JP4243260B2 - インクジェット記録用媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、支持体と、その支持体の表面に形成された少なくとも1層のインク受理層と、最上層に形成された光沢発現層とを備えたインクジェット記録用媒体に関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させてインクジェット記録シートなどに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであり、高速,低騒音,フルカラー化が容易,記録パターンの融通性が大きい,現像−定着が不要等の長所があり、文字・各種図形の記録方式として種々の用途において急速に普及している。さらに、イエロー,マゼンタ,シアン,及びブラック等の色素を各々含有させた多色インクを用いるインクジェット記録方式により形成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画と比較して、遜色のない記録画像を得ることが可能であり、少ない作成部数でよい場合は、銀塩写真による現像よりも安価であることから、インクジェット記録方式はフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
インクジェット記録方式で使用されるインクジェット記録用シートとして、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙等の一般紙を用いることができるように、インクジェット記録装置やインク組成面の開発が活発になされてきたが、高速化,高精細度化,フルカラー化等、インクジェット記録装置の性能向上や用途の拡大に伴い、インクジェット記録用シートに対しても、より高度な特性が要求されるようになった。即ち、インクジェット記録用シートとして、印字ドットの濃度が高いこと,色調が明るく鮮やかであること,インク吸収が速いこと,印字ドットが重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしないこと,印字ドットのシート面方向への拡散が必要以上に大きくならないこと,印字ドットの形状が真円に近くかつ周辺が滑らかでぼやけないこと,白色度が高く、印字ドットとのコントラストが大きいこと,等の諸要求を満たす必要性が生じた。
従来の一般的なインクジェット記録用シートとしては、基紙等の記録シートの支持体の少なくとも一方の面に、非晶質シリカまたは合成シリカ,クレー,炭酸カルシウム等の顔料とバインダーとを主成分とする塗工液を、ブレードコータ,エアナイフコータ,ロールコータ,バーコータ,グラビアコータ,ロッドブレードコータ,リップコータ,カーテンコータ,ダイコータ等を用いて塗工することでインク受理層を形成したものが知られている。
多孔性顔料を適用した上述のようなインク受理層により、色再現性や画像再現性の向上を図っている。インク吸収性のあるインク受理層は、インクを吸収し保持するために、インク受理層中に空隙を多く有する必要がある。しかし、空隙の多いインク受理層は、インク受理層への入射光が散乱されてしまい、透過がさまたげられるため、不透明になり、空隙に浸透したインクに光が到達しにくくなるため画像が白っぽくなり、色再現性及び色濃度が低下する。また、空隙の多いインク受理層は、多孔質な表面となることから、高い光沢を望むことは難しい。
従来より、インク受理層にアルミナ又はアルミナ水和物を含有させたインクジェット記録用シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。アルミナ又はアルミナ水和物は、光沢性に優れるとともに、微細な空隙を形成しやすいので、光沢性の向上、空隙に浸透したインクへの光の到達度の向上を図ることができる。
また、最上層にコロイダルシリカを用いることでインクジェット記録用シートに光沢を発現させる提案もなされている(例えば、特許文献2、3参照)。特許文献2では、光沢向上のためにコロイダルシリカを用い、カチオン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後にキャストする方法が提案されている。特許文献3では、一次粒子径の異なるコロイダルシリカの2種以上を含む最上層を有するインクジェット記録用シートが提案されている。
特開2004−9523号公報 特開平2−274587号公報 特開平6−183134号公報
インクジェットプリンターに使用されるインクは、染料タイプが主流であるが、染料タイプのインクの欠点である印字部の退色性を改善すべく、顔料インクを搭載したプリンターが普及し始めている。この顔料インクを搭載したプリンターには、黒インクのみ顔料インクを搭載したタイプ、あるいは全色顔料インクを搭載したタイプのプリンターがある。
染料インクは、色材である染料が媒体である水に可溶であり、染料が分子状態でインク媒体中に存在している。顔料インクは、色材である顔料粒子が媒体である水に分散した状態で存在する。染料インクは、発色性が高いものの耐光性に劣り、顔料インクは、染料インクと比較して発色性が落ちるものの耐光性は向上する傾向がみられる。
染料インクは、色材が記録媒体に浸透する。一方、顔料インクは色材である顔料粒子がインクジェット記録用シート表面により多く残存する。特許文献1〜3に記載のインクジェット記録用シートでは、上記のように特徴の異なる染料インク及び顔料インクのいずれを用いても、優れたインク吸収性と高い印字濃度を同時に得ることは難しく、十分な品質の画像を得ることはできなかった。
本発明は、適度な光沢を有し、またインクジェット記録装置による印字について、染料インク及び顔料インクのいずれを用いてもインク吸収性に優れ、高い印字濃度が得られるインクジェット記録用媒体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、特にインクジェット記録用媒体の光沢発現層の組成及び塗工量について種々検討した結果、主として以下の手段により解決されることを見出した。
本発明は、支持体と、その支持体表面に形成された少なくとも1層のインク受理層と、最上層に形成された光沢発現層とを備えたインクジェット記録用媒体であって、前記光沢発現層は、第1の成分と第2の成分とを絶乾重量比が10:90〜60:40の範囲内となるように含む光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量7〜20g/m2で塗工して形成され、第1の成分は、平均一次粒子径が異なる少なくとも2種のコロイダルシリカからなり、第2の成分は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物からなり、前記アルミナ及び前記アルミナ水和物は、平均一次粒子径が12〜18nmの範囲内にあり、BET比表面積が150〜190m2/gの範囲内にある。
第1の成分は、好ましくは、平均一次粒子径が30nm以下のコロイダルシリカと、平均一次粒子径が60〜150nmの範囲内にあるコロイダルシリカを含む。
本発明によるインクジェット記録用媒体によると、上記JIS P 8142に規定される60度鏡面光沢度が45%以上であるインクジェット記録用媒体を得ることができるので、好ましくはかかる光沢度を有するインクジェット記録用媒体とする。
本発明のインクジェット記録用媒体において、最上部を湿潤状態として鏡面ロールへ圧着し、乾燥して光沢処理することにより光沢度を付与することが好ましい。なお、ここでいう「最上部」とは、インクジェット記録用媒体に光沢を付与するのに十分な範囲であればよく特に限定されないが、例えば光沢発現層全体であってもよい。
また、本発明は、支持体表面にインク受理層を塗設する工程(a)、第1の成分と第2の成分とを絶乾重量比が10:90〜60:40の範囲内となるように含む光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量7〜20g/m2で塗工して最上層に光沢発現層を塗設する工程(b)、及び最上部を湿潤状態として鏡面ロールへ圧着し、乾燥して光沢処理する工程(c)、を上記順で少なくとも有し、第1の成分は、平均一次粒子径が異なる少なくとも2種のコロイダルシリカからなり、第2の成分は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物からなり、前記アルミナ及び前記アルミナ水和物は、平均一次粒子径が12〜18nmの範囲内にあり、BET比表面積が150〜190m2/gの範囲内にある、インクジェット記録用媒体の製造方法である。
本発明により、適度な光沢を有し、またインクジェット記録装置による印字について、染料インク及び顔料インクのいずれを用いてもインク吸収性に優れ、高い印字濃度が得られるインクジェット記録用媒体及びその製造方法が得られる。
本発明は、支持体と、その支持体の表面に形成された少なくとも1層のインク受理層と、最上層に形成された光沢発現層とを備えたインクジェット記録用媒体であって、前記光沢発現層は、コロイダルシリカ成分(第1の成分)と、アルミナ成分(第2の成分)とを含む。コロイダルシリカ成分は、平均一次粒子径が異なる少なくとも2種のコロイダルシリカからなり、アルミナ成分は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物からなる。
本発明に係るコロイダルシリカとして、無機珪酸の超微粒子を水又は有機溶媒を分散媒として分散せしめたコロイド溶液を使用する。本発明では、光沢発現層に用いるコロイダルシリカとして、あらかじめ有機カチオン処理されたコロイダルシリカを用いることが好ましい。有機カチオン処理されたコロイダルシリカとは、一般的にはシリカに第1〜3級アミン基、4級アンモニウム塩基等の有機カチオン性基を有する有機カチオン性化合物等を反応させて得たもので、少なくともシリカ表面がカチオン性に荷電したものである。
光沢発現層に用いるコロイダルシリカとしてアニオン性のコロイダルシリカや無機カチオン処理されたコロイダルシリカを用いることも可能であるが、顔料インクに対する優れた吸収性、染色インクに対する優れた印字濃度を得る目的からカチオン性のコロイダルシリカを用いることが好ましい。すなわち、染料インク及び顔料インクのいずれに対しても、優れたインク吸収性を保ちつつ、高い印字濃度,色再現性,画像鮮明性を得るためには、コロイダルシリカとして有機カチオン処理されたコロイダルシリカを用いることが好ましい。尚、上述の通りコロイダルシリカとして、カチオン性のコロイダルシリカ及びアニオン性のコロイダルシリカのいずれを用いても良いが、コロイダルシリカの分散性を良くするために、使用するコロイダルシリカの極性は一つに統一されている方が好ましい。
本発明に係る光沢発現層は、平均一次粒子径の異なるコロイダルシリカを少なくとも2種類含み、平均一次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカと、平均一次粒子径が60〜300nmの範囲内にあるコロイダルシリカの組み合わせが好ましく、平均一次粒子径が30nm以下のコロイダルシリカと、平均一次粒子径が60〜150nmの範囲内にあるコロイダルシリカの組み合わせがさらに好ましい。また、平均一次粒子径が小さい方のコロイダルシリカと平均一次粒子径が大きい方のコロイダルシリカとは、両者の特性を活かすべく、光沢発現層内でその絶乾重量比が10:90〜90:10の範囲内であることが好ましい。
コロイダルシリカを含む光沢発現層は、コロイダルシリカの粒子径が非常に小さく表面の凹凸が微細であること,コロイダルシリカ粒子の表面が親水性であり水性インクに対して濡れ性が良いこと,及び無機質粒子であることからインクによる溶解・膨潤がなく、機械的,熱的にも安定であり、粒子の変形が生じず粒子間空隙が保存される等の理由により、インク吸収性、光沢発現層の光沢および画像記録部の光沢の並立を可能ならしめていると考えられる。さらには、平均一次粒子径が小さい(例えば、30nm以下)コロイダルシリカは、顔料インクの吸収性に寄与し、平均一次粒子径が大きい(例えば、60〜150nmの範囲内にある)コロイダルシリカは、顔料インクの印字濃度向上に寄与していると考えられる。尚、コロイダルシリカの平均一次粒子径が150nmを超えてしまうとコロイダルシリカの不透明性が高くなり、隠蔽性が発現してしまうことから印字部分の色彩性の低下を生じてしまい好ましくない。
本発明に係る光沢発現層は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物を含む。光沢発現層において、所望の光沢及び所望のインク吸収性を得るために、前記アルミナ及び前記アルミナ水和物は、好ましくは平均一次粒子径が12〜18nmの範囲内にあり、BET比表面積が150〜190m2/gの範囲内にあるものを使用する。アルミナ及びアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非結晶質でもよく、形態も限定されることなく、不定形や、球状、板状等の形態を有しているものを使用することができる。異なる形態のものを併用してもよい。
本発明に係るアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ形結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。本発明に係るアルミナ水和物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の組成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に係るアルミナまたはアルミナ水和物の分散には、分散剤を使用しなくてもよいが分散剤として一価の酸を使用することが好ましい。一価の酸としては乳酸,酢酸,蟻酸,硝酸,塩酸,臭化水素酸が好ましく使用される。
前述したコロイダルシリカ,アルミナ,アルミナ水和物の平均一次粒子径とは、一次粒子の形状が略球状である顔料については一次粒子の直径の平均値であり、一次粒子の形状が紡錘状である顔料については各一次粒子の長径と短径の平均値である平均粒子径の平均値である。
本発明に係るインクジェット記録用媒体は、JIS P 8142に準拠して測定される60度鏡面光沢度が、好ましくは45%以上である。45%未満では、光沢感が不足し好ましくない。
本発明に係るインクジェット記録用媒体の一形態は、インク受理層上に光沢発現層形成用塗工液を塗工して光沢発現層を塗設する。光沢を付与することを目的として、マシンカレンダー,TGカレンダー,ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用してカレンダー処理を施しても良い。さらに光沢性を向上させるために、最上部にキャスト処理を施しても良い。キャスト処理とは、最上部(光沢発現層全体であっても光沢発現層の上部であってもよい)を膨潤状態とし、加熱された鏡面ロールに圧着して鏡面仕上げする加工方法である。例えば、直説法,ゲル化法,リウェット法等が挙げられる。その他に、光沢性を向上させる方法として、膨潤状態とした最上部に平滑なフィルムを密着させ剥離除去し鏡面仕上げする方法を用いてもよい。
本発明において、光沢発現層形成用塗工液の絶乾塗工量は、7〜20g/m2とする。インク受理層の平滑性、光沢発現層の乾燥条件等によっても影響されるが、7g/m2未満であると十分な光沢が得られない上、発色性も低下してしまい、20g/m2を超えると、インク吸収性の悪化や印字部表面のひび割れが発生してしまう。
本発明に係る前記光沢発現層形成用塗工液は、コロイダルシリカ成分とアルミナ成分とを絶乾重量比で10:90〜60:40の割合で含むようにする。かかる範囲内にて、コロイダルシリカ成分と、アルミナ成分とを含有することにより、両者の特性が発揮される光沢発現層が形成される。尚、光沢発現層は、コロイダルシリカ,アルミナ,及びアルミナ水和物以外の顔料を含んでいてもよい。
また、十分な強度を有する光沢発現層を得るために、上記顔料100重量部に対し5〜30重量部のバインダーを併用することが好ましい。
バインダーとしては、一般に塗工シートに使用できるバインダーであれば限定されることはなく、例えば、ポリビニルアルコール又はその誘導体,酸化澱粉等の澱粉誘導体,メチルセルロースやカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体,カゼイン,大豆蛋白,ゼラチン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリエチレングリコール,ポリビニルエーテル,ポリアクリルアミド,ポリビニルピロリドン,ポリアクリル酸塩,マレイン酸樹脂,アルギン酸塩等を用いることができる。
本発明の一実施形態に係るインク受理層は、光沢発現層に隣接して支持体との間に塗設されるものであり、インク中の溶媒成分を吸収する塗層である。インク受理層により溶媒成分が光沢発現層から除去され、インク溢れの問題を回避することができる。
本発明に係るインク受理層は、顔料を含む。顔料としては、インクの吸収性が良く、印字鮮明性も高い合成非晶質シリカが望ましい。ただし、インク受理層として十分な特性を付加しうる顔料であれば単独で用いても良いし、合成非晶質シリカとともに併用しても良い。そのような顔料としては、例えばカオリン,クレー,焼成クレー,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本発明に係るインク受理層を形成するための塗工液(以下、「インク受理層塗工液」とする)の絶乾塗工量として、好ましくは3〜25g/m2とする。本発明に係るインク受理層形成用塗工液は、水溶性バインダーを含むことが好ましい。水溶性バインダーにより、光沢発現層とインク受理層との界面に接着性が発現し、該界面における接着性が向上する。インク受理層形成用塗工液に使用される水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール又はその誘導体,メチルセルロースやカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体,カゼイン,大豆蛋白,ゼラチン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリエチレングリコール,ポリビニルエーテル,ポリアクリルアミド,ポリビニルピロリドン,ポリアクリル酸塩,マレイン酸樹脂,アルギン酸塩等が挙げられる。インク受理層形成用塗工液のバインダーとしては、ポリビニルアルコールが特に好ましく用いられる。
更にインク受理層形成用塗工液には、添加剤として、カチオン系染料定着剤,顔料分散剤,増粘剤,流動性改善剤,消泡剤,抑泡剤,離型剤,発泡剤,浸透剤,着色染料,着色顔料,蛍光増白剤,紫外線吸収剤,防腐剤,防黴剤,耐水化剤,湿潤紙力増強剤,乾燥紙力増強剤,及び酸化防止剤等を適宜添加することもできる。
本発明に係る光沢発現層及びインク受理層を塗工する方法は、各種ブレードコータ,ロールコータ,エアーナイフコータ,バーコータ,ロッドブレードコータ,カーテンコータ等の各種装置を用いて行うことができる。
また、カール適性を付与するために、支持体のインク受理層が形成された面と反対側の面にバックコート層を塗設しても良い。
本発明に係るインクジェット記録用媒体に使用しうる支持体としては、紙,フィルム,不織布,またはそれらの複合体が一般に使用できるが、特にそれらに限定されるものではない。例えば、LBKP,NBKP等の化学パルプ、GP,PGW,RMP,TMP,CTMP,CMP,CGP等の機械パルプ,DIP等の古紙パルプ,又は木材パルプと公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤,歩留り向上剤,カチオン化剤,紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上適宜添加し混合した材料を、長網抄紙機,円網抄紙機,ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で抄造し製造された原紙や、さらにこの原紙に澱粉,ポリビニルアルコール等でアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙,コート紙,キャストコート紙等の塗工紙を用いることもできる。また、支持体としては連続気泡を有する多孔質の合成樹脂シートを用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾重量部及び絶乾重量%を示す。なお、実施例及び比較例に示した粒子径については、動的光散乱法により求めた平均粒子径である。
1.インクジェット記録用紙の作製
以下に示す実施例及び比較例において、支持体は、LBKP100重量部と、硫酸バンド/サイズ剤/タルクをそれぞれ30/10/10重量部を配合し、配合液を長網抄紙機にて抄造して作製された紙基材であって、紙面に澱粉を塗工したものを使用し、すべて共通とした。
表1は、実施例1〜6、比較例1〜4のインクジェット記録用紙の光沢発現層形成用塗工液の組成を示す。
Figure 0004243260
(実施例1)
1)インク受理層の塗設
インク受理層は、支持体の表面に塗設した。インク受理層形成用塗工液は、組成を湿式合成非晶質シリカ(シリカファインシールX45:トクヤマ社製)100部、重合度1700のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)55部、カチオン性水溶性樹脂(SR1001:住友化学社製)10部とし、ホモジナイザーにて湿式合成非晶質シリカを固形分が18%となるように蒸留水に分散後、各薬品を順次混合し、混合液の固形分が17%となるように蒸留水で希釈し、調液した。この塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように支持体にメイヤーバーで塗工し、乾燥した。
2)光沢発現層の塗設
インク受理層の上面に光沢発現層を塗設した。光沢発現層形成用塗工液を、表1に記載の組成で、ラボスターラーにて混合し、混合液全体の固形分が20%となるように蒸留水で希釈し、調液した。この塗工液を絶乾塗工量15g/m2となるように支持体にメイヤーバーで塗工し、乾燥した。その後、最上面を90℃の温水で再湿潤させ、表面をクロムメッキ加工した鏡面ロールへ圧着し、乾燥して実施例1の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(実施例2)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして実施例2の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(実施例3)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして実施例3の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(実施例4)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして実施例4の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(実施例5)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして実施例5の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(実施例6)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして実施例6の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例1)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして比較例1の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例2)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして比較例2の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例3)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして比較例3の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例4)
光沢発現層形成用塗工液の組成が、表1に記載の組成であること以外は、実施例1と同様にして比較例4の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例5)
光沢発現層形成工程において、光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量5g/m2となるように支持体にメイヤーバーで塗工し、乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
(比較例6)
光沢発現層形成工程において、光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量25g/m2となるように支持体にメイヤーバーで塗工し、乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の光沢調インクジェット記録用紙を得た。
2.評価
実施例1〜6、比較例1〜6で得られたインクジェット記録用紙について鏡面光沢度、印字濃度、インク滲みについて以下に示す方法で評価した。印字濃度及びインク滲みについては、顔料インクのインクジェットプリンターであるセイコーエプソン社製のPX−G900で純正水性顔料インクを使用し記録を行い、また染料インクのインクジェットプリンターであるPM−G700で純正染料インクを使用し記録を行い評価した。得られた結果については表2に示す。
鏡面光沢度:鏡面光沢度は、JIS P 8142による紙及び板紙の60度鏡面光沢度試験方法に準じて測定した。鏡面光沢度45%以上を◎、30%以上でかつ45%未満を○、20%以上でかつ30%未満を△、20%未満を×として評価した。
印字濃度:印字濃度は、反射濃度計(Spectro Eye:グレタグマクベス社製)にて測定した。ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの印字濃度の合計が4.80以上を◎、4.70以上でかつ4.80未満を○、4.60以上でかつ4.70未満を△、4.60未満を×として評価した。
インク滲み:インク滲みは、目視にて評価した。印刷後滲みが全く見当たらない場合は◎、印刷後、300%印字の色境界で滲みが若干見当たるが、境界の判別ができ、実質上問題ない場合は○、印刷後、300%印字の色境界で滲みが目立ち境界の判別が困難な場合は△、印刷後、100%印字境界でも滲みが目立ち、境界の判別が困難な場合は×として評価した。
Figure 0004243260
表2に示す結果から、本発明の実施例1〜6のインクジェット記録用紙は、比較例1〜6のインクジェット記録用紙と比較して優れた光沢性を有するととともに、顔料インク及び染料インクいずれのインクによる印字に対しても、高い印字濃度が得られ、インク滲みがほとんどないことがわかる。比較例1〜6のインクジェット記録用紙では、顔料インク及び染料インクいずれのインクに対しても優れた特性を有するものはなかった。
本発明のインクジェット記録用媒体は、顔料インク及び染料インクのいずれのインクを用いるインクジェット記録方式に対しても、優れた特性を有する記録用媒体として使用することができる。また、本発明に係る記録用媒体を用いてインクジェット方式で記録を行うことにより、光沢性に優れ、印字濃度高く、インク滲みがほとんどない記録済み媒体を提供することができるので、優れた外観の記録済み媒体を提供する必要性がある場合に特に適している。

Claims (4)

  1. 支持体と、その支持体の表面に形成された少なくとも1層のインク受理層と、最上層に形成された光沢発現層とを備え、前記光沢発現層をキャスト処理してなる、染料インク及び顔料インク兼用のインクジェット記録用媒体であって、
    前記光沢発現層は、第1の成分と第2の成分とを絶乾重量比が10:90〜60:40の範囲内となるように含む光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量7〜20g/m2で塗工して形成され、
    第1の成分は、平均一次粒子径が30nm以下のコロイダルシリカと、平均一次粒子径が60〜150nmの範囲内にあるコロイダルシリカを含み、
    第2の成分は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物からなり、前記アルミナ及び前記アルミナ水和物は、平均一次粒子径が12〜18nmの範囲内にあり、BET比表面積が150〜190m2/gの範囲内にある、染料インク及び顔料インク兼用のインクジェット記録用媒体。
  2. JIS P 8142に規定される60度鏡面光沢度が45%以上である、請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
  3. 最上部を湿潤状態として鏡面ロールへ圧着し、その後乾燥して光沢処理してなる、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用媒体。
  4. 支持体表面にインク受理層を塗設する工程(a)、
    第1の成分と第2の成分とを絶乾重量比が10:90〜60:40の範囲内となるように含む光沢発現層形成用塗工液を絶乾塗工量7〜20g/m2で塗工して最上層に光沢発現層を塗設する工程(b)、及び
    最上部を湿潤状態として鏡面ロールへ圧着し、乾燥して光沢処理するキャスト処理工程(c)、を上記順で少なくとも有し、
    第1の成分は、平均一次粒子径が30nm以下のコロイダルシリカと、平均一次粒子径が60〜150nmの範囲内にあるコロイダルシリカを含み、
    第2の成分は、アルミナ及び/又はアルミナ水和物からなり、前記アルミナ及び前記アルミナ水和物は、平均一次粒子径が12〜18nmの範囲内にあり、BET比表面積が150〜190m2/gの範囲内にある、染料インク及び顔料インク兼用のインクジェット記録用媒体の製造方法。
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