JP4238743B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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この発明は方向性電磁鋼板の製造方法、特に出発素材成分に析出型インヒビター成分であるAl、S、Seを実質的に含有せず、鋼板内磁気特性偏差が小さい方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板はインヒビターと呼ばれる析出物を利用して最終仕上焼鈍中にゴス方位粒、すなわち{110}<001>方位を有する二次再結晶粒を優先的に成長させることによって製造するのが一般的であり、例えば特許文献1に開示されているAlN、MnSを利用する方法や特許文献2に開示されているMnS、MnSeを利用する方法が開示されている。
これらの方法は、現段階において広く工業的に実施されている実用化されている方法であるが、安定して二次再結晶粒を発達させるためには、これらインヒビターを微細に分散析出させなければならないので、熱延前のスラブ加熱温度を1300℃以上の高温で行うことが必要とされる。しかしながら、スラブの高温加熱は、そのための設備コストが嵩む他、熱間圧延時に生成するスケールの量も多大になるために歩留まりを低下させ、また設備のメンテナンスを煩雑にする原因になる等の問題を含んでいる。また、これらインヒビター形成元素は最終仕上焼鈍の際に鋼板表面に形成されるガラス質被膜(フォルステライト質被膜)の安定形成を阻害することがあり、焼鈍分離剤の選択等に多くの制約を伴う等の問題がある。
これらの問題を解決するため、これらのインヒビター形成成分を含有させることなく方向性電磁鋼板を製造する手段がたとえば、特許文献3に提案されている。この手段によれば、インヒビターによってもたらされる表面エネルギーを用いることなく二次再結晶粒をゴス方位に揃えることが可能である。また、特許文献4には、出発素材(スラブ)におけるMnおよびSeに含有量を[Mn(mass%)]/([S(mass%)]+[Se(mass%)])なる関係の下に規制し、スラブ加熱温度を1250℃以下に、そして再結晶焼鈍における600℃までの平均昇温速度を25℃/s以上とする手段が開示されている。
特公昭40−15644号公報 特公昭51−13469号公報 特開2000−129356号公報 特開2003−213339号公報
しかしながら、これら特許文献3および特許文献4に記載の手段について、本発明者が追跡調査した結果によれば、これら手段によるときはなお磁気特性の鋼板(コイル)内偏差が大きいという問題がある。すなわち、特許文献4記載の手段にしたがって製造されたコイルのエッジ部から長手方向を圧延方向にとってエプスタイン試験片を順に30枚切り出し、SST測定器、すなわち単板磁気試験器による磁気特性を行ったところ、磁化力800A/m時の磁束密度(B値、単位T)の最大値と最小値の差△Bが0.06Tに達することが判明したのである。このようにコイル内での磁気特性偏差が大きいと、たとえJIS C2550に規定する磁気特性が優れていても、局部的にはこれより特性が大きく劣る部分が存在しているために、トランス等の鉄心に加工された場合、その特性を大きくばらつかせる原因になる。ΔB値が0.02T以上になると、B値の平均値が1%以上変動する。このため上記磁気特性の鋼板内偏差△Bは0.02T未満であることが好ましい。
本発明は、出発素材成分に析出型インヒビター成分であるAl、S、Seを実質的に含有せず、それによってスラブの高温加熱によって生ずる問題や最終焼鈍時のフォルステライト被膜形成上の問題を解決しながら、上記鋼板内偏差△Bを小さくし得る方向性電磁鋼板の製造方法を提案するものである。
本発明は、質量比で、C:0.08%以下、Si:2.0〜8.O%およびMn:0.005〜3.O%を含みかつ、Al:100ppm未満、S:50ppm以下、Se:50ppm以下に制限され、残部不可避的不純物を除きFeからなる組成を有する鋼スラブに対し熱間圧延、熱延板焼鈍、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤の塗布及び二次再結晶および純化を目的とする最終仕上焼鈍を行う工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法において、前記熱間圧延に先立ち鋼スラブを1250℃以下で加熱し、かつ前記最終仕上焼鈍の過程において二次再結晶が開始するに先立ち二次再結晶開始温度よりも5〜20℃低い温度に10時間以上30時間以下保持するものである。上記発明において、熱間圧延後、直ちに冷間圧延を行うことができる。
さらに、上記各発明において、鋼スラブには、Ni:0.005〜1.50%、Sn:0.01〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.0050〜0.50%およびCr:0.01〜1.50%から選んだ元素を少なくとも1種含有させることができる。
本発明は上記によって特定されるものであるが、その基礎となる知見について整理し、併せて本発明の基礎となっている事項について説明すると以下のとおりである。
(1)方向性電磁鋼板の二次再結晶直前の状態である一次再結晶組織を解析し、様々な結晶方位を持つ各々の結晶粒周囲の粒界について、粒界方位差角が20〜45°である粒界の割合(%)を調査した結果、図1に示すように、ゴス方位が最も高い頻度を占める。ここに図1は、結晶方位空間をオイラー角(Φ1、Φ、Φ2)のΦ2=45°断面を用いて表示したものであり、ゴス方位など主な方位を模式的に表示してある。
(2)方位差角20〜45°の粒界は、高エネルギー粒界である(C.G.Dunn AIME Transaction 188巻(1949)368ページ参照)。このような粒界は、粒界内の自由空間が大きく乱雑な構造をしており、粒界拡散は粒界を通じて原子が移動する過程であるので、高エネルギー粒界では粒界拡散が速やかに進行する。
(3)二次再結晶は、インヒビターと呼ばれる析出物の拡散律速による成長・粗大化に伴って発現することが知られている。高エネルギー粒界上の析出物は、仕上焼鈍中に優先的に粗大化が進行するので、ゴス方位となる粒の粒界では析出物によるピン止めが優先的にはずれて粒界移動が開始し、そのためゴス方位を有する粒が優先的に成長すると考えられる。
(4)本発明者らの見解によれば、二次再結晶におけるゴス方位粒の優先的成長の本質的要因は、一次再結晶組織中の高エネルギー粒界の分布状態にあり、インヒビターの役割は、高エネルギー粒界であるゴス方位粒と他の粒界との移動速度差を生じさせることにある。
(5)したがって、粒界に移動速度差を生じさせることができれば、インヒビターを用いなくとも、ゴス方位を有する二次再結晶させることが可能でなる。しかしながら、鋼中に存在する不純物元素は、粒界、特に高エネルギー粒界に偏析しやすいため、不純物元素を多く含む場合には、高エネルギー粒界と他の粒界との移動速度に差がなくなる。そのためインヒビターを用いることなく二次再結晶させるためには、素材を高純度化し、高エネルギー粒界の構造に依存する本来的な移動速度差を顕在化することが必要になる。これにより、テクスチャーインヒビション(Texture Inhibition)によるゴス方位粒の選択的粒成長を起すことができる。
(6)しかしながら、一次再結晶組織の粒径分布が一様でない場合には、隣接する結晶粒同士の粒径差を駆動力とする正常粒成長が起こるため、すなわち上述の粒界の移動速度差による選択的粒成長が阻害され、ゴス方位粒の選択的粒成長が起こらなくなる。したがって、粒界移動速度差を利用して安定して二次再結晶粒を成長させるためには、一次再結晶組織の結晶粒度分布をできる限り均一に保つことが肝要である。
(7)また、熱延時の加熱温度が高いと、たとえインヒビター成分の含有量を抑制しても、加熱時に固溶したインヒビター形成成分が熱延中に不均一に微細析出することになる。その結果、不均一に分布した微細析出物により、粒界移動が局所的に抑制されて粒径分布が極めて不均一になり、ゴス方位への二次再結晶粒の発達が阻害されることになる。したがって、インヒビターを用いずにゴス方位を有する二次再結晶させるためには熱延時の加熱温度を圧延可能な範囲で低めに抑えることが必要である。
(8)このようにして、テクスチャーインヒビションの作用により、出発素材成分に析出型インヒビター成分であるAl、S、Seを実質的に含有せず、それによってスラブの高温加熱によって生ずる問題や最終焼鈍時のフォルステライト被膜形成上の問題を解決しながら二次再結晶粒を発達させることができる。しかしながら、上記手段のみでは、鋼板内磁気特性偏差は解消できない。本発明者等の研究によると、その原因は鋼板内で二次再結晶開始温度が僅かながらばらつくためである。
(9)二次再結晶挙動を決定する因子は一次再結晶粒の駆動力と抑制効果のバランスである。発明者等の検討によると、上記ばらつきの原因となっているのは、なお残留している不可避的不純物による抑制力であり、したがって二次再結晶開始前の段階でこの残留抑制力を無害化する手段をとる必要がある。
(10)かかる手段としては、二次再結晶開始前の段階で二次再結晶開始温度よりも低い温度で保持して析出物を粗大化させ、鋼板内での二次再結晶挙動を均一化させることが有効である。これにより、鋼板内の磁気特性偏差が小さい方向性電磁鋼板を得ることができる。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法によれば、スラブの高温加熱によって生ずる問題や最終焼鈍時のフォルステライト被膜形成上の問題を解決しながら、上記鋼板内偏差△Bを小さくし得る。
本発明に係る出発素材は、基本的に質量比で、C:0.08%以下、Si:2.0〜8.O%およびMn:0.005〜3.O%を含みかつ、Al:100ppm未満、S:50ppm以下、Se:50ppm以下に制限され、残部不可避的不純物を除きFe以下の成分を含有するものである。
Cは熱延組織における結晶粒の均一化を得るために必要であるが、0.08%を超えると、脱炭焼鈍過程において磁気時効の起こらない50ppm以下に低減することが困難になるので0.08%以下に限定される。Mnは熱間加工性を良好にするために必要な元素であるが、0.005%未満であると効果がなく、3.O%を超えると磁束密度が低下するので、0.005〜3.O%とする。Siは、電気抵抗を高めて鉄損の向上に有効に寄与する元素として2.O%以上必要であるが、8.O%を超えると加工性が劣化するため、Si量は2.0〜8.O%とする。
析出型のインヒビター成分であるAl、SおよびSeは本発明では低く抑制される。Alは100ppm未満とし、SおよびSeは50ppm以下とする。これらの量を超えると、テクスチャーインヒビションの作用による二次再結晶組織を得ることが困難になる。なお、Nについては純化焼鈍後のSi窒化物の生成を防止するために50ppm以下にすることが望ましい。また、窒化物形成元素であるTi、Nb、B、Ta、Vもそれぞれ50ppm以下に低減することが望ましい。本発明によるテクスチャーインヒビションの作用を妨害しないようにして鉄損の劣化を防ぎ、良好な加工性を確保するためである。
本発明は、出発素材成分を上記以外に以下に述べる元素を適宜含有させることができる。すなわち、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる目的で、Niを添加することができる。しかしながら添加量が0.005%未満であると磁気特性の向上量が小さく、1.50%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので添加量は、0.005〜1.50%とすることが好ましい。さらに、鉄損を向上させる目的で、SnをO.01〜0.50%、SbをO.005〜0.50%、CuをO.01〜1.50%、PをO.005〜0.50%、CrをO.01〜1.5%等を単独または複合して添加できる。しかしながら、それぞれ添加量が下限量に満たないと鉄損向上効果が小さく、一方、上限量を超えると二次再結晶粒の発達が抑制されるため、これらの元素は上記範囲で添加することが好ましい。
出発素材は上記組成成分を有する限り、特にその調整方法、あるいは形態を問わない。たとえば転炉、電気炉などの公知の方法で調整し、必要に応じて真空処理などを施し、通常の造塊法や連続鋳造法でスラブに製造すればよい。あるいは、直接鋳造法を用いて100mm以下の厚さの薄鋳片を出発素材としてもよい。
この際、熱間圧延に先立ってスラブ加熱を行い、加熱温度を1250℃以下に抑えることが必要である。すでに述べたように、加熱温度が高すぎると、上述のようにインヒビター成分の含有量が抑制されていても、加熱時に固溶したインヒビター形成成分が熱延中に不均一に微細析出し、それにより、粒界移動が局所的に抑制されて粒径分布が極めて不均一になり、ゴス方位への二次再結晶粒の発達が阻害されることになるからである。また、スラブの高温加熱にもたらされるスケールの生成量を押さえ、歩留まりを向上させる効果もある。
このようにして調整された熱延板(直接鋳造法によって得られた薄鋳片を含む)には必要に応じて熱延板焼鈍が施される。この熱延板焼鈍は、熱間圧延において生じたバンド組織を消滅させ、冷間圧延後の脱炭焼鈍を兼ねる一次再結晶焼鈍において整粒一次再結晶組織を実現するために行われるものである。焼鈍温度が800℃未満では熱間圧延でのバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を実現することが困難になり、一方、焼鈍温度が1100℃を超えると不可避的に混入しているインヒビター成分が固溶し、冷却時に不均一に再析出して整粒一次再結晶組織の実現を困難とする。また、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎて整粒一次再結晶組織が得られ難くなる。したがって、熱延板焼鈍は800〜1100℃の範囲で行うのが好ましい。
上記熱延板焼鈍後、冷間圧延を施す。この冷間圧延は公知の手段を利用して行えばよく、中間焼鈍を行なわない、いわゆる一回法を採用することもできれば、中間焼鈍を挟んで多数回の圧延を行うこともできる。また、冷間圧延に際しては圧延温度を100℃〜300℃に上昇させて行う温間圧延を採用すること、あるいは冷間圧延途中で100〜300℃の範囲での時効処理を1回または複数回行うこともできる。これらはゴス組織を発達させる点で有効である。
上記冷間圧延により最終板厚とされた冷延板は、次いで脱炭焼鈍に付される。この最終冷延後の脱炭焼鈍は、Cを磁気時効の起こらない50ppm以下、好ましくは30ppm以下に低減することを目的とし、湿潤雰囲気を使用して700〜1000℃の範囲で行うことが好適である。なお、脱炭焼鈍後に浸珪法によってSi量を増加させる手段を行うことも可能である。
このようにして、得られた脱炭済みの冷延鋼板は公知の手段によって、MgOを主成分とする焼鈍分離剤が塗布され、コイルに巻回されて最終焼鈍に付される。本発明では、この最終仕上焼鈍の過程において二次再結晶が開始するに先立ち二次再結晶開始温度よりも5〜20℃低い範囲の温度に10時間以上30時間以下保持する抑制力無害化処理を行う。
これは、前記説明(9)〜(10)にしたがい、なお残留している不可避的不純物による残留抑制力を無害化するために本発明で特に採用される手段であり、析出物を粗大化させ、鋼板内での二次再結晶挙動を均一化させるためのものである。この保持温度は二次再結晶開始温度よりも5〜20℃低い温度範囲になければならない。二次再結晶開始温度よりも20℃を超えて低温側で保持しても抑制力無害化の効果が著しく少なく、一方、二次再結晶開始温度よりも低いが、それより5℃未満の高い温度で保持しても二次再結晶温度との区別がつき難いため、上記効果が発現しないまま一次粒の成長、さらには二次再結晶が起こってしまうからである。結局これらの場合は、本発明の目的とする鋼板内偏差△Bを十分小さくすることができない。
上記不可避的不純物による残留抑制力無害化処理のための保持時間は10時間以上30時間以下である。その時間が10時間よりも短い場合、抑制力無害化処理効果が十分進展せず、一方、30時間より長い場合は、保持時間中に鋼板の酸化が過度に進み、生成されるフォルステライト質被膜に欠陥が生じるためである。なお、上記保持にあっては、必ずしも鋼板を一定温度に保持する必要はなく、上記温度範囲、保持時間内であれば、鋼板温度が変動し、あるいは上昇し続けてもよい。
なお、上記「二次再結晶開始温度」とは板厚を貫通した粒が存在し始めた時点の温度をいう。この温度はエプスタイン試験片のサイズにせん断した試料を、温度傾斜をつけた状態で30時間均熱焼鈍した後試料を観察し、板厚を貫通した粒が存在した最低の温度を計測することによって測定する。
上記の抑制力無害化処理に続いて、鋼板(コイル)はさらに二次再結晶開始温度まで昇温され、二次再結晶、フォルステライト被膜形成と不純物純化のための高温焼鈍が行わる。そのための雰囲気、温度、時間は公知の手段によって選定される。このようにして二次再結晶が完了し、フォルステライト被膜が生成された鋼板は、未反応のMgOを除去し、平坦化焼鈍によって形状矯正し、必要に応じて張力付与絶縁被膜を被成して製品とする。なお、鉄損値低下のために広く採用される磁区細分化処理を採用することも可能である。
質量比で、C:0.045%、Si:3.25%、Mn:0.070%、Al:80ppm、Sb:0.005%、N:40ppm、S:20ppm、残部Fe及び不可避的不純物よりなる電磁鋼板用スラブを1200℃に加熱後、熱間圧延し、2.2mm厚の熱延板とした。得られた熱延板に1000℃の温度で30秒間の熱延板焼鈍を施し、鋼板表面のスケールを除去後、タンデム圧延機により冷間圧延し、最終冷延板厚0.28mmの冷延板とした。得られた冷延板に対し、脱脂処理後、均熱温度840℃で120秒間保持する脱炭焼鈍を行い、これにMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、コイルに巻回して最終仕上焼鈍を施した。その際、あらかじめ脱炭焼鈍板について二次再結晶開始温度を温度傾斜炉により測定して850℃を得、この温度に基づき抑制力無害化処理条件を表1のとおり決定し、該抑制力無害化に続いて、10℃/hで850℃まで昇温後、850℃で40時間保定、その後25℃/hの昇温速度で1200℃まで昇温して被膜形成と純化を行った。
このようにして得られた鋼板のエッジ部から長手方向を圧延方向にとってエプスタイン試験片を順に切り出し、SST測定にて磁化力800A/m時の磁束密度(B)の平均値および最大値と最小値の差△B=Max(B)−Min(B)を測定した。結果は表1に併せて示す。
表2に示す成分を含有し、残部不可避的不純物を除きFeからなる組成を有する電磁鋼板用スラブを1200℃の温度に加熱後、熱間圧延し、2.2mm厚の熱延板コイルとした。この熱延板に1000℃で30秒間の熱延板焼鈍を施し、鋼板表面のスケールを除去した後、タンデム圧延機により冷間圧延し、最終冷延板厚0.28mmの冷延板とした。これに脱脂処理後、均熱温度840℃で120秒間保持する脱炭焼鈍を施した後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布して最終仕上焼鈍を施した。この際、あらかじめ脱炭焼鈍板の二次再結晶開始温度を温度傾斜炉で測定して850℃を得、この温度より10℃低い840℃で表2に記載の時間に亘り抑制力無害化処理を行い、次いで10℃/hで850℃まで昇温し、その後850℃で40時間保定、その後25℃/hの昇温速度で1200℃までして被膜形成と純化を行った。
得られた鋼板のエッジ部から長手方向を圧延方向にとってエプスタイン試験片を順に切り出し、SST測定にて磁化力800A/m時の磁束密度(B)の平均値および最大値と最小値の差△B(Max(B)−Min(B))を測定した。結果は表2に併せて示す。
方向性電磁鋼板の二次再結晶直前の状態である一次再結晶組織を解析し、様々な結晶方位を持つ各々の結晶粒周囲の粒界について、粒界方位差角が20〜45°である粒界の割合(%)を、結晶方位空間をオイラー角(Φ1、Φ、Φ2)のΦ2=45°断面を用いて表示したものである。

Claims (2)

  1. 質量比で、C:0.08%以下、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜3.O%を含みかつ、Al:100ppm未満、S:50ppm以下、Se:50ppm以下に制限され、残部不可避的不純物を除きFeからなる組成を有する鋼スラブに対し熱間圧延、熱延板焼鈍、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤の塗布及び二次再結晶および純化を目的とする最終仕上焼鈍を行う工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法において、
    前記熱間圧延に先立ち鋼スラブを1250℃以下に加熱し、かつ最終仕上焼鈍の過程において二次再結晶が開始するに先立ち二次再結晶開始温度よりも5〜20℃低い温度に10時間以上30時間以下保持することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 鋼スラブが質量比でさらに、Ni:0.005〜1.50%、Sn:0.01〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.0050〜0.50%およびCr:0.01〜1.50%から選んだ少なくとも1種を含有する成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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