JP4238309B2 - 可燃性ガスセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可燃性ガスのガス検出センサに関するものであり、更に詳しくは、可燃性ガスと触媒材の触媒反応による発熱から発生する局部的な温度差の変化を電圧信号に変え、それを検出信号として検出する方式とすることで、室温作動、高応答性を両立させ、膜状で集積化を可能にした、安全且つ正確にガス検知できる、新しいタイプのガス検出センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池の普及に伴ない、水素等の可燃性ガス用のセンサは、更にその重要性が高まると予想される。現在、可燃性ガスに対して高感度のセンサが開発され、市販されている反面、低温作動、高選択性等の高機能を有するセンサを一般に広く普及させるには、作動温度を下げて、安全性を高める等の課題を解決する必要があり、そのために、材料開発の面からの新たな技術要素の提案が最も要求されている。
可燃性ガスの検出センサは、従前から、半導体式抵抗変化式センサと、集積回路型センサに大きく分けられている。市販されているガスセンサ素子のうち、殆どの可燃性ガスセンサは、半導体式抵抗変化式であり、センサ材料として半導体酸化物である酸化スズを用い、ガス分子の表面吸着による、又はガス分子の表面での触媒燃焼によるセンサ材料の抵抗変化を着信することによってガス検知する。最近報告された、この種のセンサの新しい構造は、不活性物質からなる温度補償素子とセンサ素子とでブリッジ回路を組み、予かじめセンサ素子に適当な電圧を加えてこれを高温に加熱し、ガスとの接触の際に発生する電位差をブリッジ回路から読取るものである。
【0003】
一方、集積回路型の場合は、原理的にはガス分子によるセンサ素子表面の電荷変化を利用する動作原理のものが開発されてきたが、素子材料の欠陥も電荷を持つため、信頼度の観点から問題点が指摘され、実用化されていない。近年、光・表面波・焦電効果等を利用する集積回路型センサが開発されているが、これらも実用化するには技術的課題が多く残っている。
上記の抵抗変化式センサは、数百℃まで加熱しないと十分な性能が果たせないため、低温でも効率よく作動する新たなセンサの開発は、最も重要である。また、この種のセンサは、応答速度が遅く、且つ、初期状態に戻るまでの回復時間が数十分位かかる等の技術的課題が残っている。電源を一度切ったら、使用する前に点検を必要としたり、年に1回はドリフト等の影響を調べるために点検しなければいけない等、運転及び管理が面倒である。
【0004】
センサの作動温度が高いことにより、いくつかの問題が生じる。
1)安全性の問題がある。現在市販の水素を含む可燃性ガスセンサの場合、素子温度を300℃以上に保持しなければならず、しかも、可燃性ガスの検出中は動作温度が更に上昇して着火源となる可能性があるため、金網のメッシュをもって素子を覆う等の処置をする必要があり、安全性の点に難点がある。
2)素子温度を高く保つために、消費電力が高い。特に、このことから、携帯型応用には電源の確保が難しくなる。
3)素子が高温であるため、シリコンチップへの集積化が難しい。ガスセンサ素子以外のシリコンチップの素子は熱に弱く、ガスセンサ素子とシリコンチップの間に熱絶縁を施さなければならない。技術的には多孔質膜を用いた熱絶縁を形成することなどが行われるが、そもそもチップの一部が高温であることから、かなり複雑な素子になってしまう。
【0005】
従来のガスセンサ素子の問題点を解消した新しいセンサの原理が学術誌に報告された(Sensor and Actuators,8(1985)251頁)。ここでのセンサは、水素ガス検知用であり、棒状の酸化スズセラミックスの両端に電極として、片方は白金コーティング皮膜、片方は銀のコーティング皮膜を形成した構造である。
動作原理としては、水素ガスと白金コーティング皮膜との触媒反応により発熱すると、棒状の酸化スズにおいて、片方の温度が上昇し、両端の温度差はゼーベック効果により酸化スズの熱起電力が発生し、これが水素ガスに対する電圧信号となる。この種のセンサは、室温でも十分動作するため、素子を加熱する必要が無く、着火の心配も要らない。
【0006】
しかし、このセンサの場合、起電力発生部である酸化スズが水素を含む可燃性ガスに敏感に応答する材料であり、触媒からの微熱信号だけが電圧信号として読めるとは限らない。酸化スズは、室温付近から400℃までの温度範囲で水素等に敏感に反応し、その抵抗を極めて大きく変化する、抵抗変化型センサ素子部材の代表的な材料である(普及版センサ技術 1998年 フジ・テクノシステム(株) ISBN 4−938555−64−6)。そのため、触媒からの微熱を正確に検知する場合は、その信頼度に問題が生じる。また、抵抗が低くなると熱起電力発生が少なくなると予想され、この材料に代えて、検知ガスに影響を受けないで、高い熱起電力を発生させられる材料の選択が望まれる。
また、ここで報告されたセンサ素子は、棒状の形状をしたバルクタイプであり、この形状が、応用範囲を制限する。その例を3つあげる。
1)熱容量が大きく、応答速度が遅い。
2)シリコンチップ(半導体チップ)上にセンサ素子を形成するのが極めて困難である。
3)より高い電圧信号を得るための直列回路構成等の素子製作が複雑であり、且つ、素子が大きくなってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記の熱電変換原理を用いた可燃性ガスセンサの問題点を解消するために、鋭意研究を積み重ねた結果、膜状の形状を有した熱電変換材料を用いることにより、1)高感度化、2)シリコンチップ上への集積化、3)高速応答を可能とする新しいタイプのガス検出センサの開発に成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、室温動作と高速応答、高選択性を両立させた可燃性ガス検出センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)可燃性ガスと触媒材との触媒反応による発熱を、熱電変換材料(抵抗変化型素子材料を除く)の熱電変換効果により電圧信号に変換し、それを検出信号として検出する、膜状の構造をもつガス検出センサであって、1)被検出ガスと接触して触媒反応を起こす膜状の触媒材と、それに接して形成した、この反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換材料膜を構成要素として有し、2)基板上に上記熱電変換材料膜が形成され、該熱電変換材料膜の表面の一部に上記膜状の触媒材が形成され、これらの膜に電極が形成された構造を有し、3)上記熱電変換材料膜の熱電変換特性が、ガスに影響されないでガスによる抵抗及び熱起電力の変化が少ないこと及び発生信号は触媒反応からの微熱の大きさに比例することを特徴とする可燃性ガス検出センサ。
(2)触媒反応を起こす触媒材が、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)から選択される1種以上である前記(1)に記載のガス検出センサ。
(3)熱電変換材料膜が、BiTe系、SiGe系、又は金属酸化物系(抵抗変化型素子材料を除く)材料から成る前記(1)又は(2)に記載のガス検出センサ。
(4)白金の触媒材を用いることにより、水素ガスのみに応答する選択性を持たせた前記(1)に記載のガス検出センサ。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、従前の接触反応式可燃性ガス検出用センサの問題点を解決するもの
として、図1に示すような構成の可燃性ガス検出センサを提供するものである。センサの構造としては、触媒材と、それに接して形成する熱電変換材料膜を適宜組み合わせることで任意の形態に設計できる。具体的な一例として、アルミナ基板の上に熱電変換機能を果たす熱電変換材料膜であるSiGe膜を形成し、その表面の右半分だけに触媒機能を果たす触媒材である白金膜を形成し、素子を作製する。電圧を読取るために、膜の左右の両端に電極をつける。この電極としては、好適には、銀ペーストが例示されるが、これらに制限されない。また、電極の位置及び付け方についても制限されない。
【0010】
上記触媒材としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)等が使用される。これらを単独又は組み合わせて使用することにより、水素、一酸化炭素、メタン、プロパンの識別が可能であり、これらの混合ガスの識別及び定量測定が可能となる。
それは、金触媒は一酸化炭素のみと反応し、白金触媒は室温において水素のみと反応し、また、メタン及びプロパンは100℃以上の高温付近でそれぞれ異なる金属との反応を示すためである(化学と工業,24,4−11頁,1973年,山中龍雄)。
【0011】
次に、熱電変換材料としては、熱電変換性能が高く、ガスとの反応が少ない材料を用いることが重要であり、好適には、例えば、BiTe系、SiGe系、金属酸化物系等が例示されるが、これらに限らず、優れた熱電変換性能を有する材料であれば、同様に使用することができる。この場合、ガスとの反応が少ないとは、ガスによる抵抗及び熱起電力の変化が少ないことを意味する。
更に具体的には、アルカリ金属をドープしたNiO系は、LixNi1−xO又は、NayLixN1−y−xO(x:約0.024、y:約0.1、z:約0.01)であり(特許第3051922号明細書)、プロセスが簡単な熱電変換材料である。SiGe系は、Si0.8Ge0.2の組成で、優れた熱電変換材料であり、その技術開発の歴史が長く、特に、その高温領域での優れた熱電特性と高い機械的強度から宇宙開発用の熱電発電機に使われてきた。
この熱電変換材料の一部に触媒となる上記触媒材を、例えば、数ナノメートルの厚みで蒸着により成膜する。基板としては、好適には、厚み0.5mm、純度95%のアルミナ板が例示されるが、特に制限されない。厚膜の場合、基板なしでも使用できる。基板の熱伝導を抑える方法として、基板に膜を形成した後、エッチングにより基板を取り除いた構造とすることもできる。
【0012】
本発明では、可燃性ガスの触媒反応からの微熱を、熱電変換材料の熱電変換原理を最大限利用することによって、容易に読取れる程度の大きさの電圧信号に変換することを特徴とするものであり、室温付近でも十分動作可能である。
本発明者らが種々検討した結果、熱電変換材料は、このセンサ素子の部材として最も適していると考えられ、その理由として、次の3つの点が挙げられる。即ち、熱電変換材料は、1)可燃性ガスによる抵抗変化が極めて少ないことで、熱起電力の大きさがほぼ不変であり、発生信号は触媒からの微熱の大きさに比例する、2)同じ抵抗であっても、普通の導電性材料より高い熱起電力を発生させるため、感度を高めることが可能である、3)比較的熱伝導率が低いため、面内方向の熱伝導を防ぎ、より正確な検知が可能で、感度を高めることも可能とする、という点である。
【0013】
【作用】
本発明のガス検出センサにおいては、膜状の形状であるため、1)熱容量が小さく、速い応答特性をもつ、2)シリコンチップへの集積化ができる、3)印刷パタ−ンを変えるだけで増幅器回路なしでも容易に電圧を発生することができる等のメリットがある。
本発明のガス検出センサにおいては、被検出ガスがセンサ表面の触媒との微熱を検知するために使用する熱電変換材料膜の熱電変換特性が、ガスに影響されないことと、そのため、検出出力と可燃性ガス濃度とがリニアーな関係にある可燃性ガス検出センサが得られることにより、可燃性ガスの検出に極めて有用である。
また、本発明のガス検出センサにおいては、センサ表面の触媒材料の種類を変え、単独又は異種類素子を組み合わせることにより、検知ガスの選択性を与えることが可能であり、それにより、水素、一酸化炭素、メタン、プロパンの識別が簡単且つ正確にでき、これらの混合ガスの識別及び定量測定に極めて有用である。
【0014】
【実施例】
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
酸化ニッケルに炭酸ナトリウム及び酸化リチウムを混合し、850℃で6時間仮焼し、粉砕して粉末を得た。これをタービネオルとエチルセルロースで作ったビークルと混合し、ペースト状にして、厚み0.5mm、純度95%のアルミナ基板に印刷し、1100℃で2時間焼結することによって熱電変換酸化物厚膜を作製した。次に、膜表面の半分に、スパッタ装置を用いて、触媒となる白金を数〜数十ナノメートルの厚みで形成し、ガス検出センサを作製した。
【0015】
実施例2
SiGe合金(Si80%、Ge20%)にリンを0.3at%混合し、遊星ボールミルにて平均粒径数μm以下に粉砕した。粉砕の際には、酸化防止のために容器内をArガスで置換し、汚染防止のために容器及び玉は窒化ケイ素のものを使用した。通電焼結装置を用いて最高圧力約30MPa、最高温度1100℃で2時間間燒結し、焼結体を作製した。この焼結体をスパッタターゲットとして用いて、スパッタ装置によりSiGeの薄膜を作製した。次に、膜表面の半分に、スパッタ装置を用いて、触媒となる白金を数〜数十ナノメートルの厚みで形成し、ガス検出センサを作製した。
【0016】
実施例3
この実施例では、実施例1及び実施例2で作製したガス検出センサのガス応答特性を調べた。触媒面積は0.4cm2 であり、混合ガス流量は100 ml/minである。ここで示した条件は、触媒面積及び混合ガス流量には約3倍までほぼ比例する範囲である。つまり、ここで示した条件と同じ条件で、触媒面積を2倍にすると、発熱による温度差及び電圧信号はほぼ2倍になるとのことである。
図2に水素ガスに反応した実施例1のガス検出センサからの電圧信号の応答特性を示す。測定時の素子温度は約29℃であり、被検出ガスとして、水素を約1%含む空気混合ガスを使用した。60秒で混合ガスを流し始め、300秒で空気を流した。混合ガスが流れる時に電圧信号が発生することが確認された。また、測定時のガス検出センサの抵抗変化は1%以下であり、混合ガスの有無に依存しなかった。
【0017】
表1及び表2に、ガス検出センサの応答特性を示す。応答速度については、混合ガスが流れ初めてから最高電圧の90%までの立ち上がり時間としてT90とし、空気が再び流れ初めて、電圧が消滅し、最高電圧の90%まで小さくなるまでの時間をTD90とする。約50秒単位の応答速度が可能になった理由としては、本発明のガス検出センサが、膜状の構造をもつためであると考えられる。更に注目すべき結果は、TD90が短く、素早く元の信号レベルに回復することから、繰り返し特性が優れていることである。
【0018】
検出センサの応答特性の温度依存性については、作動温度70℃を前後に大きく異なった。室温付近から70℃までは、発熱量が温度に比例して大きくなったことから、電圧信号もほぼ直線的に比例して大きくなった。70℃以上では発熱量及び電圧信号の変化が小さくなり、全体的に温度に依存しなくなった。表1にはその代表的な温度である100℃での特性を示した。
検出センサの応答特性の水素濃度依存性については、表1及び表2に示したように、1%、3%、10%の変化に対してほぼ直線的に比例する結果となった。つまり、本発明の可燃性ガス検出センサでは、検出出力と可燃性ガス濃度とがリニアーな関係にあるので、定量測定を簡単に行うことができる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
実施例4
上記実施例で示した白金を触媒とした検出センサは、他の可燃性ガスに対しては、室温付近で殆ど応答が無かった。水素を除いては、メチルアルコール及び一酸化炭素が、比較的低温でも白金と触媒反応を起こすと報告されている(化学と工業,24,4−11頁,1973年,山中龍雄)。このメチルアルコール及び一酸化炭素に対する応答特性を調べたが、両方とも100℃以下では、発熱及び電圧信号は測定できなかった。
以上のことから、白金を触媒とする、ここで紹介した実施例の検出センサは、100℃以下の作動室温では、水素ガスのみに応答し、優れた水素ガス選択性を持つことが判る。
【0022】
参考例
シリコン単結晶もその熱電変換性能は低いが、熱電変換効果は得られるため、シリコン単結晶を熱電変換材として用い、他は実施例1と同じ構造及び面積のガス検出センサを作製し、水素ガスとの応答特性を比較する実験を行った。発熱量は実施例1の素子の場合とほぼ同じであったが、発生温度差については、水素ガス濃度3%の条件で、室温で約0.2℃、100℃で0.8℃と、実施例1に比べ約5分の1以下程度となり、それにしたがい電圧信号が小さくなった。
温度差が小さくなった理由はシリコン単結晶の高い熱伝導率(実施例1の熱電変換材料であるアルカリ金属をドープしたNiO系の測定値である4W/mKより大きい150W/mK)であり、比較的熱伝導率が低い熱電交換材料を熱電変換膜として用いるのが有効であることを確認した。
【0023】
実施例5
Li,Na−ドープ酸化ニッケル粉末を、ターピネオールとエチルセルロースで作ったビークルと混合し、ペースト状にして、アルミナ基板に印刷し、200℃で5分乾燥し、1000℃で2時間焼結することによって熱電変換酸化物厚膜を作製した。次に、膜表面の半分に、rfスパッタリングにより、触媒となる白金の薄膜を数〜数十ナノメートルの厚みで形成し、ガス検出センサを作製した。
【0024】
得られたpt/NiO厚膜水素センサーの膜表面の面積は、基板:Al2O3/2.0×1.0cm2、触媒:pt/0.9×0.5cm2、熱電変換酸化物:NiO/1.8×0.5cm2であった。被検出ガスとして、H2、CO,CH4、i−C4H10、CH3OH、C2H5OH(濃度3%)を使用し、素子温度を35、45、65、85、100、125℃として、上記ガス検出センサーの発熱特性を調べた。
【0025】
表3に、検出された電圧信号Vs及び他の可燃性ガスに対する水素ガスの選択性を示す。図3に、被検出ガスに対する電圧信号と温度との関係を示す。
【0026】
【表3】
【0027】
上記の結果から、上記ガス検出センサーは、水素ガスに対して高い選択性を有すること、85℃以上の高温領域においては、メタノール、エタノールに対する若干の活性がみられるが、低温側では、水素に対する選択性が非常に優れていることが示された。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、可燃性ガスと触媒材の触媒反応による発熱により可燃性ガスの検出信号を発信するようにしたガス検出センサに係るものであり、本発明により、1)室温で作動し、秒単位の応答速度を可能にした可燃性ガス検出センサが得られる、2)膜状の形状であり、且つ室温で作動するため、シリコンチップへの集積化ができる、3)印刷パタ−ンを変えるだけで、増幅器回路なしでも容易に電圧を発生することができる、4)センサ表面の触媒材の種類を変えることにより、特定ガスの選択的識別及び定量測定を簡単且つ正確に行うことができる、5)検出ガスによる抵抗変化が殆ど無い、信頼度の高いガス検出センサを提供できる、6)くり返し特性に優れたガス検出センサを提供できる、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】センサの構造の一例を示す。
【図2】水素ガスに反応したセンサからの電圧信号の応答特性を示す。
【図3】被検出ガスに対する電圧信号と温度との関係を示す。
Claims (4)
- 可燃性ガスと触媒材との触媒反応による発熱を、熱電変換材料(抵抗変化型素子材料を除く)の熱電変換効果により電圧信号に変換し、それを検出信号として検出する、膜状の構造をもつガス検出センサであって、1)被検出ガスと接触して触媒反応を起こす膜状の触媒材と、それに接して形成した、この反応による発熱から発生する温度差を電圧信号に変換する熱電変換材料膜を構成要素として有し、2)基板上に上記熱電変換材料膜が形成され、該熱電変換材料膜の表面の一部に上記膜状の触媒材が形成され、これらの膜に電極が形成された構造を有し、3)上記熱電変換材料膜の熱電変換特性が、ガスに影響されないでガスによる抵抗及び熱起電力の変化が少ないこと及び発生信号は触媒反応からの微熱の大きさに比例することを特徴とする可燃性ガス検出センサ。
- 触媒反応を起こす触媒材が、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)から選択される1種以上である請求項1に記載のガス検出センサ。
- 熱電変換材料膜が、BiTe系、SiGe系、又は金属酸化物系(抵抗変化型素子材料を除く)材料から成る請求項1又は2に記載のガス検出センサ。
- 白金の触媒材を用いることにより、水素ガスのみに応答する選択性を持たせた請求項1に記載のガス検出センサ。
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