JP4244493B2 - 記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭出しデータを記録して、この頭出しデータを用いてデータの再生を行うことができる記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープを記憶媒体としたテープドライブ装置を用いて、例えば映像などのデータを記録することが行われている。この場合、テープドライブ装置は磁気テープに対してシーケンシャルアクセスによってデータの記録、再生を実行するようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁気テープは記録媒体として大容量の構成を採ることができるので、映像データなどの大容量のデータの記録に好適なものとなるが、上記したようにシーケンシャルなアクセス動作によって記録、再生を行うようにしているので、磁気テープにおける記録位置によっては、再生するファイルにアクセスに要する時間が長いものとなってしまう。
そこで、例えばハードディスク装置などにより磁気テープに記録するファイルに対応した頭出しデータを記録しておき、リアルタイム性を損なわないようにしてデータの再生を行うことが知られている。
このため、磁気テープ上におけるファイルの記録位置に応じて頭出しデータの容量を設定して、ハードディスク装置の効率よく利用し、また、頭出しの再生データを途切れないようにすることが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題点を解決するために、所定単位の記録領域が複数形成されている磁気テープが収納されているテープカセットが複数配置され、この複数のテープカセットを選択して搬送することができるチェンジャ手段と、前記チェンジャ手段によって搬送されたテープカセットを装填し、前記テープカセットに収納されている磁気テープに対して記録、再生を行うことができるテープドライブ手段と、少なくとも、前記テープドライブ手段においてデータの記録または再生を行う場合のバッファ領域と、前記磁気テープに記録されているファイルに対応し、該ファイルの再生を行う場合の頭出しデータを記録する頭出しデータ領域を有しているハードディスクドライブ手段と、前記チェンジャ手段によるテープカセットの搬送時間と、前記磁気テープに作成されているロード/アンロード領域とファイルの距離に基づいて、前記頭出しデータの容量を設定する頭出しデータ容量設定手段を備えて記録再生装置を構成する。
【0005】
また、所定単位の記録領域が複数形成されている磁気テープが収納されているテープカセットを装填し、前記テープカセットに収納されている磁気テープに対して記録、再生を行うことができるテープドライブ手段と、少なくとも、前記テープドライブ手段においてデータの記録、再生を行う場合のバッファ領域と、前記磁気テープに記録されているファイルに対応し、該ファイルの再生を行う場合の頭出しデータを記録する頭出しデータ領域を有しているハードディスクドライブ手段と、前記頭出しデータ領域に頭出しデータを所定の容量で記録することができる頭出しデータ記録制御手段と、前記磁気テープにおける記録済み領域の終端が、記録可能領域の所定の位置に到達した場合、前記所定の位置に第二のロード/アンロード領域を作成することができるロード/アンロード領域作成手段と、前記磁気テープに形成されている第二のロード/アンロード領域と、前記磁気テープに記録されているファイルの距離に基づいて、前記頭出しデータの容量を求める頭出しデータ容量設定手段と、前記ロード/アンロード領域作成手段によって第二のロード/アンロード領域が作成された場合に、既に記録されている頭出しデータから、前記頭出しデータ容量設定手段によって求められた容量との差分に相当するデータを消去するデータ消去手段を備えて記録再生装置を構成する。
【0006】
さらに、所定単位の記録領域が複数形成されている磁気テープが収納されているテープカセットを装填し、前記テープカセットに収納されている磁気テープに対して記録、再生を行うことができるテープドライブ手段と、少なくとも、前記テープドライブ手段においてデータの記録、再生を行う場合のバッファ領域と、前記磁気テープに記録されているファイルに対応し、該ファイルの再生を行う場合の頭出しデータを記録する頭出しデータ領域を有しているハードディスクドライブ手段と、前記頭出しデータの容量を、前記磁気テープ上に作成されているロード/アンロード領域とファイルの距離に基づいて設定する頭出しデータ容量設定手段を備えて記録再生装置を構成する。
【0007】
本発明は、チェンジャ手段によるテープカセットの搬送時間と、磁気テープに作成されているロード/アンロード領域とファイルの距離に基づいて、頭出しデータの容量を求めるようにしているので、再生するファイルのロード/アンロード領域からの距離や、テープカセットの搬送時間に対応した容量の頭出しデータを記録しておくことができる。
【0008】
また、第二のロード/アンロード領域の近くに記録され、ロード後のアクセス性が良いファイルに対応した頭出しデータについては、必要に応じてその頭出しデータの一部を消去することで、必要最低限の頭出しデータを記録しておくことができるようになる。
【0009】
さらに、磁気テープをロードしてからファイルの記録位置までの移動時間に対応した容量の頭出しデータを記録しておくことができるので、ロード後に所望するファイルの記録位置に移動する間は、そのファイルに対応した頭出しデータを読み出すことができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
1.システム全体の説明
1−1.外観図、ブロック図
1−2.データストレージ装置のブロック図
1−3.テープドライブ部のブロック図
1−4.記録時と再生時のデータの流れ
1−5.磁気テープのレイアウト
1−6.断片化に対応したディビジョンの大きさ
1−7.チェンジャ部の構成例
1−8.ハードディスク部
2.ファイルシステム
2−1.ホストコンピュータ装置の構成例
2−2.ドライバ部から出力されるコマンド例
2−3.コンピュータ装置側の処理
2−4.データストレージ装置側の処理
3.データの保存レベル
3−1.BOFデータの記録
3−2.保存レベル
3−3.保存レベル更新
3−4.ファイルのライフサイクル
4.磁気テープのロード/アンロード
4−1.EODエリアの後のロード/アンロード
4−2.デバイスエリア#1でのロード/アンロード
4−3.ロード/アンロードの工程
4−4.つなぎデータ
5.BOFデータの最適化
【0011】
1.システム全体の説明
1−1.外観図、ブロック図

図1は、本実施の形態のデータストレージシステム全体を示す外観図である。この図で、コンピュータ装置41はホストコンピュータとして例えばパーソナルコンピュータなどにより構成されており、キーボード120によって所要の操作を行うことができるようにされている。また、コンピュータ装置41によって形成されるインターフェース用の操作画像(例えばGUI(Graphic User Interface)などによるウインドウ形式)は、モニタ装置100に表示される。したがって、ユーザはモニタ装置100に表示される操作画像にしたがいコンピュータ装置41の各種操作を行うことができる。
【0012】
モニタ装置100に表示される操作画像としては、例えばコンピュータ装置41に内蔵されている、ハードディスク装置、フロッピーディスクドライブ装置、または例えばCD(Compact Disc)やCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのディスク状記録媒体に記録されているデータの読み出しを行うディスクドライブ装置などが、アイコン化されたものとされる。したがって、ユーザがハードディスク装置に記憶されているデータの内容を参照する場合は、ハードディスク装置に対応したアイコンを所要の操作によって選択することにより、ハードディスク装置に対応したウインドウが表示される。そして、そのウインドウ内にハードディスク装置に記憶されている各種ファイルやアプリケーションプログラムなどに対応したアイコンが表示される。
これにより、ユーザはウインドウを観ることによって視覚的にファイルの有無などを把握することができ、各種ファイルの選択操作や、アプリケーションソフトの起動を実行させる操作に移行することができる。
【0013】
また、本実施の形態のデータストレージ装置1は、例えばSCSI(Small Computer Serious Interface)などのインターフェース手段を介してコンピュータ装置41と接続されている。すなわち、データストレージ装置1はコンピュータ装置41に接続される外部記憶装置として構成されている。
【0014】
図2は、コンピュータ装置41とデータストレージ装置1の構成例を説明するブロック図である。
このデータストレージ装置1は、コンピュータ装置41に対するデータの入/出力手段として、例えばSCSIインターフェースや、当該データストレージ装置1の各種制御を行う制御部などを有したコントローラ部2が備えられる。
ハードディスク部3は、コンピュータ装置41から供給されるデータ(例えば映像などとされるファイル)を、例えばテープドライブ部4に装填されている磁気テープ(図示せず)に記録する場合や、または前記磁気テープに記録されているデータの再生を行う場合のバッファ領域や、前記磁気テープに記録されているファイルの管理情報が記録される領域、または再生時などに用いる頭出しを行うデータの記憶領域、アクセスを行っている間にデータの読み出しが途切れる場合に対応するつなぎデータを記録する領域などが形成されている。
また、場合によっては、コンピュータ装置41から転送されたデータが、ハードディスク部3にのみ、または前記磁気テープのみに記録されている状態も生じる。
【0015】
テープドライブ部4は、チェンジャ部5によって装填されるテープカセットに収納されている磁気テープを記録媒体として、データの記録/再生を行うことができるようにされている。なお、磁気テープには、後述するようにディビジョンという単位の記録エリアが形成されている。
例えばデータの記録を行う場合は、ハードディスク部3のバッファ領域に格納されたデータを所要のディビジョンに記録していき、データの再生を行う場合は、前記ディビジョンに記録されているデータをハードディスク部3のバッファ領域に出力するようにされる。
チェンジャ部5は、例えば本実施の形態では20本のテープカセットを収納することができるラック手段を備えて構成される。そしてこのチェンジャ部5は、ラック手段に収納されている20本のテープカセットの中から、記録/再生を行う特定のテープカセットを選択してテープドライブ部4に搬送するようにされている。但し、データストレージ装置1では、例えば20本のテープカセットに収納されている磁気テープがそれぞれ独立した記録媒体ではなく、1本の磁気テープとして扱われるようにされている。
つまり、データストレージ装置1は、ハードディスク部3とチェンジャ部5に備えられる例えば20本の磁気テープに相当する容量を有した記録媒体を備えた装置として構成されている。
【0016】
コンピュータ装置41は、当該コンピュータ装置41の記憶手段として備えられるハードディスク装置(図示せず)に、少なくともアプリケーションソフトウエア42(以下、アプリケーションという)、オペレーション/ファイルシステム43(以下、ファイルシステムという)、およびデータストレージ装置1を駆動制御するためのソフトウエアとされるドライバ部44が記憶されている。
なお、この図では要部のみを示して省略しているが、コンピュータ装置41には例えばディスク状の記録媒体(フロッピーディスク、CD−ROMなど)のドライブ装置や、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)などが備えられ、一般的なコンピュータ装置として用いることができるようにされている。
【0017】
ところで、コンピュータ装置41によってGUIとして構築され、モニタ装置100に表示されるデータストレージ装置1に対応したウインドウ画面は、例えば図3に示されているようになる。
ウインドウ101には、例えばコンピュータ装置41全体を示すものとされ、例えばフロッピーディスクドライブを示すアイコン102、ハードディスクドライブを示すアイコン103、または各種設定を行う操作項目が含まれる設定ホルダを示すアイコン104、105、および本実施の形態のデータストレージ装置1に対応したアイコン106が示されている。
ウインドウ110は、アイコン106を選択した場合に開示されるウインドウとして、データストレージ装置1の内容に対応したアイコン111、112、113が示される。上記したようにデータストレージ装置1では、複数(本実施の形態では20本)のテープカセットを一つの記録媒体として構成しているので、アイコン111、112、113は、ハードディスク部3やテープカセット単位に対応したものではなく、データストレージ装置1のハードディスク部3や磁気テープに記憶されている、例えば映画などに対応したファイル毎に形成されたものとされる。
すなわち、データストレージ装置1はコンピュータ装置41に対して、ハードディスク部3やテープカセットによる大容量を有する、例えばハードディスクドライブ装置などと同様に1個のドライブ装置として認識させるようにしている。
【0018】
1−2.ドライブ装置のブロック図
図4は、データストレージ装置1の構成例を説明するブロック図であり、この図では特にコントローラ部2について説明する。
コントローラ部2における、記録または再生時のデータの経路においては、インターフェース部(以下、I/F部)6、バッファコントローラ部7、I/Fバッファ8、インターフェース部9が備えられる。
【0019】
I/F部6はコンピュータ装置41との間に配置され、記録/再生時などにデータストレージ装置1とコンピュータ装置41がデータ通信を行う場合の入/出力段として構成される。
バッファコントローラ7部は、例えばダイレクトメモリアクセス7a、7bによって構成されI/F部6とI/F部9の間におけるデータ転送を制御するようにされる。I/Fバッファ8はバッファコントローラ部7のバッファメモリとして構成される、
I/F部9はデータストレージ装置1内においてハードディスク部3とテープドライブ部4とのデータ転送に用いられるインターフェース手段として構成されている。
なお、コンピュータ装置41から転送されたデータをハードディスク部3に記録する場合や、テープドライブ部4で再生されたデータをコンピュータ装置41に転送する場合は、I/F部9を介してデータ転送が行われることになるが、例えばハードディスク部3に格納されているデータをテープドライブ部4に供給する場合は、ハードディスク部3とテープドライブ部4の間で直接データ転送が行われてもよい。
【0020】
例えば記録時には、コンピュータ装置41から転送されたデータは、I/F部6を介してダイレクトメモリアクセス7aに供給されてI/Fバッファ8に格納される。そしてI/Fバッファ8に格納されたデータはダイレクトメモリアクセス7bによって読み出されて、I/F部9を介してハードディスク部3に供給されるようになる。
また、例えば再生時には、ハードディスク部3またはテープドライブ部4から読み出されたデータは、I/F部9を介してダイレクトメモリアクセス7bに供給されてI/Fバッファ8に格納される。そしてI/Fバッファ8に格納されたデータはダイレクトメモリアクセス7aによって読み出されて、I/F部6を介してコンピュータ装置41に転送されるようになる。
【0021】
制御部11は、例えばマイクロコンピュータなどで構成され、例えば記録や再生などを行う場合に、バス14を介して上記したコントローラ部2の各部位を制御して、データストレージ装置1全体の動作制御を行うようにされている。
また、制御部11は、I/F部9を介してチェンジャ部5の制御を行うようにされている。すなわち、コンピュータ装置41からI/F部6を介して供給される記録または再生などに対応した各種コマンドに基づいて、データの記録または再生を行う磁気テープを収納している所定のテープカセットをテープドライブ部4に搬送させる制御も行う。この場合、コンピュータ装置41から供給される情報とともに、ハードディスク部3に記憶されているテープカセットの使用状況(管理情報)に基づいた制御になる。
【0022】
ROM12、RAM13は、制御部11が、データの記録または再生などの制御を行う場合の各種処理に用いるデータが記憶される。例えばROM12には制御に用いる定数等が記憶される。またRAM13はワークメモリなどとしても用いられる。
なお、ROM12、RAM13は、制御部11を構成するマイクロコンピュータの内部メモリとしても用いられる。
【0023】
1−3.テープストリーマ部のブロック図
図5は、テープドライブ部4の構成例を説明するブロック図である。
テープドライブ部4における、記録または再生時のデータの経路においては、I/F部20、コントローラ部21、グループバッファ22、RF処理部23が備えられ、さらに回転ドラム24の周囲において所定の位置に、再生ヘッド25A、25B、25C、記録ヘッド26A、26Bが備えられる。
I/F部20はコントローラ部2に対するデータの入/出力段として構成される。
【0024】
コントローラ部21は、例えばダイレクトメモリアクセス21a、シグナルプロセッサ21bによって構成され、I/F部20とRF処理部23の間におけるデータ転送を制御するようにされる。また、シグナルプロセッサ21bは、例えば記録データ、再生データに対して所要の誤り訂正処理などを施すようにされている。
RF処理部23は、磁気テープ40に記録する記録信号の生成や、磁気テープ40から読み出された再生RF信号に基づいて再生データの生成を行う。
このRF処理部23は、記録時において、コントローラ部21から供給された記録データに対して増幅、記録イコライジング等の処理を施して記録信号を生成し、記録ヘッド26A、26Bに供給する。これにより記録ヘッド26A、26Bから磁気テープ40に対するデータの記録が行われることになる。
また再生時には、磁気テープ40の記録データが、再生ヘッド25A、25Bにより読み出されたRF再生信号が再生出力として供給され、再生イコライジング、再生クロック生成、2値化、デコード(例えばビタビ復号)などが行われる。
【0025】
メカコントローラ27は、図示は省略しているドラムモータ、キャプスタンモータ、リールモータ、ローディングモータ、イジェクトモータなどを回転駆動させるように、各駆動モータに所要の駆動電圧を印加するようにされている。
このメカコントローラ27はサーボコントローラ28からの制御に基づいて各モータを駆動する。サーボコントローラ28は各モータの回転速度制御を行って通常の記録再生時の走行や高速再生時のテープ走行、早送り、巻き戻し時のテープ走行などを実行させる。
なおEEP−ROM32にはサーボコントローラ28が各モータのサーボ制御に用いる定数等が格納されている。
【0026】
制御部29は、例えばマイクロコンピュータなどで構成され、例えば記録や再生などを行う場合に、バス35を介し、コンピュータ装置41からコントローラ部2を介して供給される各種コマンドに基づいてテープドライブ部4の各部位を制御するようにされている。例えば、データの記録を行う場合は、チェンジャ部5によって装填されたテープカセットの磁気テープ40における記録位置までの早送りなどを実行させるとともに、記録ヘッド26A、26Bに記録データを供給させる制御などを行い、再生時には、装填されたテープカセットの磁気テープ40における再生位置までの早送りなどを実行させる。
【0027】
また、ROM30、RAM31は、図4でコントローラ部2の構成として示したROM12、RAM13と同様に、制御部29が、データの記録または再生などの制御を行う場合の各種処理に用いるデータが記憶される。すなわち、例えばフラッシュROM30には制御に用いる定数等が記憶され、またRAM31はワークメモリなどとして用いられる。
【0028】
1−4.記録時のデータの流れ
ここで、図6の模式図にしたがい、記録を行う場合のデータストレージ装置1内におけるデータの一連の流れを、時間の経過に対応させて説明する。
図6(a)に示されているように、データストレージ装置1にコンピュータ装置41から記録データが転送されると、まずI/Fバッファ8に格納される(図4の経路▲1▼)。次に、I/Fバッファ8に格納されたデータは、図6(b)に示されているようにハードディスク部3に転送される(図4の経路▲2▼)。これにより、記録データは、ハードディスク部3の例えばバッファエリアに格納される。この図6(a)から図6(b)に示すデータ転送の遷移は、I/Fバッファ8の容量によるものとされ、I/Fバッファ8に所定量のデータが蓄積された時点で行われる。
次に、ハードディスク部3に格納されたデータがテープドライブ部4に転送されて磁気テープ40に記録される場合は、図6(c)に示されているようになり、まずテープドライブ部4のグループバッファ22に格納される(図4の経路▲3▼)。そして、図6(d)に示されているように、グループバッファ22からグループ単位で読み出されたデータは、磁気テープ40に記録されていく(図4の経路▲4▼)。この、図6(c)から図6(d)に示すデータ転送の遷移は、グループバッファ22の容量により、グループバッファ22に例えば1グループ単位のデータが蓄積された時点で実行される。
なお、図6(b)から図6(c)に示されているデータ転送の遷移(図4の経路▲3▼)は、例えばSCSIインターフェースなどにおいては、「COPY」コマンドによって実行することができるが、例えばATA(AT Attachment)などのように前記「COPY」コマンドに対応したコマンドがないインターフェース手段が適用されてる場合は、I/Fバッファ8を仲介してデータ転送を行うようにすることになる。
【0029】
したがって、図6(b)から図6(c)に示す遷移は、ハードディスク部3のバッファエリアの大きさに基づいた間隔で行われ、図6(a)から図6(b)、および図6(c)から図6(d)に示す遷移は、図6(b)から図6(c)に示す遷移よりも比較的短い期間で行われる。
【0030】
1−5.磁気テープのレイアウト
図7は、テープカセット内の所要のリールに巻装され収納されている磁気テープ40のレイアウトを説明する模式図である。なお、本実施の形態では1本の磁気テープ40の記録領域は例えば50GB(ギガバイト)の容量を有しているものとする。
図7(a)には1本の磁気テープ40が模式的に示されている。
この磁気テープ40の最初の部分には物理的にリーダーテープ(図示せず)が先頭に位置しており、次に磁気テープ40をローディング/アンローディングを行う領域となるデバイスエリアが設けられている。このデバイスエリアの先頭が物理的テープの先頭位置PBOT(Physical Beginning of Tape)とされる。なお、本明細書においてローディングとは、テープドライブ部4にテープカセットを装填した後に、このテープカセットに収納されている磁気テープを引き出して、記録されているデータの読み出しを可能にするまでの動作とし、アンローディングとは、磁気テープ40をテープカセット内に収納してテープドライブ部4からテープカセットを排出するまでの動作とする。
【0031】
デバイスエリアに続いて、データの記録が行われる記録エリアが形成されるが、例えばディビジョン(Division)という所要の記録、再生を行う最小単位で分割して利用するようにされている。また、この図に示す各ディビジョンは、それぞれディビジョン#1、#2、#3・・・として記されているように、ディビジョンナンバが与えられて管理される。本実施の形態では、後述するように例えばディビジョン#1〜ディビジョン#400までの計400のディビジョンが形成される。また、本実施の形態ではディビジョン#400となる最後のディビジョンの終端部は、物理的テープの最終位置PEOT(Physical End of Tape)とされている。
【0032】
なお、この図には示していないが、磁気テープ40に対して記録を行っていき、その記録位置が所定の位置とされる例えば中央部分(例えばディビジョン#200)に到達した場合に、第一のロード/アンロード領域とされるデバイスエリア#1に対して、第二のロード/アンロード領域とされるデバイスエリア#2を形成する。そしてデバイスエリア#2が形成された後は、このデバイスエリア#2によってロード/アンロード動作を行うようにする。このデバイスエリア#2を用いたロード/アンロード動作については後述する。
【0033】
例えば図7(b)に示す1ディビジョン内におけるデータの記録単位は、図7(c)に示すグループ(Group)といわれる固定長の単位に分割することができる。図示されているように1ディビジョンは112グループにより形成される。例えばコンピュータ装置41から転送されたデータは、ハードディスク部3を介してグループ単位でテープドライブ部4に供給される。
1グループは20フレーム(Frame)のデータ量に対応する。この20フレームの内訳は、例えば18データフレームと2パリティフレームとされる。そして、図7(d)に示すように、1フレームは、2トラック(Track)により形成される。この場合、1フレームを形成する2トラックは、互いに隣り合うプラスアジマスとマイナスアジマスのトラックとされる。したがって、1グループは40トラックにより形成されることになる。
【0034】
また、図7(d)に示した1トラック分のデータの構造は、図8(a)および図8(b)に示される。図8(a)にはブロック(Block)単位のデータ構造が示されている。1ブロックは1バイトのSYNCデータエリアA1に続いてサーチ等に用いる6バイトのIDエリアA2、IDデータのための2バイトからなるエラー訂正用のパリティーエリアA3、64バイトのデータエリアA4より形成される。
【0035】
図8(b)に示す1トラック分のデータは全471ブロックにより形成され、1トラックは図のように、両端に4ブロック分のマージンエリアA11、A19が設けられ、これらマージンエリアA11の後ろとマージンA19の前にはトラッキング制御用のATFエリアA12、A18が設けられる。さらに、AFTエリアA12の後ろとATFエリアA18の前にはパリティーエリアA13、A17が備えられる。これらのパリティーエリアA13、A17としては32ブロック分の領域が設けられる。
【0036】
また、1トラックの中間に対してATFエリアA15が設けられ、これらATFエリアA13、A15、A18としては5ブロック分の領域が設けられる。そして、パリティーエリアA13とATFエリアA15の間と、ATFエリアA15とパリティーエリアA17との間にそれぞれ192ブロック分のデータエリアA14、A16が設けられる。したがって、1トラック内における全データエリア(A14およびA16)は、全471ブロックのうち、192×2=384ブロックを占めることになる。
そして上記トラックは、磁気テープ40上に対して図8(c)に示すようにして物理的に記録され、前述のように40トラック(=20フレーム)で1グループとされることになる。
【0037】
次に、図8(a)に示したIDエリアA2について図9を参照して説明する。図9はIDエリアA2のデータ構造を示すものとされ、このIDエリアA2は9ビットのフィジカルブロックアドレス(Physical Block Address)A21と、これに続く39ビットのIDインフォメーションエリア(ID Information Area) A22の領域よりなる。
【0038】
前述のように、1トラック内における全データエリア(A14およびA16)は384ブロックよりなることから、これら全データエリアに含まれるフィジカルブロックアドレスA21の数も384とされることになる。
そして、これら384のフィジカルブロックアドレスA21は、例えば1トラックの先頭に位置するフィジカルブロックアドレスA21から順に、10進法表現で0〜383までインクリメントするようにしてアドレス値が与えられる。
これにより、例えば記録再生装置側により、1トラック内のデータエリアに含まれるIDインフォメーションエリアA22の情報を適正に扱うことが可能なようにされる。ここで、1トラック内のデータエリアに含まれるIDインフォメーションエリアA22のデータサイズとしては、
39(Bit )×384(Block)=14976(Bit)=1872(Byte)
で求められるように、1872バイトとなる。
【0039】
IDインフォメーションエリアA22には、磁気テープ40のデータ構造に対応した各種IDエリア情報が所定の規則にしたがって当てはめられるようにして格納されている。IDエリア情報としては、本実施の形態では少なくとも、当該フレームが例えばデバイスエリアまたはディビジョンなどのどの記録領域に属しているかを示すものとされるエリアIDが格納される。したがって、テープドライブ部4はテープカセットが装填された後、磁気テープ40をロードしたときにエリアIDを読み込むことにより、磁気テープ40をどの位置(デバイスエリア#1、デバイスエリア#2、またはロード/アンロードエリアLUA)でロードしたかを識別することができる。
なお、テープストリーマドライブ10によるIDエリア情報の確実な読み出しを可能とさせることを考慮して、1トラック毎に同一の種類のIDエリア情報が所定の規則にしたがってって複数回記録される。
【0040】
1−6.チェンジャ部
図10は、チェンジャ部5のラック手段に装填されている各テープカセット、および各テープカセット内に巻装されている磁気テープ40のレイアウトを模式的に示す図である。
なお、テープカセットは例えば#Aから#Tまでの計20本が装填されている。また、各テープカセットに装填されている磁気テープ40(a〜t)のレイアウトにおいて、デバイスエリアは省略している。
前記したように、磁気テープ40には例えば400個のディビジョンが形成されている。したがって、テープカセット#Aの磁気テープ40aを見ると、括弧内に示されている符号として「A001」〜「A400」のディビジョンが形成されていることがわかる。
同様にして、磁気テープ40bには「B001」〜「B400」、磁気テープ40cには「C001」〜「C400」、磁気テープ40rには「R001」〜「R400」、磁気テープ40sには「S001」〜「S400」、磁気テープ40Tには「T001」〜「T400」というように、それぞれ400個のディビジョンが形成されている。
【0041】
データストレージ装置1では、これら20本のテープカセットの各磁気テープ(a〜t)に形成されている全てのディビジョンが、連続して形成されている記録領域として管理するようにされている。したがって、データストレージ装置1が認識するディビジョンナンバは、全ての磁気テープ(a〜t)に形成される8000個(400個×20本)のディビジョンに対応した通し番号とされる#1〜#8000とされる。つまり、#1から#8000までの8000個のディビジョンを有した磁気テープとしては、例えば図11に示されているようになる。データストレージ装置1では、この図に示されているように、磁気テープ40a〜40tを1本の磁気テープと見なして扱うようにする。したがって、前記したように各テープカセット内に巻装される1本の磁気テープ40(a〜t)の記憶容量がそれぞれ例えば50GB(ギガバイト)であった場合、1TB(テラバイト)の記憶容量を有したテープ状記録媒体がデータストレージ装置1に備えられるものとなる。したがって、データストレージ装置1では映像データの転送レートが例えば6Mbpsであった場合、370時間程度の録画を行うことができる。なお、以降単に磁気テープ40a〜40tを1本の磁気テープとして示す場合は、単に磁気テープ40ともいうこととする。
【0042】
このようなディビジョン構造を構築することで、例えばディビジョンナンバ#6801に記録されているデータの読み出しを行う場合、データストレージ装置1の制御部11は、チェンジャ部5に対してテープカセット#Rをテープドライブ部4に装填する指示を出し、さらに、テープドライブ部4に対しては、磁気テープ40rの先頭から2個目のディビジョンにアクセスする指示を出す。これにより、テープドライブ部4からはディビジョンナンバ#6801のディビジョンに記録されているデータを読み出して出力することができるようになる。
【0043】
1−7.ハードディスク部
図12は、データストレージ装置1に備えられるハードディスク部3に形成されている記録領域の構成例を説明する図である。
バッファエリアE1は、データストレージ装置1からコンピュータ装置41から転送されるデータの記録を行う場合や、テープドライブ部4から読み出されたデータをデータストレージ装置1からコンピュータ装置41に転送する場合のバッファリングエリアとして構成される。
ファイルインフォメーションテーブルエリアE2は、データストレージ装置1に記録されるファイル(例えば映画などとされる映像データ単位)に関する管理情報などが格納されるテーブルエリアとされる。
ディビジョンアクセスマップE3は、磁気テープ40に形成されているディビジョン(1〜8000)の使用状況などの情報が格納されるエリアとされる。
【0044】
BOF(Beginning of File)エリアE4は、例えばファイルの先頭部分を頭出しデータ(BOFデータ)として記録するエリアとされる。例えばファイルの読み出しを行う場合に、まずBOFデータの読み出しを行い、コンピュータ装置41にBOFデータを転送している間に、テープドライブ部4が磁気テープ40の所要のディビジョンにアクセスすることができるようになる。これにより、比較的時間のかかる磁気テープ40のアクセス動作の影響を受けず、コンピュータ装置41から供給される再生コマンドに応じて、ほぼリアルタイムでデータの再生を実行することができるようになる。
なお、テープドライブ部4において磁気テープ40の所要のディビジョンにアクセスした後は、BOFデータに替わって磁気テープ40から読み出されたでデータがコンピュータ装置41に転送される。
【0045】
つなぎデータエリアE5は、例えば一つのファイルが複数の磁気テープに渡って断片化した状態で記録される状況が生じた場合に、テープカセットの交換を行う期間に必要とされるつなぎデータを記録しておくエリアとされる。これにより、例えば一つのファイルの再生中に、テープカセットの交換が必要な状態が生じても、チェンジャ部5によってテープカセットを交換している間は、つなぎデータを読み出してコンピュータ装置41に転送することで、再生データが途切れることなくリアルタイム性を維持することができるようになる。
【0046】
図13は、バッファエリアE1の構成例を説明する図である。
このバッファエリアE1は、それぞれが磁気テープ40に形成されているディビジョン1個の容量に対応したエリアBu0〜エリアBu79によって形成されている。すなわち、このバッファエリアE1には80個のディビジョンに対応したデータを格納することができるようにされている。例えばエリアBuが125MBで構成された場合、バッファエリアE1は10GB(ギガバイト)の容量を有するようになる。この場合、例えばMPEG2を想定して時間に換算すると、約2時間分の映像データをバッファリングすることができることになる
データの記録を行う場合、例えばバッファエリアE1が未使用状態であることを想定すると、コンピュータ装置41からデータストレージ装置1に転送されるデータは、エリアBu0、エリアBu1、エリアBu2・・・というように、ディビジョンに対応した容量毎にバッファリングされていく。バッファエリアE1に記録するファイルの全てのデータが格納された場合は、その時点でバッファリングが終了する。なお、バッファエリアE1からテープドライブ部4へのデータ転送は、バッファリングが行われている間において必要に応じて所要のタイミングで行われている。
【0047】
このようにして、バッファエリアE1を用いた記録が行われると、例えば一つのファイルの記録を行っている最中に、チェンジャ部5によりテープカセットの交換が必要になり、一旦磁気テープ40への記録動作が中断する場合が生じても、コンピュータ装置41から転送されるデータは、リアルタイムでバッファエリアE1に蓄積されている。したがって、テープカセットの交換が終わった後に、バッファエリアE1において、記録動作が中断した直前のデータをエリアBuから読み出して、磁気テープ40に記憶していくことにより、磁気テープ40に対するリアルタイムの記録動作を実現することが可能になる。
また、記録されたデータの再生を行う場合も、テープドライブ部4、チェンジャ部5によって磁気テープ40に対するアクセス動作を行っている間、バッファエリアE1に記憶されているファイルの先頭部分を読み出して、コンピュータ装置41に転送することができるようになる。
【0048】
また、コンピュータ装置41からデータストレージ装置1に転送されるファイルの容量が、バッファエリアE1よりも大きい場合は、エリアBu0、エリアBu1、エリアBu2・・・、エリアBu79までを利用したバッファリングが終わると、続いて転送されるデータは、例えば再びエリアBu0、エリアBu1、エリアBu2・・・を上書するようにしてバッファリングを行うようにする。つまり、コンピュータ装置41から転送されるデータの容量に関わらず、ファイルの記録を行っている間はバッファリングが継続して行われる。
なお、この場合、例えばファイルの先頭に相当する部分が消去されることになるが、必要に応じて頭出しデータエリアに、そのファイルに対応した頭出しデータを記憶しておけばよい。また、バッファエリアE1において上書きを行う場合、上書きされるディビジョンに記録されているデータについては、磁気テープ40に記録しておくようにする。
【0049】
図14はファイルインフォメーションテーブルエリアE2の構成例を説明する図である。
このファイルインフォメーションテーブルエリアE2には、データストレージ装置1に記録されているファイル毎の各種情報が記録されている。
例えばファイルIDは、ファイルの識別子情報として、データストレージ装置1が例えばファイルの再生や更新などを行う場合に、特定のファイルを選択するための情報とされる。
属性情報は、ファイルの保存レベルおよび再生レートにより形成される。ファイルの保存レベルについては、次に説明するこのファイルインフォメーションテーブルエリアE2に記録されている情報に基づいて、当該ファイルの状態を示す情報とされる。また、再生レートは、データの転送レートを示す情報とされる。
アクセス回数情報は、当該ファイルにアクセスが行われた回数を示す情報とされ、例えば当該ファイルの再生を行う毎にインクリメントされる。
ライト終了時刻情報は、当該ファイルの記録が終了したときの時刻を示す情報とされる。
最終アクセス日時情報は、当該ファイルが最後にアクセスされたときの、年月日および時刻が示される。
開始ディビジョン番号は、当該ファイルが磁気テープ40のどのディビジョンから開始されているかが示される。本実施の形態では、例えば#1〜#8000までのいずれかのディビジョンナンバが示されることになる。
ファイルサイズ情報は、当該ファイルの記録容量が示される。
【0050】
このように、ファイルインフォメーションテーブルエリアE2には、データストレージ装置1に記録されているファイルに関する情報が記録されるが、属性情報、アクセス回数情報、ライト終了時刻、最終アクセス日時情報、開始ディビジョン番号情報、ファイルサイズ情報などに基づいて保存レベルが設定される。
【0051】
図15はディビジョンアクセスマップE3の構成例を説明する図である。
ディビジョンアクセスマップE3は、磁気テープ40に記録されているファイルに対応した各ディビジョンの使用状況などが示される。すなわち、データストレージ装置1は、ディビジョンに対応している状況コードにより各ディビジョンの使用状況を把握することができる。
状況コードとしては、例えばディビジョン#1に対応して「0002h」が示されている場合は、ディビジョン#1に続くデータがディビジョン#2に格納されているということを示す。つまり、記録データがどのような順序でディビジョンに記録されているかが示される。したがって、例えばファイルの再生を行う場合に、コンピュータ装置41からの指示に基づいて、ファイルインフォメーションテーブルエリアE2に示した開始ディビジョン番号情報により、再生するファイルの先頭に対応したディビジョン番号が指定されると、その後はディビジョンアクセスマップE3を参照して、順次所望するディビジョンにアクセスすることができるようになる。
また、状況コードとして「FFFFh」は、当該ディビジョンがそのファイルの最後のディビジョンであることを示す。つまり、ディビジョンアクセスマップE3において、状況コード「FFFFh」は記録されているファイルの数だけ存在することになる。
すなわち、図15に示されている例では、或るファイルを形成するデータが、ディビジョン5→ディビジョン6→ディビジョン7→ディビジョン1→ディビジョン2→ディビジョン3の順で記録されていることが示されている。
【0052】
また例えば、そのディビジョンが未使用である場合は「0000h」とされ、現在そのディビジョンが使用されていない、スペース領域またはブランク領域に相当するディビジョンであることを示す。スペース領域とは、過去にファイルの記録が行われたが、現時点では例えば記録されたデータが消去されるなどして未使用とされている領域である。また、ブランク領域とは、磁気テープ40において過去にファイルの記録が行われていない領域とされ、例えば磁気テープ40の先頭のディビジョンから記録を行っていった場合、記録済みとされている終端、または最後のスペース領域の終端のディビジョンから磁気テープ40において記録可能とされている領域の終端とされているディビジョンまでの連続した未使用領域を示す。したがって、一度でもデータが記録されたディビジョンは、記録されたデータを消去して未使用領域となってもブランク領域として扱わないようにされる。
【0053】
また、本実施の形態では、#1から#8000までのディビジョンが形成され、各ディビジョンに関する情報としては、ディビジョンナンバ#1〜#8000までの情報を有することになるが、ディビジョンアクセスマップE3にはディビジョンナンバ#0として、例えばブランク領域に至るまでのオフセット量が示される。したがって、テープドライブ部4がブランク領域にアクセスする場合は、ディビジョンアクセスマップE3におけるディビジョン番号「0」の状況コードに示される内容に基づいて、ブランク領域を探していくことになる。
このようにスペース領域とブランク領域を区別して扱うことで未使用領域を効率よく使用して、ファイルの断片化の抑制を図り、磁気テープ40を平均的に使用することができるようにしている。
【0054】
このように、すべてのディビジョンの使用状況をディビジョンアクセスマップE3によって管理している。したがって、データストレージ装置1はコンピュータ装置41から例えば記録、再生などの指示を受けた場合に、テープドライブ部4によって実際に磁気テープに対するアクセス動作を行う前に、ディビジョンアクセスマップE3を参照することでディビジョンの使用状況を把握することができる。
【0055】
1−8.断片化に対応したディビジョンの大きさ
ところで、データストレージ装置1を用いて、例えば映画などの比較的大容量の映像データの記録、再生を行うことを想定した場合、データの記録、再生を行う場合はリアルタイム性が要求されることになる。
このため、一つのファイルが断片化している場合、例えば第一の断片の再生が終了すると、第二の断片、第三の断片・・・、に移動して、その移動動作の後に再び再生を開始することになる。
【0056】
図16は、断片化しているファイルの再生を行う場合の一例を示す模式図である。なお、第二の断片の断片は、同一テープカセットの磁気テープか、またはチェンジャ部5のラック手段に配されている他のテープカセットの磁気テープに在ることになるが、この図では、後者を例に挙げている。
図16(a)に示されているように、一つのファイルが分断して、第一の断片が磁気テープ40f、第二の断片が磁気テープ40l、第三の断片が磁気テープ40pに記録されている。このように複数の磁気テープに渡って分断したファイルの再生を行う場合、まずチェンジャ部5がテープカセットの交換を行い、さらにテープドライブ部4が早送り動作などによって、断片が記録されているディビジョンにアクセスしていく。この遷移は図16(b)に示されているように、第一の断片を磁気テープ40fから読み出した後に、第一の断片から第二の断片までの移動時間t1(チェンジャ部5、テープドライブ部4の動作)を経て、第二の断片を磁気テープ40lから読み出す。そして、第二の断片の読み出しが終わると、移動時間t2を経て、磁気テープ40pから第三の断片の読み出しを行う。
【0057】
図16(b)に示された遷移で磁気テープ40から読み出されたデータ(断片)は、前記したようにハードディスク部3のバッファエリアE1に一旦格納され、このバッファエリアE1から読み出されてコンピュータ装置41に転送される。但し、この場合、磁気テープ40からデータを読み出す速度よりも、磁気テープ40から読み出されたデータがコンピュータ装置41で再生される速度の方が遅いので、読み出し時間と再生時間に時間差が生じることになる。したがって再生映像としては、図16(c)に示されているように各断片が連結され、リアルタイム性を維持した映像が形成されるようになる。
【0058】
このように第一の断片から第二の断片に移動する場合においても、テープドライブ部4から読み出されて、ハードディスク部3のバッファエリアE1に格納されたデータをコンピュータ装置41に転送し続けることで、再生データのリアルタイム性を維持することができる。
したがって、この再生データのリアルタイム性を保証するためには、
磁気テープからの読み出し時間−映像の再生時間>=断片への移動時間
という条件を満たせばよいことになる。すなわち断片の間を移動するのに必要な時間以上の容量に相当するデータが、バッファエリアE1のエリアBuに蓄えられていればよいことになる。
【0059】
例えばディビジョンのサイズを128MByteとすると、MPEG2として例えば6Mbpsの転送レートとされる映像データを例に挙げると、その再生時間は、
128×8/6=171sec
となる。例えばテープドライブ部4において磁気テープ40から読み出されるデータの転送レートが、例えば48Mbpsであることを想定し、これを再生時間に換算すると、
128×8/48=21sec
となる。すなわち、再生時間として171secを要するデータを、テープドライブ部4では21secで読み出すことができることになる。したがって、その差分とされる150secという時間を断片から断片への移動時間に用いることができるようになる。
【0060】
このように、データストレージ装置1はハードディスク部4に形成されるバッファエリアE1をバッファ手段として、磁気テープ40に対する記録または再生を行うように構成されている。すなわち、ハードディスク部4の高速アクセス性と、磁気テープ40の大容量を兼ね備えた記録再生装置として構成されているので、例えば大容量かつリアルタイム性が要求される映像データの記録、再生にも適したものとなる。
【0061】
2.ファイルシステム
2−1.ホストコンピュータ装置の構成例
データストレージ装置1は、コンピュータ装置41に対して例えばハードディスク装置などのようなランダムアクセスデバイスとして認識させるようにするが、実際には複数のテープカセットを有したテープストリーマドライブ装置として構成されているので、シーケンシャルアクセスによって記録、再生動作を実行するようにされている。そこで、コンピュータ装置41がデータストレージ装置1を駆動(記録、再生)させるためのドライバ部は、コンピュータ装置41のアプリケーションプログラムやファイルシステムが発行するランダムアクセスコマンドをシーケンシャルアクセスコマンドに変換するようにしている。つまり、コンピュータ装置41では、データストレージ装置を例えばハードディスク装置などと同様のランダムアクセスデバイスとして扱うことができるようにしている。
【0062】
図17は、データストレージ装置1の動作を実行させる場合のコンピュータ装置41の構成例を説明する図である。
図示されているようにコンピュータ装置41には、例えばユーザが利用して画像データなどをファイル単位による記録、再生を実行させるためのソフトウエアとされるアプリケーション42と、例えばハードディスクに対して記録、再生を行う場合の単位とされるクラスタ(例えば64KB)のLBA(Logical Block Address)を指定して記録、再生を実行させるオペレーション/ファイルシステム43(以下、ファイルシステムという)が備えられる。これらのアプリケーションソフト42、ファイルシステム43を用いることにより、例えばハードディスク装置などのランダムアクセスデバイスに対しては、ランダムアクセスによる記録、再生を実行させることができる。
【0063】
そして本実施の形態では、アプリケーションソフト42、ファイルシステム43に加えて、データストレージ装置1に記録、再生動作などを実行させるためのソフトウエアとされるドライバ部44が備えられるが、このドライバ部44にはランダムアクセスをシーケンシャルアクセスに変換するためのLBA管理テーブルが備えられる。
LBA管理テーブルは、データストレージ装置1に記録するファイル毎に対応した各種情報が格納される。図17には例えばファイル「F001」に対応した情報が示されている。このLBA管理テーブルにおいて、Index情報は、LBA管理テーブルにおけるシーケンシャルな値とされる。CLBA情報は、前記クラスタ単位でつけたアドレス、Size情報はCLBA情報のアドレスに対応したクラスタの数を示している。
【0064】
ドライバ部44は、ファイルシステム43からランダムアクセスのライトコマンドが供給されると、まず、データストレージ装置1にファイル名の通知を行う。そして、記録を行うファイルに対応したライトコマンドの順番と、そのときのLBAを対応させて、LBA管理テーブルにIndex情報、CLBA情報として記憶していく。また、ファイルに対応したテーブルを特定することができるようにするために、ファイルID情報として「F001」という情報が記憶される。
【0065】
図17に示す例では、Index情報が「0」のクラスタは「#10」とされ、サイズは「1」とされている。同様に、Index情報が「1」「3」のクラスタはそれぞれ「#15」「#18」とされ、サイズは「1」とされている。また、Index情報が「2」のクラスタは「#18」とされ、サイズは「3」とされている。
ドライバ部44はファイルシステム43から供給されるライトコマンドに応じて、LBA管理テーブルにこのような情報を記憶し、さらに、Index情報に示されている順序で、データストレージ装置1に対してシーケンシャルにライトコマンドを送信する。例えば、CLBAの#10を「a」、#15を「b」、#18を「c」「d」「e」とした場合、データストレージ装置1では、磁気テープ40に「a」「b」「c」「d」「e」「f」というシーケンスでファイルが記録されていく。
【0066】
このようにして、磁気テープ40にデータが記録されると、LBA管理テーブルにおいてファイル「F001」に対応したCLBA情報は、図18に示されているようになる。図示されているように、ファイル「F001」に対応したCLBA情報を見るとランダムな配列になっているが、ファイル「F001」に対応したLBA管理テーブルではCLBA情報(a,b,c,d,e,f,)のみを管理することにより、これらのデータをシーケンシャルなものとして扱うことができるようになる。
つまり、ドライバ部44のLBA管理テーブルに記録される情報は、データストレージ装置1に記録されるファイルを構成するデータのシーケンスに対応するようになる。したがって、データストレージ装置1からファイル「F001」の読み出しを行うためにファイルシステム43からランダムアクセスのリードコマンドが供給された場合に、ドライバ部44はLBA管理テーブルに基づいて、ファイルシステム43から要求されたLBAが、当該ファイル「F001」の記録を行う際の何番目のライトコマンドで記録したデータに対応しているかを特定することができるようになる。そして、データストレージ装置1にファイルが記録されると、前記したファイルインフォメーションテーブルE2にそのファイルに関する各情報が記録される。
【0067】
また、データストレージ装置1は、ファイル単位でリードを行うようにされているので、複数のファイルを記録していくと、図19に示されているようにLBA管理テーブルはデータストレージ装置1に記録されているファイル「F001」、「F002」、「F003」、「F004」・・・として示されているように、各ファイルに対応した情報が記録されていく。したがって、データストレージ装置1に記録されているファイルの再生を実行する場合、ドライバ部44はまずデータストレージ装置1に対してファイルID情報を送信する。そして、以降、シーケンシャルなリードコマンドを送信していくことになる。例えば、ファイル「F001」の再生を行う場合は、リードコマンドとして#10、#15、#18、#30を送信すると、データストレージ装置1では、磁気テープ40に記録されている「a」「b」「c」「d」「e」「f」というシーケンスでデータの読み出しが行われるようになる。
【0068】
2−2.ドライバ部から出力されるコマンド例
このようにして、データストレージ装置1に対してファイル単位でのシーケンシャルな記録、再生を実現するために、ドライバ部44では、例えば以下に説明するようなSCSIコマンドを定義する。なお、#NはファイルIDに対応するものとされ、前記した「F001」「F002」「F003」「F004」などに相当する。
Create File #N : 新規ファイルの書き込み開始。
Close File #N : ライト、リードを終了。
Open File #N : 記録されているファイルの読み込み開始
Delete File #N : 記録されたデータの消去
Send Real Time Speed(in Mbps)
: リアルタイム性を保証するために再生レートを通知
Set Realtime Mode ON
: リアルタイムモードをONにする
Space : 早送り
【0069】
2−3.コンピュータ装置の処理
図20は、データストレージ装置1にデータ記録を実行させる場合に、コンピュータ装置41側で実行される処理の遷移を、上記した各種コマンドに基づいて説明する図である。
まず、アプリケーション42がファイル#F001の記録を実行させるためのライトコマンド「Write File #F001」を発行する。このアプリケーション42は、例えばユーザによる所要の操作などに基づいてコマンドの発行を行う。アプリケーション42がライトコマンドを発行すると、ファイルシステム43はクラスタ単位とされるLBAを指定したライトコマンドを発行する。ファイルシステム43からライトコマンドが供給されたドライバ部44は、まず新規ファイルの書き込みを開始させる「Create File #F001」コマンドをデータストレージ装置1に出力する。なお、必要に応じて記録したデータの連続性を保証するために「Send Real Time Speed」コマンドを出力する。これ以降、ドライバ部44はLB単位でライトコマンドを出力していく。
また、ドライバ部44はファイルシステム43から供給されるLBAをLBA管理テーブルに順次書き込んでいく。つまり、「Create File #F001」コマンドが発行された後は、データストレージ装置1には順次記録データが転送されていき、LBA管理テーブルにはデータストレージ装置1に転送されているデータのLB(Logical Block)が記録されていく。
【0070】
記録を終了させる場合は、ドライバ部44はデータストレージ装置1に対して「Close File #F001」コマンドを発行する。これにより、データストレージ装置1はデータの記録動作を終了する。
このように、データストレージ装置1に記録を実行させる場合は、ドライバ部44はデータストレージ装置1に対してファイルを指定して記録開始を指示する「Create File #F001」コマンドと、記録終了を指示する「Close File #F001」コマンドを発行することになる。その間のデータ記録に関する処理工程は、ドライバ部44のLBA管理テーブルによって管理される。
【0071】
図21は、データストレージ装置1にデータの再生を実行させる場合に、コンピュータ装置41側で実行される処理の遷移を、上記した各種コマンドに基づいて説明する図である。なお、図21は、ファイル#F001を先頭から再生させる場合の例を示している。
アプリケーション42がファイル#F001の再生を実行させるためのリードコマンド「Read File #F001」を発行すると、ファイルシステム43はクラスタ単位とされるLBA(#10)を指定したリードコマンドを発行する。
そして、ファイルシステム43からリードコマンドが供給されたドライバ部44は、まずファイルの読み込みを開始させる「Open File #F001」コマンドをデータストレージ装置1に出力する。これによりデータストレージ装置1ではファイルインフォメーションテーブルエリアE2を参照して、例えば磁気テープ40に記録されているファイル#F001にアクセスして読み出す動作を実行する。以降、ドライバ部44はLB単位でリードコマンドを出力していき、読み出しを終了させる場合は、ドライバ部44はデータストレージ装置1に対して「Close File #F001」コマンドを発行する。
【0072】
また、ファイル#F001の途中から再生を実行させる場合は、例えば図22に示されているようになる。
この場合も、アプリケーション42がファイル#F001の読み出しを実行させるためのリードコマンド「Read File #F001」を発行するとファイルシステム43はクラスタ単位とされるLBA(#15)を指定したリードコマンドを発行する。
そして、ファイルシステム43からリードコマンドが供給されたドライバ部44は、まずファイルの読み出しを開始させる「Open File #F001」コマンドをデータストレージ装置1に出力し、さらに、リアルタイムでの再生を実現させるために、「Set Realtime Mode ON」コマンドを出力する。
これにより、データストレージ装置1では再生するファイルを認識して再生実行可能な状態に移行するが、ファイル#F001の先頭にアクセスした後に、その途中とされるデータ「b」(LBA管理テーブルのCLBA情報#15)から再生を実行させるために、「Space」コマンドを発行してデータ「b」まで磁気テープを早送りさせるようにする。以降、前記した場合と同様に、ドライバ部44はLB単位でリードコマンドを出力していき、再生を終了させる場合は、「Close File #F001」コマンドを発行する。
【0073】
図23は、図20に示したようにデータストレージ装置1にデータの記録を実行させる場合の、コンピュータ装置41における処理の工程をフローチャートで示す図である。
まず、アプリケーション42がファイルシステム43にデータ記録の実行を要求する(S001)。データライトの実行要求を受けたファイルシステム43は、ドライバ部44に対してランダムアクセスのライトLBAを発行する(S002)。そして、ドライバ部44では、ファイルシステム43から供給されるLBAをLBA管理テーブルに順次登録していき(S003)、さらにドライバ部44はデータストレージ装置1にシーケンシャルなライトコマンドを発行していく(S004)。
これにより、データストレージ装置1では、コンピュータ装置41から転送されるデータをシーケンシャルアクセスによって記録していくことができるようになる。
【0074】
また、図24は、図21、図22に示したようにデータストレージ装置1に記録されているデータの再生を実行させる場合の、コンピュータ装置41における処理の工程をフローチャートで示す図である。
アプリケーション42がファイルシステム43にデータ再生の実行を要求すると(S101)、ファイルシステム43は、ドライバ部44に対してランダムアクセスのリードLBAを発行する(S102)。ドライバ部44はファイルシステム43から供給されるLBAに基づいて、読み出しを行うファイル#F001に対応したLBA管理テーブルに記録されているCLBA情報の検索を行い、読み出しを行うデータの検索を行う(S103)。さらに、ドライバ部44はデータストレージ装置1に読み出しを行うデータに対応したシーケンシャルなリードコマンドを発行していく(S104)。
【0075】
このように、コンピュータ装置41にドライバ部44を備え、ランダムアクセスコマンドをシーケンシャルアクセスコマンドに変換することにより、データストレージ装置1に対してシーケンシャルアクセスによって、データの記録、またはデータの再生を実行させることができるようになる。
【0076】
2−4.ドライブ側の処理
データストレージ装置1では、コンピュータ装置41のドライバ部44から供給されるシーケンシャルなコマンドに基づいて、記録、再生動作を実行することになる。
図25は、コンピュータ装置41から転送されてくるデータをデータストレージ装置1の磁気テープ40に記録する場合の、例えば制御部11によって実行される処理工程の一例を説明するフローチャートである。
データストレージ装置1が稼働状態に移行すると、ドライバ部44からのコマンドを待機する(S201)。そして、ドライバ部44からデータ記録の開始を指示するコマンド(Create File)が供給されたと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2(図14)に必要な情報を格納して(S202)、コンピュータ装置41から転送されたデータをバッファエリアE1(図13)に格納していく(S203)。
そして、磁気テープ40においてデータの記録を行うディビジョンの選択を行う(S204)。ここで、つなぎデータが必要であるか否かの判別を行い(S205)、つなぎデータが必要であると判別した場合は、つなぎデータエリアE5に所要のつなぎデータを記録する(S206)。
【0077】
このように、つなぎデータに関わる処理工程を経ると、ドライバ部44から随時供給されるシーケンシャルライトコマンドに基づいて、バッファエリアE1に格納されているデータを、ステップS203で選択した磁気テープ40上のディビジョンに記録していく処理に移行する(S207)。つまり、このステップS207においては、まず、チェンジャ部5によってテープカセットの選択を行い、テープドライブ部4が選択されたテープカセットにおいて所定のディビジョンまで移動する制御が実行され、その後記録動作が実行される。
データを記録する処理に移行すると、ドライバ部44から記録の終了を指示する「Close File」コマンドが供給されたか否かの判別を行う(S208)。そして、「Close File」コマンドが供給されていないと判別した場合は、引き続き記録を行っていくことになるが、この場合、選択したディビジョンに空き容量が在るか否かの判別を行う(S209)。そして、空き容量が在ると判別した場合は、ステップS207に戻り記録動作を続けていく。しかし、空き容量がないと判別した場合は、ステップS204に戻りディビジョンの選択を行って記録動作を継続していく。
また、「Close File」コマンドが供給されたと判別した場合は、バッファエリアE1において磁気テープ40に記録するデータが残っているか否かの判別を行い(S210)、データが残っていないと判別した場合は、コンピュータ装置41から転送されたデータの記録が終了したと見なし、記録動作を終了させる(S211)。しかし、ステップS210において磁気テープ40に記録すべきデータが残っていると判別した場合はステップS209に進み、選択したディビジョンの空き容量に基づいてデータの記録を行っていく。
【0078】
なお、ステップS203に示したディビジョンの選択を行う処理工程については後で説明する。
また、この図に示したフローチャートでは、ハードディスク部3のバッファエリアE1を介して磁気テープ40に記録を行う場合の一連の流れを説明したが、例えばコンピュータ装置41から転送されたデータがバッファエリアE1に全て記録することができた場合などは、バッファエリアE1に記録されたデータを、データストレージ装置1の記録データとして扱い磁気テープ40には記録しないようにする場合もある。
【0079】
次に、図26のフローチャートにしたがい、データストレージ装置1の磁気テープ40に記録されているデータの再生を行う場合に、例えば制御部11によって実行される処理工程の一例を説明する。
記録時のフローチャートで説明した場合と同様に、データストレージ装置1が稼働状態に移行すると、ドライバ部44からのコマンドを待機する(S301)。そして、ドライバ部44からデータの再生の開始を指示する「Open File」コマンドが供給されたと判別した場合は、「Open File」コマンドで指示されているファイルIDを検出し(S302)、検出したファイルIDに基づいてファイルインフォメーションテーブルE2の検索を行い、再生するファイルの開始ディビジョンを特定する(S303)。
開始ディビジョンを特定すると、まず開始ディビジョン、すなわちファイルの先頭にアクセスする処理を開始させる(S304)。この場合、まず、チェンジャ部5によってテープカセットの選択を行い、テープドライブ部4がチェンジャ部5によって装填されたテープカセットにおいて所定のディビジョンまで移動する制御を実行する。そして、その後磁気テープ40からの読み出し動作を実行していくことになる。ここで、ドライバ部44から「Space」コマンドが供給されたか否かの判別を行い(S305)、「Space」コマンドが供給されたと判別した場合、すなわち、ファイルの途中から再生を行う場合には、ファイル内において再生を開始する位置まで移動して、「Space」コマンドに応じたオフセットを得る(S306)。
【0080】
ステップS304、またはステップS306によって再生開始位置を特定すると、磁気テープ40におけるその位置からデータの読み出しを行っていく再生動作に移行する(S307)。なお、磁気テープ40から読み出されたデータは、一旦バッファエリアE1に格納された後に、このバッファエリアE1から読み出されてデータストレージ装置1に転送される。
このようにしてデータの再生動作が実行されると、当該ディビジョンに記録されているデータの読み出しが終わったか否かの判別を行い(S308)、まだ終わっていないと判別した場合は、ステップS307に戻りデータの読み出しを継続して行う。また、当該ディビジョンに記録されているデータの記録が終了したと判別した場合は、ディビジョンアクセスマップE3(図15)を参照して(S309)、ファイルのデータが記録されている次のディビジョンがあるか否かの判別を行う(S310)。そして、次のディビジョンがあると判別した場合は、そのディビジョンにアクセスして(S311)、ステップS307に戻り次のディビジョンに記録されているデータの読み出しを継続して行う。また、ステップS310で次のディビジョンがないと判別した場合は、再生動作を終了する(S312)。
なお、ステップS307以降において、記録データの再生が行われている場合に、ドライバ部44から再生の終了を指示する「Close」コマンドが供給された場合は、その時点で再生動作を終了する。
【0081】
このように、コンピュータ装置41にデータストレージ装置1に対応したドライバ部44を備えることにより、コンピュータ装置41においてアプリケーション42、ファイルシステム43から発行されたランダムアクセスコマンドを、ドライバ部44によってシーケンシャルアクセスコマンドに変換して、データストレージ装置1に出力することができる。
したがって、ドライバ部44を備えることで、コンピュータ装置41はデータストレージ装置1をランダムアクセスデバイスとして認識して、例えば一般的なハードディスク装置などの外部記憶装置と同様に扱うことができるようになる。
【0082】
さらに、コンピュータ装置41のファイルシステム43が管理するLBAと、データストレージ装置1におけるファイル管理(ファイルインフォメーションテーブルE2、ディビジョンアクセスマップE3)を個別に行い、ドライバ部44によるコマンド変換によって対応をとるようにしている。したがって、コンピュータ装置41のファイルシステム43はデータストレージ装置1に対してランダムアクセスデバイスとしてのコマンドを発行し、またデータストレージ装置1はシーケンシャルアクセスデバイスとしてコンピュータ装置41とデータ通信を行うことになる。つまり、データストレージ装置1、コンピュータ装置41はそれぞれ、ドライバ部44におけるコマンド変換についての処理工程を意識する必要が無くなる。
また、データストレージ装置1は、コンピュータ装置41のファイルシステム43の指示ではなく、データの記録をハードディスク部4または磁気テープ40に行っていくかを独自に決定することができるようになる。データストレージ装置1が独自に、最も効率のよい記録を行っていくことができるようになる。
【0083】
3.データの保存レベル
3−1、BOFデータの記録、再生経路
テープドライブ部4は、例えば磁気テープ上におけるアクセス距離が長い場合に、比較的長いアクセス時間を要することになる。このため、例えば映像データのリアルタイム性が損なわれてしまうことがある。
そこで、データストレージ装置1では、データの記録時にバッファ手段としてハードディスク部3を備え、例えばデータの記録時に所定容量のBOFデータとして、ファイルの先頭部分とされる一部のデータをBOFデータエリアE4に記録しておくことができるようにしている。
【0084】
図27は、データストレージ装置1においてコンピュータ装置41から転送されるデータを記録する場合の経路を説明する模式図である。
コンピュータ装置41から転送されたファイルは、経路K1に示されているように一旦バッファエリアE1における所要のエリアBuに格納され、その後所要のタイミングで、経路K2に示されているようにエリアBuから磁気テープ40のディビジョン#nに記録される。つまり、テープドライブ部4が磁気テープ40におけるディビジョン#nにアクセス(チェンジャ部5の動作を含む)している間は、エリアBuにデータが格納されていくようにされている。
さらに、経路K3に示されているようにエリアBuにおいてファイルの先頭部分に相当するBOFデータをBOFデータエリアE4に格納する。
【0085】
このようにして磁気テープ40に記録されたファイルの再生は、図28の模式図に示されている経路で行われる。
コンピュータ装置41から所要のコマンド(Open File)が供給され、ファイルの再生要求があったと判別した場合、データストレージ装置1では、まず、経路K4に示されているように、BOFデータエリアE4に記録されているBOFデータを読み出してコンピュータ装置41に転送する。これと同時に、経路K5に示されているように磁気テープ40に記録されているデータを読み出してバッファエリアE1の所要のエリアBuに格納していく。つまり、BOFデータエリアE4に記録されているBOFデータを読み出してコンピュータ装置41に転送している間に、磁気テープ40においてファイルが記録されているディビジョン#nにアクセスして、データの読み出しを行うことができるようになる。そして、BOFデータエリアE4に記録されているBOFデータの転送が終了すると、これに続いて磁気テープ40から読み出されてバッファエリアE1に格納されているデータを読み出して、コンピュータ装置41に転送する。
【0086】
このように、BOFデータを形成して記録しておくことにより、このBOFデータのデータを読み出してコンピュータ装置41に転送している間に、磁気テープ40にアクセスすることができるので、再生データのリアルタイム性を維持することができるようになる。
【0087】
図27、図28に示したBOFデータエリアE4に記録するBOFデータの容量は、例えばコンピュータ装置41から転送されてくるデータのリアルタイム速度をV[Mbps]とし、例えばT[sec]の再生時間に相当するデータサイズを確保することを想定すると、
VT/8[MB]
として示すことができる。したがって、コンピュータ装置41から例えば6MMbpsで転送されてくるデータを1分の再生時間を確保して記録する場合、
6×1×60/8=45[MB]
となる。
【0088】
なお、コンピュータ装置41が転送するデータの転送速度が一定ではない場合、コンピュータ装置41はデータの転送を開始する前に、前記した「Send Realtime Speed」コマンドによって、データストレージ装置1にリアルタイム速度を通知する。データストレージ装置1では、Send Real Time Speedで通知された再生レートによって連続再生を保証することができるように、断片化などを考慮したデータ記録を行うようにする。
【0089】
3−2.保存レベル
データストレージ装置1では、ハードディスク部3にバッファエリアE1、BOFデータエリアE4を備え、さらに磁気テープ40にデータの記録を行うようにしている。したがって、データストレージ装置1に記録されるファイルは、ファイル毎に記録形態が異なる場合が生じてくる。本実施の形態ではこれをファイルの保存レベルとして、例えば図29に示されているように定義する。
保存レベルを決定する要因としては、例えば
(1).そのファイルの全部或いは一部がバッファエリアE1に記録されているか。
(2).そのファイルのBOFデータがBOFデータエリアE4に記録されているか。
(3).そのファイルの全部或いは一部が磁気テープ40上に記録されているか。
などが挙げられる。
【0090】
これらの要因に基づいて、定義される保存レベルとしては、
バッファエリアE1、BOFデータエリアE4、および磁気テープ40にデータが記録されているファイルは「保存レベル7」、バッファエリアE1、およびBOFデータエリアE4にデータが記録されているファイルは「保存レベル6」、BOFデータエリアE4、および磁気テープ40にデータが記録されているファイルは「保存レベル3」、磁気テープ40のみにデータが記録されているファイルは「保存レベル1」とする。なお、「保存レベル0」は保存レベルの初期値を示し、データストレージ装置1にそのファイルが存在していないことを示すものとする。
【0091】
これらの保存レベルは、例えばバッファエリアE1の残りの容量、BOFデータエリアE4の残りの容量、またはファイルインフォメーションテーブルE2における当該ファイルに対する過去のアクセス回数、最終アクセス時刻などに応じて、上下させていくものとされる。
そして、この保存レベルに基づいて、バッファエリアE1、磁気テープ40に対するファイルの記録制御や、BOFデータエリアE3に対するBOFデータの記録制御、またはバッファエリアE1に記録されているファイルやBOFデータエリアE3に記録されているBOFデータの消去などの消去制御などを行い、バッファエリアE1、BOFデータエリアE3には、使用頻度の高いファイルに関するデータを選択的に記録しておくようにしている。
【0092】
3−3.保存レベル更新
3−3−1.「保存レベル0」から「保存レベル6」
以下、保存レベルの更新について説明する。
まず図30に示されているフローチャートにしたがい、ファイルの保存レベルを「0」から「6」に更新する処理、すなわちデータストレージ装置1に新規にファイルを記録する場合の処理を説明する。なお、この図に示すフローチャートは、コンピュータ装置41から転送されたデータの全てをバッファエリアE1に格納することができ、磁気テープ40にはそのファイルのデータが記録されていない場合を想定している。
まず、コンピュータ装置41のドライバ部44から、記録の開始を指示する「Create File」コマンドが供給されたか否かの判別を行い(S401)、ライトコマンドを受けたと判別した場合は、そのライトコマンドに続いて供給される「Send Realtime Speed」コマンドによって指示されるリアルタイム速度に基づいてBOFデータの保存容量を設定する(S402)。そして、記録するファイルに対応した情報でファイルインフォメーションテーブルE2を更新する(S403)。このステップS403で更新する情報は、例えば最終アクセス時刻を現在時刻、保存レベルを初期値の「0」から「6」、アクセス回数のインクリメント、リアルタイム速度を「Send Realtime Speed」コマンドで指示された速度とする。
【0093】
このようにファイルインフォメーションテーブルE2の更新を行った後に、バッファエリアE1にコンピュータ装置41から転送されたデータの蓄積を開始する(S404)。さらに、バッファエリアE1にデータの蓄積を開始すると、バッファエリアE1にBOFデータとして十分なデータ量が蓄積されたか否かの判別を行い(S405)、十分なデータ量が蓄積されたと判別した場合は、BOFデータに相当するデータをバッファエリアE1から読み出してBOFデータエリアE4に記録する(S406)。
そして、BOFデータエリアE4にBOFデータを記録した後は、コンピュータ装置41から記録の終了を指示する「Close File」コマンドが供給されたか否かの判別を行い(S407)、「Close File」コマンドが供給されたと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2のライト終了時刻を現在時刻で更新して(S408)、記録動作を終了する。
このように、データストレージ装置1において、例えばファイルのデータが全てバッファエリアE1に格納することができた場合、例えば記録が行われた直後のファイルは「保存レベル6」として管理されることになる。
【0094】
3−3−2.「保存レベル6」から「保存レベル7」
図30に示したフローチャートでは、コンピュータ装置41から転送されたデータの全てをバッファエリアE1に格納することができた例を挙げて説明したが、転送データの容量に対して、バッファエリアE1の残り記録容量が小さい場合、磁気テープ40に記録を行っていくことになる。
図31は、このような場合に、ファイルの保存レベルを「6」から「7」に更新する工程を説明するフローチャートである。なお、図31に示すフローチャートは、例えば図30に示したように記録動作を行っている最中に、必要に応じて随時行われる処理工程とされる。なお、以降説明する処理工程における各敷居値の関係は、
0<A1<A2<バッファエリアE1の全エリアBuの数
とする。
【0095】
データストレージ装置1においてデータの記録動作を開始すると、バッファエリアE1において使用されていないエリアBuの数が例えば敷居値「A2」よりも小さいか否かの判別を行う(S501)。そしてエリアBuの数が敷居値「A2」よりも小さいと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2において「保存レベル6」とされているファイルの中で最低優先度のファイル(i)を検索する(S502)。ここで、最低優先度のファイルとは、「保存レベル6」とされているファイルのアクセス履歴として、アクセス回数が一番少ないものとされ、もしこの条件に複数のファイルが該当した場合は、最終アクセス時刻が最も古いファイルとする。なお、以降の説明においても、最低優先度のファイルとはこのようなアクセス履歴に基づいた条件に対応したファイルとする。
ステップS502においてファイル(i)を検索すると、バッファエリアE1のエリアBuに記録されているファイル(i)のデータを磁気テープ40の所要のディビジョンに記録する(S503)。そして、ファイルインフォメーションテーブルE2においてファイル(i)の保存レベルを「6」から「7」に更新する(S504)。
【0096】
また、ステップS501でエリアBuの数が敷居値「A2」よりも大きいと判別した場合は、「保存レベル6」とされているファイルの中で、現在時刻−ライト終了時刻、すなわち記録が終了してから現在に至るまでの経過時間が所定の敷居値Tよりも大きいか否かの判別を行う(S505)。そして、経過時間が敷居値Tよりも大きいと判別した場合は、ライト終了時刻が最も古いものをファイル(i)として(S506)、ステップS503に進む。なお、経過時間が敷居値Tよりも小さい場合は、保存レベルの更新を行わない。
【0097】
3−3−3.「保存レベル7」から「保存レベル3」
図32は、ファイルの保存レベルを「7」から「3」に更新する工程を説明するフローチャートである。この図に示す処理工程は、例えば記録、再生を行っている場合に、磁気テープ40の新しいディビジョンを使用する直前に行うようにされる。
データストレージ装置1においてデータの記録動作を開始すると、バッファエリアE1において使用されていないエリアBuの数が例えば敷居値「A1」よりも小さいか否かの判別を行う(S601)。そしてエリアBuの数が敷居値「A1」よりも小さいと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2において「保存レベル7」とされているファイルの中で最低優先度のファイル(i)を検索する(S602)。但し、この図に示すフローチャートにおいても、最低優先度のファイルとは、「保存レベル7」とされているファイルの中でアクセス回数が一番少ないものとし、さらにこの条件に複数のファイルが該当した場合は、最終アクセス時刻が最も古いファイルとする。
【0098】
ステップS602においてファイル(i)を検索すると、バッファエリアE1のエリアBuに記録されているファイル(i)のデータを消去する(S603)。そして、ファイルインフォメーションテーブルE2においてファイル(i)の保存レベルを「7」から「3」に更新する(S604)。
【0099】
3−3−4.「保存レベル3」から「保存レベル1」
図33は、ファイルの保存レベルを「3」から「1」に更新する工程を説明するフローチャートである。この図に示す処理工程は、例えばBOFデータエリアE4にBOFデータを書き込む直前に行うようにされる。
データストレージ装置1においてデータの記録動作を開始すると、BOFデータエリアE4の空き容量が、所定の敷居値Bよりも大きいか否かの判別を行う(S701)。そして空き領域が敷居値Bよりも小さいと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2において「保存レベル3」とされているファイルの中で最低優先度のファイル(i)を検索する(S702)。
ステップS702においてファイル(i)を検索すると、バッファエリアE1のエリアBuに記録されているファイル(i)のBOFデータをBOFデータエリアE4から消去する(S703)。そして、ファイルインフォメーションテーブルE2においてファイル(i)の保存レベルを「3」から「1」に更新する(S704)。なお、ステップS701でBOFデータエリアE4の空き容量が敷居値Bよりも大きい場合は、そのままBOFデータの記録を行うことができると見なして、すでに記録されているBOFデータの消去や、保存レベルの更新などの処理は行わない。
このように、BOFデータエリアE4の残り容量が小さくなった場合に、優先度の最も低いファイルのBOFデータを消去して、新たにBOFデータの記録を行うことができるようになる。
【0100】
3−3−5.再生時
以下、図34にしたがいデータの再生時にアクセス回数に基づいて保存レベルの更新を行う場合の処理工程を説明する。
コンピュータ装置41のドライブ部44から記録の開始を指示する「OpenFile」コマンドが供給されたか否かの判別を行い(S801)、「Open File」コマンドを受けたと判別した場合は、再生するファイルに対応したファイルインフォメーションテーブルE2の更新を行う(S802)。このステップS802では、例えば最終アクセス時刻を現在時刻で更新すると共に、アクセス回数のインクリメントを行う。続いて、再生を行うファイル(i)の保存レベルの判別を行い(S803)、保存レベルが「1」または「3」であると判別した場合は、ファイル(i)に対応したファイルインフォメーションテーブルE2の保存レベルを「7」に更新する(S804)。
そして、ファイル(i)の全データがバッファエリアE1に格納されているか否かの判別を行い(S805)、バッファエリアE1に全データが格納されていると判別した場合は、磁気テープ40からのデータ読み出しを開始してバッファエリアE1に格納していく(S806)。さらに、ファイル(i)に対応したBOFデータが記録されているか否かの判別を行い(S807)、BOFデータが記録されていると判別した場合は、BOFデータの読み出しを開始する(S808)。BOFデータの読み出し開始後は、BOFデータの読み出しが終わったか否かの判別を行うようにする(S809)。
ステップS809でBOFデータの読み出しが終わったと判別すると、ファイル(i)の読み込みが終了したか否かの判別を行い(S810)、ここで、ファイルの読み込みが終了したと判別した場合は、再生動作を終了する(S811)。
【0101】
また、ステップS810でファイルの読み込みが終了していないと判別した場合は、磁気テープ40から読み出されたデータがバッファエリアE1に格納されているか否かの判別を行う(S812)。ここで、バッファエリアE1に読み出すデータが格納されていると判別した場合は、バッファエリアE1に格納されているデータの読み出を行い(S813)、コンピュータ装置41に転送する。そして、先にステップS807でファイル(i)に対応したBOFデータがないと判別されていた場合は、ファイル(i)のBOFデータをBOFデータエリアE4に記録する(S814)。このステップS814で記録されるBOFデータエリアの容量は、前記したように、例えばVT/8[MB]とされる。そして、ステップS810に戻りファイルの読み込みが終了したか否かの判別を行うようにする。
なお、ステップS805でファイル(i)の全データがバッファエリアE1に格納されていると判別した場合は、ステップS813に進み、BOFデータの読み出し工程を省略してバッファエリアE1に格納されているデータの読み出しを行うようにする。
【0102】
このように、ファイルの再生を行う場合、ファイルにアクセスする毎にファイルインフォメーションテーブルE2のアクセス回数の更新を行い、必要に応じてBOFデータを記録していくことにより、使用頻度の高いファイルほど優先順位を高くすることができ、ハードディスク部3の高速アクセス性を有用なものとしてデータの読み出しを行うことができるようになる。
【0103】
3−3−6.ファイルの消去
図35はデータストレージ装置1に記録されているファイルを消去する場合の処理工程の一例を説明するフローチャートである。
ステップS901でコンピュータ装置41のドライバ部44から消去コマンドが供給されたと判別すると、ファイルインフォメーションテーブルE2において消去コマンドで指示されているファイル(i)の保存レベルを検索する(S902)。そして保存レベルの判別を行い(S903)、保存レベルが「7」であると判別した場合は、ファイル(i)のデータを磁気テープ40、バッファエリアE1、BOFデータエリアE4から消去する(S904)。保存レベルが「6」であると判別した場合は、ファイル(i)のデータをバッファエリアE1、BOFデータエリアE4から消去する(S905)。保存レベルが「3」であると判別した場合は、ファイル(i)のデータを磁気テープ40、BOFデータエリアE4から消去する(S906)。さらに、保存レベルが「1」であると判別した場合は、ファイル(i)のデータを磁気テープ40から消去する(S907)。
そして、ファイルインフォメーションテーブルE2において、ファイル(i)に対応した、最終アクセス時刻、ライト終了時刻、保存レベル、アクセス回数、リアルタイム速度を初期化する(S908)。
【0104】
3−4.ファイルのライフサイクル
次に、図36にしたがい、上記したように更新される保存レベルに基づいたファイルのライフサイクルについて説明する。
前記したように「保存レベル0」は初期状態とされ、新規にファイル(i)を作成して記録を実行すると、保存レベルは「6」に更新される。保存レベルが「6」の状態では、データがバッファエリアE1のみに格納されている。また、この状態のファイル(i)の再生を行うと、アクセス回数がインクリメントされ保存レベルの更新は行われない。
保存レベルが「6」から「7」に更新される条件としては、バッファエリアE1の空き容量が敷居値A2以下になった場合とされ、この更新は、例えばファイル(i)の記録、再生を行っている場合において新しいディビジョンを使用する際に行われる。また、保存レベルが「6」の場合と同様に、アクセス回数がインクリメントされ保存レベルの更新は行われない。
【0105】
保存レベルが「7」から「3」に更新される条件としては、バッファエリアE1の空き容量が敷居値A1以下になった場合とされ、記録、再生が行われているときに、新しいディビジョンを使用する際に行われる。なお、ファイル(i)の保存レベルが「3」に更新された後に再生が行われたら、読み出されたデータがバッファエリアE1に格納されるようになるので保存レベルは再び「7」に更新される。
【0106】
また、保存レベルが「3」から「1」に更新される条件としては、BOFデータエリアE4の空き領域が敷居値B以下となった場合とされる。そして、ファイル(i)の保存レベルが「1」に更新された後に再生が行われたら、保存レベルが「3」の場合と同様に、読み出されたデータがバッファエリアE1に格納されるようになるので保存レベルは再び「7」に更新される。
【0107】
さらに、ファイル(i)の保存レベルが「6」「7」「3」「1」とされている場合に、コンピュータ装置41からの指示によりファイル(i)が消去された場合は、保存レベルを初期値とされる「0」にすると共に、図35で説明したようにファイルインフォメーションテーブルE2に格納されている情報を初期化する。
【0108】
このように、保存レベルに基づいてハードディスク部4または磁気テープ40に記録されているデータの管理を行うようにしているので、ハードディスク部4の容量を効率よく使用することができるようになる。したがって、データストレージ装置1においてはハードディスク部4を必要最低限の容量で構成することができるので、コストダウンを図ることができるようになる。
また、ファイルに対するアクセス回数などのアクセス履歴に基づいて保存レベルの上げ下げを行うようにしているので、比較的頻繁にアクセスするファイルについてはBOFデータエリアE4にBOFデータを形成して記憶しておくことができるようになる。これにより、頻繁にアクセスするファイルについては、その先頭部分をハードディスク部4から読み出してコンピュータ装置41に転送することができるようになる。すなわちコンピュータ装置41からの再生要求を受けた場合でも、迅速に応答してデータ転送を開始することができるようになる。
さらに、例えば記録が終了してから間もないとき、または最近再生したばかりのファイルについては、その容量にもよるがファイル全体のデータをバッファエリアE1に格納しておくようにしているので、磁気テープ40にアクセスする必要なくコンピュータ装置41にデータの転送を行うことができる。
【0109】
4.磁気テープのロード/アンロード
次に、磁気テープ40に記録されているファイルに対するアクセス性を向上するために、磁気テープの記録状態に基づいてロード/アンロード動作を行うエリアを選択する場合について説明する。
4−1.EODエリアの後のロード/アンロード
図37(a)(b)は1本の磁気テープ40(例えば磁気テープ40a)におけるファイルの記録状態を説明する模式図である。なお、この図でデバイスエリア#1は、図7(a)に示したデバイスエリアに対応している。また、この図においては磁気テープ40aの記録可能領域をディビジョン単位ではなくファイル単位で示している。さらに、磁気テープ40においてPBOTからPEOTに至るまでの記録可能領域の所定の位置は、例えば前記記録可能領域の中央部分とされ、この中央部分は例えばディビジョン#200の先頭部分に相当する。また、磁気テープ40aを例に挙げているが、磁気テープ40b乃至磁気テープ40tについても同様である。
【0110】
図37(a)に示されているように、磁気テープ40aに対してファイル#1、ファイル#2の記録を行っていくと、最後に記録されたファイル#2の後に、現在当該磁気テープ40aの記録領域においてデータが記録されている領域の終了位置を示すEOD(End of Data)エリアが形成される。例えば磁気テープ40aの全ての記録可能領域に、ファイルが記録されていない状態では、デバイスエリア#1がロード/アンロード動作を行う領域とされる。すなわち、磁気テープ40aの先頭部分でローディングが行われて、記録が実行されると磁気テープ40aの先頭部分からファイル#1、ファイル#2が記録されていく。そして例えばファイル#2の記録が終了した時点で、EODエリアが形成される。
【0111】
このようにして、ファイル#1、ファイル#2の記録が行われた状態で、記録済み領域の終端部分が記録可能領域の中央部分に到達していない場合、EODエリアの後の領域をロード/アンロードエリアLUAとして使用する。したがって、図37(a)に示されている状態で、例えばデータストレージ装置1のコントローラ部2から、例えばテープカセット#Aを排出する指示を受けた場合は、テープドライブ部4はロード/アンロードエリアLUAに移動してアンロード動作を実行して、テープカセット#Aを排出することになる。つまり、次回テープカセット#Aがテープドライブ部4に装填された場合、磁気テープ40aはロード/アンロードエリアLUAでロードされることになる。
【0112】
図37(b)に示されているようにファイル#2に続いて、ファイル#3、ファイル#4が記録されていくと、ファイル#4の記録を行っているときに、記録済み領域が記録可能領域の中央部分に到達することになる。このような場合、PEOTまでの未記録領域に記録されるファイルに対しても、効率よくロード/アンロードを行うためにデバイスエリア#2を作成して、これ以降磁気テープ40aではこのデバイスエリア#2においてロード/アンロードを行うようにする。なお、デバイスエリア#2を作成する場合の処理については後述する。
このようにしてデバイスエリア#2が形成されると、例えばファイル#5、ファイル#6が記録された場合でも、デバイスエリア#1よりも近い位置に形成されるデバイスエリア#2によってロード/アンロード動作を行うようにすることで、各ファイルに対する平均アクセス時間を短縮して、効率のよいアクセス動作を実現することができるようになる。
【0113】
磁気テープ40aにデバイスエリア#1、デバイスエリア#2の双方が形成された場合、その識別方法としては、エリアIDの検出が挙げられる。磁気テープ40aのロード時にエリアIDに記録されている情報を読み込むことで、デバイスエリア#1またはデバイスエリア#2のいずれかでロードされたかを判別することができるので、アンロードの要求があった場合、検出されたエリアIDに対応したいずれかのデバイスエリアに移動して、アンロード動作に移行すればよい。また、ロード/アンロードエリアLUAでロードされた場合も、エリアIDに基づいて磁気テープ40a上における位置を把握することができる。
また、デバイスエリア#1でロードされた後、ファイルの記録中にデバイスエリア#2を形成した場合、テープドライブ部4ではデバイスエリア#2の作成動作を実行したことを把握しているので、例えば記録が終了した後にアンロード要求があった場合、デバイスエリア#2に移動してアンロード動作を実行することができる。
【0114】
デバイスエリア#2、ロード/アンロードエリアLUAを用いてロード/アンロードを行う場合の一例を、図38(a)(b)、図39(a)(b)で説明する。
図38(a)は例えば図37(b)に示した磁気テープ40aの記録状態に対応しており、デバイスエリア#2によってロード/アンロード動作を行う状態を示している。また、図38(b)は、例えばテープカセット#Rに収納されている磁気テープ40rとして、コンピュータ装置41から転送されたデータとしてはファイル#34のみが記録されている記録状態を示している。
【0115】
例えば、テープドライブ部4において磁気テープ40aのファイル#1の再生を行い、現在回転ドラム24がファイル#1が記録されている領域に対応している状態で、コンピュータ装置41からファイル#34を再生するコマンドが供給された場合を想定する。この場合、テープドライブ部4は磁気テープ40aのファイル#1からデバイスエリア#2に移動した後に、アンロード動作に移行してテープカセット#Aの排出を行う。そして、チェンジャ部5によって搬送されたテープカセット#Rを装填する。
ここで、磁気テープ40rが例えば図38(b)に示されているような記録状態であった場合、前回ロード/アンロードエリアLUAでアンロードされているので、テープドライブ部4にテープカセット#Rが装填された時点でロード/アンロードエリアLUAが回転ヘッド24に対応するようになる。したがって、テープドライブ部4ではロード/アンロードエリアLUAに対してローディング動作を実行することになる。そしてローディング動作が完了した時点でファイル34が記録されている記録位置に移動する。
【0116】
また、磁気テープ40rに図39(b)に示されているように、デバイスエリア#2が形成された場合に、ファイル#6からファイル#38に移動する場合は次のようになる。
この場合、テープドライブ部4は図39(a)に示されているように磁気テープ40aのファイル#6からデバイスエリア#2に移動した後に、アンロード動作に移行してテープカセット#Aを排出して、チェンジャ部5によって搬送されたテープカセット#Rを装填することになる。ここで、磁気テープ40rが例えば図39(b)に示されているような記録状態であった場合、前回デバイスエリア#2でアンロードされているので、テープカセット#Rの装填時においてデバイスエリア#2が回転ヘッド24に対応することになる。したがって、テープドライブ部4ではロード/アンロードエリアLUAに対してローディング動作を実行することになる。そしてローディング動作が完了した時点でファイル#38が記録されている記録位置に移動する。
【0117】
4−2.デバイスエリア#1でのロード/アンロード
1本の磁気テープ40aにおいて記録可能領域の端部が中央部分に到達していない場合において、必ずしもEODエリアの後となるロード/アンロードエリアLUAにおいてロード/アンロードを行わなくてもよい。
例えば、図40(a)に示されているように、ファイル#1、ファイル#2が記録された状態で、記録可能領域の端部が中央部分に到達していない場合、ロード/アンロードはデバイスエリア#1を用いて行うことも可能である。この場合テープドライブ部4に、テープカセット#Aが装填された時点で、デバイスエリア#1が回転ヘッド24に対応する。そして、ファイルの再生などが行われ、デバイスエリア#2が形成されていない状態でアンロード要求があった場合、デバイスエリア#1に戻ってアンロード動作に移行する。
そして、ファイル#3、ファイル#4を記録していくことにより、記録可能領域の端部が中央部分に到達した場合は、図40(b)に示されているようにデバイスエリア#2を作成して、以降、デバイスエリア#2でロード/アンロード動作を行うようにする。
【0118】
デバイスエリア#2が形成されている磁気テープ40aから、デバイスエリア#2が形成されていない磁気テープ40rに移動する遷移を図41(a)(b)で説明する。
テープドライブ部4において例えば磁気テープ40aの現在位置がファイル#1であった場合、例えばコンピュータ装置41から磁気テープ40rのファイル#34を再生する要求を受けると、テープドライブ部4は磁気テープ40aのデバイスエリア#2に移動してアンロード動作に移行して、テープカセット#Aを排出する。そしてチェンジャ部5によってテープカセット#Rが装填されると、デバイスエリア#1で磁気テープ40rをロードして、ファイル#35が記録されている位置に移動する。
【0119】
4−3.ロード/アンロードの工程
図42は、EODエリアの後とされるロード/アンロードエリアLUAにおいてロード/アンロードを行う場合の、データストレージ装置1の制御部11における処理工程の一例を説明するフローチャートである。なお、以下に示す磁気テープ40とは、磁気テープ40a〜40tの中のいずれか1本の磁気テープを示している。
例えばコンピュータ装置41から、ファイルに対する再生要求を受けたか否かの判別を行い(S1001)、アクセス要求を受けたと判別した場合は、ファイルインフォメーションテーブルE2などを参照してアクセスするファイルの記録位置を検索する(S1002)。そして、現在テープドライブ部4にテープカセットが装填されている場合に、所望するファイルの再生を行う場合にテープカセットの交換が必要か否かの判別を行い(S1003)、交換が必要であると判別した場合は、現在ロードされている磁気テープ40にデバイスエリア#2が作成されているか否かの判別を行う(S1004)。この判別は、磁気テープ40がロードされたときに読み込んだエリアIDなどの情報によって行われ、デバイスエリア#2でロードされた場合は、デバイスエリア#2が作成されているものとする。
【0120】
そして、デバイスエリア#2が作成されていると判別した場合は、デバイスエリア#2に移動して磁気テープ40をアンロードする(S1005)。また、ステップS1004においてデバイスエリア#2が作成されていないと判別した場合は、ロード/アンロードエリアLUAに移動してアンロードする(S1006)。
磁気テープ40をアンロードすると、テープドライブ部4はテープカセットを排出し、チェンジャ部5によって搬送されたテープカセットを装填して(S1007)、装填されたテープカセットの磁気テープ40をロードする(S1008)。この場合、ステップS1007では磁気テープ40が前回アンロードされた領域でロードされることになる。このとき、磁気テープ40に記録されている例えばエリアIDの検出を行い、ロードされた領域の識別を行う(S1009)。つまり、ステップS1009でロードされた磁気テープ40は、ステップS1009で検出されたエリアIDに対応した領域でアンロードすることができるようになる。そして、アクセス要求に対応したファイルの記録位置に移動して、データの読み出しを開始する(S1010)。
【0121】
また、ステップS1003においてテープカセットの交換が必要ではないと判別した場合もステップS1010に進み、同じ磁気テープ40内におけるアクセス要求に対応したファイルの記録位置に移動して、データの読み出しを開始する。
なお、例えば図41で説明したように、デバイスエリア#2を作成するまでの間、デバイスエリア#1でアンロード動作を行う場合は、この図に示すステップS1006においてデバイスエリア#1に移動するようにすればよい。
【0122】
4−4.つなぎデータ
磁気テープ40(a〜t)において、上記デバイスエリア#2は、例えば記録可能領域の端部が中央部分とされるディビジョン#200の先頭で作成されるので、デバイスエリア#2がファイルのデータを中断する形で記録されることが考えられる。この場合、デバイスエリア#2を作成しているときは、例えばコンピュータ装置41から転送されるファイルデータの記録が一時中断されることになる。そこで、デバイスエリア#2を作成している間は、ハードディスク部4のつなぎデータエリアE5に、所要のつなぎデータを記録しておくようにする。
【0123】
図43はコンピュータ装置41から転送されるの記録を行っていく場合に、デバイスエリア#2を作成する場合のデータの流れを説明する模式図である。
コンピュータ装置41から経路K11で示されているようにファイル#4のデータが転送されると、まずバッファエリアE1に格納される。そしてバッファエリアE1にディビジョン単位のデータが格納された時点で、順次バッファエリアE1から読み出されて磁気テープ40(磁気テープ40a〜40tの中のいずれか)に記録されていく。
ここで、磁気テープ40における記録位置がディビジョン#200の先頭に到達したと判別した場合は、テープドライブ部4はデバイスエリア#2を作成するようにする。このとき、磁気テープ40に対するファイル#4の記録は中断するが、バッファエリアE1においてはバッファリングが継続されており、デバイスエリア#2の作成が終了した後に、経路K12に示されているように引き続きファイル#4のデータを磁気テープ40に記録していく。
【0124】
つまり、バッファエリアE1から磁気テープ40へのデータ(D1、D2、D3)の転送遷移、および磁気テープ40への記録動作を説明すると、バッファエリアE1からデータD1をテープドライブ部4に転送して磁気テープ40に記録し、デバイスエリア#2を作成しているときは、バッファエリアE1からテープドライブ部4へのデータ転送を一旦停止し、コンピュータ装置41から転送されるデータのバッファリングのみを行う。そしてデバイスエリア#2を作成し終わった時点で、その間にバッファエリアE1に格納されたデータD2、D3をテープドライブ部4に転送して磁気テープ40に記録する。
【0125】
このようにして、ファイル#4のデータを全て磁気テープ40に記録することができるが、本来連続したものとされるデータD1、D2、D3はデバイスエリア#2によって分断されるようになる。したがって、このファイル#4の再生時に、ファイル#4のデータを全て磁気テープ40から読み出して、バッファエリアE1に格納したデータをコンピュータ装置41に転送する場合、磁気テープ40においてデバイスエリア#2を走査している期間は、磁気テープ40からデータの読み出しが途絶え、リアルタイム性を維持することが困難になる。そこで、記録時において、デバイスエリア#2を作成している期間に対応するデータD2をバッファエリアE1から読み出して、つなぎデータとしてつなぎデータエリアE5に記録しておく。これにより、ファイル#4の再生を行う場合は、図44の模式図に示されているようになる。
【0126】
磁気テープ40からデータの読み出しが開始されると、読み出されたデータはバッファエリアE1に格納されている。例えばデータD1が磁気テープから読み出されると、経路K14に示すように順次バッファエリアE1格納されていく。そして経路K15に示されているように、バッファエリアE1に格納されたデータをコンピュータ装置41に転送していく。しかし、磁気テープ40においてデバイスエリア#2を走査する期間は、経路K16に示すようにつなぎデータエリアE5に格納されているつなぎデータ(D2)を読み出してコンピュータ装置41に転送する。そして、デバイスエリア#2を通過した後に、データD2の読み出しが開始され、バッファエリアE1に格納された時点から、経路K17に示されているようにバッファエリアE1に格納されたデータD3を読み出してコンピュータ装置41に転送する。
これにより、デバイスエリア#2を挟んで記録されているファイルを磁気テープから読み出す場合でも、コンピュータ装置41に転送するデータを途切れないようにすることができるので、再生データのリアルタイム性を維持することができるようになる。
【0127】
図45は、データストレージ装置1において、つなぎデータを記録しながらファイルの記録を行う場合の処理工程の一例を説明するフローチャートである。なお、この図に示すフローチャートは、現在テープドライブ部4に装填されている磁気テープ40に対して記録を行う場合を例に挙げている。
所要のテープカセットをテープドライブ部4に装填した後に、磁気テープをロードして記録動作を開始すると(S1101)、バッファエリアE1に対してバッファリングを開始して(S1102)、バッファエリアE1に格納されたデータをディビジョン単位で磁気テープ40に記録していく(S1103)。磁気テープ40に対して記録が開始されると、これ以降はデバイスエリア#2が作成されているか否かに基づいて(S1104)、処理工程が選択される。例えば、デバイスエリア#2が作成されていない場合は、ステップS1105に進み、磁気テープ40の記録位置が中央部分に到達したか否かの判別を行う。そして、中央部分に到達したと判別した場合は、磁気テープ40にデバイスエリア#2を作成する(S1106)。そして、コンピュータ装置41からのファイルの転送が終わったか否かの判別を行う(S1107)。ここで、ファイルの転送が終わっていないと判別した場合は、デバイスエリア#2を挟んで同一ファイルが記録されるようになるので、つなぎデータエリアE5につなぎデータを記録する(S1108)。そして、ステップS1103に戻りデータの記録を継続して行う。
また、ステップS1107でファイルの転送が終わったと判別した場合は、デバイスエリア#2を挟んで同一ファイルの記録が行われないものとして、つなぎデータの記録を行わずに記録動作を終了する(S1109)。
【0128】
ステップS1104で、例えば、デバイスエリア#2が作成されていると判別した場合は、コンピュータ装置41からのファイルの転送が終わったか否かの判別を行う(S1110)、ファイルの転送が終わっていない場合はステップS1103に戻り記録動作を継続して行う。またファイルの転送が終わったと判別した場合は、ステップS1109に進み記録動作を終了する。
【0129】
図46は、データストレージ装置1において、つなぎデータが記録されているファイルの再生を行う場合の処理工程の一例を説明するフローチャートである。
所要のテープカセットをテープドライブ部4に装填した後に、磁気テープ40をロードして再生動作を開始すると(S1201)、磁気テープ40から読み出したデータをバッファエリアE1に格納していく(S1202)。さらに、磁気テープ40から読み出したデータがバッファエリアE1に十分格納されたか否かの判別を行い(S1203)、十分なデータが格納されたと判別した場合は、バッファエリアE1に格納されたデータをコンピュータ装置41に転送する(S1204)。
【0130】
また、ステップS1203において、磁気テープ40から読み出したデータがバッファエリアE1に十分格納されていないと判別した場合は、ステップS1207に進み、磁気テープ40に記録されているバッファエリアE1へのバッファリングを継続して行っていく。そしてデバイスエリア#2が検出されたか否かの判別を行い(S1208)、デバイスエリア#2を検出したと判別した場合は、デバイスエリア#2を早送りするようにして(S1209)、つなぎデータエリアE5から、現在再生中のファイルに対応したつなぎデータを読み出してコンピュータ装置41に転送する(S1210)。
また、ステップS1208でデバイスエリア#2を検出していないと判別した場合は、ステップS1208によってバッファエリアE1に格納されているデータをコンピュータ装置41に転送する(S1211)。
【0131】
そして、ステップS1204、S1210、S1211においてコンピュータ装置41に対してデータの転送が開始されると、磁気テープ40からのデータの読み出しが終わったか否かの判別を行い(S1205)、ファイルの読み出しが終わったと判別した場合は、バッファエリアE1に格納されたデータをコンピュータ装置41に転送し終わった時点で再生動作を終了する(S1206)。またステップS1205でファイルの読み出しが終わっていないと判別した場合は、ステップS1203に戻り、再生動作を継続して行う。
【0132】
このように、磁気テープ40における記録済み領域の終端が、記録可能領域の中央部分に到達するまでは、例えばデバイスエリア#1またはロード/アンロードエリアLUAのいずれかによりロード/アンロードを行い、また、前記記録可能領域の中央部分に到達した場合は、デバイスエリア#2を作成して、以降このデバイスエリア#2によってロード/アンロードを行うことで、磁気テープ40の使用状況に基づいて、効率のよいロード/アンロードを行うことができるようになる。これにより、磁気テープ40に記録されているファイルに対する平均アクセス時間を短縮することができるようになり、アクセス要求を受けてからデータの読み出しを開始するまでの動作を迅速に行うことができるようになる。
【0133】
また、デバイスエリア#2を形成することにより、記録されるファイルがデバイスエリア#2によって分断されて記録されているデータに対するアクセス性が劣化することを考慮して、ハードディスク部4につなぎデータを記録しておくようにしている。これにより、デバイスエリア#2を走査することによりデータの読み出しが途切れる場合に、つなぎデータを読み出してコンピュータ装置41に転送することができる。したがって、リアルタイム性を維持したデータ再生を実現することができる。
【0134】
なお、本実施の形態では、デバイスエリア#2を作成する記録可能領域の所定の位置として、磁気テープ40の例えば中央部分を例に挙げて説明したが、デバイスエリア#2は必ずしも磁気テープ40の中央部分に形成される必要はなく、例えばロード/アンロード動作を効率よく行える位置に形成するようにされていればよい。
【0135】
5.BOFデータの最適化
磁気テープ40のロード位置からファイルの記録位置までの距離によってアクセス時間が異なるため、ファイル個々に対するアクセス時間は異なったものとなる。したがって、各ファイルに対応したBOFデータを形成する場合、ロード位置の近くに配置されているファイルについては比較的小容量のBOFデータが形成されていればよいことになる。
そこで、まず1本の磁気テープ(例えば磁気テープ40)においてBOFデータの最適化を図る例について説明する。
【0136】
まず、図47、図48の模式図にしたがい、デバイスエリア#1、#2からの距離に基づいてBOFデータの容量を設定する一例を説明する。なお、以下の説明においても、一例としてデバイスエリア#2は磁気テープ40の中央部分に作成する例を挙げている。
図47(a)は、例えば磁気テープ40aにデバイスエリア#1のみが形成されている状態で、このデバイスエリア#1に続いて、ファイル#1、ファイル#2、ファイル#3が記録されている状態を示している。この場合、テープドライブ部4に磁気テープ40aが収納されているテープカセット#Aが装填されると、上述したようにデバイスエリア#1でローディング動作が行われ、所要の再生コマンドに応じて各ファイル(#1〜#3)にアクセスしていくことになる。
この場合、図47(b)に示されているように、BOFデータエリアE3において各ファイル(#1〜#3)に対応したBOFデータを形成する場合、その容量は固定サイズAとする。つまり、記録済み領域の終端が記録可能領域の例えば中央部分に至りデバイスエリア#2が形成されるまでは、全て同じサイズでBOFデータを形成する。
【0137】
そして、図48(a)に示されているようにデバイスエリア#2が形成された後は、図48(b)に示されているようにデバイスエリア#2が形成されている位置からファイルが記録されている位置に応じて、BOFデータの容量を変更していく。
デバイスエリア#2が作成される時点では、図47(b)に示したように各ファイル(#1〜#3)に対応した固定サイズAのBOFデータが形成が形成されているが、このような場合デバイスエリア#2からの距離に応じてBOFデータの一部を削除することができるようにする。
図48(b)に示す例では、デバイスエリア#2からファイル#1までは比較的長い距離があるものとしてファイル#1に対応したBOFデータ#1は固定サイズAのままとする。そしてファイル#1よりも近い位置に記録されているファイル#2に対応したBOFデータ#2は、ファイル#2がファイル#1よりも短時間でアクセスできるので固定サイズAよりも小さいサイズBとなるようにし、さらにファイル#2よりも近い位置に記録されているファイル#3に対応したBOFデータ#3は、ファイル#2よりも短時間でアクセスできるので固定サイズBよりも小さいサイズCになるようにする。
したがって、各BOFデータ(#1、#2、#3)の容量は、
BOFデータ#1 > BOFデータ#2 > BOFデータ#3
となる。
【0138】
また、デバイスエリア#2以降に記録されるファイルに対応したBOFデータについては、デバイスエリア#2からの距離に基づいて予めそのサイズを設定しておくようにする。これにより、例えばデバイスエリア#2の近い位置に記録されるファイル#4に対応したBOFデータ#4はサイズD、ファイル#4よりも遠い位置に記録されているファイル#5に対応したBOFデータ#5はサイズE、さらに、ファイル#5よりも遠い位置に記録されているファイル#6に対応したBOFデータ#6はサイズFとなるように形成することができるようになる。
したがって、各BOFデータ(#4、#5、#6)の容量は、
BOFデータ#4 < BOFデータ#5 < BOFデータ#6
となる。
【0139】
BOFデータの容量を決定する要因としては、例えば図49に示されている動作に要する時間が挙げられる。
例えば、テープドライブ部4からテープカセットを排出してチェンジャ部5の所定の位置への収納に要する時間、チェンジャ部5から所望するテープカセットを取り出しテープドライブ部4の装填に要する時間は、各テープカセット毎においてほぼ一定とされている。また、テープドライブ部4において磁気テープ40をロードした後、データの読み出しを開始してからコンピュータ装置41に転送するための所要の量のデータを用意する間での時間は、ほぼ一定とされる。
しかし、テープドライブ部4において例えば磁気テープ40のアンロード動作に要する時間は現在位置とデバイスエリア#2(アンロードエリア)との距離に依存し、また、磁気テープ40をロードして所望するファイルの記録位置までの移動に要する時間も、所望するファイルの位置とデバイスエリア#2(ロードエリア)との距離に依存することになる。
【0140】
このようなことを考慮して、BOFデータの容量をs(n)[MB]、デバイスエリア#2からの距離をd(n)[m]、データ容量を決める係数をα、データ容量を決める固定分をβとした場合、デバイスエリア#2からの距離に応じたBOFデータの容量s[MB]は
s[MB]=β[MB]+α[MB/m]×d[m] ・・・ 式(1)
とすることができる。
【0141】
なお、頭出しに要する時間t[s]は、チェンジャ部5の搬送時間を一定値tx、時間を決めるための係数をtkとすると
t[s]=一定値tx[sec]+係数tk[s/m]×d[m]
とすることができる。
【0142】
図50は、記録されているBOFデータ容量の最適化、および最適なBOFデータ容量の設定を行う処理工程の一例を示すフローチャートである。
この図に示されているフローチャートは、「3.データの保存レベル」で説明したように、所要の条件に基づいてBOFデータの記録を行う場合に実行される工程とされる。
BOFデータを形成することとなった場合、まずデバイスエリア#2が形成されているか否かの判別を行い(S1301)、デバイスエリア#2が形成されていないと判別した場合は、BOFデータの容量を固定値Aに設定して(S1302)、BOFデータエリアE4にBOFデータを記録する(S1303)。そして、前記ファイルの記録に伴いデバイスエリア#2を作成したか否かの判別を行い(S1304)、デバイスエリア#2を作成したと判別した場合は、上記式1に基づいて、現在記録されている全ファイルのBOFデータの最適な容量を求めて、既に記録されているBOFデータにおいて、上記式1で求めた容量との差分に相当するデータを消去する(S1305)。このような処理工程(S1301〜S1305)により、図48(b)に示したBOFデータ#1、#2、#3が形成される。
【0143】
また、ステップS1301において、すでにデバイスエリア#2が作成されていると判別した場合は、ファイルの記録位置に基づいて、上記式(1)を適用してBOFデータの容量を設定する(S1306)。これにより、図48(b)に示したBOFデータ#4、#5、#6の容量が設定されていく。そして、ステップS1306で設定された容量によって、BOFデータエリアE4にBOFデータを記録する(S1307)。
【0144】
このように、デバイスエリア#2と記録されているファイルの位置関係に基づいて、BOFデータの容量を最適化することで、BOFデータエリアE3における記録容量を必要最低限とすることができるので、ハードディスク部3の記録領域を効率よく使用することができるようになる。
また、デバイスエリア#2を作成した後は、BOFデータを記録する際にその都度容量を求めるようにしている。したがって、デバイスエリア#2を作成する前に固定サイズでBOFデータを記録していた場合と比較して、短時間の処理で記録動作によるBOFデータの記録を実現することができる。
【0145】
なお、本実施の形態では、デバイスエリア#2を基準としてBOFデータの容量を設定する例を挙げて説明したが、デバイスエリア#2を作成しないようにする場合には、デバイスエリア#1を基準にして、このデバイスエリア#1からファイルまでの距離に基づいてBOFデータの容量を設定するようにすればよい。
【0146】
ところで、データストレージ装置1では、チェンジャ部5を備える複数のテープカセットを使用することがでいるようにされている。したがって、各テープカセットに収納されている磁気テープ毎に対してBOFデータの最適化を図ることも可能である。
例えば図51では、磁気テープ40aの記録状態がファイル#1〜ファイル#6、磁気テープ40bの記録状態がファイル#7〜ファイル#12、磁気テープ40cの記録状態がファイル#13〜ファイル#18とされている例を挙げている。説明の便宜上これらのファイル全てに対してBOFデータが形成され、上述したように1本の磁気テープ40においてBOFデータが最適化されている場合、各ファイル(#1〜#18)に対応したBOFデータ(#1〜#18)は、BOFデータエリアE3において図52に示されているように記録される。
【0147】
しかし、チェンジャ部5によってテープカセットの排出/装填を行う場合にも所要の時間を要することになる。
図53はテープドライブ部4とチェンジャ部5の配置を模式的に示す図である。チェンジャ部5において各テープカセット#A〜#Tは所定の位置に収納されるようにされている。したがって、チェンジャ部5の搬送速度が一定とされている場合、図49で説明したようにテープカセット毎に、チェンジャ部5からテープドライブ部4の搬送時間が異なることになる。
つまり、チェンジャ部5からテープカセット#Aが搬送されてテープドライブ部4に装填されるまでの時間t1と、同じくチェンジャ部5からテープカセット#Tが搬送されてテープドライブ部4に装填されるまでの時間t2では、かなりの差がでる。
【0148】
したがって、現在テープドライブ部4にテープカセット#Aが装填されている場合に、テープカセット#Bの磁気テープ40bに記録されているファイルの再生を要求するコマンドを受けた場合と、テープカセット#Tの磁気テープ40tに記録されているファイルの再生を要求するコマンドを受けた場合とでは、所望するファイルにアクセスして再生を開始するまでに要する時間が異なるものとなる。
そこで、チェンジャ部5におけるテープカセットの収納位置とテープドライブ部4との距離に応じてBOFデータの容量を最適化することで、テープドライブ部4から遠い位置に収納されている磁気テープ40からのデータの読み出し開始に比較的長い時間を要する場合でも、読み出しが開始されるまでの間、BOFデータをコンピュータ装置41に転送しておくことができるようになる。
【0149】
図54は例えばチェンジャ部5に収納されているテープカセットの一部として、テープカセット#A、#B、#Cに収納されている磁気テープ40a、40b、40cを例に挙げ、これら磁気テープ40a、40b、40cに記録されているファイルに対応したBOFデータ#1〜#18の容量を模式的に示す図である。
図54(a)に示されている磁気テープ40aのBOFデータ(#1〜#6)は、先に図52で説明した例と同様の容量として示されているが、図54(b)に示されている磁気テープ40bのBOFデータ(#7〜#12)は、テープカセット#Bとテープドライブ部4との距離を考慮して、BOFデータ(#1〜#6)よりも大きい容量で記録する。さらに、図54(c)に示されている磁気テープ40cのBOFデータ(#13〜#18)は、テープカセット#Cがテープドライブ部4に対してテープカセット#Bよりも遠い位置に配置されていることに対応して、BOFデータ(#7〜#12)よりも大きい容量で記録する。
この場合、テープカセットの搬送時間をγとするとBOFデータの容量は、
s[MB]=β[MB]+α[MB/m]×d[m]+γ ・・・ 式2
とすることができる。すなわち、図50で説明したフローチャートのステップS1305、およびステップS1306において上記式2によってBOFデータの容量を求めればよい。
【0150】
このように、各テープカセット(#A〜#T)毎に異なる搬送時間に対応した容量でBOFデータを記録しておくことで、チェンジャ部5によるテープカセットの搬送に長い時間を要する場合でも、その時間内においてコンピュータ装置41に対してデータの転送を途切れさせないようにすることができる。
【0151】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の記録再生装置は、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の記録再生装置は、チェンジャ手段によるテープカセットの搬送時間と、磁気テープに作成されているロード/アンロード領域とファイルの距離に基づいて、頭出しデータの容量を求めるようにしている。したがって、再生するファイルが磁気テープ上において前記ロード/アンロード領域から遠い位置に記録され、さらにテープカセットの搬送に時間を要する場合でも、その時間に対応した容量の頭出しデータを記録しておくことができる。これにより、再生時にテープカセットの交換が必要とされ、チェンジャ手段によるテープカセットの搬送時間が長く、テープドライブ手段においてもファイルの記録位置までの移動に時間を要する場合でも、その間ファイルに対応した頭出しデータを読み出すようにすることで、ファイルに対するアクセス性を向上することができるとともに、再生データを途切れないようにしてリアルタイム性を維持することができるようになる。
また、チェンジャ手段による搬送時間が短く、磁気テープ上において前記ロード/アンロード領域から近い位置に記録されているファイルについては、比較的小容量の頭出しデータを記録しておくことができるので、ハードディスクドライブ手段を効率よく使用することができる。さらに、頭出しデータの記録に関わる処理を短時間で行うことができるようになる。
【0152】
請求項2の記録再生装置は 磁気テープ上の所定の位置に第二のロード/アンロード領域を作成した後は、この第二のロード/アンロード領域と、前記磁気テープに記録されているファイルの距離に基づいて前記頭出しデータの容量を求め、既に記録されている頭出しデータとの差分に相当するデータを消去するようにしている。つまり、第二のロード/アンロード領域の近くに記録され、ロード後のアクセス性が良いファイルに対応した頭出しデータについては、その一部を消去することにより、必要最低限の頭出しデータを記録しておくことができるようになる。したがって、ハードディスクドライブ手段の容量を効率よく使用することができるようになる。
さらに、請求項3の記録再生装置は、第二のロード/アンロード領域が作成された後は、この第二のロード/アンロード領域とファイルの記録位置に基づいて、予め容量を求めたうえで頭出しデータを記録するようにしているので、ハードディスクドライブ手段の容量を効率よく使用することができるようになる。
【0153】
また、請求項4の記録再生装置は、前記頭出しデータの容量を、前記磁気テープ上に作成されているロード/アンロード領域とファイルの距離に基づいて設定するようにしている。したがって、磁気テープをロードしてからファイルの記録位置までの移動時間に対応した容量の頭出しデータを記録しておくことができ、ロード後に所望するファイルの記録位置に移動する間は、そのファイルに対応した頭出しデータを読み出すようにすることで、ファイルに対するアクセス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施の形態のデータストレージシステム全体を示す外観図である。
【図2】コンピュータ装置とデータストレージ装置の構成例を説明するブロック図である。
【図3】モニタ装置に表示されるウインドウの表示例を説明する図である。
【図4】データストレージ装置の構成例を説明するブロック図である。
【図5】テープドライブ部の構成例を説明するブロック図である。
【図6】コンピュータ装置から転送されるデータを磁気テープに記録する場合のデータの流れを説明する模式図である。
【図7】磁気テープのレイアウトを説明する図である。
【図8】磁気テープに形成されるトラックのレイアウトを説明する図である。
【図9】IDエリアの説明図である。
【図10】チェンジャ部に配置される磁気テープのディビジョンを説明する図である。
【図11】ディビジョンの構成例を説明する図である。
【図12】ハードディスク部に形成される記録エリアの一例を説明する図である。
【図13】バッファエリアについて説明する図である。
【図14】ファイルインフォメーションテーブルについて説明する図である。
【図15】ディビジョンアクセスマップについて説明する図である。
【図16】磁気テープにおけるファイルの断片化について説明する図である。
【図17】コンピュータ装置におけるドライバ部について説明する図である。
【図18】クラスタのアドレスを説明する模式図である。
【図19】コンピュータ装置におけるドライバ部について説明する図である。
【図20】データの記録時にドライバ部からデータストレージ装置に出力されるコマンドの一例を説明する図である。
【図21】データの再生時にドライバ部からデータストレージ装置に出力されるコマンドの一例を説明する図である。
【図22】データの記録時にドライバ部からデータストレージ装置に出力されるコマンドの一例を説明する図である。
【図23】データの記録を行う場合のコンピュータ装置側の処理工程を説明するフローチャートを示す図である。
【図24】データの再生を行う場合のコンピュータ装置側の処理工程を説明するフローチャートを示す図である。
【図25】データの記録を行う場合のデータストレージ側の処理工程を説明するフローチャートを示す図である。
【図26】データの再生を行う場合のデータストレージ側の処理工程を説明するフローチャートを示す図である。
【図27】データストレージ装置において記録を行う場合のデータの流れを説明する模式図である。
【図28】データストレージ装置において再生を行う場合のデータの流れを説明する模式図である。
【図29】保存レベルについて説明する図である。
【図30】保存レベル更新(記録時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図31】保存レベル更新(記録時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図32】保存レベル更新(記録時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図33】保存レベル更新(記録時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図34】保存レベル更新(再生時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図35】保存レベル更新(消去時)の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図36】ファイルのライフサイクルについて説明する図である。
【図37】磁気テープの記録状態とロード/アンロードエリアについて説明する図である。
【図38】ロード/アンロードエリアにおいてロード/アンロード動作を行う場合の例を説明する図である。
【図39】デバイスエリア#2においてロード/アンロード動作を行う場合の例を説明する図である。
【図40】磁気テープの記録状態とEODエリアについて説明する図である。
【図41】EODエリアの後ろにおいてロード/アンロード動作を行う場合の例を説明する図である。
【図42】ロード/アンロード動作を行う場合の処理工程の一例を説明する図である。
【図43】つなぎデータを作成する場合の例を説明する模式図である。
【図44】再生時につなぎデータを用いる場合の例を説明する模式図である。
【図45】つなぎデータを作成する場合の処理工程の一例を説明するフローチャートを示す図である。
【図46】再生時につなぎデータを用いる場合の処理工程の一例を説明するフローチャートを示す図である。
【図47】磁気テープに記録されているファイルに対応したBOFデータについて説明する模式図である。
【図48】BOFデータを最適化する場合について説明する模式図である。
【図49】BOFデータを最適化する場合の要因を示す図である。
【図50】BOFデータを記録する場合の処理工程を説明するフローチャートを示す図である。
【図51】複数の磁気テープに記録されているファイルを示す模式図である。
【図52】図51に示した各ファイルに対応したBOFデータについて説明する図である。
【図53】チェンジャ部とテープドライブ部の位置関係、およびテープカセットの搬送時間を説明する模式図である。
【図54】チェンジャ部の搬送時間に基づいてBOFデータを最適化する場合について説明する模式図である。
【符号の説明】
1 データストレージ装置、2 コントローラ部、3 ハードディスク部、4テープドライブ部、5 チェンジャ部、6,9 I/F部、7 バッファコントローラ、7a,7b ダイレクトメモリアクセス、8 I/Fバッファ、11制御部、12 ROM、13 RAM、14 バス、20 I/F部、21 コントローラ部、21a ダイレクトメモリアクセス、21b シグナルプロセッサ、22 グループバッファ、23 RF処理部、24 回転ドラム、25A,25B,25C 再生ヘッド、26A,26B 記録ヘッド、27 メカコントローラ、28 サーボコントローラ、29 制御部、30 ROM、31 RAM、32 EEP−ROM、35 バス、40 磁気テープ、41 コンピュータ装置、42 アプリケーション、43 ファイルシステム、44 ドライバ部、E1 バッファエリア、E2 ファイルインフォメーションテーブル、E3ディビジョンアクセスマップ、E4 BOFデータエリア、E5 つなぎデータエリア

Claims (3)

  1. 所定単位の記録領域が複数形成されている磁気テープが収納されているテープカセットを装填し、前記テープカセットに収納されている磁気テープに対して記録、再生を行うテープドライブ手段と、
    少なくとも、前記テープドライブ手段においてデータの記録、再生を行う場合のバッファ領域と、前記磁気テープに記録されているファイルに対応し、該ファイルの再生を行う場合の頭出しデータを記録する頭出しデータ領域を有しているハードディスクドライブ手段と、
    前記頭出しデータ領域に頭出しデータを固定の容量で記録する頭出しデータ記録制御手段と、
    前記磁気テープにおける記録済み領域の終端が、記録可能領域の所定の位置に到達した場合、前記所定の位置にロード/アンロード領域を作成するロード/アンロード領域作成手段と、
    前記磁気テープに形成されている前記ロード/アンロード領域と、前記磁気テープに記録されているファイルの距離に基づいて、前記頭出しデータの容量を求める頭出しデータ容量設定手段と、
    前記ロード/アンロード領域作成手段によって前記所定の位置に前記ロード/アンロード領域が作成された場合に、既に記録されている頭出しデータから、前記頭出しデータ容量設定手段によって求められた容量との差分に相当するデータを消去するデータ消去手段と、
    を備えた記録再生装置。
  2. 前記頭出しデータ記録制御手段は、前記ロード/アンロード領域作成手段によって前記ロード/アンロード領域が作成された後に前記磁気テープに記録されるファイルの頭出しデータについては、前記頭出しデータ容量設定手段によって求められた容量で記録する請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 前記磁気テープには、略テープ先頭位置に第一のロード/アンロード領域が形成されており、前記ロード/アンロード領域作成手段が前記所定の位置に作成する前記ロード/アンロード領域は、第二のロード/アンロード領域である請求項1に記載の記録再生装置。
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