JP4244686B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、導電性パターンの形成方法としては、例えばガラス基板等の表面に撥液部と親液部とを形成し、親液部に金属微粒子を含有する液体を配置させてパターンを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、有機分子からなる撥液膜を基板上に形成した後に、当該撥液部の一部を除去することで親液部を形成し、更に、導電性パターンの材料となる金属微粒子等を含有した液体を吐出ヘッドに充填し、当該吐出ヘッドと基板とを相対移動させながら吐出ヘッドから液体を親液部に吐出するものである。
【0003】
また、このような液体吐出法を行うに先立って、基板に予めアライメントマークと呼ばれる目印を設け、液体吐出装置の検出部がこのアライメントマークを検出し、これを所定の位置となるように調整することで、基板を所定の位置に決定され、吐出ヘッドの液体が吐出される始点が設定される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−164635号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなアライメントマークを基板に形成するには、フォトリソグラフィを行う必要があり、この方法では撥液部と親液部とを形成する前に、アライメントマークを形成するためだけに余分な工程が入ってしまい、製造工程に無駄が生じてしまうという問題があった。更に、フォトリソグラフィで用いるマスクは安価なものではなく、アライメントマーク形成用のマスクを製作して露光処理を行うとなると、マスク枚数の増加による製造原価アップを招いてしまうという問題もあった。
また、アライメントマークを形成する方法として、上述の導電性パターンの形成方法を応用し、有色の液体を親液部に吐出してアライメントマークを形成する方法も考えられるが、親液部及び撥液部は共に無色であるために親液部の位置を検出することが困難であり、即ち、親液部に対して高精度に位置決めされた状態で液体吐出法によりアライメントマークを形成することができないという問題がある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、フォトリソグラフィによるアライメントマークを形成する工程の無駄を省き、高精度に位置決めされた状態で、液体吐出法によりアライメントマークを形成するパターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明のパターン形成方法は、基板上に親液部と撥液部とを所定のパターンに形成する工程と、親液部の一部に第1の液状体を配置して第1のアライメントマークを形成する工程と、当該第1のアライメントマークに基づき、親液部に第2の液状体を配置して膜パターンを形成する工程とを具備することを特徴とする。
ここで、基板としては、Siウエハー、石英ガラス、ガラス、プラスチックフィルム、金属板など各種のものを用いることができ、また、基板表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されていてもよい。
また、撥液部とは、有機分子膜により形成された部位であり、基板に結合可能な官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基といった基板の表面性を改質する(表面エネルギーを制御する)官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化する分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
また、親液部とは、紫外線等を照射することによって有機分子膜が分解された部位であり、マスクを使った紫外線照射によって容易にパターニングできることが望ましい。なお、親液部は、撥液部に比べて相対的に親液性が高い部分であり、必ずしも積極的に親液処理を行った部位であるとは限らない。
また、撥液部及び親液部は無色であるために、紫外線等を照射するだけでは、可視化することができない。
また、第1の液状体とは、親液部の一部に配置されることで、第1のアライメントマークを可視化する液体材料である。その性質としては、揮発性が高いものが好ましく、親液部に配置した後に所定の時間、親液部を充填する状態が維持されるものが好ましい。また、当該第1の液状体を配置する工程としては、噴霧装置やディスペンサ等を用いた方法が採用され、第2の液状体を配置する場合と比較して位置精度が劣る方法でもよい。
また、第2の液状体とは、膜パターンを形成するためのものであり、基板上に形成される素子の材料を含有する液体材料が採用される。例えば、基板上に導電性膜パターンを形成する場合には、導電性材料を含有する液体材料が採用される。また、当該第2の液状体を配置する工程は、可視化された第1のアライメントマークを基にして基板の位置が決定された状態で行われる。
また、「アライメントマークの位置を検出し」とは、CCD等の撮像手段によってアライメントマーク全体を画像データとして取得した後に、コンピュータ等の演算手段により当該画像データを演算してアライメントマークの中心、交点、線分等を求めることを意味する。
また、「検出結果に応じて基板の位置を決定する」とは、第2の液状体を配置するに先立って、上記の演算手段により求めた中心、交点、線分等に応じて、基板の位置を決定することを意味する。
本発明によれば、第1の液状体を親液部の一部に配置することにより、これまで無色であった親液部を第1のアライメントマークとして可視化することが可能になる。即ち、当該第1のアライメントマークの位置が確実に検出されるので、基板の位置を高精度に決定することができる。更に、この状態で第2の液状体が親液部に配置されるので、親液部と撥液部とからなる所定のパターンに応じて第2の液状体を高精度に配置し、膜パターンを形成することができる。
【0008】
また、上記のパターン形成方法においては、基板の位置を決定する工程の後に、第1の液状体を除去する工程を更に具備することが好ましい。
本発明によれば、第1の液状体を配置することで可視化された第1のアライメントマークが除去されるので、基板の位置が高精度に決定された状態で、親液部及び撥液部からなる所定のパターンのみを露出することが可能になる。
【0009】
また、上記のパターン形成方法においては、第1の液状体は透明性液体であることが好ましい。
ここで、透明性液体としては、水に限らず、揮発性が高い材料が採用される。
本発明によれば、親液部に配置された第1の液状体が蒸発することにより、親液部の第1の液状体が除去されるので、即ち、乾燥処理によって第1の液状体を除去することができる。ここで言う乾燥処理とは、湿度又は温度が制御された雰囲気に基板を曝すことによって行う処理を意味するものである。
また、透明性液体と基板とにおいては、光の屈折率が異なることから、撮像手段により光学的に第1のアライメントマークを撮影し、画像データとして取り扱うことが可能になる。
【0010】
また、上記のパターン形成方法においては、第1の液状体は溶媒であることが好ましい。
本発明によれば、上記の乾燥処理によって第1の液状体の除去を容易に行うことが可能になる。ここで、溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロへキシルベンゼンなどの炭化水素系溶媒等が採用される。
【0011】
また、上記のパターン形成方法においては、第1の液状体は有色液体であることが好ましい。
本発明によれば、撮像手段により光学的に第1のアライメントマークを撮影し、画像データとして取り扱うことが可能になると共に、第1のアライメントマークを除去する工程を省くことができる。即ち、第1のアライメントマークを基板上に残留させることが可能となる。当該有色液体としては、インク材料等が好ましい。
【0012】
また、上記のパターン形成方法においては、第1のアライメントマークの形状は円形であることが好ましい。
本発明によれば、上記のように光学的に撮像された第1のアライメントマークの形状が円形であるので、撮像手段によって得られた第1のアライメントマークの画像データをコンピュータ等で演算処理することにより、円の中心を容易に検出すること可能になる。
【0013】
また、上記のパターン形成方法においては、第1の液状体及び第2の液状体は同種の液体材料からなることが好ましい。
本発明によれば、第1のアライメントマークと膜パターンとを同一の工程で形成することが可能になる。従って、工程の簡略化を施すことができる。
また、先に第1アライメントマークを先に形成し、次に、上述のように当該第1のアライメントマークから基板の位置を決定し、次に、膜パターンを形成するという一連の工程を連続的に行うことにより、第1のアライメントマークを除去する工程を省くことができ、即ち、第1のアライメントマークを基板上に残留させることが可能となる。
【0014】
また、上記のパターン形成方法おいては、第2の液状体を配置する工程は、液体吐出法を用いることが好ましい。
本発明によれば、液体吐出装置に予め設定されたビットマップやCAD(computer aided design)等の電子データのパターンに応じて、基板と吐出ヘッドとを当該電子データに応じて相対移動すると共に、1滴当りの吐出量を高精度に制御して液滴を吐出するので、第2の液状体を高精度に親液部に配置させて、膜パターンを形成することが可能となる。
ここで、液体吐出法の吐出手段としては、圧電素子(ピエゾ素子)を用いた電気機械変換体、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式等が採用される。
【0015】
また、上記のパターン形成方法においては、第2の液状体は、導電性微粒子を含有していることが好ましい。
ここで用いられる導電性微粒子は、金属微粒子の他に導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。また、第2の液状体では、これらの微粒子を溶媒に分散させた液体が含有されている。また、更に微粒子を分散させるために、微粒子表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。従って、第2の液状体を配置することにより導電性膜パターンを形成することができる。
【0016】
また、上記のパターン形成方法においては、第2の液状体を配置する工程は、第1のアライメントマークとは異なる第2のアライメントマークを形成することが好ましい。
本発明によれば、上述のように基板の位置が決定された状態で、第2のアライメントマークが形成されるので、第2のアライメントマークを高精度な位置に配置することができる。また、第2のアライメントマークと膜パターンは、同一工程で形成されるので、両者の相対的な位置ずれによる誤差が生じることがなく高精度に配置することが可能となり、また、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、膜パターンを形成した後に配線や電極等の他のパターンを積層形成する場合に、上記の撮像手段や演算手段により第2のアライメントマークの画像データから中心、交点、線分等を検出し、基板の位置を決定することで、当該他のパターンを高精度な位置に形成することが可能となる。
なお、第2のアライメントマークの形状は、円形に限定することなく、線状体、点状体、くさび状体等、種種の形状が採用され、撮像手段や検出器等によってその形状の中心、交点、線分等を好適に検出できる形状が好ましい。
【0017】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に膜パターンを備える電気光学装置を製造する方法であって、基板上に親液部と撥液部とからなる所定のパターンを形成する工程と、親液部の一部に第1の液状体を配置して第1のアライメントマークを形成する工程と、当該第1のアライメントマークに基づき、親液部に第2の液状体を配置して膜パターンを形成する工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、第1の液状体を親液部の一部に配置することにより、これまで無色であった親液部を第1のアライメントマークとして可視化することが可能になる。即ち、当該第1のアライメントマークの位置が確実に検出されるので、基板の位置を高精度に決定することができる。更に、この状態で第2の液状体が親液部に配置されるので、親液部と撥液部とからなる所定のパターンに応じて第2の液状体を高精度に配置し、膜パターンを形成することができる。従って、高精度に配置された膜パターンを備えた電気光学装置となる。
また、アライメントマークは、フォトリソグラフィを用いずに形成することが可能となるので、即ち、製造工程の簡略化が図れ、低コストの電気光学装置となる。また、当該膜パターンは、基板に最初に形成される配線パターンであることが好ましく、例えば、ボトムゲート型のTFT(Thin Film Transistor)のゲート線及びゲート電極に対応させることができる。また、配線パターンに限定することなく、絶縁膜パターン、シリコン膜パターンであってもよい。
【0018】
また、本発明の電気光学装置は、基板上に膜パターンを備える電気光学装置であって、基板上には、親液部と撥液部とからなる所定のパターンが形成され、親液部の一部に第1の液状体が配置されることにより、第1のアライメントマークが形成され、第1のアライメントマークに基づき親液部に第2の液状体が配置されることにより、膜パターンが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、先に記載した電気光学装置の製造方法と同様の効果を奏する。
【0019】
また、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。このように電子機器の表示部に、本発明の電気光学装置を採用することによって、製造コストが低減された電子機器を提供することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器について、図面を参照して説明する。
なお、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材の縮尺は実際のものとは異なるように表している。
【0021】
以下、本発明に係るパターン形成方法について説明する。
図1から図3は、本実施形態のパターン形成方法の一連の主要工程を説明するための図である。また、各図の(a)〜(f)においては、上図が基板の平面図を示すものであり、下図が基板の断面A−A'における断面図を示すものである。
【0022】
本発明のパターン形成方法においては、先ず、図1(a)に示すように、基板10を用意する。当該基板10はその表面に膜パターンが形成される対象物であり、その材料は種種の目的に応じて選択される。例えば、光透過性が求められる場合にはガラス等の透明性材料が選択され、可撓性が求められる場合には樹脂材料等が選択される。なお、基板10は、予め複数の導電膜と絶縁膜が積層された多層配線基板であってもよい。ここで、以下に説明する撥液膜形成工程を行う前に、基板10の表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施すことが望ましい。
【0023】
(撥液膜形成工程)
次に、図1(b)に示すように、基板10に撥液膜(撥液部)11を形成する工程について説明する。
撥液膜11としては、自己組織化して分子膜を形成する有機分子膜が採用される。本実施形態では公知の自己組織化膜の中でもフルオロアルキルシラン(以下「FAS」と称する)を採用し、その中でもヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシランを採用する。
【0024】
撥液膜11は、上記の原料化合物と基板10とを同一の密閉容器中に配置し、室温の場合は2〜3日程度の間放置することで、基板10上に形成される。また、密閉容器全体を100℃程度に保持することにより、3時間程度で基板10上に形成される。以上に述べたのは、気相からの形成法であるが、液相からも自己組織化膜は形成可能である。例えば、原料化合物を含む溶媒中に基板を浸積し、洗浄、乾燥することで基板上に自己組織化膜が得られる。
このように基板10の表面全体にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて撥液膜11が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
なお、FASを撥液膜11として使用する際に、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用しても、本発明の所期の目的を損なわなければ制限されない。
【0025】
(親液部形成工程)
次に、図2(c)に示すように、撥液膜11の一部を除去して親液部12を形成する工程について説明する。
親液部12の形成方法としては、紫外線照射法、電子ビーム照射法、X線照射法、走査型プローブ顕微鏡(SPM)法等が適用可能である。本発明においては、紫外線照射法が好ましく用いられる。紫外線照射法は、図2(c)に示すように、フォトマスクMを撥液膜11上に配置し、フォトマスクMを介して、所定の波長の紫外光UVを撥液膜11に照射することにより行われる。
【0026】
フォトマスクMには、所望の親液部12を形成するための開口部P、AM1、AM2が形成されており、当該開口部P、AM1、AM2を通過した紫外光UVが撥液部11を照射することにより、撥液膜11の分子が分解、気化、除去される。従って、図2(d)に示すように撥液膜11の一部が除去されて、親液領域Pa、AM1a、AM2aからなる親液部12が形成される。ここで、親液領域AM1bは、後の工程でアライメントマークが配置される領域であり、その形状は円形である。
このような親液部形成工程においては、自己組織化膜の原料化合物に応じて、紫外光UVの波長及び照射時間が適宜決定される。FASの場合には、310nm以下の波長の紫外線を用いることが好ましく、また200nm以下の波長の紫外光を用いることがさらに好ましい。
【0027】
(アライメントマーク形成工程)
次に、アライメントマーク(第1のアライメントマーク)を形成する工程について説明する。
アライメントマークAM1bの形成方法としては、スプレー法や液体吐出法が適用可能である。
スプレー法は、液状体を気体と混合させて噴霧することで基板10の所定の領域に当該液状体を配置する方法である。この方法は、噴霧時に液状体が空間を舞ってしために所定の位置のみに液状体を配置することが難しいが、高精度な位置決め動作が不要であるので簡易的に液状体を配置するには適した方法である。
【0028】
また、液体吐出法は、電気機械変換体による吐出手段や加圧振動型による吐出手段等、各種の吐出手段によって液状体を基板10の所定の領域に直接配置する方法である。この方法は、吐出手段によって吐出量の精度が異なり、例えば、圧電素子等による電気機械変換体からなる吐出手段では駆動波形を制御することにより所望かつ高精度の吐出量で液状体を配置することが可能である。また、例えば、ディスペンサに代表されるような加圧振動型からなる吐出手段では電気機械変換体と比較して高精度に設定された吐出量で液状体を吐出することが難しいが、簡易的に液状体を配置するには適している。
本実施形態においては、スプレー法を用いてアライメントマークAM1bを形成する場合について説明する。なお、本発明では、ディスペンサを用いた液体吐出法でも適用可能である。
【0029】
また、アライメントマークAM1bを形成するための液状体としては、好適な揮発性を有する揮発性溶媒(第1の液状体)が好ましく、また、透明であることが好ましい。従って、本実施形態においては、溶媒を採用し、その中でもn−ヘプタンを採用する。このような溶媒を採用することにより、乾燥処理によって容易にこれを除去することが可能となる。また、溶媒は複数の種類の溶媒を混合させた混合溶媒を採用してもよい。ここで、「好適な揮発性」とは、基板上に配置した後にすぐに気化するものではなく、所定の時間が経過した後に蒸発する程度の揮発性であることを意味する。例えば、後述の基板位置決め工程が終了するまでの間は、揮発性溶媒が液相状態であることが好ましい。
【0030】
図3(e)に示すように、スプレーノズルSPに充填された揮発性溶媒を基板10上の親液領域AM1aの近傍に噴霧する。このように噴霧された揮発性溶媒においては、親液領域AM1aに配置された場合は当該親液領域AM1aに留まり、撥液膜11上に配置された場合は親液領域AM1aに向かって移動する。即ち、揮発性溶媒は液滴L1(第1の液状体)として液溜まりが形成され、アライメントマークAM1bとなる。更に、スプレーノズルSPから噴霧された揮発性溶媒が空中を舞うことにより、親液領域AM1a以外の部分にも揮発性溶媒が配置されるが、当該揮発性溶媒が親液領域AM1aと撥液膜11との境界を跨ぐことがない。従って、円形状の親液領域AM1a内に、円形状のアライメントマークAM1bを配置することができる。ここで、液滴L1と基板10とは、屈折率が異なるためにアライメントマークAM1bの確認が容易である。
従って、これまで無色であった親液領域AM1aの位置に対して、溶媒の液滴L1を配置することにより、アライメントマークAM1bとして可視化することが可能となる。
【0031】
(アライメントマーク検出工程)
次に、上記のように可視化されたアライメントマークAM1bの検出工程について説明する。
当該アライメントマーク検出工程は、アライメントマークAM1b全体を画像データとして取得するための撮像手段と、画像データからアライメントマークAM1bの中心を求める演算手段とによって行われる。
撮像手段は、例えばCCD等を具備する撮影装置であり、演算手段は、例えばコンピュータである。このような撮像手段及び演算手段は、互い接続されており、撮像手段が取得した画像データは演算手段によって演算されるようになっている。このような撮像手段及び演算手段は、後の工程で用いられる液体吐出装置に設けられており、当該アライメントマーク検出工程は液体吐出装置内において行われる。
【0032】
このようなアライメントマーク検出工程においては、アライメントマークAM1bの可視化が可能となっているので、撮像手段によりその画像データを取得することが可能である。更に、当該画像データを演算処理することにより中心位置が検出される。ここで、図3(e)に示すように、基板10平面の対角においてアライメントマークAM1bの中心位置が検出される。
従って、アライメントマークAM1bが円形状であることから、他の幾何学形状の中でも最も容易に中心位置を検出することが可能となる。
【0033】
(基板位置決め工程)
次に、基板位置決め工程について説明する。
当該基板位置決め工程は、後の膜パターン形成工程を行う液体吐出装置において行われる。ここでは、上述のアライメントマークAM1bの中心位置と、液体吐出装置の基準位置とを合致させた状態で、図3(e)に示すように固定部FXにより基板10を固定する。従って、基板10の位置を高精度に決定することができる。なお、固定部FXの箇所数は特に限定しない。
【0034】
また、基板位置決め工程は、溶媒からなる液滴L1(アライメントマークAM1b)が蒸発する前に行う。更に、当該基板位置決め工程が終了した後は、所定の温度及び湿度条件下に基板10を曝すことにより、即ち、乾燥処理を施すことにより液滴L1を蒸発させる。従って、液滴L1を触れることなく除去することが可能となる。このような液滴L1の除去に伴い、上述のスプレーノズルSPから噴霧されて親液領域AM1a以外に配置された溶媒も除去されるので、基板10上には撥液膜11及び親液部12のみが残る。なお、液滴L1を自然乾燥により除去してよい。
【0035】
(膜パターン形成工程)
次に、膜パターン形成工程について説明する。
当該膜パターン形成工程は、液体吐出装置を用いて親液領域Pa、AM2aに液状体(第2の液状体)を配置し、導電性膜パターン(膜パターン)Pb及びアライメントマーク(第2のアライメントマーク)AM2bを形成するものである。
液体吐出装置は、ビットマップやCAD等の電子データに応じて、基板10と吐出ヘッドとを当該電子データに応じて相対移動すると共に、1滴当りの吐出量を高精度に制御して液滴を吐出するものである。
ここで、液体吐出装置の吐出手段としては、圧電素子(ピエゾ素子)を用いた電気機械変換体、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式等が採用される。
【0036】
また、液状体としては、導電性微粒子を含有する分散液(第2の液状体)が採用され、親液領域AM2aに配置する液状体として有色の液体材料、例えばインク等が採用される。また、親液領域AM2aに配置する液状体を親液領域Paと同一にしてもよく、この場合、同一工程で親液領域Pa、AM2aに分散液を配置することができるので、工程の簡略化が可能となる。
【0037】
分散液に含まれる導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルのいずれかを含有する金属微粒子の他に導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。また、導電性微粒子を分散液内に分散させるために、導電性微粒子表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。また、液体吐出装置から基板10に吐出する際に、分散液への分散しやすさと液体吐出法の適用の観点から、導電性微粒子の粒径は50nm以上0.1μm程度であることが好ましい。
【0038】
また、分散液においては、このような導電性微粒子を分散させるために好適な溶媒が採用され、室温での蒸気圧が0.001〜50mmHgであることが望ましい。蒸気圧が50mmHgより高い場合には、液体吐出装置で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こりやすく、安定な吐出が困難となるためである。一方、蒸気圧が0.001mmHgより低い場合には吐出した液体材料の乾燥が遅くなり導電膜中に溶媒が残留し易くなり、後工程の熱処理後にも良質の導電膜が得られ難い。
【0039】
膜パターン形成工程で使用する溶媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されないが、水の他に、メタノール等のアルコール類、n−ヘプタン等の炭化水素系溶媒、またエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶、さらにプロピレンカーボネート等の極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、導電性微粒子の分散性と分散液の安定性、また液体吐出法への適用のしやすさの点で、水、アルコール類、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、更に好ましい溶媒としては水、炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。
【0040】
図3(f)に示すように、液体吐出装置を用いて上記の分散液を親液領域Pa、AM2aに配置することにより、液滴L2(第2の液状体)として膜パターンPb、アライメントマークAM2bが形成される。ここで、上述のアライメントマーク検出工程及び基板位置決め工程によって基板10の位置が高精度になっているので、従って、膜パターンPb、アライメントマークAM2bは、撥液膜11に配置されることなく、親液領域Pa、AM2aに形成することができる。更に、液体吐出法によって液滴L2が配置されるので、更に高精度となる。
【0041】
また、更にアライメントマークAM2bと、膜パターンPbとが同一工程で形成する場合には、両者の相対的な位置ずれによる誤差が生じることなく高精度に配置することが可能となる。
また、膜パターンPbを形成した後に配線や電極等の他のパターンを形成する場合には、撮像手段や演算手段により第2のアライメントマークから基板の位置を決定することで、当該他のパターンを高精度な位置に形成することが可能となる。
【0042】
なお、第2のアライメントマークの形状は、円形に限定することなく、線状体、点状体、くさび状体等、種種の形状が採用され、撮像手段や検出器等によって第2のアライメントマークの中心、交点、線分等を好適に検出できる形状が好ましい。
【0043】
(熱処理工程)
次に、膜パターンPbを熱処理することによって導電性膜パターンPcに変換する工程について説明する。
当該熱処理工程は、分散液中の溶媒を除去することで、導電性微粒子間の電気的接触性を向上させるものである。熱処理工程は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。上記の熱処理工程の処理温度は溶媒の沸点(蒸気圧)、圧力および導電性微粒子の熱的挙動により適宜定めれば良く、特に限定されるものではないが室温以上300℃以下で行うことが望ましい。特に、プラスチックなどの広範囲な基板を使用できるという点では、室温から100℃以下で行うことが特に望ましい。
【0044】
また、熱処理工程は通常のホットプレート、電気炉などでの処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。
【0045】
このような上述の一連の工程により、基板10に導電性膜パターンPcが形成される。このような導電性膜パターンPcは、後述するように例えばボトムエミッションタイプのTFTのゲート電極やゲート配線等、基板10に形成される膜パターンとして好適である。
【0046】
なお、上述したパターン形成方法においては、透明液体からなるアライメントマークAM1bを除去したが、当該アライメントマークAM1bを有色液体により形成し、基板10上に残留させてもよい。このようにすれば、アライメントマークAM1bを除去するための乾燥工程等を省略することが可能となる。この場合には、液滴L1を圧電素子を用いた電気機械変換体を吐出手段として備えた液体吐出装置を用いて、高精度に液体材料の吐出を行うことが好ましい。更に、親液領域AM1a以外に有色液体が配置するのを避けるため、親液領域AM1aの周辺に他のパターンが密集していないことが好ましい。
【0047】
また、上述したパターン形成方法においては、親液領域AM1a、AM2aをそれぞれ異なる位置に形成し、アライメントマークAM1b、AM2bをそれぞれ形成したが、親液領域AM1aに形成されたアライメントマークAM1bを除去した後に、当該親液領域AM1aにアライメントマークAM2bを形成してもよい。この場合、親液領域AM2aを形成する必要がなく、親液領域AM2aの領域を他のパターンとして有効利用することができる。
【0048】
また、上述したパターン形成方法においては、特に導電性膜パターンを形成する工程について説明したが、導電性微粒子を含有する分散液に代えて、他の材料を含有する分散液を用いることにより、絶縁膜パターン、シリコン膜パターン等を形成することができる。
【0049】
また、上述したパターン形成方法においては、スプレー法によりアライメントマークAM1bを形成したが、液体吐出装置を用いて形成することにより、熱処理工程を除く一連の工程を液体吐出装置で行うことが可能となる。この場合、液体吐出装置は、上記の分散液以外に揮発性溶媒を吐出する吐出ヘッドを用意することが好ましい。
【0050】
(電気光学装置)
(プラズマ型表示装置)
次に、本発明の電気光学装置の一例として、プラズマ型表示装置について説明する。なお、当該プラズマ型表示装置の製造方法は、先に記載のパターン形成方法と同様であるため、説明を省略する。
図4は本実施形態のプラズマ型表示装置(電気光学装置)500の分解斜視図を示している。
【0051】
プラズマ型表示装置500は、互いに対向して配置された基板501、502、及びこれらの間に形成される放電表示部510を含んで構成される。
放電表示部510は、複数の放電室516が集合されたものである。複数の放電室516のうち、赤色放電室516(R)、緑色放電室516(G)、青色放電室516(B)の3つの放電室516が対になって1画素を構成するように配置されている。
【0052】
基板501の上面には所定の間隔でストライプ状にアドレス電極511が形成され、アドレス電極511と基板501の上面とを覆うように誘電体層519が形成されている。誘電体層519上には、アドレス電極511、511間に位置しかつ各アドレス電極511に沿うように隔壁515が形成されている。隔壁515は、アドレス電極511の幅方向左右両側に隣接する隔壁と、アドレス電極511と直交する方向に延設された隔壁とを含む。また、隔壁515によって仕切られた長方形状の領域に対応して放電室516が形成されている。
また、隔壁515によって区画される長方形状の領域の内側には蛍光体517が配置されている。蛍光体517は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するもので、赤色放電室516(R)の底部には赤色蛍光体517(R)が、緑色放電室516(G)の底部には緑色蛍光体517(G)が、青色放電室516(B)の底部には青色蛍光体517(B)が各々配置されている。
【0053】
一方、基板502には、先のアドレス電極511と直交する方向に複数の表示電極512がストライプ状に所定の間隔で形成されている。さらに、これらを覆うように誘電体層513、及びMgOなどからなる保護膜514が形成されている。
基板501と基板502とは、前記アドレス電極511…と表示電極512…を互いに直交させるように対向させて相互に貼り合わされている。
上記アドレス電極511と表示電極512は図示略の交流電源に接続されている。各電極に通電することにより、放電表示部510において蛍光体517が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0054】
本実施形態では、上記アドレス電極511、及び表示電極512がそれぞれ先のパターン形成方法に基づいて形成されているので、同様の効果を奏する。
【0055】
(液晶表示装置)
次に、本発明の電気光学装置の一例として、液晶表示装置について説明する。なお、当該液晶表示装置の製造方法は、先に記載のパターン形成方法と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
図5は、液晶表示装置を説明するための図であって、図5(a)は液晶表示装置の画像表示領域を構成する、スイッチング素子等の各種素子及び配線等の等価回路であり、図5(b)は液晶表示装置の要部を示し、各画素が備えるスイッチング素子と画素電極との構造を説明するための断面拡大図である。
【0057】
図5(a)に示すように液晶表示装置(電気光学装置)100は、マトリクス状に配置された走査線101及びデータ線102と、画素電極130と、当該画素電極130を制御するための画素スイッチング用TFT(以下、TFTと称す。)110が複数形成されている。走査線101においては、パルス的に走査信号Q1、Q2、…、Qmが供給されるようになっており、データ線102においては、画像信号P1、P2、…、Pnが供給されるようになっている。更に、走査線101及びデータ線102は後述するようにTFT110と接続されており、走査信号Q1、Q2、…、Qm及び画像信号P1、P2、…、Pnによって、TFT110が駆動するようになっている。更に、所定レベルの画像信号P1、P2、…、Pnを一定期間保持する蓄積容量120が形成され、当該蓄積容量120には容量線103が接続されている。
【0058】
次に、図5(b)を参照し、TFT110の構造について説明する。
図5(b)に示すようにTFT110は、所謂ボトムゲート型(逆スタガ型)構造のTFTである。具体的な構造としては、液晶表示装置100の基材となる絶縁基板100aと、絶縁基板100aの表面に形成された下地保護膜100Iと、ゲート電極110Gと、ゲート絶縁膜110Iと、チャネル領域110Cと、チャネル保護用の絶縁膜112Iとがこの順序で積層されている。絶縁膜112Iの両側には高濃度N型のアモルファスシリコン膜のソース領域110S及びドレイン領域110Dが形成され、これらのソース・ドレイン領域110S、110Dの表面にはソース電極111S及びドレイン電極111Dが形成されている。
【0059】
更に、それらの表面側には層間絶縁膜112Iと、ITO等の透明電極からなる画素電極130とが形成され、画素電極130は層間絶縁膜130のコンタクトホールを介してドレイン電極111Dに電気的に接続されている。
ここで、ゲート電極110Gは走査線101の一部分であり、また、ソース電極111Sはデータ線102の一部分である。更に、ゲート電極110G及び走査線101は、先に記載したパターン形成方法によって形成されている。
【0060】
このような液晶表示装置においては、走査信号Q1、Q2、…、Qmに応じて走査線101からゲート電極110Gに電流が供給され、ゲート電極110Gの近傍に電界が生じ、当該電界の作用によりチャネル領域110Cが導通状態となる。更に、当該導通状態において、画像信号P1、P2、…、Pnに応じてデータ線102からソース電極111Sに電流が供給され、画素電極130に導通し、画素電極130と対向電極間に電圧が付与される。即ち、走査信号Q1、Q2、…、Qm及び画像信号P1、P2、…、Pnを制御することにより、液晶表示装置を所望に駆動することができる。
【0061】
このように構成された液晶表示装置においては、先に記載のパターン形成方法に基づいてゲート電極110G及び走査線101が形成されているので、同様の効果を奏する。
なお、本発明のパターン形成方法は、ゲート電極110G及び走査線101に限定せずに、データ線102等、他の配線の形成方法においても適用可能である。
【0062】
(電界放出ディスプレイ)
次に、本発明の電気光学装置の一例として、電界放出素子を備えた電界放出ディスプレイ(Field Emission Display、以下FEDと称す。)について説明する。なお、FEDの製造方法は、先に記載のパターン形成方法と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
図6は、FEDを説明するための図であって、図6(a)はFEDを構成するカソード基板とアノード基板の配置を示した概略構成図、図6(b)はFEDのうちカソード基板が具備する駆動回路の模式図、図6(c)はカソード基板の要部を示した斜視図である。
【0064】
図6(a)に示すようにFED(電気光学装置)200は、カソード基板200aとアノード基板200bとを対向配置された構成となっている。カソード基板200aは、図6(b)に示すようにゲート線201と、エミッタ線202と、当該ゲート線201とエミッタ線202とに接続された電界放出素子203とを具備しており、即ち、所謂単純マトリクス駆動回路となっている。ゲート線201においては、ゲート信号V1、V2、…、Vmが供給されるようになっており、エミッタ線202においては、エミッタ信号W1、W2、…、Wnが供給されるようになっている。また、アノード基板200bは、RGBからなる蛍光体を備えており、当該蛍光体は電子が当ることにより発光する性質を有する。
【0065】
図6(c)に示すように、電界放出素子203はエミッタ線202に接続されたエミッタ電極203aと、ゲート線201に接続されたゲート電極203bとを備えた構成となっている。更に、エミッタ電極203aは、エミッタ電極203a側からゲート電極203bに向かって小径化するエミッタティップ205と呼ばれる突起部を備えており、当該エミッタティップ205と対応した位置にゲート電極203bに孔部204が形成され、当該孔部204内にエミッタティップ205の先端が配置されている。
【0066】
このようなFED200においては、ゲート線201のゲート信号V1、V2、…、Vm、及びエミッタ線202のエミッタ信号W1、W2、…、Wnを制御することにより、エミッタ電極203aとゲート電極203bとの間に電圧が供給され、電解の作用によってエミッタティップ205から孔部204に向かって電子210が移動し、エミッタティップ205の先端から電子210が放出される。ここで、当該電子210とアノード基板200bの蛍光体とが当ることにより発光するので、所望にFED200を駆動することが可能になる。
【0067】
このように構成されたFEDにおいては、先に記載のパターン形成方法に基づいてエミッタ電極203a及びエミッタ線202が形成されているので、同様の効果を奏する。
なお、本発明のパターン形成方法は、エミッタ電極203a及びエミッタ線202に限定せずに、ゲート電極203b及びゲート線201等、他の配線の形成方法においても適用可能である。
【0068】
(有機エレクトロルミネッセンス装置)
次に、本発明の電気光学装置の一例として、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下有機EL装置と称す。)について説明する。なお、有機EL装置の製造方法は、先に記載のパターン形成方法と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
図7は、上記のパターン形成方法により一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まずこの有機EL装置の概略構成を説明する。
図7に示すようにこの有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列している。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
回路素子部321は、図5(b)に示したようにボトムゲート型構造のTFT321aを備えており、当該TFT321aの主構成は図5(b)と同様である。また、発光素子351は、液体吐出法により形成される部位である。
このような有機EL装置301は、液体吐出法を用いて形成された発光素子351を備える所謂高分子型有機EL装置である。
【0070】
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0071】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層352を形成するための第1組成物(液状体)を各画素電極331上に吐出する第1吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(液状体)を正孔注入層352の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0072】
このように構成された有機EL装置においては、先に記載のパターン形成方法に基づいて、ボトムゲート型構造のTFT321aのゲート線等が形成されているので、同様の効果を奏する。なお、本発明のパターン形成方法は、ゲート線に限定せずに、他の配線の形成方法においても適用可能である。
なお、上記の有機EL装置は、高分子型に限らずに低分子型であってもよい。
【0073】
なお、本発明の製造方法が適用されるデバイスとしては、配線パターンを備えた他のデバイスにおいても適用が可能である。例えば、電気泳動装置内に形成される配線パターンの製造等に対しても、もちろん適用可能である。
【0074】
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図8は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8において、600は携帯電話本体を示し、601は先の図6に示した液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図9は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図9において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は先の図6に示した液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図10は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10において、800は時計本体を示し、801は先の図6に示した液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図8〜図10に示す電子機器は、上記実施形態の電気光学装置を備えたものであるので、配線類の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能となる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置、電界放出ディスプレイ等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパターン形成方法の一連の主要工程を説明するための図。
【図2】 図1に続くパターン形成方法の一連の主要工程を説明するための図。
【図3】 図2に続くパターン形成方法の一連の主要工程を説明するための図。
【図4】 本発明の電気光学装置のプラズマ型表示装置を示す図。
【図5】 本発明の電気光学装置の液晶装置を示す図。
【図6】 本発明の電気光学装置の電界放出ディスプレイを示す図。
【図7】 本発明の電気光学装置の有機EL装置を示す図。
【図8】 本発明の電子機器の携帯電話を示す図。
【図9】 本発明の電子機器の携帯型上方処理装置を示す図。
【図10】 本発明の電子機器の腕時計型電子機器を示す図。
【符号の説明】
10…基板、11…撥液膜(撥液部)、12…親液部、L1…液滴(第1の液状体)、L2…(第2の液状体)、AM1b…アライメントマーク(第1のアライメントマーク)、Pb、Pc…導電性膜パターン(膜パターン)、AM2b…アライメントマーク(第2のアライメントマーク)、100…液晶表示装置(電気光学装置)、200…電界放出ディスプレイ(電気光学装置)、500…プラズマ型表示装置(電気光学装置)、600…携帯電話本体(電子機器)、700…情報処理装置(電子機器)、800…腕時計(電子機器)

Claims (7)

  1. 基板上に親液部と撥液部とを所定のパターンに形成する工
    程と、
    前記親液部の一部に第1の液状体を配置して第1のアライメントマークを形成する工程と、
    当該第1のアライメントマークに基づき、前記親液部に第2の液状体を配置して膜パターンを形成する工程と、を具備し、
    前記基板は透明性材料であり、
    前記第1の液状体は透明性液体であり、
    前記基板と前記第1の液状体とは屈折率が異なることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記基板の位置を決定する工程の後に、前記第1の液状体を除去する工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記第1の液状体は溶媒であることを特徴とする請求項1から請求項2のうちいずれかに記載のパターン形成方法。
  4. 前記第1のアライメントマークの形状はパターン形成面側に突出した形状であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  5. 前記第2の液状体を配置する工程は、液体吐出法を用いることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 前記第2の液状体は、導電性微粒子を含有していることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 前記第2の液状体を配置する工程は、前記第1のアライメントマークとは異なる第2のアライメントマークを形成することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかに記載のパターン形成方法。
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