JP4239807B2 - マーキング特性に優れた鋳片およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、鋳片の溶断面にマーキングをする際、溶断面に生成するスケールの組成および厚みを制御することにより、良好でかつ容易にマーキングをすることができ、しかも剥がれにくい、マーキング特性に優れた鋳片およびその製造方法に関する。
一般に、連続鋳造設備において、製造された鋳片が圧延工程へ輸送され、あるいはスラブ等の形で客先へ販売される際、各鋳片のロット番号を識別するために、文字・数字・記号を刻印または塗料吹き付け等によってマーキングするのが通例である。マーキングは、通常、ガストーチ等で切断した面に行われる。しかし、切断の直後にスケールの生成が始まるため、スケール上にマーキングを行うこととなり、条件によってはスケールとともにマーキングが剥離する場合がある。
連続鋳造鋳片をトーチ(例えば、可燃性ガスと酸素を使用するガストーチ)により溶断した後、その溶断面に塗料を吹き付けるマーキング技術のうちで、後述する本発明に近いものとしては、下記の2件の特許文献があげられる。
特許文献1に記載されるマーキング方法は、熱間材(ここでは、「鋳片」と記す)の温度を測定し、その鋳片温度が耐熱塗料の付着最適温度まで低下するように高圧水を自動制御により必要量だけ噴射してスケールを除去し、その後に耐熱塗料を鋳片溶断面に吹き付ける方法である。実施例には、水圧15kgf/cm2(147N/cm2)の高圧水を水量300リットル/分で噴射し、鋳片温度900℃のときは20秒の噴射によりマーキング箇所の温度が400℃に降下し、鋳片温度が600℃では10秒の噴射で400℃に降下したと記載されている。その後、使用可能温度250〜900℃、付着最適温度400〜500℃の耐熱塗料を使用し、マーキング面積を0.1m2としてマーキングを実施した結果、鋳片温度が900℃、600℃のいずれの場合もスケール除去が十分に行われ、吹き付けが1回で付着性のよいマーキングができたとしている。
しかし、この方法では、高圧水の噴射の条件によっては、マーキング性やマーキングの付着性が悪い場合がある。また、溶断面の温度が下がりすぎ、エネルギーロスが大きく、さらに鋼種によっては、溶断面に割れが発生する場合がある。
特許文献2に記載のマーキング装置は、マーキング位置まで走行できる台車を備え、その台車には塗料吹き付け用ノズルを取り付けたスプレーボックスと、高圧冷却水を吹き付けるデスケーリングノズルと、エアーノズル等を備える装置で、冷却水の圧力が40kgf/cm2(392N/cm2)、2個のノズルの合計水量が80リットル/分で、約10秒程度噴射させる(合計水量は13リットル)と記載されている。また、高温材に対する塗料スプレーは、塗料が高温空気層の対流に妨げられて付着しにくいことから、700℃以下に冷却してからマーキングを行うことが望ましいとしている。
この装置を用いれば、マーキング部分のスケールを除去し、その部分を冷却した後、直ちにマーキングを行うことができるので、塗料スプレー時にマーキング面が復熱することがほとんどなく、マーキングを効果的に行うことができる。また、従来は、例えば、冷却水の圧力が20kgf/cm2(196N/cm2)、水量が200リットル/分で、約30秒程度噴射させるので、所要水量は100リットルであり、これに比べてデスケーリングに要する冷却水量も少なく、ランニングコストが安くなるとしている。
しかしながら、前記と同様、高圧水の噴射の条件によっては、マーキング性、付着性が悪い場合がある。また、デスケーリングによって溶断面の温度が下がりすぎ、エネルギーロスが大きく、さらに鋼種によっては、溶断面に割れが発生する場合がある。
特開昭57−112924号公報
特公昭58−51773号公報
本発明の目的は、熱間でガス溶断した鋳片溶断面にマーキング用の塗料を吹き付ける際、剥がれにくくマーキング特性に優れ、かつ、溶断面の温度が過度に低下することもなく、溶断面に割れ等の欠陥が発生することがない鋳片、およびその鋳片を得るための方法を提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決するために、ガス溶断面に生成したスケールを詳細に調査した結果、溶断面に吹き付けた塗料の付着性が著しく良好となるスケール組成があることを知見した。また、このようなスケール組成を得るために、塗料の吹き付け前に所定の条件で高圧水を噴射してデスケールするのが有効で、その際に必要な水圧、水量等の条件を見いだした。
すなわち、溶断面には、溶断後の時間の経過とともに、最初にFeOが生成し、そのFeOの表面(つまり、大気と接する表面)にFe34が、次にFe23が順次生成する。また、これらFeOやFe34、Fe23は、ガス溶断後、速やかに生成し始める。FeOは薄くて緻密なスケールであり、結晶粒界との密着性が強く、FeOが結晶粒界に侵入し、剥がれにくい。一方、Fe34やFe23は剥がれやすい。
したがって、FeOが酸化されて生成したFe34やFe23をできるだけ早く高圧冷却水によって吹き飛ばすことによってスケールは剥がれにくいFeO単相のスケールとなる。そのためには、デスケーリングにおける高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧を290N/cm2以上、単位面積当たりの水量を0.02〜0.05リットル/cm2とし、噴射ノズル先端を噴射する部分に所定距離以内に近づけて高圧冷却水を噴射することにより、前記の剥がれにくいスケール性状とし、溶断面の表面温度を過度に低下させずに、マーキング特性に優れた鋳片が得られることを知見した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は下記(1)に記載の鋳片、およびこの鋳片を得るための(2)に記載の製造方法にある。
(1)鋳造直後にガス溶断され、その溶断面にマーキング用塗料が吹き付けられる連続鋳造された鋳片であって、前記溶断面に生成するスケールにおけるFeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上で、かつ全スケール厚さが0.2mm以下であるマーキング特性に優れた鋳片。
(2)鋳造直後にガス溶断した後、前記溶断面のマーキング用塗料を吹き付ける部分に、高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧が290N/cm2以上、溶断面と前記噴射ノズル先端との距離が20cm以内、および高圧冷却水を噴射する部分の単位面積当たりの水量が0.02〜0.05リットル/cm2の条件で高圧冷却水を噴射し、かつ、前記溶断面の表面温度が700℃以下に低下する前に高圧冷却水の噴射を終了するマーキング特性に優れた鋳片の製造方法。
ここでいう「マーキング特性」とは、前記のように、良好でかつ容易にマーキングをすることができ、しかも剥がれにくいという、マーキングのし易さおよび耐欠落・剥離性をいう。以下、単に「マーキング性」ともいう。
本発明の鋳片は、鋳片の切断(溶断)面にマーキングをする際のマーキング特性に優れ、特に、マーキングが剥がれにくく、かつ溶断面の温度が過度に低下しておらず、溶断面に割れ等の欠陥の発生もみられない。この鋳片は、マーキングの前に行うデスケーリングの際の水圧、水量等を適正に制御する本発明の方法により容易に製造することができる。
前記(1)に記載のマーキング特性に優れた鋳片は、『鋳造直後にガス溶断され、その溶断面にマーキング用塗料が吹き付けられる連続鋳造された鋳片であって、前記溶断面に生成するスケールにおけるFeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上で、かつ全スケール厚さが0.2mm以下の鋳片』である。
この本発明の鋳片は鋳造直後にガス溶断された連続鋳造鋳片で、高温状態にあるので、溶断面にはスケールが生成している。この溶断面のスケールは、最下層が最初に生成したFeOで、その上に、FeOがさらに酸化されて生成したFe34、Fe23が順に存在している。マーキング用塗料はこの鋳片の溶断面、すなわちスケール表面に吹き付けられることになる。
本発明の鋳片において、溶断面に生成するスケールにおけるFeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上と規定するのは、FeO単相の厚さがこの条件を満たすと、スケールが溶断面から剥がれにくくなり、したがって、スケール表面に吹き付けられた塗料(すなわち、文字・数字等のマーキング)が剥離しにくくなるからである。なお、ここでいう「FeO単相」とは、FeOが面積比率で98%以上存在している相で、Fe34、Fe23が2%未満の割合で混在しても構わない。
さらに、全スケール厚さが0.2mm以下と規定するのは、たとえ前記のFeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上という条件が満たされても、全スケール厚さが0.2mmを超えると、熱応力などによりスケールに作用する歪みが大きくなってスケールが剥がれやすくなるからである。
FeO単相の厚さおよび全スケール厚さは、一般的な電子線マイクロアナライザー(EPMA)による方法を用いて求めることができる。試験片の前処理、分析条件等の一例をあげると、次のとおりである。
試験片の前処理:(1)鋳片の溶断面からスケールの生成した試験片を任意のサイズ に切り出す
(2)樹脂詰め成型をする
(3)ペーパー研磨した後、バフ研磨する
(4)EPMA分析に供する
分析手法:EPMAによる線分析法(ベースとしてFeO、Fe34、Fe23等 の標準サンプルと比較する)
分析条件:加速電圧 20.0(kv)
試料電流 0.060(μA)
プローブ径 1(μmφ)
スピード 40(μm/min)
測定距離 0.200(mm)
図1は、前記EPMAによる分析結果の一例を模式的に示す図である。縦軸はFeの分析結果で、FeO、Fe34、Fe23等の標準サンプルで得られるFe分析値に対応する位置(軸上の高さ)にそれぞれ破線を付して、FeO、Fe34、Fe23等として表示している。横軸はスケールの断面方向の距離である。
図1から、縦軸のFeO、Fe34およびFe23に相当する高さに平坦部とみられる部分があり、FeO、Fe34およびFe23が生成していることがわかる。本発明では、縦軸のFeOに相当する高さに達している部分の距離「a」をFeO単層の厚さとし、FeO、Fe34およびFe23等のそれぞれの厚さが加算された距離「b」を全スケール厚さとしている。したがって、本発明で規定する「FeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上」とは、「a/bが20%以上」であることを、また、「全スケール厚さが0.2mm以下」とは、「bが0.2mm以下」であることを意味する。
本発明の鋳片においては、溶断面に形成されるスケールが前記のような組成、形状(厚さ)を有しているので剥がれにくく、そのためこのスケール表面に吹き付けられた塗料(すなわち、マーキング)も剥離しにくい。また、良好かつ容易にマーキングをすることができる。すなわち、本発明の鋳片はマーキング特性に優れている。
前記(2)に記載のマーキング特性に優れた鋳片の製造方法は、『鋳造直後にガス溶断した後、前記溶断面のマーキング用塗料を吹き付ける部分に、高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧が290N/cm2以上、溶断面と前記噴射ノズル先端との距離が20cm以内、および高圧冷却水を噴射する部分の単位面積当たりの水量が0.02〜0.05リットル/cm2の条件で高圧冷却水を噴射し、かつ、前記溶断面の表面温度が700℃以下に低下する前に高圧冷却水の噴射を終了する方法』である。
この本発明の鋳片の製造方法において、鋳造直後にガス溶断した後、その溶断面のマーキング用塗料を吹き付ける部分に高圧冷却水を噴射するのは、FeOが酸化されて生成したFe34やFe23を高圧冷却水によってできるだけ早く吹き飛ばして除去(デスケール)し、剥がれにくいFeO単相のスケールとするためである。
高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧を290N/cm2以上とし、溶断面と噴射ノズル先端との距離を20cm以内とするのは、Fe34やFe23を効果的に除去するためである。噴射ノズルの出口圧の上限、噴射ノズル先端との距離の下限は特に規定しない。噴射ノズルの出口圧は設備面から自ずと適正な上限が定まり、噴射ノズル先端との距離についても、作業性を考慮すれば極端に狭めることはないからである。
また、高圧冷却水を噴射する部分の単位面積当たりの水量(以下、「単位面積当たりの水量」を「水量密度」という)を0.02〜0.05リットル/cm2とするのは、水量密度が0.02リットル/cm2未満では、効果的に、Fe34やFe23のスケールを除去できず、0.05リットル/cm2を超えると、除去効果が飽和するのみならず、溶断面の温度が過度に低下してエネルギーロスが大きくなるからである。
また、溶断面の表面温度が700℃以下に低下する前に高圧冷却水の噴射を終了することとするのは、ガス溶断後、速やかに生成し始めるFe34やFe23のスケールを、速やかに除去するため、および溶断面の温度が下がりすぎないようにしてエネルギーロスを小さくするためである。700℃以下に低下する前に高圧冷却水の噴射を終了する(つまり、Fe34やFe23のスケールを除去する)には、ある程度の噴射時間を要し、溶断面の表面温度も下がるので、表面温度が700℃まで低下するよりもかなり前から、望ましくはガス溶断後直ちに高圧冷却水の噴射を開始するのがよい。
本発明の鋳片の製造方法で規定する高圧冷却水の圧力、水量密度等を従来の技術と比較すると、前掲の特許文献1に記載のマーキング方法では、実施例で、高圧水の圧力が147N/cm2、水量密度が0.05〜0.1リットル/cm2(前記の300リットル/分×10〜20秒から、マーキング面積0.1m2を冷却面積と仮定して計算)の条件を採用しており、本発明における規定と比べると、高圧水の圧力が低く、水量密度は大きい。したがって、Fe34やFe23の除去が必ずしも効果的ではなく、マーキングの付着性が悪い場合があり、また、溶断面の温度が下がりすぎてエネルギーロスが大きいと推測される。
また、特許文献2に記載のマーキング装置では、その記載から、高圧水の圧力が392N/cm2、水量密度が0.013リットル/cm2(40リットル/分×ノズル2個×10秒から、冷却面積を0.1m2と仮定して計算)である。水量密度が小さいので、Fe34やFe23の除去が効果的に行われにくく、マーキングの付着性が悪い場合があり、また、700℃以下に冷却することから、溶断面の温度が下がりすぎエネルギーロスが大きいと予測される。
本発明の鋳片の製造方法によれば、前述の条件で鋳片の溶断面に高圧冷却水を噴射してデスケールし、その部分のスケール性状を剥がれにくいものとした鋳片、すなわち、前記(1)に記載のマーキング特性に優れた鋳片を製造することができる。
実際に鋳片の溶断面に塗料を吹き付けてマーキングをするに際しては、前記のようにして得られた鋳片の溶断面の所定部位(高圧冷却水を噴射してデスケールした部位)に、マーキング機能のみを備える装置を使用してマーキングをすることができる。
しかし、マーキング機能に加え、鋳片の溶断面に本発明の鋳片の製造方法で規定する条件で高圧冷却水を噴射し、デスケールする機能も備えるマーキング装置を使用すれば、ガス溶断後の鋳片に効率よくマーキングをすることが可能であり、望ましい。
このデスケール機能も兼ね備えるマーキング装置が具備すべき構成要素は下記のとおりで、いずれも一般的な装置、機器類である。
冷却水 ・・高圧水供給装置、デスケーリング用噴射ノズル
塗料 ・・塗料供給装置、塗料吹き付け用ノズル、マーキング原板
温度計 ・・鋳片温度測定用の温度センサー
制御装置・・高圧水量、塗料吹き付け量
この装置を用いてデスケールおよびマーキングをするには、デスケーリング用噴射ノズルの方向を鋳片溶断面のマーキング部分に対して垂直に配置し、かつ溶断面と噴射ノズル先端との距離を前記所定の範囲内に保って高圧冷却水を噴射し、その後、塗料吹き付け用ノズルを配置して塗料を吹き付けることによりマーキングすることができる。なお、マーキング部分の面積は、特に限定されることはなく、一般的には、縦方向100mm、幅方向800mm程度(約800cm2)である。
連続鋳造直後にガス溶断して得られた鋳片(幅:1250mm、厚さ:227mm)のマーキング面(溶断面の一部)に下記の条件で高圧冷却水を噴射した。なお、高圧冷却水の噴射時間は各鋳片とも一定としたが、鋳片溶断面の表面温度が700℃に下がる前に高圧冷却水の噴射を終了した。
噴射ノズルの出口圧 :250〜320N/cm2
水量密度 :0.01〜0.04リットル/cm2
噴射ノズル先端と鋳片溶断面との距離:15cm
高圧冷却水の噴射時間 :22秒(目標60秒以内)
次いで、図2に示すように、高圧冷却水を噴射した後の各鋳片1のマーキング面2(図中に示した太線枠内)の幅方向5箇所のサンプル採取位置3(図中に示した楕円枠内)から、それぞれ30mm(縦)×30mm(横)×10mm(奥行き、つまりマーキング面に垂直方向距離)のサンプルを採取し、前述したEPMAによる線分析法により、全スケール厚さと、全スケール厚さに対するFeO単相の厚さの比率を求めた。
一方、前記高圧冷却水を噴射した後の各鋳片のマーキング面に数字等をマーキングした後、1ヶ月間屋外でマーキング面を垂直にして放置し、前記マーキングした数字等の判読の可否を調査した。
調査結果を表1に示す。表1において、「マーキング性」の欄の「良好」はマーキングの判読が可能であった場合、「不良」は判読が不可能であった場合である。また、「FeO厚さの比率」とは、全スケール厚さに対するFeO単相の厚さの比率(百分率)を意味する。
Figure 0004239807
また、図3は、表1に示した結果に基いて全スケール厚さに対するFeO単相の厚さの比率(以下、単に「FeO単層厚さの比率」ともいう)と全スケール厚さの関係を示した図である。
図3から、FeO単層厚さの比率と全スケール厚さとが破線で囲んだ右下部分に入る場合、すなわち、FeO単層厚さの比率が20%以上で、かつ全スケール厚さが0.2mm以下であれば、マーキング性が良好であることが明らかである。
さらに、表1に示した結果から、溶断面と噴射ノズル先端との距離が20cm以内で、水量密度が0.02〜0.05リットル/cm2の範囲で、かつ高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧が290N/cm2以上であれば、FeO単層厚さの比率が20%以上で、しかも全スケール厚さが0.2mm以下のスケールとすることが可能であることがわかる。
本発明の方法で製造される鋳片は、鋳片の切断(溶断)面にマーキングをする際のマーキング特性に優れ、特に、マーキングが剥がれにくく、溶断面に割れ等の欠陥の発生もみられない。したがって、連続鋳造設備で製造された鋳片を圧延工程へ輸送し、あるいはスラブ等の形で外販するなどの際に、容易かつ確実にロット番号を識別することが可能で、当該産業分野における利用価値は極めて大きい。
EPMAによる分析結果の一例を模式的に示す図である。 高圧冷却水を噴射した後の各鋳片のマーキング面からのサンプル採取位置を示す図である。 全スケール厚さに対するFeO単相の厚さの比率と全スケール厚さの関係を示す図である。
符号の説明
1: 鋳片
2:マーキング面
3:サンプル採取位置

Claims (2)

  1. 鋳造直後にガス溶断され、その溶断面にマーキング用塗料が吹き付けられる連続鋳造された鋳片であって、前記溶断面に生成するスケールにおけるFeO単相の厚さが全スケール厚さの20%以上で、かつ全スケール厚さが0.2mm以下であることを特徴とするマーキング特性に優れた鋳片。
  2. 鋳造直後にガス溶断した後、前記溶断面のマーキング用塗料を吹き付ける部分に、高圧冷却水の噴射ノズルの出口圧が290N/cm2以上、溶断面と前記噴射ノズル先端との距離が20cm以内、および高圧冷却水を噴射する部分の単位面積当たりの水量が0.02〜0.05リットル/cm2の条件で高圧冷却水を噴射し、かつ、前記溶断面の表面温度が700℃以下に低下する前に高圧冷却水の噴射を終了することを特徴とするマーキング特性に優れた鋳片の製造方法。
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