JP4239428B2 - 光学記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板上に少なくとも相変化型記録層および光透過層を有し、光透過形成面層側からレーザー光を照射することによる相変化によって生じる反射率差または反射光位相差を利用した信号の記録、再生を行う光学記録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ用、ビデオ用等、各種の情報を記録する光学記録媒体として、その記録もしくは再生をレーザー光を照射することによって行う光ディスク、光磁気ディスク、相変化記録媒体等の、再生専用型、追記型、書換え型等の各種光学記録媒体があるが、これらの光学記録媒体を構成する情報記録層には、データ情報、トラッキングサーボ信号等の記録がなされる位相ピット、プリグルーブ等の微細凹凸が形成されて成り、この微細凹凸上には、上記各光学記録媒体に応じた各種材料による成膜がなされている。
【0003】
相変化型の光学記録媒体は、相変化前後においてレーザー光に対する反射率または反射光の位相が変化することを利用したものであり、外部磁界を必要とせず、反射光量の違いを検出して記録信号の再生を行うものである。
【0004】
このように相変化型の光学記録媒体は、外部磁界を印加するための磁石を必要とせず、光学系を極めて簡素化できるという点においてドライブの作製が容易化し、装置の小型化、低コスト化にも有利である。
【0005】
さらには、相変化型の光学記録媒体はレーザー光のパワーを変調するだけで、信号の記録および信号の消去を行うことが可能であり、信号消去と書換えを単一のビームによって同時に行う、1ビームオーバーライトも可能であるという利点を有している。
【0006】
このような相変化型の光学記録媒体においては、記録層を形成する材料としては、一般的にカルコゲン系合金が適用されており、例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、In−Sb−Te系、Ge−Sn−Te系,Ag−In−Sb−Te系合金薄膜等が挙げられる。
【0007】
相変化型の光学記録媒体においては、結晶状態の上記材料による記録層を、所定のパワーを有するレーザー光を照射して非晶質(アモルファス)化させることによって記録ビットを形成し、これを再度結晶化させることによって、この記録ビットを消去するという方式が一般的に適用されている。
【0008】
図12〜図14に相変化型の光学記録媒体100の記録層101の一部を、レーザー光照射面側から見た図を示す。
上記記録層は、成膜直後の状態はアモルファス状態である場合が一般的であるため、図12に示すように初期状態として、記録層101の全面を結晶化状態としておく。
次に、図13に示すように、所定のパワーのレーザー光を記録層101面に照射して、結晶化部分101a中にアモルファス状態部分101bを形成することによって、記録ビット102を形成する。
次に、図14に示すように、レーザー光を記録層101面に照射してアモルファス部分101bを結晶化させることによって記録ビット102が消去される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図13および図14に示すように、アモルファス状態の記録ビット102を結晶化状態に変化させて記録ビット102を消去させる際においては、図15に示すように、アモルファス状態部分101bと結晶化状態部分101aとの界面から結晶が成長していき、最終的に記録ビット102の中央部分で結晶化が終了する。
【0010】
このとき、例えばレーザー光の波長を400nmとし、対物レンズの開口数N.A.を0.85とした場合には、記録ビット102の幅Wは200〔nm〕程度となり、かかる場合に、アモルファス状態部分101bと結晶化状態部分101aとの界面から結晶化が進んでいくと、記録ビット102を完全に消去するためには、少なくともW/2=100〔nm〕程度の幅分の領域を結晶化することが必要となる。
【0011】
実用的に相変化型の光学記録媒体においては、信号の書き換えを多数回行うものであり、今後さらに相変化型の光学記録媒体の信号記録と信号消去を迅速かつ確実に行うことが要求されているが、アモルファス状態から結晶化状態への変化が完全に行われず、部分的にアモルファス状態が残存してしまったりすると、継続的な信号書き換えにより信号が劣化するおそれがある。
【0012】
また、今後さらに相変化型の光学記録媒体の記録効率や信号消去効率を向上させるためには、かかる記録ビットの消去、すなわちかかる部分におけるアモルファス状態から結晶化状態への変化の速度を高める必要がある。
【0013】
そこで本発明においては、かかる記録ビットの消去におけるアモルファス状態部分の結晶化速度を高める構成の相変化型の光学記録媒体を提供することとした。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学記録媒体は、基板上に、少なくとも反射層、誘電体層、結晶化補助層、相変化型記録層、誘電体層、および光透過層が順次形成されて成る構成を有するものとし、結晶化補助層は、Sbx Te1-x (0.7<x<1)系の合金よりなるものとする。
【0015】
本発明によれば、相変化型記録層に隣接して結晶化補助層を形成したことによって、記録ビットをアモルファス状態から結晶化状態に変化させる結晶化速度が高められ、記録ビットの消去効率の向上が図られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学記録媒体の実施形態について図を参照して説明するが、本発明の光学記録媒体は以下に示す例に限定されるものではない。
【0017】
図1に、本発明の光学記録媒体10の一例の概略断面図を示す。
光学記録媒体10は、基板1上に、反射層2、第1の誘電体層3、結晶化補助層4、相変化型記録層5、第2の誘電体層6、および光透過層7が順次形成された構成を有する。
【0018】
基板1としては、例えばガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、紫外線硬化性樹脂等よりなるものとし、その他ガラス上に所定のプラスチックを成膜したもの等、従来公知のものを適宜適用することができるが、低コスト化、生産性の向上を図るためには、ポリカーボネート樹脂が好適である。
基板1は、光ディスクとして使用する際に必要な機械的な強度を確保し、かつ従来用いられているドライブに対応するため、0.3〜1.2〔mm〕の厚さとする。
【0019】
反射層2としては、適用するレーザー光に対する反射率が高い材料により形成する。例えば、Au,Ag,Cu,Al等を適用することができ、熱伝導度制御等のため、Ta,Ti,Cr,Mo,Mg,V,Nb,Zrを適宜加えた合金を適用することもできる。
【0020】
また、反射層2上には、図2に示すように、反射層保護層8を形成した構成としてもよい。
反射層保護層8は、Si,Alの酸化物、窒化物、例えば、Si3 4 により形成されるものとする。
この反射層保護層8は、後述する第1の誘電体層3中の成分、特に硫黄(S)が、反射層2の金属原子と反応してしまうことを回避する。
【0021】
第1の誘電体層3、第2の誘電体層6としては、例えばZnSや希土類硫化物と酸化物、窒化物、炭化物等の耐熱化合物の混合物を適用することができる。繰り返し記録特性を考慮すると、ZnSをベースとした複数誘電体混合物を適用することが望ましい。
第1および第2の誘電体層3、6の膜厚は、通常5〜300〔nm〕程度とする。
【0022】
結晶化補助層4は、相変化型記録層5に形成された記録ビットの消去を行う際に、アモルファス状態から結晶化状態への変化を促進させるものである。
結晶化補助層4は、結晶核となり、相変化記録層5におけるアモルファス部分の結晶化のきっかけとなる。このため、相変化型記録層5と結晶構造が似ており、相変化型記録層5と屈折率が近い等の性質を有するものが望ましい。
本発明の光学記録媒体10においては、結晶化補助層4は、Sbx Te1-x 系合金よりなるものとし、組成は特に0.7<x<1と選定する。
【0023】
相変化型記録層5は、SbTe系の合金より形成されるものとし、膜厚は5〜30nm程度とする。
SbTe系の合金よりなる相変化型記録層5は、アモルファス状態から結晶化状態へ変化して記録ビットの消去が高速に行うことができるものである。
【0024】
また、アモルファス状態の記録ビットの安定性を向上させたり、結晶化状態への変化の効率を向上させたりするため、相変化型記録層5は、Ag,Ge,In,Sn,Zn,Au,Vより選定される少なくとも一種の元素を合金中に添加してもよい。 相変化型記録層5形成用材料としては、例えば、GeTeSb系、InSbTe系、AgInSbTe系の合金薄膜を適用できる。
【0025】
特に、相変化型記録層5をGea Sbb Tec の3元合金よりなるものとした場合には、下記の組成を有しているものとする。
2〔atom%〕≦a≦10〔atom%〕
1−a=b+c
2.20≦b/c≦4.0
【0026】
また、相変化型記録層5をGea Ind Sbb Tec の4元合金より成るものとしたときには、下記の組成を有しているものとする。
2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕
1−(a+d)=b+c
2.20≦b/c≦4.0
【0027】
なお、記録の際にレーザー光を照射してアモルファス状態の記録ビットを形成するには、相変化型記録層5の融点以上まで加熱するので、記録ビット形成時には、結晶化補助層4と相変化型記録層5とが共に溶融し、これらがある程度混ざり合うと考えられる。
【0028】
結晶化補助層4と相変化型記録層5とは組成が異なるので、繰り返し記録が行われ、両者が混ざり合うと相変化型記録層の組成5が経時的に変化してしまうおそれがある。
このような相変化型記録層5の組成変化を回避するために、結晶化補助層4は2nm以下の薄層に形成するものとする。
また、一方においては、相変化型記録層5の結晶化を促進させる結晶化補助層4としての機能を発揮するためには0.1〔nm〕以上の膜厚とすることが必要である。
【0029】
なお、結晶化補助層4を膜厚d=0.5〔nm〕以下程度の薄層に形成する場合には、結晶化補助層4は、全体として層構造を形成せず、図3に示すように、複数の島状の結晶化補助部4aの集合体により形成される。
かかる場合にも、結晶化補助部4aと相変化型記録層5との界面から図3中矢印方向に結晶化が進んでいく。
【0030】
本発明の光学記録媒体10は、図1に示すように、光透過層7形成面側からレーザー光を照射し、信号の記録、再生を行うものであるから、光透過層7は、レーザー光に対して高い透過率を有し、かつ均一な膜厚に形成されているものであることが必要である。
すなわち、紫外線硬化性樹脂をスピンコートしたり、あるいは均一な膜厚を有するポリカーボネートシートを貼合わせたりすることによって形成することができる。
【0031】
上記反射層2、第1の誘電体層3、第2の誘電体層6、結晶化補助層4、相変化型補助層5は、スパッタリング法等によって形成することができる。
この場合、各層を形成するターゲット材料を、異なる真空チャンバー内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが、各層間の酸化や汚染を防止し、かつ生産性の向上を図る上で望ましい。
【0032】
次に、本発明の光学記録媒体について具体的に〔実施例〕および〔比較例〕を挙げて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0033】
〔実施例1〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb99Te1 合金薄膜、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダム信号の繰り返し記録を行い、信号の書き換え回数とジッターとの関係について測定し、図4に示す。
図4に示すように、3000回程度の書き換えを行うと、ジッターが10%程度となった。
【0034】
〔比較例1〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb単体薄膜、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダム信号の繰り返し記録を行い、信号の書き換え回数とジッターとの関係について測定し、図5に示す。
図5に示すように、300回程度の書き換えを行うと、ジッターが10%程度となった。
【0035】
上記〔実施例1〕と〔比較例1〕とを比較すると、結晶化補助層4としてSbx Te1-x (0.7<x<1)系合金薄膜を形成した〔実施例1〕の光学記録媒体10は、複数回書き換えに対する信号特性の安定性に優れていることがわかった。
また、実用的には、光学記録媒体に対する信号の書き換え回数は1000回程度必要とされているので、結晶化補助層4としてとしてSb単体を用いた上記〔比較例1〕の場合には信号特性の安定性が不充分であった。
【0036】
〔実施例2〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb71Te29合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、8Tマークを記録し、DC消去を行った。このときの記録線速〔m/sec〕と消去比〔dB〕との関係について測定し、結果を図6に示す。
実用的に消去比は26〔dB〕以上であればよいので、この例においては、記録線速5.42〔m/sec〕から12.5〔m/sec〕の範囲において、良好な消去比が得られた。
【0037】
〔比較例2〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb70Te30合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、8Tマークを記録し、DC消去を行った。このときの記録線速〔m/sec〕と消去比〔dB〕との関係について測定し、結果を図7に示す。
この例においては、記録線速5.42〔m/sec〕から7.5〔m/sec〕の範囲という極めて狭い範囲でのみしか実用的に必要とされる消去比の26〔dB〕以上の数値が得られなかった。
【0038】
上記〔実施例2〕と〔比較例2〕とを比較すると、結晶化補助層4としてSbx Te1-x (0.7<x<1)系合金薄膜を形成した〔実施例2〕の光学記録媒体10においては、特に記録線速を高くした場合においても良好な消去比が得られ、記録信号の消去効率が優れているということがわかった。
【0039】
〔実施例3〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として2〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダム信号の繰り返し記録を行い、信号の書き換え回数とジッターとの関係について測定し、図8に示す。
図8に示すように、2000回程度の書き換えを行うと、ジッターが10%程度となった。
【0040】
〔比較例3〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として2.1〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダム信号の繰り返し記録を行い、信号の書き換え回数とジッターとの関係について測定し、図9に示す。
図9に示すように、200回程度の書き換えを行うと、ジッターが10%程度となった。
【0041】
上記〔実施例3〕と〔比較例3〕とを比較すると、結晶化補助層4としてSbx Te1-x (0.7<x<1)系合金薄膜を、2〔nm〕よりも厚く形成した〔比較例3〕の光学記録媒体10においては、複数回書き換えに対する信号特性が不安定であることがわかった。
これは、相変化型記録層5の組成変化が複数回書き換えを行ううちに比較的早期において生じたためである。
【0042】
〔実施例4〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.1〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、8Tマークを記録し、DC消去を行った。このときの記録線速〔m/sec〕と消去比〔dB〕との関係について測定し、結果を図10に示す。
実用的に消去比は26〔dB〕以上であればよいので、この例においては、記録線速5.42〔m/sec〕から12.4〔m/sec〕の範囲において、良好な消去比が得られた。
【0043】
〔比較例4〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.09〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4 Sb70.7Te25.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、8Tマークを記録し、DC消去を行った。このときの記録線速〔m/sec〕と消去比〔dB〕との関係について測定し、結果を図11に示す。
この例においては、記録線速5.42〔m/sec〕から7.5〔m/sec〕の範囲という極めて狭い範囲でのみしか実用的に必要とされる26〔dB〕以上の消去比が得られなかった。
【0044】
上記〔実施例4〕と〔比較例4〕とを比較すると、充分に広い範囲の記録線速において実用的に必要とされる消去比が得られるようにするためには、結晶化補助層4は、0.1〔nm〕以上の膜厚に形成することが必要であることがわかった。すなわち、結晶化補助層4を0.1〔nm〕以上の膜厚に形成したことにより、特に記録線速を高くした場合においても良好な消去比が得られることがわかった。
【0045】
〔実施例5〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe2 Sb72.9Te25.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ジッターを測定したところ8〔%〕であった。
この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところジッターに変化はなかった。
【0046】
〔比較例5〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe1.9 Sb73.0Te25.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ジッターを測定したところ8〔%〕であった。
この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところ、記録ビットの結晶化が進んだことにより、記録マークが部分的に消えてジッターが15〔%〕に増加した。
【0047】
上記〔実施例5〕と〔比較例5〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Sbb Tec の3元合金により形成する場合、2〔atom%〕≦a≦10〔atom%〕の組成を有する〔実施例5〕においては、ジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例5〕においては信号が劣化した。
【0048】
〔実施例6〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe10Sb66.9Te23.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。
【0049】
〔比較例6〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe10.1Sb66.8Te23.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ15〔%〕であった。
【0050】
上記〔実施例6〕と〔比較例6〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Sbb Tec の3元合金により形成する場合、2〔atom%〕≦a≦10〔atom%〕の組成を有する〔実施例6〕においては、信号をダイレクトオーバーライトした場合にもジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例6〕においてはジッターが増加し信号が劣化した。
【0051】
〔実施例7〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 Sb66.0Te30.0(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。
【0052】
〔比較例7〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 Sb65.9Te30.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ15〔%〕であった。
【0053】
上記〔実施例7〕と〔比較例7〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Sbb Tec の3元合金により形成する場合、2.20≦b/c≦4.0の組成とした〔実施例7〕においては、信号をダイレクトオーバーライトした場合にもジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例7〕においてはジッターが増加し信号が劣化した。
【0054】
〔実施例8〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 Sb76.8Te19.2(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。
【0055】
〔比較例8〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 Sb76.9Te19.1(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ15〔%〕であった。
【0056】
上記〔実施例8〕と〔比較例8〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Sbb Tec の3元合金により形成する場合、2.20≦b/c≦4.0の組成とした〔実施例8〕においては、信号をダイレクトオーバーライトした場合にもジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例8〕においてはジッターが増加し信号が劣化した。
【0057】
〔実施例9〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe1.0 In1.0 Sb72.0Te24.0(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところ、ジッターに変化がなかった。
【0058】
〔比較例9〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe0.9 In0.9 Sb72.0Te24.0(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところ、記録ビットの結晶化が進んだことにより、記録マークが部分的に消えてジッターが15〔%〕に増加した。
【0059】
上記〔実施例9〕と〔比較例9〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Ind Sbb Tec の4元合金により形成する場合、2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕の組成とした〔実施例9〕においては、ジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例9〕においては信号が劣化した。
【0060】
〔実施例10〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe10.0In10.0Sb60.0Te20.0(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。
【0061】
〔比較例10〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe10.1In10.1Sb59.8Te20.0(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ15〔%〕であった。
【0062】
上記〔実施例10〕と〔比較例10〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Ind Sbb Tec の4元合金により形成する場合、2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕の組成とした〔実施例10〕においては、ジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例10〕においては信号が劣化した。
【0063】
〔実施例11〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 In4.0 Sb63.3Te28.7(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。
【0064】
〔比較例11〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 In4.0 Sb63.2Te28.8(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ15〔%〕であった。
【0065】
上記〔実施例11〕と〔比較例11〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Ind Sbb Tec の4元合金により形成する場合、2.20≦b/c≦4.0の組成とした〔実施例11〕においては、ジッターが低く信号安定性が良好であったが、〔比較例11〕においては信号が劣化した。
【0066】
〔実施例12〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 In4.0 Sb73.6Te18.4(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところ、ジッターに変化がなかった。
【0067】
〔比較例12〕
ポリカーボネート製の基板1上に、反射層2として100〔nm〕の膜厚のAg合金薄膜、反射層保護層8として10〔nm〕の膜厚のSi3 4 薄膜、第1の誘電体層3として5〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)、結晶化補助層4として0.4〔nm〕の膜厚のSb90Te10合金薄膜(数値はatom%)、相変化型記録層5として10〔nm〕の膜厚のGe4.0 In4.0 Sb73.7Te18.3(数値はatom%)、第2の誘電体層6として135〔nm〕の膜厚のZnS80−SiO2 20薄膜(数値はmol%)を、それぞれスパッタリングプロセスにより形成し、光透過層7を、紫外線硬化性樹脂をスピンコートすることにより形成し、相変化型の光学記録媒体10を作製した。
この光学記録媒体10に、ビット長0.13〔μm〕で、ランダムデータを記録後、ダイレクトオーバーライトしてジッターを測定したところ8〔%〕であった。この光学記録媒体10を窒素置換したオーブン中で100℃の加熱状態で100時間保存後ジッターを測定したところ、記録ビットの結晶化が進んだことにより、記録マークが部分的に消えてジッターが15〔%〕に増加した。
【0068】
上記〔実施例12〕と〔比較例12〕とを比較すると、相変化型記録層5を、Gea Ind Sbb Tec の4元合金により形成する場合、2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕の組成とした〔実施例9〕においては、ジッターの変化がなく信号安定性が良好であったが、〔比較例9〕においては信号が劣化した。
【0069】
上述したように、本発明によれば、相変化型記録層に隣接して結晶化補助層を形成したことによって、記録ビットを、アモルファス状態から結晶化状態に変化させる結晶化速度を高めることができ、記録線速を高くした場合にも消去比を高く維持することができ記録ビットの消去効率の向上が図られ、かつジッターが少なく、優れた信号安定性を有する光学記録媒体が提供された。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、相変化型記録層に隣接して結晶化補助層を形成し、結晶化補助層が、Sbx Te1-x (0.7<x<1)系の合金よりなるものとしたことにより、記録ビットを、アモルファス状態から結晶化状態に変化させる結晶化速度が高められ、広い範囲の記録線速において高い信号消去比が得られ、ジッターが少なく、優れた信号安定性を有する光学記録媒体が提供された。
特に記録線速を高くした場合においても高い信号消去比が得られることから、相変化光学記録媒体のさらなる高速記録化を図る上においても好適なものとすることができた。
【0071】
また、本発明の相変化型の光学記録媒体によれば、相変化型記録層に隣接して設ける結晶化補助層の膜厚を、0.1nm以上2nm以下としたことにより、多数回信号書き換えを行った場合においてもジッターの増加が抑えられ、かつ広い範囲の記録線速において実用上充分な信号消去比が得られ、特に記録線速を速くした場合においても優れた信号消去比が実現でき、高密度記録の光学記録媒体に好適化することができた。
【0072】
また、本発明によれば、相変化型記録層に隣接して設ける結晶化補助層が、Gea Sbb Tec の3元合金より成るものとし、かつ下記の組成を有しているものとしたことにより、ジッターが低く、保存特性に優れ信号安定性が良好な相変化型の光学記録媒体が得られた。
2〔atom%〕≦a≦10〔atom%〕
1−a=b+c
2.20≦b/c≦4.0
【0073】
また、本発明によれば、相変化型記録層に隣接して設ける結晶化補助層が、Gea Ind Sbb Tec の4元合金より成るものとし、かつ下記の組成を有しているものとしたことにより、ジッターが低く、保存特性に優れ信号安定性が良好な相変化型の光学記録媒体が得られた。
2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕
1−(a+d)=b+c
2.20≦b/c≦4.0
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学記録媒体の一例の概略断面図を示す。
【図2】本発明の光学記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
【図3】本発明の光学記録媒体の要部の概略断面図を示す。
【図4】本発明の実施例の光学記録媒体に対する信号の書き換え回数とジッターとの関係を示す。
【図5】比較例の光学記録媒体に対する信号の書き換え回数とジッターとの関係を示す。
【図6】本発明の実施例の光学記録媒体に対する信号の記録線速と信号消去比との関係を示す。
【図7】比較例の光学記録媒体に対する信号の記録線速と信号消去比との関係を示す。
【図8】本発明の実施例の光学記録媒体に対する信号の書き換え回数とジッターとの関係を示す。
【図9】比較例の光学記録媒体に対する信号の書き換え回数とジッターとの関係を示す。
【図10】本発明の実施例の光学記録媒体に対する信号の記録線速と信号消去比との関係を示す。
【図11】比較例の光学記録媒体に対する信号の記録線速と信号消去比との関係を示す。
【図12】相変化型の光学記録媒体の記録層部分の概略平面図を示す。
【図13】相変化型の光学記録媒体の記録層部分の信号記録状態の概略平面図を示す。
【図14】相変化型の光学記録媒体の記録層部分の信号消去状態の概略平面図を示す。
【図15】相変化型の光学記録媒体の記録層部分の信号消去における結晶化の模式図を示す。
【符号の説明】
1 基板、2 反射層、3 第1の誘電体層、4 結晶化補助層、5 相変化型記録層、6 第2の誘電体層、7 光透過層、8 反射層保護層、10 光学記録媒体

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも反射層、第1の誘電体層、結晶化補助層、相変化型記録層、第2の誘電体層、および光透過層が順次形成されて成り、
    上記結晶化補助層が、Sbx Te1-x (0.7<x<1)系の合金よりなることを特徴とする光学記録媒体。
  2. 上記結晶化補助層の膜厚が、0.1nm以上2nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒体。
  3. 上記結晶化補助層は、複数の島状の結晶化補助部より構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒体。
  4. 上記相変化型記録層が、Gea Sbb Tec の3元合金より成り、
    下記の組成を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の光学記録媒体。
    2〔atom%〕≦a≦10〔atom%〕
    1−a=b+c
    2.20≦b/c≦4.0
  5. 上記相変化型記録層が、Gea Ind Sbb Tec の4元合金より成り、
    下記の組成を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の光学記録媒体。
    2〔atom%〕≦a+d≦20〔atom%〕
    1−(a+d)=b+c
    2.20≦b/c≦4.0
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JPH10329423A (ja) 相変化型光記録媒体およびその製造方法

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