JP4241575B2 - 小型アンテナ - Google Patents
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Description
本発明は、モバイル機器などに内蔵する小型アンテナに関するものである。
次世代の無線データ通信技術として、免許不要で利用可能な２．４ＧＨｚ帯を使用するブルートゥース（Bluetooth ）が注目を浴びており、携帯電話やノート型ＰＣ、ＰＤＡ（Personal Digital Assistance ）などのモバイル機器に搭載され、大きく普及が進むと期待されている。
ブルートゥースに用いられるアンテナや無線モジュールなどの回路部品は、小型、軽量化が必要とされ、アンテナとしては、回路に実装する占有面積が小さいことが重要となる。
このブルートゥース用の小型アンテナとしては、逆Ｆ型モノポールアンテナなどが開発されているが、非常に小型（例えば、２０ｍｍ×３ｍｍ×３ｍｍ）であり、回路基板に取り付けるには、アンテナとなる金属導体を、樹脂成形体で一体にして取り付ける必要がある。
しかしながら、ブルートゥース用の小型アンテナは、上述のように非常に小型（約２０ｍｍ×３ｍｍ×３ｍｍ）であり、金属導体と共に樹脂成形したのでは、金属導体と金型のシールなどが必要であり、金型が高価になりやすい問題がある。
特に、この種の小型アンテナは、頻繁にその形状が改良される傾向にあり、その度に高価な金型を変更していたのではコスト高となってしまう。
本発明の目的は、金属導体を樹脂成形体で一体にするにおいて、金型を安価にできる小型アンテナを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項１の発明は、アンテナ本体を樹脂成形体を用いて回路基板等に搭載するための小型アンテナにおいて、上記アンテナ本体は、一端部にグランド片が形成され途中部に給電片が形成された逆Ｆアンテナ素子であり、該逆Ｆアンテナ素子の該給電片より他端部側を上記第１樹脂成形体と上記第２樹脂成形体で挟持すると共に上記第２樹脂成形体を上記第１樹脂成形体に係合し、該第１樹脂成形体を上記回路基板に取り付けるようにした小型アンテナである。
請求項２の発明は、上記逆Ｆアンテナ素子は、断面Ｌ字状に形成されると共に該逆Ｆアンテナ素子に係合片が形成され、上記第１樹脂成形体が略直方体状に形成され、該第１樹脂成形体の上縁部に上記逆Ｆアンテナ素子が当接されると共に上記係合片が上記第１樹脂成形体に形成した係合溝に係合され、上記第２樹脂成形体が、上記逆Ｆアンテナ素子を挟んで上記第１樹脂成形体を覆う板状に形成され、かつ上記第１樹脂成形体に形成した係合穴に係合する係合片を備えた請求項１記載の小型アンテナである。
請求項３の発明は、上記第１樹脂成形体の裏面には、上記回路基板等の位置決め穴に嵌入するボスが突出して形成される請求項１または２記載の小型アンテナである。
請求項４の発明は、上記グランド片には上記回路基板等に形成されたボスに取り付けるための穴が形成される請求項１〜３いずれか記載の小型アンテナである。
請求項５の発明は、上記グランド片には、下方に折り曲げられたグランド端子が設けられ、上記給電片には下方に折り曲げられた給電端子が設けられ、上記グランド端子と上記給電端子とが上記回路基板等に設けたスルーホールを通して電源回路に接続される請求項１〜４いずれか記載の小型アンテナである。
本発明は、アンテナ本体を第１樹脂成形体と第２樹脂成形体とで挟持した状態で、第１樹脂成形体と第２樹脂成形体とを係合し、その状態で回路基板に搭載することができ、アンテナ本体とは別に第１樹脂成形体と第２樹脂成形体をそれぞれ成形できるためコストを下げることが可能となる。
以下本発明の実施形態を添付図面により説明する。
図１〜図６は、本発明の小型アンテナの一実施の形態を示し、図１は小型アンテナを回路基板に搭載する状態の斜視図、図２は、小型アンテナの金属導体と樹脂成形体との組立状態を示す斜視図、図３は図１に示した小型アンテナを裏返した斜視図、図４は小型アンテナの金属導体の斜視図と展開図、図５は小型アンテナの第２樹脂成形体の斜視図、図６は小型アンテナの第１樹脂成形体の斜視図を示している。
本発明の小型アンテナは、図１〜図３に示されるように、金属導体１０で形成されたアンテナ本体１１と、そのアンテナ本体１１を、上下から挟持してアンテナ本体１１を回路基板５０に搭載するための第１樹脂成形体１２、第２樹脂成形体１３からなる樹脂成形体１４とから構成される。
このアンテナ本体１１と、樹脂成形体１４を構成する第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３とを以下に説明する。
図４（ａ）は、アンテナ本体１１の斜視図を示し、図４（ｂ）は、図４（ａ）に示したアンテナ本体１１を裏返した状態の斜視図、図４（ｃ）はアンテナ本体１１を形成する前の金属導体１０の展開図、図４（ｄ）は図４（ａ）の左側面図を示している。
アンテナ本体１１は、図４（ｃ）に示すようにリン青銅などの板金板（厚さ０．３ｍｍ）を図示のようにプレス打ち抜きによって金属導体１０とし、これを折り曲げて形成される。
金属導体１０には、折り曲げ線ｌａ、１ｂでＬ字状に折り曲げられて形成される逆Ｆアンテナ素子１５と、その逆Ｆアンテナ素子１５の端部に折り曲げ線ｌｃ、ｌｄで折り曲げられて形成されるグランド片１６と、グランド片１６より逆Ｆアンテナ素子１５の先端側に同じく折り曲げ線ｌｃ、ｌｄで折り曲げられて形成される給電片１７とが形成される。
グランド片１６には、回路基板５０のボス５１（図１参照）に嵌合或いは回路基板にネジ止めする穴１８が形成されると共に、回路基板５０のスルーホール５２（図１参照）に挿入されて半田付けされるグランド端子１９が折り曲げられて形成される。
給電片１７には、回路基板５０のスルーホール５３（図１参照）に挿入されて半田付けされる給電端子２０が折り曲げられて形成される。
逆Ｆアンテナ素子１５は、グランド片１６と給電片１７から折り曲げ線ｌｃ、ｌｄで折り曲げられて起立する起立アンテナ片２１と、その起立アンテナ片２１から折り曲げ線ｌａ、１ｂで、グランド片１６と給電片１７の上方に水平に折り曲げられる水平アンテナ片２２とからなる。
起立アンテナ片２１は、グランド片１６と給電片１７に位置した基部２１ａと、その基部２１ａから連続して延び、基部２１ａに対して細長に形成されて回路基板５０のグランド面５０ｇ（図１参照）から浮き上がるようにされた起立素子部２１ｂとからなる。この起立素子部２１ｂには、樹脂成形体１４と係合する係合片２３とストッパ片２４とが設けられる。
水平アンテナ片２１には、グランド片１６と給電片１７側に位置して切り欠き部２５が形成される。
アンテナ本体１１は、例えば、逆Ｆアンテナ素子１５の長さが２１．６ｍｍ、逆Ｆアンテナ素子１５の先端の幅が１．８５ｍｍ、グランド片１６から水平アンテナ片２２までの高さが３ｍｍに形成される。
次に、図５、図６により樹脂成形体１４を構成する第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３を説明する。
図５（ａ）は第２樹脂成形体１３の斜視図を示し、図５（ｂ）は図５（ａ）に示した第２樹脂成形体１３を裏返した斜視図、図６（ａ）は第１樹脂成形体１２の斜視図を示し、図６（ｂ）は図６（ａ）に示した第１樹脂成形体１２を裏返した斜視図、図６（ｃ）は図６（ａ）に示した第１樹脂成形体１２を背面側からみた斜視図である。
図６（ａ）に示すように第１樹脂成形体１２は、略直方体状（例えば、長さ９ｍｍ、幅４．５ｍｍ、高さ２．７ｍｍ）に形成され、上面１２ａに長方形状の係合穴３０が形成され、上縁部１２ｂにアンテナ本体１１のＬ字状の逆Ｆアンテナ素子１５の内面側が当接するように形成され、上側面に逆Ｆアンテナ素子１５の起立素子部２１ｂが当接する段部３１、３２が形成され、その段部３１、３２間に逆Ｆアンテナ素子１５の係合片２３と係合する係合溝３３が形成される。
図６（ｂ）に示すように第１樹脂成形体１２の裏面には、凹溝３４が形成され、その周囲に回路基板５０（図１）に着座するコ字状の着座面３５が形成される。この着座面３５の逆Ｆアンテナ素子１５の先端側の側辺部３５ａは、他の前辺部３５ｂ、後端側の側辺部３５ｃより若干（０．１ｍｍ程度）高くなるようにされ、これによりアンテナ本体１１のグランド片１６と給電片１７とが回路基板５０に確実に着座できるようになっている。
この着座面３５の側辺部３５ａと凹溝３４に位置して、回路基板５０の位置決め穴５４（図１参照）に嵌入するボス３６が着座面３５から突出するように形成される。
図５（ａ）、図５（ｂ）に示すように、第２樹脂成形体１３は、板状（例えば、厚さ０．８ｍｍ）に形成され、その裏面に、アンテナ本体１１のＬ字状の逆Ｆアンテナ素子１５の外面側が当接する収容溝４０が形成され、前縁側に逆Ｆアンテナ素子１５を挟んで第１樹脂成形体１２の段部３１、３２に当接する覆い片４１、４２が形成され、その間に逆Ｆアンテナ素子１５の係合片２３を開放する切り欠き部４３が形成される。
第１樹脂成形体１２の上面１２ａと接触する第２樹脂成形体１３の裏面には、第１樹脂成形体１２の係合穴３０に係合する一対の係合片４４、４４が形成される。係合片４４、４４は、係合穴３０に挿入後、第１樹脂成形体１２の凹溝３４の面に係合するように鉤部４４ａが形成され、また係合片４４、４４の両側に位置して第２樹脂成形体１３には、第１樹脂成形体１２にアンテナ本体１１を挟んで嵌め込むためのハンドリング用の穴４５，４５が穿設されている。
図１〜図３は、アンテナ本体１１と、第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３とからなる樹脂成形体１４とを組み付けた状態を示したものである。
図２に示すように、第１樹脂成形体１２の上縁部１２ｂにアンテナ本体１１の逆Ｆアンテナ素子１５を当接させ、図３に示すように係合片２３を第１樹脂成形体１２の係合溝３３に係合させると共にストッパ片２４が第１樹脂成形体１２の段部３２の側面に当接するようにし、その状態で第２樹脂成形体１３を第１樹脂成形体１２に被せ、係合片４４を第１樹脂成形体１２の係合穴３０に嵌め込むことで、係合片４４の鉤部４４ａが、凹溝３４の面に係合し、アンテナ本体１１を挟持した状態で、第１樹脂成形体１２に第２樹脂成形体１３が組み合わされて、樹脂成形体１４でアンテナ本体１１を保持することが可能となる。
この小型アンテナを回路基板５０に搭載する際には、樹脂成形体１４のボス３６を回路基板５０の位置決め穴５４に挿入し、アンテナ本体１１のグランド片１６の穴１８を回路基板５０のボス５１に嵌め込むことで回路基板５０に取り付けることができる。この際、第１樹脂成形体１２の着座面３５のアンテナ本体１１の先端側の側辺部３５ａが若干高く形成されるため、グランド片１６、給電片１７が回路基板５０に確実に接触させることができる。
また、グランド片１６のグランド端子１９と給電片１７の給電端子２０とは、回路基板５０のスルーホール５２、５３に挿入され、回路基板５０の裏面より半田付けされて電源回路（図示せず）に接続される。
このように、本発明においては、アンテナ本体１１を樹脂成形体１４で保持する際に、樹脂成形体１４を第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３とで形成し、この第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３でアンテナ本体１１を挟んで、両者の係合により保持するようにしたことで、従来のようにアンテナと樹脂とを一体成形する必要がなく、第１樹脂成形体１２と第２樹脂成形体１３を成形する金型があれば良く、金型のコストを格段に下げることができると共に、アンテナの設計変更があっても自由に対応することが可能となる。
図７は本発明の小型アンテナの特性を示したもので、図７（ａ）は周波数とリターンロスの関係を、図７（ｂ）は周波数と電圧定在波比の関係を、図７（ｃ）は平均利得特性を示したものであり、２．４ＧＨｚ帯でリターンロス−１５ｄＢ、電圧定在波比１．５、平均利得−４．０ｄＢｉと良好なアンテナ特性が得られている。
１１ アンテナ本体
１２ 第１樹脂成形体
１３ 第２樹脂成形体
１６ グランド片
３０ 係合穴
４４ 係合片
５０ 回路基板
１２ 第１樹脂成形体
１３ 第２樹脂成形体
１６ グランド片
３０ 係合穴
４４ 係合片
５０ 回路基板
Claims (5)
- アンテナ本体を樹脂成形体を用いて回路基板等に搭載するための小型アンテナにおいて、上記アンテナ本体は、一端部にグランド片が形成され途中部に給電片が形成された逆Ｆアンテナ素子であり、該逆Ｆアンテナ素子の該給電片より他端部側を上記第１樹脂成形体と上記第２樹脂成形体で挟持すると共に上記第２樹脂成形体を上記第１樹脂成形体に係合し、該第１樹脂成形体を上記回路基板等に取り付けることを特徴とする小型アンテナ。
- 上記逆Ｆアンテナ素子は、断面Ｌ字状に形成されると共に該逆Ｆアンテナ素子に係合片が形成され、上記第１樹脂成形体が略直方体状に形成され、該第１樹脂成形体の上縁部に上記逆Ｆアンテナ素子が当接されると共に上記係合片が上記第１樹脂成形体に形成した係合溝に係合され、上記第２樹脂成形体が、上記逆Ｆアンテナ素子を挟んで上記第１樹脂成形体を覆う板状に形成され、かつ上記第１樹脂成形体に形成した係合穴に係合する係合片を備えた請求項１記載の小型アンテナ。
- 上記第１樹脂成形体の裏面には、上記回路基板等の位置決め穴に嵌入するボスが突出して形成される請求項１または２記載の小型アンテナ。
- 上記グランド片には上記回路基板等に形成されたボスに取り付けるための穴が形成される請求項１〜３いずれか記載の小型アンテナ。
- 上記グランド片には、下方に折り曲げられたグランド端子が設けられ、上記給電片には下方に折り曲げられた給電端子が設けられ、上記グランド端子と上記給電端子とが上記回路基板等に設けたスルーホールを通して電源回路に接続される請求項１〜４いずれか記載の小型アンテナ。
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