JP4246264B2 - 新規β1→4N―アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、それをコードする遺伝子 - Google Patents
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Description
本発明は、糖質中の特定の糖鎖構造を認識して、GlcNAcβ1→4分岐構造を導入する新規なN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GlcNAc転移酵素)に関するものである。
背景技術
1.糖タンパク質について
天然界に存在するタンパク質のほとんどは、アミノ酸のみから成る単純タンパク質ではなく、糖鎖やリン酸・脂質などが結合した「成熟」タンパク質の形で存在する。従って、大腸菌を生産宿主とした単純タンパク質型の製品開発には、タンパク質の成熟過程を欠くために起因する様々な問題が生じた。特にサイトカイン類など分泌型生理活性タンパク質は少数の例外を除きすべて糖タンパク質であるため、バイオ医薬開発の最大のポイントとして、糖鎖の機能・役割が着目されている。
糖タンパク質の糖鎖には、大別して、Asn結合型・ムチン型・O-linked GlcNAc型・GPI-アンカー型・プロテオグリカン型などがあり[竹内誠,グリコバイオロジーシリーズ5,グリコテクノロジー,木幡陽・箱守仙一郎・永井克孝編,講談社サイエンティフィック,(1994),191-208]、それぞれ固有の生合成経路を持ち、個別の生理機能を担っている。Asn結合型糖鎖は、カビ・酵母から、昆虫・植物及び動物界に広く分布しており、基本的な生合成経路は種を越えて保存されている(第1図)。生合成的に共通なコア糖鎖部分の外側(非還元末端側と呼ぶ)には、生物種に特徴的な糖鎖が形成される。α1,6結合で伸長する主鎖にα1,3及びα1,2分岐のマンノースが結合して形成されるマンナン型糖鎖は、酵母を始めとする菌類に特徴的な糖鎖構造である(第2図,a)[中島佑,糖鎖工学,産業調査会,(1992),384-397]。一方、昆虫・植物・動物では、マンノース残基の伸長は見られず、Dolichol中間体から転移を受けた糖鎖がトリミングされただけの形のハイマンノース型(第2図,b)が形成される。昆虫・植物・軟体動物などでは、特徴的なキシロースなどを配した独特の構造(第2図,c)も見られる。動物ではいったんトリミングされた糖鎖にGlcNAcの分岐構造が形成され、ガラクトース、シアル酸など複数種の単糖が複雑な構造を形成するコンプレックス型糖鎖(第2図,d)や、コンプレックス型糖鎖とハイマンノース型糖鎖の混在する、ハイブリッド型糖鎖(第2図,e)などの特徴的な糖鎖構造が見られる[古川清,糖鎖工学,産業調査会,(1992),64-75]。
以上のような糖鎖は、細胞表層タンパク質や分泌タンパク質のほとんどに付与され、細胞やタンパク質の個性を決定づける重要な役割を演じているものと考えられている。中でも、共通コア糖鎖からアンテナ状に伸びる分岐を形成する糖鎖構造部分は、分岐糖鎖構造と呼ばれ、生体認識リガンド(つまり、糖鎖の先端部分)に高度な自由度を与えつつ多点認識のチャンスをつくり、かつ、空間占有体積を飛躍的に増大させることでタンパク質部分に対する保護能を最大限高める機能を担っていると考えられる(竹内誠ら,前出)。従って、糖鎖の分岐構造をコントロールすることにより、糖タンパク質の生理機能・体内安定性・体内動態・臓器ターゲッティング特性を様々に改変することができる。このことから糖鎖分岐構造の制御技術は、”ヒトに優しい”糖タンパク質型医薬品開発のための次世代バイオ技術として期待されている。
2.糖タンパク質糖鎖の生理的意義について
分泌型糖タンパク質の糖鎖は糖タンパク質の生合成、細胞内ソーティング、抗原性の隠蔽、生体内安定性、臓器ターゲティング特性などの優れた機能を示す。さらに、細胞表層糖タンパク質糖鎖は、細胞の分化・病変・ガン化等の変化に応じて変化することが知られており、特にガンの転移と糖鎖の分岐構造との間に密接な関係があることが報告されている。
(1)抗原性の隠蔽
糖鎖は、立体構造上の自由度が高く、まるでプロペラのように気ままに運動していると考えられる。そのため、糖鎖に対してアフィニティーを持たないタンパク質分子(プロテアーゼやタンパク質に対する抗体など)は糖鎖に振り払われ、タンパク質部分に接近できない。従って、もし糖鎖結合部位付近のペプチド部分に抗原性があっても、抗体分子はそこに近づくことができず、抗原抗体反応は極めて起こり難くなる。また、糖タンパク質がマクロファージに捕食され、分解産物が抗原呈示される時も、糖鎖結合部位周辺のペプチドにはレセプターが接近しにくく、抗原刺激が起こり難い。実際、卵白リゾチームの抗原ペプチドの中央付近に糖鎖を導入すると、MHC class II分子との結合が著しく阻害されることが報告されている[Mouritsen,S.,Meldal,M.,Christiansen-Brams,I.,Elsner,H.and Werdelin,O.,Eur.J.Immunol.,(1994),24,1066-1072]。このような抗原性の隠蔽効果は糖鎖の占める空間容積が大きいほど高くなるので、分岐構造の発展による寄与は大きいと考えられる。
(2)生体内安定性
遺伝子組換体動物細胞を宿主として生産された史上初の糖タンパク質型医薬品となったエリスロポエチンについては、その糖鎖の機能が徹底的に調べられた。その結果、エリスロポエチンの糖鎖は受容体との結合には阻害的に働くが、活性構造の保持、および体内動態の改善に決定的な寄与があり、全体として薬理活性の発現に必要不可欠であることが示された[Takeuchi,M.and Kobata,A.,Glycobiology,(1991),1,337-346]。特に、糖鎖のアンテナ数とエリスロポエチンの薬理効果との間に強い相関性が見いだされ、いままで注目されることのなかった分岐構造(コア糖鎖に結合するGlcNAcによって形成される枝分れ構造)の重要性が初めて明らかにされた[Takeuchi,M.,Inoue,N.,Strickland,T.W.,Kobata,M.,Wada,M.,Shimizu,R.,Hoshi,S.,Kozutsumi,H.,Takasaki,S.and Kobata,A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1989),86,7819-22]。分岐構造の発達していないエリスロポエチンでは腎でのクリアランスが早まり、結果として体内滞留時間が短くなることがこの現象の主な原因であると報告されている[Misaizu,T.,Matsuki,S.,Strickland,T.W.,Takeuchi,M.,Kobata,A.and Takasaki,S.,Blood,(1995),86,4097-4104]。
(3)臓器ターゲティング特性
生体組織の多くはレクチン様レセプターを持っており、cell-cell interactionに用いたり、血中から糖タンパク質を取り込むのに利用している。肝臓のアシアロタンパク質結合レクチンは老化した糖タンパク質のクリアランス系の代表例[川嵜敏祐,糖鎖工学,産業調査会,(1992),125-136]である。その他にも、血管内皮細胞・血小板・白血球の持つselectin(川嵜敏祐,同上)や、マクロファージ・NK細胞表層のレクチンレセプター(川嵜敏祐,同上)がよく知られている。また、糖タンパク質だけでなく、細胞も糖鎖をリガンドとして特定組織に集合する現象が知られており、骨髄細胞のhoming[入村達郎,グリコバイオロジーシリーズ3,細胞社会のグリコバイオロジー,永井克孝・箱守仙一郎・木幡陽編,講談社サイエンティフィック,(1993),127-175]や炎症部位への好中球のリクルート(入村達郎,同上)などの例が詳しく調べられている。以上を統合すると、糖タンパク質や細胞はその糖鎖構造により、すべての臓器とはいかないまでも、血流中にレクチン・リセプターを呈示している特定の臓器・組織へのターゲティング特性を持っていることが十分に考えられる。このことは、糖鎖によるドラッグ・デリバリーへの道を開くものである。その場合、レクチンの糖鎖に対する親和性は、糖鎖リガンドの自由度と数に大きく左右されるため、糖鎖の分岐構造が最大のポイントとなる。
(4)細胞の病変と糖鎖分岐構造との相関性[加藤順子,鈴木直子,糖鎖工学と医薬品開発,医薬品副作用被害救済・研究振興基金編,薬業時報社,(1994),107-13214)]
多分岐型糖鎖構造を検出するプローブとして、L-PHAという植物レクチンが開発されると、様々な病変組織標本が調べられるようになった。その結果、一部のガン細胞、特に転移能の高いガン細胞がL-PHAでよく染まる傾向が見出され、糖鎖の分岐構造とガンの転移能との相関性が気付かれるようになった。human chorionic gonadotropin(hCG)は妊娠初期の絨毛組織で盛んに生合成されるglycoprotein hormoneである。かなりの量が尿中に排出されるので、妊娠の指標として臨床利用されている。このhCGのAsn結合型糖鎖は、1分岐及び2分岐複合型を主体とする特徴的なものであるが、栄養膜腫瘍(Trophoblastoma)から、侵食性母斑(Invasive mole)、さらには絨毛癌(Choriocarcinoma)とガンが悪性度を増すにつれ、2,4,2型3分岐鎖および異常2分岐鎖(いずれも1分岐鎖及び2分岐鎖にGnT-IVが作用した型)の出現することが報告されている[山下克子,蛋白質・核酸・酵素,(1992),37,1880-1888]。その原因としてGnT-IVが絨毛ガンの悪性化に連動して活性上昇する可能性が示唆されている。
γ-glutamyltranspeptidase(γ-GTP)は、肝臓に特異的に多く存在する糖タンパク質である。血清中のγ-GTPは種々の肝臓疾患に従って劇的に増加することから、肝疾患の指標として臨床応用されている。さらにYamashitaら[Yamashita,K.,Totani,K.,Iwaki,Y.,Takamisawa,I.,Tateishi,N.,Higashi,T.,Sakamoto,Y.and Kobata,A.,J.Biochem.,(1989),105,728-735]は、γ-GTPの糖鎖構造が細胞のガン化により、hCGと類似の分岐構造異常を起こすことを見出し、ガン化とGnT-IV活性化との相関性を報告している。正常ヒト肝細胞由来γ-GTPのAsn結合型糖鎖は2分岐複合型を主体とし、少量の3分岐鎖、4分岐鎖も混在する分布のものであるが、ヒト肝ガン細胞由来のものは、著しい分岐構造の昂進が見られ、同時に少量ではあるが、正常細胞由来のものには見られなかったハイマンノース型糖鎖および異常2分岐鎖が出現していた。その原因として、N-アセチルグルコサミン転移酵素-IV(GnT-IV)および-Vがガン化に伴って活性化した可能性が示唆されている(Yamashitaら,同上)。
細胞の糖タンパク質の糖鎖分岐構造は、ウィルスの感染によっても激しく変化することが報告されている(Yamashitaら,同上)。BHK細胞はテトラアンテナ型までの分岐糖鎖構造を持っている。これをポリオーマウイルスでトランスフォームすると、細胞の生産する糖タンパク質糖鎖のうちバイアンテナリー型が減少し、かわりにテトラアンテナ型およびN-アセチルラクトサミンのリピート構造が増加し、全体として分岐数の著しい昂進が認められた[Takasaki,S.,Ikehira,H.and Kobata,A.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,(1980),90,(3),735-742]。その原因としては、GnT-IV、-Vおよびi-GnTの活性化が考えられる。
3.糖タンパク質の分岐糖鎖構造関連酵素について
動物に特徴的な糖タンパク質糖鎖構造である複合型糖鎖は、共通コア型糖鎖にアセチルグルコサミン(GlcNAc)が様々に結合し、複雑な分岐構造を形成している(古川清,前出)(第1図)。この分岐構造は生体内外における糖タンパク質の安定性、局在性、生物活性、薬理特性と密接な関係があるため(竹内誠,前出)、その生合成過程が詳しく調べられて来た。H.Schachterらは基質に工夫して、Hen oviduct中の各酵素活性を区別し、GnT-I〜VIまでのGlcNAc分岐形成酵素(GlcNAc糖転移酵素群;第3図)の存在を予言した[Glesson,P.A.and Schachter,H.,J.Biol.Chem.,(1983),258,6162-6173]。その後、GnT-I[Kumar,R.,Yang,J.,Larsen,R.D.and Stanley P.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1990),87,9948-9952、Sarkar,M.,Hull,E.,Nishikawa,Y.,Simpson,R.J.,Moritz,R.L.,Dunn,R.and Schachter,H.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,(1991),88,234-238]、GnT-II[D’Agostaro,GA.,Zingoni,A.,Moritz,RL.,Simpson,RJ.,Schachter,H.and Bendiak,B.,J.Biol.Chem.,(1995),270,15211-21]、GnT-III[Nishikawa,A.,Ihara,Y.,Hatakeyama,M.,Kangawa,K.and Taniguchi,N.,J.Biol.Chem.,(1992),267,18199-18204]、GnT-V[Shorebah,M.G.,Hindsgaul,O.and Pierce,M.,J.Biol.Chem.,(1992),267,2920-2927、Gu,J.,Nishikawa,A.,Turuoka,N.,Ono,M.,Yamaguchi,N.,Kangawa,K.and Taniguchi,N.,J.Biochem.,(1993),113,614-619]が次々と精製され、遺伝子がクローニングされた。しかし、これらの既知GlcNAc転移酵素だけでは、代表的なヒトの血中糖タンパク質として知られるα1酸性糖タンパク質[Yoshima,K.,Tsuji,T.,Irimura,T.and Osawa,T,J.Biol.Chem.,(1984),256,10834-10840]やエリスロポエチン[Takeuchi,M.,Takasaki,S.,Shimada,M.and Kobata,A.,J.Biol.Chem.,(1990),265,12127-12130]に見られる主要糖鎖(テトラアンテナ型、下記式)を形成することはできないため、GnT-IVに相当する基質及び反応特異性を持ったアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼがMissing linkとして探し求められてきた。
アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとしては、上記の他に、ムチン型糖鎖に作用するもの[Bierhuizen,M.F.,Maemura,K.and Fukuda,M.,J.Biol.Chem.,(1994),269,4473-4479]、糖脂質に作用するものや、I・i-抗原構造として知られる糖鎖エピトープを形成するもの[Kawashima,H.,Yamamoto,K.,Osawa,T.and Irimura,T.,J.Biol.Chem.,(1993),268,27118-27126、Bierhuizen,M.F.,Mattei,M.G.and Fukuda,M.,Genes Dev.,(1993),7,468-478]について精製あるいは遺伝子のクローニングがなされているが、基質特異性や転移されたGlcNAc基の結合様式が異なり、いずれもGnT-IV様の生成物を与えない。
発明の開示
本発明の課題は、β1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(以下、GnT-IVという)活性を有する酵素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組み換え体DNA、該組み換え体DNAを含む細胞、該細胞を培地に培養してGnT-IV活性を有する酵素タンパク質を生産する方法、およびGnT-IVを用いて糖鎖を改変した糖質を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ウシ小腸より、GnT-IV酵素タンパク質を単離精製し、その生化学的性質を明らかにするとともに、その部分アミノ酸配列をもとに、同組織のcDNAライブラリー及びmRNAからウシGnT-IVa遺伝子をクローニングすることに成功した。さらに、ウシGnT-IVa遺伝子をもとにしてヒト肝臓・ヒト肺のcDNAライブラリーおよびmRNAからそれぞれヒトGnT-IVa・ヒトGnT-IVbの2つの遺伝子をクローニングすることに成功した。そして、これらの遺伝子産物がGnT-IV活性を示すことを確認することにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、糖供与体としてUDP-GlcNAcを、糖受容体として下記式:
で表される部分構造を有する糖質をそれぞれ基質とし、下記式:
で表される部分構造を有する糖質を生成する作用を有するGnT-IVである。
本発明の第2の発明は、配列番号18記載のアミノ酸配列、または配列番号18記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IV;配列番号24記載のアミノ酸配列、または配列番号24記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IV;配列番号37記載のアミノ酸配列、または配列番号37記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IVである。
本発明の第3の発明は、配列番号18記載のアミノ酸配列、または配列番号18記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IVをコードするGnT-IV遺伝子;配列番号24記載のアミノ酸配列、または配列番号24記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IVをコードするGnT-IV遺伝子;配列番号37記載のアミノ酸配列、または配列番号37記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつGnT-IV活性をもたらすアミノ酸配列を有するGnT-IVをコードするGnT-IV遺伝子;配列番号17記載の塩基配列を有するGnT-IV遺伝子;配列番号23記載の塩基配列を有するGnT-IV遺伝子;配列番号36記載の塩基配列を有するGnT-IV遺伝子である。
本発明の第4の発明は、上記のいずれかのGnT-IV遺伝子をベクターDNAに挿入したことを特徴とする組み換え体DNA;上記のいずれかに記載のGnT-IV遺伝子の一部もしくは全部を含む染色体断片である。
本発明の第5の発明は、上記組み換え体DNAを含む宿主細胞;上記染色体断片を人為的に導入した宿主細胞である。
本発明の第6の発明は、上記宿主細胞を培地に培養し、培養物からGnT-IVを採取することを特徴とするGnT-IVの製造法;上記宿主細胞を起源とする宿主の分泌物・体液・ホモジネートからGnT-IVを採取することを特徴とするGnT-IVの製造法である。
本発明の第7の発明は、生物試料から上記GnT-IVを精製する方法である。
本発明の第8の発明は、上記GnT-IVにより糖鎖構造を改変した糖質である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のGnT-IV遺伝子は以下のようにして単離することができる。
ウシGnT-IVa遺伝子の取得
まず、ウシ小腸のミクロソーム画分を界面活性化剤で可溶化したものについて、陰イオン交換樹脂・銅キレートカラム・2段階の基質アナログによるアフィニティークロマトグラフィーおよびゲルろ過の一連の操作を加えることによりGnT-IV酵素の精製標品を得る。得られた精製標品をSDS-PAGEにかけ、さらに、PVDF膜上に転写したものについてそのまま、もしくは、限定水解後、気相アミノ酸シーケンサーで分析することにより本酵素の部分アミノ酸配列を得る。
次いで、動物細胞(ウシ小腸)より抽出したRNAを鋳型とし、上記で配列決定した部分アミノ酸配列をもとに設計したプライマーを用いて、RT-PCRを行う。さらに、RT-PCRにより得られた断片をプローブとし、プラークハイブリダイゼーションにより、前記組織由来のcDNAライブラリーから目的とするGnT-IVa遺伝子をスクリーニングする。得られたポジティブプラークに含まれるcDNA断片を切り出し、pUC19などのベクターにサブクローンし、塩基配列を解析する。タンパク質をコードする部分の全長がとれていなければ、必要に応じてサブクローンした断片の一部をプローブとして再びプラークハイブリダイゼーションを行うか、得られた塩基配列情報をもとにRACE法などでcDNAの末端部を取得する。このようにしてクローニングされたGnT-IVa遺伝子の全塩基配列の解析を行い、次いで前記塩基配列を有する遺伝子によって翻訳されるポリペプチドのアミノ酸配列を確定する。このアミノ酸配列は、配列番号18に示されるとおりである。
ヒトGnT-IVa遺伝子,ヒトGnT-IVb遺伝子の取得
ヒトGnT-IVa遺伝子、ヒトGnT-IVb遺伝子は、前述のようにして得られたウシGnT-IVa遺伝子の塩基配列情報をもとにヒト組織(肝臓または肺)より抽出したRNAを用いたRT-PCRおよびこれらの組織由来のcDNAライブラリーのスクリーニングにより得られる。得られたヒトGnT-IVa遺伝子、ヒトGnT-IVb遺伝子の全塩基配列の解析を行い、次いでこれらの遺伝子によって翻訳されるポリペプチドのアミノ酸配列を確定する。これらのアミノ酸配列は配列番号24、37に示される通りである。
一方、配列番号18,24,37のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換された配列をコードするDNAを得るには、多くの方法を用いることができる。例えば、点変異又は欠失変異を生じさせるために遺伝子を変異源処理する方法;遺伝子を選択的に開裂し、次に選択されたヌクレオチドを除去又は付加し、そして遺伝子を連結する方法;オリゴヌクレオチド変異誘発法等が挙げられる。
上記の方法により得られる本発明のGnT-IVをコードするDNAを適当なベクターのプロモーター下流に挿入した組換え体ベクターを作製し、それを宿主細胞に導入し、得られた細胞を培養することにより本発明のGnT-IVを製造することができる。用いられるベクターDNAは、プラスミドDNAでもバクテリオファージDNAでもよい。例えば、後記実施例に示されるベクターpSVLベクター(Pharmacia,Sweden)を用いることができる。得られた組み換え体DNAを導入する宿主細胞としては、原核細胞、動物細胞、酵母、カビ、昆虫細胞など、組換えDNA技術で用いられる細胞ならば、いかなる細胞でも用いることができる。例えば、原核細胞としては大腸菌、動物細胞としてはチャイニーズハムスターの細胞であるCHO細胞、サルの細胞であるCOS細胞等が挙げられる。
上記の形質転換は、それぞれの宿主について一般的に行われている方法で行う。例としては、宿主が大腸菌ならばカルシウム法その他の方法により作成したコンピータント細胞に組み換えDNAを含むベクターを温度ショック法あるいはエレクトロポレーション法により導入する。宿主が酵母であればリチウム法その他の方法により作成したコンピータント細胞に組み換えDNAを含むベクターを温度ショック法あるいはエレクトロポレーション法により導入する。宿主が動物細胞であれば、増殖期等の細胞に組み換えDNAを含むベクターをリン酸カルシウム法、リポフェクション法またはエレクトロポレーション法により導入する。
このようにして得られた形質転換体を培地に培養することにより、GnT-IVタンパク質を産生させる。
形質転換体を培養する場合、培養に使用される培地としては、それぞれの宿主が生育可能な培地ならば良い。例としては、宿主が大腸菌ならばLB培地などを用いる。宿主が酵母であればYPD培地などを用いる。宿主が動物細胞であれば、Dulbecco’s MEMに動物血清を加えたものなどを用いる。培養は、それぞれの宿主について一般的に用いられている条件で行う。例としては、宿主が大腸菌ならば約30〜37℃で、約3〜24時間行い、必要により通気や攪拌を加えることができる。宿主が酵母であれば約25〜37℃で、約12時間〜2週間行い、必要により通気や攪拌を加えることができる。宿主が動物細胞であれば約32〜37℃で、5% CO2、100%湿度の条件で約24時間〜2週間行い、必要により気相の条件を変えたり攪拌を加えることができる。
培養後、培養菌体あるいは細胞をホモジェナイザー、フレンチプレス、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解によって菌体または細胞を破壊し、菌体外にGnT-IVタンパク質を溶出させ、可溶性の画分から該タンパク質を得ることができる。また、目的のタンパク質が不溶性画分に含まれる場合は菌体または細胞を破壊後、遠心分離により不溶性画分を回収し、塩酸グアニジンなどを含む緩衝液などによって可溶性にして回収する方法も用いうる。このほか塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤を含む緩衝液によって直接菌体あるいは細胞を破壊し、菌体外に目的のタンパク質を溶出させる方法もある。
上記上澄み液からGnT-IVタンパク質を精製するには、実施例1に示した方法の他に、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行うことができる。これらの公知の分離、精製法としては、遠心分離、塩析、溶媒沈殿、透析、限外濾過、分配クロマトグラフィー、ゲル濾過、キャピラリー電気泳動、TLC、イオン交換クロマトグラフィー、金属キレートクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、等電点電気泳動などがある。
上記のようにしてウシ小腸より得られたGnT-IV酵素タンパク質の生化学的性質は、以下の通りである。
(1)作用
糖供与体としてUDP-GlcNAcを、糖受容体として下記式:
で表される部分構造を有する糖質をそれぞれ基質とし、下記式:
で表される部分構造を有する糖質を生成する。
糖受容体となる糖質は、オリゴ糖、多糖複合糖質(糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカン)およびそれらの誘導体をいう。
(2)基質特異性
受容体となる糖質がオリゴ糖(オリゴ糖の構造については第4図参照)の場合、GnT-II product型オリゴ糖を受容体としたときを100%とすると、コア型オリゴ糖、GnT-I product型オリゴ糖、GnT-V product型オリゴ糖に対して、それぞれ0%、54%、164%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖の還元末端GlcNAcにフコースがα1→6結合で結合した構造には46%の反応性を示す。
GnT-II product型のMannoseα1→3分岐側のGlcNAcを欠いた構造には、0%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖のα1→6分岐側GlcNAcにGalactoseがβ1→4結合で結合した構造には16%の反応性、α1→3分岐側GlcNAcにGalactoseがβ1→4結合で結合した構造には0%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖のβ1→4残基にGlcNAcがβ1→4結合で結合した構造には0%の反応性を示す。
(3)分子量
SDS-PAGE(非還元下)で約66K。peptide N-glycosidase F処理後約60K。peptide N-glycanaseでバンドの移動があることから、糖タンパク質と考えられる。
TritonX-100入りのゲル濾過でのみかけの分子量は77K。従ってGnT-IVはサブユニット構造を持たず、モノマーで機能していると考えられる。
塩基配列から推定された本酵素のタンパク質部分は535アミノ酸残基から成り、分子量は61614である。
(4)至適pH
反応の至適pHは約5.5である。pH6.5〜8.0の範囲で最大値の50%以上の活性が認められる。
(5)阻害、活性化及び安定化
(i)阻害
本酵素は20mMのEDTAの添加で活性が阻止される。
本酵素はUDP誘導体によって阻害される。阻害の強さはUDP≫UDP-Glc>UDP-GalNAc≫2’-deoxy UDP>UDP-hexanolamine≫UDP-Gal>UTP>UDP-glucuronic acid>UMPである。
uridine,TDP,CDPには阻害効果がない。
(ii)活性化
活性発現に2価カチオンが必須である。2価カチオンの中では、Mn2+が最大の効果を示し、7.5mM濃度下Co2+,Mg2+ではMn2+の70%程度、Ca2+では同じく10%程度の効果がある。Mn2+の効果は5〜20mMの範囲で最大である。
(iii)安定化
BSA,glycerolに安定化効果が認められる。
(6)速度定数
受容体となる糖質がオリゴ糖(オリゴ糖の構造については第4図参照)の場合、(i)0.8mMの受容体基質、20mM UDP-GlcNAc,7.5mM MnC12,200mM GlcNAc,0.5%(w/v)Triton X-100,10% glycerol,1% BSAを含む125mM MOPSバッファー,pH7.3,50μl中で37℃,4時間反応させてAssayする条件:
GnT-II product型オリゴ糖に対するKm,Vmax値は、それぞれ、0.73mM,3.23μM/min。
GnT-V型productオリゴ糖に対するKm,Vmax値は、それぞれ、0.13mM,1.75μM/min。
GnT-II型productオリゴ糖を受容体基質にした場合、UDP-GlcNAcに対するKm値は0.22mM。
(ii)120mM UDP-GlcNAc,7.5nM MnCl2,0.5%(w/v)TritonX-100,10% glycerol,1% BSAを含む、125mM MOPSバッファー,pH7.3,37℃,4時間反応させてAssayする条件:
GnT-II product型オリゴ糖に対するKm,Vmax値は、それぞれ、0.59mM,0.74mM/min/mg。
GnT-V product型オリゴ糖に対するKm,Vmax値は、それぞれ、0.14mM,0.47mM/min/mg。
(7)GnT-IVファミリー
ウシGnT-IVaとヒトGnT-IVaの両者のホモロジーは核酸レベルで91%、アミノ酸レベルで96%である。
ウシ小腸から得られた精製GnT-IVの部分アミノ酸構造は、すべてウシGnT-IVa遺伝子中にコードされている。
ヒトGnT-IVbとヒトGnT-IVaとは核酸レベルで63%、アミノ酸レベルで62%のホモロジーがあるが、C末端およびN末端領域が全く異なっている。
以上の生化学的性質より、本発明のGnT-IVは、従来の糖転移酵素では行うことのできなかった下式の反応を行いうる点において、新規酵素と認定した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Asn結合型糖鎖生合成経路を示す。
第2図は、Asn結合型糖鎖のバリエーション(竹内 誠;和光純薬時報64,18-19,1996;図1より改変)を示す。
a.マンナン型:酵母・カビなど菌類に特徴的な糖鎖構造
b.キシロースハイマンノース型:植物・軟体動物・昆虫に特徴的
c.ハイマンノース型:植物・昆虫から動物まで共通してみられる構造
d.ハイブリッド型:昆虫・動物に共通してみられる構造
e.コンプレックス型:動物に特徴的
f.原核細胞:Asn結合型糖鎖の生合成系が無い
図中、点線で囲った部分は共通コア糖鎖を示す。
第3図は、GlcNAc転移酵素(GlcNAc糖転移酵素)作用点を示す。
第4図は、オリゴ糖の呼称とその構造と示す。
第5図は、GnT-IV反応生成物の高速液体クロマトグラムを示す。
第6図は、Q-Sepharose FFクロマトグラフィーの分析結果を示す。
第7図は、銅キレートSepharose FFクロマトグラフィーの分析結果を示す。
第8図は、UDP-Hexanolamine Agaroseアフィニティークロマトグラフィー(I)の分析結果を示す。
第9図は、UDP-Hexanolamine Agaroseアフィニティークロマトグラフィー(II)の分析結果を示す。
第10図は、Superdex 200ゲルクロマトグラフィーの分析結果を示す。
第11図は、精製GnT-IVのSDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)の結果を示す写真である。
第12図は、GnT-IV標品のNativeゲル電気泳動写真と活性を示す。
第13図は、GnT-IV,V,VI productオリゴ糖のスミス分解を示す。
第14図は、GnT-IV反応プロダクトの1H-NMR(30℃)の結果を示す。
第15図は、GnT-IVの至適pHを示す。
第16図は、GnT-IVの至適Mn2+濃度を示す。
第17図は、糖タンパク質に対してGnT-IVの作用させた反応産物のSDS-PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)及びそのフルオロクロマトグラフによる分析結果を示す写真である(A:CBBによるタンパク質染色、B:フルオログラフィー)。
Lane 1,2;アシアロ・アガラクト・ヒト・トランスフェリン7.6μg
Lane 3 ;アシアロ・ヒト・トランスフェリン7.6μg
Lane 4,5;アシアロ・アガラクト・CHO細胞由来組換体・ヒト・エリスロポエチン2.8μg
Lane 6,7;アシアロ・アガラクト・フェツイン1.3μg
Lane 1,4,6は、GnT-IVを加えずに反応させたMOCK実験。Mは分子量マーカー(Bio-Rad)、PMはプレステインされた分子量マーカー(Bio-Rad,USA)
GnT-IV反応条件:0.702nmol/hrのGnT-IV、バイアンテナリー型糖鎖1.6nmol相当の基質糖タンパク質(フェツインだけは、糖鎖含量を1.6nmolに合わせた)、450nCiのUDP-[14C]GlcNAcを含む溶液10μlに等量のassay mixture(250mM MOPS buffer,pH7.3,400mM GlcNAc,20% glycerol,1.0%(w/v)Triton X-100,15mM MnCl2,1mM UDP-GlcNAc)を加えた反応液を37℃で20時間incubateした後、1/10量をSDS-PAGE及びフルオログラフィーで分析した。
SDS-PAGEには、10-20%グラジェントゲル(第一化学)を用い、フルオログラフィーには、Amplity(アマシャム)を用い、X線フィルムに20時間露光した。糖タンパク質中のバイアンテナリー型糖鎖の測定は、PVDF膜にドットブロットした後、ConA-HRPとPOD-イムノスティンキット(和光純薬)を用いて行った。
第18図は、ヒトGnT-IVaのオープンリーディングフレームとpCore-His発現ベクターに含まれる領域を示す。
第19図は、各細胞株が生産するエリスロポエチンの等電点電気泳動/ウェスターン解析を示す。2種類のエリスロポエチン生産株、およびそれらにウシあるいはヒトのGnT-IVa遺伝子を導入した株について、それらが分泌するエリスロポエチンを等電点電気泳動および抗エリスロポエチン抗体を用いたウェスターン法により解析した。左端に同時に泳動したpIマーカーの位置を示す。
発明を実施するための最良の方法
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
〔参考例1〕
(1)実施例に用いた試薬類
特に指定の無い試薬類は、和光純薬製の最高グレードのものを使用した。
▲1▼ ピリジルアミノ化オリゴ糖
使用した各ピリジルアミノ化オリゴ糖は、ヒト・トランスフェリン(アポ型,Sigma,USA)[Tokugawaらの方法;Biehuizen,M.F.,Mattei,M.G.and Fukuda,M.(1993)Genes Dev.,7,468-478]で調製したものをベースとして、これに、Arethrobacter ureafaciens由来sialidase(ナカライテスク),Asperugillus sp.由来β-galactosidase(東洋紡績),ナタ豆由来β-N-acetylhexosaminidase(生化学工業),CHO-K1細胞抽出液(CHO-K1細胞を2倍容量の2mM MgCl2と1mM PMSFを含む5mM Tris-HCl,pH7.5のバッファー中にて超音波粉砕し、900×g 10分間の遠心分離で得られた上清)中のGnT-V活性画分、およびウシ小腸ホモジネート可溶化画分(調製法は、実施例1;ミクロソーム画分の調製および可溶化に記述)中のGnT-V活性画分を単独もしくは組み合わせて作用させて調製した。一部のものは、PA-Sugar chain 021,022(宝酒造)を上記の酵素で処理して調製した。いずれも、ODSカラム(10×250mm,Vydac,USA)の逆相クロマトグラフィーで精製してから用いた。
▲2▼ 糖タンパク質基質
ウシ・フェツイン(Sigma,USA)とCHO細胞由来組換体ヒト・エリスロポエチン(キリンビール)は以下の前処理により比較的均質な糖鎖構造のものを精製して用いた。糖タンパク質40〜100mgを1mM MgCl2,1mM CaCl2,0.15M NaClを含む10mM Tris-HCl,pH7.4,バッファーで平衡化したConA-Sepharoseカラム(5ml,Pharmacia,Sweden)に添加し、バイアンテナ型糖鎖の少ないglycoformを非吸着画分に得た。さらに、カラムを1.0Mα−メチルマンノシド(ナカライテスク)入りの上記バッファーで溶出し、バイアンテナ型糖鎖含量の高いglycoform吸着画分を得た。こうしてバイアンテナ型糖鎖低含量のフェツインとバイアンテナ型糖鎖高含量のエリスロポエチンを得た。なお、ヒト・トランスフェリンは、ほぼすべての糖鎖がバイアンテナリー型なので精製の必要はない。
上記のようにして得られたフェツインおよびヒト・トランスフェリンは、4mM MgCl2を含む0.4M Sodium acetateバッファー,pH5.0,1ml反応液中でシアリダーゼ1Uとβ−ガラクトシダーゼ0または107Uを37℃、16時間反応させ、アシアロ化及びアシアロ・アガラクト化した。また、バイアンテナ型糖鎖高含量のエリスロポエチンはシアリダーゼ0.5Uとβ-galactosidase 5Uを上記と同様に作用させて、アシアロ・ガラクト化した。
得られた糖タンパク質基質は50mM Ammonium acetateバッファー,pH7.3に対して透析した後、BCA protein assay(Pierce,USA)で、タンパク質量を定量(BSA,bovine serum albuminを標準物質とした)し、SDS-PAGE(sodium dodesyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)にて検定して実施例に用いた。
▲3▼ RT-PCR(Reverse transcription-polymerase chain reaction)
RT-PCRにはAccess RT-PCR System(Promega,USA)を、さらに目的の遺伝子断片を増幅する際にはPfu polymerase(Stratagene,USA)を用いた。
(2)実施例に用いた機器類
▲1▼ 遺伝子配列決定
ABI PLISM 377 DNA Sequencer(Perkin-Elmer,USA)を使用した。
〔参考例2〕GnT-IV活性の特異的アッセイ
一般的にGnT活性のアッセイ法としてはオリゴ糖基質への放射活性ラベル化GlcNAcの転移を測定する方法、予めラベルされたオリゴ糖基質へのGlcNAcの転移をHPLC等で分別測定する方法がある。谷口らは、GnT-II product型オリゴ糖を受容体に用い、GnT-III,-IV及び-V活性を同時測定する方法を開発している[Nishikawa,A.,Fujii,S.,Sugiyama,T.and Taniguchi,N.(1988)Anal.Biochem,170,349-354]。しかしながら、全体内におけるGnT-IVの相対活性がGnT-IIIやVに比べて低いことから、上記アッセイ法はそのままではGnT-IVの精製には不向きであった。
そこで発明者らは、アッセイに用いる受容体ピリジルアミノ化オリゴ糖量をGnT-III,-Vのアッセイ時の10倍にすることで、GnT-IVを定量的にかつ感度良く測定する方法を開発した[Tokugawa,K.,Oguri,S.and Takeuchi,M.(1996)Glycoconjugate J.,13,53-56]。そのような大量の受容体オリゴ糖を調製することは一般に大変困難であるが、徳川らの方法[Tokugawa,K.,Oguri,S.and Takeuchi,M.(1996)Glycoconjugate J.,13,53-56]により容易に調製できる。
そこで、本発明の実施例においては、以下のようにしてGnT-IVのアッセイを行った。
0.8mMのピリジルアミノ化オリゴ糖基質(GnT-II product型オリゴ糖基質),20mM UDP-GlcNAc,7.5mM MnCl2,200mM GlcNAc,0.5%(w/v)Triton X-100,10%glycerol,1%BSAを含む125mM MOPS[3-(N-morpholino)propanesulfonic acid]バッファー,pH7.3,37℃の反応液中で酵素を4時間反応させ、2分間煮沸して反応を止めた。0.45nm孔のフィルターで固形物を除いた後、5μlをとってTSK ODS-80TMカラム(4.6×150mm,TOSO)で分析した(第5図)。カラム条件は、流速1.2ml/min、カラム温度50℃とした。液相は、0.15%(w/v)n-ブタノールを含む50mM酢酸アンモニウムバッファー、pH4.0とした。ピリジルアミノ基のケイ光は、Excitation 320nm,Emission 400nmで測定した。
〔実施例1〕酵素の単離・精製
(1)酵素源のスクリーニング
前述のアッセイ法を用いてGnT-IVを精製するための酵素源を探した。第1表に示すようにウシ小腸でGnT-IVの相対活性がGnT-III,-Vに比べて高いことが分かり、これを精製の出発材料に選んだ。
(2)精製
特に記載がないかぎり、操作は全て4℃で行なった。
▲1▼ ミクロソーム画分の調製
2Kgのウシ小腸(畜肉加工業者より入手)をミンチにし、4倍容量の抽出バッファー(0.25M Sucrose,1mM phenylmethylsulfonyl fluoride,1mM benzamidine hydrochloride,1mM dithiothreitol,10mg/ml antipainを含む10mM Tris-HCl buffer,pH7.4)を加え、ポリトロン(Kinematica,Sweden)でホモゲナイズした。それを900×gで10分間遠心分離し、上清をさらに105,000×gで60分間遠心分離し、ミクロソーム画分を沈殿として得た(標品1)。
▲2▼ 可溶化
標品1を3倍容量の上記抽出バッファーに終濃度1%のTriton-100を加えたもの(可溶化バッファーと呼ぶ)に懸濁し、同様の操作を繰り返して、上清を可溶化画分に加えた(標品2)。
▲3▼ Q-Sepharose FFクロマトグラフィー
予め、操作バッファー1(1mM Benzamidine hydrochloride,0.1% Triton X-100,20% glycerolを含む20mM Tris-HCl,pH7.4)で平衡化したQ-Sepharose FFカラム(5×30cm,Pharmacia,Sweden)に標品2をアプライし、0〜0.5MのKClグラジェントで溶出した(第6図)(標品3)。
▲4▼ 銅キレートSepharose FFクロマトグラフィー
予め、操作バッファー2(操作バッファー1に終濃度0.15MのKClを添加した組成のもの)で平衡化した銅キレートSepharose FFカラム(5×10cm,Pharmacia,Sweden)に標品3をアプライし、5倍量の操作バッファー2で非吸着画分を洗い流した後、0.01M Glycineのグラジェントで溶出した(第7図)。得られたGnT-IV活性画分をプールし、YM30限外濾過膜(Amicon,USA)で濃縮した(標品4)。
▲5▼ UDP-Hexanolamine AgaroseアフィニティークロマトグラフィーI
予め、操作バッファー3(0.15M KCl,10mM MnCl2,0.05% Triton X-100,20% glycerolを含む20mM Tris-HCl,pH8.0)で平衡化したUDP-Hexanolamine Agaroseアフィニティーカラム(1.2×4.5cm,Sigma,USA)に予め1mM benzamidine hydrocholorideを添加した操作バッファー3に対して透析した標品4の半量を1回分としてアプライし、操作バッファー4(10mM MnCl2,0.05% Triton X-100,20% glycerolを含む20mM Tris-HCl,pH8.0)で非吸着画分を洗い流した後、終濃度1MのKClを加えた操作バッファー4で溶出した(第8図)。GnT-IV活性画分をプールし、操作バッファー5(操作バッファー4と同じ組成でpHが7.4)に対して透析した(標品5)。
▲6▼ UDP-Hexanolamine AgaroseアフィニティークロマトグラフィーII
予め操作バッファー5で平衡化したUDP-Hexanolamine Agaroseアフィニティーカラム(1.0×6.5cm,Sigma,USA)に標品5をアプライし、操作バッファー5で非吸着画分を洗い流した後、MnCl2を除去した操作バッファー5で溶出した(第9図)。得られたGnT-IV活性画分をプールした(標品6)。
▲7▼ Superdex 200ゲルクロマトグラフィー
標品を小さなQ-SepharoseFFカラムで濃縮し、予め操作バッファー6(操作バッファー5に終濃度0.15M KClを添加した組成のもの)で平衡化したSuperdex 200HR5/5(1×30cm,Pharmacia,Sweden)にアプライした(第10図)。0.25ml/minの流速で操作バッファー6を流し続け、GnT-IV活性画分を得た(標品7)。▲8▼ 各精製ステップにおけるタンパク量,活性,比活性の動きを第2表にまとめた。最終標品は、小腸ホモジネート中の224,000倍の純度まで精製された。
(3)酵素化学及びタンパク質化学的性質
▲1▼ 純度
標品7はSDS-PAGEで分子量60Kの位置に単一のバンドを与えた(第11図)。標品7をNative-PAGEにかけ、ゲルを切り取ってGnT-IV活性を測定したところ、タンパク質のバンドと活性の位置とが一致した(第12図)。さらに、標品7にはGnT-I,II,III及びVの活性は全く検出されなかった。以上のことから標品7はGnT-IVの純品であると結論した。なお、Triton X-100入りのゲル濾過で得られたみかけの分子量が77Kであった(第10図)ことと考え合わせると、GnT-IVはサブユニット構造を持たず、シングルユニットで活性を発現していると考えられる。標品7をPeptide N-glycosidase F(Boehringer-Mannheim,Germany)で処理すると、SDS-PAGE上で易動度の増大が見られたことからウシ小腸のGnT-IVは少なくともAsn結合型糖鎖を持った糖タンパク質であると考えられる。
▲2▼ 反応特異性
本酵素は、下式:
で示されるGnT-II product型オリゴ糖を基質として標準アッセイ条件で反応させると、HPLCで単一の生産物(ピリジルアミノ化オリゴ糖1)を与えた。
これを集め、(i)スミス分解とLaser TOF-MS(レーザーイオン化型質量分析計)の組み合わせ、及び(ii)1H-NNRで構造を決定し、本酵素の反応特異性を調べた。ピリジルアミノ化オリゴ糖1をKobata,Takasakiらの方法[Kobata,A.and Takasaki,S.(1993)in Glycobiology”A Practical Approach”(Fukuda,M.and Kobata,A.,eds)165-185,IRL press,Oxford,England]に従ってスミス分解すると、第1回目のスミス分解で質量数は1599.0から795.30に変化し、第2回目のスミス分解でさらに634.68へ変化した。これは、第13図のような反応経路に一致しており、本酵素の反応生産物が以下の構造であることが決定された。
さらにピリジルアミノ化オリゴ糖1を1H-NMRにかけたところ、下式のGlcNAc7のアノメリックプロトンに相当する4.53ppmのピークが検出され、さらにそのカップリング定数J1,2値が7.9Hzであったことから(第14図)、下式のようにGlcNAcがMan4の4位にβ-型で結合していることが示され上記の構造決定を完全に支持した。
▲3▼ 至適pH
本酵素の至適pHは第15図に示したように7.5付近であった。
▲4▼ 2価カチオン要求性
第3表に示したように、本酵素はEDTA(ethylene diamine tetra-acetic acid)の添加で失活し、活性発現には2価カチオンが必須である。その効果はMn2+が最大でCo2+,Mg2+がそれに次ぎ、Ca2+,Fe2+にも弱い効果が認められた。Mn2+の濃度は10mM付近が至適であった(第16図)。
金属イオンを除去したGnT-IV標品に10mMの各種金属イオンを添加してGnT-IV活性を測定した。10mM MnCl2添加の時のGnT-IV活性を100%として表示した。
▲5▼ 糖ヌクレオチドによる阻害
第4表に示したようにUDPが最も強く本酵素の活性を阻害した。UDP-glucose,UDP-GalNAc,2’-deoxy-UDP,UDP-hexanolamine(Sigma,USA)がこの順にUDPに次ぐ阻害効果を示した。Uridine,UMP,TDP,CDPにはほとんど阻害効果が見られなかった。
0.5mM UDP-GlcNAc存在下で2mMの各種ヌクレオチドを添加した時のGnT-IV活性を、何も添加しない時の値を100%として表示した。
▲6▼ 基質特異性
第5表に示したように、本酵素は受容体としてGnT-V product型(第5表,E)を最も好み、次いでGnT-II product型(第5表,D)を好んだ。
また、GnT-II product型オリゴ糖を受容体としたときを100%とすると、コア型オリゴ糖(第5表,A)、GnT-I product型オリゴ糖(第5表,C)に対して、それぞれ0%、54%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖の還元末端GlcNAcにフコースがα1→6結合で結合した構造(第5表,F)には46%の反応性を示す。
GnT-II product型のMannoseα1→3分岐側のGlcNAcを欠いた構造(第5表,B)には、0%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖のα1→6分岐側GlcNAcにGalactoseがβ1→4結合で結合した構造(第5表,G)には16%の反応性、α1→3分岐側GlcNAcにGalactoseがβ1→4結合で結合した構造(第5表,H、I)には0%の反応性を示す。
GnT-II product型オリゴ糖のMannose β1→4残基にGlcNAcがβ1→4結合で結合した構造(第5表,J)には0%の反応性を示す。
以上のような本酵素の基質特異性は、Schachterら[Glesson.P.A.and Schachter,H.(1983)J.Biol.Chem.,258,6162-6173]によって予言されたGnT-IVの基質特異性とほぼ一致し、本酵素がComplex型糖鎖生合成上永らくMissing linkとなっていたGnT-IVであることが明らかとなった。
▲7▼ 速度定数
参考例2のAssay条件における本酵素のKm,Vmax値は、GnT-II product型オリゴ糖に対してそれぞれ0.73mM,3.23μM/min;GnT-V product型に対してそれぞれ0.13mM,1.75μM/minであった。UDP-GlcNAcに対するKm値は0.22mMであった。
得られたピリジルアミノ化オリゴ糖のうち下記式のものは新規なオリゴ糖であった。
および
▲8▼ 糖タンパク質への作用
GnT-IVがオリゴ糖基質だけでなく、糖タンパク質上のオリゴ糖鎖にも作用できることを示すため、UDP-[14C]GlcNAcを糖供与体としてアシアロ・アガラクト化した各糖タンパク質にGnT-IVを作用させ、反応産物をSDS-PAGE及びそのフルオログラフィーで解析した(第17図、A,B)。第17図、Bのレーン2と5に示したように、アシアロ・アガラクト・ヒト・トランスフェリン及び・アシアロ・アガラクト・CHO細胞由来組換体・ヒト・エリスロポエチンに対し、[14C]-GlcNAcの転移が確認された。
なお、このGnT-IV反応で得られたGnT-IV product型糖鎖(下記式):
を持つヒト・トランスフェリンは天然には存在しない新規な物質である。
〔実施例2〕ペプチドマッピング分析
最終精製した本酵素約1mgをLaemmliの方法[Laemmli,U.K.Nature(1970)313,756-762]により0.1%SDS,10%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動した。分離されたタンパク質をPVDF膜(ABI社、USA)にエレクトロブロットし、PVDF膜上に固定されたタンパク質をS-カルボキシメチル化した後、最初にリジルエンドペプチダーゼ(和光純薬)Achromobacter protease I(AP-I)で消化してAP-I消化断片混合液を、AP-I消化後のPVDF膜をさらにAsp-N(宝酒造)で消化し、Asp-N消化断片混合液を得た。各ペプチド断片を高速液体クロマトグラフィーで分離し、そのアミノ酸配列を決定したところ、配列番号1〜14に記載の配列を得た。
〔実施例3〕ウシGnT-IVa cDNAの単離および同定
(1)RT-PCR
実施例2で得られた配列番号7で表されるアミノ酸配列をもとに、配列番号15で表されるオリゴマーAP-5Fを、また配列番号11で表されるアミノ酸配列をもとに、配列番号16で表されるオリゴマーDN-9Rを合成した。guanidium isothiocyanate法によりウシ小腸組織から抽出したtotal RNAを鋳型とし、上記のプライマーを用いてRT-PCRを行ったところ、特異的と思われる約170bpの増幅断片が得られたので、これをサブクローンした。
(2)ライブラリーのスクリーニング
上述のRT-PCR産物を用いてウシ小腸cDNAライブラリー(Clontech,USA)をスクリーニングしたところ、4つのポジティブプラークが得られた。これらの塩基配列を決定したところ、中には実施例2に示した部分アミノ酸配列(配列番号1〜14)をコードする塩基配列が多数出現し、終始コドンと思われる配列が含まれていた。得られた塩基配列の最も上流域に当たる部分150bpを用いて、さらに同ライブラリーをスクリーニングし、2つのポジティブプラークを得た。これらの塩基配列を決定し、同様に最上流域150bpをプローブとして同ライブラリーをスクリーニングしたが、新たなクローンは得られなかった。
(3)5’RACE(Rapid amplification of cDNA ends)
完全長のcDNAを得るために、次に5’RACEを行った。ファージスクリーニングで得られた最上流域の配列を用いて、1回目の5’RACEを行ったが、まだ開始コドンが見いだされなかったので、1回目の5’RACEで得られた配列をもとに2回目の5’RACEを行い、開始コドンを含む配列を得た。先に得られていたファージクローンの部分遺伝子配列と連結し、完全なオープンリーディングフレーム(遺伝子1)を含む遺伝子断片を得た。以上のようして得られたDNA断片の塩基配列を配列番号17、また推定されるアミノ酸配列を配列番号18に示す。このDNA断片は実施例2で得られた14のアミノ酸配列(配列番号1〜14)をコードする塩基配列を全て含むことが確認された。
〔実施例4〕クローニングしたウシGnT-IVa遺伝子を用いた発現ベクターの作製とGnT-IVa酵素の製造法
(1)ベクターの構築
遺伝子1の開始コドンの上流にXhoI部位導入するようなプライマー(配列番号19)と、終始コドンの下流にXbaI部位を導入するようなプライマー(配列番号20)を合成し、GnT-IV酵素をコードする遺伝子全部をPCR法により増幅した。この増幅断片をXhoIおよびXbaIで消化して、pSVLベクター(Pharmacia,Sweden)のXhoI-XbaI間に挿入して、プラスミドpBGT4を作成した。
(2)COS7細胞への導入
プラスミドpBGT4をエレクトロポレーション法でCOS7細胞(理研細胞バンク)に導入した。即ち、0.8mlのPBS(-)(日水製薬)中の約5×106個の細胞に10μgのプラスミドを加え、ジーンパルサー(BioRad,USA)を使用して室温において1600V、25μFの条件で遺伝子導入した。細胞は90mmのシャーレに移し、10mlの10%のウシ胎児血清を含むDulbecco’s modified Eagle’s培地(Base Catalogue No.12430,Life Technologies,Inc.,USA)で、5%CO2存在下、37℃で72時間培養し、細胞を回収して、100μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM MgCl2,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、ソニケーターで破砕後、2000×gで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。
(3)GnT-IV活性のアッセイ
参考例2で述べた方法により、細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。測定結果を第6表に示す。コントロールとして、pSVLベクターを導入した細胞の抽出液に比べ、プラスミドpBGT4を導入した細胞の抽出液は、細胞あたり44〜78倍以上のGnT-IV活性を持っていた。以上の結果より、遺伝子1がGnT-IV酵素をコードしていることが確認され、この方法により培養細胞でGnT-IV酵素を製造することができた。
〔実施例5〕ヒトGnT-IVa cDNAの単離および同定
(1)RT-PCR
実施例3で得られたウシGnT-IVaの塩基配列を参考に、配列番号21で表されるプライマーh1-2Fを、また配列番号22で表されるプライマーh1-1Rを合成した。ヒト肝臓由来total RNA(Clontech,USA)を鋳型とし、上記のプライマーを用いてRT-PCRを行ったところ、特異的と思われる約650bpの増幅断片が得られたので、これをサブクローニングして塩基配列を解析した。
(2)ライブラリーのスクリーニング
上述のRT-PCRによって得られた685bpのDNA断片をプローブとし、ヒト肝臓由来cDNAライブラリー(Clontech,USA)をスクリーニングしたところ、2個のポジティブプラークhGT4/λgt10-1及びhGT4/λgt10-2が得られた。これらファージクローンの挿入断片の塩基配列を解析したところ、hGT4/λgt10-1には804bp、hGT4/λgt10-2には2115bpのDNA領域が含まれており、前者の領域は全て後者に含まれていた。配列番号23に示したように、hGT4/λgt10-2に含まれるDNA断片にはウシGnT-IVaのアミノ酸配列と96%一致する高い相同性のオープンリーディングフレーム(ORF)が認められた。このORFは、次の実施例6に記載する結果からヒトGnT-IVa遺伝子であることが確認され、そのアミノ酸配列を配列番号24に示した。
〔実施例6〕ヒトGnT-IVa遺伝子の発現プラスミドの作製とヒトGnT-IVa酵素の製造法
(1)ヒトGnT-IVa遺伝子の発現プラスミドpHGT4-1の構築
ヒトGnT-IVa遺伝子の開始コドンの上流にXhoI部位を導入するようなプライマー(h1-7F、配列番号25)と、終始コドンの下流のプライマー(h1-7R、配列番号26)を合成し、ヒト肝臓由来RNA(Clontech,USA)を鋳型として、ヒトGnT-IVa酵素をコードする遺伝子全部をRT-PCR法により増幅した。この増幅断片はプラスミドpCRScript Amp SK(+)(Stratagene,USA)のSrfI部位にlacZ遺伝子の転写方向と逆向きに挿入し、得られたプラスミドを用いて増幅された断片が配列番号24のアミノ酸配列をコードしていることを塩基配列解析によって確認した。さらに、このプラスミドをXhoIおよびSacIで消化して得られたXhoI-SacI 1.7kb断片を、pSVLベクター(Pharmacia,Sweden)のXhoI-SacI間に挿入してヒトGnT-IVa遺伝子の発現プラスミドpHGT4-1を構築した。
(2)ヒトGnT-IVa遺伝子のCOS7細胞への導入
プラスミドpHGT4-1をエレクトロポレーション法によりCOS7細胞に導入し、10%CO2存在下、37℃で72時間培養し、細胞を回収して、100μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、超音波破砕機で破砕後、2000xgで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。
(3)ヒトGnT-IVa遺伝子のCOS7細胞における発現
参考例2で述べた方法により、細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。測定結果を第7表に示す。コントロールとしてpSVLベクターを導入した細胞集団の抽出液に比べ、pHGT4-1を組み込んだ細胞集団の抽出液は、細胞あたり21〜28倍以上のGnT-IV活性をもっていた。この結果より、配列番号23に示したGnT-IVa遺伝子は糖転移酵素GnT-IVをコードしていることが確認され、この方法により培養細胞でヒトGnT-IVaを製造することが可能であることも確かめられた。
〔実施例7〕ヒトGnT-IVb cDNAの単離および同定
(1)PCR、RT-PCR、5’-RACE(Rapid amplification Of cDNA ends)によるヒトGnT-IVa遺伝子に類似する遺伝子の取得:
実施例3で得られたヒトGnT-IVaの塩基配列と類似性のある塩基配列をBLASTNによってDNAデータベースGenBankで検索した結果、Accession Number R12057、H10557、W16571が見い出された。そこで、配列番号27で表されるプライマーh2-45Fと配列番号28で表されるプライマーh2-43Rを合成し、Quick Screen Human cDNA library panel(Clontech,USA)のヒト脳由来cDNA libraryを鋳型としてPCR法により増幅し、これをpCRScript Amp SK(+)(Stratagene,USA)のSrfI部位にサブクローニングして塩基配列を解析した。また、配列番号29で表されるプライマーh2-2Fと配列番号30で表されるプライマーh2-1Rを合成し、ヒト肺由来total RNA(Clontech,USA)を鋳型としてRT-PCRを行った。その結果、予想と一致する約500bpの増幅断片が得られたので、これをpCRScript Amp SK(+)(Stratagene,USA)のSrfI部位にサブクローニングして塩基配列を解析した。
得られた2個のDNA断片の塩基配列から、両者はオーバーラップしており、その1006bpの領域にはウシ及びヒトのGnT-IVaのアミノ酸配列と高い類似性の1個のオープンリーディングフレーム(ORF)が認められ、GnT-IVaに関連するタンパク質の存在が示唆された。
そこで、Accession Number R12057の上流とW16571の下流の可能性がある塩基配列をBLASTNによってDNAデータベースGenBankで再度検索した結果、R12057の上流としてR15554、W16571の下流としてW16466が見い出された。しかし、これらの塩基配列から推定されるORFには不適当と思われる終始コドンが含まれるため、塩基配列を確認するためにRT-PCRによるDNA断片の取得を行なった。プライマーとしては、配列番号31で表されるh2-1F、配列番号32で表されるh2-3F、配列番号33で表されるh2-8Rを合成した。h2-1Fと実施例5記載のh1-1Rの組み合わせ、あるいはh2-3Fとh2-8Rの組み合わせで、ヒト肝臓由来total RNA(Clontech,USA)を鋳型としてRT-PCRを行ったところ、各々予想と一致する約550bpの増幅断片、約300bpの増幅断片が検出された。これらをそれぞれpCRScript Amp SK(+)(Stratagene,USA)のSrfI部位にサブクローニングして塩基配列を解析した結果、上記のh2-45Fとh2-1R間の1006bpの上流と下流にオーバーラップするDNA断片であることが確認された。そして、連結した1361bpの領域にはウシ及びヒトのGnT-IVaのアミノ酸配列と高い類似性をもつ433個のアミノ酸からなる1個のORFが認められた。
しかし、GnT-IVaアミノ酸配列と比較すると、開始メチオニンは更に上流に存在すると推定されたため、5’-RACEによる上流領域の取得を行なった。5’-RACEはHuman Lung 5’-RACE-Ready cDNA(Clontech,USA)を使用し、1回目のPCRにはプライマーとしてAncor Primerと配列番号34で表されるh2-5R、2回目のPCRにはプライマーとしてAncor Primerと配列番号35で表されるh2-3Rを使用した。5’-RACEで得られたDNA断片は精製し、EcoRIおよびPstIで消化後、アガロースゲル電気泳動を用いて分離し、約450bp付近の断片を回収した。このDNA断片を、pUC18ベクター(Pharmacia,Sweden)のEcoRI-PstI間に挿入して塩基配列を解析した結果、上記のh2-1Fからh2-8Rの領域の上流にオーバーラップするDNA断片であることが確認された。そして、連結した1758bpの領域にはウシ及びヒトのGnT-IVaのアミノ酸配列と高い類似性をもつ548個のアミノ酸からなる1個のORFが確認された。このORF領域の塩基配列を配列番号36に、そのアミノ酸配列を配列番号37に示した。この遺伝子は、次の実施例8に記載する結果からヒトGnT-IVb遺伝子であることが確認された。
〔実施例8〕ヒトGnT-IVb遺伝子の発現プラスミドの作製とヒトGnT-IVb酵素の製造法
(1)ヒトGnT-IVb遺伝子の発現プラスミドpHGT4-2の構築
ヒトGnT-IVb遺伝子の開始コドンの上流にXhoI部位導入するようなプライマー(h2-4:配列番号38)と、終始コドンの下流にXbaI部位を導入するようにのプライマー(h2-10R:配列番号39)を合成し、ヒト肺由来RNA(Clontech,USA)を鋳型として、ヒトGnT-IV酵素をコードする遺伝子全部をRT-PCR法により増幅した。この増幅断片はプラスミドpCRScript Amp SK(+)(Stratagene,USA)のSrfI部位に挿入し、得られたプラスミドを用いて増幅された断片が配列番号37のアミノ酸配列をコードしていることを塩基配列解析によって確認した。さらに、このプラスミドをXhoIおよびXbaIで消化して得られたXhoI-XbaI 1.7kb断片を、pSVLベクター(Pharmacia,Sweden)のXhoI-XbaI間に挿入してヒトGnT-IVb遺伝子の発現プラスミドpHGT4-2を構築した。
(2)ヒトGnT-IVb遺伝子のCOS7細胞への導入
プラスミドpHGT4-2をエレクトロポレーション法によりCOS7細胞に導入し、10%CO2存在下、37℃で72時間培養し、細胞を回収して、100μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、超音波破砕機で破砕後、2000xgで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。
(3)ヒトGnT-IVb遺伝子のCOS7細胞における発現
参考例2で述べた方法により、細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。測定結果を第7表に示す。コントロールとしてpSVLベクターを導入した細胞集団の抽出液に比べ、pHGT4-2を組み込んだpSVLベクターを導入した細胞集団の抽出液は、細胞あたり8〜11倍以上のGnT-IV活性をもっていた。この結果より、配列番号36に示したGnT-IVb遺伝子は糖転移酵素GnT-IVをコードしていることが確認され、この方法により培養細胞でヒトGnT-IVbを製造することが可能であることも確かめられた。
〔実施例9〕ウシGnT-IVa遺伝子のN末端欠失変異体発現プラスミドの作製とその発現
(1)ウシGnT-IVa遺伝子の発現プラスミドpSigIle93、pSigPro113およびpSigPro142の構築
ヒトエリスロポイエチン(GenBank Accession Number X02157)のシグナル配列の上流にXhoI部位導入するようなプライマー(XhoEsig:配列番号40)とシグナル配列のC末端とウシGnT-IVaアミノ酸配列中の93番目のIle以降を連結するようなアンチセンスプライマー(E4-1R:配列番号41)を合成し、ヒトエリスロポイエチンのシグナル配列をPCR法により増幅した。また、上記のアンチセンスプライマーに対応するセンスプライマー(E4-1F:配列番号42)と終始コドンの下流にXbaI部位を導入するようなプライマー(4EXPR:配列番号20)を合成し、ウシGnT-IVa遺伝子を鋳型として、部分配列をPCR法により増幅した。得られた2種類のPCR産物の一部を鋳型として、XhoEsig、4EXPR両プライマーを用いてPCRを行い、増幅断片をXhoIとXbaIで消化して、pSVLベクター(Pharmacia,Sweden)のXhoI-XbaI間に挿入し、ヒトエリスロポイエチンシグナルとウシGnT-IVaアミノ酸配列中の93番目のIle以降が連結したアミノ酸配列を発現するプラスミドpSigIle93を構築した。
E4-1Rプライマーの代わりにE4-2Rプライマー(配列番号43)あるいはE4-3Rプライマー(配列番号44)、E4-1Fプライマーの代わりにE4-2Fプライマー(配列番号45)あるいはE4-3Fプライマー(配列番号46)を用いて、上記と同じ操作を繰り返し、ヒトエリスロポイエチンシグナルとウシGnT-IVaアミノ酸配列中の113番目のPro以降が連結したアミノ酸配列を発現するプラスミドpSigPro113、あるいはヒトエリスロポイエチンシグナルとウシGnT-IVaアミノ酸配列中の142番目のPro以降が連結したアミノ酸配列を発現するプラスミドpSigPro142をそれぞれ構築した。
(2)ウシGnT-IVa遺伝子のN末端欠失変異体遺伝子のCOS7細胞への導入
プラスミドpSigIle93、pSigPro113あるいはpSigPro142をエレクトロポレーション法によりCOS7細胞に導入し、10%CO2存在下、37℃で72時間培養したのち、細胞と培養上清を別々に回収した。細胞は100μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、超音波破砕機で破砕後、2000×gで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。培養上清はセントリプラス30(アミコン)で約100μlになるまで濃縮した。
(3)ウシGnT-IVa遺伝子のN末端欠失変異体遺伝子のCOS7細胞における発現
参考例2で述べた方法により、細胞培養上清および細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。測定結果を第8表に示す。ポジティブコントロールとしてpBGT4ベクターを導入した細胞の総活性(細胞中+細胞培養上清中)に比べ、pSigIle93プラスミドを導入した細胞では30%以上のGnT-IV活性をもっていた。また、そのうちの1/3以上の活性は細胞培養上清中に分泌されていた。この結果より、ウシGnT-IVaアミノ酸配列中のN末端より92番目のアミノ酸までは、活性を保持したまま欠失させることができた。また、適当な分泌シグナルを用いれば、GnT-IVa酵素を分泌発現させることも可能であることが示された。
〔実施例10〕ウシGnT-IVa遺伝子のC末端欠失変異体発現プラスミドの作製とその発現
(1)ウシGnT-IVa遺伝子の発現プラスミドpCGly499,pCPro465,pCLys432およびpCPro383の構築
ウシGnT-IVa遺伝子の開始コドンの上流にXhoI部位を導入するようなプライマー(配列番号19)と、499番目のGlyコドンの次に終始コドンを連結させ、その下流にXbaI部位を導入するようなプライマー(CGly499:配列番号47)を合成し、ウシGnT-IVa遺伝子の部分配列をPCR法により増幅した。この増幅断片をXhoIおよびXbaIで消化して、pSVLベクター(Pharmacia,Sweden)のXhoI-XbaI間に挿入して、ウシGnT-IVaアミノ酸配列を499番のグリシンまで発現するプラスミドpCGly499を作成した。CGly499プライマーの代わりにCPro465プライマー(配列番号48)、CLys432プライマー(配列番号49)あるいはCPro383プライマー(配列番号50)を用い、同様にプラスミドを構築し、pCPro465(ウシGnT-IVaアミノ酸配列を465番のプロリンまで発現するプラスミド)、pCLys432(ウシGnT-IVaアミノ酸配列を432番のリジンまで発現するプラスミド)あるいはpCPro383(ウシGnT-IVaアミノ酸配列を383番のプロリンまで発現するプラスミド)とそれぞれ名付けた。
(2)ウシGnT-IVa遺伝子のC末端欠失変異体遺伝子のCOS7細胞への導入
プラスミドpCGly499,pCPro465,pCLys432あるいはpCPro383をエレクトロポレーション法によりCOS7細胞に導入し、10%CO2存在下、37℃で72時間培養し、細胞を回収して、100μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、超音波破砕機で破砕後、2000×gで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。
(3)ウシGnT-IVa遺伝子のC末端欠失変異体遺伝子のCOS7細胞における発現
参考例2で述べた方法により、細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。測定結果を第9表に示す。ポジティブコントロールとしてpBGT4ベクターを導入した細胞集団の抽出液に比べ、pCGly499,pCPro465,pCLys432あるいはpCPro383を導入した細胞集団の抽出液は、細胞あたりの15.2%,12.1%,2.8%あるいは104.2%のGnT-IV活性をそれぞれもっていた。この結果より、ウシGnT-IVaアミノ酸配列のN末端より384アミノ酸以降のアミノ酸配列を欠失させても、GnT-IV活性を保持できることが示された。
〔実施例11〕各GnT-IV遺伝子の大腸菌用発現プラスミドの作製とその発現
(1)ウシGnT-IVa遺伝子の大腸菌用発現プラスミドの作製
ウシGnT-IVa遺伝子の開始コドンの上流にBspHI部位を導入するようなプライマー(BSP-N:配列番号51)と、終始コドンの下流にHindIII部位を導入するようなプライマー(C-Hd:配列番号52)を合成し、ウシGnT-IVa遺伝子のオープンリーディングフレームをPCR法により増幅した。この増幅断片をBspHIおよびHindIIIで消化して、pTrc99Aベクター(Pharmacia,Sweden)のNcoI-HindIII間に挿入して、プラスミドpEBGT4を作成した。BSP-Nプライマーの代わりにBSP-sNプライマー(配列番号53)をC-Hdプライマーと共にPCRに使用し、同様にプラスミドpEIle93を構築した。また、BSP-NプライマーとウシGnT-IVa遺伝子のC末端のアミノ酸の下流にHis-Tag、終始コドンおよびHindIII部位を導入するプライマー(CH-Hd:配列番号54)とHis-Tag、終始コドンおよびHindIII部位を持つプライマー(H-Hd:配列番号55)を用いて、C末端にHis-Tagが付加されたオープンリーディングフレームをコードする遺伝子を増幅し、同様にpEBGT4+Hisを構築した。
(2)ヒトGnT-IVaおよびGnT-IVb遺伝子の大腸菌用発現プラスミドの作製
ヒトGnT-IVaアミノ酸配列94番目のLeuの上流に開始コドンとIleコドンをさらに上流にはBspHI部位を導入するようなプライマー(4aBSPIL94:配列番号56)とC末端のアミノ酸の下流にHis-Tag、終始コドンおよびHindIII部位を導入するプライマー(4aCH-Hd:配列番号57)と、H-Hdプライマーを合成し、ヒトGnT-IVa遺伝子の部分配列にHis-Tagをコードする配列を付加した遺伝子断片を増幅した。この増幅断片をBspHIとHindIIIで消化して、pTrc99Aベクター(Pharmacia,Sweden)のNcoI-HindIII間に挿入して、プラスミドpMA4a+Hisを作成した。さらに4aCH-Hdプライマーの代わりに、CP383H-Hdプライマー(配列番号58)を使用し、同様にプラスミドpCore+Hisを構築した(第18図)。ヒトGnT-IVb遺伝子の開始コドンの上流にBspHI部位を導入するようなプライマー(4bBSP-N:配列番号59)と4bSACRプライマー(配列番号60)で増幅したヒトGnT-IVb遺伝子断片をBspHIとSacIで消化してpTrc99Aベクター(Pharmacia,Sweden)のNcoI-SacI間に挿入した。このプラスミドのSacI-HindIII間に、4bSACFプライマー(配列番号61)とヒトGnT-IVbアミノ酸配列のC末端にHis-Tagを導入するプライマー(4bCH-Hd:配列番号62)およびH-Hdプライマーを用いて増幅してSacIとHindIIIで消化したヒトGnT-IVb遺伝子の部分長を挿入し、プラスミドpEHGT4-2+Hisを完成した。さらにヒトGnT-IVbアミノ酸配列91番目のGlyの上流にNcoI部位と開始コドンを導入するようなプライマー(4bNCOG91:配列番号63)と4bCH-Hdプライマー、H-Hdプライマーを用いてヒトGnT-IVb遺伝子の部分配列を増幅し、NcoIとHindIIIで消化してpTrc99Aベクター(Pharmacia,Sweden)のNcoI-HindIII間に挿入し、プラスミドpMA4b+Hisを作成した。
(3)各発現プラスミドの大腸菌BL21株への導入
各プラスミドをカルシウム法により調製した大腸菌BL21株のコンピテントセルに導入し、アンピシリン100μg/mlを含むLB寒天培地上で増殖させた。各プラスミドが導入された大腸菌のコロニーを液体培地に植菌して、37℃で一晩浸透培養した後、2%濃度になるように新鮮なLB液体培地に植菌した。培養液の濁度(OD 595nm)がおよそ0.1から0.2の間にIPTG(Isopropyl b-D-Thiogalactopyranoside)を最終濃度1mMになるように添加し、37℃2時間あるいは25℃4時間培養して、500μl分の菌体を回収した。菌体ペレットを50μlの緩衝液(5mM Tris-HCl pH7.5,2mM塩化マグネシウム,1mM Phenylmethylsulfonyl Fluoride)に懸濁して、超音波破砕機で破砕後、2000×gで5分間遠心し、細胞抽出液を得た。
(4)各発現プラスミドの大腸菌BL21株における発現
参考例2で述べた方法により、細胞抽出液中のGnT-IV活性を測定した。ウシ遺伝子の発現の測定結果を第10表に示す。コントロールとしてpTrc99Aベクターを導入した大腸菌菌体の抽出液はほとんどGnT-IV活性を持たなかったが、pEBGT4を導入した大腸菌の抽出液は、明らかなGnT-IV活性をもっていた。このことから、GnT-IV酵素は大腸菌でも生産可能であることが示された。ウシGnT-IVaのC末端に付加したヒスチジンのTag配列はGnT-IV活性には大きく影響せず、GnT-IV酵素には適当なTag配列を付加できることが示された。また、N末端の92アミノ酸を欠失させた変異体(pEIle93)ではさらに強いGnT-IV活性を示し、動物細胞で確かめられたGnT-IV酵素の変異体の発現が大腸菌においても可能であることが示された。
活性の割合はすべてpEBGT4の総活性を100%として示した。
また、ヒト遺伝子の発現の測定結果を第11表に示す。コントロールとしてpTrc99Aベクターを導入した大腸菌菌体の抽出液に比べ、いずれのプラスミドも有意にGnT-IV活性を持っていた。ヒトGnT-IVa酵素、ヒトGnT-IVb酵素においてもウシGnT-IVa酵素で示されたN末端の欠失と同様に、活性を保持したままN末端を欠失させることが可能であった。また、ヒトGnT-IVa酵素おいてはN末端の欠失と同時に、C末端の欠失を起こさせても、高いGnT-IV活性をもっていた(pCore+His)。このことにより、この欠失変異で除かれた部分はGnT-IV活性には不可欠ではないことが示された。
〔実施例12〕ウシあるいはヒトGnT-IVa遺伝子をEPO産生CHO細胞に導入することによる組換え体エリスロポエチン(EPO)の糖鎖分岐構造の変換
(1)EPO産生CHO細胞株へのGnT-IV発現プラスミドの導入
特許公報平2-17156に示された方法により、EPO産生CHO細胞株を作製した。それらの細胞株M01とH-5にGnT-IVa発現プラスミドpBGT4あるいはpHGT4-1をエレクトロポレーション法により導入した。導入の際には、GnT-IVa発現プラスミドを15μgと薬剤耐性マーカープラスミド(pSV2bsr[科研製薬]あるいはpMAMneo[Clontech])を1.5μgを混合したものを使用した。遺伝子を導入した細胞は、10%CO2存在下、37℃で約60時間培養したのち、ブラストサイジンS[科研製薬](最終濃度10μg/ml)あるいはGeneticin[Life Technologies.,Inc.](最終濃度500μg/ml)を培地に添加し、さらに10日から2週間培養を続け、薬剤耐性株を複数単離した。
(2)EPO産生CHO細胞株における導入GnT-IV遺伝子発現の確認
EPO産生CHO細胞株(元株)および各薬剤耐性株を適当なスケールで培養し、total RNAを精製してGnT-IVa遺伝子の一部をプローブとしたRNAドットブロット解析を行い、GnT-IVaのmRNA量を調べた。また、参考例2に示したアッセイ法を用い、元株および各薬剤耐性株が発現するGnT-IV活性を測定した。RNAドットブロット解析により強いシグナルを与え、かつ元株に比べて高いGnT-IV活性を示す株を選び、EPOの生産に使用した。選択した細胞株は、例えば、M01(ウシGnT-IV)#36株ではM01株に対して約104倍の、またH-5(ヒトGnT-IV)#23株ではH-5株に対して約125倍のGnT-IV活性上昇を示していた。
(3)GnT-IV遺伝子を導入したEPO産生CHO細胞株を使用したEPOの生産
EPOは培養液中に分泌発現される。そこで、EPO産生CHO細胞株M01およびH-5と、上記のM01(ウシGnT-IV)#36株およびH-5(ヒトGnT-IV)#23株について、ローラーボトルによる培養を行った。まず、各細胞株を増殖用培地中で付着培養させ、1.5x107個の細胞を200mlの増殖用培地を入れた850cm2のローラーボトルに移し、10%CO2存在下、37℃で3日間細胞が均一に付着するように培養した。その後、増殖用培地を除き、PBS緩衝液で細胞を洗った後、200mlの無血清培地を加え、さらに10%CO2存在下、37℃で7日間培養後、その培養上清を回収した。増殖用培地としてはD-MEM/F12混合培地に5%胎児牛血清、290mg/l L-グルタミン酸、1xMEM非必須アミノ酸溶液、100nMメソトレキセートを加えたものを使用し、無血清培地としては上記の培地より胎児牛血清を除いたものを使用した。それぞれの無血清培養上清中に含まれるEPOは、抗ヒトEPO抗体を用いたELISA法によって定量した。
(4)GnT-IV遺伝子導入株、非導入株が生産するEPOの糖鎖構造に基づく分析
組換え体EPOは、等電点電気泳動上では単一の分子としては存在せず、様々な電荷を持つ分子の集合体である。タンパク質の部分には変化がないので、これらの分子の電荷の違いは糖鎖構造の違いに基づくものであることが示されており、これらの分子集合体はグリコフォームと呼ばれている[Watson,E.and Yao,F.,Anal.Biochem.(1993),210,389-93]。EPOにはアスパラギン結合型糖鎖が3本ついており、それぞれの糖鎖の分岐構造は2本(biantennary)から4本(tetra-antennary)まで様々である。各々の分岐GlcNAcの先にはさらにGal(ガラクトース)が結合し、さらにその先にシアル酸が結合する。したがって、GnT-IV遺伝子の導入により糖鎖の分岐が高進すると結合するシアル酸数の増加を招き、等電点の低いグリコフォームの含量が増加するはずである。そこで、等電点電気泳動による分析を行い、GnT-IV遺伝子を導入したEPO産生細胞について生産されるEPOの糖鎖構造の変化を検出した。
等電点電気泳動にはファルマシア社製のMultiphor II装置を使用した。泳動には5%のアクリルアミド(30:0.8)、1.5%のPharmalyte 2.5-5(ファルマシア)の組成のゲルを用い、+電極液には0.1M硫酸、−電極液には0.2M L-ヒスチジン溶液を使用した。等電点電気泳動後のサンプルは、PVDF膜へ電気泳動的にトランスファーし、抗EPOマウスモノクローナル抗体を用いたウェスターンブロット解析を行い、EPOの各グリコフォームのバンドを検出した。各細胞株の無血清培養上清はセントリプラス30およびマイクロコン30(いずれもアミコン)を用いて、必要に応じて約7〜1000倍に濃縮した。当初、およそ50〜100 IU分のEPOをサンプルとして用いたが、ウェスターンブロット解析により検出されるバンドの強度がほぼ同等になるように、適宜サンプル量を調節した。
その結果、M01株由来のEPOとM01(ウシGnT-IV)#36株由来のEPOを比較すると、主たるEPOグリコフォームの位置が少なくとも1つ分、低pI側(+電極液側)へシフトしていることが確認された(第19図)。この結果より、導入発現されたGnT-IV酵素がEPOに結合したアスパラギン結合型糖鎖のGlcNAc分岐数を増加させ、その結果シアル酸の結合数が増えて等電点の低いグリコフォームの含量が増加したものと考えられた。また、同様の解析をH-5株とH-5(ヒトGnT-IV)#23株について行ったところ、やはり主たるEPOグリコフォームの位置が低pI側へシフトしていた(第19図)。
以上より、任意の細胞にGnT-IV遺伝子を導入することにより、その細胞が生産するタンパク質のアスパラギン結合型糖鎖の構造を改変しうることが示された。
産業上の利用可能性
本発明によれば、新規なβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnT-IV)及びその製造方法、ならびに該酵素をコードする遺伝子が提供される。本発明のGnT-IVによると、既知の糖転移酵素では形成できなかった分岐構造の複合糖質を生産することが可能となり、複合糖質型の医薬品、試薬、食品の製造や改良に役立つとともに、あらゆる生体高分子の糖鎖構造の改変に有用である。
また、本発明のGnT-IV遺伝子は、癌などの病変の診断や治療、微生物等を利用した複合糖質製品の糖鎖構造の改変に有用である。
さらに、本発明のGnT-IVタンパク質を抗原として得られる抗体・抗血清、あるいは本発明のGnT-IV遺伝子の全部または一部をプローブに用いれば、微生物・培養細胞・動物各組織・血球・血液のキャラクタライズや癌など病変細胞組織の診断等に有用である。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:8
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
配列番号:2
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配列
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配列
配列番号:4
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配列
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トポロジー:直鎖状
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配列
配列番号:6
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配列の種類:ペプチド
配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
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配列
配列番号:62
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配列
配列番号:63
配列の長さ:23
配列の型:核酸
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配列の種類:合成DNA
配列
Claims (17)
- 配列番号18記載のアミノ酸配列、または配列番号18記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 配列番号18記載のアミノ酸配列の少なくとも93位から383位までのアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 配列番号24記載のアミノ酸配列、または配列番号24記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 配列番号24記載のアミノ酸配列の少なくとも94位から383位までのアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 配列番号37記載のアミノ酸配列、または配列番号37記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 配列番号37記載のアミノ酸配列の少なくとも91位から390位までのアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸配列が付加、欠失もしくは置換されたものであって、かつβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性をもたらすアミノ酸配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ。
- 請求項1または2記載のβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 請求項3または4記載のβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 請求項5または6記載のβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼをコードするβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 配列番号17記載の塩基配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 配列番号23記載の塩基配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 配列番号36記載の塩基配列を有するβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子。
- 請求項7〜12いずれかに記載のβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子をベクターDNAに挿入したことを特徴とする組み換え体DNA。
- 請求項13記載の組み換え体DNAを含む宿主細胞。
- 請求項14記載の宿主細胞を培地に培養し、培養物からβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを採取することを特徴とするβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造法。
- 請求項14記載の宿主細胞を起源とする宿主の分泌物・体液・ホモジネートからβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼを採取することを特徴とするβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼの製造法。
- 宿主細胞に、請求項7〜12いずれかに記載のβ1→4 N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ遺伝子を導入し、該宿主細胞により生産される糖タンパク質の糖鎖分岐構造を改変する方法。
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