JP4239144B2 - 物体検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波の電波を利用して物体を検知する物体検知装置に係わり、特に、極近距離内(数cm〜数m以内)の複数の検知対象領域における静止を含めた物体の検知に好適な物体検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波の電波を利用した静止状態も含めた物体検知装置は、物体の検出が無い状態で学習する更新可能な基準信号と、ドップラー信号のレベル(定在波により生じる検波信号のと同じもの)との差分信号のレベルと所定の閾値との比較により検知するものが提案されている。(例えば特許文献1参照)
また同一文献中には、ドップラ信号の交流成分を併用して、物体の有無を判別するものも提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−62526号公報(第1−7頁、図1−図13)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の物体検知装置において、複数ある検知領域中で、静止を含めて検知したい検知領域の物体検知装置との最短距離が数cm程度で、逆に前記の検知領域よりも遠い検知領域の最長距離が数m程度といったレベルの場合には、信号の大きさが距離の2乗の反比例で変化してしまうため、同一レベルの信号を利用すると、マイコンが利用する信号を得るためのA/D変換部に十分な分解能がないと、遠い側の検知領域に対して、適正な閾値の設定ができず、判定精度が大きく下がってしまうことがある。(例えば10cmと1mでは1/100の信号の大きさになり、分解能が10ビットであれば、10段階分しか得られない。)これは、前記差分信号のレベルを利用した場合にも、さらにドップラー信号の交流成分を併用する場合においても、同一レベルの信号を利用している場合には、同様な不具合が発生する。
【0005】
また、非検知中に基準信号を更新可能としているため、遠い検知領域で物体を検知中に、周りの状態が変化してしまうような状況(例えば、便座装置に利用している場合に、便座装置前の人体を検知して便蓋を開けた場合等)下では、基準信号が不適切なものとなり、差分信号のレベルそのものがずれたものとなり、誤検知しやすいという問題も発生する。
また上記不具合の対策として、前記交流成分を併用した場合でも、移動方向や完全な静止状態ではなく微少範囲での動きであるふらつき具合で、明確な周波数の移動を観測できない場合があり、十分に不具合を補いきれないことがある。
さらに差分信号のレベル自身も、距離に依存した1/2波長毎の節となる差分信号レベルの低い部分が存在し、この節の位置近辺の距離で静止された場合には、設定された閾値を下回っている状態が継続する可能性が高く、非検知となりやすくなる。
本発明は、上記課題を少なくとも1つ解決するためになされたもので、本発明の目的は、極近距離内(数cm〜数m以内)の複数の検知対象領域における静止を含めた物体の検知を、安定して精度良く検知可能な物体検知装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記目的を達成するために、高周波の送信波と物体によって跳ね返された受信波とが干渉した定在波を検波し、この検波信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅部と、前記第1増幅信号から所定周波数以上の信号を取り出す高域通過フィルタと、前記高域通過フィルタからの出力を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅部と、前記第1増幅信号および第2増幅信号の各々の平均値に基づいて、第1基準信号および第2基準信号を設定する基準信号設定部と、前記第2増幅信号と第2基準信号との差分である第2レベル信号に基づいて、第2検知領域の物体の有無を判定する第2判定部と、前記第2判定部によって第2検知領域に物体が存在すると判断されると、前記第1増幅信号と前記第1基準信号との差分である第1レベル信号または前記第2レベル信号に基づいて、物体検知装置から検知領域の中心までの距離が前記第2検知領域よりも近い第1検知領域内の物体の有無を判定する第1判定部と、前記第2増幅信号の時間的変化に基づき、移動方向を判定する移動方向判定部と、を備え、前記移動方向判定部は、前記第2増幅信号の振幅が増加傾向にあると前記第2検知領域から前記第1検知領域に向かう接近動作と判定し、前記第2増幅信号の振幅が減少傾向にあると前記第1検知領域から前記第2検知領域に向かう離遠動作と判定し、前記移動方向判定部により前記第2検知領域から前記第1検知領域に向けた移動を検知した後、前記第1判定部は前記第1検知領域の物体の有無の判定を行うよう構成されていることを特徴とする物体検知装置を提供する。
【0007】
従って、検知領域の中心距離が異なる2つの検知領域における物体の有無を、互いに適切な増幅信号を利用して判定することができ、また検知領域の中心距離が近い第1検知領域は、増幅率の高い増幅信号も利用することで、わずかな物体の動きもとらえることができるため、定在波の節近辺となる位置に物体が位置する場合においても十分に補うことができ、安定して精度良く検知することができる。また基準信号も、各々の増幅信号の平均値を利用して設定しているため、ズレも少なく抑えることができ、精度良く検知することができる。また、第1検知領域よりも遠い第2検知領域内の物体の検知がない場合には、第1検知領域の物体の有無の判定を行わないようにしているため、検知したい物体以外による基準信号からのズレが生じても誤って検知に移行することが無く、より安定して精度良く検知することができる。
【0009】
従って、第2検知領域内での物体の検知中に、周りの状態が変化してしまうような状況(例えば、便座装置に利用している場合に、便座装置前の人体を検知して便蓋を開けた場合等)となり、第1基準信号のレベルが変化してしまい、前記第1レベル信号が第1検知領域の物体を検知するレベルとなってしまっても、不用意に検知することを防止することができる。
【0010】
請求項2では、前記物体検知装置は、前記第2増幅信号の時間的変化に基づき、移動方向を判定する移動方向判定部を備え、前記移動方向判定部は、前記第2増幅信号の振幅が増加傾向にあると前記第2検知領域から前記第1検知領域に向かう接近動作と判定し、前記第2増幅信号の振幅が減少傾向にあると前記第1検知領域から前記第2検知領域に向かう離遠動作と判定し、前記第1判定部が第1検知領域の物体の検知判定中に、前記移動方向判定部により前記第1検知領域から前記第2検知領域に向けた移動を検知した後、前記第1判定部は第1レベル信号のレベルにかかわらず、前記第1検知領域の物体の非検知に移行するよう構成されていることを特徴としている。
【0011】
従って、第1検知領域内での物体の検知中に、周りの状態が変化してしまうような状況(例えば、便座装置に利用している場合に、便座装置に離座動作で便座が浮き上がってしまった場合等)となり、第1基準信号のレベルが変化してしまい、前記第1レベル信号が第1検知領域の物体を検知するレベルを維持してしまっても、確実に非検知に移行することができる。
【0012】
請求項3では、前記物体検知装置において、基準信号設定部は、前記第1判定部が第1検知領域の物体の非検知状態であり、かつ、前記移動方向判定部が移動方向の判定結果を確定していない状態において、前記第1増幅信号の平均値の変化に基づいて、前記第1基準信号を更新するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
従って、第2検知領域内での物体の検知中に、周りの状態が変化してしまうような状況(例えば、便座装置に利用している場合に、便座装置前の人体を検知して便蓋を開けた場合等)となり、第1基準信号のレベルが変化してしまった場合には、速やかに第1基準信号を更新することができ、適切な基準信号で物体の検知の判定をすることができる。また逆に、移動方向判定部の判定結果も利用することで、不用意に更新してしまうことも防止できる。
【0014】
請求項4では、前記物体検知装置において、前記第1判定部が第1検知領域の物体を検知中において、前記移動方向判定部による第1検知領域から第2検知領域に向けた移動の非検知状態が、所定時間経過することにより、第1検知領域内での物体の継続した検知を判定し、前記第1判定部とは独立に信号を出力する第3判定部を備えたことを特徴としている。
【0015】
従って、第1検知領域内での物体の検知の継続を判定することにより、物体検知装置を組み込んだ制御機器の使用を確定(例えば便器洗浄装置であれば、便器洗浄をする必要ありと判断する等)したり、必要以上に留まっていることを検出したりするのに有効な信号を得ることができる。また前記第1判定部とは独立に信号を出力することにより、信号出力のタイミングを自由に設定することもできる。さらに検知対象となる物体が人体である場合等で、検知中に動きも無い状態が続けば、人体に異常が発生していることを検出することもでき、様々な用途への応用が可能となる。
【0016】
請求項5では、前記物体検知装置は、送信波と物体によって跳ね返された受信波とを各々同数に分割し、位相差生成部を介して干渉させることによって得られる互いに位相の異なる定在波を各々検波して複数の検波信号を得るものであり、前記第1増幅部は、前記複数の検波信号を各々増幅して複数の第1増幅信号を出力するものであり、また、前記第2増幅部は、前記複数の第1増幅信号を各々高域通過フィルタを通過させた後に増幅し、複数の第2増幅信号を出力するものであり、さらに前記基準信号設定部は、前記複数の第1増幅信号の各々の平均値に基づいて、複数の第1基準信号を設定すると共に、前記複数の第2増幅信号の各々の平均値に基づいて、複数の第2基準信号を設定するように構成されていることを特徴としている。
【0017】
従って、位相の異なる複数の検波信号を各々増幅し、これらを利用しているので、定在波による1/2波長毎の節を互いに補うことができ、第1増幅信号を利用した判定だけでも、より安定した物体の検知をすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例の物体知装置1の構成を示すブロック図であり、図2は、物体検知装置1の基準信号設定部1gの構成を示すブロック図である。
本発明の第1実施例の物体検知装置1は、10.525GHz近傍の周波数を中心周波数とする高周波の電波を送信波S1として送信する送信部1a、前記送信波S1が前方の人体等の物体で反射して得られる反射波を受信波S2として受信する受信部1b、前記送信波S1の一部と前記受信波S2を干渉させて検波信号S3を得る検波部1c、前記検波信号S3を増幅して第1増幅信号S4’を得る第1増幅部1d、前記第1増幅信号S4’の信号レベルを振幅可能な範囲の中心レベルに変換し、交流成分信号S5とする高域通過フィルタ1e、前記交流成分信号S5を増幅して第2増幅信号S6’を得る第2増幅部1f、前記第1増幅信号S4’および第2増幅信号S6’を取り込んでA/D変換処理や過去値をシフトしながら記憶する等の信号処理を行う取込信号処理部1z、前記取込信号処理部1zにて得られた第1増幅信号S4および第2増幅信号S6各々のレベル判定の基準となる第1基準信号S7および第2基準信号S8を設定および供給する基準信号設定部1g、物体検知装置1の検知領域間の移動方向を前記第2増幅信号S6と第2基準信号S8により判定して移動方向判定結果S11を出力する移動方向判定部1j、前記第1増幅信号S4および第2増幅信号S6と、前記第1基準信号S7および第2基準信号S8と、前記移動方向判定結果S11とにより、物体検知装置1が備える2つの検知領域の内で検知領域の中心距離の近い第1検知領域の物体の有無を判定して第1検知信号S9を出力する第1判定部1h、前記第2増幅信号と前記第2基準信号S8とにより、検知領域の中心距離が遠い第2検知領域の物体の有無を判定して第2検知信号S10を出力する第2判定部1iで構成されている。
また基準信号設定部1gには、前記第1増幅信号S4および第2増幅信号S6各々の第1平均値S12および第2平均値S13を演算する平均値演算部1n、前記第1基準信号S7および第2基準信号S8を更新すべきかどうか判定し、その結果に応じて前記第1平均値S12および第2平均値S13をもとに設定し直す更新判定部1k、前記更新判定部1kにて設定された前記第1基準信号S7および第2基準信号S8を記憶保持する基準信号記憶部1mから構成されている。
【0021】
次に各部で行う制御フローについて説明する。
図3は、前記第1判定部1hの第1検知領域における物体検知のオン判定フローを示すフローチャート図である。まずStep1zで、接近判定処理を移動方向判定部1jで行い、次のStep1aに進み、前記接近判定処理で判定された接近判定フラグを確認し、セット中であればStep1bに進み、クリア中ならそのままこの制御フローを抜ける。Step1bでは、第1増幅信号S4の現在値Wa(0)と第1基準信号S7の設定値Wazとの差分の絶対値が、第1オン判定閾値TH1以上かどうかを確認し、以上であればStep1dに進み、第1検知カウンタCnt1をカウントアップしてStep1eに進み、第1検知カウンタクリアタイマーTim1に第1検知カウンタクリア時間T1をセットし、さらにStep1hに進む。Step1hでは、前記第1検知カウンタCnt1が予め設定された第1検知カウント数N1に達したかを確認し、未達の場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。一方Step1bで、第1増幅信号S4の現在値Wa(0)と第1基準信号S7の設定値Wazとの差分の絶対値が、第1オン判定閾値TH1未満であればStep1cに進み、今度は第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第2オン判定閾値TH2以上かどうかを確認し、以上であればStep1gに進み、第2検知カウンタCnt2をカウントアップしてStep1iに進み、Step1eと同様に第1検知カウンタクリアタイマーTim1に第1検知カウンタクリア時間T1をセットし、さらにStep1jに進む。Step1jでは、前記第2検知カウンタCnt2が予め設定された第2検知カウント数N2に達したかを確認し、未達の場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。Step1hおよびStep1jで肯定された場合には、いずれもStep1kに進み、第1検知フラグをセットしてStep1nに進み、第1検知オフディレイタイマーTim2に第1検知オフディレイ時間T2をセットしてStep1pに進み、第1検知カウンタCnt1をクリアしてStep1qに進み、第2検知カウンタCnt2をクリアしてこの制御フローを抜ける。またStep1cで、第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第2オン判定閾値TH2未満であればStep1fに進み、第1検知カウンタクリアタイマーTim1が0かどうかを確認し、0でない場合はこのままこの制御フローを抜けるようにしている。0の場合にはStep1p、Step1qと進み、前記第1検知カウンタCnt1および第2検知カウンタCnt2の両カウンタをクリアしてこの制御フローを抜ける。
このような制御フローにすることで、確実に物体が検知したい第1検知領域に近付いている状況下で、オン判定を行うことができる。また、増幅率の異なる2つの増幅信号を併用することで、定在波の節近辺の位置に物体がある場合にもわずかな動きだけでオン判定を成立させることができ、より確実に物体の検知が可能となっている。さらにタイマー等の時間要素を加えることで、不要なカウンタの累積等を防止でき、誤検知を防止することができる。
なお、前記第1検知カウンタクリアタイマーTim1および第1検知オフディレイタイマーTim2は、明記していないが、別のタイマールーチンで独立にカウントダウンされるようになっている。
【0022】
図4は、前記第1判定部1hの第1検知領域における物体検知のオフ判定フローを示すフローチャート図である。まずStep2zで、離遠判定処理を移動方向判定部1jで行い、次のStep2aに進み、前記離遠判定処理で判定された離遠判定フラグを確認し、セット中であればStep2bに進み、前記オン判定にてセットした前記第1検知オフディレイタイマーTim2をクリアしてStep2dに進み、離遠判定フラグをクリアしてさらにStep2hに進み、第1検知フラグをクリアして、この制御フローを抜ける。一方離遠判定フラグがクリア中ならStep2cに進み、第1増幅信号S4の現在値Wa(0)と第1基準信号S7の設定値Wazとの差分の絶対値が、第1オフ判定閾値TH3未満かどうかを確認し、以上であればStep2eに進み、前記第1検知オフディレイタイマーTim2に再び前記第1検知オフディレイ時間T2をセットして、この制御フローを抜ける。未満であればStep2fに進み、今度は第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第2オフ判定閾値TH4未満かどうかを確認し、以上であればStep2eに進み、同様に前記第1検知オフディレイタイマーTim2に再び前記第1検知オフディレイ時間T2をセットして、この制御フローを抜ける。未満であればStep2gに進み、前記第1検知オフディレイタイマーTim2が0かどうかを確認し、0でない場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。0ならStep2hに進み、第1検知フラグをクリアして、この制御フローを抜ける。
このような制御フローにすることで、物体が検知したい第1検知領域から離れた状況下であれば、確実にオフ判定を行うことができる。またもう一方で、第1オン判定閾値TH1>第1オフ判定閾値TH3、第2オン判定閾値TH2>第2オフ判定閾値TH4とすることにより、定在波の節近辺の位置に物体がある場合にも、容易にオフしないようにすることができ、より確実に物体の検知が可能となっている。
【0023】
図5は、前記第2判定部1iの第2検知領域における物体検知のオン判定フローを示すフローチャート図である。まずStep3aで、第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第3オン判定閾値TH5以上かどうかを確認し、以上であればStep3cに進み、第3検知カウンタCnt3をカウントアップしてStep3dに進み、第3検知カウンタクリアタイマーTim3に第3検知カウンタクリア時間T3をセットし、さらにStep3eに進む。Step3eでは、前記第3検知カウンタCnt3が予め設定された第3検知カウント数N3に達したかを確認し、未達の場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。前記第3検知カウンタCnt3が予め設定された第3検知カウント数N3に達している場合には、Step3fに進み、第2検知フラグをセットしてStep3gに進み、第2検知オフディレイタイマーTim4に第2検知オフディレイ時間T4をセットしてStep3hに進み、第3検知カウンタCnt3をクリアしてこの制御フローを抜ける。またStep3aで、第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第3オン判定閾値TH5未満であればStep3bに進み、第3検知カウンタクリアタイマーTim3が0かどうかを確認し、0でない場合はこのままこの制御フローを抜けるようにしている。0の場合にはStep3hに進み、前記第3検知カウンタCnt3をクリアしてこの制御フローを抜ける。
このような制御フローにし、増幅率の高い第2増幅信号を利用することで、第1検知領域より検知領域の中心距離が遠い第2検知領域をわずかな動きだけでオン判定を成立させることができ、より確実に物体の検知が可能となっている。またタイマー等の時間要素を加えることで、不要なカウンタの累積等を防止でき、誤検知を防止することができる。
なお、前記第3検知カウンタクリアタイマーTim3および第2検知オフディレイタイマーTim4は、他のタイマーと同様に、別のタイマールーチンで独立にカウントダウンされるようになっている。
【0024】
図6は、前記第2判定部1iの第2検知領域における物体検知のオフ判定フローを示すフローチャート図である。まずStep4aで、第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第3オフ判定閾値TH6未満かどうかを確認し、以上であればStep4bに進み、前記オン判定でセットした第2検知オフディレイタイマーTim4に再び前記第2検知オフディレイ時間T4をセットしてこの制御フローを抜ける。未満であればStep4cに進み、前記第2検知オフディレイタイマーTim4が0かどうかを確認し、0でない場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。0ならStep4dに進み、第2検知フラグをクリアして、この制御フローを抜ける。
このような制御フローにし、さらに第3オン判定閾値TH5>第3オフ判定閾値TH6と、増幅率の高い第2増幅信号を利用することにより、第1検知領域より検知領域の中心距離が遠い第2検知領域をわずかな動きだけで、容易にオフしないようにすることができ、一方でタイマー等の時間要素を加えることで、不要なオン状態の継続を防止することができ、より確実に物体の検知が可能となっている。
【0025】
図7は、移動方向判定部1jの第2検知領域から第1検知領域に向かう接近判定フローを示すフローチャート図である。まずStep5aでは、前記第2基準信号S8の設定値Wbzに対して第2増幅信号S6の現在値Wb(0)が大きいかどうか、つまり差分が正か負かを確認し、正ならStep5bへ進み、それ以外はStep5cへ進む。正であれば直近の最大値WbH1を書き換え中である可能性があるため、以降の処理で利用しないようにしている。逆に負であれば最小値WbL1を書き換え中である可能性があるため、以降の処理で利用しないようにしている。Step5b〜Step5gでは、最大値と最小値の差分が増加傾向にあるかどうか確認し、Step5bのルートであれ、Step5cのルートであれ、3ステップ分通過すればStep5hへ進み、それ以外ではStep5i
へ進み、Wb(0)の振幅は増加傾向にないと判断し、接近判定フラグをクリアして抜けるようにしている。Step5hでは、Wb(0)の一番古い最大値と最小値の差分が接近判定閾値TH7を超えているかどうか確認し、超えていれば接近判定フラグをセットし、超えていなければ十分に接近した距離ではないと判断し、接近判定フラグをクリアして抜けるようにしている。
このような制御フローにすることで、確実に第2検知領域から第1検知領域に向かう接近動作を検知することができ、また閾値判定を加えることで、不要に接近検知してしまうことも防止できる。
【0026】
図8は、移動方向判定部1jの第1検知領域から第2検知領域に向かう離遠判定フローを示すフローチャート図である。まずStep6aでは、前記第2基準信号S8の設定値Wbzに対して第2増幅信号S6の現在値Wb(0)が大きいかどうか、つまり差分が正か負かを確認し、正ならStep6bへ進み、それ以外はStep6cへ進む。正であれば直近の最大値WbH1を書き換え中である可能性があるため、以降の処理で利用しないようにしている。逆に負であれば最小値WbL1を書き換え中である可能性があるため、以降の処理で利用しないようにしている。Step6b〜Step6gでは、最大値と最小値の差分が減少傾向にあるかどうか確認し、Step6bのルートであれ、Step6cのルートであれ、3ステップ分通過すればStep6hへ進み、それ以外ではStep6i
へ進み、Wb(0)の振幅は減少傾向にないと判断し、離遠判定フラグをクリアして抜けるようにしている。Step6hでは、Wb(0)の一番古い最大値と最小値の差分が離遠判定閾値TH8を下回っているかどうか確認し、下回っていれば離遠判定フラグをセットし、下回っていなければ十分に離遠した距離ではないと判断し、離遠判定フラグをクリアして抜けるようにしている。
このような制御フローにすることで、確実に第1検知領域から第2検知領域に向かう離遠動作を検知することができ、また閾値判定を加えることで、不要に離遠検知してしまうことも防止できる。
【0027】
図9は、基準信号設定部1gの更新判定部1kの第1基準信号更新判定フローを示すフローチャート図である。Step7aでは、第1検知フラグの状態、つまり第1検知領域に物体を検知しているかどうかを確認し、クリア中であればStep7bへ進み、セット中であればStep7gへ進んで第1基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。Step7bでは、移動方向判定部1jで判定された接近判定フラグを確認し、クリアされていればStep7cへ進み、セット中であればStep7gへ進んで第1基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。Step7cでは、移動方向判定部1jで判定された離遠判定フラグを確認し、クリアされていればStep7dへ進み、セット中であればStep7gへ進んで第1基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。上記のように3つのフラグを利用している理由は、検知したい物体により変化した平均値を誤って認識し、不要意な更新を行ってしまうのを防止するためである。次のStep7dでは、第1増幅信号S4の現在値Wa(0)と第1基準信号S7の設定値Wazとの差分の絶対値が、第1更新判定閾値TH9以下かどうかを確認し、以下であればStep7eへ進み、越えていればStep7gへ進んで第1基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。このように閾値判定をしているのは、上記で確認した3つのフラグはセットされていないが、この判定中であったり、判定直前であるような場合に検知したい物体により変化した平均値を誤って認識し、不要意な更新を行ってしまうのを防止するためである。Step7fでは、第1増幅信号S4の現在の平均値Waavg(0)と第1基準信号S7の設定値Wazとの差分の絶対値が、第2更新判定閾値TH10以上かどうか確認し、以上であればStep7fへ進んで第1基準信号更新フラグをセットして抜けるようにしている。未満であればStep7gへ進んで第1基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。このように閾値判定をしているのは、平均値の変動が少なく安定状態である場合に第1基準信号の更新を行うことを防止することができるためである。
【0028】
図10は、基準信号設定部1gの更新判定部1kの第2基準信号更新判定フローを示すフローチャート図である。Step8aでは、第2検知フラグの状態、つまり第1検知領域に物体を検知しているかどうかを確認し、クリア中であればStep78へ進み、セット中であればStep8eへ進んで第2基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。Step8bでは、第2増幅信号S6の現在値Wb(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第3更新判定閾値TH11以下かどうかを確認し、以下であればStep8cへ進み、越えていればStep8eへ進んで第2基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。このようにフラグによる判定や閾値判定をしているのは、検知したい物体により変化した平均値を誤って認識し、不要意な更新を行ってしまうのを防止するためである。Step8cでは、第2増幅信号S6の現在の平均値Wbavg(0)と第2基準信号S8の設定値Wbzとの差分の絶対値が、第4更新判定閾値TH12以上かどうか確認し、以上であればStep8dへ進んで第2基準信号更新フラグをセットして抜けるようにしている。未満であればStep8eへ進んで第2基準信号更新フラグをクリアして抜けるようにしている。このように閾値判定をしているのは、平均値の変動が少なく安定状態である場合に第2基準信号の更新を行うことを防止することができるためである。
【0029】
図11は、基準信号設定部1gの更新判定部1kの第1基準信号設定フローを示すフローチャート図である。まずStep9aで、前記第1基準信号更新判定で判定される第1基準信号更新判定フラグを確認し、セット中であればStep9bに進み、第1増幅信号S4の現在の平均値Waavg(0)と第1増幅信号S4の過去の平均値Waavg(n)との差分の絶対値が、第1設定判定閾値TH13以下かどうかを確認し、以下であればStep9cに進み、第1設定カウンタCnt4をカウントアップしてStep9dに進み、第1設定カウンタCnt4が予め設定された第1設定カウント数N4に達したかを確認し、未達の場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。達している場合にはStep9eに進み、第1増幅信号S4の現在の平均値Waavg(0)を第1基準信号S7の設定値WazをセットしてStep9fに進み、第1基準信号更新フラグをクリアしてさらにStep9gに進み、第1設定カウンタCnt4をクリアしてこの制御フローを抜ける。一方Step9aで、第1基準信号更新フラグがクリア中であった場合と、Step9bで第1増幅信号S4の現在の平均値Waavg(0)と第1増幅信号S4の過去の平均値Waavg(n)との差分の絶対値が、第1設定判定閾値TH13を越えている場合にはStep9gに進み、前記第1設定カウンタCnt4をクリアしてこの制御フローを抜ける。
このような制御フローにすることで、第1増幅信号S4の平均値が一定時間安定している状態のその平均値を第1基準信号Wbzとすることができ、適切な基準信号を利用することで、より確実に物体の検知が可能となっている。
また改めて図示しないが、第2基準信号設定フローについても利用する信号は異なるが概ね同様の制御フローである。
さらに上記の制御フローを束ねる物体検知装置1のメインフローについて説明する。
【0030】
図20は、物体検知装置1の物体検知のメインフローを示すフローチャート図である。
まず最初にStep13aで、2つの増幅部から出力される各部で利用する2つの増幅信号の取込信号処理部1zで取込信号処理を行い、次のStep13bに進む。図1でも記述したように、この取込信号処理ではアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換や、現在値を含めた複数の過去値や過去を含めた複数の極大極小値を、サンプリング更新による時間経過に伴うデータシフトをしながら記憶処理する等の信号処理が行われている。Step13bでは、第2検知フラグの状態を確認し、クリア中であればStep13cに進み、第2オン判定処理を行い、Step13i以降の各処理を行い、この制御フローを抜けて次のサンプリングまで待機するようになっている。セット中であればStep13dへ進み、第1検知フラグを確認する。第1検知フラグがセット中であればStep13fに進み、第1オフ判定処理を行い、Step13i以降の各処理を行い、この制御フローを抜けて次のサンプリングまで待機するようになっている。クリア中であればStep13eに進み、第1オン判定処理を行い、Step13gに進む。Step13gでは、前記第1オン判定処理で第1検知フラグがセットされたかを確認し、セットされていれば次に進み、Step13i以降の各処理を行い、この制御フローを抜けて次のサンプリングまで待機するようになっている。クリアのままならStep13hに進み、引き続き第2オフ判定処理を行い、Step13i以降の各処理を行い、この制御フローを抜けて次のサンプリングまで待機するようになっている。
このような制御フローにすることで、物体の有無の検知を適宜行うことができる。
なおここでは、物体検知装置1に対して物体は第2検知領域への侵入なしに第1検知領域に侵入することがない場合を前提としており、第2検知領域の物体の有無の検知を優先している。
【0031】
次に、本発明の第2実施例として2位相の物体検知装置について説明する。
図12は、本発明の第2実施例の物体検知装置2の構成を示すブロック図であり、また図13は、物体検知装置2の基準信号設定部2gの構成を示すブロック図である。
本発明の第2実施例の物体検知装置2も、位相の異なる2位相分の信号がある点を除けば、第1実施例の物体検知装置1とほぼ同様な構成で、10.525GHz近傍の周波数を中心周波数とする高周波の電波を送信波S21として送信する送信部2a、前記送信波S21が人体等の物体で反射して得られる反射波を、受信波S22として受信する受信部2b、前記送信波S21の一部と前記受信波S22をそれぞれ2つに分割して、前記送信波S21の分割した2つの送信波の位相を90度ずらす位相差生成部2c、位相差生成部2xで得られた位相の異なる2つの送信波S23と分割された受信波S24を、それぞれ干渉させて90度位相の異なる第1位相検波信号S25と第2位相検波信号S29を得る検波部2c、前記第1位相検波信号S25を増幅して、第1位相第1増幅信号S26’を得る第1位相第1増幅部2d、前記第2位相検波信号S29を増幅して、第2位相第1増幅信号S30’を得る第2位相第1増幅部2k、前記第1位相第1増幅信号S26’の信号レベルを振幅可能な範囲の中心レベルに変換し、第1位相交流成分信号S27とする第1位相高域通過フィルタ2e、前記第2位相第1増幅信号S30’の信号レベルを振幅可能な範囲の中心レベルに変換し、第2位相交流成分信号S31とする第2位相高域通過フィルタ2m、前記第1位相交流成分信号S27を増幅して、第1位相第2増幅信号S28’を得る第1位相第2増幅部2f、前記第2位相交流成分信号S31を増幅して、第2位相第2増幅信号S32’を得る第2位相第2増幅部2n、前記各々の増幅信号を各々取り込んでA/D変換処理や過去値をシフトしながら記憶する等の信号処理を行う取込信号処理部2z、前記取込信号処理部2zにて得られた各々の増幅信号の各々のレベル判定の基準となる第1位相第1基準信号および第2位相第1基準信号S33と、第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34とを、設定および供給する基準信号設定部2g、物体検知装置2の検知領域間の移動方向を、前記第1位相第2増幅信号S28および第2位相第2増幅信号S32と、第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34とにより判定して移動方向判定結果S37を出力する移動方向判定部2j、前記全増幅信号と前記全基準信号および前記移動方向判定結果S37とにより、物体検知装置2が備える複数の検知領域の内で最も中心距離の近い第1検知領域の物体の有無を判定して第1検知信号S35を出力する第1判定部2h、前記第1位相第2増幅信号S28および第2位相第2増幅信号S32と前記第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34とにより、第1検知領域より中心距離が遠い第2検知領域の物体の有無を判定して第2検知信号S36を出力する第2判定部2i、さらに前記第1検知信号S35と移動方向判定結果S37と、前記第1位相第2増幅信号S28および第2位相第2増幅信号S32と、前記第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34とにより、前記第1検知領域内での物体の継続した検知を判定し検知継続判定信号S40を出力する第3判定部2pから構成されている。
【0032】
また基準信号設定部2gには、前記第1位相第1増幅信号S26および第2位相第1増幅信号S30の各々の平均値S38と、前記第1位相第2増幅信号S28および第2位相第2増幅信号S32の各々の平均値S39を演算する平均値演算部2S、前記第1位相第1基準信号および第2位相第1基準信号S33と、第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34を更新すべきかどうか判定し、その結果に応じて前記各々の平均値をもとに設定し直す更新判定部2r、前記更新判定部2rにて設定された前記第1位相第1基準信号および第2位相第1基準信号S33と、第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号S34を記憶保持する基準信号記憶部2qから構成されている。
上記のように、第2の実施例の物体検知装置2では、第1実施例の人体検知装置2と比較し、2つの90度位相の異なる検波信号を利用し、定在波の波長の1/2の距離を周期とした節に対して互いの節の部分を効率的に補うことができるような構成としている。 次に、上記本発明の第2の実施例である物体検知装置2を制御機器に組み込んだ実施例として便器装置について図面に基づいて説明する。
【0033】
図14は、本発明の第2実施例の物体検知装置2を組み込んだ便器装置3をトイレに設置した状態を示す全体斜視図である。
便器装置3は大きく分けて、陶器で構成された土台となる便器部7、便器装置3の備える用便後の局部を温水で洗浄する局部洗浄や用便後に便器部7内に洗浄水を流す便器洗浄といった各機能を司る各機能生成手段と、前記各機能生成手段を制御する制御手段、および便器装置3の前記各機能の不用意な動作の防止や、使用者が適切に使用するための手段として組み込まれている使用者を検知する本発明の第2実施例の物検知装置2を、内部に収納する本体部4、内部に加熱手段を備えて本体部4に回転自在に枢軸された便座部5、そして便座部5の開口部を閉止状態にて塞ぐ便座部5と同様に本体部4に回転自在に枢軸された便蓋部6から構成されている。また、高周波の電波は、本体部4の外郭部材であるABS樹脂や、便蓋部6の構成部材であるPPを透過することが可能であるため、フィルタ等の別部材を組み込むような切り欠き等を本体部4の外郭部材の人体検知方向には設けておらず、本体部4に被水等が起きても内部への浸水することがないようになっている。
ここで物体検知装置2は、便座部5と便蓋部6が回転自在に枢軸されている位置の後方で、左右方向において略中央に配置されており、高さ方向は、枢軸されている高さとほぼ同等の位置に配置している。また本体部4内への組込状況は、本体部4の対向する外郭部材の内壁面と略平行に配置されている。このように配置しているのは、高周波の電波は本体部4や便蓋部6等の構成部材である樹脂を透過する一方で、誘電率の異なる境界面での反射や、構成部材内を透過する際の屈折が少なからず発生してしまためで、本体部4の外郭部材や開放状態の便蓋部6を透過する際において、入射角が垂直なので、垂直方向への反射は発生するが、屈折や反射による不要な方向への分散を抑えることができる。これにより、本体部4内に物体検知装置2を配置したことによる本来物体検知装置2が備えている検知感度の低下を抑えることができる。
【0034】
図21は、便器装置3に組み込んだ場合の物体検知装置2が物体の有無を検知する2つの検知領域を示す側面図である。検知領域の中心距離が近い第1検知領域は、便器装置3が備える便座部5に着座した人体C1を検知するための検知領域である着座検知領域Aである。前記着座検知領域Aは、便座部5上方で本体部前方に位置し、検知領域の中心点A1は標準的な位置に着座した人体C1の中心部近辺となっており、物体検知装置2からの距離A2はおよそ10cm〜20cm程度である。また検知領域の中心距離が遠い第2検知領域は、便器装置3の前方に立ち、脱衣や着衣といった動作を行う立ち姿勢の人体C2を検知するための検知領域である遠方検知領域Bである。前記遠方検知領域Bは、前記着座検知領域Aと同一直線上にあり、検知領域の中心点B1は標準的な位置に立つ立ち姿勢の人体C2の中心部近辺となっており、物体検知装置2からの距離B2はおよそ60cm〜80cm程度である。
次に、検知したい物体である人体検知中に起こる便蓋部6の開閉姿勢変化による影響について、信号波形の一例をもとに説明する。
【0035】
図15は、便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の第1位相第1増幅信号の信号波形の1例を示す図である。(a)は使用状況全体を示す図であり、(b)は便蓋部6の開放時近傍の拡大図であり、(c)は便座部5への着座動作近傍の拡大図である。
図15において、大きめの振幅をともなった信号波形は、図12で示した第1位相第1増幅信号S26の離散時間領域での信号波形W1(z)であり、前記信号波形の振幅の略中心を通った振幅の少ない信号波形は、図13で示した平均値演算部2sで演算された平均値S38の1つである第1位相第1増幅信号平均値の離散時間領域での信号波形W1avg(z)である。また1点鎖線で示しているのは、前記第1位相第1基準信号および第2位相第1基準信号S33の1つである第1位相第1第1基準信号の設定値W1Zである。なおこの第1位相第1基準信号の設定値W1Zは、平均値の信号波形W1avg(z)が安定した状態で更新されるため、図15(b)に示すように更新点P2’でステップ状に変化する。
【0036】
(a)に示す信号波形をもとに便器装置3の使用状況を時間的流れで説明する。
まず左端は便蓋部6の閉止状態での待機状態である。その後トイレ内への入室点P1に達し、人体の遠方領域での動きによりW1(z)の振幅が若干大きくなる。次に便蓋部6の開放動作開始点P2に達し、この便蓋部6の動きによりW1(z)が振幅の中心も含めて大きく変動すると共に、W1avg(z)も大きく変動する。さらに脱衣動作等を行った後、着座に向けた接近動作開始点P3に達し、W1avg(z)は安定したままW1(z)の振幅が連続的に増加傾向となる。着座点P4に達すると、W1(z)の振幅はほとんどなくり、W1avg(z)も含め着座に向けた接近動作中のW1avg(z)からはずれた状態で安定する。用便終了後の離座動作開始点P5に達すると、W1(z)の振幅が連続的に減少傾向となり、W1avg(z)は着座に向けた接近動作中と同レベルに安定する。その後の着衣動作等では先の脱衣動作と同様な状態が続く。また図示していないが、便蓋部6の閉止動作が入れば、先述した便蓋部6の開放動作開始点P2以前と同様な状態となる。
図15(b)と(c)を比較して分かるように、単純に信号波形と基準信号との差分信号のレベルだけで着座領域での人体を検知するようにしていると、便蓋部6の開放動作を着座領域での人体検知と判断してしまう恐れがあるのに対して、W1(z)の振幅の連続的な増加傾向等の接近判定を経由しない限り、着座領域での人体検知はないとしておけば、人体の着座動作と便蓋部6の開閉動作を区別することができる。つまり、遠方領域から着座領域に向けた移動を判定する必要がある。このため、図12に示すように、移動方向判定部2jで判定される移動方向判定結果S37を着座領域の判定に利用するようにしている。また、便蓋部6の開閉動作によるズレを補正するために、遠方領域において人体検知中であっても、基準信号を更新する必要があり、図9で示したStep7eの第1更新判定閾値TH9を、人体の動きにより生ずる差分信号のレベルよりも大きい値としている。このように設定しておけば、便蓋部6により、大きく平均値が変動した場合にも、適切に基準信号の更新を行うことができる。
【0037】
図16は、便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の2つの第2増幅信号の位相の関係を示すグラフである。(a)は検知対象物との距離による出力レベルと位相の関係を示すグラフであり、(b)は接近時、(c)は離遠時の時間領域での出力レベルと位相の関係を示す図である。
2つの検波信号から得られる第1位相第2増幅信号W3および90度位相をずらした第2位相第2増幅信号W4は、互いに(a)に示すような関係にある。この状況において、2点差線で示す位置から左方向に動くことは接近を意味し、逆に右方向に動くことは離遠を意味している。これをそれぞれ時間軸で記載した図が(b)と(c)である。まず(b)で接近方向について説明すると、W4(z)が基準信号の設定値に向かう時に、W3(z)は最大値に向かう動きをする。またW3(z)は位相の90度分遅れて基準信号の設定値に向かう動きとなる。このため、接近方向への動きに対してはW4(z)がW3(z)に対して先行することになる。次に(c)で離遠方向について説明すると、、W3(z)が基準信号の設定値に向かう時に、W4(z)は最大値に向かう動きをする。またW4(z)は位相の90度分遅れて基準信号の設定値に向かう動きとなる。このため、接近方向への動きに対してはW3(z)がW4(z)に対して先行することになる。つまり、移動方向の違いで互いの時間領域での遅れと進みが逆転することになる。これを利用することで移動方向の判定は可能である。
【0038】
以下に、上記を利用した接近判定のフローを説明する。
図17は、便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の移動方向判定部2jの接近判定フローを示すフローチャート図である。
まずStep10aでは、W4(z)の直前値W4(1)と現在値W4(0)の差分が第2増幅信号変動判定閾値THA以上かどうか大小関係も含めて確認し、以上ならStep10bへ進み、未満ならStep10gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW4(z)が基準信号の設定値に向かう状態かどうかの確認をしており、また変動量が少ない場合は無視するようにしている。次にStep10bでは、現在値W4(0)と第2位相第2基準信号の設定値W4Zとの差分の絶対値が第2位相第2基準信号の設定値近傍判定閾値THB以内かどうか確認し、以内ならStep10cへ進み、超えるならStep10gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW4(z)が基準信号の設定値に達したかどうかの確認をしており、きっちりその瞬間を検出できるか不明であるため、閾値を設けてある程度の範囲をカバーするようにしている。Step10cでは、現在値W3(0)と第1位相第2基準信号の設定値W3Zとの差分の絶対値が接近判定閾値THC以上かどうか確認し、以上ならStep10dへ進み、未満ならStep10gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW3(z)が最大値に向かう状態となっているかどうかの確認と十分に大きな振幅が発生しているかの確認をしており、振幅が小さければ無視するようにしている。Step10dでは、接近検知カウンタCCNTをカウントアップし、さらにStep10eに進み、接近判定継続タイマーCTIMに接近判定継続時間TAを設定してStep10fへ進み、Step10fでは、接近検知カウンタCCNTの値が接近検知カウント数NAに達したかどうか確認し、達したならStep10jへ進み、接近判定フラグをセットし、未達ならStep10kへ進み、接近判定フラグをクリアして抜けるようにしている。一方Step10gでは、前記接近判定継続タイマーCTIMが0かどうかを確認し、0でないならそのままStep10kへ進み、また0となっているならStep10hに進み前記接近検知カウンタCCNTをクリアし、さらにStep10iに進み、前記接近判定継続タイマーCTIMをクリアしてStep10kへ進み、接近判定フラグをクリアして抜けるようにしている。ここでは、単発の動作ではなく連続的な動作を検知するようにしており、複数回の検知とまた所定時間の継続を考慮させている。もちろん継続性がなければ、無視することができる。
【0039】
次に、逆向きの離遠判定のフローを説明する。
図18は、便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の移動方向判定部2jの離遠判定フローを示すフローチャート図である。
まずStep11aでは、W3(z)の直前値W3(1)と現在値W3(0)の差分が第2増幅信号変動判定閾値THD以上かどうか大小関係も含めて確認し、以上ならStep11bへ進み、未満ならStep11gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW3(z)が基準信号の設定値に向かう状態かどうかの確認をしており、また変動量が少ない場合は無視するようにしている。次にStep11bでは、現在値W3(0)と第1位相第2基準信号の設定値W3Zとの差分の絶対値が第1位相第2基準信号の設定値近傍判定閾値THE以内かどうか確認し、以内ならStep11cへ進み、超えるならStep11gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW3(z)が基準信号の設定値に達したかどうかの確認をしており、きっちりその瞬間を検出できるか不明であるため、閾値を設けてある程度の範囲をカバーするようにしている。Step11cでは、現在値W4(0)と第2位相第2基準信号の設定値W4Zとの差分の絶対値が離遠判定閾値THF以下かどうか確認し、以下ならStep11dへ進み、越えるならStep11gへ進むようにしている。ここでは、図16(b)で示したW4(z)が最大値に向かう状態となっているかどうかの確認とある程度振幅が小さくなっているかの確認をしており、振幅が大きければ無視するようにしている。Step11dでは、離遠検知カウンタRCNTをカウントアップし、さらにStep11eに進み、離遠判定継続タイマーRTIMに離遠判定継続時間TBを設定してStep11fへ進み、Step11fでは、離遠検知カウンタRCNTの値が離遠検知カウント数NBに達したかどうか確認し、達したならStep11jへ進み、離遠判定フラグをセットし、未達ならStep11kへ進み、離遠判定フラグをクリアして抜けるようにしている。一方Step11gでは、前記離遠判定継続タイマーRTIMが0かどうかを確認し、0でないならそのままStep11kへ進み、また0となっているならStep11hに進み前記離遠検知カウンタRCNTをクリアし、さらにStep11iに進み、前記離遠判定継続タイマーRTIMをクリアしてStep11kへ進み、接近判定フラグをクリアして抜けるようにしている。ここでは、単発の動作ではなく連続的な動作を検知するようにしており、複数回の検知とまた所定時間の継続を考慮させている。もちろん継続性がなければ、無視することができる。上記実施例では、時間領域において先行する側が基準信号の設定値に向かうポイントを移動方向の判定に利用しているが、逆に遅れ側が基準信号の設定値に向かうポイントや、最大値や最小値近傍の上昇方向と下降方向との切り替わりポイントを利用することも可能である。
【0040】
次に、第3判定部2pの制御フローについて説明する。
図19は、第3判定部2pの検知継続判定フローを示すフローチャート図である。
Step12aでは、着座検知中かどうかを確認し、検知中であればStep12bへ進み、移動方向判定部2jでの接近もしくは離遠のいずれかの判定フラグがセットされているかどうかを確認し、いずれもクリアされていればStep12cへ進み、2位相分のいずれか一方でも第2増幅信号に所定以上の振幅があるかどうか確認し、いずれの第2増幅信号も振幅が少ないのであれば、Step12dへ進み、検知継続カウンタECNTをカウントアップし、Step12fに進み、前記検知継続カウンタECNTが検知継続判定カウント数NXに達したかどうか確認し、達していればStep12gに進み、検知継続フラグをセットしてこの制御フローを抜けるようにしている。達していない場合はそのままこの制御フローを抜けるようにしている。また一方でStep12aで着座非検知中であった場合や、Step12bで移動方向判定部2jでの接近もしくは離遠のいずれか一方でも判定フラグがセットされている場合や、Step12cで2位相分のいずれか一方でも第2増幅信号に所定以上の振幅がある場合、Step12eへ進み、前記検知継続カウンタECNTをクリアし、さらにStep12hに進み、検知継続フラグをクリアしてこの制御フローを抜けるようにしている。このような制御フローにしているのは、人体は例え着座していてもある程度の動きがあるはずだが、もし仮に動きが完全に無くなってしまった場合には、何らかその人体に異常があったと考えるため、これを物体検知装置2自身で行えるようにするためであり、逆に少しでも、動きがあれば容易に前記検知継続カウンタECNTはクリアできるため、本当に異常な時だけ検知継続フラグをセットすることができ、便座装置3に直接判定信号を送ることができる。また、物体の存在の継続だけを判定する場合には、この制御フローからStep12cを省くことで容易に対応することができ、さらに、カウンタのクリア条件に時間的要素を加味することで累積的に処理して、便座装置3の利用判定を行い自動便器洗浄等の機能を確定させることもできる。
【0041】
なお、ここでは改めて他の制御フローについては記載していないが、各部が行う制御フローは、本発明の第1の実施例にて説明してきた図3から図11および図20に示す制御フローが適用できる。例えば、図3の制御フローを例に上げると、Step1bでは1つ第1増幅信号を利用しているが、ここを2位相分の第1増幅信号で判定し、いずれか一方でも満足すればStep1dに進むようにできる。このようにすることでより確実にオン判定ができる。
また、本発明の実施例では、人体検知装置は10.525GHz近傍の周波数を送信波の中心周波数とする電波で検知するもので記載したが、マイクロ波やミリ波と称される高周波の電波であれば、特に使用する周波数を限定するものではない。
また、本発明の人体検知装置を組み込んだ制御機器に、便器部と一体となった便器装置を例として記載したが、便器装置としては便器部と別体となったものでも良く、また、可動部等を備えた人体以外の定在波の影響を受けるような他の制御機器にも好適であり、特に制御機器を限定するものではない。
また本発明では、着座検知領域Aと遠方検知領域Bの2つの間についての説明であったが、例えば、さらに遠い検知領域を持つような場合等では、もととなる信号である検波信号を各々検知したい検知領域に応じた適切な第1増幅部で増幅し、さらに高域通過フィルタと第2増幅部を設けて、隣り合う検知領域の組合せで検知するよう構成することで、容易に対応することができ、さらに複数の検知領域の物体の有無を検知することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の物体知装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】物体検知装置1の基準信号設定部1gの構成を示すブロック図である。
【図3】第1判定部1hの第1検知領域における物体検知のオン判定フローを示すフローチャート図である。
【図4】第1判定部1hの第1検知領域における物体検知のオフ判定フローを示すフローチャート図である。
【図5】第2判定部1iの第2検知領域における物体検知のオン判定フローを示すフローチャート図である。
【図6】第2判定部1iの第2検知領域における物体検知のオフ判定フローを示すフローチャート図である。
【図7】移動方向判定部1jの第2検知領域から第1検知領域に向かう接近判定フローを示すフローチャート図である。
【図8】移動方向判定部1jの第1検知領域から第2検知領域に向かう離遠判定フローを示すフローチャート図である。
【図9】基準信号設定部1gの更新判定部1kの第1基準信号更新判定フローを示すフローチャート図である。
【図10】基準信号設定部1gの更新判定部1kの第2基準信号更新判定フローを示すフローチャート図である。
【図11】基準信号設定部1gの更新判定部1kの第1基準信号設定フローを示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第2実施例の物体検知装置2の構成を示すブロック図である。
【図13】物体検知装置2の基準信号設定部2gの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2実施例の物体検知装置2を組み込んだ便器装置3をトイレに設置した状態を示す全体斜視図である。
【図15】便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の第1位相第1増幅信号の信号波形の1例を示す図である。(a)は使用状況全体を示す図であり、(b)は便蓋部6の開放時近傍の拡大図であり、(c)は便座部5への着座動作近傍の拡大図である。
【図16】便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の2つの第2増幅信号の位相の関係を示すグラフである。(a)は検知対象物との距離による出力レベルと位相の関係を示すグラフであり、(b)は接近時、(c)は離遠時の時間領域での出力レベルと位相の関係を示す図である。
【図17】便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の移動方向判定部2jの接近判定フローを示すフローチャート図である。
【図18】便器装置3に組み込んだ物体検知装置2の移動方向判定部2jの離遠判定フローを示すフローチャート図である。
【図19】第3判定部2pの検知継続判定フローを示すフローチャート図である。
【図20】物体検知装置1の物体検知のメインフローを示すフローチャート図である。
【図21】便器装置3に組み込んだ場合の物体検知装置2が物体の有無を検知する2つの検知領域を示す側面図である。
【符号の説明】
1、2 … 物体検知装置, 1a、2a …送信部, 1b、2b … 受信部,
1c、2c … 検波部, 1d … 第1増幅部, 1e … 高域通過フィルタ,
1f … 第2増幅部, 1g、2g … 基準信号設定部,
1h、2h … 第1判定部, 1i、2i … 第2判定部,
1j、2j … 移動方向判定部, 1k、2r … 更新判定部,
1m、2q … 基準信号記憶部, 1n、2s … 平均値演算部,
1z、2z … 取込信号処理部,
2d … 第1位相第1増幅部, 2e … 第1位相高域通過フィルタ,
2f … 第1位相第2増幅部, 2k … 第2位相第1増幅部,
2m … 第2位相高域通過フィルタ, 2g … 第2位相第2増幅部,
2p … 第3判定部, 2x … 位相差生成部, 3 … 便器装置,
4 … 本体部, 5 … 便座部, 6 … 便蓋部, 7 … 便器部,
S1、S21 … 送信波, S2、S22 … 受信波, S3 … 検波信号,
S4 … 第1増幅信号, S4‘ … 取込信号処理前の第1増幅信号,
S5 … 交流成分信号, S6 … 第2増幅信号,
S6‘ … 取込信号処理前の第2増幅信号,
S7 … 第1基準信号, S8 … 第2基準信号,
S9、S35 … 第1検知信号, S10、S36 … 第2検知信号,
S11、S37 … 移動方向判定結果,
S12 … 第1平均値, S13 … 第2平均値,
S23 … 位相の異なる2つの送信波, S24 … 分割された受信波,
S25 … 第1位相検波信号, S26 … 第1位相第1増幅信号,
S26‘ … 取込信号処理前の第1位相第1増幅信号,
S27 … 第1位相交流成分信号, S28 … 第1位相第2増幅信号,
S28‘ … 取込信号処理前の第1位相第2増幅信号,
S29 … 第2位相検波信号, S30 … 第2位相第1増幅信号,
S30‘ … 取込信号処理前の第2位相第1増幅信号,
S31 … 第2位相交流成分信号, S32 … 第2位相第2増幅信号,
S32‘ … 取込信号処理前の第2位相第2増幅信号,
S33 … 第1位相第1基準信号および第2位相第1基準信号,
S34 … 第1位相第2基準信号および第2位相第2基準信号,
S35 … 第1検知信号, S36 … 第2検知信号,
S37 … 移動方向判定結果, S40 … 検知継続判定信号,
S38 … 第1位相および第2位相の第1増幅信号各々の平均値,
S39 … 第1位相および第2位相の第2増幅信号各々の平均値,
Wa(0) … 第1増幅信号の現在値, WaZ … 第1基準信号の設定値,
Waavg(0) … 第1増幅信号の現在の平均値,
Waavg(n) … 第1増幅信号の過去の平均値,
Wb(0) … 第2増幅信号の現在値, WbZ … 第2基準信号の設定値,
Wbavg(z) … 第2増幅信号の現在の平均値,
WbH1、WbH2、WbH3 … 第2増幅信号最大値[末尾1が直近],
WbL1、WbL2、WbL3 … 第2増幅信号最小値[末尾1が直近],
W1(z) … 第1位相第1増幅信号の離散時間領域での信号波形,
W1avg(z) … 第1位相第1増幅信号平均値の離散時間領域での信号波形,
※[W1(0)他のz=0は現在値を示す]
W1Z … 第1位相第1基準信号の設定値,
W3(z) … 第1位相第2増幅信号[W3(0)は現在値],
W4(z) … 第2位相第2増幅信号[W4(0)は現在値],
W3Z … 第1位相第2基準信号の設定値,
W4Z … 第2位相第2基準信号の設定値,
P1 … 入室点, P2 … 便蓋部開放動作開始点,
P2’ … 更新点, P3 … 着座動作開始点,
P4 … 着座点, P5 … 離座動作開始点,
TH1 … 第1オン判定閾値, TH2 … 第2オン判定閾値,
TH3 … 第1オフ判定閾値, TH4 … 第2オフ判定閾値,
TH5 … 第3オン判定閾値, TH6 … 第3オフ判定閾値,
TH7 … 接近判定閾値, TH8 … 離遠判定閾値,
TH9 … 第1更新判定閾値, TH10 … 第2更新判定閾値,
TH11 … 第3更新判定閾値, TH12 … 第4更新判定閾値,
TH13 … 第1設定判定閾値, THL … 着座検知閾値
THA … 第2増幅信号変動判定閾値,
THB … 第2位相第2基準信号の設定値近傍判定閾値,
THC … 接近判定閾値,
THD … 第1位相第2基準信号の設定値近傍判定閾値,
THE … 離遠判定閾値1, THF … 離遠判定閾値2,
Cnt1 … 第1検知カウンタ, Cnt2 … 第2検知カウンタ,
Cnt3 … 第3検知カウンタ, Cnt4 … 第1設定カウンタ,
CCNT … 接近検知カウンタ, RCNT … 離遠検知カウンタ,
ECNT … 検知継続カウンタ,
Tim1 … 第1検知カウンタクリアタイマー,
Tim2 … 第1検知オフディレイタイマー,
Tim3 … 第3検知カウンタクリアタイマー,
Tim4 … 第2検知オフディレイタイマー,
CTIM … 接近判定継続タイマー, RTIM … 離遠判定継続タイマー,
CTIM … 接近判定継続タイマー, RTIM … 離遠判定継続タイマー,
N1 … 第1検知カウント数, N2 … 第2検知カウント数,
N3 … 第3検知カウント数, N4 … 離遠検知カウント数,
NA … 接近検知カウント数, NB … 離遠検知カウント数,
NX … 検知継続カウント数,
T1 … 第1検知カウンタクリア時間, T2 … 第1検知オフディレイ時間,
T3 … 第3検知カウンタクリア時間, T4 … 第2検知オフディレイ時間,
Step1a〜Step13g … 制御ステップ,
A … 着座(第1)検知領域, A1 … 着座検知領域の中心(狙い)点,
A2 … 着座検知領域の中心距離, B … 遠方(第2)検知領域,
B1 … 遠方検知領域の中心(狙い)点, B2 … 遠方検知領域の中心距離,
C1 … 着座した人体, C2 … 立ち姿勢の人体
Claims (5)
- 高周波の送信波と物体によって跳ね返された受信波とが干渉した定在波を検波し、この検波信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅部と、
前記第1増幅信号から所定周波数以上の信号を取り出す高域通過フィルタと、
前記高域通過フィルタからの出力を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅部と、
前記第1増幅信号および第2増幅信号の各々の平均値に基づいて、第1基準信号および第2基準信号を設定する基準信号設定部と、
前記第2増幅信号と第2基準信号との差分である第2レベル信号に基づいて、第2検知領域の物体の有無を判定する第2判定部と、
前記第2判定部によって第2検知領域に物体が存在すると判断されると、前記第1増幅信号と前記第1基準信号との差分である第1レベル信号または前記第2レベル信号に基づいて、物体検知装置から検知領域の中心までの距離が前記第2検知領域よりも近い第1検知領域内の物体の有無を判定する第1判定部と、
前記第2増幅信号の時間的変化に基づき、移動方向を判定する移動方向判定部と、
を備え、
前記移動方向判定部は、前記第2増幅信号の振幅が増加傾向にあると前記第2検知領域から前記第1検知領域に向かう接近動作と判定し、前記第2増幅信号の振幅が減少傾向にあると前記第1検知領域から前記第2検知領域に向かう離遠動作と判定し、
前記移動方向判定部により前記第2検知領域から前記第1検知領域に向けた移動を検知した後、前記第1判定部は前記第1検知領域の物体の有無の判定を行うよう構成されていることを特徴とする物体検知装置。 - 前記物体検知装置は、前記第2増幅信号の時間的変化に基づき、移動方向を判定する移動方向判定部を備え、
前記移動方向判定部は、前記第2増幅信号の振幅が増加傾向にあると前記第2検知領域から前記第1検知領域に向かう接近動作と判定し、前記第2増幅信号の振幅が減少傾向にあると前記第1検知領域から前記第2検知領域に向かう離遠動作と判定し、
前記第1判定部が第1検知領域の物体の検知判定中に、前記移動方向判定部により前記第1検知領域から前記第2検知領域に向けた移動を検知した後、前記第1判定部は第1レベル信号のレベルにかかわらず、前記第1検知領域の物体の非検知に移行するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の物体検知装置。 - 前記物体検知装置において、前記基準信号設定部は、前記第1判定部が第1検知領域の物体の非検知状態であり、かつ、前記移動方向判定部が移動方向の判定結果を確定していない状態において、前記第1増幅信号の平均値の変化に基づいて、前記第1基準信号を更新するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の物体検知装置。
- 前記物体検知装置において、前記第1判定部が第1検知領域の物体を検知中において、前記移動方向判定部による前記第1検知領域から前記第2検知領域に向けた移動の非検知状態が、所定時間経過することにより、前記第1検知領域内での物体の継続した検知を判定し、前記第1判定部とは独立に信号を出力する第3判定部を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物体検知装置。
- 前記物体検知装置は、送信波と物体によって跳ね返された受信波とを各々同数に分割し、位相差生成部を介して干渉させることによって得られる互いに位相の異なる定在波を各々検波して複数の検波信号を得るものであり、前記第1増幅部は、前記複数の検波信号を各々増幅して複数の第1増幅信号を出力するものであり、また、前記第2増幅部は、前記複数の第1増幅信号を各々高域通過フィルタを通過させた後に増幅し、複数の第2増幅信号を出力するものであり、さらに前記基準信号設定部は、前記複数の第1増幅信号の各々の平均値に基づいて、複数の第1基準信号を設定すると共に、前記複数の第2増幅信号の各々の平均値に基づいて、複数の第2基準信号を設定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物体検知装置。
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