JP4241223B2 - 磁気軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ分子ポンプや工作機械などに使用する磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
低振動で高速回転が要求されるターボ分子ポンプや工作機械などにおいては、軸受けとして磁気軸受が用いられることが多い。回転体においては5軸制御型の磁気軸受が一般的に用いられ、ラジアル方向に4軸、アキシャル方向に1軸が配置されている。各軸には電磁石と変位センサが対で設けられている。回転体の変位を検出する変位センサにはインダクタンス式センサが多く用いられ、通常、ラジアル軸には対向型が、アキシャル軸には非対向型のものが使用される。変位センサには搬送波が印加され、回転体とのギャップ変化によるセンサ部のインピーダンス変化により搬送波が振幅変調される。そして、この振幅変調された信号を用いて電磁石の励磁電流を制御している。
【0003】
アキシャル軸の変位センサの場合には、対向型でないためセンサ部や信号ラインの浮遊容量の変化によってセンサ信号のオフセット値が変化する。特に、磁気軸受装置とコントローラとを接続するケーブルを変更すると、ケーブルの浮遊容量変化によってオフセット値が大きく変化する傾向があるので、交換の度にオフセット調整を行う必要があった。そのため、このようなオフセット調整作業を省略できるように、搬送波の周波数を低く設定する傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、搬送波の周波数を低く設定した場合、振幅変調波から搬送波の基本波および高調波を除去してセンサ信号をフィルタリングする際に、センサ信号の必要帯域に対して搬送波の周波数が比較的接近した状況となる。そのため、磁気浮上制御性が低下しないように、必要帯域の位相遅れを極力避けるとともに、フィルタリングに関してローパスフィルタに代えてノッチフィルタを多数使用する必要があった。その結果、回路規模の増大を招くという欠点があった。
【0005】
本発明の目的は、回路規模の縮小化を図ることができ、搬送波の低周波数化に適した磁気軸受装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の発明による磁気軸受装置は、被支持体を非接触支持する電磁石と、電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、搬送波を生成する搬送波生成手段と、搬送波を被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号として出力するセンサと、センサ信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、デジタル値に変換されたセンサ信号に基づいてデジタル演算処理により復調する復調演算手段と、復調演算手段の演算結果に基づいて励磁アンプを制御する制御手段とを備え磁気軸受装置であって、復調演算手段は、正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、デジタル値に変換されたセンサ信号と正弦波離散値とを乗算する乗算部と、乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを備え、搬送波生成手段は、乗算部で乗算される正弦波離散値とセンサ信号とがほぼ同位相となるように正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、その位相シフトされた正弦波離散値をD/A変換して搬送波を生成するD/A変換部とを備え、制御手段は、ローパス演算部の演算結果に基づいて励磁アンプを制御することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の磁気軸受装置において、センサは、被支持体を挟んで対向して配設され、搬送波を被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサを備えるものであって、一対のセンサから出力されるセンサ信号の差分を演算する差分演算手段を備え、A/D変換手段は、差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換し、復調演算手段は、正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、デジタル値に変換された差分と正弦波離散値とを乗算する乗算部と、乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを備え、搬送波生成手段は、乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、その位相シフトされた正弦波離散値をD/A変換して搬送波を生成するD/A変換部とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、センサ信号と搬送波基準信号との差分を演算する差分演算手段とを備え、A/D変換手段は、差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換し、復調演算手段は、正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、デジタル値に変換された差分と正弦波離散値とを乗算する乗算部と、乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを備え、搬送波生成手段は、乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、その位相シフトされた正弦波離散値をD/A変換して搬送波を生成するD/A変換部とを備えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の磁気軸受装置において、差分演算手段に入力される搬送波基準信号とセンサ信号とがほぼ同位相となるように、搬送波基準信号の位相をシフトする位相シフト手段を設けたものである。
(5)請求項5の発明は、被支持体を非接触支持する電磁石と、電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、被支持体を挟んで対向して配設され、搬送波を被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサと、一対のセンサから出力されるセンサ信号の差分を演算する差分演算手段と、差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換するA/D変換手段とを有する制御軸を、複数備えた磁気軸受装置に適用され、正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、正弦波離散値をD/A変換することにより搬送波を生成して前記センサの各々に出力するD/A変換部とを備える搬送波生成手段と、正弦波離散値とデジタル値に変換された差分とがほぼ同位相となるように正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、デジタル値に変換された差分と位相シフト演算部で位相シフトされた正弦波離散値とを乗算する乗算部と、乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを複数の制御軸毎に備える復調演算手段と、ローパス演算部の演算結果に基づく励磁ア ンプの制御を各制御軸毎に行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置において、位相シフト演算部は、乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように位相シフトするのに代えて、乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ逆位相となるように位相シフトすることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、被支持体を非接触支持する電磁石と、電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、搬送波を生成する搬送波生成手段と、搬送波を被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号として出力するセンサと、搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、センサ信号と前記搬送波基準信号との差分を演算する差分演算手段と、差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換するA/D変換手段と、デジタル値に変換された差分に基づいてデジタル演算処理により復調する復調演算手段と、復調演算手段の演算結果に基づいて励磁アンプを制御する制御手段とを備える磁気軸受装置であって、復調演算手段は、(a)正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、(b)余弦波離散値をデジタル演算処理により生成する余弦波離散値生成部と、(c)デジタル値に変換された差分を2つに分岐し、分岐された一方の差分に正弦波離散値とを乗算し、分岐された他方の差分に余弦波離散値を乗算する乗算部と、(d)乗算部の各乗算結果にローパス演算処理をそれぞれ行うローパス演算部と、(e)ローパス演算部の各演算結果をそれぞれ2乗し、それらの2乗値の和に対して平方根を演算する合一演算部とを備え、制御手段は、前記合一演算部の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御することを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項7に記載の磁気軸受装置において、差分演算手段に入力される搬送波基準信号とセンサ信号とがほぼ同位相となるように、搬送波基準信号の位相をシフトする位相シフト手段を設けたことを特徴とする。
(9)請求項9の発明による磁気軸受装置は、被支持体を非接触支持する電磁石と、電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、搬送波を生成する搬送波生成手段と、被支持体を挟んで対向して配設され、搬送波を被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサと、搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、一対のセンサの各センサ信号と搬送波基準信号との差分をそれぞれ演算する差分演算手段と、差分演算手段で演算された各差分をそれぞれデジタル値に変換するA/D変換手段と、デジタル値に変換された2つの差分の各々に対して(a)正弦波離散値を生成する正弦波離散値生成部と、(b)余弦波離散値を生成する余弦波離散値生成部と、(c)差分を2つの分岐信号に分岐し、一方の分岐信号に正弦波離散値とを乗算し、他方の分岐信号に余弦波離散値を乗算する乗算部と、(d)前記乗算部の各乗算結果にローパス演算処理をそれぞれ行うローパス演算部と、(e)ローパス演算部の各演算結果をそれぞれ2乗し、それらの2乗値の和に対して平方根を演算する合一演算部とを有し、2つの合一演算部の演算結果の差分を算出することにより復調演算を行う復調演算手段と、復調演算手段の演算結果に基づいて励磁アンプを制御する制御手段とを備えて上述の目的を達成する。
(10)請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁気軸受装置において、A/D変換手段によりデジタル値に変換された差分に対しバンドパス演算処理および/またはハイパス演算処理を行い、処理後の信号を乗算部に入力するフィルタ演算部を設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明による磁気軸受装置の第1の実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプの概略構成を示す断面図である。ポンプ本体1に設けられたケーシング20の内部には、複数段のロータ翼21およびネジ溝部22が形成されたロータ4と、ロータ翼21に対して交互に配設されるステータ翼23と、上記ネジ溝部22と対向するように配設される筒状部材24とが設けられている。ロータ4を非接触支持する電磁石5はラジアル磁気軸受を構成する電磁石51,52とアキシャル磁気軸受を構成する電磁石53とを有し、これらは5軸制御型磁気軸受を構成している。
【0008】
これらのラジアル電磁石51,52とアキシャル電磁石53に対応して、ラジアル変位センサ71,72およびアキシャル変位センサ73が設けられている。ポンプ本体1は不図示のコントローラにより駆動され、コントローラとポンプ本体とを接続するケーブル(不図示)は、レセプタクル25に接続される。ロータ4を電磁石51,52,53により非接触支持しつつモータ6により回転駆動すると、吸気口フランジ20側のガスは矢印G1のように背圧側(空間S1)に排気され、背圧側に排気されたガスは排気口フランジ26に接続された補助ポンプによりポンプ外に排出される。
【0009】
27,28は非常用のメカニカルベアリングであり、ロータ4が磁気浮上していないときには、ロータ4はこれらのベアリング27,28により支持される。ベアリング27はロータ4のラジアル方向の2軸(x軸およびy軸)の運動を非常時に拘束し、ベアリング28はラジアル方向の2軸(x軸およびy軸)とスラスト方向の1軸(z軸)を拘束する。
【0010】
図2は5軸制御型磁気軸受の概念図であり、ロータ4の回転軸Jがz軸に一致するように示した。図1に示したラジアル電磁石51は、x軸に関する一対の電磁石51xとy軸に関する一対の電磁石51yとを備えている。同様に、ラジアル電磁石52も、x軸に関する一対の電磁石52xとy軸に関する一対の電磁石52yとを備えている。また、アキシャル電磁石53は、ロータ4の下端に設けられたディスク41をz軸に沿って挟むように対向して配設される一対の電磁石53zを備えている。図1の変位センサ71,72に関しても、電磁石51x,51y,52x,52yに対応してそれぞれ一対のラジアル変位センサで構成されている。これら5組の電磁石51x,51y,52x,52y,53および変位センサ71〜73により5軸制御型磁気軸受が構成されている。
【0011】
図3は磁気軸受装置の磁気浮上制御系の基本構成を示すブロック図であり、磁気軸受部分に関してはラジアル方向の一軸にのみ示した。電磁石5としては一対のラジアル電磁石51xを示し、変位センサ7としては電磁石51xに対応したラジアル変位センサ71xを示す。変位センサ7はインダクタンス式のセンサであり、ギャップ変位の変化によるセンサ部インピーダンスの変化を利用して、ギャップ変位を電気信号に変換している。ロータ4のセンサ対向面は強磁性体または導体で構成される。
【0012】
ポンプ本体1を駆動するコントローラには、センサ回路2、制御回路3、励磁アンプ8が設けられている。制御回路3は、A/Dコンバータ301、D/Aコンバータ302、演算部であるDSP(デジタルシグナルプロセッサ)307、ROM304やRAM305等を有する記憶部306を備えている。変位センサ7にはセンサ回路2により数十kHzの搬送波が印加され、ギャップ変位により生じるセンサ部インピーダンス変化に応じて搬送波を振幅変調する。この振幅被変調波(AM波)は、センサ信号としてセンサ回路2を介して制御回路3に入力される。ラジアル変位センサ71xの場合には、センサ回路2において各変位センサ71xからのセンサ信号の差分が演算され、その差分成分がセンサ信号として制御回路3に入力される。
【0013】
制御回路3に入力されたアナログセンサ信号は、A/Dコンバータ301によりデジタル値に変換され、DSP307に入力される。記憶部306には予め磁気浮上制御定数がインプットされており、DSP307は変位センサ7の出力と制御定数とに基づいて電磁石5に流すべき励磁電流を算出する。例えば、ロータ4の浮上位置が適正位置よりも左側にずれている場合には、右側の電磁石51xの励磁電流を大きくして適正位置となるように制御する。このときの電流制御量はPID演算により算出される。DSP307からは供給すべき励磁電流に応じた制御信号が出力され、その制御信号はD/Aコンバータ302によりアナログ値に変換された後に励磁アンプ8に入力される。
【0014】
図4はセンサ回路2およびDSP307の構成を示すブロック図である。センサ回路2には搬送波生成部201が設けられており、生成された搬送波は抵抗Rを通して直列接続された変位センサ7(73)に印加される。変位センサ7からはインピーダンス変化により振幅変調されたAM波が出力され、そのAM波はA/Dコンバータ301によりデジタル信号に変換される。デジタル変換されたセンサ信号は、DSP307の復調演算部310により復調される。復調演算部310では、整流処理された信号から直流成分を取り除いて変位信号成分の抽出が行われるとともに、整流に伴って発生する高調波を除去する処理や、ゲイン・オフセット補正処理などが行われる。制御演算部311では、復調演算部310で得られた変位信号成分に基づいて電流制御量の演算が行われる。
【0015】
図4はアキシャル変位センサ73を例に示したものであるが、一対の変位センサから成るラジアル変位センサ71xに関しては図5のような構成となる。この場合、センサ信号の線形性を改善するために、両センサ71xからの信号の差分が用いられる。各センサ71xからのAM波は差動アンプ203に入力され、二つのAM波の差分信号が差動アンプ203によって得られる。この差分信号はA/Dコンバータ301によりデジタル変換される。それ以後の処理は図4に示す場合と同様である。
【0016】
(変形例)
図6は図4に示した制御系の変形例を示す図である。図6においてはDSP307の構成は図4のものと同一で、センサ回路2Bが図4のセンサ回路2と構成が異なっている。センサ回路2Bには差動アンプ203が設けられており、差動アンプ203には、変位センサ7(73)からのAM波と搬送波信号から生成された一定振幅を有する信号(以下では搬送波基準信号と呼ぶことにする)とが入力される。そして、AM波と搬送波基準信号との差分が、差動アンプ203からA/Dコンバータ301に入力される。搬送波基準信号は、搬送波生成部201からの搬送波をゲイン補正部202でゲイン補正することにより形成される。
【0017】
ここで、搬送波基準信号をαsin(ωt)、センサ信号をαγsin(ωt+β)とそれぞれ表すと、差分信号=搬送波基準信号−センサ信号は次式(1)のようになる。なお、βは位相ずれである。
【数1】
差分信号=Csin(ωt−φ) …(1)
C=α{(1−γ)2+2γ(1−cosβ)}0.5
φ=tan−1{γsinβ/(1−γcosβ)}
【0018】
例えば、位相ずれβ=0の場合、差分信号の振幅値はα|1−γ|となる。すなわち、差分信号の振幅値は差分する各信号の振幅値が同じ場合(γ=1)に最小となり、両信号の振幅値の差が大きくなるに従って同符号で大きくなる。そのため、両信号の差分信号を復調した場合には、ロータ変位の大きさ情報のみしか得られず、変位方向情報については得られない。
【0019】
そこで、図6の制御系において、予めロータ変位の変動範囲に対応したセンサ信号変動範囲を把握しておき、搬送波基準信号の一定振幅値をセンサ信号変動範囲の最大値以上、または、センサ信号変動範囲の最小値以下に設定する。このように搬送波基準信号を設定すると、ロータ変位の変動範囲においては、搬送波基準信号の振幅値はロータ変位に関して単調増加または単調減少となる。この場合、センサ信号変動範囲の中心値を、ロータ変動範囲の最大に対応するセンサ信号値と最小に対応するセンサ信号値との平均値とすれば、変位方向情報も得られることになる。通常は、上記中心値は最大と最小の平均値がゼロとなるようにオフセット調整される。
【0020】
インダクタンス式の変位センサ7では位置変動による搬送波振幅の変化量が小さく、搬送波の振幅変調度は必ずしも高くない。そのため、図4のようにセンサ出力信号を直接A/D変換してDSP307で復調処理を行った場合、A/D変換時の量子化誤差が問題となる。また、サンプリング周波数の1/2の周波数以上の高調波成分の折り返しでノイズ成分(aliasing)が発生するが、振幅変調度が小さいとノイズ成分に対するセンサ信号レベルが低くなるため、S/N比が低くなるという欠点がある。
【0021】
図6の制御系では、差動アンプ203によりセンサ信号と一定振幅を有する搬送波基準信号との差分を取ることにより、センサ信号から変動しない部分が予め取り除かれる。この場合、センサ信号の変動部分をデジタル変換したものに基づいて制御信号の演算が行われるため、S/N比の向上を図ることができる。なお、図5に示したラジアル軸の制御系の場合には、対向する変位センサ71xの差分信号が用いられるため、図4の場合と異なりS/N比の向上が図られている。
【0022】
ところで、変位センサ7のインダクタンスが大きい場合、搬送波基準信号に対するセンサ出力信号(AM波)の位相ずれ(上記のβ)が大きくなり、差分信号は位相ずれの影響を大きく受けることになる。位相ずれがあると(β≠0)、上述した振幅値Cの変位変動分である(1−γ)2が2γ(1−cosβ)に比べて小さくなり、S/N比が悪化する原因となる。そこで、図7に示すようにセンサ回路2Bに位相シフト部204を設け、搬送波基準信号を位相シフト部204で位相シフトさせてセンサ信号との位相ずれがほぼゼロとなるようにすれば良い。この場合、搬送波に対するセンサ信号の位相ずれβはそのままで、搬送波基準信号の方の位相をセンサ信号に合わせるようにしている。
【0023】
《復調に関する詳細説明》
次に、DSP307における復調演算の詳細について説明する。以下では図7の制御系を例に説明するが、図4〜6に示す制御系にも同様に適用することができる。図8は、図7の復調演算部310における処理を詳細に示すブロック図である。センサ回路2Bからの差分信号は、A/Dコンバータ301によりデジタル値に変換される。その後、A/Dコンバータ301から出力された差分信号は2つに分けられ、分岐された一方の差分信号には正弦波離散値演算部320からの正弦波離散値信号が乗算され、他方の差分信号には余弦波離散値演算部321からの余弦波離散値信号が乗算される。このとき、正弦波離散値信号および余弦波離散値信号と差分信号とは同期していなくても良い。
【0024】
図9および図10は、図8の(a)〜(g)および(l)における信号波形の一例を示したものであり、波形およびその波形を表す式を示す。図9の(a)は、図8の搬送波生成部201から変位センサ7に印加される搬送波信号を示したものである。搬送波はa1sin(2πfct)で表される。図9,10において、横軸は時間およびサンプリングのタイミングnを表している。離散値はn=0、n=1、n=2、…の順にサンプリングされる。Tsはサンプリング時間間隔であって、サンプリング周波数をfsとするとTs=1/fsである。また、fcは搬送波周波数、Tcは周期であって、fs=4fcとなっている。
【0025】
搬送波(a)が変位センサ7に印加されると、図9の(b)のように位相ずれφを有するAM波a2sin(2πfct+φ)が変位センサ7から差動アンプ203に出力される。一方、位相シフト部204は搬送波を上記位相ずれφと同じだけ位相シフトしたものを搬送波基準信号a3sin(2πfct+φ)として出力するので、その波形は図9の(c)のようになる。ただし、a3<a2またはa3>a2のように設定する。
【0026】
信号(b)と信号(c)との差分を取ると差分信号は(d)のようになり、その波形はa4sin(2πfct+φ)で表される。差動アンプ203から出力されたアナログ信号(d)をA/Dコンバータ301でデジタル値に変換すると、図9の(e)のような離散値信号a5sin(2πfc・nTs+φ)が得られる。正弦波離散値信号および余弦波離散値信号は、それぞれ図10の(f)および(g)に示すようなものとなる。ここでは、正弦波離散値信号(f)をsin(2πfc・nTs)とし、余弦波離散値信号(g)には信号(f)と位相が90度ずれたsin(2πfc・nTs−π/2)=−cos(2πfc・nTs)を用いる。
【0027】
分岐された各差分信号に対する乗算部314の乗算結果(h)および(i)は次式のように表される。
【数2】
【0028】
ローパスフィルタ演算部315は各信号(h),(i)に含まれる高調波成分を除去するものであり、各信号(h),(i)の直流成分が信号(j)、信号(k)として抽出される。すなわち、信号(j)は信号(h)の直流成分(a5cosφ)/2であり、信号(k)は信号(i)の直流成分(−a5sinφ)/2である。その後、信号(j)および(k)を2乗算演算部322でそれぞれ2乗し、各演算結果を和算部323で加え合わせる。さらに、その演算結果を平方根演算部324で処理すると、図10(l)のような信号a5/2が得られる。その後、ゲイン・オフセット演算部316においてゲイン補正およびオフセット補正を行い、その補正後の信号に基づいて制御演算を行う。
【0029】
図8に示す制御系はアキシャル軸に関するものであったが、図11はラジアル軸の制御系に適用した場合のブロック図である。この場合、変位センサ71xが2つ設けられているので、それぞれの変位センサ71xに関して搬送波基準信号との差分を取り、各差分信号毎に図9の信号(l)までの演算処理を行い、両方の平方根演算部324から出力される信号(l)に関して差分演算部331により差分信号を演算する。その後、この差分信号に対してゲイン・オフセット補正を行われ、この補正された信号に基づいて制御演算が行われる。
【0030】
図12は、従来の磁気軸受装置におけるセンサ回路12の構成を示す図である。従来は、センサ回路12内に整流回路121およびフィルタ回路122を備えていて、アナログ的に復調を行うようにしている。図12はラジアル軸に関するものであり、各変位センサ71x毎に整流回路121,フィルタ回路122が設けられている。整流回路121から出力される整流信号に含まれる搬送波基本波および高調波は、フィルタ回路122に設けられたローパスフィルタおよびノッチフィルタにて除去される。その後、差動アンプ203により差分が求められ、ゲイン・オフセット補正回路123で所定のゲイン補正およびオフセット補正が行われ、その信号がセンサ信号としてA/Dコンバータ301に出力される。
【0031】
図12に示すような従来の磁気軸受装置では、前述したように搬送波周波数を低くするとフィルタ回路122の規模が大きくなってしまうという欠点があった。しかし、本実施の形態の磁気軸受装置では、図12の整流回路121,フィルタ回路122,ゲイン・オフセット補正回路123の各処理を図4,5のDSP307によってソフト的に行うようにしているため、回路規模の縮小が図れ、搬送波周波数の低周波化に容易に対応することができる。
【0032】
−第2の実施の形態−
上述した図8に示す制御系では、差分信号と正弦波離散値信号および余弦波離散値信号とを非同期状態で整流処理を行った。第2の実施形態では同期状態で整流処理を行うものについて説明する。
【0033】
図13は、差分信号を用いる制御系のブロック図であり、アキシャル軸制御系に関するセンサ回路2Cと制御回路3Cとを示す。図7に示した制御系では、センサ回路2Bの搬送波生成部201で生成された搬送波を変位センサ7に印加したが、第2の実施の形態ではDSP307の正弦波離散値生成部320で生成された正弦波離散値をD/Aコンバータ313によりアナログ波に変換し、それを搬送波として変位センサ7に印加する。
【0034】
DSP307の乗算部314では、A/Dコンバータ301からの差分信号に正弦波離散値生成部320で生成した正弦波離散値を乗算することにより同期検波(整流)を行う。図7の場合と同様に、センサ出力信号と正弦波離散値生成部320で発生する正弦波との間には位相ずれがあるため、差分信号は正弦波と同相の成分と90度遅れの二成分に分離される。そのため、符号情報を有した信号成分を取り出すには、乗算時の差分信号の位相が正弦波の位相とほぼ同位相となるようにすれば良い。ここでは、センサ回路2Cに出力される搬送波の位相をDSP307の位相シフト演算部312でシフトさせて、乗算時の差分信号と正弦波離散値とが同位相となるようにする。
【0035】
図14および15は、図13の(a)〜(j)における信号波形の一例を示したものである。図14(a)は正弦波離散値生成部320で生成された正弦波離散値を示しており、それらの値はa1sin(2πfc・nTs)で表される。図14(a)に示す正弦波離散値を図13の位相シフト演算部312で位相シフトすると、(b)に示すように右方向にφだけ位相シフトした離散値信号が得られる。位相シフト後の離散値信号はa2sin(2πfc・nTs−φ)で表される。なお、ここではa1=a2とする。
【0036】
図14(b)に示す正弦波離散値がD/Aコンバータ313に入力されると、(c)に示すようなアナログ信号が出力される。(c)の波形には高調波が含まれていて階段状になっているが、この信号をローパスフィルタやバンドパスフィルタ等のフィルタ回路205でフィルタリングすることにより、(d)に示すような滑らかな搬送波a4sin(2πfct−φ)が得られる。
【0037】
(d)の搬送波を変位センサ7に印加すると、AM波a5sin(2πfct)が得られる。この例では、搬送波に対するAM波の位相ずれは+φであって、位相シフト演算部312ではこの位相ずれ+φに対応するように−φだけ位相シフトしている。そのため、AM波(e)と正弦波離散値(a)とは同位相となっている。図15(f)は差動アンプ203に入力される搬送波基準信号a6sin(2πfct)を示したものであり、位相シフト部204によって搬送波基準信号とAM波(e)とは同位相となっている。
【0038】
差動アンプ203において信号(e)と信号(f)との差分を取ると、差分信号a7sin(2πfct)は図15(g)のようになり、式a7sin(2πfct)で表される。差分信号(g)をA/Dコンバータ301によりデジタル変換すると、(h)のような離散値が取得される。このときのサンプリング周期はTsであって、差分信号離散値はa8sin(2πfc・nTs)で表される。乗算部314では、A/Dコンバータ301からの差分信号離散値(h)と正弦波離散値生成部320からの正弦波離散値(a)が乗算される。乗算結果は次式(2)で表され、その波形は図11の(i)のようになる。
【数3】
【0039】
式(2)からも分かるように、信号(i)は直流成分a1a8/2と搬送波の2倍の周波数を有する信号a1a8cos(4πfc・nTs)/2を含んでいる。そこで、ローパスフィルタ演算部315において信号a1a8cos(4πfc・nTs)/2を除去することにより、変位信号である直流成分a1a8/2を抽出する。図15(j)はローパスフィルタ演算部315から出力される直流成分a1a8/2を示したものである。その後、ゲイン・オフセット演算部316においてゲイン補正およびオフセット補正を行い、その補正後の信号に基づいて制御演算を行う。
【0040】
図16は、図13に示した制御系をラジアル軸用に書き換えたものである。制御回路3Cについては図13のものと全く同一であり、センサ回路2Cをラジアル変位センサ71x用に変更した。このセンサ回路2Cは、図5に示したセンサ回路2と搬送波生成に関する部分が異なる。すなわち、図5の搬送波生成部201に変えて、DSP307の正弦波離散値生成部320で生成した搬送波離散値をアナログ変換して得られる搬送波を各変位センサ71xに印加するようにした。このことは、図13の制御系と全く同じである。
【0041】
(変形例)
図17は図16に示す制御系の変形例を示すブロック図である。差分信号がセンサ回路2Cから制御回路3Cに入力されると、差分信号はA/Dコンバータ301でデジタル値に変換される。このデジタル値は、A/Dコンバータ301に起因するオフセットを持ってしまうのが一般的である。乗算部314に入力される差分信号にオフセットがあると乗算値がずれてしまうため、現実的には、個々のA/Dコンバータ301に対してオフセットを調整する必要がある。
【0042】
図17に示す制御系では、A/Dコンバータ301と乗算部314との間に、バンドパス処理やハイパス処理を行うフィルタ演算部341を設けた。このフィルタ演算部341により差分信号に含まれる上記オフセット分が除去されるので、上述したようなオフセット調整を省略することができる。なお、フィルタ演算部341については、図17に示す制御系だけではなく、図4〜8,11,13に示す制御系にも同様に適用することができる。
【0043】
−第3の実施の形態−
上述した第2の実施の形態では、図13にアキシャル変位センサ73に関する制御系を示し、図16に4軸あるラジアル変位センサの一つに関する制御系を示した。例えば、図13のセンサ回路2Cに出力される正弦波離散値の位相をDSP307の位相シフト演算部312でシフトさせることによって、乗算部314で乗算する際にA/Dコンバータ301からの差分信号と正弦波離散値生成部320で生成した正弦波離散値とがほぼ同位相となるようにしていた。
【0044】
ところで、センサ回路2Cから出力される差分信号の位相ずれは、アキシャル変位センサ73とラジアル変位センサ71xとの構造の相違や各センサ71x間のばらつき等により、各軸毎に異なっている。そのため、各軸毎に位相シフト演算部312が設けられていて、各位相シフト演算部312はそれぞれの軸に応じたシフト量で正弦波離散値の位相をシフトさせるようにしていた。そして、各位相シフト演算部312で位相シフトされた正弦波離散値を各々D/Aコンバータ313でアナログ波に変換し、各センサ回路2Cに出力するようにしていた。
【0045】
図18および図19は第3の実施の形態における制御系のブロック図であり、5軸全ての変位センサについて示したものである。図18は各変位センサ71x、71y、72x、72y、73とセンサ回路2Dとを示す図であり、図19は制御回路3Dを示したものである。ラジアル変位センサ71x、71y、72x、72yは図2に示した各ラジアル電磁石51x、51y、52x、52yに対応して設けられた変位センサである。なお、図13,16に示したものと同一の部分には同一の符号を付した。以下では、図13,16と異なる部分を中心に説明する。
【0046】
まず、搬送波を生成する原信号となる正弦波離散値を、図19に示す制御回路3Dの正弦波離散値生成部320で生成する。なお、搬送波を生成するための正弦波離散値D/A出力サンプリング周波数は、DSP等のデジタル演算処理能力が許す限り高くした方が、D/A出力後の高調波除去ためのアナログフィルタの次数を低減できるので好ましい。
【0047】
生成された正弦波離散値は、D/Aコンバータ313によりアナログ波に変換される。D/Aコンバータ313から出力されたアナログ波は、図18に示すフィルタ回路205によって高調波除去やオフセット除去などが行われる。このとき、フィルタ回路205から出力される搬送波信号は原信号基準位相からずれを生じる。フィルタ回路205から出力された搬送波信号は、抵抗Rを介して各変位センサ71x、71y、72x、72y、73に印加される。
【0048】
各変位センサ71x、71y、72x、72y、73からは、インピーダンス変化により振幅変調されたAM波が出力される。ラジアル変位センサ71x、71y、72x、72yに関しては、図16の場合と同様に、それぞれ一対の変位センサの信号が作動アンプ203に入力され、作動アンプ203からそれらの差分信号が出力される。
【0049】
一方、アキシャル変位センサ73の場合、変位センサ73に印加される搬送波信号に対して変位センサ73から出力されるAM波は位相ずれが生じる。そこで、作動アンプ203での差分処理が同位相で行われるように、ゲイン補正部202でゲイン補正した搬送波信号を、位相シフト部204でAM波の位相ずれに対応する分だけ位相シフトし、それを作動アンプ203に入力する。
【0050】
5軸に関する各作動アンプ203から出力された差分信号は、フィルタ回路400において搬送波周波数を中心周波数とするバンドパス処理が行われる。これにより、後続する検波処理におけるS/N比の向上を図ることができる。各フィルタ回路400から出力された信号は、図19に示す制御回路3DのA/Dコンバータ301に入力されてそれぞれデジタル変換される。デジタル変換された各信号は、バンドパス処理やハイパス処理を行うフィルタ演算部341によって差分信号に含まれるオフセット分が除去される。乗算部314にはフィルタ演算部341からの差分信号と、位相シフト演算部401からの信号とが入力される。
【0051】
各乗算部314に入力される差分信号は、正弦波離散値生成部320で生成された原信号(正弦波離散値)基準位相からずれが生じる。具体的には、(1)D/A変換され、アナログフィルタを通過する過程、(2)各軸の変位センサに印加され、アナログ回路を通過する過程でそれぞれ発生する。さらに、センサ出力差分信号をA/Dコンバータ301でA/D変換するタイミングが各軸毎に異なるので、各軸間の相対的な位相ずれも生じる。
【0052】
そのため、各軸に対応して設けられた位相シフト部演算401は、各差分信号の位相ずれに応じて正弦波離散値生成部320からの正弦波離散値をそれぞれ異なるシフト量で位相シフトすることになる。その結果、各軸に関して、差分信号と、それに乗算される正弦波離散値とがほぼ同位相となる。乗算部314以後の各処理は、図13または図16に示した処理手順と全く同一なので、ここでは説明を省略する。
【0053】
図20,21は、図18,19の(a)〜(h’)における信号波形の一例を示したものである。本実施の形態においても、説明を簡単にするために、上述した第2の実施の形態と同様に変位センサにおける位相ずれのみに着目して説明する。図20(a)は正弦波離散値生成部320で生成された正弦波離散値を示しており、それらの値はa1sin(2πfc・nTs)で表される。Tsはサンプリング時間間隔、fcは搬送波周波数であって、上述した実施の第1,2の形態と同様である。
【0054】
図20(a)の信号をD/Aコンバータ313でアナログ変換すると、図20(b)のような階段状の信号が得られる。この信号をフィルタ演算部205で処理することにより、図20(c)のような滑らかな搬送波a4sin(2πfct)が得られる。図20(c)の搬送波を変位センサ73に印加すると、図20(d)のような搬送波に対して+φだけ位相ずれしたAM波a5sin(2πfct+φ)が得られる。
【0055】
図20(e)は差動アンプ203に入力される搬送波基準信号a6sin(2πfct+φ)を示したものであり、位相シフト部204によってAM波a5sin(2πfct+φ)と同位相とされている。差動アンプ203から出力される差分信号a7sin(2πfct+φ)は、図21(f)のようになる。その後A/Dコンバータ301でA/D変換され、フィルタ演算部341から乗算部314に出力される信号は図21(g)のようになる。
【0056】
一方、位相シフト演算部401では、正弦波離散値生成部320で生成された正弦波離散値a1sin(2πfc・nTs)をAM波a5sin(2πfct+φ)の位相ずれと同じ+φだけ位相シフトして、乗算部314に入力する。図21(h)は、位相シフト演算部401から乗算部314に入力される信号を示したものであり、a2sin(2πfc・nTs+φ)のように表される。
【0057】
なお、各変位センサ71x、71y、72x、72y、73に関して設けられた5つのA/Dコンバータ301では、各差分信号のA/D変換が行われるが、それぞれ時間的に異なるタイミングで変換が行われる。図21(g’)および図21(h’)は変位センサ72yに関する信号(g’)および(h’)を示したものであり、ここでは、A/D変換のタイミングが変位センサ73の場合よりもΔtだけ遅れているとした。この場合には、位相シフト演算部401では、Δtのタイミング遅れも考慮して正弦波離散値の位相シフトを行う。信号(g’)はa8sin(2πfc・nTs+φ1+2πfc・Δt)のように表され、信号(h’)はa2sin(2πfc・nTs+φ1+2πfc・Δt)のように表される。
【0058】
上述したように、第3の実施の形態では、一つのD/Aコンバータ313から出力された搬送波を各軸の変位センサ71x、71y、72x、72y、73に印加し、正弦波離散値を位相シフトして変位センサ出力差分信号に乗算するようにしているので、第2の実施の形態に比べてD/Aコンバータ313の数を削減することができ、回路のコストダウンが図れるとともに、回路規模の縮小も図れる。例えば、第2の実施の形態では各軸毎にD/Aコンバータ313を必要とするので、上述した5軸制御型の磁気軸受の場合、D/Aコンバータ313が5つ必要となる。本実施の形態では5軸制御の場合を例に示したが、3軸制御などの制御軸数が異なる場合にも適用することができる。
【0059】
なお、上述した第1〜3の実施の形態では、乗算部314で乗算される2つの信号がほぼ同位相となるように位相シフトしたが、同位相ではなくて逆位相(180degの位相ずれ)であっても良い。逆位相の場合、乗算結果に符号変換を施すことにより、同位相の場合と同一符号の値となる。
【0060】
上述した実施の形態ではターボ分子ポンプの磁気軸受装置を例に説明したが、本発明は、工作機械や真空搬送装置等に用いられる磁気軸受装置にも適用することができる。なお、以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、図8の2乗算演算部322,和算部323および平方根演算部324は請求項7の合一演算部を、図11の2乗算演算部322,和算部323および平方根演算部324は請求項9の合一演算部をそれぞれ構成する。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来アナログ的に行ってきた整流処理、フィルタ処理、ゲイン・オフセット補正処理を、デジタル演算処理によりソフト的に行うようにしているため、回路規模の縮小が図れる。また、回路規模を増大することなく、搬送波周波数の低周波化を図ることができる。
特に、請求項3および7の発明では、センサ信号と所定振幅を有する搬送波基準信号との差分を取ることにより、ロータ変位の大きさ情報のみならず変位方向情報についても得られる。また、S/N比の向上を図ることもできる。
請求項4および8の発明によれば、差分される搬送波基準信号とセンサ信号とがほぼ同位相となるため、S/N比の向上を図ることができる。
請求項1〜4の発明によれば、復調演算において、センサ信号の差分とほぼ同位相の正弦波離散値を乗算することで、デジタル演算処理により復調処理を行うようにしたので、復調処理をアナログ処理で行っている従来の装置に比べて回路規模の縮小が図れる。
請求項7〜9の発明によれば、差分信号に正弦波離散値を乗算したものと、差分信号に余弦波離散値を乗算したものとを用いて非同期で復調処理を行うようにした。この復調処理はデジタル演算により行われるので、復調処理をアナログ処理で行っている従来の装置に比べて回路規模の縮小が図れる。
請求項5の発明によれば、D/A変換部の数を削減することができ、制御軸を複数備えた磁気軸受装置において、回路のコストダウンが図れるとともに、回路規模の縮小も図れる。
請求項10の発明によれば、デジタル値に変換された差分にバンドパス演算処理やハイパス演算処理をすることにより、A/D変換時に生じるオフセットを除去することができ、復調処理の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気軸受装置の第1の実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプの概略構成を示す断面図である。
【図2】5軸制御型磁気軸受の概念図である。
【図3】磁気軸受装置の磁気浮上制御系の基本構成を示すブロック図である。
【図4】アキシャル軸に関するセンサ回路2およびDSP307の構成を示すブロック図である。
【図5】ラジアル軸に関するセンサ回路2およびDSP307の構成を示すブロック図である。
【図6】図4に示した制御系の変形例を示す図である。
【図7】位相シフト回路204を設けた制御系のブロック図である。
【図8】図7の復調演算部310における処理を詳細に示すブロック図である。
【図9】図8の(a)〜(e)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【図10】図8の(g),(f),(l)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【図11】図8に示す制御系をラジアル軸の制御系に適用した場合のブロック図である。
【図12】従来の磁気軸受装置におけるセンサ回路12の構成を示す図である。
【図13】本発明による磁気軸受装置の第2の実施の形態を示す図であり、差分信号を用いる制御系のブロック図である。
【図14】図13の(a)〜(e)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【図15】図13の(f)〜(j)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【図16】図13に示した制御系をラジアル軸用に書き換えブロック図である。
【図17】図16に示す制御系の変形例を示すブロック図である。
【図18】本発明による磁気軸受装置の第3の実施の形態を示す図であり、制御系のセンサ回路2Dを示すブロック図である。
【図19】制御系の制御回路3Dを示すブロック図である。
【図20】図18,19の(a)〜(e)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【図21】図18,19の(f)〜(h’)における信号波形および波形を表す式を示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体1
2,2B,2C,2D センサ回路
3,3C,3D 制御回路
4 ロータ
5,51〜53,51x,51y,52x,52y 電磁石
7,71〜73,71x,71y,72x,72y 変位センサ
8 励磁アンプ
201 搬送波生成部
202 ゲイン補正部
203 差動アンプ
204 位相シフト部
205,400 フィルタ回路
301 A/Dコンバータ
302 D/Aコンバータ
307 DSP
310 復調演算部
311 制御演算部
312,401 位相シフト演算部
313 D/Aコンバータ
314 乗算部
315 ローパスフィルタ演算部
320 正弦波離散値演算部
321 余弦波離散値演算部
322 2乗算演算部
323 和算部
324 平方根演算部
331 差分演算部
341 フィルタ演算部
Claims (10)
- 被支持体を非接触支持する電磁石と、
前記電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、
搬送波を生成する搬送波生成手段と、
前記搬送波を前記被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号として出力するセンサと、
前記センサ信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル値に変換されたセンサ信号に基づいてデジタル演算処理により復調する復調演算手段と、
前記復調演算手段の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御する制御手段とを備える磁気軸受装置であって、
前記復調演算手段は、正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、前記デジタル値に変換されたセンサ信号と前記正弦波離散値とを乗算する乗算部と、前記乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを備え、
前記搬送波生成手段は、前記乗算部で乗算される正弦波離散値とセンサ信号とがほぼ同位相となるように前記正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、その位相シフトされた正弦波離散値をD/A変換して前記搬送波を生成するD/A変換部とを備え、
前記制御手段は、前記ローパス演算部の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御することを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1に記載の磁気軸受装置において、
前記センサは、前記被支持体を挟んで対向して配設され、前記搬送波を前記被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサを備えるものであって、
前記一対のセンサから出力されるセンサ信号の差分を演算する差分演算手段を備え、
前記A/D変換手段は、前記差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換し、
前記乗算部は、前記デジタル値に変換された差分と前記正弦波離散値とを乗算し、
前記位相シフト演算部は、前記乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように、前記正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトすることを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1に記載の磁気軸受装置において、
前記搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、
前記センサ信号と前記搬送波基準信号との差分を演算する差分演算手段とを備え、
前記A/D変換手段は、前記差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換し、
前記乗算部は、前記デジタル値に変換された差分と前記正弦波離散値とを乗算し、
前記位相シフト演算部は、前記乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように、前記正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトすることを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項3に記載の磁気軸受装置において、
前記差分演算手段に入力される前記搬送波基準信号と前記センサ信号とがほぼ同位相となるように、前記搬送波基準信号の位相をシフトする位相シフト手段を設けたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 被支持体を非接触支持する電磁石と、前記電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、前記被支持体を挟んで対向して配設され、搬送波を前記被支持体の浮上位置に応じて変調 してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサと、前記一対のセンサから出力されるセンサ信号の差分を演算する差分演算手段と、前記差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換するA/D変換手段とを有する制御軸を、複数備えた磁気軸受装置において、
正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、前記正弦波離散値をD/A変換することにより前記搬送波を生成して前記センサの各々に出力するD/A変換部とを備える搬送波生成手段と、
前記正弦波離散値と前記デジタル値に変換された差分とがほぼ同位相となるように前記正弦波離散値をデジタル演算処理により位相シフトする位相シフト演算部と、前記デジタル値に変換された差分と前記位相シフト演算部で位相シフトされた正弦波離散値とを乗算する乗算部と、前記乗算部の乗算結果にローパス演算処理を行うローパス演算部とを前記複数の制御軸毎に備える復調演算手段と、
前記ローパス演算部の演算結果に基づく前記励磁アンプの制御を各制御軸毎に行う制御手段とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気軸受装置において、
前記位相シフト演算部は、前記乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ同位相となるように位相シフトするのに代えて、前記乗算部で乗算される正弦波離散値と差分とがほぼ逆位相となるように位相シフトすることを特徴とする磁気軸受装置。 - 被支持体を非接触支持する電磁石と、
前記電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、
搬送波を生成する搬送波生成手段と、
前記搬送波を前記被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号として出力するセンサと、
前記搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、
前記センサ信号と前記搬送波基準信号との差分を演算する差分演算手段と、
前記差分演算手段で演算された差分をデジタル値に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル値に変換された差分に基づいてデジタル演算処理により復調する復調演算手段と、
前記復調演算手段の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御する制御手段とを備える磁気軸受装置であって、
前記復調演算手段は、(a)正弦波離散値をデジタル演算処理により生成する正弦波離散値生成部と、(b)余弦波離散値をデジタル演算処理により生成する余弦波離散値生成部と、(c)前記デジタル値に変換された差分を2つに分岐し、分岐された一方の差分に前記正弦波離散値を乗算し、分岐された他方の差分に前記余弦波離散値を乗算する乗算部と、(d)前記乗算部の各乗算結果にローパス演算処理をそれぞれ行うローパス演算部と、(e)前記ローパス演算部の各演算結果をそれぞれ2乗し、それらの2乗値の和に対して平方根を演算する合一演算部とを備え、
前記制御手段は、前記合一演算部の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御することを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項7に記載の磁気軸受装置において、
前記差分演算手段に入力される前記搬送波基準信号と前記センサ信号とがほぼ同位相となるように、前記搬送波基準信号の位相をシフトする位相シフト手段を設けたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 被支持体を非接触支持する電磁石と、
前記電磁石に励磁電流を供給する励磁アンプと、
搬送波を生成する搬送波生成手段と、
前記被支持体を挟んで対向して配設され、前記搬送波を前記被支持体の浮上位置に応じて変調してセンサ信号としてそれぞれ出力する一対のセンサと、
前記搬送波に基づいて所定振幅値を有する搬送波基準信号を生成する基準信号生成手段と、
前記一対のセンサの各センサ信号と前記搬送波基準信号との差分をそれぞれ演算する差分演算手段と、
前記差分演算手段で演算された各差分をそれぞれデジタル値に変換するA/D変換手段と、
前記デジタル値に変換された2つの差分の各々に対して(a)正弦波離散値を生成する正弦波離散値生成部と、(b)余弦波離散値を生成する余弦波離散値生成部と、(c)前記差分を2つの分岐信号に分岐し、一方の分岐信号に前記正弦波離散値とを乗算し、他方の分岐信号に前記余弦波離散値を乗算する乗算部と、(d)前記乗算部の各乗算結果にローパス演算処理をそれぞれ行うローパス演算部と、(e)前記ローパス演算部の各演算結果をそれぞれ2乗し、それらの2乗値の和に対して平方根を演算する合一演算部とを有し、前記2つの合一演算部の演算結果の差分を算出することにより復調演算を行う復調演算手段と、
前記復調演算手段の演算結果に基づいて前記励磁アンプを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする磁気軸受装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁気軸受装置において、
前記A/D変換手段によりデジタル値に変換された差分に対しバンドパス演算処理および/またはハイパス演算処理を行い、処理後の信号を前記乗算部に入力するフィルタ演算部を設けたことを特徴とする磁気軸受装置。
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