JP4242227B2 - 哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器 - Google Patents

哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器 Download PDF

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Description

本発明は、哺乳動物の人工授精または胚移植のために、体外に取り出した胚または卵子を凍結保存する容器に関するものである。
哺乳動物では、体外に取り出した***、卵子、胚等の生殖細胞を雌の体内に注入して受胎させるためには、雌の性周期が受胎に適した状態になっていなければならない。そこで、人工授精または胚移植を適期に行うためには、前記生殖細胞を代謝を停止させた状態で、生きたまま長期間保存しておく必要があり、前記生殖細胞を凍結して保存することが行われている。前記生殖細胞を凍結する方法として、例えば、緩慢凍結法が知られている。
前記緩慢凍結法では、まず、室温において、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)等の生理的溶液に、1〜2モル/lの濃度の耐凍剤を添加した保存液に前記生殖細胞を浸漬する。前記耐凍剤としては、グリセロール、エチレングリコール等の化合物が用いられる。前記耐凍剤は、細胞内外の溶液の重量モル濃度を高くすることにより、溶液の凝固点を降下させ、凍結しにくくする効果がある。
前記保存液に前記生殖細胞を浸漬すると、細胞膜は前記耐凍剤よりも水分を透過させやすいので、浸漬直後には該生殖細胞内の水分が該保存液中に流出して、該生殖細胞内外の浸透圧が等圧に維持される。前記生殖細胞は前記水分の流出により初めは収縮するが、その後、前記耐凍剤が該生殖細胞内に透過するに従って徐々に膨張し、体積が回復する。前記生殖細胞は、細胞内外の前記耐凍剤濃度が平衡に達するまで、前記保存液に浸漬する。
次に、前記生殖細胞を前記保存液と共に細型ストロー等の容器に充填し、前記保存液の凝固点よりもやや低い温度まで冷却した後、前記生殖細胞外の該保存液中に氷晶を形成させる(植氷)。前記植氷は、例えば、液体窒素中に浸漬したピンセットを前記容器に接触させることにより行うことができる。
前記植氷により前記生殖細胞外の前記保存液中に氷晶が形成されると、該氷晶は水分のみからなるため、該保存液は濃縮され、該生殖細胞内外の浸透圧に差が生じる。この結果、前記生殖細胞内の水分が前記保存液中に流出して、前記浸透圧を等圧に維持しようとする働きが生じ、該生殖細胞内の溶液も濃縮される。尚、前記生殖細胞から前記保存液中に流出した水分は、前記保存液中の水分と共に氷晶を形成する。
そこで、前記容器を0.3〜0.5℃/分の速度で−30〜−35℃まで冷却することにより、前記生殖細胞内外の溶液が十分に冷却され、粘性が高くなる。このような状態で、前記容器をさらに液体窒素の温度(−196℃)まで冷却すると、前記生殖細胞内とその外の周囲の微小溶液がいずれも非結晶のまま固体となるガラス化(Vitrification)が起きる。前記ガラス化により細胞内外が固化すると、実質的に分子の動きが無くなるので、前記ガラス化された前記生殖細胞は液体窒素中に保存することにより半永久的に保存できると考えられる。
ところが、前記緩慢凍結法では、前記容器を0.3〜0.5℃/分の速度で−30〜−35℃まで冷却する過程をコンピュータ制御により行わねばならず、大がかりな装置を必要とするという問題がある。また、前記緩慢凍結法では、前記生殖細胞外の前記保存液中に氷晶が形成されるので、該生殖細胞が該氷晶により物理的に損傷を受ける虞がある。
そこで、前記問題を解決するために、ガラス化凍結法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。前記ガラス化凍結法は、前記PBS等の生理的溶液に8M程度の高濃度の耐凍剤を添加したガラス化液に前記生殖細胞を浸漬して、所定温度に所定時間保持した後、該生殖細胞を該ガラス化液と共に液体窒素に浸漬して冷却するものである。
前記ガラス化液は、高濃度の耐凍剤を含むために容易にガラス化する。従って、前記ガラス化凍結法は、前記生殖細胞内にガラス化に適した量の前記ガラス化液を透過させた状態で液体窒素の温度まで冷却することにより、前記生殖細胞内外の溶液を容易にガラス化することができ、コンピュータ制御等の大がかりな装置を必要としないとの利点がある。また、前記ガラス化液は高濃度の耐凍剤を含み、液体窒素の温度まで冷却されても氷晶が形成されないので、前記生殖細胞が氷晶により物理的に損傷を受ける虞がない。
しかしながら、前記ガラス化凍結法では、液体窒素中に保存した前記生殖細胞が損傷を受けることがあるという不都合がある。
葛西孫三郎、「受精卵の凍結保存−緩慢法とガラス化法」、家畜人工授精、社団法人日本家畜人工授精師協会、1997年11月、183号、p.17−19
本発明は、かかる不都合を解消して、体外に取り出した哺乳動物の胚または卵子を凍結保存する容器を提供することを目的とする。
前記ガラス化凍結法では、前記ガラス化液に浸漬された前記生殖細胞を液体窒素に浸漬する方法として、クライオループ法、ゲルローディングチップ法、ナイロンメッシュ法、クライオトップ法、マイクロドロップ法、オープンプルド法、ミニマムドロップサイズテクニック法等の種々の方法が提案されている。前記各方法は、いずれも前記生殖細胞を前記ガラス化液と共に液体窒素に浸漬するものである。
前記各方法では、液体窒素に浸漬する前の前記生殖細胞は、前記ガラス化液中に存在している状態であるが、液体窒素中では該ガラス化液も固化する。また、液体窒素中に保存されていた前記生殖細胞を融解するときには、前記固化していたガラス化液が逆に液体になる。このとき、前記液相と固相との相転換が急激に起きると、前記ガラス化液と前記生殖細胞との膨張率または収縮率の相違により断裂面が生じ、該断裂面が該生殖細胞を通過したときに該生殖細胞が損傷を受けるものと考えられる。
発明の哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器は、ガラス化された哺乳動物の胚または卵子を保持する吸収材を収容して液体窒素中に浸漬する哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器であって、収容された該吸収材が載置される大径凹部と、該吸収材に保持された該哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して該大径凹部の底部に設けられた小径凹部と、該大径凹部の周縁部から立ち上がる壁部材と、該壁部材の一部と該大径凹部の底部の一部とを破断して該大径凹部と外部とを連通する溝部とを備える容器本体と、該容器本体を閉蓋する天板と、該天板の周囲から垂下して該壁部材の外周側を包囲するスカート部と、該容器本体に収容された該吸収材に保持された該哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して該天板の内面に設けられた凹部とを備える蓋体とからなることを特徴とする。
本発明の容器では、ガラス化された哺乳動物の胚または卵子が、前記吸収剤に保持された状態で前記容器本体の大径凹部に載置され、該容器本体が前記蓋体で閉蓋するされる。このとき、前記大径凹部の底部には、前記吸収材に保持された前記哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して小径凹部が設けられいる。また、前記蓋体の天板には、前記容器本体に収容された前記吸収材に保持された前記哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して凹部が設けられている。
従って、本発明の容器によれば、前記吸収材に保持された前記哺乳動物の胚または卵子は、前記大径凹部の底部に設けられた小径凹部と、前記蓋体の天板に設けられた凹部との間にあって、前記容器本体または蓋体と直接接触することがなく、該容器本体または蓋体により物理的な損傷を蒙ることがない。
また、前記蓋体を取った状態では、前記吸収材に保持された前記哺乳動物の胚または卵子は、前記容器本体の大径凹部に載置され、前記大径凹部の周縁部から立ち上がる壁部材により周囲が囲まれて保護されている。このとき、前記容器本体には、前記壁部材の一部と前記大径凹部の底部の一部とを破断して該大径凹部と外部とを連通する溝部が設けられているので、該溝部にピンセットの先端部を挿入して前記吸収材の端縁部を把持することができる。
従って、本発明の容器によれば、該容器本体に収容された前記吸収材を、前記哺乳動物の胚または卵子を傷つけること無く、容易に取り出すことができる。
また、本発明の容器において、前記容器本体は、保管場所に設けられた突部に係合して固定する溝部を、底部外面に備えることを特徴とする。前記構成を備える本発明の容器によれば、前記容器本体の底部外面に備えられた溝部を、保管場所に設けられた突部に係合することにより、容器自体が固定された状態で前記哺乳動物の胚または卵子を保存することができ、該哺乳動物の胚または卵子の損傷を防止することができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の凍結保存方法で処理された生殖細胞を凍結保存する容器の説明的断面図であり、図2、図3は図1に示す保存容器の使用方法を示す説明図である。
本実施形態の凍結保存方法では、まず、生殖細胞としてのウシ胚盤胞を、30〜39℃、例えば39℃の凍結基礎培地に浸漬し、室温、例えば15℃の温度下で5〜15分間、例えば10分間保持する。前記凍結基礎培地としては、例えば、既知組成修正PB1培地に対し、1mg/mlとなる量のポリビニルピロリドンと、0.2モル/lとなる量のトレハロースと、14.8ミリモル/lとなる量のL−プロリンとを加えたもの等を用いることができる。尚、前記トレハロースとは、凍害防止効果のある糖類である。
次に、前記ウシ胚盤胞を、室温、例えば15℃の凍結前処理培地に浸漬し、室温、例えば15℃の温度下で3〜5分間、例えば5分間保持する。前記凍結前処理培地としては、例えば、前記凍結基礎培地に対し、7重量%となる量のエチレングリコールと、0.5重量%となる量のグリセロールとを加えたもの等を用いることができる。尚、前記エチレングリコールとグリセロールとは耐凍剤である。
次に、前記ウシ胚盤胞を、3〜10℃、例えば4℃のガラス化液に浸漬し、20〜60秒間、例えば30秒間保持する。前記ガラス化液としては、例えば、前記凍結基礎培地に対し、0.5モル/lとなる量のシュークロースと、30重量%となる量のエチレングリコールと、0.5重量%となる量のグリセロールとを加えたもの等を用いることができる。尚、前記シュークロースとは、凍害防止効果のある糖類である。
前記ウシ胚盤胞を前記ガラス化液に浸漬する時間が前記範囲よりも短いと、該ウシ胚盤胞に対するガラス化液の透過量が少なく、冷却したときに細胞内に氷晶が形成される虞がある。また、前記ウシ胚盤胞を前記ガラス化液に浸漬する時間が前記範囲よりも長いと、前記エチレングリコール、グリセロール等の耐凍剤の毒性により該ウシ胚盤胞の生存性が低くなることがある。
次に、前記ウシ胚盤胞を前記ガラス化液と共にガラス毛細管等に吸引し、滅菌した濾紙上に滴下して、該ウシ胚盤胞の周囲に付着している該ガラス化液を該濾紙に吸収させる。前記濾紙としては、例えば、乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルター(日本ミリポア株式会社製)を用いることができる。前記乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルターは、直径13mmであり、1枚の濾紙に多数の生殖細胞を保持させることができる。
次に、前記ウシ胚盤胞の周囲に付着している前記ガラス化液が前記濾紙に吸収されたことを確認されたならば、直ちに該ウシ胚盤胞が保持されている該濾紙を液体窒素に浸漬する。この結果、前記濾紙上にガラス化されたウシ胚盤胞が得られる。
次に、前記ウシ胚盤胞を、図1に示す凍結保存容器1に収容する。
図1に示す凍結保存容器1は、ステンレス等の金属製であり、ウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3を収容する容器本体4と、容器本体4を閉蓋する蓋体5とからなる。容器本体4は、ウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3が載置される大径凹部6と、濾紙3に保持されたウシ胚盤胞2の位置に対応して大径凹部6の底部に設けられた小径凹部7と、大径凹部6の周縁部から立ち上がる壁部材8と、壁部材8の一部と大径凹部6の底部の一部とを破断して大径凹部6、小径凹部7と外部とを連通する溝部9と、容器本体4を後述の保管部材に固定する係合溝部10とを備えている。一方、蓋体5は、容器本体4を閉蓋する天板11と、天板11の周囲から垂下して壁部材8の外周側を包囲するスカート部12と、容器本体4に収容された濾紙3に保持されたウシ胚盤胞2の位置に対応して天板11の内面に設けられた凹部13とを備えている。
凍結保存容器1によれば、ウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3が容器本体4の大径凹部6に載置されて、容器本体4が蓋体5で閉蓋されたときに、ウシ胚盤胞2の上下には容器本体4の小径凹部7と、蓋体5の凹部13とが位置している。従って、ウシ胚盤胞2は、容器本体4または蓋体5と直接接触することがなく、容器本体4または蓋体5との接触による物理的な損傷を防止することができる。
凍結保存容器1にウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3を収容するときには、図2に示すように、ピンセット14等により濾紙3の端縁部を把持して、蓋体5を外した状態の容器本体4の大径凹部6に濾紙3を載置する。このとき、容器本体4には、溝部9が設けられているので、ピンセット14の先端を溝部9に挿入することにより、大径凹部6に濾紙3を載置する操作を容易に行うことができる。また、凍結保存容器1からウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3を取り出すときには、前記収容のための操作と全く逆の手順により行うことができる。
尚、本実施形態では、溝部9は大径凹部6、小径凹部7と外部とを連通するように形成されているが、溝部9はピンセット14の先端を挿入して濾紙3の端縁部を把持することができるものであればよく、小径凹部7は外部と連通されていなくてもよい。また、凍結保存容器1では容器本体4と蓋体5との間にはクリアランスが無く、後述のように凍結保存容器1を液体窒素中に浸漬したときにも、液体窒素が凍結保存容器1内に侵入することができない。液体窒素は無菌ではないので、液体窒素が凍結保存容器1内に侵入できないようにすることにより、ウシ胚盤胞2が液体窒素中の菌に侵されることを防止することができる。
凍結保存容器1は、例えば、図3に示す収納筒21に収容されて、液体窒素中に保存さえる。収納筒21は、ステンレス等の金属製であり、半円筒状の収納筒本体22と、半円筒状の蓋体23とからなり、収納筒本体22は端縁部に長さ方向に沿う凹溝24を備え、蓋体23は端縁部に長さ方向に沿って設けられた凸条25を凹溝24に係合させることにより、長さ方向に摺動自在とされている。また、収納筒本体22は複数の棚板26を備え、棚板26には凍結保存容器1の容器本体4に備えられている係合溝部10に係合する突部27が設けられている。
そこで、ウシ胚盤胞2が保持されている濾紙3を収容した凍結保存容器1は、係合溝部10を収納筒本体22の突部27に係合させることにより、棚板26に固定される。そして、蓋体23を収納筒本体22の長さ方向に摺動させることにより、凍結保存容器1を収納した収納筒21が閉蓋される。
収納筒21は、液体窒素容器に充填された液体窒素中に浸漬されて保存される。前記液体窒素容器としては、生殖細胞の冷凍保存のために従来用いられている容器をそのまま用いることができる。
本実施形態の凍結保存方法により凍結保存されたウシ胚盤胞2の融解は、液体窒素中の凍結保存容器1から取り出した濾紙3を、38〜40℃、例えば39℃の融解培地に浸漬し、5〜10分間、例えば5分間保持することにより行うことができる。前記融解培地としては、例えば、既知組成修正PB1培地に対し、1mg/mlとなる量のポリビニルピロリドンと、0.3モル/lとなる量のシュークロースとを加えたもの等を用いることができる。
濾紙3に保持されたウシ胚盤胞2は、前記条件で前記融解培地に浸漬することにより、融解と、濾紙3からの回収とを同時に行うことができ、さらに前記ガラス化液が除去される。ガラス化液が除去されたウシ胚盤胞2は、培養用培地に移して培養する。
次に、実施例を示す。
まず、生殖細胞としての胚(ウシ胚盤胞)を、39℃の凍結基礎培地約0.1mlに浸漬し、10分間保持した。前記凍結基礎培地としては、既知組成修正PB1培地に対し、1mg/mlとなる量のポリビニルピロリドンと、0.2モル/lとなる量のトレハロースと、14.8ミリモル/lとなる量のL−プロリンとを加えたものを用いた。
次に、前記ウシ胚盤胞を、15℃の凍結前処理培地約0.1mlに浸漬し、5分間保持した。前記凍結前処理培地としては、前記凍結基礎培地に対し、7重量%となる量のエチレングリコールと、0.5重量%となる量のグリセロールとを加えたものを用いた。
次に、前記ウシ胚盤胞を、4℃のガラス化液約2mlに浸漬し、20〜30秒間の間に、ガラス毛細管を用いて吸引と排出とを2〜3回くり返して、該ガラス化液と平衡させた。前記ガラス化液としては、前記凍結基礎培地に対し、0.5モル/lとなる量のシュークロースと、30重量%となる量のエチレングリコールと、0.5重量%となる量のグリセロールとを加えたものを用いた。
次に、前記ウシ胚盤胞を約5μlの前記ガラス化液と共にガラス毛細管等に吸引し、滅菌した乾燥濾過滅菌用メンブレンフィルター(日本ミリポア株式会社製)に滴下して、該ウシ胚盤胞の周囲に付着している該ガラス化液を該フィルターに吸収させた。前記ガラス化液の吸収は、目視により確認した。
次に、前記ガラス化液の吸収を確認後、直ちに前記ウシ胚盤胞が保持されている前記フィルターを液体窒素に浸漬し、該ウシ胚盤胞をガラス化させた。そして、前記ウシ胚盤胞が保持されている前記フィルターを図1に示す凍結保存容器1に収容し、凍結保存容器1を液体窒素中に浸漬して1〜14日間保存した。
次に、前述のようにして保存されたウシ胚盤胞を融解した。前記融解は、前記ウシ胚盤胞が保持されている前記フィルターを39℃の融解培地に浸漬し、5分間保持することにより行った。前記融解培地としては、既知組成修正PB1培地に対し、1mg/mlとなる量のポリビニルピロリドンと、0.3モル/lとなる量のシュークロースとを加えたものを用いた。前記融解の結果、本実施例では、供試胚数5に対し生存胚数は5で、全数が生存していた。
次に、前記融解により生存していた胚(ウシ胚盤胞)の全数を培養したところ、生存胚数5の全数が孵化した。
従って、本実施形態の凍結保存方法によれば、該凍結保存方法で処理した生殖細胞に対して優れた生存性を得ることができ、しかも生存していた生殖細胞の品質を極めて良好に維持することができることが明らかである。
尚、本実施形態では生殖細胞としてウシ胚盤胞を例に挙げて説明している。しかし、本実施形態の凍結保存方法は、各培地の組成、ガラス化液の組成、ガラス化液に浸漬する際の得気温、時間等を調整することにより、ウシ***、ウシ卵子、他の哺乳動物の***、卵子、胚等の他の生殖細胞にも適用することができる。
本発明の凍結保存容器の一構成例を示す説明的断面図。 図1に示す凍結保存容器の使用方法を示す説明図。 図1に示す凍結保存容器の使用方法を示す説明図。
符号の説明
1…凍結保存容器、 2…生殖細胞、 3…濾紙、 4…容器本体、 5…蓋体、 6…大径凹部、 7…小径凹部、 8…壁部材、 9…溝部、 10…係合溝部、 11…天板、 12…スカート部、 13…凹部、 26…保管場所、 27…突部。

Claims (2)

  1. ガラス化された哺乳動物の胚または卵子を保持する吸収材を収容して液体窒素中に浸漬する哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器であって、
    収容された該吸収材が載置される大径凹部と、該吸収材に保持された該哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して該大径凹部の底部に設けられた小径凹部と、該大径凹部の周縁部から立ち上がる壁部材と、該壁部材の一部と該大径凹部の底部の一部とを破断して該大径凹部と外部とを連通する溝部とを備える容器本体と、
    該容器本体を閉蓋する天板と、該天板の周囲から垂下して該壁部材の外周側を包囲するスカート部と、該容器本体に収容された該吸収材に保持された該哺乳動物の胚または卵子の位置に対応して該天板の内面に設けられた凹部とを備える蓋体とからなることを特徴とする哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器。
  2. 前記容器本体は、保管場所に設けられた突部に係合して固定する係合溝部を、底部外面に備えることを特徴とする請求項1記載の哺乳動物の胚または卵子の凍結保存容器。
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