JP4239068B2 - 押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種プラスチックフィルムやアルミ箔を貼り合わせた複合フィルム、アルミ蒸着を行った複合フィルム等とポリオレフィン類とを溶融押し出しコーティングする事により複合フィルムを製造する際に使用されるアンカーコート剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、押し出しラミネートの分野では、有機チタネート系やポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ウレタン系のアンカーコート剤が使用されてきた。例えば特許文献1にはウレタン系、ポリエステル系のアンカーコート剤が多数提案され、耐水性、耐ボイル性、アルミへの接着性に優れたラミネートフィルムが得られることを開示している。しかし、これらのアンカーコート剤では、建築材料に求められるような、長期にわたる耐久性に劣り、その使用用途が耐久性を必要としない食品用途に限定され、幅広い用途に対応できないでいる。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−263060(特許請求の範囲、実施例1、2、3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来の押し出しラミネート用アンカーコート剤が抱える上記の様な問題を解決することであり、従来求められる耐水性、耐ボイル性、アルミへの接着性のみならず、優れた耐久性を有した押し出しラミネート用アンカーコート剤を提供する事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは優れた接着性、耐水性、耐ボイル性、アルミへの接着性、耐久性を有した押し出しラミネート用アンカーコート剤を得るべく種々検討を行なった結果、本発明に達した。すなわち、本発明は以下のポリエステル樹脂とそれに用いる押出しラミネート用アンカーコート剤である。
【0006】
(1) 二塩基酸成分における脂肪族ジカルボン酸の含有量が25モル%以下、グリコール成分における炭素数4〜10のグリコールの含有量が50モル%以上であり、酸価が50〜200当量/106gである押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂。
【0007】
(2) グリコール成分として、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコールを20〜70モル%含む(1)記載の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂。
【0008】
(3) グリコール成分として、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび/又はネオペンチルグリコールのグリコール含有量が50〜80モル%である(1)または(2)に記載の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂。
【0009】
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル樹脂を用いた押し出しラミネートアンカーコート剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂の組成は、全二塩基酸成分、全グリコール成分それぞれの合計量を100モル%としたとき、二塩基酸成分において脂肪族ジカルボン酸の含有量が25モル%以下、グリコール成分における炭素数4〜10のグリコールの含有量が50モル%以上であるものが望ましい。二塩基酸成分において脂肪族ジカルボン酸の含有量が25モル%より多いと、耐久性に劣ってしまうことがある。アンカーコート剤に用いるポリエステル樹脂はそのガラス転移温度を下げて接着性を発現させる必要があるが、本発明では二塩基酸成分として脂肪族ジカルボン酸を用いてガラス転移温度を低めるのではなく、グリコール成分で低めるのである。従って炭素数4〜10のグリコール成分の含有量は50モル%以上が望ましく、65モル%以上がより好ましく、80モル%以上が最も好ましい。二塩基酸成分でガラス転移温度を低めたものに比べてグリコール成分で低めたものは耐久性に優れる。ここで炭素数3以下のグリコールが50モル%以上になるとアンカーコート剤に必要なガラス転移温度に調整するためには二塩基酸成分として脂肪族ジカルボン酸を多量に共重合しなくてはならなくなる。一方炭素数11以上のグリコールが50モル%以上になるとアルミへの接着性が低下することがある。
【0011】
炭素数4〜10のグリコール成分としては例えば2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等を適宜併用する事ができる。これらの中でも特にガラス転移温度を調整すると共に、耐久性に優れるものとして、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
【0012】
グリコール成分としては、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコールを20〜70モル%含むものが好ましい。これらのグリコール含有量が20モルより少ないと、耐久性、アルミへの接着性が低下してしまうことがある。一方70モル%を越えると溶剤溶解性が劣ってしまう場合がある。
【0013】
さらには2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび/又はネオペンチルグリコールのグリコール含有量が50〜80モル%であるものが好ましい。これらのグリコール含有量が50モルより少ないと、溶剤溶解性が劣ってしまう場合があり、80モル%を越えると耐久性、アルミへの接着性が低下してしまうことがある。
【0014】
本発明のポリエステルに用いることのできる脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸等が挙げられ、芳香族二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。また、脂環族二塩基酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられ、芳香族三塩基酸としては、無水トリメリット酸等が挙げられる。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂で用いることのできる炭素数4〜10以外のグリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサスド付加物、1,10−ドデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらグリコールは50モル%未満で適宜使用可能である。
【0016】
また、本発明のポリエステル樹脂は酸価が50〜200当量/106gであることが望ましく、好ましくは酸価を付与する方法がポリエステル重合後続いて170℃以上の系内に芳香族無水多価カルボン物を投入し酸価を付与する方法であり、より好ましくは、3官能以上のカルボン酸を有する芳香族無水カルボン酸を使用する事である。無水多価カルボン酸としては、無水フマル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族無水多価カルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環族無水多価カルボン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の芳香族無水多価カルボン酸、より好ましくは、無水トリメリット酸やエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等の3官能以上のカルボン酸を有する芳香族無水カルボン酸が挙げられる。主としてアルミへの接着性を向上させる為にポリエステル樹脂に酸価を付与するのであるが、芳香族カルボン酸が脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸に比べてより効果が高く、無水トリメリット酸やエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等の3官能以上のカルボン酸を有する芳香族無水カルボン酸で変性を行う方が、より好ましい。酸変性を行う際、無水トリメリット酸やエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等の3官能以上のカルボン酸を有する芳香族無水カルボン酸で変性する温度が170℃より低いと3官能以上のカルボン酸を有する芳香族無水カルボン酸が十分に溶融せず、酸変性がきちんと行われず、目的とするポリエステル樹脂を得ることができないことがある。
【0017】
本発明のポリエステル樹脂は数平均分子量が5000〜50000である事が好ましい。数平均分子量が5000より低いポリエステルであると、接着剤としての機械特性が不足し十分な接着性、耐ボイル性、アルミへの接着性、耐久性が得られないことがある。数平均分子量が50000より高いと、本接着剤を溶剤に溶解して使用する場合に、溶液粘度が高くなりすぎて、実使用できない等の問題が生じることがある。
【0018】
本発明のポリエステル樹脂はイソシアネート化合物と組み合わせてアンカーコート剤として用いることができる。そのイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアナート、3、3’−ジメトキシ−4,4’ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−キシリレンジイソシアネート、1,3ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートやこれらを用いて多官能化した化合物、或いは、ポリオールに上記イソシアネートを用いて変性した化合物等が挙げられる。本発明の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂には先に述べた硬化剤の他、シランカップリング剤や種々粘着性樹脂成分をブレンドする事も出来る。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を更に詳細に説明するため、実施例を挙げるが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中に単に部とあるのは質量部を示す。
【0020】
ポリエステル樹脂の合成例1
温度計、撹拌機、還流式冷却管および蒸留管を具備した反応容器にテレフタル酸132.8部、イソフタル酸129.5部、アジピン酸58.4部、無水トリメリット酸3.8部、ネオペンチルグリコール291.2部、1,4―ブタンジオール108.0部、チタンテトラブトキシド0.14部を仕込み、4時間かけて230℃まで徐々に昇温し、留出する水を系外に除きつつエステル化反応を行った。続いてこれを30分かけて10mmHgまで減圧初期重合を行うと共に温度を240℃まで昇温し、更に1mmHg以下で30分間後期重合を行なった。ついで、系内を200℃まで冷却し、無水トリメリット酸3.8部を投入し、窒素気流下、200℃において30分撹拌し、酸変性を行った。この様にして得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示した。
【0021】
なお、各測定評価項目は以下の方法に従った。
(1)樹脂組成の測定
核磁気共鳴スペクトル分析により、二塩基酸成分、グリコール成分のモル比を求めた。
(2)数平均分子量及び重量平均分子量
テトラハイドロフランを溶媒として、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。ポリスチレン換算値として表した。
(3)酸価の測定
ポリエステル樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.1NのKOHエタノール溶液で滴定し酸価を求めた。樹脂1t当たりの当量を単位とした。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
(4)ガラス転移温度の測定
示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定した。
【0022】
ポリエステル樹脂の合成例2〜5
ポリエステル樹脂の合成例1と同様にして、表1に示す原料を用いて、ポリエステル樹脂を得た。この特性値を表1に示した。
【0023】
ポリエステル樹脂の比較合成例1
テレフタル酸137.52部、イソフタル酸137.52部、アジピン酸90.73部、エチレングリコール73.46部、ネオペンチルグリコール92.45部、1,6−ヘキサンジオール104.89部を仕込み、窒素気流下撹拌しながら160−230℃に加熱し、エステル化反応させた。酸価が90当量/t以下になったところで、反応系を徐々に真空にし、1mmHg以下、230℃で2時間エステル交換反応させ、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを得た。ポリエステルポリオールの水酸基価357当量/t、酸価は9当量/t、分子量は数平均分子量が10000、重量平均分子量で20000であった。上記で得られたポリエステルポリオール100部に対して無水マレイン酸1.3部を加え、140℃で1時間反応させ酸変性を行った。この様にして得られたポリエステル樹脂の特性値を表2に示した。
【0024】
ポリエステル樹脂の比較合成例2
テレフタル酸137.52部、イソフタル酸137.52部、アジピン酸90.73部、エチレングリコール73.46部、ネオペンチルグリコール92.45部、1,6−ヘキサンジオール104.89部を仕込み、窒素気流下にして撹拌しながら、160−230℃に加熱し、エステル化反応させた。酸価が90当量/t以下になったところで、反応系を徐々に真空にし、1mmHg以下、230℃で2時間エステル交換反応させ、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを得た。ポリエステルポリオールの水酸基価357当量/t、酸価は9当量/t、分子量は数平均分子量が10000、重量平均分子量で20000であった。上記で得られるポリエステルポリオール100部に対して無水フタル酸1.3部を加え、140℃で1時間反応させ酸変性を行った。この様にして得られたポリエステル樹脂の特性値を表2に示した。
【0025】
ポリエステル樹脂の比較合成例3〜5
ポリエステル樹脂の合成例1と同様にして、表2に示す原料を用いて、ポリエステルジオールを得た。この特性値を表2に示した。
【0026】
比較合成例1、2はアジピン酸が28モル、ネオペンチルグリコールが33モル、1,6−ヘキサンジオールが44モルであるので、本発明の範囲外である。比較合成例3は酸価が低く、またグリコール成分が本発明の範囲外である。比較合成例4は酸価が低く、本発明の範囲外である。比較合成例5は脂肪族ジカルボン酸の含有量が25モル%以上であり、本発明の範囲外である。
【0027】
【表1】
Figure 0004239068
【0028】
【表2】
Figure 0004239068
【0029】
表中の略号は以下の通りである。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
AA:アジピン酸
SA:セバシン酸
TMA:無水トリメリット酸
2MG:2−メチル−1,3−プロパンジオール
NPG:ネオペンチルグリコール
BD:1,4−ブタンジオール
PD:1,5−ペンタンジオール
HD:1,6−ヘキサンジオール
EG:エチレングリコール
TMEG:エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)
MA:無水マレイン酸
OPA:無水フタル酸
【0030】
実施例1
ポリエステル樹脂の合成例1で得られたポリエステルを酢酸エチルで固形分濃度が5%となるように溶解し、この溶液1000部に対し、コロネートHX(日本ポリウレタン工業(株)社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート)を5部配合し、十分に撹拌をおこない押し出しラミネートアンカーコート剤を得た。このアンカーコート剤を用いて、インライン方式溶融押出しコーティング機(コーティング速度50m/min、アダプター温度305℃)を使用して、25μmPETフィルムを基材として、あるいは12μmPET/アルミニウム箔9μmの複合フィルム(アルミニウム箔面を試験に使用)を基材として乾燥後のアンカーコート剤塗布量が0.3g/m2となるように塗布・乾燥し、さらにアンカーコート剤面にポリエチレンを厚みが35μmとなるように溶融押出しコーティングし、試験用の複合フィルムを得た。これらの2種類のラミネートフィルムを用いて以下の試験を行った。結果を表3に示す。
【0031】
常態剥離試験
上記試験用の複合フィルムを15mm幅に切断し、PET面或いはアルミニウム箔面とポリエチレン間の剥離強度を測定した。剥離強度300mm/min、T剥離強度で測定を行った。
【0032】
耐煮沸性試験
上記試験用の複合フィルムを用いて作成した袋に、市販の4.2%食酢、サラダ油、ケチャップの1/1/1混合物を封入し、煮沸した湯中で1時間処理した後、上記常態剥離強度試験と同様の方法で剥離試験を行った。
【0033】
耐薬品性試験
上記試験用の複合フィルムを用いて作成した袋に市販の食器洗浄用洗剤、シャンプーを1/1の1/1/1混合物を封入し、50℃雰囲気中に1ヵ月放置した後、上記常態剥離強度試験と同様の方法で剥離試験を行った。
【0034】
耐久性試験
上記試験用の複合フィルムを70℃の湯中に8週間浸漬した後、上記常態剥離強度試験と同様の方法で剥離試験を行った。
【0035】
実施例2
ポリエステル樹脂の合成例2で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表3に示した。
【0036】
実施例3
ポリエステル樹脂の合成例3で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表3に示した。
【0037】
実施例4
ポリエステル樹脂の合成例4で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表3に示した。
【0038】
実施例5
ポリエステル樹脂の合成例5で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表3に示した。
【0039】
比較例1
ポリエステル樹脂の比較合成例1で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表4に示した。
【0040】
比較例2
ポリエステル樹脂の比較合成例2で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表4に示した。
【0041】
比較例3
ポリエステル樹脂の比較合成例3で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表4に示した。
【0042】
比較例4
ポリエステル樹脂の比較合成例4で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表4に示した。
【0043】
比較例5
ポリエステル樹脂の比較合成例5で得られたポリエステルを用いて実施例1と同様にアンカーコート剤を調合し、複合フィルムを作成、各試験を行った。これらの試験結果を表4に示した。
【0044】
【表3】
Figure 0004239068
【0045】
【表4】
Figure 0004239068
【0046】
比較例1,2、5は耐久性に劣り、比較例3,4は酸価が付与されていないため、アルミニウム箔を用いた場合の耐煮沸試験、耐薬品性試験に劣り、また、耐久性にも劣る。
本試験結果から明らかな用に、本発明の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂は耐水性、耐ボイル性、アルミへの接着性を示し、特に耐久性に優れたアンカーコート剤である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の押し出しラミネートアンカーコート剤用ポリエステル樹脂は各種プラスチックフィルムやアルミ箔を貼り合わせた複合フィルム、アルミ蒸着を行った複合フィルム等とポリオレフィン類とを溶融押し出しコーティングする事により複合フィルムを製造する際に使用されるアンカーコート剤に関する物であり、耐水性、耐ボイル性、アルミへの接着性を示し、特に耐久性に優れたアンカーコート剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. 二塩基酸成分における脂肪族ジカルボン酸の含有量が25モル%以下、グリコール成分における炭素数4〜10のグリコールの含有量が100モル%であり、酸価が50〜200当量/10 gであり、
    グリコール成分として、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコールを20〜70モル%含み、
    グリコール成分として、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび/又はネオペンチルグリコールのグリコール含有量が50〜80モル%である
    ポリエステル樹脂を用い
    各種プラスチックフィルム、各種プラスチックフィルムとアルミ箔を貼り合せた複合フィルムまたは各種プラスチックフィルムにアルミ蒸着を行った複合フィルムと、ポリオレフィン類とを、溶融押し出しコーティングすることにより複合フィルムを製造する際に使用する
    押し出しラミネートアンカーコート剤。
  2. 前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が14℃以下である請求項1記載の押し出しラミネートアンカーコート剤。
  3. さらにイソシアネート化合物を用いた請求項1または2記載の押し出しラミネートアンカーコート剤。
  4. 前記各種プラスチックフィルムがPETフィルム、前記ポリオレフィンがポリエチレンである請求項1〜3いずれかに記載の押し出しラミネートアンカーコート剤。
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