラ、11 紙送りローラ対、13 記録ヘッド、15 キャリッジ、17 インクカートリッジ、
19 ガイド軸、21 プラテン、23 案内部材、25 排紙駆動ローラ、27 排紙ギザローラ、29 排紙ローラ対、31 反転駆動ローラ、
33 反転ギザローラ、35 反転ローラ対、37 反転搬送経路、
39 ガイドローラ、41 圧接ローラ、43 インクミストの排除装置、
45 吸引口、47 排気経路、49 吹出口、51 吸気経路、
53 ファンモータ、55 風向制御手段、57 第一逆止弁、
59 第二逆止弁、61 ダンパ、63 シャッタ、65 接続経路、
P 用紙
Claims (5)
- 被噴射媒体を搬送する搬送手段と、
該搬送手段により搬送される被噴射媒体に液体噴射ヘッドから液体を噴射して付着させる液体噴射実行手段と、
液体噴射が実行された被噴射媒体を排出するための排出手段と、
液体噴射の実行により発生する液体ミストを排除する液体ミスト排除装置と、を備え、
被噴射媒体の表面と裏面のいずれか一方の面に対して液体噴射実行後、反転搬送経路に進入させて液体噴射されていない他方の面に連続的に液体噴射を実行するようにした両面液体噴射実行機能を備える液体噴射装置であって、
前記液体ミストの排除装置は、前記液体噴射装置の機体内の液体ミストを吸引する吸引口と、吸引した液体ミストを前記液体噴射装置の機体外に導く排気経路と、表面と裏面のいずれか一方の面に液体噴射が実行された後の被噴射媒体の液体噴射面に臨むように設けられる吹出口と、前記機体外から取り込んだエアを前記吹出口に導く吸気経路と、該吸気経路及び前記排気経路の接続経路に設けられる正逆転可能なファン装置と、該ファン装置によって生起される風の方向によって排気経路と吸気経路の一方のみに風が流れるように経路の開閉を制御する風向制御手段と、を備えていることを特徴とする、液体噴射装置。 - 請求項1において、前記吹出口は、一面が液体噴射された被噴射媒体が前記反転搬送経路に進入する部位に設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1または請求項2において、前記風向制御手段は、前記排気経路途中に設けられ前記吸引口に向かうエアの逆流を防止する第一逆止弁と、前記吸気経路途中に設けられ前記吹出口からのエアの吸引を防止する第二逆止弁とを備えることによって構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記被噴射媒体の一面に液体噴射が実行された後、前記ファン装置の回転を逆転させ、被噴射媒体の液体噴射面に対して前記機体外から取り込んだエアを前記吸気経路を通して前記吹出口から吹き付けることによって被噴射媒体における液体噴射面の乾燥を図るように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項4において、前記ファン装置は正回転することによって液体ミストの排除を行ない、被噴射媒体が一面に液体噴射を終了した後、前記反転搬送経路に進入する際、該ファン装置を逆回転させることによって液体噴射された当該一面の乾燥を行なうように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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