JP4240691B2 - 定電流回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気負荷にバイポーラトランジスタを介して一定電流を流すようにした定電流回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の定電流回路として、特開平5−60623号公報に記載されているものがある。
即ち、上記公報に記載の定電流回路は、図5に示すように、アース電位に一端が接続された電気負荷Lの他端にエミッタが接続されたNPN形の電流供給用トランジスタQ100と、アース電位を基準とした電源の高電位側VCCとアース電位との間に、上記高電位側VCCから順次直列に接続された第1の抵抗101、第2の抵抗102、第3の抵抗103、及び第4の抵抗104と、第2の抵抗102と第3の抵抗103との接続点にコレクタが接続され、第3の抵抗103と第4の抵抗104との接続点にベースが接続され、アース電位にエミッタが接続されたNPN形の第2のトランジスタQ200とからなり、第1の抵抗101と第2の抵抗102との接続点に電流供給用トランジスタQ100のベースが接続されると共に、その電流供給用トランジスタQ100のコレクタに、電流供給端子105を介して、アース電位よりも高い正の電圧VD が印加されるようになっている。
【0003】
そして、この定電流回路では、電流供給用トランジスタQ100を介して電気負荷Lに一定の電流(負荷電流)Iが供給されることとなるが、電気負荷Lの抵抗値(負荷抵抗)Rの温度特性を補償するために、電気負荷Lの両端にかかる電圧Eが温度に応じて適切に変わるように各抵抗101〜104の抵抗値(特に第3の抵抗103と第4の抵抗104との抵抗比)を設定するようにしており、これにより、負荷電流Iが温度に関係なく一定となるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の定電流回路では、以下の問題がある。
まず、電気負荷Lの抵抗温度係数をTCRL とし、負荷抵抗Rのある基準温度Ttyp での値(ティピカル値)をRtyp とし、その基準温度Ttyp からの温度変化分をΔTとすると、負荷抵抗Rは「Rtyp(1+TCRL×ΔT)」と表すことができ、負荷抵抗Rの温度特性(即ち、基準温度Ttyp からの温度変化に伴う負荷抵抗Rの変動分)は「Rtyp×TCRL×ΔT)」となる。よって、負荷抵抗Rのティピカル値Rtyp がばらつけば、その温度特性もばらつくこととなる。
【0005】
そして、上記従来の定電流回路では、電気負荷Lの両端にかかる電圧Eが、温度に応じて、負荷抵抗Rの温度特性を補償可能に変わるように、各抵抗101〜104の抵抗値を設定するようにしているため、負荷抵抗Rのティピカル値Rtyp がばらついてしまうと、各抵抗101〜104の最適抵抗値が変わってしまう。
【0006】
よって、個々の電気負荷L毎に、各抵抗101〜104の調整作業が必要となるが、このような作業は非常に困難であり事実上不可能である。
特に、上記公報に記載のように、拡散抵抗で形成された4つの歪みゲージをホイートストンブリッジ接続してなる圧力センサ素子を、電流供給対象の電気負荷Lとした場合、拡散抵抗の抵抗値は、製造工程の不純物拡散濃度や抵抗線幅のばらつきによって、通常、±10〜±20パーセント程度ばらつくため、このような圧力センサ素子に上記従来の定電流回路を適用することは困難である。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電気負荷の抵抗値にばらつきがあっても、その電気負荷への負荷電流を温度に関係なく一定とすることができる定電流回路を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた本発明の定電流回路は、電気負荷に一定電流を流すものであり、その電気負荷の一端にコレクタが接続されて該電気負荷に電流を流す電流供給用トランジスタと、該電流供給用トランジスタのエミッタと基準電位との間に接続されて、前記電気負荷に電流供給用トランジスタを介して電流を流すための電流経路を成す抵抗温度係数がほぼ零の電流経路形成用抵抗と、電源の一方の電位側と他方の電位側との間に、前記一方の電位側から順次直列に接続された第1の抵抗、第2の抵抗、第3の抵抗、及び第4の抵抗と、前記電流供給用トランジスタと同じ種類であると共に、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗との接続点にコレクタが接続され、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続点にベースが接続され、前記電源の前記他方の電位側にエミッタが接続された第2のトランジスタとを備えており、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点に前記電流供給用トランジスタのベースが接続されている。
【0009】
このような本発明の定電流回路では、電流供給用トランジスタを介して電気負荷に負荷電流Iが供給され、その負荷電流Iは、電流経路形成用抵抗に流れる電流I’とほぼ同じになる。そして、本発明の定電流回路によれば、前記電流経路形成用抵抗の両端にかかる電圧(延いては、その電流経路形成用抵抗に流れる電流I’)が温度変化に対してほぼ一定となるように、前記第1〜第4の抵抗の種類及び各抵抗値を設定することができ、これにより、電気負荷の抵抗値(負荷抵抗)にばらつきがあっても、その電気負荷への負荷電流Iを温度に関係なく一定とすることができる。
【0010】
ここで、こうした作用及び効果を一層明確にするために、本発明の定電流回路の代表的な構成例を図1に示す。尚、図1に示す構成例では、電流経路形成用抵抗15の一端が接続される基準電位を、アース電位(=0V)としている。また、電源の低電位側がアース電位であり、その電源の高電位側VCCが、アース電位を基準とした正の電圧となっている。そして、第1の抵抗11の一端が接続される電源の一方の電位側を、上記高電位側VCCとし、第4の抵抗14の一端及び第2のトランジスタQ2のエミッタが接続される電源の他方の電位側を、アース電位としている。また、以下の説明において、電源の高電位側VCCは、アース電位を基準とした電源の電圧値(即ち、電源の一方の電位側と他方の電位側との電位差)を示すことから、電源電圧VCCという。
【0011】
まず、図1に示すように、本発明の代表的な構成例では、電流供給用トランジスタQ1がNPNトランジスタであり、そのコレクタが電気負荷Lの一端に接続されている。また、電気負荷Lの他端には、電流供給端子16を介して、アース電位よりも高い正の負荷駆動用電圧VD が印加される。
【0012】
そして、電流供給用トランジスタQ1のエミッタとアース電位との間には、抵抗温度係数がほぼ零の(換言すれば、温度特性を持たない)電流経路形成用抵抗15が接続されており、この電流経路形成用抵抗15は、電気負荷Lに電流供給用トランジスタQ1を介して電流を流すための電流経路を成している。
【0013】
尚、こうした電流経路形成用抵抗15としては、請求項4に記載のように、薄膜抵抗を用いることができる。つまり、通常、半導体集積回路内で形成される薄膜抵抗は、温度特性がほとんど無く抵抗温度係数が極めて零に近いからである。また、電源電圧VCCとアース電位との間には、電源電圧VCCからアース電位へと、第1の抵抗11、第2の抵抗12、第3の抵抗13、及び第4の抵抗14が、順次直列に接続されている。
【0014】
そして、電流供給用トランジスタQ1と同じ種類のNPNトランジスタである第2のトランジスタQ2のコレクタが、第2の抵抗12と第3の抵抗13との接続点に接続され、また、第2のトランジスタQ2のベースが、第3の抵抗13と第4の抵抗14との接続点に接続されている。そして更に、第2のトランジスタQ2のエミッタが、アース電位に接続されている。
【0015】
次に、このような図1の定電流回路において、各抵抗11,12,13,14,15の抵抗値を、それぞれR1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 とし、電流供給用トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧をVBE1 とし、第2のトランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧をVBE2 とする。そして、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率(hfe)は十分に大きく、各トランジスタQ1,Q2のベース電流が無視できるものとする。
【0016】
この場合、第1の抵抗11と第2の抵抗12との接続点の電位Vx は、回路の左側部分における接続関係から、下記の式2で表される。尚、式2において、Vy は、第2の抵抗12と第3の抵抗13との接続点の電位である。
【0017】
【数2】
【0018】
また、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率が十分に大きければ、電気負荷Lに流れる負荷電流Iと電流経路形成用抵抗15に流れる電流I’とが等しいと見なすことができるため、第1の抵抗11と第2の抵抗12との接続点の電位Vx は、回路の右側部分における接続関係から、下記の式3で表される。
【0019】
【数3】
Vx = R5・I’+ VBE1 = R5・I+ VBE1 …式3
そして、式2と式3から、電気負荷Lに流れる負荷電流Iは、下記の式4で表される。尚、式4の()内は、電流経路形成用抵抗15の両端にかかる電圧Vを示している。
【0020】
【数4】
【0021】
ここで、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2は同じ種類であり、その両トランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ間電圧VBE1 ,VBE2 は、温度に拘わらずほぼ等しい値となるため、例えば請求項3に記載の如く、第1の抵抗11と第2の抵抗12との両抵抗、及び第3の抵抗13と第4の抵抗14との両抵抗を、互いに同じ種類の抵抗とし、第1〜第4の抵抗11〜14の抵抗値R1 〜R4 を、式4及び式1におけるγが1となるように(即ち、式4において、温度変化による変動が大きいVBE1 とVBE2 とを相殺するように)設定すれば、電流経路形成用抵抗15の両端にかかる電圧Vは「VCC×R2 /(R1 +R2 )」となり、負荷電流Iは下記の式5のようになる。
【0022】
【数5】
【0023】
そして、第1の抵抗11と第2の抵抗12との両抵抗、及び第3の抵抗13と第4の抵抗14との両抵抗が、互いに同じ種類の抵抗であれば、第1の抵抗11と第2の抵抗12との互いの抵抗温度係数、及び第3の抵抗13と第4の抵抗14との互いの抵抗温度係数は、同じ値となるため、上記γ=1の条件が温度に拘わらず成立すると共に、電流経路形成用抵抗15の両端にかかる電圧V(=「VCC×R2 /(R1 +R2 )」)が、温度及び電気負荷Lの抵抗値(負荷抵抗)Rに拘わらず一定となる。
【0024】
そして更に、電流経路形成用抵抗15の抵抗温度係数はほぼ零であるため、式5からも分かるように、電気負荷Lに流れる負荷電流Iは、温度及び負荷抵抗Rに拘わらず一定となる。
このように本発明の定電流回路によれば、電気負荷Lの抵抗値Rにばらつきがあっても、その電気負荷Lへの負荷電流Iを温度に関係なく一定とすることができ、従来回路のような各電気負荷L毎の抵抗調整作業が一切不要となる。
【0025】
尚、本発明の定電流回路において、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率は大きいほど良い。つまり、各トランジスタQ1,Q2の直流増幅率が大きいほど、ベース電流が無視できるほどに小さくなって、コレクタ電流とエミッタ電流とがほぼ同じ値となるため、上記式2〜式5を確実に成立させることができるからである。そして、このことから、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率は、請求項5に記載の如く50以上であることが好ましく、100以上であればより更に好ましい。つまり、直流増幅率が50程度であれば、ベース電流の影響による負荷電流Iの誤差は2%程度となるため、問題の無い精度を得ることができ、直流増幅率が100以上であれば、更に十分と言える。
【0026】
また、このことから、請求項6に記載の如く、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との各々として、2つのトランジスタ素子をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタを用いれば、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率を極めて大きくすることができ、非常に有利である。
【0027】
ところで、第1〜第4の抵抗11〜14の抵抗値R1 〜R4 は、前述したように、式4におけるγが1となるように設定することが最も好ましいのであるが、その各抵抗値R1 〜R4 は、請求項2に記載の如く、0.5<γ<1.5を満たす範囲で(即ち、式1を満たすように)設定しても十分な効果が得られる。
【0028】
この理由について具体的に説明する。
まず一般に、集積回路の抵抗は製造ばらつきが大きく、その抵抗値のばらつきは拡散抵抗、薄膜抵抗共に±20%程度であるが、同一チップ内での抵抗値の比率のばらつきは、線幅等にもよるが一般に±1〜2%程度以下である。よって、式1及び式4におけるγの値は、1±数%と捕らえる方が、より現実的である。
【0029】
そして、γにどの程度の誤差が許されるかは、式4の()内を元に概算することができる。
例えば、温度範囲(温度変化分)ΔT、負荷電流Iの変動許容値、及び「VCC×R2 /(R1 +R2 )」をいくつに設定したかで結果は若干違うが、ΔTを50℃とし、負荷電流Iの変動許容値を±5%とし、「VCC×R2 /(R1 +R2 )」を1.0Vとすると、一般に、バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧VBEの温度変動は約−2mV/℃であるため、式4より、
±5%=(γ−1)×|−2×10-3|×50/1.0×100%
となり、0.5<γ<1.5である。
【0030】
つまり、この例のように、γの値は、理想値である1に対して±50%の範囲内であれば、式4の()内の値の温度に対する変動を±5%程度に抑えることができ、上記目的を達成することができる。
一方、本発明の定電流回路を半導体集積回路で構成する場合、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2とを、同一形状で且つ同一方向に向けて配置するように構成すれば、その両トランジスタQ1,Q2の特性を揃えることができ有利である。
【0031】
つまり、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との特性が同じであれば、その両トランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ間電圧VBE1 ,VBE2 が確実にほぼ同じ値となるため、上記式2〜式5を確実に成立させることができるからである。
【0032】
そして更に、各抵抗11〜15の抵抗値R1 〜R5 は、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との各々に流れる電流が、ある基準温度Ttyp で等しくなるように設定しておくことが望ましい。つまり、両トランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ間電圧VBE1 ,VBE2 を同じ値にさせ易いからである。
【0033】
また、本発明の定電流回路において、第1〜第4の抵抗11〜14は、前述したように、その抵抗値R1 〜R4 の比率のみが関係するため、抵抗温度係数が零でなくても良い。このため、第1〜第4の抵抗11〜14としては、温度特性が大きい拡散抵抗や所謂ベース抵抗などを用いても良い。つまり、第1の抵抗11と第2の抵抗12との抵抗温度係数が同じで、第3の抵抗13と第4の抵抗14との抵抗温度係数が同じであれば良く、第1〜第4の抵抗11〜14としては、同じ種類の抵抗を用いれば良い。無論、第1〜第4の抵抗11〜14として、温度特性を持たない薄膜抵抗を用いることも可能である。
【0034】
一方更に、本発明の定電流回路では、式5から分かるように、電源電圧VCCに比例して負荷電流Iが変化する、電源レシオ性を有する。このため、電源レシオ性を持った定電流源として使用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態の定電流回路について、図面を用いて説明する。
まず第1実施形態の定電流回路は、前述した図1の如く構成されていると共に、拡散抵抗で形成された4つの歪みゲージをホイートストンブリッジ接続してなる圧力センサ素子を、電流供給対象の電気負荷Lとしている。
【0036】
そして、本第1実施形態の定電流回路は、半導体集積回路として構成されていると共に、電流経路形成用抵抗15として、温度特性がほとんど無いCr・Si等の金属からなる薄膜抵抗を用い、他の第1〜第4の抵抗11〜14として、同じ温度特性の拡散抵抗を用いている。
【0037】
また、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2とは、同種で同一形状のトランジスタを同一方向に向けて配置することにより、その両トランジスタQ1,Q2の特性が同じになるようにしている。そして、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率は、ベース電流が無視できるように100以上に設定している。
【0038】
そして更に、第1〜第4の抵抗11〜14の、ある基準温度Ttyp における抵抗値R1 〜R4 は、前述した式4及び式1のγが1となるように設定されている。
このような第1実施形態の定電流回路によれば、電気負荷Lとしての圧力センサ素子を構成する歪みゲージの抵抗値が大きくばらついたとしても、その圧力センサ素子への負荷電流Iを温度に関係なく一定とすることができる。
【0039】
尚、上記のような圧力センサ素子に一定電流を流すようにした場合、その圧力センサ素子に印加する電圧VR は大きいほど良い。つまり、圧力センサ素子の出力電圧が大きくなり、圧力をより正確に検出することができるからである。
ここで、本第1実施形態の定電流回路において、電気負荷Lとしての圧力センサ素子に印加することができる電圧VR は、下記の式6となる。尚、VCEQ1は、電流供給用トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧である。
【0040】
【数6】
そして、VR の最大値VRMAXは、下記の式7となる。尚、VCEQ1(sat) は、電流供給用トランジスタQ1の飽和状態でのコレクタ・エミッタ間電圧である。
【0041】
【数7】
このことから、第1の抵抗11と第2の抵抗12との抵抗比、及び第3の抵抗13と第4の抵抗14との抵抗比を、適宜設定することにより、上記VRMAXを変えることができる。但し、VCEQ1(sat) 及びVRMAXは温度によって変わるため、上記抵抗比は使用温度範囲を考慮して決定する必要がある。
【0042】
また、「VR =負荷電流I×負荷抵抗R」であり、負荷電流Iは、式5に示したように、電流経路形成用抵抗15の抵抗値R5 に反比例するため、VR の値は、電流経路形成用抵抗15の抵抗値R5 で調整するようにしても良い。そして、この場合、薄膜抵抗からなる電流経路形成用抵抗15をレーザトリミングすることが考えられる。
【0043】
次に、第2実施形態の定電流回路は、図2に示すように構成されている。
即ち、本第2実施形態の定電流回路では、前述した第1実施形態の定電流回路と比較して、電流供給用トランジスタQ1が、2つのトランジスタ素子Q11,Q12をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタとなっており、同様に、第2のトランジスタQ2が、2つのトランジスタ素子Q21,Q22をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタとなっている。そして、その他については、第1実施形態の定電流回路と同じである。
【0044】
このような第2実施形態の定電流回路によれば、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率が極めて大きくなるため、その各トランジスタQ1,Q2の実質的なベース電流を更に小さくすることができ、非常に有利である。つまり、前述した式2〜式5を確実に成立させることができ、定電流の精度を上げることができる。
【0045】
尚、この場合、ダーリントン形の電流供給用トランジスタQ1を構成する2つのトランジスタ素子Q11,Q12のうち、初段のトランジスタ素子Q11のベース・エミッタ間電圧をVBE11とし、後段のトランジスタ素子Q12のベース・エミッタ間電圧をVBE12とすると共に、ダーリントン形の第2のトランジスタQ2を構成する2つのトランジスタ素子Q21,Q22のうち、初段のトランジスタ素子Q21のベース・エミッタ間電圧をVBE21とし、後段のトランジスタ素子Q22のベース・エミッタ間電圧をVBE22とすると、前述した各式では、下記の置き換えを行えば良い。
【0046】
VBE1 =VBE11+VBE12
VBE2 =VBE21+VBE22
次に、第3実施形態の定電流回路は、図3に示すように、前述した第1実施形態の定電流回路と比較して、以下の(1)〜(3)の点が変更されている。
【0047】
(1)まず、第1の抵抗11の一端が接続される電源の一方の電位側を、アース電位とし、第4の抵抗14の一端及び第2のトランジスタQ2のエミッタが接続される電源の他方の電位側を、電源電圧VCC(電源の高電位側)としている。つまり、第1実施形態の定電流回路に対して、電源の正負を逆転させており、第1〜第4の抵抗11〜14は、その順にアース電位の側から電源電圧VCCへと直列に接続されている。
【0048】
(2)また、これに伴い、電流経路形成用抵抗15の一端が接続される基準電位を、電源電圧VCCとしている。そして、電気負荷Lの電流供給用トランジスタQ1側とは反対側の端部には、電流供給端子16を介して、電源電圧VCCよりも電位の低い負荷駆動用電圧VD が印加される。
【0049】
(3)そして更に、電流供給用トランジスタQ1及び第2のトランジスタQ2として、PNPトランジスタを用いている。
そして、このような第3実施形態の定電流回路によっても、第1実施形態の定電流回路と同じ作用及び効果を得ることができる。
【0050】
次に、第4実施形態の定電流回路は、図4に示すように構成されている。
即ち、本第4実施形態の定電流回路では、上記第3実施形態の定電流回路と比較して、PNP形の電流供給用トランジスタQ1が、2つのトランジスタ素子Q11,Q12をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタとなっており、同様に、PNP形の第2のトランジスタQ2が、2つのトランジスタ素子Q21,Q22をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタとなっている。そして、その他については、第3実施形態の定電流回路と同じである。
【0051】
このような第4実施形態の定電流回路によれば、第2実施形態の定電流回路と同じ効果を得ることができる。つまり、電流供給用トランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との直流増幅率が極めて大きくなるため、その各トランジスタQ1,Q2の実質的なベース電流を更に小さくすることができ、その結果、定電流の精度を上げることができる。
【0052】
特に、PNPトランジスタは、NPNトランジスタに比べて直流増幅率が小くなる傾向にあるため、図4の如くダーリントントランジスタを用いる方が良い。以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0053】
例えば、上記各実施形態では、第4の抵抗14の一端及び第2のトランジスタQ2のエミッタが接続される電位(電源の他方の電位側)と、電流経路形成用抵抗15の一端が接続される基準電位とが同じであったが、その両電位に、温度に依存しない一定の電位差が設けられていても良い。
【0054】
また、上記各実施形態の定電流回路は、圧力センサ素子に一定電流を供給するものであったが、電流供給対象の電気負荷Lとしては、圧力センサ素子に限らず、様々な抵抗負荷とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の定電流回路の代表的な構成例、及び第1実施形態の定電流回路を表す回路図である。
【図2】 第2実施形態の定電流回路の構成を表す回路図である。
【図3】 第3実施形態の定電流回路の構成を表す回路図である。
【図4】 第4実施形態の定電流回路の構成を表す回路図である。
【図5】 従来の定電流回路の構成を表す回路図である。
【符号の説明】
L…電気負荷 Q1…電流供給用トランジスタ
Q2…第2のトランジスタ 11…第1の抵抗 12…第2の抵抗
13…第3の抵抗 14…第4の抵抗 15…電流経路形成用抵抗
16…電流供給端子
Claims (6)
- 電気負荷に一定電流を流す定電流回路であって、
前記電気負荷の一端にコレクタが接続されて該電気負荷に電流を流す電流供給用トランジスタと、
該電流供給用トランジスタのエミッタと基準電位との間に接続されて、前記電気負荷に前記電流供給用トランジスタを介して電流を流すための電流経路を成す抵抗温度係数がほぼ零の電流経路形成用抵抗と、
電源の一方の電位側と他方の電位側との間に、前記一方の電位側から順次直列に接続された第1の抵抗、第2の抵抗、第3の抵抗、及び第4の抵抗と、
前記電流供給用トランジスタと同じ種類であると共に、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗との接続点にコレクタが接続され、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続点にベースが接続され、前記電源の前記他方の電位側にエミッタが接続された第2のトランジスタと、
を備え、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点に前記電流供給用トランジスタのベースが接続されていることを特徴とする定電流回路。 - 請求項2に記載の定電流回路において、
前記第1〜第4の抵抗の各抵抗値は、前記γの値が1(γ=1)となるように設定されていることを特徴とする定電流回路。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の定電流回路において、
前記電流経路形成用抵抗は、薄膜抵抗であること、
を特徴とする定電流回路。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の定電流回路において、
前記電流供給用トランジスタと前記第2のトランジスタとの直流増幅率が、50以上であること、
を特徴とする定電流回路。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の定電流回路において、
前記電流供給用トランジスタと前記第2のトランジスタとの各々は、2つのトランジスタ素子をダーリントン接続してなるダーリントントランジスタであること、
を特徴とする定電流回路。
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