JP4241949B2 - 磨耗抑制効果を有するフルオロカーボンエラストマーとの相容性を改良する薬剤 - Google Patents

磨耗抑制効果を有するフルオロカーボンエラストマーとの相容性を改良する薬剤 Download PDF

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Description

本発明はフルオロカーボン(fluorocarbon)エラストマーとの相容性を改良するための潤滑油への添加剤としての抑制剤に関する。用途は自動車のエンジン油、自動車のトランスミッション油、特選工業用油パッケージなどにあり得る。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塩基性窒素原子を含む分散剤から成る潤滑油配合物のフルオロカーボンエラストマー封止剤との相容性の改良に関する。
【0002】
潤滑油配合物、特に自動車工業用のそれは、多数の添加剤を使用するが、それらはそれぞれの役割を有する。最も重要な添加剤の例は清浄剤(detergent)と分散剤であり、その名が示すようにそれらはエンジンの清潔を保証するために、および特にエンジンの金属部またはその他の部分の攻撃により生じる不純物を潤滑油配合物により懸濁状態に保つために使用される。
【0003】
現在最も広く使われている分散剤は、おそらくホウ素の誘導体、エチレンカーボネートまたは専門の文献において知られているその他の後処理試薬と共におそらく後処理されたポリアミンと、ポリイソブチレン型(PIBSA)のアルキル鎖によりα位置に置換された無水コハク酸の反応生成物である。使用されるポリアミンのなかで、ポリアルキレン−アミン、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)および高重度ポリアルキレンアミン(HPA)、が好まれる。これらのポリアミンは、ポリイソブチレン型(PIBSA)のアルキル基により置換された無水コハク酸と反応して、これら2種の試薬のモル比に従って、モノスクシンイミド、ビスクシンイミド、またはそれらの混合物を与える。
【0004】
これらの反応生成物は、おそらく後処理されて、塩基数またはBNにより測定され、mgKOH/g試料として表される、一般に5〜50の塩基性窒素含有量を有する。このことはそれらに、稼働中に潤滑油または燃料の酸化の結果として形成される酸性成分による腐食からエンジンの金属部分を保護することを可能ならしめ、また同時にこれらの酸化生成物を潤滑油中に分散させておいて、潤滑油配合物を収容する容器内でのそれらの凝集および析出を防ぐことを可能にする。
【0005】
これらの分散剤は、もしそれらの相対的塩基性窒素含有量が高いならば、ポリアミンの窒素原子数がポリイソブテニルにより置換された無水コハク酸基の数よりも多い限りにおいて、なお一層有効である。
【0006】
しかし、これらの分散剤の塩基性窒素含有量が高いほど、ますますそれらは現代のエンジンに使用されるフルオロカーボンエラストマー封止剤の攻撃を利することになるが、それは塩基性窒素がこの種の封止剤の酸性水素原子と反応する傾向を有するからであり、そしてこの攻撃が結果としてその密封に割れ目の形成をもたらし、かつ、その封止剤がそれから作られるフルオロカーボン材料の他の望ましい物理的性質の損失をもたらす。
【0007】
【従来の技術】
このジレンマを解決するために、Chevronへの米国特許第5,326,552号明細書によれば、モノ−またはビスクシンイミド型の分散剤に環式炭酸エステルとの反応による後処理を受けさせることが提案された。そのような方法はこれらの添加剤を含む潤滑油中のスラッジ分散を改良するのみならず、その油のフルオロカーボンエラストマー封止剤との相容性も改良する。
【0008】
他の一つの解決方法が、これもChevronにより出願された、特許出願国際公開第WO 93/07242号の目的であり、そこでは塩基性窒素原子を含む添加剤から成る潤滑油のフルオロカーボンエラストマー封止剤との相容性がホウ酸エステル化(borated)芳香族ポリオール、例えばホウ酸化アルキルカテコール、の添加により保証されている。
【0009】
現在内燃機関に求められている長い寿命の要求に沿うために、潤滑油配合物は、それぞれが非常に特殊な役割を持つ多くのその他の成分を含まなくてはならないことは周知である。
【0010】
従って、前記の種類の分散剤のほかに他の清浄剤、例えば、スルホン酸塩、アルキルフェネートまたは金属サリチル酸塩、硫黄化されたまたはされない酸化防止剤、特にジアルキルジチオホスホン酸亜鉛、磨耗防止剤および極圧剤、発泡抑制剤、摩擦減少剤、錆抑制剤、腐食抑制剤、流動点降下剤、粘度指数改良剤および多くのその他の添加剤が加えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、米国特許出願第08/676,048号明細書に示されているように、潤滑油組成物において磨耗防止剤および/または極圧添加剤として有用な、あるジチオエチレン誘導体が、前記に論じられたように、フォルクスワーゲンPV3344試験においてフルオロカーボンエラストマー封止剤との相容性も改良するという発明者らの意外な発見に基づくものである。それらは約0.1重量%処理率から、好ましくは約0.1〜1.5重量%で、有効であり、フルオロカーボンエラストマー封止剤との優れた相容性を与え、更にエンジンの磨耗を保護する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
それらのジチオエチレン誘導体は次の式を有するものである。
【化2】
Figure 0004241949
式中、RとR1 は独立に、4〜30の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、8〜30の炭素原子を有するアルケニルオキシカルボニル、7〜30の炭素原子を有するアリールオキシカルボニル、4〜30の炭素原子を有するアルキルカルボニル、8〜30の炭素原子を有するアルケニルカルボニル、7〜30の炭素原子を有するアリールカルボニル、または8〜30の炭素原子を有するアリールアルキルであるか、またはRとR1 はそれらが結合されている炭素原子と共に、1〜30までの炭素原子を独立に有する1つまたは2つのアルキル基により場合により置換されている5または6の炭素原子を有する飽和または不飽和の炭素環を形成し、更に
【0013】
2 とR3 は独立に、3〜30の炭素原子および少なくとも一つの硫黄原子を有する硫化アルキル、そのアルコキシ部分が2〜5の炭素原子を有し、かつそのアルキル部分が1〜10の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアルキル、7〜30の炭素原子を有するアリールアルキル、または2〜30の炭素原子を有するホウ酸化ヒドロキシアルキル(borated hydroxy alkyl)であり、但しR、R1 、R2 およびR3 は共に潤滑性粘度の油中に油溶性の化合物を与えるため十分な炭素原子を含むことを条件とする。
【0014】
好ましくはRとR1 は独立に8〜30の炭素原子を有するアルコキシカルボニルである。
【0015】
最も好ましくは、RとR1 はそれぞれカルボ−2−エチルヘキソキシであり、かつR2 とR3 は2〜30の炭素原子を独立に有するホウ酸化ヒドロキシアルキルである。好ましくは、R2 とR3 は共通のホウ素原子を共有して環式構造を形成する。
【0016】
上記のように、油溶性は一般にR、R1 、R2 およびR3 置換基における炭素原子の全数により与えられる。従って、これらの置換基の一つまたは多数が小さい置換基である場合には、油溶性はその他の置換基の鎖の長さまたは炭素原子の数を増すことにより与えられる。
【0017】
他の一態様において、本発明は潤滑性粘度を有する油の主成分量と本発明のフルオロカーボンエラストマーとの相容性を改良する薬剤から成る潤滑油組成物を提供する。
【0018】
さらに他の一態様において、本発明のフルオロカーボンエラストマーとの相容性を改良する薬剤約0.5〜30重量%と不活性炭化水素希釈液から成る濃縮組成物を本発明は提供する。
本発明の追加の諸態様は次の説明から明らかになるであろう。
【0019】
その最も広い態様において、本発明は潤滑油組成物において磨耗防止剤および/または極圧添加剤として有用である新規な種類の化合物がまたフォルクスワーゲンPV3344試験においてフルオロカーボンエラストマー封止剤との相容性も改良するという意外な発見を包含する。
【0020】
性能に関して特に好ましい本発明の化合物は、前記式IにおいてRとR1 が独立に8〜30の炭素原子を有するアルコキシカルボニルである化合物である。好ましくは、R置換基はR1 置換基と同一であり、さらに好ましくはRとR1 の両者共アルコキシカルボニルであり、最も好ましくはRとR1 の両者共カルボ−2−エチルヘキソキシである。通例、最善の結果は性能に関して、また製造の容易さとも結ばれて、それらの化合物が同じくR2 とR3 により置換されている場合に得られる。好ましくはR2 とR3 の両者共2〜30の炭素原子を有するホウ酸化ヒドロキシアルキルである。最も好ましくは、R2 とR3 が共通のホウ素原子を共有して環式構造を形成することである。
【0021】
ここで使用されるとき次の用語は特に反対の意味に述べられなければ、次のような意味を有する。
用語「アルキル」は直鎖のおよび分岐鎖のアルキル基の両者のことを指し、そして第一級、第二級および第三級アルキル基を含む。
用語「アルケニル」は不飽和のアルキル基を指す。
用語「アリール」は不飽和のフェニル基を指す。
【0022】
用語「アルキルカルボニル」は式、
【化3】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアルキルである。
【0023】
用語「アルケニルカルボニル」は式、
【化4】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアルケニルである。
【0024】
用語「アリールカルボニル」は式、
【化5】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアリールである。
【0025】
用語「アルコキシカルボニル」は式、
【化6】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアルキルである。
【0026】
用語「アルケニルオキシカルボニル」は式、
【化7】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアルケニルである。
【0027】
用語「アリールオキシカルボニル」は式、
【化8】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’はアリールである。
【0028】
用語「アルコキシカルボニルアルキル」は式、
【化9】
Figure 0004241949
の基を指し、式中R’とR”はアルキルである。
【0029】
用語「アリールアルキル」はアリール基により置換されたアルキル基を指す。用語「ヒドロキシアルキル」はヒドロキシル基により置換されたアルキル基を指す。
用語「ホウ酸化ヒドロキシアルキル」はヒドロキシアルキルとホウ酸の反応生成物を指す。
用語「カルボサイクル」は炭素骨格を有する飽和環状基を指す。
用語「硫化アルキル」は硫黄により置換されているアルキル基を指す。
【0030】
用語「塩基価」(”Base Number”)または「BN」は試料1g中のKOHのミリグラム数に相当する塩基の量を指す。従って、BN数が高いほどより多くのアルカリ性生成物を表し、それ故より多くのアルカリ度蓄積を表す。ある試料のBNはASTMテスト第D2896号またはいずれか他の同等の方法により測定されることができる。
【0031】
用語「油溶性」は、その添加剤がベース潤滑油中に20℃で少なくともキログラム当たり50g、そして好ましくは少なくともキログラム当たり100gの溶解度を有することを意味する。
【0032】
用語「潤滑性粘度の油」とは一般に潤滑油組成物の場合に100℃で3〜20cStの粘度を有する油を指し、そして単独の油または油の混合物であってもよい。
【0033】
合成
一般に本発明の化合物は米国特許第4,389,400号および同第4,447,450号明細書に記載の方法(ここに引用によりそれらの全体において組み込まれる)を適用することにより、かつ本発明の化合物において望まれる置換基に対応する適当な出発原料を使用することにより製造されることができる。
【0034】
式IにおいてR2 がR3 と同一である化合物は対応するビス(2,2チオアート)金属塩と次式の対応するハロゲン化物との反応により便宜製造されることができる。
【化10】
Figure 0004241949
式中R、R1 およびR2 は前記に定義されたとおりであり、Xはハロゲン基、好ましくは塩素または臭素であり、または適当な脱離基を有するいずれかのアルキル化剤であり、そしてMは金属陽イオン、好ましくはアルカリ金属、例えば、カリウムまたはアンモニウム陽イオンである。(また、簡単のためMは1価の陽イオンとして示されたが、Mはまた2価のまたは多価の陽イオンあることもでき、その場合MはM/r(rはMの原子価である)として表されるであろう)。
【0035】
この製法は化合物(A)を化合物(B)と、反応温度で、好ましくは不活性有機溶媒の中で、接触されることにより好都合に行われることができる。
典型的に、この製法は約−10〜+50℃の範囲内の、好ましくは20℃〜40℃の温度で約1〜48時間、好ましくは約4〜8時間、約2〜4モル、好ましくは約2〜2.2モル、の(B)を化合物(A)のモル当たりに使用して行われる。使用される適当な不活性有機溶媒は、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエン、メタノール、およびそれらの相容性ある混合物を含む。
【0036】
一般にR2 とR3 が同じである化合物は、上記の手順によりそのような化合物を製造する容易さの故に、好まれる。しかし、もし望ましければ、R2 とR3 が異なるかまたは同じである式Iの化合物は、次の一連の全体にわたる反応方程式により図式で表された次の製法により製造されることができる。
【0037】
【化11】
Figure 0004241949
式中R、R1 、R2 、R3 およびxは前記に定義されたとおりである。
【0038】
この製法の第1段階は化合物A’を無機塩基(例えば、水酸化カリウム)および二硫化炭素と反応条件下で、好ましくは不活性有機溶媒の中で、接触させるこりにより都合よく達成されることができる。
【0039】
通例、この製法の段階(2)は約0℃〜50℃の、好ましくは0℃〜20℃の範囲内の温度で約1/2〜4時間、好ましくは約1〜2時間、約2〜3当量の、好ましくは約2〜2.1当量の、無機塩基および約1〜2.5当量の二硫化炭素を化合物(A’)のモル当たりに使用して行われる。使用されることができる適当な無機塩基と有機溶媒は既に前記したものを含む。適当な無機塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを含む。好ましくは、この反応は塩基として粉末化された水酸化カリウムをジメチルホルムアミド媒体の中で使用する。
【0040】
式(A’)の化合物は一般に知られた化合物であつて、既知の製法によりまたはその明らかな一部変更のものにより(例えば、適当に置換された出発原料を用いることにより)製造されることができる。
【0041】
次の反応段階(3)は化合物(C)と望みのR2 置換基を有する適当な有機ハロゲン化物(B)を反応条件下に、好ましくは不活性有機溶媒の中で、接触させることにより都合よく達成されることができる。
【0042】
この製法のこの段階は典型的に約0〜100℃の、好ましくは約20〜80℃の範囲内の温度で、約1〜26時間、好ましくは約4〜8時間、約1〜2モル、好ましくは約1〜1.1モルの化合物(B)を化合物(C)1モル当たりに使用して行われる。使用されることができる適当な不活性有機溶媒は、例えば、化合物(I’)を製造するために使用された反応方程式(1)に関して記載されたもの、などを含む。
【0043】
最終反応段階(4)は化合物(D)を無機塩基および化合物(B’)と反応条件下で、好ましくは不活性有機溶媒の中で、接触させることにより達成されることができ、そしてその前の反応段階(3)の反応生成物の混合物と、有機溶媒を除かないでその場で都合よく行われる。製法の反応段階(4)は典型的に約0〜100℃の、好ましくは約20〜80℃の範囲内の温度で、約1〜26時間、好ましくは約4〜8時間、約1〜2当量の、好ましくは約1〜1.1当量の無機塩基および約1〜2当量の、好ましくは約1〜1.2当量の化合物(B’)を化合物(D)当たりに使用して行われる。使用されることができる適当な無機塩基および不活性有機溶媒は既に前記したものを含む。
【0044】
式Aの出発原料は反応段階(2)と同じ一般手順で、モノ塩の代わりにビス塩を生成するために無機塩基の量を増すことにより製造されることができる。
【化12】
Figure 0004241949
式中R、R1 およびMは前記に定義されたとおりである。
【0045】
反応段階(5)は約2〜2.5当量の無機塩基を適当な試薬A’に加えることにより行われる。この反応は不活性有機溶媒を使用して液相内で行われる。使用されることができる適当な無機塩基と不活性有機溶媒は既に前記したものを含む。好ましくは、その反応は塩基として粉末化された水酸化カリウムをジオキサン媒体中で使用する。次に約1〜2.5当量の二硫化炭素がその系に加えられる。反応は一般に約0〜100℃で、しかし好ましくは5〜40℃で、行われ、そして一般に約1〜24時間以内に終結される。若干の例では、溶媒を除くことなしに反応(5)により生産された反応生成物の混合物とその場で反応工程を行うことが便利なこともある。
【0046】
反応段階(2)、(4)および(5)は有機溶媒へ固体塩基の添加を含む。反応終結を促進するために、相転移触媒がこれらの反応において固体塩基の有機溶媒中への転移を助けるために用いられることが好ましい。好まれる触媒は、例えば、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物を含む。特に好まれる触媒はテトラ−n−ブチルアンモニウム臭化物である。一般に、約0.025当量の触媒が望みの触媒効果を達成するために十分であることが判った。その代わりに、もし使用される塩基が水溶液であるならば、相転移触媒は水相から有機相への転移を促進するために有用である。
【0047】
反応(3)および(4)は金属塩(好ましくはカリウムチオラート)を有機媒体に添加することを含む。好ましくは、反応に要する時間を加速するために、触媒量(例えば、約0.025当量)の相転移触媒が添加される。ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム塩のような触媒が一般に好まれる。
【0048】
使用されることができる塩基は既に前記したものを含む。適当な相転移剤は親水性イオンを親油性有機媒体の中に転移させる薬剤であって、例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、テトラアルキルホスホニウムハライドなどを含む。
【0049】
式IにおいてR2 とR3 が硫化アルキルである化合物も、最初に式Iの望みのR2 、R3 オレフィンを製造してから、この化合物を望みの量の硫黄と反応させることにより好都合に製造されることができる。そのような硫化方法は当業者に知られており、そして一般にオレフィンを粉末または液体の硫黄、または硫黄同等物、例えば、SCl2 、と反応条件下に約80〜110℃の範囲内の温度で、典型的にトルエンのような不活性有機溶媒の中で接触させることを含む。
【0050】
一般的な製法条件
前述の製法において、その場での工程として記載されている場合を除いてまたは別にはっきりと述べられない限り、一般に反応順序の次の段階に進む前にそれぞれの生成物を分離することが好ましい。これらの生成物はそれらのそれぞれの反応生成物の混合物から何らかの分離および精製方法、例えば、再結晶およびクロマトグラフィー、により回収されることができる。適当な分離および精製方法は、例えば、以下に述べる実施例において例示されている。
【0051】
一般に、上記の反応は液相反応としておこなわれるので、従って反応が還流で行われている場合にそれが温度(沸点)に影響するときを除き、圧力は一般に重要でない。それ故、これらの反応は一般に300〜3,000mmHgの圧力において行われ、そして便利なことに大気圧または周囲圧で行われる。
【0052】
典型的なまたは好ましい製法の条件(例えば、反応温度、時間、反応物のモル比または当量比、溶媒など)が与えられている場合に、その他の製法条件もまた用いられることができたことも理解されるべきである。最適の反応条件(例えば、温度、反応時間、モル比、溶媒など)は使用される特定の試薬または有機溶媒と共に変わることもあるが、慣例の最適化手順により決定されることができる。
【0053】
潤滑油組成物
本発明の潤滑油組成物は式Iの化合物および/またはその油溶性塩を潤滑性粘度の油(基油)と簡単にブレンドまたは混合することにより便利よく製造されることができる。本発明の化合物はまた望みの濃度の添加剤を含む潤滑油組成物の混合を助けるために適当な比率でいろいろな他の添加剤との濃縮物またはパッケージとして予備ブレンドされることもある。本発明の化合物は、それらがフルオロカーボンエラストマー封止剤との改良された相容性与える濃度であって、かつ、その油に可溶でありかつ望みの仕上がった潤滑油の中で他の添加剤と相容性ある濃度で基油とブレンドされる。この場合における相容性とは一般に、本発明の化合物が適用できる処理率で油溶性でありまた標準条件下で他の添加剤に沈殿を起こさせないことを意味する。ある与えられた潤滑油配合物の化合物について適当な油溶性/相容性の範囲は慣例の溶解度試験法を用いて当業者により測定されることができる。例えば、周囲温度(約20〜25℃)における配合された潤滑油組成物からの沈殿がその油組成物からの実際の沈殿かまたは不溶のワックス粒子の形成を明示する「曇った」溶液の生成かのいずれかにより測られることができる。
【0054】
典型的に本発明の潤滑油組成物は組成物の全重量にもとづいて約0.05〜5重量%の、好ましくは約0.1〜2重量%の、式Iの潤滑油可溶性化合物およびそれらの混合物から選択されたフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤を含む。さらに好ましくは、その潤滑油組成物は約0.2〜1.5重量%の前記フルオロカーボンエラストマー相容性改良剤を含む。
【0055】
本発明の潤滑油組成物に使用される潤滑油、または基油、は一般に特定の用途、例えば、自動車エンジンオイル、自動車トランスミッションオイル、特製工業用オイルパッケージなどに仕立てられる。例えば、自動車エンジンオイルとして望まれる場合は、基油は典型的にガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンのような内燃機関のクランクケース内の使用に適する粘度の鉱油または合成油であろう。それらの潤滑油は合成または天然の資源から得られるであろう。本発明において基油として使用するための鉱油は、普通に潤滑油組成物の中に使用されるパラフィン系、ナフテン系およびその他の油を含む。合成油は炭化水素合成油および合成エステルの両者を含む。有用な合成炭化水素油は適当な粘度を有するアルファオレフィンの液体ポリマーを含む。特に有用なものは1−デセントリマーのようなC6 〜C12アルファオレフィンの水素化液体オリゴマーである。同様に、ジドデシルベンゼンのような適当な粘度のアルキルベンゼンは使用されることができる。有用な合成エステルはモノカルボン酸およびポリカルボン酸の両者並びにモノヒドロキシアルカノールおよびポリオールのエステルを含む。代表的な例はジドデシルアジペート、ペンタエリトリトールテトラカプロエート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジラウリルセバケートなどである。モノおよびジカルボン酸とモノおよびジヒドロキシアルカノールの混合物から製造される複合エステルもまた使用されることができる。いろいろな鉱油、合成油および鉱物と合成油のブレンドもまた、例えば、一定の粘度または粘度範囲を与えるために、有益なことがある。一般にエンジンオイル用の基油または基油混合物は、本発明のフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤を含めて、いろいろな添加剤を含む最終製品の潤滑油が100℃において約4〜22センチストークス、好ましくは約10〜17センチストークス、そしてさらに好ましくは13〜17センチストークス、の粘度を有するように予備選択される。
【0056】
典型的に潤滑油組成物は、特定の最終用途および使用される基油に依存して最終製品の潤滑油組成物にいろいろな特性を与えるため望ましい多種多様の相容性添加剤を含むことになる。そのような添加剤の例は中性および塩基性清浄剤(例えば、中性および過塩基性有機スルホネートおよびノルマルおよび過塩基性フェネートおよびサリチレート)、分散剤、無灰分散剤(例えば、いろいろなポリアルキルスクシンイミドまたはポリアルキルコハク酸エステル)、磨耗抑止剤(例えば、ジアルキルジチオホスホン酸亜鉛)、錆抑止剤、発泡抑止剤、流動点降下剤、酸化防止剤、粘度指数(VI)改良剤、および分散剤VI改良剤を含む。
【0057】
上記のいろいろな添加材料および材料の種類は既知の材料であつて、既知の方法またはその判りきった改良により製造されることができるものであり、またしばしば容易に市場で入手できる。いろいろな添加剤およびそれらの機能の一覧表は、例えば、米国特許第5,397,486号および米国特許第4,119,549号明細書の第9および10欄に記載されている。これらは引用によりここに組み込まれる。
【0058】
本発明はまた添加剤パッケージまたは濃縮物を提供するが、それらは潤滑性粘度の油に単一の添加剤としてかあるいは他の添加剤との組み合わせのいずれかとして添加されることができる。(一般に、添加剤パッケージは粘度指数改良剤を含まないであろう。何故ならば望ましい場合でも粘度指数改良剤は一般に潤滑剤配合者により基油に添加されるからである。)従って、好ましい添加剤濃縮物は約0.5〜30重量%、さらに好ましくは約1〜20重量%の本発明のフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤、十分な分散性を与えるために十分な無灰(アッシュレス:ashless)分散剤、および約90〜10重量%の希釈油またはその他の相容性ある不活性有機液体希釈剤を含む。VI改良剤を一般に除いて、前記濃縮物はまたしばしば約10〜60重量%の、意図される用途から望ましいと考えられるいろいろなその他の添加剤を含むことになろう。
【0059】
一つの実施態様において、潤滑油組成物は下記の成分を含むであろう。
(a)主成分量の潤滑性粘度の基油、
(b)約1〜20重量%の少なくとも一種の無灰分散剤、
(c)0〜約20重量%の少なくとも一種の清浄剤、
(d)約0.05〜5重量%の少なくとも一種のジチオホスホン酸亜鉛、
(e)0〜約10重量%の少なくとも一種の酸化抑制剤、
(f)0〜約1重量%の少なくとも一種の発泡抑制剤、
(g)0〜約20重量%の少なくとも一種の粘度指数改良剤、および
(h)約0.05〜5重量%の少なくとも一種の本発明のフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤。
【0060】
ある潤滑油組成物は、主成分量の潤滑性粘度の基油、約1〜20重量%の少なくとも一種の無灰分散剤、0〜約20重量%の少なくとも一種の清浄剤、約0.05〜5重量%の少なくとも一種のジチオホスホン酸亜鉛、0〜約10重量%の少なくとも一種の酸化抑制剤、0〜約1重量%の少なくとも一種の発泡抑制剤、0〜約20重量%の少なくとも一種の粘度指数改良剤、および約0.05〜5重量%の少なくとも一種の本発明のフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤を一緒にブレンドすることにより製造されることができる。この方法により製造された潤滑油組成物は、諸成分が相互に作用するので、僅かに異なる組成を持つこともある。
【0061】
【発明の実施の形態】
本発明のさらに深い理解は次の非限定の実施例において得ることができる。特にそれと反対に述べられない限り、すべての温度および温度範囲は摂氏システムを指し、そして用語「周囲温度」または「室温」は20℃〜25℃を言う。用語「パーセント」または「%」は重量%を指し、また用語「モル」はグラムモルのことである。用語「当量」はモル数が同じ試薬の量を指し、有限のモル数または有限の重量または体積によりその例において引用されたその前のまたは後の試薬のモル数のことを言う。与えられるとき、プロトン磁気共鳴スペクトル(p.m.rまたはn.m.r)は、トリメチルシランを用いて300mHzで測定された。重水素化クロロホルムシグナルはシングレット(s)、ブロードシングレット(bs)、ダブレット(d)、ダブルダブレット(dd)、トリプレット(t)、ダブルトリプレット(dt)、カルテット(q)、およびマルチプレット(m)として割り当てられ、そしてppmは百万分率のことを言う。
【0062】
【実施例】
例 1
ホウ酸化1,1−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン
1010g(2.05モル)の1,1−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレンと253g(4.1モル)のホウ酸の混合物をディーン・スターク・トラップ(Dean StarkTrap)と冷却器を取り付けられた5Lのフラスコの中で2500mlのトルエン中で窒素ブランケットの下に攪拌した。その混合物を95℃に加熱してから、3時間激しく攪拌した。その混合物を次に還流加熱(108〜115℃)してから、水を共沸留分より収集した(5時間に72ml)。次いでその混合物を冷却させてから濾過して過剰のホウ酸を除いた。濾液を蒸発させて1026gの透明な金色の油を表記の化合物として得た。NMR:0.83ppm(t,12H)、1.20−1.65ppm(m,18H)、および3.10−4.15ppm(m,9H)。
【0063】
例 2
1,1−ジ(エトキシカルボニルメチレンチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン
この例において246.2g(2.0モル)のエチルクロロアセテートを1000mlのジメチルホルムアミド中の1.03モルのジカリウム2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)−1,1−ジチオレートに100℃で窒素雰囲気下に加えた。その混合物を72時間激しく攪拌し、それから濾過して塩化カリウム副生成物を除いた。次に濾液を蒸発させてジメチルホルムアミド溶媒を除いてから、残留物をメチレンクロリドに溶解させた。そのメチレンクロリド溶液を水で数回洗い、次に無水硫酸マグネシウムと共に乾燥させてから蒸発乾固させてメチレンクロリド溶媒を除いた。その結果生じた残留物をヘキサン中に溶解させ、次に15%容量%のエチルアセテート−ヘキサン溶液と共にシリカゲルフィルターを通過させた。その濾液を真空下に蒸発させると420.1gの油状残留物を得た。表記の化合物の構造を赤外スペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルにより確認した。NMR:0.88ppm(t,12H)、1.10−1.80ppm(m,22H)、および3.35−4.40ppm(m,12H)。
【0064】
適当な出発原料を用いて上記の手順を適用することにより次の化合物を製造することができる。
1,1−ジ(t−ブトキシカルボニルメチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ジ(プロポキシカルボニルメチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ジ(ヘキソキシカルボニルメチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ジ(ベンジルオキシカルボニルメチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、および1,1−ジ(p−トリルオキシカルボニルメチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン。
【0065】
例 3
1,1−ビス(硫化プロピルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン
この例において250mlのエチレン中に溶解させた72.4g(4.15モル)の1,1−ジ(アリルチオ)−2,2−ビス(2−カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレンおよび10.1gの粉末化硫黄を含む混合物を還流(約136℃−144℃)で攪拌しながら24時間加熱した。次いでその混合物を冷却させ、容量で95:5のヘキサン:酢酸エチル混合物に溶解させ、それからシリカゲルを通して濾過した。その濾液を真空下で蒸発乾固させると81.9gの表記の化合物を褐色の油状残留物として得た。NMR:0.85ppm(t,12H)、1.30−1.65ppm(m,22H)、2.10−3.30ppm(m,2H)、および3.85−4.20ppm(m,4H)。
【0066】
同様に対応する適当な硫化されていないオレフィン出発原料を用いて上記の手順を適用することにより次の化合物をそれぞれ製造することができる。
1,1−ビス(硫化ブチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ビス(硫化ペンチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ビス(硫化イソブチルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、1,1−ビス(3−フェニル−硫化プロピルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン、および1,1−ビス(3−トリル−硫化プロピルチオ)−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン。
【0067】
例 4
1,1−ジベンジルチオ−2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)エチレン
126.6g(1.0モル)のベンジルクロリドを500mlのジメチルホルムアミド中の240.4g(0.5モル)のジカリウム2,2−ビス(カルボ−2−エチルヘキソキシ)−1,1−ジチオレートに100℃で窒素雰囲気下に滴下して加えた。次いでその混合物を加熱して72時間激しく攪拌した。冷却してから、その混合物を濾過して副生成物の塩化カリウムを除いた。その濾液をつぎに蒸発させて溶媒を除いた。残りの暗褐色の油をヘキサンに溶解させてから、次に水で数回洗った。それからその有機相を無水硫酸マグネシウムと共に乾燥させ、濾過し、そしてロトバプ(Rotovap)の上でストリッピングすると249.6gの暗赤色の油を得た。その油をヘキサンに溶解してから、ヘキサンと共に濾過用漏斗上の短路シリカゲルパックを通過させて未反応のベンジルクロリドを除き、それから25%エチルアセテート/ヘキサン溶媒で溶出した。そのエチルアセテート/ヘキサン溶液を次に蒸発させて212gの暗赤色の油を表記の化合物として得た。NMR:0.81ppm(t,12H)、1.2−1.65ppm(m,18H)、4.10ppm(m,4H)、4.60ppm(s,4H)、および7.20−7.40ppm(m,10H)。
【0068】
例 5
乗用車エンジン油
この例において、例1−4の表記化合物は2種の別々の完成した潤滑油の中にそれぞれ0.2重量%、0.5重量%、および1.0重量%の濃度で配合された。それらの完成品潤滑油は多量の乗用車エンジン油の典型的な無灰分散剤、および少量の標準的清浄剤、ジチオホスホン酸亜鉛、酸化および発泡抑制剤、標準的粘度指数改良剤および潤滑性粘度の基油を含んで市販の完成品潤滑油と擬制した。
【0069】
代表的な配合物がVW PV 3344試験によりフルオロカーボンエラストマー相容性について試験され、そして本発明のフルオロカーボンエラストマー相容性改良剤を含まない同じ潤滑油と比較された。
【0070】
試験された化合物は破断点引張強さ(TSB)を改良し、破断点伸び(ELB)を改良し、そしてエラストマーダンベル上に生ずる亀裂を少なくした。
【0071】
これらの配合物はまた吸取紙汚点試験(blotter spot test)と呼ばれる実験室卓上試験で評価された。試験された化合物は、前記の吸取紙汚点試験により測定されて、分散剤/抑制剤パッケージの分散剤の信用になにも不利益な効果を有しなかった。このペーパークロマトグラフィー手法は懸濁状態の人工的汚点を維持する候補潤滑油の能力を測定する。その計測は6個の異なる点について分散度の評価であり、上は600までの評点に導く。その数値が高いほど、それだけ分散剤の信用は良くなる。PV3344試験と吸取紙汚点試験の結果は表1(第1の完全配合油)および表2(第2の完全配合油)に報告されている。
【0072】
【表1】
Figure 0004241949
【0073】
【表2】
Figure 0004241949
【0074】
例 6
高性能ディーゼル油および超高性能ディーゼル油
この例において、例5と同様に、例1−4の表記化合物はそれぞれ2種の別々の完成した潤滑油の中に配合されたが、但しそれらの完成潤滑油は、乗用車エンジン油用の代わりに、高性能ディーゼル油(HPDO)および超高性能ディーゼル油(SHPDO)用の典型的な無灰分散剤の多量を含んでいた。配合物はまた1.5重量%濃度でも作られた。
その結果は下記の表3(HPDO)および4(HPDO)に示されている。
【0075】
【表3】
Figure 0004241949
【0076】
【表4】
Figure 0004241949
【0077】
本発明は特定の実施態様に関して説明されたが、この適用は添付の特許請求の範囲の精神と範囲から逸脱することなく当業者になされることのあるいろいろな変更と置換を包含することを意図されている。

Claims (9)

  1. 塩基性窒素原子を含む分散剤から成る潤滑油配合物のフルオロカーボン(fluorocarbon)エラストマーとの相容性を改良する方法において、一般式、
    Figure 0004241949
    〔式中、RとR1は独立に、4〜30の炭素原子を有するアルコキシカルボニルであり、2とR3は独立に、7〜30の炭素原子を有するアリールアルキル、または2〜30の炭素原子を有するホウ酸化ヒドロキシアルキル、
    であり、
    但しR、R1、R2およびR3は共に潤滑性粘度の油中に油溶性の化合物を与えるため十分な炭素原子を含むことを条件とする、〕
    を有する化合物の有効量を、前記潤滑油配合物とブレンドするかまたは混合することから成る前記の方法。
  2. RとR1は独立に8〜30の炭素原子を有するアルコキシカルボニルである請求項1に記載の方法。
  3. R置換基はR1置換基と同一である請求項2に記載の方法。
  4. RとR1はそれぞれカルボ−2−エチルヘキソキシである請求項3に記載の方法。
  5. 2置換基はR3置換基と同一である請求項2、3、または4に記載の方法。
  6. 2とR3は2〜30の炭素原子を有するホウ酸化ヒドロキシアルキルである請求項5に記載の方法。
  7. 2とR3は共通のホウ素原子を共有して環式構造を形成する請求項6に記載の方法。
  8. (a)主成分量の潤滑性粘度を有する基油、および
    (b)塩基性窒素原子を含む1〜20重量%の少なくとも一種の無灰の分散剤

    から成る潤滑油配合物であって、前記の潤滑油配合物が、請求項1,2,3,4,5,6,または7に記載の方法により改良されたフルオロカーボンエラストマーとの相容性を有している前記の潤滑油配合物。
  9. さらに、
    (c)0〜20重量%の少なくとも一種の清浄剤、
    (d)0.05〜5重量%の少なくとも一種のジチオリン酸亜鉛、
    (e)0〜10重量%の少なくとも一種の酸化抑制剤、
    (f)0〜1重量%の少なくとも一種の発泡抑制剤、および
    (g)0〜20重量%の少なくとも一種の粘度指数改良剤、
    を含む請求項8に記載の潤滑油配合物。
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