JP4244290B2 - 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光体およびリフレクタを備えた光源部を用いて被照明体を照明する照明光学系に関するもので、特に、照明光束をライトバルブにより光変調し、この投映光束によりスクリーン上に画像を拡大投映する投写型表示装置に好適な照明光学系、およびこれを用いた投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投写型表示装置の光源部としては、光源およびリフレクタからなる構成が一般的である。この光源は、発光分布が小さく発光効率の高いものが望ましく、現在では、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの光源を使用することが一般的である。また、この光源からの光を反射させ前方に出射させるリフレクタは、通常、放物面鏡または楕円面鏡が用いられる。
【0003】
図9〜図11は従来よく知られた光源部の構成を示すものである。図9および図10はリフレクタ104、105の後部に発光管101を位置させたタイプである。また、図11は、多くはキセノンランプとして用いられる構成で、リフレクタ104の後部に陽極103が配置され、リフレクタ104の光出射側から陰極102が配置されるタイプである。図11(b)はこの光源部の断面図であり、図11(a)はこの光源部を光出射側から見た図である。陰極102を有する陰極部は、キセノンガス封入用の透明部材106に溶着されて、リフレクタ外周に対し保持せしめられ、透明部材106上には陰極102に電圧を負荷するための配線を有する棒状保持部材107が配されている。
【0004】
また、図9および図11においてはリフレクタ104は放物面鏡とされ、その焦点位置に光源の発光点が位置するように配されており、これらの光源部からは平行光とされた照明光束が出射される。図10においてはリフレクタ105は楕円面鏡とされ、その第1焦点位置に光源の発光点が位置するように配されており、この光源部から出射された照明光束は楕円面鏡の第2焦点位置に集光される。
【0005】
ところで、このような光源101〜103およびリフレクタ104、105からなる構成の光源部においては、その構造上、リフレクタ104、105から出射される光束の光軸近傍に、光強度の弱い空間ができてしまうことが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の図6(a)および段落番号0038に記載されるとおり、リフレクタ後部に設けられた孔部のために光が反射されない、または発光体そのものの大きさが原因となって光が遮られるためである。発光管101または陽極107を配置するためにリフレクタ最後部に鏡面化されていない範囲があり、この直径をAとすると、光源部から出射される光束の中央部に、少なくとも、図9および図11においては光軸に直交する面内で直径Aの範囲に、また、図10においてはリフレクタの第2焦点を中心に角度B°となるような範囲に、光がほとんど通過しない空間が存在することになる。
【0006】
特許文献1では、光源部より後段のマルチレンズアレイにおいて、被照明体側のマルチレンズアレイの光軸近傍のレンズセルの数を減らし、レンズセルサイズを大きくし、また、これらのレンズセルを偏心させることにより、光強度の弱い光軸近傍の光は利用せずに、光学系全体としての光利用効率を向上させようとする技術が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−56435号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、投写型表示装置においては明るい場所での投写でも問題なく利用できるよう、明るい投写型表示装置の開発が進められている。明るさの向上に大きく寄与する要素として、ライトバルブと並び、照明光学系の光源部の構成にも新たな工夫が求められている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、光源とリフレクタよりなる光源部から出射される光束の光軸近傍の光量分布に着目し、従来からあるこのタイプの光源部に対し大きな設計変更を施すことなく、コンパクトでありながら、照明効率が高く、明るく均一な照明を行ない得る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る照明光学系は、発光体およびこの発光体から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタを備えた主要光源部と、前記発光体そのものの大きさまたは前記リフレクタにおける非鏡面部の存在が原因となって形成される、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように別の光束を出射する、複数の光源からなる補助光源部と、該補助光源部の該複数の光源からの各光束を偏向せしめ互いに合わせて前記光束低密部に導入する、該光束低密部に配設された偏向導光手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、前記補助光源部が分光分布の同様な複数の光源からなり、この複数の光源から出射された光束が、照明光学系内の少なくとも一部の光路上において合成状態とされるように構成してもよい。
【0012】
また、前記補助光源部が分光分布の異なる少なくとも2種類の光源からなり、この少なくとも2種類の光源から出射された光束が、照明光学系内の少なくとも一部の光路上において合成状態とされるように構成してもよい。
また、前記補助光源部の前記複数の光源からの各光束は、互いに異なる方向から前記光束低密部に向かうように構成してもよい。
【0013】
本発明に係る投写型表示装置は、上記照明光学系を備え、この照明光学系からの光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう少なくとも1つのライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系を介し投写することを特徴とするものである。
【0014】
なお、上記「合成状態」とは、補助光源部を構成する複数の光源からの光束が、略同一方向に、混合されてまたは隣接して進行する状態を表すものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、本発明の実施例1に係る照明光学系を例として説明する。
<実施例1>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図1に示す。なお、図1、および以下の図4、8、12において、各部材はその断面形状を重点的に記載したものであって、遠方の端面の記載を省略しているものがある。
【0016】
この照明光学系の主要光源部1は、キセノンランプやメタルハライドランプ等の発光管からなる光源11を備え、その発光点が放物面鏡よりなるリフレクタ12の焦点に配置されてなり、光源11から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタ12の開口部からは、略平行な光束が出射される。前述のとおり、この主要光源部1から出射される光束の光軸と垂直な断面内における光量分布としては、光軸近傍の所定範囲に光強度の弱い部分(以下、光束低密部と称する)が存在する。ここに着目し、この照明光学系は、この主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に、光束を補うように光束を出射する補助光源部2を備えた構成とされている。
【0017】
本実施例の照明光学系は、補助光源部2として、分光分布が同様な半導体レーザLDからなる2つのレーザ光源31a、31bを備えている。これらの光源31a、31bからの光束は、コリメータレンズ35a、35bにより平行光束とされ、両光束を反射させ合成させる偏向ミラー3を介し、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うようにこの光束中に導入される。補助光源部2の2つの光源31a、31bから出射された光束は、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部において、略同一方向に隣接した合成状態で進行することになる。
【0018】
主要光源部1から出射された光束の光束低密部に補助光源部2から光束を補うという構成は、単に光源部全体として光量が増加し照明光学系の明るさ向上に寄与するのみならず、光量分布においても、本来最も光強度を大きくしたい光束の中心近傍の光束低密部の光強度を増強することができることになる。本実施例によれば、補助光源部2として2つの光源31a、31bを備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させる効果が高い。なお、本実施例では補助光源部2として2つの光源を用いているが、本発明の実施形態としては、3つ以上の光源を用いることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量をさらに増加させることも可能である。
【0019】
また、上記光束低密部は、主要光源部1からの光束の光強度が弱い部分であるので、この光束低密部に光束を補うために、例えば偏向ミラー3などの部材を配設しても、主要光源部1からの光束をほとんど遮ることなく、主要光源部1からの光束を効率よく利用することができる。また、このような構成によれば、従来一般に用いられるリフレクタを備えた光源部に対し、これを主要光源部1として、設計変更も少なくコンパクトなままで明るさを向上させることができる。
【0020】
また、本実施例において、補助光源部2からの光束は偏向ミラー3により主要光源部1からの光束中に導入されている。補助光源部2の光源が半導体レーザとされている場合、この光源は通常、冷却しつつ用いる必要があるため、このように主要光源部1からの光が直接当たらないところに配置し、偏向ミラー3のような導光手段により導入されることが好ましい。
【0021】
本実施例では、上記構成に加え、さらに主要光源部1からの光束の光軸と垂直断面における光量分布の均一化を図る第1インテグレータ部4、補助光源部2からの光束の光軸と垂直断面における光量分布の均一化を図る第2インテグレータ部5、および主要光源部1からのランダムな偏光を直線偏光に変換する偏光変換光学系6が設けられている。なお、以下の説明では、両インテグレータ部4、5の作用について「光量分布の均一化」と記載されている場合は、上記断面におけるものとする。
【0022】
主要光源部1から出射された光束は、主要光源部側から順に第2フライアイ15、第1フライアイ16が配設された第1インテグレータ部4により、光量分布の均一化を図られる。すなわち、第2フライアイ15は、矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル17が縦横に複数配列されたもので、主要光源部1からの略平行光束を第2フライアイ15のレンズセル17の数と同数の部分光束に分割し、第1フライアイ16を構成する各レンズセル近傍に光源11の二次光源像を形成させることにより光量分布の均一化を図る。
【0023】
図2は、図1の第1フライアイ16を被照明体側から見たものを模式的に表したものである。フライアイ16は、フライアイ15の各レンズセル17に各々対応する矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル18を備えているが、中央部の、このフライアイ16において補助光源部2からの光束が入射する位置には、空間が設けられている。図2において、レンズセル18に相当する部分をハッチングにより示している。フライアイ15はレンズセル17の凸面を主要光源部側に向け、フライアイ16はレンズセル18の凸面を被照明体側に向けるように配置されている。
【0024】
また、補助光源部2の2つの光源31a、31bから出射され合成状態とされた光束は、第2インテグレータ部5としてのロッドインテグレータ36により混合され、光量分布の均一化を図られる。ロッドインテグレータ36は2枚のフライアイ15、16の間に配設され、第2フライアイ15の後段に配された偏向ミラー3により主要光源部1からの光束中に導入された補助光源部2からの光束は、集光レンズ37の作用により、所定の角度をもってロッドインテグレータ36に入射される。そのため、ロッドインテグレータ36の内壁面において複数回反射されて出射され、光量分布が均一化される。ロッドインテグレータ36から出射された補助光源部2からの光束は、フライアイ16の中央の空間部に配された集光レンズ38により所望の方向に屈折せしめられる。投写型表示装置に用いる照明光学系としては、補助光源部2からの光束を、主要光源部1からの光束と同様に後段のライトバルブ上に重畳されるように屈折させることが好ましい。
【0025】
本実施例においては、補助光源部2から出射される光束は、主要光源部1から出射される光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように出射される光束径の小さいものであることを利用し、この補助光源部2から出射される光束の光量分布を均一化するための第2インテグレータ部5としては、ロッドインテグレータ36を用いた簡易な構成としている。そして、このロッドインテグレータ36の配設位置としては、2枚のフライアイ15、16の間とし、スペースを有効利用しコンパクトな構成を達成している。
【0026】
なお、本実施例および以下の実施例において、ロッドインテグレータとしては、ガラス製の中実な棒状ロッドプリズムや、内面を反射コートにより鏡面とした中空プリズムや、棒状ロッドプリズムを光束入射側に配置しその光束出射側に中空プリズムを配置して両者を組み合わせた、いわゆるハイブリッド型のインテグレータを用いることができる。ロッドインテグレータに入射した光束は、棒状ロッドプリズムにおいては内壁面において複数回全反射されながら、中空プリズムにおいては内壁面の鏡面で複数回反射されながら、その光束出射端に導かれる。ロッドインテグレータから出射される光束は、ロッドインテグレータの出射端において光束密度が略均一化された光束とされている。この照明光学系を投写型表示装置に用いた場合、ロッドインテグレータの出射端と後段のライトバルブとがリレーレンズを介して互いに結像関係(共役関係)となる。
【0027】
また、本実施例では補助光源部2から出射された光束が2枚のフライアイ15、16の間において導入される構成とされている。両フライアイ15、16の近傍において、特に第1フライアイ16の近傍では、主要光源部1からの光が第2フライアイ15により各部分光束として集光されている。このため、この集光された各部分光束を遮らないように、いわば各部分光束の隙間に部材を配設することができる。例えば、補助光源部2からの光の光路上にある偏向ミラー3、集光レンズ37、38、ロッドインテグレータ36等を支持固定するための部材を、このような位置に配設することができる。これにより主要光源部1からの光束中に挿入する部材は主要光源部1からの光をほとんど遮ることなく、光利用効率を向上させることができる。
【0028】
ところで、投写型表示装置に用いる照明光学系としては、例えば装置のライトバルブが液晶パネルとされている場合など、照明光学系から出射される光は偏光方向が揃えられた略平行光とされていることが好ましい場合がある。本実施例では、主要光源部1はランダムな偏光を発生するものとされている。そこで本実施例は、第1インテグレータ部4の後段に、主要光源部1からの光束を直線偏光に変換するための偏光変換光学系6を備えた照明光学系とされている。他方、補助光源部2のレーザ光源31a、31bは、偏光方向が揃えられた光束を出射する偏光特性が良好なものとされている。補助光源部2のレーザ光源31a、31bは、偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射する。
【0029】
図3(a)は、偏光変換光学系6を被照明体側から見た図であり、図3(b)は、図3(a)の側面図である。この偏光変換光学系6は、従来よく知られた、偏光ビームスプリッタアレイ、およびこのアレイの光出射面側に配設され複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板からなるものと略同様の構成であるが、この位相板は中央部の、補助光源部2からの光束が通過する部分だけλ/2位相膜21が削除されている。図3(a)において、ハッチング部分はλ/2位相膜21が配された部分である。
【0030】
偏光ビームスプリッタアレイはその内部に、偏光分離膜19と反射膜20とが、光軸に対して略45度の角度を有するように交互に形成されている。ランダムな偏光である主要光源部1からの光束は、フライアイ16の対応するレンズセルから入射され、偏光分離膜19により偏光方向の異なるP偏光とS偏光の2種類の偏光に分離される。一方の偏光は偏光分離膜19を透過しプリズム面22から出射される。他方の偏光は偏光分離膜19および隣接する反射膜20で反射されて、最終的には、偏光ビームスプリッタアレイを直進透過した光束とほぼ平行な角度で偏光ビームスプリッタアレイより出射され、λ/2位相膜21を通過する際に、偏光面の回転作用により偏光ビームスプリッタアレイを直進透過した光束と略一致する偏光方向に変換されて出射される。
【0031】
第2インテグレータ部5から出射された補助光源部2からの光束は、レーザ光源31a、31bからの光束が偏光分離膜19を透過する偏光特性を有するものとされているので、この光束はほとんどがプリズム面22から出射される。そして、偏光分離膜19の分離効率によってある程度の光束が反射されたとしても、反射膜20で反射され出射される光束も、この部分だけλ/2位相膜21が削除されているので、プリズム面22から出射された光束と略一致する偏光方向のまま、プリズム面25から出射されることになる。すなわち、中央部の所定位置のλ/2位相膜21だけが削除されたλ/2位相板を偏光ビームスプリッタアレイに接着するという、低コストな手法を用いることにより、補助光源部2からの光利用効率を高くすることができる。
【0032】
このように、補助光源部2の光源が、偏光が揃えられた光束を出射する偏光特性が良好なものとされている場合は、偏光変換のための部材が不要となり構成の簡易化を図ることができる。この光束をさらに偏光変換する必要性はないが、この光束が、主要光源部1からの光を偏光変換する偏光変換光学系6を介して照明光学系から出射されても不都合ではない。なお、補助光源部2の光源が、偏光が揃えられた光束を出射するものとされている場合は、偏光変換光学系6においてこの光束が通過する部分を空間とし、偏光変換光学系6のプリズムを透過させずに光量を最大限利用することも可能である。
【0033】
主要光源部1および補助光源部2からの光束がともに、偏光方向の略一致する照明光束として出射される照明光学系によれば、装置のライトバルブが液晶パネルとされた投写型表示装置に用いる照明光学系としても、照明効率の高いものとすることができる。
【0034】
本実施例の変更例としては、例えば、集光レンズ38の一部または全部を、フライアイ16において一体的に形成し、簡易でコンパクトな構成とすることができる。また、補助光源部2からの光束を第2フライアイ15より主要光源部側において導入する構成が可能であり、この場合には、集光レンズ37の一部または全部を、フライアイ15において一体的に形成し、簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0035】
また、補助光源部2が複数の光源からなる構成において、必ずしも上述のように偏光方向が揃えられた光束を出射する光源としなければならないわけではない。補助光源部2の光源を偏光特性が良好なものとせず、ランダムな偏光を発生するものとした場合には、後段にこの光源からの光の偏光方向を揃えるための偏光変換手段を配設することが好ましい。例えば、上記偏光変換光学系6に替えて、中央部の、補助光源部2からの光束が通過する部分にもλ/2位相膜21が配設された従来よく知られた偏光変換光学系とし、補助光源部2からの光束も、この偏光変換光学系から出射される主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換することが可能である。従来一般のものを利用することにより低コスト化を図り得る。なお、偏光変換光学系の構成は、光源特性やその他の構成に応じて適宜選択することができる。
【0036】
以下、本発明に係る照明光学系の実施例2〜5について説明する。なお、実施例1〜6においては、特に記載のない限り同様の構成部分には同一の符号を付しており、既出の事項に関しては詳細な説明を省略している。
【0037】
<実施例2>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図4に示す。本実施例は、補助光源部を構成する複数の光源が、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bからなる点が実施例1と異なり、その他の点では実施例1と同様である。
【0038】
本実施例では、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bを用いているので、これらの光源31a、31bから出射された光束を合成する手段としてクロスプリズム7が配されている。光源31a、31bからの光束は、コリメータレンズ35a、35bを介し、クロスプリズム7内のダイクロイック膜51a、51bにより反射されて偏向され、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うようにこの光束中に導入され、略同一方向に混合された合成状態で進行することになる。その後、光源31a、31bからの光束は、集光レンズ37を介し、第2インテグレータ部としてのロッドインテグレータ36に入射されて光量分布の均一化を図られ、レンズ38を介して偏向変換光学系6に入射される。本実施例ではクロスプリズム7により補助光源部の光束の合成を行なっているので、実施例1の偏向ミラー3を配置する場合に比べ、主要光源部1からの光束を遮光する範囲が小さい。
【0039】
本実施例においても実施例1と同様に、補助光源部の光源31a、31bは、偏向変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射するものであることが好ましい。この場合、偏向変換光学系6からは、補助光源部2からの光束も、直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向とされた照明光束として出射され、照明効率を良好とすることができる。
【0040】
なお、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、3つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。3つ以上の光源を用いた場合に、必ずしも各光源の分光分布が互いに異なる必要はなく、補助光源部として分光分布が異なる少なくとも2種類の光源とすることができる。
【0041】
さらに、補助光源部として分光分布が異なる少なくとも2種類の光源を用いた照明光学系は、カラー投写型表示装置の照明光学系として用いられた場合に有用である。例えば、3原色光のうちの異なる2色光を、一方を光源31aから、他方を光源31bから出射させて、主要光源部1からの光束低密部に光束を補うように構成することができる。
【0042】
本実施例の変更例としても、実施例1と同様に、集光レンズ38の一部または全部を、フライアイ16において一体的に形成し簡易でコンパクトな構成とすることができる。また、補助光源部からの光束を第2フライアイ15より主要光源部側において導入する構成が可能であり、この場合には、集光レンズ37の一部または全部を、フライアイ15において一体的に形成し簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0043】
また、補助光源部が分光分布の異なる光源からなる構成においても、実施例1と同様に、補助光源部2の光源を偏光特性が良好なものとせず、ランダムな偏光を発生するものとすることが可能である。この場合には、後段にこの光源からの光の偏光方向を揃えるための偏光変換手段を配設することが好ましい。また、偏光変換光学系の構成は、光源特性やその他の構成に応じて適宜選択することができる。
【0044】
<実施例3>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図5に示す。本実施例の主要光源部1、および分光分布が同様な半導体レーザLDからなる2つのレーザ光源31a、31bよりなる補助光源部は、実施例1と同様のものである。実施例1との相違点は、本実施例は主要光源部1からの光束の光量均一化を図る第1インテグレータ部4がロッドインテグレータ23からなる点である。また、本実施例において、ロッドインテグレータ23は補助光源部からの光束の光量均一化を図る第2インテグレータ部5の役割をも担うものである。
【0045】
主要光源部1から出射された平行光束は、集光レンズ24により集光され、この集光レンズ24の焦点位置近傍にその入射端が位置するように配されたロッドインテグレータ23に入射され、その内壁面において複数回反射され、出射端における光束密度が略均一化された光束として出射される。補助光源部2のレーザ光源31a、31bから出射され、コリメータレンズ35a、35bを介し平行光束とされた光束は、偏向ミラー3により、主要光源部1から出射された光束の光束低密部に光束を補うように導入され、この光束低密部において、略同一方向に隣接した合成状態で進行する。そして、主要光源部1から出射された平行光束と同様に、集光レンズ24により集光され、ロッドインテグレータ23に入射され、その内壁面において複数回反射され、出射端における光束密度が略均一化された光束として出射される。
【0046】
なお、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、3つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。また、本実施例によれば、第1インテグレータ部4としてロッドインテグレータ23を用いる構成とされ、フライアイを用いた構成よりも簡易でコンパクトな構成とすることができる。さらに、第1インテグレータ部4と第2インテグレータ部5が同一のロッドインテグレータ23を共有しているので、簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0047】
なお、本実施例の変更例として、偏向ミラー3の配設位置を集光レンズ24の後段とし、この位置において、補助光源部からの光束が主要光源部1からの光束の光束低密部に導入されるように構成してもよい。この場合、適宜、集光レンズ等を配置することができる。
【0048】
また、本実施例のように、第1インテグレータ部4としてロッドインテグレータ23を用いる構成においても、必要に応じて主要光源部1からの光束の偏光方向を揃えるための偏光変換光学系や、補助光源部からの光束の偏光方向を揃えるための偏光変換光学系を備えた照明光学系とすることができる。
【0049】
<実施例4>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図6に示す。本実施例は、補助光源部2を構成する複数の光源31a、31bが、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bからなる点で実施例2の照明光学系と類似の構成である。また、本実施例は、第1インテグレータ部4としてロッドインテグレータ23を用い、さらに、第1インテグレータ部4と第2インテグレータ部5が同一のロッドインテグレータ23を共有している点で実施例3の照明光学系と類似の構成である。しかしながら、本実施例では主要光源部1のリフレクタ13が楕円面鏡よりなる。
【0050】
主要光源部1は、実施例1と同様の光源11を備え、その発光点が楕円面鏡よりなるリフレクタ13の第1焦点に配置されてなり、光源11から出射された光束は被照明体側に反射され、リフレクタ13の開口部から出射される光束は楕円面鏡の第2焦点に収束される。前述のとおり、この主要光源部1から出射される光束の光軸と垂直な断面内における光量分布においても、光軸近傍の所定範囲に光束低密部が存在する。
【0051】
補助光源部2は、この光束低密部に光束を補うように光束を出射するもので、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bを用いている。コリメータレンズ35a、35bにより平行光束とされた補助光源部2からの光束がクロスプリズム7内のダイクロイック膜51a、51bにより反射されて偏向され、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うようにこの光束中に導入される。光源31a、31bから出射され合成状態とされた光束は、クロスプリズム7により、この光束低密部において略同一方向に混合された合成状態で進行する。この光束は、その焦点位置がリフレクタ13の第2焦点に略一致するように配された集光レンズ47により集光されて、この第2焦点位置近傍にその入射端が位置するように配されたロッドインテグレータ23に入射されるので、主要光源部1から出射された光束と同様に、ロッドインテグレータ23により光束密度が略均一化された光束として出射される。
【0052】
なお、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、3つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。また、本実施例によれば、楕円面鏡よりなるリフレクタ13を用いることにより、レンズを配置せずに主要光源部1からの光束を集光させてロッドインテグレータ23に入射させることができ、簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0053】
本実施例においても実施例3と同様に、必要に応じて主要光源部1からの光束の偏光方向を揃えるための偏光変換光学系や、補助光源部2からの光束の偏光方向を揃えるための偏光変換光学系を備えた照明光学系とすることができる。
【0054】
<実施例5>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図12に示す。本実施例の主要光源部1、第1インテグレータ部を構成する第2フライアイ15、および第2インテグレータ部を構成するロッドインテグレータ36は、実施例1と同様のものである。また、実施例1において補助光源部からの光束の光路上に配されていた集光レンズ38は、本実施例においては第1インテグレータ部4を構成する第1フライアイ16と一体的に、このフライアイ16において補助光源部からの光束が通過する中央部に形成され、コンパクトな構成とされているが、この構成も実施例1と略同様である。
【0055】
本実施例の実施例1との相違点としては、まず、補助光源部を構成する2つのレーザ光源31a、31bの配設位置である。2つのレーザ光源31a、31bは、実施例1と同様に分光分布が同様な半導体レーザLDからなるものであるが、これらは主要光源部1のリフレクタ開口部の外側に各々配置され、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する。レーザ光源31a、31bからの光束は、集光レンズ37a、37bにより、主要光源部1からの光束の中心近傍の光束低密部に配置されたロッドインテグレータ36の光束入射面に集光される。レーザ光源31a、31bからの光束は、それぞれが同一のロッドインテグレータ36の内部において光量分布の均一化を図られる。
【0056】
すなわち本実施例では、補助光源部の複数の光源からの光束は同一のロッドインテグレータ36に入射されるが、合成状態とされることのないまま、照明光学系から出射される。本発明に係る照明光学系としては、補助光源部を構成する複数の光源からの光束を略同一方向に偏向し合成状態として第2インテグレータ部に入射させる場合だけでなく、本実施例のように、異なる位置に配された複数の光源からの光束を主要光源部1の中心近傍の光束低密部に配置された同一の第2インテグレータ部に入射させるように構成してもよい。また、異なる位置に配された複数の光源からの光束が、第2インテグレータ部を構成する複数の光量均一化部材、例えば各光源に対応した別々のロッドインテグレータに入射されるように構成することも可能である。
【0057】
第2インテグレータ部から出射された光束は、集光レンズ38を介し偏光変換光学系6に入射され、この偏光変換光学系6から出射される主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束として出射される。なお、本実施例では、偏光変換光学系6は実施例1のものと異なり、補助光源部からの光束が通過する部分にもλ/2位相膜が配された、従来よく知られた、したがって低コストなものが配されている。補助光源部を構成する2つのレーザ光源31a、31bは、実施例1と同様に偏光特性が良好なものであってもよいし、また、ランダムな偏光を発生するものとされていても、この偏光変換光学系6により偏光方向が揃えられた光束とすることができる。
【0058】
本実施例の変更例として、補助光源部は、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bを用いる構成とすることもできる。また、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、3つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。3つ以上の光源を用いた場合に、必ずしも各光源の分光分布が互いに異なる必要はなく、補助光源部として分光分布が異なる少なくとも2種類の光源とすることができる。
【0059】
以上、本発明に係る照明光学系の具体的な実施例として、実施例1〜5について説明した。各実施例とも、主要光源部1から出射された光束の光束低密部に補助光源部から光束を補うという構成とされているので、明るくコンパクトな照明光学系とされており、補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させる効果が高い。
【0060】
ところで、本発明に係る照明光学系の主要光源部に用いられる光源としては、例えば超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなどがあるが、これらの光源は各々種類により固有の分光分布を有しており、可視光領域において一様な光量分布を持っているわけではない。本発明に係る照明光学系の主用途である投写型表示装置に関しては、明るさの要望以外に、色再現性が良い画像が要求されるが、色再現性を良好とするためには、この光源の分光分布のばらつきが問題となる場合がある。光源によっては、色再現性を良好とするために必要な波長域の光量が不足していたり、また、不必要な波長域の光量が過剰であったりするためである。
【0061】
例えば、図7は超高圧水銀灯の可視領域における波長の分光分布を示す図であり、縦軸が光強度を示すものである。図示のとおりこの光源では、3原色光のうち赤色波長域が、他の色成分に対応する波長域に比べ光量が少なく、その一方、黄色波長域に光強度のピークを有するため、そのままの光源光を使用すると、全体として黄色味を帯びたカラー画像が形成されてしまう。そのため、従来、装置の色再現性を良好とする方策としては、光源から出射された光のうち580nm近辺の波長域の光を取り除いて照明を行っていたが、その分の光量損失は明るさ向上の要望とは反するものとなってしまう。
【0062】
本発明に係る照明光学系によれば、主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部を備え、補助光源部の複数の光源のうち少なくとも1つの光源から、主要光源部から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を出射させるように構成することができる。例えば、主要光源部の発光体が上記超高圧水銀灯とされた場合に、補助光源部の複数の光源のうち少なくとも1つの光源から、赤色波長域に強度ピークを有する光束を出射させる構成とすることである。この光源としては、例えば、安価で小型な赤色半導体レーザを用いることができる。このような構成によれば、照明光束全体として赤色波長域の光強度が増加し、従来は色再現性に悪影響を及ぼしていた超高圧水銀灯からの580nm近辺の光も、排除することなく利用できるようになる。この、これまで排除していた光量は、超高圧水銀灯の全光量の20%にも相当し、これ程の光量が増加する効果は高い。
【0063】
主要光源部から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を、補助光源部から出射させるように構成することにより、単に補助光源部からの光量分が増加するのみならず、色再現性のためにこれまで排除していた主要光源部からの光束も色再現性の低下を招くことなく取り込むことができ、明るく色再現性の良いコンパクトな照明光学系を得ることができる。なお、補助光源部から出射させる光束の強度ピークは赤色波長域に限られるものではなく、主要光源部の光源の分光分布に応じその波長域を適宜設定することができる。
【0064】
本発明の照明光学系としては、上述したものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能である。例えば、実施例1〜5中に用いられた主要光源部、補助光源部、偏向手段、第1インテグレータ部、第2インテグレータ部、偏光変換光学系等をそれぞれ取出して組合わせた構成としてもよい。
【0065】
補助光源部からの光束を、主要光源部からの光束中に導入する位置としては、第1および第2インテグレータ部の前段、後段、また第1インテグレータ部がフライアイの場合は中段も含め、いずれとされていてもよい。
【0066】
また、補助光源部から出射された光束が、偏向ミラーにより主要光源部からの光束中に導入されるのではなく、補助光源部を構成する複数の光源のうち少なくとも1つが、主要光源部1から出射される光束の光束低密部に配された構成とすることもできる。この場合も、光束低密部に光源を配設することになるので、主要光源部から出射される光の利用効率を悪化させる虞はない。
【0067】
また、上記実施例において、主要光源部からの光束を偏向させる偏向ミラーを配し、この偏向ミラーの、主要光源部からの光束の光束低密部が照射される部分が空間とされて、この空間を通して補助光源部からの光束が上記光束低密部に導入されるような構成に変更することができる。この場合にも、補助光源部から出射された光束が、主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように導入されるので、本発明の作用効果を得ることができる。
【0068】
また、主要光源部は、各実施例に図示された発光管を備えた構成だけでなく、図11に示された電極を配設する構成のものとされていてもよい。
【0069】
また、補助光源部は、照明光学系の光量増加、光量分布の均一化、色再現性の適正化(所定の色味を強くしたい、弱くしたい等の場合を含む)等の所期の目的を達成し得る光量を発生させるものとすることが好ましい。本発明に係る照明光学系の補助光源部を構成する複数の光源は、レーザ光源に限られるものではなく、放物面鏡や楕円面鏡よりなるリフレクタを用いたものであってもよい。この場合は、補助光源部として低コストで光量の大きいものとすることができる。リフレクタを用いた補助光源部から出射された光束は、光量分布の不均一な略平行光とされているので、光量分布を均一化する第2インテグレータ部を配設することが好ましい。
【0070】
また、補助光源部を構成する複数の光源は、この補助光源部から出射される光束が、出射された状態で光量分布が略均一となっているような光源とすることができる。例えば、レーザ光源を用いることができる。このような光源を備えた補助光源部からの光束はインテグレータ部により光量均一化を図る必要がないので、補助光源部からの光束の光量均一化を図る手段を省略し、より簡易な構成とすることができる。
【0071】
なお、補助光源部からの光束の光量均一化を図る第2インテグレータ部は、ロッドインテグレータに限られず、例えばフライアイを有する第2インテグレータ部が設けられていてもよい。また、各フライアイのレンズセルや、主要光源部および補助光源部からの光束の光路中に配される各レンズの形状は、適宜設定することができる。
【0072】
なお、付言すれば、本発明に係る照明光学系は、従来多数提案されている、単に総量としての光量を増加させるために複数の光源を備えた照明光学系とは、その目的も作用効果も異なるものである。従来の複数光源を備えた照明光学系は、本発明の主要光源部に相当するような大きさの光源部を複数個配設することにより、総量としての光量を増加させることを目的としている。これらは、本発明のような、リフレクタを備えた光源部から出射された光束の光束低密部に別の光源から光束を補う、という発想を有するものではない。
【0073】
また、前述の投写型表示装置の色再現性の問題を解決するべく、発光分布の異なる光源部を複数使用した照明光学系も既に提案されている(例えば特開2001−166383号公報参照)。しかしこの場合も、上記複数光源を備えた照明光学系と同様に、本発明のような、リフレクタを備えた光源部から出射された光束の光束低密部に別の光源から光束を補う、という発想を有するものではない。本発明に係る照明光学系によれば、この従来例よりも格段にコンパクトな照明光学系により、高い色再現性を達成することができる。
【0074】
次に、本発明に係る投写型表示装置の具体的な実施例として、実施例6について説明する。
<実施例6>
本実施例に係る投写型表示装置の概略構成を図8に示す。この装置は、本発明に係る照明光学系を備えたものであり、照明光学系の構成は実施例2に係るものとの類似点が多い。主要光源部1は実施例2と同様であり、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bからなる補助光源部、コリメータレンズ35a、35b、クロスプリズム7、2枚のフライアイからなる第1インテグレータ部4、ロッドインテグレータからなる第2インテグレータ部5、および偏光変換光学系6も、実施例2と略同様の構成とされている。
【0075】
この照明光学系の実施例2との相違点としては、補助光源部からの光束が、2枚のフライアイからなる第1インテグレータ部4の前段において主要光源部からの光束の光束低密部に導入されている点がある。また、実施例2において補助光源部からの光束の光路上に配されていた集光レンズ37、38が、本実施例においては第1インテグレータ部4を構成する2枚のフライアイと一体的に、これらのフライアイにおいて補助光源部からの光束が通過する中央部に形成され、コンパクトな構成を達成している。
【0076】
この装置は、照明光学系からの照明光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう透過型画像表示素子よりなるライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系67を介し投写するものである。照明光束は、第1および第2インテグレータ部4、5により光量分布が均一化され、偏光変換光学系6により偏光方向が揃えられた状態で、本発明の照明光学系から出射される。そしてこの照明光束は、以下に示すとおり、3原色光に分解され、各色光用の透過型画像表示素子である液晶パネル64a〜cにより光変調されて、これらの投映光束が合成された後、投写光学系67により投写されて、スクリーン(不図示)上にフルカラー画像が結像される。なお、以下に示す第1〜第3色光成分とは、青色、緑色、赤色の3原色光を任意の順に対応させることができる。
【0077】
すなわち、照明光学系から出射された照明光束は、ダイクロイックミラー62a、62bにより色光分解され、それぞれ第1〜第3色光成分用の画像が表示される液晶パネル64a〜cに照射される。ダイクロイックミラー62aは、照明光束を第1色光成分光束と第2、第3色光成分の合成光束とに分離し、ダイクロイックミラー62bは、ダイクロイックミラー62aにより分離された第2、第3色光成分の合成光束を、第2色光成分と第3色光成分とに分離するものである。照明光束の光路上には、偏向のための全反射ミラー63a〜dと、集光レンズ61a〜fとが配され、液晶パネル64a〜c上には、第1インテグレータ部4のフライアイから出射された各部分光束、および第2インテグレータ部5から出射された補助光源部2からの光束が重畳される。液晶パネル64a〜cを透過し、所定の画像情報に基づいて光変調された投映光束である第1〜第3色光成分光束は、内部に、第1色光成分を反射するダイクロイック膜65aと第3色光成分を反射するダイクロイック膜65bとを有する、クロスプリズム66により合成される。
【0078】
本実施例によれば、本発明に係る照明光学系を備えていることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く明るく均一な照明を行ない得る投写型表示装置を得ることができる。
【0079】
なお、本発明の投写型表示装置としては上述した実施例のものに限られず、種々の態様の変更が可能である。例えば、本発明の投写型表示装置としては、本発明の照明光学系を任意に用いることができる。また、上記装置の照明光学系は、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bからなる補助光源部を備えているが、補助光源部は、例えば実施例1と同様の、分光分布が同様なレーザ光源31a、31bを備えていてもよい。
【0080】
また、第1および第2インテグレータ部がフライアイであるか、ロッドインテグレータであるか、あるいは設けられていないかによって、後段の装置構成が限定されるものではない。ただし、これらの組み合わせは任意であるが装置全体としての整合性は必要である。
【0081】
また、本発明の投写型表示装置においてライトバルブは実施例のものに限られない。例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や、反射型画像表示素子よりなるライトバルブを備えた投写型表示装置にも、本発明の照明光学系を適用することができる。また、本発明の投写型表示装置は必ずしもカラー画像表示装置に限られず、モノクロ画像表示装置とされていてもよい。
【0082】
また、前述したとおり、本発明に係る照明光学系は、主要光源部から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を、補助光源部を構成する複数の光源のうち少なくとも1つの光源から出射させるように構成することができる。例えばこの場合のように、補助光源部を構成する複数の光源のうち少なくとも1つの光源からの光束が、白色光でなく特定の波長域に光強度が偏っている場合には、補助光源部を構成する複数の光源のうち少なくとも1つの光源からの光束は、照明光束を色光分解し各色光ごとに各々ライトバルブにより画像情報を担持させた後に色合成を行なう構成の装置の、複数のライトバルブのうち一部のライトバルブのみを照明するように構成してもよい。例えば、主要光源部が白色光を出射し、補助光源部のうち少なくとも1つの光源が赤色半導体レーザとされている場合、この光源からの光は赤色成分用のライトバルブのみを照明するように構成されていてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置によれば、光源とリフレクタよりなる主要光源部から出射された光束の、中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する、複数の光源からなる補助光源部を備えていることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く、明るく均一な照明を行ない得る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る照明光学系の概略構成図
【図2】図1の第1フライアイの概略構成図
【図3】図1の偏光変換光学系の概略構成図
【図4】本発明の実施例2に係る照明光学系の概略構成図
【図5】本発明の実施例3に係る照明光学系の概略構成図
【図6】本発明の実施例4に係る照明光学系の概略構成図
【図7】超高圧水銀灯の可視領域における波長の分光分布図
【図8】本発明の実施例6に係る照明光学系の概略構成図
【図9】リフレクタを備えた第1の従来の光源部の概略構成図
【図10】リフレクタを備えた第2の従来の光源部の概略構成図
【図11】リフレクタを備えた第3の従来の光源部の概略構成図
【図12】本発明の実施例5に係る照明光学系の概略構成図
【符号の説明】
1 主要光源部
2 補助光源部
3 偏向ミラー
4 第1インテグレータ部
5 第2インテグレータ部
6 偏光変換光学系
7、66 クロスプリズム
11 光源
12、104 放物面リフレクタ
13、105 楕円面リフレクタ
15 第2フライアイ
16 第1フライアイ
17、18 レンズセル
19 偏光分離膜
20 反射膜
21 λ/2位相膜
22、25 プリズム面
23、36 ロッドインテグレータ
24、37、38、47、61 集光レンズ
31 半導体レーザ
35 コリメータレンズ
51、65 ダイクロイック膜
62 ダイクロイックミラー
63 全反射ミラー
64 透過型液晶パネル
67 投写光学系
101 発光管
102 陰極
103 陽極
106 透明部材
107 棒状保持部材

Claims (5)

  1. 発光体およびこの発光体から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタを備えた主要光源部と、前記発光体そのものの大きさまたは前記リフレクタにおける非鏡面部の存在が原因となって形成される、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように別の光束を出射する、複数の光源からなる補助光源部と、該補助光源部の該複数の光源からの各光束を偏向せしめ互いに合わせて前記光束低密部に導入する、該光束低密部に配設された偏向導光手段とを備えたことを特徴とする照明光学系。
  2. 前記補助光源部が分光分布の同様な複数の光源からなり、この複数の光源から出射された光束が、照明光学系内の少なくとも一部の光路上において合成状態とされることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
  3. 前記補助光源部が分光分布の異なる少なくとも2種類の光源からなり、この少なくとも2種類の光源から出射された光束が、照明光学系内の少なくとも一部の光路上において合成状態とされることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
  4. 前記補助光源部の前記複数の光源からの各光束は、互いに異なる方向から前記光束低密部に向かうことを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
  5. 請求項1〜のうちいずれか1項記載の照明光学系を備え、この照明光学系からの光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう少なくとも1つのライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系を介し投写することを特徴とする投写型表示装置。
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