JP4016904B2 - パラフィンを用いたスプレーノズルのスプレー衝突力定量評価方法およびデスケーリング性能評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラフィンを用いて、スプレーノズルのスプレー衝突力を定量的に評価する方法およびこのスプレー衝突力定量評価方法を利用して、デスケーリングスプレーノズルのデスケーリング性能を定量的に評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デスケーリングスプレーノズルのデスケーリング性能を、オフラインで定量的に評価する方法として、従来、固定状態のアルミ板あるいは鉛板にスプレーノズルにより高圧水を噴射して壊食し、アルミ板あるいは鉛板の重量変化(壊食量)からスプレーノズルのデスケーリング性能を定量的に評価する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、この方法では、段落〔0026〕にも記載されているとおり、単位壊食量Bを求めるのに30秒もの長時間を要するので、熱延鋼板のデスケーリングのように被処理材が搬送状態にあり、またデスケーリング時間(壊食時間)が0.1秒程度と極めて短い場合には、その適用が困難視されている。
【0004】
すなわち、アルミ板や鉛板の壊食には、これらを固定状態で数十秒〜数分程度のスプレー噴射時間が必要であることから、アルミ板や鉛板を搬送状態下でスプレーにより壊食しようとしても、衝突時間が短すぎて(0.1秒程度)、壊食させることができない。
一方、固定状態で長時間スプレーした場合には、衝突の累積効果が入ってくるので、壊食に伴って表面形状が変化し、また被壊食物も脆化するため、壊食初期と後期とでは削れ方が異なるという問題を生じ、やはり壊食量を正確に測定することができなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−70611 号公報(特許請求の範囲、段落〔0026〕)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、これまでに報告されている評価方法は、被処理材を固定した状態で評価するものであるため、この方法を、搬送状態下にある被処理材に対するスプレーノズルのデスケーリング性能の評価に際して、そのまま適用することができなかった。
また、実操業でのデスケーリングでは、スプレー衝突時間が極めて短い(0.1秒程度)ことから、従来報告されているアルミ板や鉛板では全く壊食されないため、スプレー衝突時間が微小な場合のスプレーノズルのデスケーリング性能を正確に評価することはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、被処理材が搬送状態にある場合であっても、またスプレー衝突時間が極めて短い場合であっても、スプレーノズルのスプレー衝突力、ひいてはスプレーノズルのデスケーリング性能を正確に評価することができる、パラフィンを用いたスプレーノズルのスプレー衝突力定量評価方法およびデスケーリング性能評価方法を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、まず搬送状態下でかつ短い衝突時間であっても、スプレー衝突力を的確に評価することができる供試材について検討した。
かような供試材としては、短い衝突時間でも、ある程度の壊食量があり、しかもその壊食量について再現性の良いものでなければならない。
【0009】
その結果、かような供試材としては、パラフィンなかでも融点が44〜46℃程度のパラフィンが好適であることを突き止めた。
すなわち、パラフィンは、その硬度がアルミや鉛に比べて低く、また常温で固体であることから、搬送状態下でかつ衝突時間が短い場合であっても、スプレー衝突による壊食が明確にしかも再現性良く現れ、その結果スプレーノズルのスプレー衝突力を定量的に正確に評価することができ、ひいては搬送状態下にある被デスケーリング物に対するスプレーノズルのデスケーリング性能も定量的に正確に評価できることが究明されたのである。
また、パラフィンは、その融点を調整することにより、常温での硬度を調整できるので、スケールの種類に応じて適宜選択すれば、より的確にデスケーリング性能を評価できるという利点もある。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0010】
すなわち、本発明は、板状のパラフィンを水平方向に搬送しつつ、搬送面の上方に設置したスプレーノズルから高圧スプレー水を噴射してパラフィンを壊食し、該高圧スプレー水の噴射前後におけるパラフィンの重量変化からスプレーノズルのスプレー衝突力を定量的に評価することを特徴とする、パラフィンを用いたスプレーノズルのスプレー衝突力定量評価方法である。
【0011】
また、本発明は、上記1に記載のスプレー衝突力定量評価方法において、デスケーリングの対象とするスケールの種類に応じて、パラフィンの融点を調整することにより、デスケーリングの対象スケール毎にスプレーノズルのデスケーリング性能を評価することを特徴とするデスケーリング性能評価方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に従い具体的に説明する。
図1に、特許文献1に記載の従来のスプレーノズルのスプレー衝突力測定方法を模式で示す。図中、番号1はスプレーノズル、2は供試材であるアルミ板である。
同図に示したように、従来は、固定されたアルミ板(または鉛板)に対して高圧スプレー水を噴射し、その際の壊食量でスプレー衝突力を評価していた。
【0013】
しかしながら、この方法では、15分間の照射によってもアルミの減少量は0.45g、すなわち5×10-4g/sと極わずかであるため、処理時間が0.1秒程度と極めて短時間の場合のスプレー衝突力に換算した場合に、バラツキが非常に大きくなり、かような短時間の場合のスプレー衝突力を正確に測定することはできなかった。従って、実操業でのデスケーリング性能も正確に評価することができなかった。
【0014】
これに対し、図2に示すように、供試材としてパラフィン3を用いた本発明の場合には、処理時間が0.01秒と極めて短い場合であっても、パラフィン3の壊食量は200g、すなわち2×104 g/s と、アルミ板の場合に比べると4000万倍にもなるので、処理時間が 0.1秒程度の実操業の場合のスプレー衝突力に換算した場合であっても、その誤差およびバラツキは極めて小さく、従来法に比べると格段に正確にスプレー衝突力を評価することができるのである。
このように、パラフィン3は、アルミ板2に比べると、短時間のスプレー照射であってもスプレー衝突力を正確に評価することができるので、実操業におけるデスケーリング性能も正確に評価することが可能になったのである。
【0015】
上記したように、本発明によれば、搬送状態下で極く短時間のスプレー照射時間であっても、デスケーリング性能を正確に評価することができるので、供試材であるパラフィンの融点を、デスケーリングの対象とするスケールの種類に応じて調整しておけば、より一層正確に実操業におけるデスケーリング性能を評価することが可能となる。
【0016】
【実施例】
図2に示した本発明法に従って、スプレーノズルのスプレー衝突力を評価した。実験条件は次のとおりである。
・使用ノズル:共立合金製(型番:DNH0925 )
・ノズルの使用本数:2本(ノズル間隔:60mm)
・ノズル先端と供試材との距離:145 mm
・供試材の搬送速度:40 mpm
・供試材であるパラフィンの融点:44〜46℃
なお、比較のため、供試材としてアルミ板および鉛板を用いた以外は、本発明と同様な条件でスプレー照射を行った場合の結果についても調査した。
【0017】
その結果、供試材として、従来法のアルミ板および鉛板を使用した場合の壊食量はゼロで、スプレー衝突力を測定することができなかった。
これに対し、本発明に従い供試材として融点:44〜46℃のパラフィンを用いた場合には、合計9回の壊食量が 15.27〜16.82 g/cm2/s で平均値:16.26 g/cm2/s と、極めて小さい誤差範囲で壊食量を測定することができた。
また、この結果を、実際のデスケーリング処理に採用することにより、スプレーのデスケーリング性能も正確に評価することができた。
【0018】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、搬送状態下にある被処理材に対するスプレーノズルのスプレー衝突力を定量的に正確に評価することができ、ひいては被デスケーリング物が搬送状態下にある場合のスプレーノズルのデスケーリング性能を定量的に正確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のスプレーノズルのスプレー衝突力測定方法を示す模式図である。
【図2】 本発明に従うスプレーノズルのスプレー衝突力測定方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 スプレーノズル
2 アルミ板(または鉛板)
3 パラフィン
Claims (2)
- 板状のパラフィンを水平方向に搬送しつつ、搬送面の上方に設置したスプレーノズルから高圧スプレー水を噴射してパラフィンを壊食し、該高圧スプレー水の噴射前後におけるパラフィンの重量変化からスプレーノズルのスプレー衝突力を定量的に評価することを特徴とする、パラフィンを用いたスプレーノズルのスプレー衝突力定量評価方法。
- 請求項1に記載のスプレー衝突力定量評価方法において、デスケーリングの対象とするスケールの種類に応じて、パラフィンの融点を調整することにより、デスケーリングの対象スケール毎にスプレーノズルのデスケーリング性能を評価することを特徴とするデスケーリング性能評価方法。
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